JP2848943B2 - 表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料 - Google Patents
表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料Info
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Description
る紫外線パルスレーザー光を照射し、当該ポリエステル
繊維材料表面に生じる微細な凹凸形状変化,化学変化を
利用することによってゴムや樹脂などのマトリックスと
の接着性を向上させ、あるいは光の屈折率,反射率が変
化することにより該繊維材料を染色したときの色彩を変
化させ、新しい感性を付与するなど高度の機能化を可能
にした線状芳香族ポリエステル繊維に関する。
り、それを生かしゴムや樹脂などのマトリックスの補強
用繊維としてきわめて有用である。しかし、線状芳香族
ポリエステル繊維の表面は比較的不活性であり、ゴムや
樹脂等のマトリックスとの接着性が不十分である。従っ
て、これを改良するために各種の方法が提案されてい
る。つまり種々の薬品を用いた化学的な改質法,エポキ
シ化合物,イソシアネート化合物などの反応性の強い物
質で処理する方法、スパッター,プラズマ,電子線など
の物理的手段を利用する方法、あるいはこれらの組み合
わせが提案されておりこれに関する特許も多数見られ
る。
なったり、繊維材料の物性低下を招くなどの問題が新た
に生じている。
りわけ黒の深色性を高めるための研究は数多くみられ
る。繊維材料に屈折率の低い化合物、例えばフッ素系処
理剤,シリコン系処理剤,ウレタン系処理剤などで繊維
表面を被覆する方法があるが、これらの手段により深色
化のレベルは向上するものの、ドライクリーニング洗濯
処理による深色度の低下とか、染料のブリードアウトに
よる色の泣き出しなどの問題が起こりやすく限界があ
る。
での光の乱反射を防ぎ深色化を狙う方法があり、技術手
段としては微多孔形成剤を内添したポリエステル繊維を
アルカリエッチングして微細な凹凸を形成させる方法な
どがある。他にも低温プラズマ処理を行う方法もある
が、何れも深色化はなされるが繊維表面の凹凸部が破壊
され易い。プラスマ処理の場合は真空中での処理が必須
であるなど更に研究されるべき点が多く実際的でない。
り、マトリックスとの接着性を改良しあるいは、深色効
果の耐久性を飛躍的に向上せしめる材料として繊維軸方
向に対して直角方向に凹凸形状を示し、その凸部と凸部
の間隔が0.6〜3.0μm、また凸部の幅が0.1〜0.8μmで
ある表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料を
提供することにある。
に、特定の波長を有する紫外線パルスレーザー光を照射
し、当該芳香族ポリエステル繊維材料表面に生じる微細
な凹凸形状変化及び化学変化、表面の結晶配向変化など
を利用することによって、ゴムや樹脂等のマトリックス
との接着性を向上させた線状芳香族ポリエステル繊維材
料に関するものである。
一般式で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とす
るポリエステル繊維が好ましく用いられ、特にエチレン
グリコール及びテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエステルが好ましく用いられる。
長を有するものであり、XeF,XeCl,KrF,ArFなどのレーザ
ーの他、銅蒸気レーザー,YAGレーザーなどの高周波レー
ザー光を用いることができる。レーザー光の照射方法に
は特に限定はない。照射は空気中,不活性ガス中,加圧
下,又は真空中の何れで実施してもよい。照射に際して
の温度は常温から100℃の範囲が望ましい。照射条件と
して重要なのは照射フルエンス及び照射ショット数であ
る。照射フルエンスは通常1mJ/cm2/パルス〜500mJ/cm2/
パルスの範囲が望ましい。改質,変質の目的に応じて種
々異なった設定となる。本発明による芳香族ポリエステ
ル繊維材料の場合5mJ/cm2/パルス以上が望ましい。勿
論、高フルンエスでの照射も可能である。この場合凸レ
ンズによるレーザー光の集束など光学系が複雑になる。
またパルス当りの照射面積も小さくなり、現状では実際
的でない。また線状芳香族ポリエステル繊維材料の場
合、ポリマーの融点自体も220〜260℃にあり、あまり高
フルエンスで照射を行うと表面の融解を起こし物性の低
下を来すなど弊害も生ずる。それを防ぐ意味からも350m
J/cm2/パルス以下が望ましい。閾値以上でなるべく低フ
ルエンスで照射するのが物性−表面改質のバランスから
見ても望ましい。
予め光増感剤(例えばベンゾフェノン)をコーティング
してもよい。
料は、照射条件にもよるが表面に微細な凹凸形状を有
し、また表面存在元素の内、酸素濃度が減少するなどの
変化が起こっている。また条件によっては表面に非晶化
が起こっているのが見られる。
としエポキシマトリックスとする積層体では界面接着力
が向上する。
常の方法で染色するとその色の深みが大幅に増加する。
[η]=0.85)からなる下記の構成の織物を用いた。
糸によって得られた伸度115%のポリエステルフィラメ
ント糸(115de/24fils)と速度1380m/minの紡糸によっ
て得られた伸度345%のポリエステルフィラメント糸(2
25de/72fils)とを引揃えて交絡処理および延伸仮撚加
工を行った。
5%,圧空圧3.5kg/cm2で60個/mの交絡を付与し、引き続
いて延伸倍率1.56倍,ヒーター温度180℃,摩擦仮撚装
置の表面速度630m/min、第2デリベリローラー速度350m
/min、K値(解撚張力/加撚張力)1.05の条件下で延伸
仮撚加工した。
ント間には空隙があり、かつ全体として緩やかな集束部
分を平均2ケ所/10mm有していた。
内容で梨地ジョーゼットを製織した。
MG201 MSCエキシマレーザー発生装置を使用し、ガスにK
rF(発振波長248nm),ArF(発振波長193nm)及びXeCl
(発振波長308nm)を用い繰り返し周波数が1Hz,フルエ
ンスは5mJ/cm2から340mJ/cm2の範囲,パルス幅は半値全
幅で20nsの条件で試料を直接照射した。
検討のために[実施例1〜9,比較例1〜6]を実施し
た。
グリシジルエーテル化合物(エポキシ当量208)80重量
部,ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
0)20重量部,およびテトラブロモビスフェノールA30重
量部をジメチルイミダゾール0.03重量部の存在下で反応
させて得られたエポキシ当量340,ブロム含量23重量%の
エポキシ樹脂(X)とビスフェノールAとホルムアルデ
ヒドとの重縮合物である硬化剤(Y)を得た。エポキシ
樹脂(X)56重量部,ブロム化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量450,ブロム含有量45重量%)20
重量部,硬化剤(Y)2.4重量部と配合し、これに2−
エチル−4−メチルイミダゾール0.04部からなるエポキ
シ樹脂組成物にメチルエチルケトンを加えて不揮発分55
重量%のワニスを調整した。
このエポキシワニスに含浸し130℃で8分乾燥し、プリ
プレグを作成した。樹脂含有量(体積比率で)は60%で
あった。このプリプレグを2枚積層したものを剥離接着
の測定に使用した。積層時のプレス条件はまず30℃から
170℃まで8℃/分の速度で昇温し、次いで170℃で60分
保持した。この時のプレス圧は10kg/cm2であった。
7,8]を実施した。
ト,およびアルカリ減量(減量率は20%)を実施した後
下記条件で染色,還元洗浄を行い、次いで水洗,乾燥し
た。
(非イオン活性剤,花王製)1g/を含む50%の浴中で1
0分間洗浄し、ついで水洗乾燥した。
の(比較例1)、および340mJ/cm2のフルエンスで10パ
ルス照射したもの(比較例2)を実施した。比較例2は
処理条件が強すぎて深色性は未処理(比較例1)に較べ
てかえって低くなっていることが判る。
た。この値は試料の500nmにおける反射率をRとすると
次に示すクーベルカムンク(Kubelka−Munk)の式から
求められるものである。
)モデルM−2020PLを使用して行った。測定面積は3
×8mmの矩形で行った。
を有し、剥離接着力の向上が認められる。
Claims (1)
- 【請求項1】380nm以下の波長を有する紫外線パルスレ
ーザー光を照射することによって繊維軸方向に対して直
角方向に凹凸形状を示し、その凸部と凸部の間隔が0.6
〜3.0μm、また凸部の幅が0.1〜0.8μmである表面改
質された線状芳香族ポリエステル繊維材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2281865A JP2848943B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2281865A JP2848943B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04163368A JPH04163368A (ja) | 1992-06-08 |
JP2848943B2 true JP2848943B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=17645069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2281865A Expired - Lifetime JP2848943B2 (ja) | 1990-10-22 | 1990-10-22 | 表面改質された線状芳香族ポリエステル繊維材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2848943B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-22 JP JP2281865A patent/JP2848943B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04163368A (ja) | 1992-06-08 |
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