JP2848234B2 - 汚染水の拡散防止方法 - Google Patents

汚染水の拡散防止方法

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JP2848234B2
JP2848234B2 JP1670594A JP1670594A JP2848234B2 JP 2848234 B2 JP2848234 B2 JP 2848234B2 JP 1670594 A JP1670594 A JP 1670594A JP 1670594 A JP1670594 A JP 1670594A JP 2848234 B2 JP2848234 B2 JP 2848234B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既に汚染された区域、
或いは汚染することが予測される区域からの汚染水の拡
散を未然に防止するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば化学工場や有害物質取扱工場の跡
地などにおいて、重金属や使用済み溶剤などの有機物質
等、有害物質を集積している敷地や、有害物質を取扱う
工場の建設を予定している敷地においては、前記有害物
質が当該区域から拡散することを防止する対策を講じて
おく必要がある。
【0003】かかる有害物質の拡散による汚染について
最も懸念されることは、前記有害物質の直接的な散逸拡
散のみならず、野積みされたり、保管されている当該有
害物質が雨水や表流水などに溶解して地下に浸透し、地
下水により運ばれて拡散されることであり、一旦上流側
地域で発生した地下水の汚染は汚染濃度を薄めつつ下流
側に広範囲に拡散し、汚染区域を拡大する惧れがある。
【0004】したがって、この種の拡散防止対策として
は、地中に地中連続壁やグラウト壁などの止水壁を連続
的に構築することによって当該汚染区域ないし汚染予測
区域を完全に包囲し、周縁区域の地盤と完全に切り離せ
ば良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は地下の止水壁のみによって汚染区域を分離するために
は、当該汚染区域から周縁区域への地下水の移動を遮断
すべく、不透水性地盤に到達する大深度地下連続地中壁
を構築するとともに、地中壁を完全に水密性のある構造
とする必要があり、その構築には極めて大きな建設コス
トを必要とし、経済的ではない。
【0006】本発明は以上の問題を解決するものであっ
て、その目的は、大深度の止水壁を要することなく、簡
易な構成により汚染ないし汚染予測区域から非汚染区域
に地下浸透水が拡散することを防止できるようにした汚
染水の拡散防止方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による汚染水の拡散防止方法にあっては、汚
染ないし汚染予測区域の地盤を地下水の水面より下方に
到達する深度に構築された止水壁によって囲うことによ
り周縁区域の地盤と区画するとともに、該汚染ないし汚
染予測区域内部の地下水を揚水して当該区域内の地下水
位を前記周縁区域の地下水位より常時低水位に保つこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】以上の構成による本発明の汚染水の拡散防止方
法にあっては、止水壁により雨水などの地下浸透水が汚
染ないし汚染予測区域から側方に通過することを防止す
るとともに、地下水の揚水によって、当該汚染区域内の
地下水位は周縁区域の地盤の地下水位より低く保たれ、
この水位差によって地下水は、常に周縁区域の地盤から
止水壁の下方を回って当該汚染区域内に流入するように
なる。すなわち、当該汚染区域から周縁区域の地盤へ向
かう地下水の流れが発生せず、また、当該汚染区域から
排出される汚染水は周囲から流入する地下水によって薄
められた状態で水処理施設などに送られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。
【0010】図1は本発明に係る汚染水の拡散防止方法
を示す断面説明図である。図において、汚染ないし汚染
が予測される汚染区域1と周縁区域2との間にはその隣
地境界に沿って地盤E内に所定厚みの止水壁3が鉛直に
構築され、汚染区域1を囲った状態で周縁区域2と区画
している。
【0011】止水壁3は連続地中壁工法などによって形
成されたコンクリート壁、グラウト壁など不透水性壁体
であり、地盤Eの地下水面WLの下方まで到達する深度
に構築される。なお、地下水位は施工場所によって異な
るものであり、事前調査によって得られた年平均水位
や、最低水位、最高水位などのデータを元に止水壁の構
築深度が決定される。
【0012】また、汚染区域1の内部には井戸4が孔設
され、揚水ポンプ5により、地下水を汲み上げ、この汲
み上げた水を水処理施設6で処理した後、河川などに放
流している。
【0013】この井戸4の掘削深度は周縁区域2内の地
下水の最低水位より下方であって、前記止水壁3の構築
深度より浅い位置に設定される。
【0014】さらに、汚染区域1及び周縁区域2にはそ
れぞれ地下水位計7が埋設され、常時汚染区域内の地下
水面WL1 と周縁区域2の地下水面WLを監視し、この
監視データを前記揚水ポンプ5の駆動部5aに制御デー
タとして入力している。
【0015】以上の構成において、揚水ポンプ5の駆動
により汚染区域1内の地下水は汲み上げられ、この結果
地下水面WL1 の水位は周縁区域2の地下水面WLより
も、低くなるので、その水位差(WL−WL1 )に応じ
た水量が常時止水壁3の下部を図の矢印のように回って
汚染区域1内に流入することになる。すなわち、これに
よって汚染区域1から周縁区域2に向かう流れを生じる
ことがない。なお、地下水の流れは地上部における流れ
よりもより緩慢であるため、各地下水位計7によりその
水位差が検出される。
【0016】また、揚水ポンプ5の能力は、汚染区域1
の大きさや地盤の透水係数等を鑑みて設定されるととも
に、揚水ポンプ5は前記各地下水位センサー7の検出値
に基づきその水位差を好ましくは常時一定に保つよう駆
動部5aにより駆動制御されており、雨、表流水などの
変動要素が生じても、常時周縁区域2の地盤から汚染区
域1内に向けて地下水が流れ込むだけとなる。
【0017】なお、雨水,表流水等が汚染区域1内に流
入し、地表面から地盤E内に浸透する時、地盤Eが有害
物質によって汚染されていた場合には有害物質を溶解し
た水となって浸透する。
【0018】この汚染水は汚染区域1内の地下水に混在
することになるが、この汚染水を混合した地下水は前記
汚染区域1内に向かう流れにより周縁区域2に流出する
ことはなく井戸4を通じて揚水ポンプ5により排出さ
れ、水処理施設6を通じて無害化された上で外部に放流
される。また汚染水を混合した地下水は、周縁区域2か
ら流入する新鮮な地下水により希釈されるため、その濃
度が急激に高くなることがなく、またこれにより水処理
施設6の処理能力を緩和することができる。
【0019】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る汚染水の拡散防止方法にあっては、地下水の揚水によ
って汚染ないし汚染予測区域内の地下水位は周縁区域の
地下水位より低く保たれ、この水位差によって、地下水
は周縁区域から止水壁の下方を回って汚染ないし汚染予
測区域内に流入するのみとなるため、大深度の止水壁を
要することなく、簡易な構成により、汚染物質を含む地
下浸透水が周囲に拡散するのを防止することができる。
すなわち、大深度の止水壁を構築する場合に比べて建設
コストを大巾に低減できる。
【0020】また、本発明の方法にあっては、排出され
る汚染水は周囲から流入する地下水によって薄められて
おり、汚染水を希釈された濃度で処理すれば良いため、
水処理施設施設などの設備も簡易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚染水の拡散方法の一例を示す断
面説明図である。
【符号の説明】
1 汚染区域(汚染ないし汚染予測区域) 2 周縁区域 3 止水壁 5 ポンプ E 地盤 WL 周縁区域の地下水水面 WL1 汚染区域の地下水水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 31/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染ないし汚染予測区域の地盤を地下水
    の水面より下方に到達する深度に構築された止水壁によ
    って囲うことにより周縁区域の地盤と区画するととも
    に、該汚染ないし汚染予測区域内部の地下水を揚水して
    当該区域内の地下水位を前記周縁区域の地下水位より常
    時低水位に保つことを特徴とする汚染水の拡散防止方
    法。
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