JP2844138B2 - 密封性の優れた金属製容器の製造方法 - Google Patents
密封性の優れた金属製容器の製造方法Info
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Description
めチャイム部における密封性の優れたシ−リング・コン
パウンドを充填剤として用いて連続的に金属製容器を製
造する方法に関するものである。
品等での液体物は多く、その運搬、貯蔵或いは容器とし
てドラム缶やペ−ル缶、食品缶、エアゾ−ル缶等の金属
製容器が使用されており、その巻締めチャイム部のシ−
ル方法は一応確立されている。これら従来の技術を20
0Lドラム缶を例にして簡単に説明する。図1はそのド
ラム缶の概念図を示したものである。 そのドラム缶の
構成は天地1、地板2及び胴部3とから形成されてお
り、更に天地1には大栓4、小栓5が形成されている。
この大栓4は注入孔であり、小栓5は換気孔の役目をす
る。また、図2は巻締部の詳細図であって、天地1及び
地板2を巻締めによって胴部3と接合され、その巻締め
部(チャイムともいう)にシ−リング・コンパウンドが
充填されて内容物の滲みや漏洩を防止する作用をしてい
る。そこでドラム缶の胴部3と天地1及び地板2を接合
する時には、先ず胴部3に天地1及び地板2を嵌合し、
巻締機にかけて回転させながら連続的に巻締めていく
が、その巻締める直前に図3のように胴部3の端部周辺
と天地板1ないし2の周辺にシ−リング・コンパウンド
6をエア−ショットガン7を用いて自動的に噴射塗布し
(ウエット・シ−ム法という)シ−リング・コンパウン
ド6を巻き込むような形で胴部3と天地板1、2は巻締
められていく、この工程を図3の(A)(B)(C)で
順次示す。
って、巻締めは胴部と天地板が互いに接触しながら螺旋
状に巻締められるが、双方の接触部や双方の板の先端に
形成する空間8(フック部或るはコンパウンド・スペ−
スという)にシ−リング・コンパウンド6が充填され、
内容物の滲みや漏洩を防止するシ−ル剤としての作用を
する。しかし、シ−リング・コンパウンドは合成ゴム或
いは天然ゴムや無機充填剤を主成分とした水系エマルジ
ョン型が多く用いられており(例えば、商品名、ダ−レ
ックス・ドラム・ペイル・コンパウンド60Xは合成ゴ
ム35%、無機質充填剤27%、増粘剤2%、残部
水)、その殆どは固形分が50〜70%であるために、
所定箇所にシ−リング・コンパウンドを塗布してから直
ちに巻締められるために、巻締部のシ−リング・コンパ
ウンドは大部分が水分を包含したままで取り込まれるこ
とになる。従って、これらのシ−リング・コンパウンド
中の水分はドラム缶の巻締め以降の工程である外面塗装
の乾燥焼き付け工程を通過するときやその後の製品の保
管中に蒸発するもので、その際にシ−リング・コンパウ
ンドに気泡を生じたり、乾燥に伴う体積収縮によって巻
締め部に空隙を生じてシ−リング効果を減じることがあ
った。しかし、上記のような空隙を生じても内容物を容
器に入れてから、内容物にシ−リング・コンパウンドが
接触し、適度に膨張する場合には空隙を圧縮するので、
内容物の漏洩を防止出来る。しかし、そのシ−リング・
コンパウンドを余り膨張させない内容物が充填された場
合には空隙を埋めることが出来ず、シ−リング効果は減
少し、内容物がチャイム部から滲み出たり、漏洩するこ
とがある。
洩し易い内容物を対象とした特殊な仕様で製造する場合
にのみ、予め天地板にシ−リング・コンパウンドを12
〜14g塗布(プレアプリケ−ション法という)後11
0〜140℃の乾燥炉で8〜10分間加熱して、架橋及
び発泡させる特殊なシ−リング・コンパウンドを使用し
て巻締めることが行なわれているが、この方法では既に
架橋し、更に弾力性のあるコンパウンドを巻き込むので
各種内容物に対する密封性の点では優れているが、乾燥
炉の設置が必須であり、また、生産工程が長くなること
等の点で製造コストが上昇する欠点がある。
は上記のような特殊な乾燥炉も必要とせず、従来の製造
ライン内で処理でき、従来のウエット・シ−ム法とプレ
アプリケ−ション法の欠点を改善する新しいシ−リング
・コンパウンドの適用法による密封性の優れた金属製容
器を提供することにある。
前述の問題点を解決するべく種々研究を重ねた結果、金
属製容器の天地板と胴部を接合している巻締め部におい
て、天地板と胴部を巻締めする直前から、長くしても1
0分前までの間に、天地及び地板に予めシーリング・コ
ンパウンドを塗布してから、天地板と胴部を巻締める
か、更に引き続き巻締機で巻締める直前にシーリング・
コンパウンドを塗布してから巻締めて製造する膨潤性の
大小に関わらず、あらゆる内容物に対して優れた密封性
を付与する金属製容器を製造することが可能となった。
その要旨とするところは、 (1)天地板と胴部の接合部の巻締めチャイム部にシー
ル用充填剤を用いて連続的に金属製容器を製造する工程
において、化成処理後の乾燥炉もしくは缶内面塗装後の
焼付炉の出口近くで、70〜100℃に加熱されている
天地及び地板の周端にシーリング・コンパウンドを塗布
して乾燥した後、巻締め機にて天地板と胴部を巻締めて
結合することを特徴とする密封性の優れた金属製容器の
製造法。 (2)天地板と胴部の接合部の巻締めチャイム部にシー
ル用充填剤を用いて連続的に金属製容器を製造する工程
において、化成処理後の乾燥炉もしくは缶内面塗装後の
焼付炉の出口近くで、70〜100℃に加熱されている
天地及び地板の周端にシーリング・コンパウンドを塗布
して乾燥したプレアプリケーション法によるシーリング
・コンパウンドと巻締め機において巻締める直前に、胴
部の両端周辺、もしくは天地板と胴部先端部の双方にシ
ーリング・コンパウンドを注入するウエット・シーム法
によるシーリング・コンパウンドを併用して巻締めるこ
とを特徴とする密封性の優れた金属製容器の製造法。(3)プレアプリケーション法によるシーリング・コン
パウンドは粘度が2000〜8000cps(25℃、
BH計、25rps)で36〜72rpmで回転する天
地板に塗布し、ウエット・シーム法によるシーリング・
コンパウンドは粘度が10000〜18000cps
(25℃、BH計、25rps)のものを使用すること
を特徴とする請求項1または2に記載の密封性の優れた
金属製容器の製造法にある。
する。図4は従来の代表的なドラム缶の製造工程の流れ
(細線で示す)と本発明による製造工程の流れ(二重線
で示す)をもって述べる。鋼板から所定の形状に打ち抜
き或いは切断された後、プレス成形やロ−ル成形及び溶
接による加工を経て、天板と地板及び円筒状の胴部が得
られる。次いで脱脂、化成処理、湯洗、乾燥工程を経
て、引き続き天地板及び胴部は60〜80℃に加熱され
て次の工程に入る。それから天地板と胴部の巻締めによ
る接合工程に入りドラム缶の形状になる。通常のドラム
缶製造方法であるウエット・シ−ム法の場合は、前述の
ように巻締機胴部と天地板が巻締められて接合する直前
に、胴部の端部周辺にシ−リング・コンパウンドを塗布
して直ちに巻締める。引き続き外面に塗装を施し、焼き
付け炉を通し、100〜150℃に約10分間加熱して
塗料を硬化する。その後、表示やマ−キングを行い、検
査をして製品になる。
20〜50%含有する水系エマルジョンがよく使われて
おり、しかも巻締め作業の直前に天地板と接合される胴
部の端部にインジェクタ−ガンで塗布される。いわゆる
ウエット・シ−ム法が用いられていた。前工程の湯洗、
乾燥工程により加熱されるため巻締め時でも天地板と胴
部の温度は約60℃であり、また、巻締め時の鋼材の加
工による発熱で、更に若干の温度上昇はあるが、塗布後
直ちに巻締められるのでシ−リング・コンパウンドが乾
燥する時間が充分ないので、シ−リング・コンパウンド
中の水分は殆ど蒸発することなく、水分の残存が多い状
態のままで巻締められる。従って、その後の外面塗装の
焼き付け工程での加熱や製品の保管中に水分が揮散する
ことになる。しかし、十分に乾燥した後に巻締められた
場合は、シ−リング・コンパウンドに充填剤が良く空間
を埋めているため、乾燥が不十分のままで巻締められた
場合は水分が揮散した後に、気泡が出たり、体積が収縮
することによって空隙を生じて密封性能の低下になるこ
とがあった。しかし、内容物がヘキサン、ケロシン、ト
ルエン、酢酸エチル、ジクロ−ルエタン等のように充填
剤が接触して膨潤する度合いが大きい場合には、膨潤す
ることによって空隙を潰してしまうので密封性能は回復
して何ら問題はない。一方、アニスアルデヒト、ジメチ
ルアセトアミド、クレゾ−ル、トリエタノ−ルアミン、
ジメチルホルムアルデヒド等のように充填剤が接触した
場合の膨潤度が小さい内容物の時は、空隙がそのまま残
るので、長時間の保管中には内容物の滲みや漏洩が生じ
ることになる。
ンドの塗布工程の改善による上記問題点の改善を行っ
た。その新しいドラム缶の製造工程を図4に示す。すな
わち、シ−リング・コンパウンドの塗布を巻締機におい
て巻締め直前に行うのではなく、天地板及び胴部が脱
脂、化成処理後に乾燥、水切りの工程があるが、その出
口での天地板及び胴部の温度は70〜90℃になるの
で、その余熱を利用してシ−リング・コンパウンドの乾
燥を促進するために巻締機から出来るだけ前で、乾燥、
水切りの工程に近い所で天地板にシ−リング・コンパウ
ンドの塗布を行うように変更する。すなわち、図5に示
すように巻締機の前のまだ天地板を胴部に巻締めしてい
ない状態の間に、しかも極力前にシ−リング・コンパウ
ンドを天地板の胴端部の巻締め時に胴部と接合する箇
所、すなわち、図6(A)のようにカ−ル部に天地板を
回転させつゝ、シ−リング・コンパウンドをエア−ショ
ットガン等で1.5〜3.0g塗布する。シ−リング・
コンパウンドは天地板の回転による遠心力で、図6
(B)に示すように外周方向に薄く延ばされながらカ−
ル部の中まで塗布される。
が近接する、いわゆるフック部にシ−リング・コンパウ
ンドが充填するためには、シ−リング・コンパウンドは
天地板の周辺に設けられたカ−ル部の内部に塗布するこ
とが望ましいが、実際の生産ラインの中で回転する天地
板のカ−ル部にエア−ジェットガンの先端を挿入して所
定位置に塗布することは困難である。また、塗布された
シ−リング・コンパウンドは薄膜状に塗布される方が、
塗布後の乾燥性や巻締め後の充填状況等から望ましい。
以上のような適切な位置に、適切な状態でシ−リング・
コンパウンドを塗布する方法を種々検討した結果、適切
な粘度のシ−リング・コンパウンドを適切な回転速度で
回転する天地板のカ−ル部の近傍に塗布する方法が最も
簡便で、かつ効果的であることが明らかになった。シ−
リング・コンパウンドを回転する天地板の遠心力で塗布
位置から外側のカ−ル部の方に薄く延ばされて薄膜状に
なる。シ−リング・コンパウンドの粘度は2.000〜
8.000cps(25℃、BH計、25rpm)で、
望ましくは、3.000〜6.000cpsである。粘
度が大きくなると流動性がなくなるので、適切な回転速
度ではシ−リング・コンパウンドは薄く延びないで、紐
状にエア−ジェットガンから吐出されたままの状態で天
地板に固着する。その結果、紐状のシ−リング・コンパ
ウンドの内部は、まだ未乾燥のまま巻締め工程に入り、
本発明の効果を期待できない。また、十分に乾燥時間を
与えて乾燥された場合でも、巻締め時に天地板の先端が
相互に移動しつつ、次第に巻締められる時に紐状の固形
化したシ−リング・コンパウンドが鋼材の加工を阻害す
る作用をして、好ましい巻締め部の形状が得られなくな
る。一方、粘度が小さい場合は適切な回転速度ではシ−
リング・コンパウンドの流動が良いために薄く広がり過
ぎて好ましくない。
対応して決められるものであるが、通常の1時間当たり
500〜600本の生産速度であれば天地板の回転速度
は36〜72rpmで、2回転で所定の量を塗布できる
程度が望ましい。回転速度が大きくなれば、生産速度の
範囲で許容される塗布時間内に天地板の回転数が多くな
り、従って、シ−リング・コンパウンドの塗り重ね数が
多くなって均一な膜厚で塗布されるが、一方、慣性のた
めに天地板の回転の開始及び停止に要する時間が長くな
ったり、また、回転中の天地板の安定化の方法に困難を
来すという問題がある。逆に回転数が小さいと、当然の
ことながらシ−リング・コンパウンドの均一な塗布は困
難になる。なお、上述では天地板をプレカ−ルした後に
シ−リング・コンパウンドを塗布することで説明した
が、プレカ−ルの工程とシ−リング・コンパウンドの塗
布工程の順序を限定するものではなく、シ−リング・コ
ンパウンドの塗布後にプレカ−ルしても良く、また、プ
レカ−ルすることなく、胴部と嵌合し巻締められる場合
があっても本発明の目的と効果は同じである。
填するに必要なシ−リング・コンパウンドの量に相当す
る重量を塗布すれば良い。天地板に塗布されたシ−リン
グ・コンパウンドは天地板が胴部に嵌合された箇所に搬
送されるまでの間に、天地板の保有する熱によって乾燥
が促進される。或いは又、シ−リング・コンパウンドを
塗布後、天地板が胴部に嵌合する工程に至るまでの間
に、更に、シ−リング・コンパウンドの乾燥を促進する
ために、50〜150℃の熱風を天地板のシ−リング・
コンパウンド塗布箇所に吹き付けることも効果的であ
る。或いは又、赤外線等の照射も効果がある。その結
果、シ−リング・コンパウンドの塗布時の天板及び地板
の温度が比較的高いこと、及びシ−リング・コンパウン
ドの塗布後巻締めまでの時間が長くなること等の点から
巻締機の所でシ−リング・コンパウンドを塗布する場合
よりも、はるかにシ−リング・コンパウンドの乾燥が容
易になり、従って、従来のシ−リング・コンパウンドの
塗布方法ではドラム缶成形直後の巻締めチャイム部のシ
−リング・コンパウンドの水分含有率は20〜30%で
あったが、この発明では水分含有率は1〜5%まで低下
することが判明した。
る時の鋼材の温度が60℃以上あれば、巻締め時、すな
わち、巻締め時の直前から30秒ないし2分前に塗布す
ればシ−リング・コンパウンドの乾燥は十分である。し
かし、鋼材の温度が低い場合には長時間の乾燥が必要で
ある。例えば常温で塗布した場合には20時間以上放置
すれば乾燥する。逆に塗布時の鋼材の温度が高ければ、
巻締め時の極く直前でも乾燥するといえるが、水系のエ
マルジョンを使用している場合は水の沸点以上の温度で
塗布すると、水が突沸して蒸発するために、乾燥後のシ
−リング・コンパウンドは気泡の生成が多く密なコンパ
ウンドを生じないので密封性の点で好ましくない。従っ
て、望ましくは徐々に乾燥して得られたコンパウンドの
方が品質的には好ましいが、生産性の上で適正な乾燥温
度と巻締め前の塗布時間、すなわち、乾燥時間が定めら
れ、乾燥温度60〜80℃、乾燥時間は10秒〜10分
好ましくは30秒〜2分である。これらの改善の結果、
巻締機においてシ−リング・コンパウンドを塗布してい
た際に生じた乾燥に伴う体積収縮や気泡の発生による空
隙の生成という問題を解消することが出来た。
なドラム缶の製造工程の例で説明したがドラム缶には腐
食性内容物用として内面に熱硬化性塗料を塗布すること
がある。これを内装缶というが、内装缶は前記の製造工
程で化成処理及び水切り乾燥後に、天地板及び胴部をそ
れぞれ別々にフェノ−ル樹脂塗料やエポキシ−フェノ−
ル樹脂塗料を塗装し、次いで240〜260℃で10〜
15分の焼き付け硬化を行う。この場合には焼き付け乾
燥炉を出て来たところで前述と同じようにプレアプリェ
ション法でシ−リング・コンパウンドを塗布しても良
い。しかし、焼き付け乾燥炉を出てから、水性エマルジ
ョンのコンパウンドを塗布した時に水分が沸騰して気泡
を生じないように鋼材の温度が100℃以下になってい
ることが必要である。ただし、シ−リング・コンパウン
ドの溶媒が水ではなく高沸点の液体を使用している場合
は100℃以上でも良好な塗布は可能である。
・コンパウンドは良く乾燥して弾性のあるゴム質になっ
た結果、巻締部の天地板と胴部板の先端部が形成するフ
ック部のコンパウンド・スペ−スにはコンパウンドがよ
く充填し、シ−ル効果はそれだけで充分であるが、更
に、螺旋状に巻締められている相互の板の接触部分まで
は、十分にコンパウンドが延伸してフイルム状に充填す
ることが望ましいが、よく乾燥したコンパウンドは巻締
め時に螺旋状に巻締められている箇所までは流動してい
かない。また、天地板が胴部と仮嵌めした後、巻締機ま
で移送される間に天板が若干振動したり、或いは巻締め
られる際に天板または地板の外周部が次第に巻き加工さ
れて胴部の先端に接合される場合に、天板または地板に
塗布されたプレアプリケ−ションのシ−リング・コンパ
ウンドに胴部の先端が接触して鋼材に密着しているシ−
リング・コンパウンドが鋼材から剥離されることがあ
る。そこでこれらの問題を解決し、更に改良するために
上記のプレアプリケ−ション法に加えて、従来の巻締機
でのウエット・シ−ム法を併用した。その結果、乾燥し
たシ−リング・コンパウンドはフック部のコンパウンド
・スペ−スに充填され、一方、ウエット・シ−ム法によ
る液状のシ−リング・コンパウンドは巻締め時に流動し
て螺旋状の部分に薄いフィルム状になって充填され、ま
た、プレアプリケ−ション法のシ−リング・コンパウン
ドで鋼材から剥離した部分にも浸透して鋼材との密着を
促進して更に優れた密封性能を得ることが出来る。
なり天地板が垂直に立った状態で仮嵌めされて巻締機に
入り、200〜300rpm高速で回転しつつ巻締めら
れる。シ−リング・コンパウンドは巻締められる直前に
塗布される。従って、プレアプリケ−ション法に加え
て、併用実施されるウエット・シ−ム法で使用されるシ
−リング・コンパウンドの粘性が小さいと、高速で回転
する時の遠心力で吹き飛ばされ所定の位置に塗布するこ
とが困難になる。また、ここで用いるシ−リング・コン
パウンドはプレアプリケ−ション法のシ−リング・コン
パウンドと鋼材の境界を埋め、接着を促進することが目
的であること及び乾燥に要する時間が殆ど無いことから
水分の含有を極力少なくすることが必要であるために粘
度が大きい方が好ましい。なお、併用するウエット・シ
−ム用のシ−リング・コンパウンドの粘度は10.00
0〜18.000cps,望ましくは14.000〜1
6.000cps(25℃、BH計、20rpm)であ
る。併用するウエット・シ−ム法でのシ−リング・コン
パウンドは図7に示すように、天地板を仮嵌めした時に
天地板の周辺で胴部のフランジ先端が接触する箇所数m
m、もしくは胴部のフランジ先端から数mmの範囲を狙
って塗布するのが良い。巻締められた後で巻締め部を切
断して断面を観察したら、図8に示すように天地あるい
は地板と胴部の先端が接合するフック部にシ−リング・
コンパウンドが十分に充填していることがわかった。次
に、本発明で用いたシ−リング・コンパウンドの一例を
示す。 〔プレコンパウンド用〕〔ウエット・シ−ム ・コンパウンド用〕 成分組成 ゴム系エラストマ− 26.0% 24.0% 無機充填剤 42.0 49.0 増粘剤(合成ポリマ−) − 2.0 アンモニア水 32.0 25.0 固形量 68.0% 75.0% 粘度 25℃、BH計、20rpm 3.500cps 16.000cps
を製造するに当たり、水系のエマルジョンのシ−リング
・コンパウンドを使用した。コンパウンドは固形量68
%、粘度3.500cps(25℃、BH計、20rp
m)また、組成はゴム系エラストマ−26%、無機系充
填剤42%、その他3%、アンモニア水32%である。
化成処理後の水切り乾燥炉を出てきた天地は交互にロ−
ラ−テ−ブル上を搬送されて、天地板仮嵌め工程へ行
き、水切り乾燥炉を出たところに、毎分60rpmで回
転するロ−ラ−テ−ブルとインジェクタ−ガンを設置
し、上記のシ−リング・コンパウンドを天板及び地板が
2回転する間にそれぞれに縁のカ−ル部に3.0g狙い
で塗布した。その時の天地板の温度は79℃であった。
コンパウンドは天地板が回転する遠心力によって外周の
方に薄く広がりながらカ−ル部の中の方まで均一に塗布
され、厚さは約0.2mmとなる。コンパウンド塗布
後、天地板仮嵌め工程に達するまでの間は、ロ−ラ−テ
−ブル上を保温カバ−で覆った。シ−リング・コンパウ
ンド塗布後、巻締め部に到達するまでの時間は2分50
秒であった。コンパウンドは良く乾燥していた。その結
果について、巻締め部を切断して、その断面を顕微鏡で
観察した結果はフック部に弾性のあるプレアプリケ−シ
ョンしたコンパウンドはフック部のコンパウンドスペ−
スによく充填していた。また、巻締め直後に巻締め部を
切断してフック部のシ−リング・コンパウンドを取り出
して水分含有率を測定した結果は、従来の方法では26
%であったが、本発明では僅かに1.2%であった。ま
た、シ−リング・コンパウンドに接触しても膨潤させる
ことが少なく、内容物の漏れや滲みが生ずることがあっ
たトリエタノ−ルアミンをドラム缶に充填し、1.0k
gf/cm2の内圧を加えて、40℃で1ケ月放置した
が全く漏れも滲みも認められなかった。
一のエマルジョンのシ−リング・コンパウンドを使用し
た。シ−リング・コンパウンドを天板及び地板が2回転
する間にそれぞれに縁のカ−ル部に4.0g狙いで塗布
した。その時の天地板の温度は70℃であった。コンパ
ウンドは天地板が回転する遠心力によって外周の方に薄
く広がりながらカ−ル部の中の方まで均一に塗布され、
厚さは約0.3mmとなる。コンパウンド塗布後、天地
板仮嵌め工程に達するまでの間は、ロ−ラ−テ−ブル上
を保温カバ−で覆った。シ−リング・コンパウンド塗布
後、巻締め部に到達するまでの時間は5分であった。コ
ンパウンドは良く乾燥していた。更に、巻締め部では天
地板それぞれに1.0gずつの組成はゴム系エラストマ
−24%、無機充填剤49%、増粘剤2%、アンモニア
水25%で粘度は16.000cpsのシ−リング・コ
ンパウンドを塗布し、直ちに巻締めを行った。その結果
について、巻締め部を切断して、その断面を顕微鏡で観
察した結果はフック部に弾性のあるプレアプリケ−ショ
ンしたコンパウンドをウエット・シ−ムで塗布したコン
パウンドが被覆して鋼材との間の密着を促進し、また、
螺旋部の方にもウエット・シ−ムで塗布したコンパウン
ドがよく浸透してシ−リング・コンパウンドが充填して
いた。また、巻締め直後に巻締め部を切断してフック部
のシ−リング・コンパウンドを取り出して水分含有率を
測定した結果は、従来の方法では26%であったが、本
発明では僅かに1.5%であった。また、シ−リング・
コンパウンドに接触しても膨潤させることが少なく、内
容物の漏れや滲みが生ずることがあったトリエタノ−ル
アミンをドラム缶に充填し、1.0kgf/cm2の内
圧を加えて、40℃で1ケ月放置したが全く漏れも滲み
も認められなかった。
来のシ−リング材を使用した場合に比べて特殊な加熱炉
を必要とせず、従来の製造ラインで処理が可能であり、
しかも、内容物による膨潤程度には関わらず密封性能に
は全く影響がない、極めて密封性の優れた金属製容器が
得られる。
た巻締めの工程図、
示す図、
図、
る状態を示す図、
す図、
いる状態での巻締めされた断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 天地板と胴部の接合部の巻締めチャイム
部にシール用充填剤を用いて連続的に金属製容器を製造
する工程において、化成処理後の乾燥炉もしくは缶内面
塗装後の焼付炉の出口近くで、70〜100℃に加熱さ
れている天地及び地板の周端にシーリング・コンパウン
ドを塗布して乾燥した後、巻締め機にて天地板と胴部を
巻締めて結合することを特徴とする密封性の優れた金属
製容器の製造法。 - 【請求項2】 天地板と胴部の接合部の巻締めチャイム
部にシール用充填剤を用いて連続的に金属製容器を製造
する工程において、化成処理後の乾燥炉もしくは缶内面
塗装後の焼付炉の出口近くで、70〜100℃に加熱さ
れている天地及び地板の周端にシーリング・コンパウン
ドを塗布して乾燥したプレアプリケーション法によるシ
ーリング・コンパウンドと巻締め機において巻締める直
前に、胴部の両端周辺、もしくは天地板と胴部先端部の
双方にシーリング・コンパウンドを注入するウエット・
シーム法によるシーリング・コンパウンドを併用して巻
締めることを特徴とする密封性の優れた金属製容器の製
造法。 - 【請求項3】 プレアプリケーション法によるシーリン
グ・コンパウンドは粘度が2000〜8000cps
(25℃、BH計、25rps)で36〜72rpmで
回転する天地板に塗布し、ウエット・シーム法によるシ
ーリング・コンパウンドは粘度が10000〜1800
0cps(25℃、BH計、25rps)のものを使用
することを特徴とする請求項1または2に記載の密封性
の優れた金属製容器の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19604091A JP2844138B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 密封性の優れた金属製容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19604091A JP2844138B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 密封性の優れた金属製容器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0515934A JPH0515934A (ja) | 1993-01-26 |
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