JP2843762B2 - スクラバー排水の排熱利用方法 - Google Patents
スクラバー排水の排熱利用方法Info
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Description
用いられるスクラバー排水の排熱利用方法に関するもの
である。
した脱水ケーキを乾燥したうえ焼却する処理が行われて
おり、これらの乾燥炉や焼却炉からの排ガスはスクラバ
ーにより処理されている。このスクラバー排水は高温の
排ガスとの接触により温水となっているが、通常は40〜
50℃程度の低温水であるために従来はほとんど熱源とし
ては利用されてこなかった。しかしスクラバー排水は下
水汚泥焼却処理システムの最終的な排熱量の半分以上を
占めるため、その有効利用が求められている。
量を減少させる等の方法によってスクラバー排水温度を
60〜80℃と高め、これによってスクラバー排水の排熱利
用を可能とする技術を開発し、すでに特許出願済みであ
る。この出願においては、スクラバー排水から回収され
た排熱により脱水ケーキを予熱することが示唆されてい
る。しかしその後の研究により、単にスクラバー排水を
熱交換器に通して脱水ケーキとの間で熱交換を行わせて
も、脱水ケーキは50℃程度に予熱されるのみであり、十
分な効果が得られないことが判明した。
の問題点を解決し、スクラバー排水の排熱をより効果的
に脱水ケーキの予熱に利用することができるスクラバー
排水の排熱利用方法を提供するためになされたものであ
る。
めになされた本発明は、脱水ケーキを乾燥または焼却す
る炉の高温の排ガスと接触することにより温水となった
スクラバー排水を、ヒートポンプの低温側熱交換器、水
−水式熱交換器の排水用熱交換器の順に通すとともに、
この炉に送られる脱水ケーキを上記とは逆に水−水式熱
交換器の脱水ケーキ用熱交換器、ヒートポンプの高温側
熱交換器順に通し、ヒートポンプの低温側熱交換器から
高温側熱交換器に熱を移動させ、また水−水式熱交換器
の排水用熱交換器から脱水ケーキ用熱交換器に熱を移動
させて脱水ケーキを予熱することを特徴とするものであ
る。なおスクラバー排水温度をTとしたとき、熱交換器
の出口における脱水ケーキ温度t2 を(T−25)〜(T
−11) ℃とし、ヒートポンプの出口における脱水ケーキ
温度t3 を(T+10)〜(T+30) ℃とすることが好ま
しい。
収手段としてヒートポンプと熱交換器を組み合わせて使
用したので、後記する実施例に示されるように、それぞ
れの排熱回収手段の特性を利用して、脱水ケーキを経済
的に高温まで予熱することが可能となる。
に説明する。図1は本発明を実施するための装置の一例
を示す系統図であり、1は脱水ケーキを150t/ 日の割合
で燃焼させる焼却炉、2はその排ガスにより焼却炉1の
燃焼用空気を予熱する第1の空気予熱器、3は白煙防止
用空気を加熱する第2の空気予熱器である。また4は排
ガス中のダストを分離するサイクロン、5は乾式電気集
塵機、6はスクラバーである。焼却炉1の排ガスは実施
例では800 ℃であり、これらの各機器を図中に示した温
度で通過して270 ℃でスクラバー6に入り、約40℃で湿
式電気集塵機7を通過して煙突8から大気中に放出され
る。
スクラバー排水の温度Tは通常よりも高温の60〜80℃と
される。このためには、例えばスクラバー6への供給水
の流量を減少させたり、供給水を予熱する等の適宜の手
段を取ることが必要である。スクラバー排水の温度Tを
80℃よりも高温とすることは種々の手段を用いても難し
く、また60℃よりも低くすると従来と同様に、十分な熱
回収が行えなくなる。実施例ではスクラバー排水の温度
Tは70℃、その流量は70m3/hである。
り、次に熱交換器10を通って熱回収される。また脱水ケ
ーキはこれとは逆に、熱交換器10、ヒートポンプ9の順
に通過し、この間にスクラバー排水からの回収熱により
予熱される。ヒートポンプ9は冷凍機の原理を逆に利用
して低温の物体から高温の物体へ熱を移動させる装置で
あり、ここでは電動式の圧縮式ヒートポンプが用いられ
ている。ヒートポンプ9は低温側熱交換器11と、高温側
熱交換器12とを備えており、スクラバー排水はこの低温
側熱交換器11を通過する間に熱回収される。そして低温
側熱交換器11で回収された熱は高温側熱交換器12にヒー
トポンプ9により移動され、高温側熱交換器12を通過す
る脱水ケーキが予熱される。
9の出口における脱水ケーキ温度t3 を(T+10)〜
(T+30) ℃の範囲内とすることが好ましい。その理由
は次の通りである。すなわち一般にヒートポンプは、C
OP=ヒートポンプ出力/ヒートポンプ動力として定義
されるCOP(成績係数)の値が3以上でなければ経済
性がないと言われる。これは一般的な発電効率が約30〜
40%(1/3) であるから、COPが3以下では燃焼による
直接的な加熱の方が熱効率がよいこととなるためであ
る。通常の場合には、ヒートポンプはCOPが5〜6の
範囲で使用される。
ポンプの昇温幅が大きくなるほど低下し、COPを5〜
6とするためにはヒートポンプ9の昇温幅は30〜40℃の
範囲となる。しかしこの値はヒートポンプ9の本体部分
における昇温幅であり、実際には低温側熱交換器11と高
温側熱交換器12とにおける温度低下が合わせて10〜20℃
必要とされるので、ヒートポンプ9の出口における脱水
ケーキ温度t3 はスクラバー排水の温度Tよりも10〜30
℃高い温度、すなわち(T+10)〜(T+30) ℃の範囲
内の温度とすることが好ましい。実施例ではT=70℃で
あり、脱水ケーキ温度t3 =85℃である。なお、この間
にスクラバー排水の温度は1〜5℃程度低下し、T1 =
(T−1)〜(T−5)℃となる。
に通過する熱交換器10としては、図示のように排水用熱
交換器13と脱水ケーキ用熱交換器14とを組み合わせた水
−水式熱交換器を使用することが好ましい。これはスク
ラバ排水中にはダストや各種イオンが大量に含まれるた
め、温水を媒体とする間接加熱が適当であるためであ
る。ここでは排水用熱交換器13として、プレート式熱交
換器が使用されている。
り出し温度は、熱源温度T1 〔即ち(T−1)〜(T−
5)℃〕よりも5〜10℃低温であるのが普通である。取
り出し温度が高くなるほど回収熱量が増え、ヒートポン
プ9での加熱の割合が少なくて済むため経済性がよい。
しかし取り出し温度を高くするためには伝熱面積を大き
くする必要があり、熱交換器10を大型化する必要があ
る。従って、2台の排水用熱交換器13と脱水ケーキ用熱
交換器14とを組み合わせた場合には、熱源温度T1 より
も(5〜10℃)×2=10〜20℃だけ低い取り出し温度と
するのが適当であり、その結果として熱交換器10の出口
における脱水ケーキ温度t2 は(T−1)〜(T−5)
℃よりも10〜20℃だけ低い(T−25)〜(T−11) ℃と
するのが適当である。実施例では、T1 =68℃であり、
脱水ケーキ温度t2 =50℃となっている。
排水温度Tが60〜80℃の場合、常温(t1=20℃) の脱水
ケーキを熱交換器10においてt2 =35〜69℃まで加熱
し、さらにヒートポンプ9で80〜100 ℃まで加熱するこ
とが好ましい。
め、次の3つのケースについてエネルギーコストを比較
した。まずのケースは、スクラバー排水からの排熱回
収を行わず、20℃の脱水ケーキを直接焼却炉に投入した
場合である。のケースは熱交換器10のみを用いてスク
ラバー排水からの排熱回収を行い、脱水ケーキを50℃ま
で予熱したうえ焼却炉に投入した場合である。のケー
スは、図1の実施例と同様にヒートポンプ9と熱交換器
10とを併用し、脱水ケーキを85℃まで予熱したうえ焼却
炉に投入した場合である。
その処理量は150t/ 日である。脱水ケーキは高分子薬注
汚泥であり、水分は77%、高位発熱量は4000kcal/kg-DS
である。またスクラバー排水温度T=70℃、焼却炉1で
使用される重油料金は1リットル当り60円、ヒートポン
プ9の運転のための電気料金は1kW当り20円とした。各
ケースのエネルギーコストを表1に示す。
バー排水の排熱利用方法によれば、ヒートポンプと熱交
換器の特性を利用して、スクラバー排水の排熱により脱
水ケーキを経済的に高温まで予熱することが可能とな
る。この結果、ヒートポンプの動力費を差し引いてもな
お焼却炉等における燃料費を大幅に節約することがで
き、下水処理場等におけるエネルギーコストの削減に大
きく寄与することができる。
熱器、4 サイクロン、5 乾式電気集塵機、6 スク
ラバー、7 湿式電気集塵機、8 煙突、9ヒートポン
プ、10 熱交換器、11 低温側熱交換器、12 高温側熱
交換器、13排水用熱交換器、14 脱水ケーキ用熱交換器
Claims (3)
- 【請求項1】 脱水ケーキを乾燥または焼却する炉の高
温の排ガスと接触することにより温水となったスクラバ
ー排水を、ヒートポンプの低温側熱交換器、水−水式熱
交換器の排水用熱交換器の順に通すとともに、この炉に
送られる脱水ケーキを上記とは逆に水−水式熱交換器の
脱水ケーキ用熱交換器、ヒートポンプの高温側熱交換器
順に通し、ヒートポンプの低温側熱交換器から高温側熱
交換器に熱を移動させ、また水−水式熱交換器の排水用
熱交換器から脱水ケーキ用熱交換器に熱を移動させて脱
水ケーキを予熱することを特徴とするスクラバー排水の
排熱利用方法。 - 【請求項2】 スクラバー排水温度をTとしたとき、熱
交換器の出口における脱水ケーキ温度t2 を(T−25)
〜(T−11) ℃とし、ヒートポンプの出口における脱水
ケーキ温度t3 を(T+10)〜(T+30) ℃とした請求
項1に記載のスクラバー排水の排熱利用方法。 - 【請求項3】 スクラバー排水温度Tを60〜80℃とした
請求項1または2に記載のスクラバー排水の排熱利用方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13154994A JP2843762B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | スクラバー排水の排熱利用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP13154994A JP2843762B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | スクラバー排水の排熱利用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332749A JPH07332749A (ja) | 1995-12-22 |
JP2843762B2 true JP2843762B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15060682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13154994A Expired - Lifetime JP2843762B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | スクラバー排水の排熱利用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2843762B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009214087A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Metawater Co Ltd | 下水汚泥処理方法 |
Families Citing this family (3)
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CN113280416B (zh) * | 2021-05-11 | 2022-06-10 | 深圳宏一建设集团有限公司 | 一种恒温恒湿实验室 |
KR102526464B1 (ko) * | 2022-03-22 | 2023-04-28 | 장리동 | 공기조화기 |
-
1994
- 1994-06-14 JP JP13154994A patent/JP2843762B2/ja not_active Expired - Lifetime
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