JP2843535B2 - 防塵機構を持つロッドレスシリンダ - Google Patents

防塵機構を持つロッドレスシリンダ

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JP2843535B2
JP2843535B2 JP30597895A JP30597895A JP2843535B2 JP 2843535 B2 JP2843535 B2 JP 2843535B2 JP 30597895 A JP30597895 A JP 30597895A JP 30597895 A JP30597895 A JP 30597895A JP 2843535 B2 JP2843535 B2 JP 2843535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塵埃、切粉、切削
油等のような異物の侵入を防止するための防塵機構を持
つロッドレスシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピストンにロッドが設けられ
ていないタイプのシリンダ、即ちロッドレスシリンダが
多数提案されている。また、この種のシリンダは、その
構造上からみても分かるように、設置スペースをとらず
にロングストローク化を図るうえで好都合という特性を
持っている。
【0003】一般的に、ロッドレスシリンダは以下のよ
うな構成を備えている。シリンダチューブを構成するシ
リンダチューブ内には、ピストンがチューブ長手方向に
沿って移動可能に収容されている。シリンダチューブの
上面中央部には、スリットが形成されている。このスリ
ットは、チューブ長手方向に沿って延び、かつシリンダ
チューブの内外を連通している。シリンダチューブの上
面外側には、スライダが配設されている。このスライダ
は、スリットを介してピストンに連結されており、ピス
トンと一体的に移動する。
【0004】前記ロッドレスシリンダを、例えば塵埃、
切粉、切削油等の多い汚染環境下で使用した場合、スリ
ットの隙間には塵埃等の異物が侵入しやすくなる。する
と、前記異物によってスライダの摺動抵抗が増加すると
ともに、シール部材に異物がかみ込むことで磨耗を促進
しエア漏れ量が増加する。そして、このような結果とし
てシリンダの動作性が悪化する。従って、この問題を解
消するためには、シリンダに対して何らかの防塵対策を
講じておく必要がある。
【0005】上記の対策を採ったシリンダの一例として
は、筒状をした伸縮自在の蛇腹を防塵カバーとして用
い、その防塵カバーでシリンダチューブの周面を完全に
覆ったものが提案されている。なお、これと同趣のロッ
ドレスシリンダとしては、特開平5−172119号公
報に開示されたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
防塵機構を持つロッドレスシリンダでは、防塵カバーに
よってシリンダチューブが完全に覆われている。このた
め、防塵カバーの内側に隠れているシリンダチューブの
底面や側面を、支持体にシリンダを設置する際における
被支持部として使用することができない。従って、この
場合には、シリンダチューブをその両端で(即ちシリン
ダチューブの両端にあるエンドブラケットのみを用い
て)支持せざるを得ない。そのため、シリンダの設置が
従来に比べて困難になる。
【0007】また、このような設置方法を採った場合、
シリンダチューブの中央部が支持されなくなる結果、耐
荷重性が損なわれることになり、シリンダチューブが湾
曲してしまう。それゆえ、前記従来のロッドレスシリン
ダのロングストローク化には自ずと制約がある。従っ
て、現状においてその使用は、あまりロングストローク
を必要としない用途のみに限定されていた。
【0008】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その目的は、シリンダの耐荷重性の低下
や設置の困難化を招くことなく、確実な防塵を達成する
ことができる防塵機構を持つロッドレスシリンダを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、シリンダチューブ
と、そのシリンダチューブ内に移動可能に収容されたピ
ストンと、チューブ長手方向に沿って延びかつ同チュー
ブの内外を連通するスリットと、前記シリンダチューブ
外に配設されるとともに前記スリットを介して前記ピス
トンに連結されたスライダと、前記スリットが形成され
た箇所を被覆するとともに前記ピストン及び前記スライ
ダの移動に伴ってチューブ長手方向に伸縮する防塵カバ
ーとを備え、前記防塵カバーによって前記スリットへの
塵埃等の侵入が防止されるようになっているロッドレス
シリンダにおいて、前記シリンダチューブの周面の一部
に、前記防塵カバーによって被覆されていない露出領域
を設けたことを特徴とする防塵機構を持つロッドレスシ
リンダをその要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記露出領域は、前記シリンダチューブの周面にお
いて平坦な箇所に設けられるとした。請求項3に記載の
発明は、請求項1において、前記露出領域は、前記シリ
ンダチューブの周面において前記スリットから離間した
箇所に設けられるとした。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項において、断面略矩形状をしたシリンダ
チューブの周面を構成する4つの面のうち、前記スリッ
トが属する面を含む3つの面を前記防塵カバーによって
被覆し、かつ残りの1つの面に前記露出領域を設けたと
した。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4におい
て、前記露出領域は、前記スリットが属する面の反対側
面に設けられているとした。請求項6に記載の発明は、
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記シリンダ
チューブの周面にはチューブ長手方向に沿って延びるガ
イド部材が設けられ、そのガイド部材には前記防塵カバ
ーの被ガイド部が摺動可能に係合されているとした。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6におい
て、前記ガイド部材は、前記シリンダチューブの周面に
おける複数の箇所に突設されたガイド突条であるとし
た。以下、本発明の「作用」について説明する。
【0014】請求項1に記載の発明によると、シリンダ
チューブの周面の一部に設けられた露出領域を、シリン
ダを設置する際の被支持部として使用することができ
る。即ち、当該部分については防塵カバーが邪魔になる
ことはない。このため、ロッドレスシリンダをその両端
のみで支持しなくてもよくなり、結果としてシリンダの
耐荷重性の低下という問題が解消されうる。しかも、同
シリンダの設置の困難性という問題も解消されうる。以
上の結果、ロッドレスシリンダのロングストローク化を
図ることも比較的容易となる。勿論、露出領域以外の領
域は防塵カバーによって覆われているので、スリットの
部分については従来と同じく確実に防塵される。
【0015】請求項2に記載の発明によると、上記作用
に加えて以下の作用を奏する。シリンダチューブの周面
において平坦な箇所に露出領域を設けることは、例えば
平坦でない箇所に露出領域を設けることに比べて、構成
的に有利となる。即ち、前者によるとシリンダの被支持
部が平坦な面になることによって、支持体に対する設置
面積が増えるからである。従って、支持体に対してシリ
ンダを確実に支持させることができる。
【0016】請求項3に記載の発明によると、上記作用
に加えて以下の作用を奏する。シリンダチューブの周面
においてスリットから離間した箇所に露出領域を設ける
ことは、例えばスリットの近傍にそれを設けることに比
べて、構成的に有利となる。即ち、前者によると防塵カ
バーの外界からその内部にあるスリットに到るまでの経
路が長くなり、防塵がより確実なものとなるからであ
る。
【0017】請求項4に記載の発明によると、スリット
が属する面を含む3つの面は防塵カバーによって防塵さ
れ、残りの1面はシリンダの被支持部として使用可能な
状態となる。
【0018】請求項5に記載の発明によると、スリット
が属する面の反対側面に露出領域を設けたため、外界か
らそのスリットに到るまでの経路が充分に確保される。
請求項6に記載の発明によると、シリンダを駆動した場
合、ガイド部材に対して防塵カバーの被ガイド部がガイ
ドされつつ摺動する。そのため、防塵カバーがチューブ
長手方向に沿ってスムーズに伸縮する。従って、このよ
うな防塵カバーを設けたとしても、シリンダの動作性が
損なわれることはない。
【0019】請求項7に記載の発明によると、ガイド部
材をシリンダチューブの周面における複数の箇所に突設
したことにより、複数の位置において防塵カバーの被ガ
イド部がガイドされつつ摺動する。従って、防塵カバー
がよりスムーズに伸縮しうる。また、長手方向に沿って
延びるガイド突条をガイド部材としていることから、シ
リンダチューブ自体の補強にもなり、シリンダの耐荷重
性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を防塵機構を持つロ
ッドレスシリンダに具体化した一実施形態を図1〜図4
に基づき詳細に説明する。
【0021】図3に示されるように、本実施形態のロッ
ドレスシリンダS1 を構成するシリンダチューブ1は、
アルミニウム等の押出成形等によって形成される断面略
矩形状かつ筒状の長尺部材である。このシリンダチュー
ブ1の上面中央部には、スリット2が形成されている。
このスリット2は、チューブ長手方向に沿って延び、か
つシリンダチューブ1の内外を連通している。シリンダ
チューブ1の両端開口には、それぞれエンドブラケット
3,4が固定されている。シリンダチューブ1内には、
これらのエンドブラケット3,4に対応してクッション
リング5,6が固定されている。また、前記クッション
リング5,6には、互いに対向する筒状部5a,6aが
形成されている。図3の右方に位置するエンドブラケッ
ト3には、上下一対の給排ポート7,8が設けられてい
る。これらの給排ポート7,8のうち上方の給排ポート
7は、右方のクッションリング6の筒状部6aを介して
右側圧力室9に連通されている。また、下方の給排ポー
ト8は、シリンダチューブ1の下部においてチューブ長
手方向に沿って形成された連通孔10に連通されてい
る。この連通孔10は、さらに左方のクッションリング
5の筒状部5aを介して左側圧力室11に連通されてい
る。
【0022】スリット2の外側には、第1のシールベル
ト12が張設されている。このシールベルト12の両端
は、各エンドブラケット3,4に固定されている。そし
て、第1のシールベルト12は、スリット2を介してシ
リンダチューブ1の内部に塵埃等が侵入することを、同
スリット2のすぐ近傍において防止する役割を果たして
いる。一方、スリット2の内側には、第2のシールベル
ト13が張設されている。そして、このシールベルト1
3は、給排ポート7,8から各圧力室9,11に供給さ
れた圧力流体(本実施形態では加圧エア)がスリット2
を介して外部に漏洩することを防止する役割を果たして
いる。
【0023】シリンダチューブ1の内部には、ピストン
14及びヨーク部15を収容するための空間が存在して
いる。ピストン14は左右一対に設けられ、それらの間
にはヨーク部15が介在されている。シリンダチューブ
1内の空間は、ピストン14及びヨーク部15の存在に
よって、上記のような右側圧力室9及び左側圧力室11
の2つの領域に区画されている。従って、給排ポート
7,8を介して圧力室9,11内に加圧エアを給排する
と、両ピストン14及びヨーク部15が、同シリンダチ
ューブ1内をチューブ長手方向に沿って一体的に摺動す
る。
【0024】ヨーク部15は、胴部18、頭部19及び
首部20によって成り立っている。胴部18は、シリン
ダチューブ1の内側に配設されている。頭部19は前記
スリット2を介してシリンダチューブ1の外側に露出し
ており、その上面にはワーク取付台としてのスライダ2
1が連結されている。首部20は、そのような頭部19
と胴部18とを連結している。なお、スライダ21も、
前記ピストン14等の移動に伴ってチューブ長手方向に
沿って一体的に摺動する。シリンダチューブ1の上面に
おける両ストロークエンドには、スライダ21の衝撃を
緩衝するために図示しないショックアブソーバがそれぞ
れ設けられている。また、これらのショックアブソーバ
によって、ストロークの終端位置が決定されている。
【0025】本実施形態のロッドレスシリンダS1 は、
防塵カバー25を利用した防塵機構を備えている。以
下、その防塵機構について詳細に説明する。その前にま
ず、防塵カバー25を取り付けるために必要なシリンダ
チューブ1側の構成を説明する。シリンダチューブ1は
上記のように断面略矩形状であるため、図1,図2に示
されるように、その周面は4つの平坦な面によって構成
されている。つまり、このシリンダチューブ1は、下面
1a、右側面1b、左側面1c及びスリット2が属する
面である上面1dの4つを備えていることになる。
【0026】シリンダチューブ1において右側面1bの
下部及び左側面1cの下部には、チューブ長手方向に沿
って延びるガイド部材としてのガイド突条26が突設さ
れている。従って、このシリンダチューブ1は、ガイド
突条26を左右一対で有することになる。これらのガイ
ド突条26は、シリンダチューブ1を押出成形する際に
同時に形成されたものであるため、等断面形状でありか
つシリンダチューブ1の全長にわたっている。図3に示
されるように、スライダ21において進行方向側となる
両端面には、それぞれ略コ字状の取付プレート27が固
定されている。また、両エンドブラケット3,4の内端
面側には、同じく略コ字状の取付プレート28が固定さ
れている。
【0027】図4には、本実施形態において使用される
蛇腹状の防塵カバー25が示されている。この防塵カバ
ー25は、伸縮自在の蛇腹部29と、一対のエンドプレ
ート30,31と、サポートプレート32とによって構
成されている。蛇腹部29は断面略コ字状であって、ゴ
ムや合成樹脂等によって形成されている。一対のエンド
プレート30,31は略コ字状の板材であって、蛇腹部
29の両端面に接合されている。サポートプレート32
も略コ字状の板材であって、蛇腹部29の中央部内面に
接合されている。なお、このサポートプレート32は、
蛇腹部29を内面側から支持することによって、蛇腹部
29が伸長したときの垂れを防止するという役割を果た
す。
【0028】エンドプレート30,31の両端部内面側
には、ガイド突条26に係合しうる略コ字状の被ガイド
部30a,31aが形成されている。また、サポートプ
レート32の両端部内面側にも、同様の被ガイド部32
aが形成されている。
【0029】図1〜図3に示されるように、このロッド
レスシリンダS1 において、シリンダチューブ1には上
記の防塵カバー25が2つ取り付けられている。各防塵
カバー25は、シリンダチューブ1の上面1d及び両側
面1b,1cを覆っており、下面1aのみがそこから露
出されている。そして、この露出された下面1a(つま
り露出領域D1 )は、支持体である機台33の上面に対
して面接触している。即ち、このロッドレスシリンダS
1 では、シリンダチューブ1の下面1a全体が、シリン
ダS1 を設置する際のいわば被支持面になっている。
【0030】防塵カバー25の固定側エンドプレート3
0は、取付プレート28の内端面にビス34によって固
定されている。また、防塵カバー25の移動側エンドプ
レート31は、スライダ21の端面に図示しないビスに
よって固定されている。従って、加圧エアの給排によっ
てピストン14及びスライダ21が移動する際、移動側
エンドプレート31及びサポートプレート32も、それ
に追従して移動する。その結果、スライダ21の進行方
向前方側となる防塵カバー25の蛇腹部29がチューブ
長手方向に沿って収縮し、逆に進行方向後方側となる防
塵カバー25の蛇腹部29が同方向に沿って伸長する。
その結果、スリット2への塵埃等の侵入が防止されるよ
うになっている。
【0031】以下、本実施形態における特徴的な作用効
果を列挙する。 (イ)本実施形態によると、シリンダチューブ1の周面
の一部に、防塵カバー25によって被覆されていない露
出領域D1 が設けられている。従って、その露出領域D
1 を、機台33に対してシリンダS1 を設置する際の被
支持面として使用することができる。即ち、当該部分の
周囲については防塵カバー25が存在していないことか
ら、設置時において防塵カバー25が特に邪魔になるこ
とはないためである。ゆえに、ロッドレスシリンダS1
をその両端のみで支持しなくてもよくなり、結果として
シリンダS1 の耐荷重性の低下という問題が解消され
る。しかも、この構成を採った場合には、シリンダS1
の設置の困難性という問題も解消される。以上の結果、
ロッドレスシリンダS1 のロングストローク化を比較的
容易に達成することができ、各種用途への対応が可能と
なる。勿論、露出領域D1 以外の領域は防塵カバー25
によって覆われているので、スリット2の部分について
は従来と同じく確実に防塵が図られる。
【0032】(ロ)本実施形態では、シリンダチューブ
1の下面1aに、即ち周面において平坦な箇所に露出領
域D1 が設けられている。このようにすると、シリンダ
S1の被支持面が平坦になるため、機台33に対する設
置面積が増加する。従って、機台33に対してシリンダ
S1 を確実に支持させることができる。特にこのシリン
ダS1 では、シリンダチューブ1を垂直方向から見たと
きの投影面積にほぼ等しい面積が、被支持面の面積とな
る。従って、シリンダチューブ1に変形をもたらすよう
な応力が付加することはなく、ロングストローク化にと
って極めて好都合となる。
【0033】(ハ)本実施形態では、シリンダチューブ
1の下面1aに、即ち周面においてスリット2から離間
した箇所に露出領域D1 が設けられている。このように
すると、防塵カバー25の外界からその内部にあるスリ
ット2に到るまでの経路が長くなり、防塵がより確実な
ものとなる。特にこのシリンダS1 では、スリット2が
属する面である上面1dの反対側面(つまり下面1a)
に露出領域D1 が設けられている。ゆえに、外界からそ
のスリット2に到るまでの経路が充分に確保されること
になる。
【0034】(ニ)本実施形態では、シリンダS1 を駆
動した場合、ガイド部材であるガイド突条26に対し
て、防塵カバー25の被ガイド部31a,32aがガイ
ドされつつ摺動する。そのため、防塵カバー25がチュ
ーブ長手方向に沿ってスムーズに伸縮する。従って、こ
のような防塵カバー25を設けたとしても、シリンダS
1 の動作性が損なわれることはない。特に、ガイド突条
26はシリンダチューブ1の周面における2箇所に突設
されているため、移動側取付プレート31及びサポート
プレート32は複数の位置にてガイドされることにな
る。これは、防塵カバー25をよりスムーズに伸縮させ
るための構成として有利である。
【0035】また、本実施形態では、チューブ長手方向
に沿って延びるガイド突条26をガイド部材としている
ことから、それらの存在によってシリンダチューブ1自
体の補強が図られる。その結果、ロッドレスシリンダS
1 の耐荷重性が向上する。なお、このようなガイド突条
26であればシリンダチューブ1と同時に押出成形する
ことが可能であるため、コスト的にも製造工程的にも有
利である。
【0036】(ホ)本実施形態では、蛇腹部29を備え
た防塵カバー25が使用されていることから、蛇腹部2
9が伸縮することによって、シリンダS1 の全長にわた
り確実に防塵が図られる。また、サポートプレート32
によって蛇腹部29が内面側から支持されているため、
蛇腹部29が伸長したときでも蛇腹部29が垂れてしま
うことはない。従って、長い防塵カバー25の使用が許
容されることとなり、シリンダS1 のロングストローク
化を達成するうえで有利になる。また、サポートプレー
ト32があると、蛇腹部29がシリンダチューブ1の周
面に摺接しなくなり、蛇腹部29に破れ等が起こりにく
くなる。ゆえに、防塵カバー25の耐久性が向上し、長
期にわたって防塵を図ることが可能となる。
【0037】なお、本発明は例えば次のように変更する
ことが可能である。 (1)図5に示される別例1のロッドレスシリンダS2
では、シリンダチューブ1の周面を構成する4つの平坦
な面1a〜1dのうち、上面1d及び右側面1bの2つ
の面が防塵カバー41によって被覆されている。そし
て、残りの2つの面である下面1a及び左側面1cが、
被支持面として使用されうる露出領域D1となってい
る。また、ガイド部材としてのガイド突条26は、シリ
ンダチューブ1の右側面1bと上面1dとにそれぞれ1
本ずつ突設されている。一方、この別例1において使用
される防塵カバー41は断面略L字状になっており、各
構成部材もそれに応じた形状となっている。この構成で
あると、露出領域D1 が若干増えるという欠点があるも
のの、基本的には前記実施形態に準ずる作用効果を奏す
る。なお、この構成であると、シリンダチューブ1の下
面1aばかりでなく左側面1cも被支持面として使用す
ることができる。よって、シリンダS2 を設置する際の
自由度が大きくなる。
【0038】(2)図6に示される別例2のロッドレス
シリンダS3 では、シリンダチューブ1の周面を構成す
る4つの平坦な面1a〜1dのうち、上面1dのみが防
塵カバー43によって全体的に被覆されている。そし
て、残りの3つの面である下面1a、右側面1b及び左
側面1cが、被支持面として使用されうる露出領域D1
となっている。また、ガイド部材としてのガイド突条2
6は、シリンダチューブ1の上面1dにおいて左右一対
に突設されている。一方、この別例2において使用され
る防塵カバー43は板状になっており、各構成部材もそ
れに応じた形状となっている。なお、スリット2が形成
された箇所が確実に被覆されるような構成であれば、前
記防塵カバー43をさらに小型化することも許容されう
る。
【0039】(3)以下のような構成にしてもよい。例
えば、シリンダチューブ1の周面を構成する4つの平坦
な面1a〜1dのうち、例えば3つの面1a,1b,1
dを被覆しかつ、残りの1つの面1cを被支持面として
使用されうる露出領域D1 とする。即ち、この構成では
露出領域D1 が下面1aではなくて左側面1cに設けら
れることになる。従って、ガイド部材としてのガイド突
条26は、シリンダチューブ1の下面1aと上面1dと
にそれぞれ1本ずつ突設されていればよい。なお、この
別例において使用される防塵カバーは断面略コ字状にな
る。
【0040】(4)ガイド部材は、必ずしも実施形態や
別例1,2のようにシリンダチューブ1と一体成形され
たガイド突条26でなくてもよく、例えば別体として取
り付けられるものでもよい。ただし、一体成形するほう
がコスト的にも製造工程的にも有利になることは、上述
した通りである。
【0041】(5)ガイド突条26の代わりに、例えば
チューブ長手方向に沿って延びるガイド溝などを設ける
ことも可能である。ただし、シリンダS1 〜S3 の耐荷
重性の向上を図るうえでは、実施形態や別例1,2の構
成のほうが好ましい。
【0042】(6)ガイド部材26をシリンダチューブ
1の周面以外の部分に設けること、例えば一対のエンド
ブラケット3,4間に架設されたロッド等に設けること
等も一応可能である。
【0043】(7)伸縮自在の蛇腹部29と同じような
機能を持つ被覆部材を利用して防塵カバーを構成するこ
とも勿論可能である。 (8)ガイド突条26の本数は2本に限定されることは
なく、1本または3本以上であってもよい。
【0044】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項6,7のロッドレスシリンダにおいて、
前記防塵カバーは、一部に切り欠きを有する断面形状で
あって伸縮自在の蛇腹部と、その蛇腹部の少なくとも一
端に設けられた固定部材とからなり、前記被ガイド部は
前記固定部材における少なくとも1箇所に設けられてい
ることを特徴とした防塵機構を持つロッドレスシリン
ダ。この構成であると、蛇腹部が伸縮することによっ
て、シリンダの全長にわたり確実に防塵が図られる。
【0045】(2) 請求項6,7のロッドレスシリン
ダにおいて、前記防塵カバーは、断面略コ字状をした伸
縮自在の蛇腹部と、その蛇腹部の両端に設けられた一対
の固定プレートと、同蛇腹部の内側面に設けられたサポ
ートプレートとからなり、前記被ガイド部は前記固定プ
レート及びサポートプレートにおける複数の箇所に設け
られていることを特徴とした防塵機構を持つロッドレス
シリンダ。この構成であると、サポートプレートがある
ことによって蛇腹部の垂れ防止が図られるため、ロング
ストローク化にとって有利となり、かつ防塵カバー自体
の耐久性の向上を図ることができる。
【0046】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「シリンダチューブの周面: シリンダチューブの両端
面を除くその他の面のうち外表面にあるものを指す。」
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜7に記
載の発明によれば、シリンダの耐荷重性の低下や設置の
困難化を招くことなく、確実な防塵を達成することがで
きる防塵機構を持つロッドレスシリンダを提供すること
ができる。
【0048】特に、請求項2に記載の発明によれば、設
置面積が増えることになるため、支持体に対してシリン
ダを確実に支持させることができる。請求項3,5に記
載の発明によれば、外界からスリットに到るまでの経路
が長くなるので、防塵がより確実なものとなる。請求項
6,7に記載の発明によれば、シリンダの動作性を損な
うことなく確実な防塵を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態のロッドレスシ
リンダを示す側断面図。
【図2】同じくその側断面図。
【図3】同じくその部分破断正断面図。
【図4】同じくそれに使用される防塵カバーを示す斜視
図。
【図5】別例1のロッドレスシリンダを示す側断面図。
【図6】別例2のロッドレスシリンダを示す側断面図。
【符号の説明】
1…シリンダチューブ、1a…シリンダチューブの周面
の1つである下面、1b…シリンダチューブの周面の1
つである右側面、1c…シリンダチューブの周面の1つ
である左側面、1d…シリンダチューブの周面の1つで
ある上面、2…スリット、14…ピストン、21…スラ
イダ、25,41,43…防塵カバー、26…ガイド部
材としてのガイド突条、31a,32a…被ガイド部、
D1 …露出領域、S1 ,S2 ,S3 …ロッドレスシリン
ダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F15B 15/14 F16J 3/04 F16J 3/06 F16J 15/52

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダチューブ(1)と、そのシリンダ
    チューブ(1)内に移動可能に収容されたピストン(1
    4)と、チューブ長手方向に沿って延びかつ同チューブ
    (1)の内外を連通するスリット(2)と、前記シリン
    ダチューブ(1)外に配設されるとともに前記スリット
    (2)を介して前記ピストン(14)に連結されたスラ
    イダ(21)と、前記スリット(2)が形成された箇所
    を被覆するとともに前記ピストン(14)及び前記スラ
    イダ(21)の移動に伴ってチューブ長手方向に伸縮す
    る防塵カバー(25,41,43)とを備え、前記防塵
    カバー(25,41,43)によって前記スリット
    (2)への塵埃等の侵入が防止されるようになっている
    ロッドレスシリンダ(S1 ,S2 ,S3 )において、 前記シリンダチューブ(1)の周面の一部に、前記防塵
    カバー(25,41,43)によって被覆されていない
    露出領域(D1 )を設けたことを特徴とする防塵機構を
    持つロッドレスシリンダ。
  2. 【請求項2】前記露出領域(D1 )は、前記シリンダチ
    ューブ(1)の周面において平坦な箇所に設けられる請
    求項1に記載の防塵機構を持つロッドレスシリンダ。
  3. 【請求項3】前記露出領域(D1 )は、前記シリンダチ
    ューブ(1)の周面において前記スリット(2)から離
    間した箇所に設けられる請求項1に記載の防塵機構を持
    つロッドレスシリンダ。
  4. 【請求項4】断面略矩形状をしたシリンダチューブ
    (1)の周面を構成する4つの面(1a,1b,1c,
    1d)のうち、前記スリット(2)が属する面(1d)
    を含む3つの面(1b,1c,1d)を前記防塵カバー
    (25)によって被覆し、かつ残りの1つの面(1a)
    に前記露出領域(D1 )を設けた請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の防塵機構を持つロッドレスシリンダ。
  5. 【請求項5】前記露出領域(D1 )は、前記スリット
    (2)が属する面(1d)の反対側面(1a)に設けら
    れている請求項4に記載の防塵機構を持つロッドレスシ
    リンダ。
  6. 【請求項6】前記シリンダチューブ(1)の周面にはチ
    ューブ長手方向に沿って延びるガイド部材(26)が設
    けられ、そのガイド部材(26)には前記防塵カバー
    (25,41,43)の被ガイド部(31a,32a)
    が摺動可能に係合されている請求項1乃至5のいずれか
    1項に記載の防塵機構を持つロッドレスシリンダ。
  7. 【請求項7】前記ガイド部材(26)は、前記シリンダ
    チューブ(1)の周面における複数の箇所に突設された
    ガイド突条である請求項6に記載の防塵機構を持つロッ
    ドレスシリンダ。
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