JP2843443B2 - オーディオデータのカスケード式符号化復号化方法 - Google Patents

オーディオデータのカスケード式符号化復号化方法

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JP2843443B2 JP7521527A JP52152795A JP2843443B2 JP 2843443 B2 JP2843443 B2 JP 2843443B2 JP 7521527 A JP7521527 A JP 7521527A JP 52152795 A JP52152795 A JP 52152795A JP 2843443 B2 JP2843443 B2 JP 2843443B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オーディオデータのカスケード式符号化復
号化方法に関する。
特に、本発明は、オーディオデータを基にして生成さ
れ、カスケード接続された符・復号器を経由する音声信
号の音質を改善することを目的とした、オーディオデー
タのカスケード式符号化復号化方法に関する。
オーディオデータのカスケード式符号化復号化におい
ては、データブロックと関連した短時間スペクトル(sh
ort−time spectrum)のスペクトル成分(spectral com
ponents)は、カスケード接続された各コーデック(符
・復号器:codec)のステージ(段階)内において、各デ
ータブロックに対して所定数の入力データを持つように
形成される。そして、このデータブロックのスペクトル
成分を基にして、かつこのスペクトル成分に対するビッ
ト割り当てを決定するために聴覚心理的モデルを用いな
がら、量子化と符号化が行われ、符号化信号が形成され
る。その後、コーデックのステージにおける復号化の部
分の中で、時間出力データが復号化によって得られる。
近年、可能な限り音質を損なうことなく、音声信号を
符号化する方法において、目ざましい発展が遂げられつ
つある。このような現代的な符号化方法は、人間の聴覚
のしきい値(threshold)を利用し、また、データの相
当な減少にもかかわらず、音響的には何も劣化すること
がないように、符号化によって発生した量子化ノイズ
を、対応する知覚しきい値に適応させようとしている。
この原理に基づいて作動する符号化復号化装置はまた、
「知覚コーデック」として知られている。
このような方法は、幾つかのアプリケーション(応
用)に適している。それらは、高品質音声信号が記憶又
は伝達されるべき場合、そして、例えば記憶容量やチャ
ネル幅などの有効容量が可能な限り効果的に使用される
べき場合ならどの場合においても、実際に役立てること
ができる。
このような使用の例として、ISDN電話ネットワークを
通じて音楽を伝送する場合、フラッシュROM記憶カード
内へオーディオアナウンスまたは所謂「ジングル」を記
憶する場合、そして所謂ミニディスクまたはDCC(デジ
タルコンパクトカセット)を用いて音楽レコーダー内に
音楽を記憶させる場合などが挙げられる。
上記の原理を利用した符号化の方法の例として、ドル
ビー社が採用し、AC−2,AC−3と命名した方法や、ソニ
ー社のATRAC法、ISO(国際標準化機構)−MPEG(IS1117
2−3)レイア1−2−3等が挙げられる。
これらのプロセスは全て、ブロック指向(block orie
nted)と言える。即ち、どの場合においても、所定数の
時間入力オーディオデータまたはオーディオサンプリン
グ値(sampling values)、換言すれば「データブロッ
ク」を分析し、そしてこれらのデータブロックに関連し
た短時間スペクトル内に存在するスペクトル成分をそれ
ぞれのブロックに対して決定するのである。その後、ス
ペクトル成分は、量子化と符号化がなされるが、この際
に符号器は聴覚心理的モデルを用いて短時間スペクトル
を分析することによって、個々のスペクトル成分に対す
るビット割り当てを決定する。
要するに、この方法を「知覚ノイズシェイピング」と
言い換えることができる。つまり、量子化の過程で発生
したノイズは、知覚しきい値に適応させられ、符号器は
概算の知覚しきい値から安全な距離(ノイズ対マスク
比,NMR)を保とうとするのである。
オーディオデータを符号化,復号化する公知の方法に
おいては、出力側におけるオーディオ信号の音質は、コ
ーデックのステージが多い程劣化する。
欧州特許公開第420745号公報はデジタルオーディオ信
号を発生させる符号化装置を開示しているが、ここで
は、デジタル信号の高周波領域の帯域幅が次第に増加
し、ブロック内のサンプル数(sampled values)が高周
波領域において増加するように、様々な周波数領域に対
する符号化信号が形成される。信号の量子化は、それぞ
れの帯域に所定数のビットを割り当てることにより、達
成される。
技術文献Alta Frequenza,Vol.XLVI,No.8.1977年8月
号Milan,362−364頁において、カスケード式適応差分パ
ルス符号変調のコーデックで発生する信号対ノイズ比に
ついての議論が掲載されている。多重符号化,復号化の
プロセスによる信号の劣化は、信号の単調に減少する級
数として現れる。
そこで、本発明の目的は、コーデックのステージが増
加した場合でも、出力側のオーディオ信号の品質が非常
に僅かしか低下しないような、オーディオデータのカス
ケード式符号化復号化の方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の方法によって達成でき
る。
本発明は、カスケード式オーディオコーデック、また
は「タンデムコーデック」と呼ばれるコーデックの研究
に基づいている。その研究内容とは、公知の方法の場合
では、たとえコーデックの連鎖の中でデジタルPCM(パ
ルス符号変調)インターフェイスを特別に使用したとし
ても、連続するそれぞれのコーデックステージを経る毎
に音質が低下するというものである。
本発明は、公知の方法におけるこの品質低下は、先行
するコーデックステージのブロックの位置に関して、後
続のコーデックのステージのブロックが非同期的に形成
されるということが原因であるという認知に基づいてい
る。換言すれば、公知の方法においては、スイッチオン
のタイミングに従って、異なるセットの入力データがそ
れぞれのコーデックステージの中で結合されて「データ
ブロック」を形成するのである。この結果、このような
方法では、それぞれのコーデックは異なる短時間スペク
トルを処理し、その必然的な結果として、異なるビット
割り当てを決定することになる。
極端な場合には、次の様なことが起こるかもしれな
い。即ち、ある一つのコーデックステージ内では、前反
響音(pre−echo)は後続の大きな音(attack)によっ
て正確にカバーされる一方で、次のコーデックステージ
がブロックの境界を前反響音と大きな音の丁度中間に位
置させ、2つの部分信号をそのように別々に分析してし
まい、その結果として全く別のビット割り当てを決定す
ることになる。
そこで、本発明では次のような提案を行う。即ち、複
数のカスケード式コーデックステージのうちの少なくと
も一つのコーデックステージ内の一つの符号化ステップ
において、符号化信号には、データブロックの開始の目
印となる識別コード(identification code)が付与さ
れる。さらに、そのカスケードの少なくとも一つの後続
のコーデックステージにおいて、符号化されるべきデー
タブロックへの分割は、この識別コードに基づいて成さ
れるというものである。
本発明は、オーディオデータのカスケード接続された
符号化復号化に関する方法として、次のような方法を提
案する。即ち、 カスケード接続された複数のコーデックステージのそ
れぞれの中で、 −所定数の時間入力データを持つオーディオデータの一
つのブロックについて、このブロックと関連する短時間
スペクトルのスペクトル成分が形成され、 −上記ブロックのスペクトル成分と、聴覚心理的モデル
とを基にして、符号化信号が形成され、 −この符号化信号が復号化されて時間出力データを生成
するものにおいて、 上記カスケード接続された複数のコーデックステージ
の中の一つのコーデックステージの符号化ステップにお
いて、オーディオデータの符号化されたブロックがその
ブロックの開始の目印となる識別コードを含むように上
記時間入力データが処理され、さらに、 上記カスケード接続された複数のコーデックステージ
の中の少なくとも一つの後続のコーデックステージにお
ける符号化ステップにおいて、入力データの符号化され
るべきオーディオデータのブロックへの分割は、上記識
別コードに基づいて行われるというものである。
最も単純な場合には、この識別コードは、オーディオ
データのブロックの開始の目印となる。カスケード接続
されたコーデックステージが同質である限り、つまり、
同一サイズのブロックを形成している限り、符号化され
た音声信号内での分離は、一連の少なくとも互いに同質
なコーデックステージの中では同期的なブロック形成を
可能にする。その結果、識別コードを与えたコーデック
ステージと同一のブロックサイズを持つ後続のコーデッ
クステージは、短時間スペクトルについて同様の評価を
行う。コーデック連鎖において、上記の方法により、少
なくとも互いに同質なステージ内で同期的にブロック形
成がなされると、特に3以上のカスケードステージを備
えたコーデック連鎖に対して、音質において相当なる改
善をもたらすことになる。これにより、非同期的なコー
デック連鎖の場合と比較して、NMR値を約2デシベル上
げることも、容易に可能である。
本発明に沿った方法は、デジタルオーディオ信号への
応用、特に広く受け入れられているAES(オーディオ技
術学会)−3規格に対する応用において、非常に重要で
ある。この規格は、放送関係の専門家の間で一般的に使
用されているし、また、IEC(国際電気標準会議)958の
例である。CDプレーヤー,DAT(ディジタルオーディオテ
ープ)レコーダ,DCCレコーダ,MDレコーダ,所謂「デジ
タルアンプ」のような一般消費者向けの商品の中にも使
用されている。
AES−3規格は、ブロック指向の構造を持つ。それぞ
れのブロックは、2つのオーディオチャネルから192の
サンプリング値を含み、データストリーム内でのブロッ
クの開始は、特別な序文「Z」によって特徴付けられ
る。それぞれのサンプリング値に対して、32ビットが用
いられる。即ち、序文に4ビット、補助データ(「AU
X」)に対して4ビット、サンプリング値そのものに対
して20ビット、追加的なサブコードデータ(V,U,C,P)
に対して4ビットが使用される。
本発明に沿った方法に従えば、符号化された「オーデ
ィオデータのブロック」の最初のサンプリング値を示す
のに、AES−3規格の様々な手法が用いられる。次の2
つのブロックには、区別をつけなければならない。
a)192サンプリング値のAES−3ブロックサイズの整数
倍でないサイズを持つオーディオデータのブロック b)192サンプリング値のAES−3ブロックサイズの整数
倍であるサイズを持つオーディオデータのブロック a)について この場合、AESフォーマットのブロック構造を有効に
利用することは、不可能である。符号化されたオーディ
オデータのブロックの最初のサンプリング値は、AES−
3ブロック内のどこに置いても良い。
本発明に従えば、この場合、適切なサンプリング値に
おいて識別が行われる。この目的のために、「ユーザー
・データ」ビットが使用可能である。即ち、所謂タイム
スロット29においては、例えばブロックの開始に対して
「1」をセットし、ブロック内では「0」にセットでき
るビット「U」が用いられる。所謂「チャネルステータ
ス」(タイムスロット30「C」)においては、Uデータ
チャネルとは、バイト1、ビット4−7(「符号化され
たユーザービットマネージメント」)を意味するであろ
う。
この解決法の長所は、出現しつつあるハードウェアの
解決法と完全に互換性があるという、AES−3規格の延
長線上にある。同様の解決法が、IEC958規格についても
見出すことが出来る。
本発明に従えば、基本的なブロックマークに加えて、
例えば符号化されたオーディオデータのブロックのその
時に使用されているサイズについての情報や符号化の性
質等といった、コーデックの働きをサポートするような
追加的な識別コードを設けることもできる。
b)について 本発明に従えば、この特別な場合には、AES−3信号
のブロック構造は、符号化されたオーディオデータのブ
ロックをAES−3ラスターの中に直接適応させるために
用いることができる。同一確認は特別な序文「Z2」によ
って行うことができ、この序文はそれまでのブロック序
文を適切な位置に置き換えることになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エーベルライン エルンスト ドイツ国,グローセンゼーバッハ,バル トストラーセ 28ベー番 (72)発明者 ブランデンブルク カールハインツ ドイツ国,エルランゲン,ハークストラ ーセ 32番 (72)発明者 ゲルホイザー ハインツ ドイツ国,バイシェンフェルト,ザウゲ ンドルフ 17番 (72)発明者 シュミットマー クリスチャン ドイツ国,フルス,アッツエンホーファ ー ストラーセ 49ベー番 (56)参考文献 特開 平3−102926(JP,A) 特開 平4−261234(JP,A) 特開 平4−8064(JP,A) 特開 平3−173224(JP,A) 特表 平7−508375(JP,A) 特表 平7−506469(JP,A) Journal of the Au dio Engineering So ciety,Vol.40,No.3,P 148−165 EBU Review(Europe an Broddcasting Un ion)Technical,No. 241−242,P.118−127 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 1/00 H03M 7/30 G10L

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオデータのカスケード式符号化復
    号方法であって、 カスケード接続された複数のコーデックステージのそれ
    ぞれの中で、 −所定数の時間入力データを持つオーディオデータの一
    つのブロックについて、このブロックと関連する短時間
    スペクトルのスペクトル成分が形成され、 −上記ブロックのスペクトル成分と、聴覚心理的モデル
    とを基にして、符号化信号が形成され、 −この符号化信号が復号化されて時間出力データを生成
    するものにおいて、 上記カスケード接続された複数のコーデックステージの
    中の一つのコーデックステージの符号化ステップにおい
    て、オーディオデータの符号化されたブロックがそのブ
    ロックの開始の目印となる識別コードを含むように上記
    時間入力データが処理され、さらに、 上記カスケード接続された複数のコーデックステージの
    中の少なくとも一つの後続のコーデックステージにおけ
    る符号化ステップにおいて、入力データの符号化される
    べきオーディオデータのブロックへの分割は、上記識別
    コードに基づいて行われることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、 上記識別コードは上記オーディオデータの符号化された
    ブロックの最初のサンプリング値を示すことを特徴とす
    る方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法において、 上記カスケード接続され複数のコーデックステージのう
    ちの少なくとも互いに同質なコーデックステージにおい
    ては、同等なブロックサイズを持ち、かつブロック内の
    データの分割位置が同じである同期的なブロックが、上
    記識別コードに基づいて形成されることを特徴とする方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の方法に
    おいて、 オーディオデータはAES−3規格にしたがって符号化さ
    れることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の方法に
    おいて、 オーディオデータはIEC958規格にしたがって符号化され
    ることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項4又は5に記載の方法において、 AES−3ブロックサイズの整数倍でないサイズを持つオ
    ーディオデータのブロックの場合には、上記オーディオ
    データの符号化されたブロックの最初のサンプリング値
    を示す識別コードは、そのブロックが関連する「ユーザ
    ー・データ」ビット内に配置されることを特徴とする方
    法。
  7. 【請求項7】請求項4又は5に記載の方法において、 AES−3ブロックサイズの整数倍であるサイズを持つオ
    ーディオデータのブロックの場合には、上記オーディオ
    データの符号化されたブロックはAES−3ラスター内に
    配置され、かつ上記識別コードは特別な序文「Z2」で構
    成されることを特徴とする方法。
JP7521527A 1994-02-22 1994-10-21 オーディオデータのカスケード式符号化復号化方法 Expired - Lifetime JP2843443B2 (ja)

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