JP2842934B2 - 油圧作動式変速機の油圧回路 - Google Patents

油圧作動式変速機の油圧回路

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JP2842934B2
JP2842934B2 JP17321490A JP17321490A JP2842934B2 JP 2842934 B2 JP2842934 B2 JP 2842934B2 JP 17321490 A JP17321490 A JP 17321490A JP 17321490 A JP17321490 A JP 17321490A JP 2842934 B2 JP2842934 B2 JP 2842934B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両等に搭載される油圧作動式変速機に変
速動作を行わせる作動油圧を形成してその油圧作動式変
速機に供給する動作を行う、油圧作動式変速機の油圧回
路に関する。
(従来の技術) 車両においては、油圧回路から供給される作動油圧に
より動作状態が変化せしめられる、複数のギア及び摩擦
係合要素を有して成る多段ギア式変速機構、あるいは、
前後進切換機構が付設されて用いられる無段変速機構等
とされる変速機構を含んで構成され、変速機構の動作状
態の変化により変速動作が行われるものとされた、油圧
作動式の自動変速機を装備したものが汎用されている。
このような油圧作動式の自動変速機に付設される油圧回
路においては、通常、変速機構にその動作状態を変化さ
せる作動油圧を供給する作動油圧供給部、及び、作動油
圧供給部と油圧供給源との間に配されたライン圧形成部
が備えられ、油圧供給源からの油圧がライン圧形成部に
より調圧されてライン圧とされて作動油圧供給部に供給
され、作動油圧供給部においてはライン圧形成部からの
ライン圧に基づいて作動油圧が形成されるようになされ
る。
斯かる油圧回路に備えられるライン圧形成部は、例え
ば、特開昭62−4958号公報にも示される如くに、油圧供
給源からの油圧に基づいてライン圧を形成するレギュレ
ータ弁,レギュレータ弁により形成されたライン圧を減
圧するリデューシィング弁、及び、リデューシィング弁
とレギュレータ弁とを連結する油路に設けられ、制御ユ
ニットから目標ライン圧値に応じたパルス占有率を有す
る制御信号が供給されて、その油路における油圧を制御
信号のパルス占有率に応じて低減させるソレノイド弁を
備えて構成される。レギュレータ弁は、移動可能に配さ
れて油圧供給源からの油圧が作用するものとされるスプ
ールと、そのスプールを油圧供給源からの油圧に抗して
押圧するスプリング部材とを内蔵するものとされ、ま
た、リデューシィング弁が、移動可能に配されてレギュ
レータ弁からのライン圧が作用するものとされるスプー
ルと、そのスプールをライン圧に抗して押圧するスプリ
ング部材とを内蔵するものとされる。そして、リデュー
シィング弁においては、移動可能とされたスプールをラ
イン圧に抗して押圧するスプリング部材の押圧力に応じ
てライン圧が減圧され、リデューシィング弁によりライ
ン圧が減圧されて得られる油圧が、ソレノイド弁が設け
られた油路を通じ、その値の変化によりライン圧の値を
変化させるパイロット圧としてレギュレータ弁に供給さ
れる。従って、リデューシィング弁とレギュレータ弁と
を連結する油路に設けられたソレノイド弁が、制御ユニ
ットからの目標ライン圧に応じたパルス占有率を有した
制御信号によって制御されることにより、リデューシィ
ング弁からレギュレータ弁に供給されるパイロット圧が
目標ライン圧値に応じたものとされて、レギュレータ弁
により形成されるライン圧が目標ライン圧値をとるもの
とされる。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如くの自動変速機に付設される油圧回路に備え
られるライン圧形成部にあっては、ライン圧を減圧する
動作を行うリデューシィング弁に、内蔵されたスプール
がその正常可動範囲の一端部側あるいは他端部側に固着
されてしまう故障が生じると、リデューシィング弁にお
けるライン圧の適正な減圧が行われず、リデューシィン
グ弁によりライン圧が減圧されて得られる油圧が、異常
に高い値あるいは異常に低い値をとるものとされ、それ
に伴って、リデューシィング弁からレギュレータ弁に供
給されるパイロット圧が異常に高い値あるいは異常に低
い値をとるものとされて、レギュレータ弁により形成さ
れるライン圧が適正な値をとれないものとされ、その結
果、レギュレータ弁からのライン圧に基づいて作動油圧
を形成する作動油圧供給部が、変速機構に適正な変速動
作を行わせるための作動油圧の供給を行うことができな
くなってしまうことになる。
斯かる点に鑑み、本発明は、油圧作動式変速機に作動
油圧を供給する作動油圧供給部に作用せしめられるライ
ン圧を形成するレギュレータ弁及びレギュレータ弁によ
り形成されたライン圧を減圧するリデューシィング弁を
備え、リデューシィング弁によりライン圧が減圧されて
得られる油圧が、ライン圧の値を制御するパイロット圧
としてレギュレータ弁に供給されるものとなされたもと
で、リデューシィング弁にそれに内蔵されたスプールが
適正に作動しない故障が生じた場合にも、レギュレータ
弁により形成されるライン圧を、その値が所定の変化範
囲に止められて、異常に高い値あるいは異常に低い値と
なることが抑制されるものとなすことができるようにな
された、油圧作動式変速機の油圧回路を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成すべく、本発明に係る油圧作動式変
速機の油圧回路は、油圧作動式変速機に作動油圧を供給
する作動油圧供給部に作用せしめられるライン圧を形成
するレギュレータ弁と、レギュレータ弁から得られるラ
イン圧を減圧するリデューシィング弁と、リデューシィ
ング弁によりライン圧が減圧せしめられて得られる油圧
を、レギュレータ弁に、その値の増加によりライン圧の
値を増大させるべく作用するパイロット圧として供給す
る、リデューシィング弁とレギュレータ弁との間に形成
された第1の油路とを備え、さらに、それに加えて、リ
デューシィング弁によりライン圧が減圧せしめられて得
られる油圧を、レギュレータ弁に、その値の増加により
ライン圧と値を低減させるべく作用する補助油圧として
供給する、リデューシィング弁とレギュレータ弁との間
に形成された第2の油路が設けられて構成される。
(作 用) 上述の如くに構成される本発明に係る油圧作動式変速
機の油圧回路においては、レギュレータ弁に内蔵される
スプールを押圧するスプリング部材の押圧力を、レギュ
レータ弁に補助油圧を供給する第2の油路が設けられな
い場合に比して、補助油圧に相当する押圧力だけ増大せ
しめられたものに設定することができる。従って、例え
ば、リデューシィング弁に、それに内蔵されたスプール
が、ライン圧が減圧せしめられて得られる油圧が異常に
低い値をとるものとされ、それによりレギュレータ弁に
供給されるパイロット圧及び補助油圧が異常に低い値を
とるものとされる状態で固着される故障が生じた場合に
は、レギュレータ弁により形成されるライン圧が、押圧
力が増大せしめられたスプリング部材の押圧力に対応す
るものとされて、正常時に比しては低下せしめられたも
のとされるも、異常に低いものとはされない値をとるも
のとされ、また、逆に、リデューシィング弁に、それに
内蔵されたスプールが、ライン圧が減圧せしめられて得
られる油圧が異常に高い値をとるものとされ、それによ
りレギュレータ弁に供給されるパイロット圧及び補助油
圧が異常に高い値をとるものとされる状態で固着される
故障が生じた場合には、補助油圧の作用により、正常時
に比しては増大せしめられたものとされるも、異常に高
いものとはされない値をとるものとされる。従って、リ
デューシィング弁にそれに内蔵されたスプールが適正に
作動しない故障が生じた場合にも、レギュレータ弁によ
り形成されるライン圧の値の変化が、作動油圧供給部に
油圧作動式変速機の変速動作を著しく損なうものとはし
ない作動油圧を供給する状態をとらせることができる範
囲に止められることになる。
(実施例) 第2図は、本発明に係る油圧作動式変速機の油圧回路
の一例が適用された車両用の油圧作動式の自動変速機を
示す。
第2図においては、エンジン1が発生するトルクが、
エンジン1の出力軸2から流体式トルクコンバータ3及
び前後進切換機構4を通じて、無段変速機構5に伝達さ
れる。流体式トルクコンバータ3は、エンジン1の出力
軸2に連結されて回転駆動されるポンプインペラー11,
エンジン1の出力軸2からのトルクがポンプインペラー
11から流体を介して伝達されるタービンランナー12,ポ
ンプインペラー11とタービンランナー12との間に配され
たステータ13,ステータ13と固定部分との間に配された
ワンウエイクラッチ14、及び、タービン軸16にスプライ
ン嵌合せしめられてポンプインペラー11とタービンラン
ナー12との間に配され、選択的に供給される作動油圧の
作用を受けて動作せしめられるロックアップクラッチ17
を備えており、エンジン1の出力軸2から得られるトル
クをタービン軸16を介して前後進切換機構4に伝達する
ものとされている。
前後進切換機構4は、流体式トルクコンバータ3のタ
ービン軸16に接続されたキャリア21,出力軸に取りつけ
られたサンギア22,サンギア22に噛合せしめられたピニ
オンギア23a及び23b,ピニオンギア23a及び23bに噛合せ
しめられたリングギア24を備え、さらに、キャリア21と
リングギア24との間にクラッチ26が設けられるととも
に、リングギア24と前後進切換機構4のケース25との間
にブレーキ27が設けられたものとされている。そして、
前後進切換機構4においては、クラッチ26が選択的に供
給される作動油圧の作用により締結状態もしくは解放状
態をとるものとされているとともに、ブレーキ27が選択
的に供給される作動油圧の作用により締結状態もしくは
解放状態をとるものとされており、それによって、Pレ
ンジ(パーキングレンジ),Rレンジ(リバースレン
ジ),Nレンジ(ニュートラルレンジ)、及び、フォワー
ドを形成するDレンジ(ドライブレンジ)とLレンジと
が選択的にとられる。
無段変速機構5は、前後進切換機構4の出力軸に連結
されて回転せしめられる入力軸30,入力軸30と一体的に
回転する駆動プーリ31,駆動プーリ31の回転が断面形状
がV字型とされたベルトTを介して伝達される従動プー
リ36,従動プーリ36と一体的に回動せしめられるととも
に、その回動を図示が省略されたディファレンシャルギ
ア機構に伝達する出力軸41が備えられたものとされてい
る。駆動プーリ31は、入力軸30に固定された固定円錐板
部材32、及び、シリンダ室33が設けられた可動円錐板部
材34を有している。そして、それら固定円錐板部材32と
可動円錐板部材34とが相互にその円錐状の面を対向させ
て配され、それにより、固定円錐板部材32と可動円錐板
部材34との間にV字状のプーリ溝35が形成される。可動
円錐板部材34は、シリンダ室33に作用せしめられる作動
油圧に応じて、固定円錐板部材32に対して近傍もしくは
離隔すべくその軸方向に沿って移動するものとされ、斯
かる移動に伴って、プーリ溝35の幅が変化せしめられ
る。また、従動プーリ36は、出力軸41に固定された固定
円錐板部材37、及び、駆動プーリ31のシリンダ室33に比
してその受圧面積が小とされたシリンダ室38が設けられ
た可動円錐板部材39を有している。そして、それら固定
円錐板部材37と可動円錐板部材39とが相互にその円錐状
の面を対向させて配され、それにより、固定円錐板部材
37と可動円錐板部材39との間にV字状のプーリ溝40が形
成される。可動円錐板部材39は、シリンダ室38に作用せ
しめられる作動油圧に応じて、固定円錐板部材37に対し
て近接もしくは離隔すべくその軸方向に沿って移動する
ものとされ、斯かる移動に伴って、プーリ溝40の幅が変
化せしめられる。
このように駆動プーリ31及び従動プーリ36に夫々形成
されたプーリ溝35及び40にベルトTが装架されており、
プーリ溝35及び40における幅の変化に応じて、駆動プー
リ31及び従動プーリ36のベルトTに対する有効径が変化
せしめられ、それにより、変速比が連続的に変化せしめ
られるとともに、シリンダ室33及び38に作用せしめられ
る作動油圧の値に応じて、駆動プーリ31からベルトTを
介して従動プーリ36に伝達される最大トルクの値、即
ち、ベルトTの駆動プーリ31及び従動プーリ36に対する
滑りを生じることなく、駆動プーリ31から従動プーリ36
に伝達されることが許容されるトルクの最大値が規定さ
れる。
斯かる無段変速機構5においては、変速操作部を形成
するシフトレバーがとる変速レンジ位置に応じた変速比
の連続的な変更が行われて、要求されるシフトアップ動
作あるいはシフトダウン動作が実現される。斯かる変速
比の連続的な変更は、駆動プーリ31におけるシリンダ室
33に作用する作動油圧により、可動円錐板部材34が固定
円錐板部材32に対して近接もしくは離隔する方向に移動
せしめられてプーリ溝35の幅が変化し、駆動プーリ31の
ベルトTに対する有効径が縮小もしくは拡大せしめら
れ、それと同時に、従動プーリ36におけるシリンダ室38
に作用する作動油圧により、可動円錐板部材39が固定円
錐板部材37に対して離隔もしくは近接する方向に移動せ
しめられてプーリ溝40の幅が変化し、従動プーリ36のベ
ルトTに対する有効径が拡大もしくは縮小せしめられる
ことによって行われる。このような変速比の連続的な変
更が行われるにあたっては、無段変速機構5にその入力
軸30に供給されるトルク以上のベルト伝達トルクが得ら
れていることが必要とされ、このベルト伝達トルクは、
シリンダ室33及び38に供給される作動油圧に基づいて得
られる、ベルトTが駆動プーリ31及び従動プーリ36から
受ける押圧力に応じたものとされる。
上述の如くにして、流体式トルクコンバータ3におけ
るロックアップクラッチ17,前後進切換機構4における
クラッチ26及びブレーキ27、及び、無段変速機構5にお
ける駆動プーリ31のシリンダ室33及び従動プーリ36のシ
リンダ室38の夫々に作用せしめられる作動油圧が、流体
式トルクコンバータ3,前後進切換機構4及び無段変速機
構5に対して設けられた本発明に係る油圧回路50により
形成され、第2図において破線により示される油路を通
じて適宜供給される。
第1図は、本発明に係る油圧回路50の具体構成の一例
を示す。この第1図に示される油圧回路50の具体構成に
おいては、エンジン1の出力軸2によって駆動されるオ
イルポンプ51から吐出された油圧が、油路52を通じてレ
ギュレータ弁53にそのポートaから供給される。
レギュレータ弁53は、直列配置されたスプール53A及
び53B、及び、スプール53A及び53Bを一方の端部53a側に
押圧するスプリング部材53Cを内蔵し、一方の端部53a側
にポートbが設けられるとともに、他方の端部53b側に
ポートcが設けられ、ポートbとポートcとの間にポー
トa,ポートd,ポートf及び油路55を通じてドレインに接
続されたポートeが設けられたものとなされている。レ
ギュレータ弁53に供給されたオイルポンプ51からの油圧
は、スプール53A及び53Bの位置に応じた調圧がなされて
ライン圧とされ、ポートdから油路54,油路56及び油路5
6からの分岐油路56A、及び、フィルタFが設けられた油
路57を通じてリデューシィング弁58に、そのポートgか
ら供給され、また、油路56からの分岐油路56Aから油路5
9を通じて変速シフト弁60に供給される。さらに、レギ
ュレータ弁53から得られるライン圧は、レギュレータ弁
53のポートdから、油路62及び油路62からの分岐油路62
Aを通じてマニュアル弁63に供給されるとともに、油路6
2及び油路62からの分岐油路62Bを通じて流体式トルクコ
ンバータ3のロックアップクラッチ17に供給され、ま
た、ポートdから油路54,流路56及び油路56からの分岐
路56Bを通じて、無段変速機構5における従動プーリ36
のシリンダ室38に作動油圧として供給される。
リデューシィング弁58は、スプール58A及びスプール5
8Aをその一方の端部58a側に押圧するスプリング部材58B
を内蔵し、油路57を通じてレギュレータ弁53からのライ
ン圧が供給されるポートgと、油路61を介してダンパー
67に接続された油路66に接続されたポートhとが設けら
れており、ポートgを通じて供給されたライン圧をスプ
ール58Aの位置に応じて減圧するものとされている。そ
して、リデューシィング弁58によりライン圧が減圧され
て得られる油圧が、ポートhから、油路61,油路66,油路
66からの分岐油路66Aに供給され、さらに、分岐油路66A
に設けられたフィルタF及び2個のオリフィスQを通じ
て、レギュレータ弁53にそのポートcから供給される。
分岐油路66A内の油圧は、分岐油路66Aにおける2個のオ
リフィスQの間の位置に油路70を介して接続されたソレ
ノイド弁69により減圧調整される。ソレノイド弁69は、
それに供給される所定のパルス占有率を有するものとさ
れた制御信号SLによって動作制御され、制御信号SLのパ
ルス幅に応じた期間に開状態をとって、分岐油路66Aを
通じる油圧の一部をドレインに導く。このようにして、
リデューシィング弁58によりライン圧が減圧されて得ら
れ、分岐油路66Aにおいてソレノイド弁69により減圧調
整されて、レギュレータ弁53にそのポートcから供給さ
れる油圧は、レギュレータ弁53に対しての、その値の増
加によりレギュレータ弁53により形成されるライン圧の
値を増大させるべく作用するパイロット圧とされる。
さらに、リデューシィング弁58によりライン圧が減圧
されて得られる油圧が、ポートhから、油路61及び油路
65を通じて、レギュレータ弁53にそのポートbから供給
される。斯かるリデューシィング弁58によりライン圧が
減圧されて得られ、レギュレータ弁53にそのポートbか
ら供給される油圧は、レギュレータ弁53に対しての、そ
の値の増加によりレギュレータ弁53により形成されるラ
イン圧の値を低下させるべく作用する補助油圧とされ
る。
このようにして、レギュレータ弁53には分岐油路66A
を通じたパイロット圧に加えて、油路65を通じた補助油
圧が作用せしめられることにより、レギュレータ弁53に
より形成されるライン圧の値PLは、パイロット圧の値P
P,補助油圧の値PA,レギュレータ弁53に内蔵されたスプ
リング部材53Cの付勢力の値FSに応じて定められ、下記
の式(1)によってあらわされるものとされる。
PL=(α/β)PP+(1/β)FS −(γ/β)PA ……(1) 但し、αはポートcからのパイロット圧が作用するスプ
ール53Bの受圧面積,βはポートfからのライン圧が作
用するスプール53Aの受圧面積,γはポートbからの補
助油圧が作用するスプール53Aの受圧面積であって、α
>β>γである。
そして、式(1)から、スプリング部材53Cの付勢力
の値FSについての関係式である下記の式(2)が得られ
る。
FS=β・PL+γ・PA−α・PP ……(2) これよりして、所定のライン圧の値PLを得るにあたっ
てのスプリング部材53Cの付勢力の値FSは、レギュレー
タ弁53に油路65を通じた補助油圧が作用せしめられない
場合に比して、γ・PAだけ増大せしめられたものとして
設定されることになる。
パイロット圧の値PPとライン圧の値PLとの関係は、第
3図(横軸:PP,縦軸:PL)における直線Xにより示され
る如くの比例関係を主体としたものとされ、例えば、PL
がPaからPbまでの範囲の値とされる状態が許容されるラ
イン圧が得られる状態とされる。
上述の如くに、レギュレータ弁53に分岐油路66Aを通
じて供給されるパイロット圧及び油路65を通じて供給さ
れる補助油圧は、リデューシィング弁58によってライン
圧が減圧されて得られる油圧に基づくものとされるが、
例えば、リデューシィング弁58において、内蔵されたス
プール58Aが最も端部58b側に寄せられた位置に固着され
てしまう故障が生じた場合には、リデューシィング弁58
によってライン圧が減圧されて得られる油圧は零もしく
は異常に低い値をとるものとされることになり、また、
リデューシィング弁58において、内蔵されたスプール58
Aが最も端部58a側に寄せられた位置に固着されてしまう
故障が生じた場合には、リデューシィング弁58によって
ライン圧が減圧されて得られる油圧は、実質的にライン
圧そのものとされて異常に高い値をとることになってし
まう。このようなリデューシィング弁58に生じた故障に
より、リデューシィング弁58によってライン圧が減圧さ
れて得られる油圧が零もしくは異常に低い値をとるもの
とされる場合、パイロット圧の値PP及び補助油圧の値PA
も、零もしくは異常に低い値とされるので、仮に、油路
65が設けられていず、レギュレータ弁53に油路65を通じ
た補助油圧が作用せしめられないとすると、そのときの
ライン圧の値PLは、第3図における直線Yにより示され
る関係に従って、異常に低い値Pwもしくはその近傍の値
とされてしまうことになるが、実際には、レギュレータ
弁53に油路65を通じた補助油圧が作用せしめられるよう
にされていることにより、上述の如くにレギュレータ弁
53に内蔵されたスプリング部材53Cの付勢力の値FSが増
大せしめられたものとして設定されているので、ライン
圧の値PLは、増大せしめられたスプリング部材53Cの付
勢力の値FSに対応して、直線Xにより示される関係に従
った。値PaからPbまでの許容値範囲内の値Pgに止められ
ることになる。
一方、リデューシィング弁58に生じた故障により、リ
デューシィング弁58によってライン圧が減圧されて得ら
れる油圧が、実質的にライン圧そのものとされて異常に
高い値をとることになってしまう場合には、それに伴っ
てパイロット圧の値PPも増大せしめられてライン圧の上
昇がまねかれようとするが、同時に補助油圧の値PAが実
質的にライン圧そのものとされて異常に高い値をとるも
のとされるので、パイロット圧の値PPが、その増大が抑
制されて、値PaからPbまでの許容値範囲内の値Phに止め
られることになる。
従って、リデューシィング弁58とレギュレータ弁53と
の間に油路65が設けられ、それを通じてレギュレータ弁
53にリデューシィング弁58からの補助油圧が作用せしめ
られることにより、リデューシィング弁58に故障が生
じ、リデューシィング弁58によってライン圧が減圧され
て得られる油圧が、異常に低い値あるいは異常に高い値
をとるものとされる場合にも、レギュレータ弁53により
形成されるライン圧値が、正常時に比して変化せしめら
れるも、許容値範囲内に止められるものとされることに
なる。
上述の如くにしてレギュレータ弁53により形成された
ライン圧が供給されるマニュアル弁63は、レギュレータ
弁53に連結する分岐油路62Aに接続されたポートi,油路7
1を介して前後進切換機構4のクラッチ26に接続された
ポートj、及び、油路72を介して前後進切換機構4のブ
レーキ27に接続されたポートkが設けられ、シフトレバ
ーがとる変速レンジ位置(P,R,N,D,L)に応じて変位せ
しめられてポートiとj及びkとの連通状態を異ならせ
るスプール63Aを内蔵したものとされる。そして、レギ
ュレータ弁53から供給されるライン圧を、スプール63A
の位置に応じて作動油圧として前後進切換機構4のクラ
ッチ26及びブレーキ27に選択的に供給し、クラッチ26及
びブレーキ27に締結状態もしくは解放状態をとらせる。
なお、クラッチ26及びブレーキ27の夫々に対する作動油
圧供給油路は、アキュームレータ73を介して連結されて
いる。
また、レギュレータ弁53により形成されたライン圧が
供給される変速シフト弁60は、レギュレータ弁53により
形成されたライン圧の他に、油路72からの作動油圧が油
路76を通じて供給されるとともに、切換弁75からの油圧
が油路74を通じて供給されるものとなされている。そし
て、変速シフト弁60においては、レギュレータ弁53から
のライン圧に基づいて、油路72からの作動油圧及び切換
弁75からの油圧に応じた作動油圧が形成され、その作動
油圧が、フィルタFが設けられた油路80を通じて無段変
速機構5における駆動プーリ31のシリンダ室33に供給さ
れる。
切換弁75には、リデューシィング弁58によりライン圧
が減圧されて得られる油圧が、フィルタF及びオリフィ
スQが設けられた、油路66からの分岐油路66Bを通じて
供給される。分岐油路66Bにはソレノイド弁77が接続さ
れており、ソレノイド弁77は、それに供給される所定の
パルス占有率を有するものとされた制御信号SCによって
動作制御され、制御信号SCのパルス幅に応じた期間に開
状態をとって、分岐油路66Bを通じる油圧の一部をドレ
インに導き、切換弁75に供給される。リデューシィング
弁58によりライン圧が減圧されて得られる油圧の値を制
御信号SCに応じて調整する。そして、ソレノイド弁77に
より調整されて切換弁75に供給された、リデューシィン
グ弁58によりライン圧が減圧されて得られる油圧は、切
換弁75から変速シフト弁60に油路74を通じて供給される
とともに、油路78を通じて無段変速機構5における駆動
プーリ31に関連して設けられたピトー圧発生器79にも供
給される。
無段変速機構5における駆動プーリ31のシリンダ室33
及び従動プーリ36のシリンダ室38に夫々供給される作動
油圧は、レギュレータ弁53において形成されるライン圧
の値PLが第3図に示される如くの値PaからPbまでの範囲
にあるもとでは、駆動プーリ31及び従動プーリ36に適正
な動作を行わせるものとされ、無段変速機構5が、その
入力軸30に供給されるトルク以上のベルト伝達トルクを
有するものとされることになる。
なお、上述の例においては、自動変速機に備えられた
変速機構が無段変速機構50とされているが、本発明に係
る油圧作動式変速機の油圧回路は、自動変速機に備えら
れる変速機構が多段ギア式変速機構とされる場合にも適
用できるものであること明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかな如く、本発明に係る油圧作動
式変速機の油圧回路にあっては、油圧作動式変速機に作
動油圧を供給する作動油圧供給部に作用せしめられるラ
イン圧を形成するレギュレータ弁及びレギュレータ弁に
より形成されたライン圧を減圧するリデューシィング弁
を備え、リデューシィング弁によりライン圧が減圧せし
められて得られる油圧を、その値の増加によりライン圧
の値を増大させるべく作用するパイロット圧としてレギ
ュレータ弁に供給する油路が設けられたもとで、さら
に、リデューシィング弁によりライン圧が減圧せしめら
れて得られる油圧を、その値の増加によりライン圧の値
を低減させるべく作用する補助油圧としてレギュレータ
弁に供給する油路が設けられたものとされるので、レギ
ュレータ弁に内蔵されるスプールを押圧するスプリング
部材の付勢力を、レギュレータ弁に補助油圧を供給する
油路が設けられない場合に比して、補助油圧に相当する
押圧力だけ増大せしめられたものに設定することができ
る。従って、例えば、リデューシィング弁に、それに内
蔵されたスプールが、ライン圧が減圧せしめられて得ら
れる油圧が異常に低い値をとるものとされ、それにより
レギュレータ弁に供給されるパイロット圧及び補助油圧
が異常に低い値をとるものとされる状態で固着される故
障が生じた場合には、レギュレータ弁により形成される
ライン圧を、付勢力が増大せしめられたスプリング部材
の押圧力に対応する、正常時に比しては低下せしめられ
たものとされるも、異常に低いものとはされない値をと
るものとなすことができ、また、逆に、リデューシィン
グ弁に、それに内蔵されたスプールが、ライン圧が減圧
せしめられて得られる油圧が異常に高い値をとるものと
され、それによりレギュレータ弁に供給されるパイロッ
ト圧及び補助油圧が異常に高い値をとるものとされる状
態で固着される故障が生じた場合には、補助油圧の作用
により、正常時に比しては増大せしめられたものとされ
るも、異常に高いものとはされない値をとるものとなす
ことができる。従って、リデューシィング弁にそれに内
蔵されたスプールが適正に作動しない故障が生じた場合
にも、レギュレータ弁により形成されるライン圧の値の
変化を、作動油圧供給部に油圧作動式変速機の変速動作
を著しく損なうものとはしない作動油圧を供給する状態
をとらせ得る範囲に止めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る油圧作動式変速機の油圧回路の一
例の主要部を示す構成図、第2図は第1図に示される例
が適用された車両用の油圧作動式変速機を示す概略構成
図、第3図は第1図に示される例における動作説明に供
される特性図である。 図中、1はエンジン、2はエンジンの出力軸、4は前後
進切換機構、5は無段変速機構、26はクラッチ、27はブ
レーキ、31は駆動プーリ、33及び38はシリンダ室、36は
従動プーリ、50は油圧回路、53はレギュレータ弁、58は
リデューシィング弁、60は変速シフト弁、63はマニュア
ル弁、69はソレノイド弁である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧作動式変速機に作動油圧を供給する作
    動油圧供給部に作用せしめられるライン圧を形成するレ
    ギュレータ弁と、 該レギュレータ弁から得られるライン圧を減圧するリデ
    ューシィング弁と、 該リデューシィング弁によりライン圧が減圧せしめられ
    て得られる油圧を、上記レギュレータ弁に、その値の増
    加により上記ライン圧の値を増大させるべく作用するパ
    イロット圧として供給する、上記リデューシィング弁と
    上記レギュレータ弁との間に形成された第1の油路と、 上記リデューシィング弁によりライン圧が減圧せしめら
    れて得られる油圧を、上記レギュレータ弁に、その値の
    増加により上記ライン圧の値を低減させるべく作用する
    補助油圧として供給する、上記リデューシィング弁と上
    記レギュレータ弁との間に形成された第2の油路と、 を備えて構成される油圧作動式変速機の油圧回路。
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