JP2842203B2 - チッソリフロー装置 - Google Patents

チッソリフロー装置

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JP2842203B2 JP633394A JP633394A JP2842203B2 JP 2842203 B2 JP2842203 B2 JP 2842203B2 JP 633394 A JP633394 A JP 633394A JP 633394 A JP633394 A JP 633394A JP 2842203 B2 JP2842203 B2 JP 2842203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立上げ時のチッソガス
の消費量を少なくできるようにしたチッソリフロー装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板に面実装された電子部品と、基板の
回路パターンとを半田付けすると共に、炉体内の加熱に
よる酸化を防ぐためチッソリフロー装置が用いられてい
る。このようなチッソリフロー装置では、炉体内(特に
高温となる部分)のチッソガス濃度を所定濃度に保持す
る必要がある。そしてチッソリフロー装置の外部には酸
素を含む空気が存在しているので、酸素濃度を下げチッ
ソガス濃度を上げるためチッソボンベなどのチッソガス
供給部から、管路を介してチッソガスを炉体内に吐出す
る必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来のチッソ
リフロー装置では、立上げ時にヒータへの給電開始と同
時にチッソガスを炉体内に吐出し、炉体内のチッソガス
濃度が所定濃度に達するまで待つようになっていた。
【0004】しかしながらこのような構成では、チッソ
ガスの消費量が多く、チッソガスはチッソボンベなどに
蓄えられた液体チッソを気化して供給するものであり、
ランニングコストが上昇するという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、チッソガスを節約するこ
とができるチッソリフロー装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のチッソリフロー
装置は、複数のゾーンに分割される炉体と、炉体の入口
から出口にわたって基板を搬送するコンベアと、炉体の
各ゾーンに配設されるヒータと、炉体の各ゾーンの雰囲
気温度を検出する温度センサと、炉体内にチッソガスを
吐出する管路と、炉体内の濃度を検出する濃度センサと
を備え、温度センサと濃度センサの出力を入力し、かつ
ヒータの給電状態と管路の吐出状態とを制御する制御回
路であって、立上げにあたりまずヒータにより炉体内を
加熱し、炉体内が所定温度に上昇してから、管路におけ
るチッソガスの吐出量を上昇させる制御回路を有する。
【0007】
【作用】上記構成により、立上げ時に、まずヒータへの
給電が開始され、炉体内の温度が上昇する。そして温度
が所定位置に達すると、管路におけるチッソガスの吐出
量が上昇する。ここで、炉体の体積をV、圧力をP、チ
ッソガスの質量をM、ガス定数をR、絶対温度をTとす
れば、PV=MRTなる関係がある(気体の状態方程
式)。また炉体は外気と接しているので圧力Pはほぼ一
定、体積V、ガス定数Rも一定であるから、炉体内のチ
ッソガスの質量Mは絶対温度Tに反比例する。しかし
て、炉体内が常温であるときの炉体内のチッソガスの質
量よりも炉体内が所定温度(常温よりも高温)であると
きの炉体内のチッソガスの質量は少なくてすみ、それだ
けチッソガスの消費量を節約できる。
【0008】
【実施例】次に図面を参照しながら本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例におけるチッソリフロ
ー装置の側面図である。図1中、1は炉体であり、炉体
1内は仕切壁1a,1bが設けられることにより、基板
4の上面を常温から約150℃まで上昇させる予熱ゾー
ンT1、この温度を保持する均熱ゾーンT2、さらに約
220℃程度まで上昇させるリフローゾーンT3に分割
される。また、1cは炉体1の入口、1dは出口であり
炉体1内は入口1c、出口1dを介して外気に接してい
る。2は入口1cから出口1dにわたって、図1の左か
ら右へと基板4を搬送するコンベア、2aはコンベア2
の支持板、3はコンベア2の駆動モータである。また、
H1は予熱ゾーンT1のヒータ、F1は予熱ゾーンT1
のファン、M1はファンF1を回転させるモータ、S1
は予熱ゾーンT1の雰囲気温度を検出する温度センサで
あり、同様に均熱ゾーンT2にはヒータH2、ファンF
2、モータM2、温度センサS2が設けられ、リフロー
ゾーンT3にはヒータH3,H4、ファンF3、モータ
M3、温度センサS3が設けられている。またPは基板
4に搭載される電子部品、S4は最も高温となるリフロ
ーゾーンT3にて酸素の濃度を検出することにより、間
接的にチッソガスの濃度を調べる濃度センサである。
【0009】またL1は立上げ時に炉体1のリフローゾ
ーンT3に規定流量のチッソガスを吐出する規定管路で
あり、L2はリフローゾーンT3に可変流量のチッソガ
スを吐出する調整管路、10はチッソボンベなどのチッ
ソガス供給部である。規定管路L1のうちR1は圧力レ
ギュレータ、V1は第1の開閉弁であり、調整管路L2
のうちR2は圧力レギュレータ、V2は第2の開閉弁、
V3は調整管路L2の流量を調整するためのコントロー
ル弁である。
【0010】図2は本発明の一実施例におけるチッソリ
フロー装置のブロック図である。14はCPUなどから
なる制御回路であり、制御回路14は濃度センサS4と
温度センサS1,S2,S3の出力を入力して調整管路
L2の流量を制御するものである。15は温度センサS
1,S2,S3の出力を制御回路14が認識できるデー
タ形式に変換する温度測定回路、16は濃度センサS4
の出力を制御回路14が認識できるデータ形式に変換す
る酸素濃度測定回路である。なお本実施例では、制御回
路14は、立上げ後酸素濃度が1000ppmに達した
際、リフローゾーンT3のチッソガス濃度が所定濃度に
達したものと判定する。また制御回路14は、温度セン
サS3が示す温度が所定温度θ1(150℃)に達した
際規定管路L1からチッソガスを吐出させる。
【0011】また17は制御回路14の指令に応じて第
1の開閉弁V1、第2の開閉弁V2を開閉させる開閉弁
駆動回路、18は制御回路14の指令に応じてコントロ
ール弁V3の閉度を調整し、調整管路L2の流量を可変
するコントロール弁駆動回路、19は制御回路14が温
度測定回路15の出力に応じて予熱ゾーンT1、均熱ゾ
ーンT2及びリフローゾーンT3が所定温度プロファイ
ルに沿った雰囲気温度となるようなヒータH1,H2,
H3,H4に印加するヒータ駆動回路である。ちなみに
リフローゾーンT3は、リフロー温度θ2(約250
℃)まで加熱される。また20は動作状況等を表示する
ための表示部、21は所定温度θ1の情報等を入力する
ための入力部である。
【0012】本実施例におけるチッソリフロー装置は、
上記のような構成よりなり、次に図3を参照しながらそ
の動作を説明する。図3は本発明の一実施例におけるチ
ッソリフロー装置の立上げ及び立上げ後の動作を示すタ
イムチャートである。まず時刻t1において立上げが開
始される。このとき制御回路14は第1,第2の開閉弁
V1,V2を閉としチッソガスの吐出量を零とする。ま
た、ヒータH1,H2,H3,H4に給電し、炉体1内
の温度を上昇させる。
【0013】時刻t2にて温度センサS3が示す温度が
所定温度θ1に達したならば、制御回路14は開閉弁駆
動回路17に指示して第1の開閉弁V1のみを開とす
る。これにより炉体1内にチッソガスが吐出され濃度セ
ンサS4が検出する酸素濃度は低下してゆく。ここでリ
フローゾーンT3内の温度は常温よりもずっと高くなっ
ているので、従来に比べ少量のチッソガスを吐出するこ
とにより、酸素濃度が大気と同じ初期酸素濃度C1(2
0000ppm)から所定値C2(1000ppm)ま
で低下する。
【0014】次に時刻t3にて、酸素濃度が所定値C2
となったことを制御回路14が確認すると、制御回路1
4は開閉弁駆動回路17に指示して第1の開閉弁V1を
閉、第2の開閉弁V2を開とする。またコントロール弁
駆動回路18に指示して酸素濃度が所定値C2を維持す
るようにコントロール弁V3の開度を調整する。
【0015】
【発明の効果】本発明のチッソリフロー装置は、入口及
び出口において外気と接すると共に、複数のゾーンに分
割される炉体と、炉体の入口から出口にわたって基板を
搬送するコンベアと、炉体の各ゾーンに配設されるヒー
タと、炉体の各ゾーンの雰囲気温度を検出する温度セン
サと、炉体内にチッソガスを吐出する管路と、炉体内の
濃度を検出する濃度センサとを備え、温度センサと濃度
センサの出力を入力し、かつヒータの給電状態と管路の
吐出状態とを制御する制御回路であって、立上げにあた
りまずヒータにより炉体内を加熱し、炉体内が所定温度
に上昇してから、管路におけるチッソガスの吐出量を上
昇させる制御回路を有するので、従来手段よりも少量の
チッソガスによりチッソガスの濃度を必要なレベルに上
げることができ、立上げ時のチッソガスの消費量を節約
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるチッソリフロー装置
の側面図
【図2】本発明の一実施例におけるチッソリフロー装置
のブロック図
【図3】本発明の一実施例におけるチッソリフロー装置
の立上げ及び立上げ後の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 炉体 1c 入口 1d 出口 2 コンベア 14 制御回路 T1 予熱ゾーン T2 均熱ゾーン T3 リフローゾーン H1,H2,H3,H4 ヒータ S1,S2,S3 温度センサ L1 規定管路 L2 調整管路 θ1 所定温度
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−308186(JP,A) 特開 平5−208260(JP,A) 特開 平5−185272(JP,A) 特開 平4−322878(JP,A) 特開 平5−13949(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/34 B23K 1/008,3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のゾーンに分割される炉体と、前記炉
    体の入口から出口にわたって基板を搬送するコンベア
    と、前記炉体の各ゾーンに配設されるヒータと、前記炉
    体の各ゾーンの雰囲気温度を検出する温度センサと、前
    記炉体内にチッソガスを吐出する管路と、前記炉体内の
    濃度を検出する濃度センサとを備え、 前記温度センサと前記濃度センサの出力を入力し、かつ
    前記ヒータの給電状態と前記管路の吐出状態とを制御す
    る制御回路であって、立上げにあたりまず前記ヒータに
    より前記炉体内を加熱し、前記炉体内が所定温度に上昇
    してから、前記管路におけるチッソガスの吐出量を上昇
    させる制御回路を有することを特徴とするチッソリフロ
    ー装置。
  2. 【請求項2】前記制御回路は、前記炉体内が所定温度に
    達する前において前記管路におけるチッソガスの吐出量
    を零とすることを特徴とする請求項1記載のチッソリフ
    ロー装置。
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