JP2841759B2 - 真空誘導炉 - Google Patents

真空誘導炉

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道夫 川崎
孝一 安藤
清和 川西
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、金属を誘導溶解後、真空脱ガス処理等の
精錬を行う真空誘導炉に関する。
〔従来の技術〕
真空誘導炉の基本的構成の従来の技術としては、例え
ば「工業電気加熱ハンドブック」(昭和43年10月25日、
株式会社電気書院発行)に詳しい。
この文献にあるように、真空誘導炉の基本的構成とし
ては、溶解室のみが真空容器中に設置され、誘導コイル
は真空容器の外部にある外熱式と、溶解室と誘導コイル
とがともに真空容器内に設置されている内熱式とがあ
る。
外熱式では真空容器自体に誘導電流が流れて誘導加熱
されるのを避ける必要から、真空容器は石英管、硬質ガ
ラス管など非導電性で気密な材料で造られる。
後者の内熱式は更にバッチ式と半連続式とに分かれ、
1回の溶解,鋳造ごとに真空槽の真空を破り、インゴッ
トを取り出し、次回に溶解するチャージを装てんし、新
しい鋳型をセットしたのち、再び真空槽内を排気してつ
ぎの操業を行なうバッチ式の炉と、誘導溶解炉が設置さ
れている容積の大きい主真空槽の真空は破ることなくそ
のまま維持し、溶解炉へのチャージ充てん、溶解、鋳型
への鋳造、鋳造を終った鋳型の主真空槽からの取り出
し、ついで、新しい鋳型を主真空槽内に送り再装備する
など、一連の操業サイクルを何回も繰り返して行なうこ
とのできる半連続式の炉とである。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記の従来の技術における外熱式では、真空にすべき
容積は非常に小さくなるが、コイルの内側でかつ耐火物
るつぼの外側の容器は誘導加熱されないように導電性の
無い材料で構成する必要があり、また溶湯から受ける熱
量が大きいため冷却してやる必要がある。そのためこの
炉の構造は複雑となり、機械的強度も小さいという問題
がある。
内熱式では誘導炉から溶湯を出湯するための傾動機構
も含めて真空容器の中に収納する必要があるため、真空
容器は大きな容積となってしまう。真空容器が大きくな
ると、その容器内を真空引きするための真空排気装置も
大きなものが必要となり設備価格が高くなるという問題
がある。
この発明の目的は、傾動機構は真空容器の外側にあっ
て真空容器と真空排気装置とが比較的小形にでき、しか
も真空容器に磁界が差交することもなく溶湯から熱を受
けることもないような、内熱式と外熱式との利点を兼ね
備えたような真空誘導炉を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の真空誘導炉は、 気密構造の有底筒状の炉枠とこの炉枠の上方にシール
を介して開閉可能な上蓋とにより形成される真空容器
と、前記炉枠の内部に設けられる継鉄と誘導コイルとる
つぼとからなる誘導炉と、前記炉枠の外部に設けられて
前記炉枠をるつぼとともに傾動させる炉枠傾動装置と、
前記炉枠の外部へ貫通して可撓性を備えた水冷フィーダ
とから構成されるものである。
〔作用〕
気密構造の炉枠と上蓋とは真空容器を形成して内部に
誘導炉を収納するが、炉枠傾動装置は炉枠の外部にある
から真空にすべき容器を大きくすることがない。しかも
るつぼや誘導コイルは水冷フィーダを介して充分に冷却
ができるから炉枠が高温にさらされることもなく、誘導
コイルの磁束は継鉄に吸収されて炉枠に流れることもな
いので普通鋼等が使用できる。
〔実施例〕
第1図は実施例の断面図、第2図は第1図の正面図で
ある。
図において、出湯口1aを備えたるつぼ1の外側には水
冷式の誘導コイル2が巻かれ、更にその外側に複数の継
鉄3が配置されて誘導炉4が構成される。誘導炉4は耐
火セメント5a底板5b支柱5c、ピン5d、調節ねじ5e等の部
材を介して、気密構造を採り底6aを持つ有底筒状の炉枠
6の内部に設置される。炉枠6は上方にシール7を介し
て、クレーン等の図示しない開閉機構で支持される上蓋
8で覆われて真空容器を形成する。
炉枠6は傾動ピン9とシリンダ10とからなる炉枠傾動
装置11によって炉座12に対し傾動ピン9を中心に例えば
110゜傾動可能であり、事前に上蓋8を開いて傾動すれ
ば、るつぼ1の中の溶湯を出湯口1aから出湯できる。炉
枠6には端子箱13が設けられ、水冷フィーダ14や他の図
示しない計測電線等が可撓性を持って引出される。
真空引のための図示しない配管は前記傾動ピン9と同
心の回転管継手で接続される。
前記実施例によれば、気密構造の炉枠6と上蓋8とは
真空容器を形成して内部に誘導炉4を収納するが、炉枠
傾動装置11は炉枠6の外部にあるから真空にすべき容器
を大きくすることがない。しかもるつぼ1や誘導コイル
2は水冷フィーダ14を介して充分に冷却ができるから炉
枠6が高温にさらされることもなく、誘導コイル2の磁
束は継鉄3に吸収されて炉枠6に流れることもないので
普通鋼等が使用できる。
〔発明の効果〕
この発明の真空誘導炉は、 気密構造の有底筒状の炉枠とこの炉枠の上方にシール
を介して開閉可能な上蓋とにより形成される真空容器
と、前記炉枠の内部に設けられる継鉄と誘導コイルとる
つぼとからなる誘導炉と、前記炉枠の外部に設けられて
前記炉枠をるつぼとともに傾動させる炉枠傾動装置と、
前記炉枠の外部へ貫通して可撓性を備えた水冷フィーダ
とから構成されるようにしたので、傾動機構は真空容器
の外側にあって真空容器と真空排気装置とが比較的小形
にでき、しかも真空容器に磁界が差交することもなく溶
湯から熱を受けることもないという効果があり、従来の
内熱式と外熱式の利点を兼ね備えることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の断面図、第2図は第1図の正面図であ
る。 1……るつぼ、2……誘導コイル、3……継鉄、4……
誘導炉、6……炉枠、8……上蓋、11……炉枠傾動装
置、14……水冷フィーダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27B 14/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密構造の有底筒状の炉枠とこの炉枠の上
    方にシールを介して開閉可能な上蓋とにより形成される
    真空容器と、前記炉枠の内部に設けられる継鉄と誘導コ
    イルとるつぼとからなる誘導炉と、前記炉枠の外部に設
    けられて前記炉枠をるつぼとともに傾動させる炉枠傾動
    装置と、前記炉枠の外部へ貫通して可撓性を備えた水冷
    フィーダとから構成されることを特徴とする真空誘導
    炉。
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