JP2841227B2 - タンパク質凍結ゲルを用いたヨーグルトとその製造方法 - Google Patents

タンパク質凍結ゲルを用いたヨーグルトとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、タンパク質素材を加工したタンパク質凍結
ゲルを添加するヨーグルトを製造する方法および、この
方法により得られたヨーグルトに関する。
(従来の技術) ここ数年、「低カロリー食品」「低脂肪食品」「低コ
レステロール食品」が市場をにぎわし、消費者の間で話
題になっている。脂肪は食品に濃厚な風味、食感を与
え、そのクリーミーなテクスチャーは高級感をともなう
ため好まれている。従って、脂肪代替物をカロリーやコ
レステロールを減らすという目的で使用した場合、濃厚
な組織と特有のボディーを脂肪使用と同等あるいはそれ
以上与えるものであることが課題であった。
現在市販されているヨーグルトの脂肪分は、ハードタ
イプヨーグルトで1〜4重量%、ドリンクタイプヨーグ
ルトで0.5〜1.5重量%であるが、脂肪分が低くなるとコ
ク味が感じられなくなる。また、脂肪分が低くなる程、
ヨーグルトのゲル強度の低下、離水量の増加がおこる。
従来、これを補うために、HMペクチンなどの安定剤を
使用していたが、食感がのりっぽくなり好ましくなく、
また、食品添加物を嫌う消費者の傾向にそぐわないなど
の問題点があった。
ホエータンパク質を素材として脂肪のもつ口当たりを
得るための技術に関して、先行特許としては、「蛋白製
品ベース」(特開昭63−24857)があり、球状で凝集の
無い変性したホエータンパク質が水和した場合に、実質
的に滑らかなエマルション様の官能的特性を示す素材が
提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この蛋白製品ベースをホエータンパク質の濃
度がかなり高い素材である食品素材として利用した場
合、ホエ−タンパク質独特の不快臭が発生し、嗜好性を
低下させるという問題があった。さらに、この蛋白製品
ベースを製造するためには、450,000〜600,000秒-1とい
う高い剪断条件下で加熱する必要があり、一般のヨーグ
ルト製造工場では、そのための新たな設備が必要であっ
た。
従って本発明の技術的課題は、従来にない優れた官能
的特性をもつ脂肪代替物を開発し、これをヨーグルトに
使用しようとするものである。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明はタンパク質を水に溶解後、得られ
た水溶液をタンパク質の熱変性温度より高い温度で加熱
し、次いで凍結してゲル化させることにより、新規な脂
肪代替物であるヨーグルト用タンパク質凍結ゲルを得る
に至った。
本発明に用いるタンパク質はホエータンパク質または
卵白が好ましい。その理由は、これらのゲル化物がエマ
ルジョン様の食感を呈し、色、風味の点で好ましいもの
であるためである。水溶液中のタンパク質の濃度は0.8
〜25重量%が好ましい。0.8重量%未満の量では、水っ
ぽい食感となり、25重量%を越える量では、溶液を加熱
する際、硬いゲルを形成するため、粉砕してもザラつい
た食感を呈する。ホエータンパク濃縮物(WPC)を用い
る場合、タンパク質の濃度は重量%で8〜16%程度でよ
い。タンパク質の加熱温度はホエータンパク質では65〜
170℃、卵白では60〜170℃が好ましい。この範囲外で
は、温度が低すぎるとタンパク質が熱変性せず、また温
度が高すぎると、著しい変色や焦げ現象が見られ好まし
くない。タンパク質の加熱時間は、タンパク質の種類、
濃度、加熱温度等によって変える必要があるが、一般
に、10%ホエータンパク質溶液を加熱する場合は80℃で
10分程度、12%ホエータンパク質溶液を加熱する場合は
70℃で20分程度と、タンパク質の変性温度より高い温度
で加熱する。また衛生上殺菌効果のある温度、時間を選
択することが望ましい。
加熱したタンパク質水溶液は、冷却後、凍結してゲル
化する。このゲル化物を解凍後、必要に応じて粉砕し、
タンパク質凍結ゲルとして利用する。
タンパク質の濃度が高いほど、ゲル形成能を付与する
ための加熱時間が短くてすむ傾向がある。タンパク質の
濃度は、ゲル化物を利用したその最終製品のテクスチャ
ーに影響するので、製品によって適切な濃度を選択す
る。
例えば、本発明によるタンパク質凍結ゲルをハイドタ
イプヨーグルトの脂肪代替物として使用する場合、14重
量%程度のWPC溶液を70℃で5〜10分の加熱し凍結さ
せ、使用直前に解凍し、バターの代替物、もしくは、原
料乳中の脂肪分の代替物として、脱脂乳との併用として
利用可能である。また6〜10重量%のWPC加熱溶液を冷
却する前に、40重量%以下の脂肪を乳化し、その後に凍
結させてゲル上に製造したものを用いることもできる。
ヨーグルトに混合する場合、必要により解凍したタン
パク質凍結ゲルを水洗いする。これはタンパク質素材の
オフフレーバーを除くのに役立つ。この後、所望の水分
量に水気をきり、高圧ホモゲナイザーや、ホモミキサー
等の撹拌機により微細化を行う。
ヨーグルトに添加する際、発酵終了したヨーグルトベ
ースに上述のタンパク質凍結ゲルを混合する。発酵前に
添加する場合は、殺菌前の培地に混合することができ、
本タンパク質凍結ゲルは再び熱をかけても、沈澱したり
ざらつきを感じさせる物性に変化することはないので、
熱による殺菌工程にも十分耐え得る。
添加量はヨーグルトベース70〜97重量%に対し、3〜
30重量%が望ましい。この範囲外の添加量ではコク味の
付与という効果が小さくなる。
本発明によれば、先述のホエータンパク質のもつ不快
臭、異臭という問題に関しては、加熱−凍結による変性
作用によって、再び解凍の際にドリップ中へ不快臭、異
臭の原因物質が流出するのでこれを除去することによ
り、解消することができる。
(発明の効果) 本発明は、タンパク質を0.8〜25重量%含む水溶液の
状態でタンパク質変性温度以上で加熱したものを凍結さ
せて、ゲル状に加工したタンパク質凍結ゲルが得られる
ため、これを脂肪、例えばバター、生乳中の脂肪分など
と置換してヨーグルトを製造した場合、低カロリー低コ
レステロールの製品が得られるという特徴を有する。
本発明に用いるタンパク質凍結ゲルは溶解−加熱の製
造工程では液体として扱うことができ、静置して凍結す
る工程ではゲル状物として扱うことができ、また、製造
効率も優れている。
(実施例) 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
実施例1 WPCタンパク質凍結ゲルの製造 WPC(EXPRESS FOODS社製、TYPE7502、タンパク質量75
%)375gを水に溶解し、3,000gのタンパク質水溶液を得
た。70℃の湯浴中で、水溶液の液温が70℃になってから
20分間、撹拌しながら加熱した。5℃まで冷却後、−25
℃で一晩凍結させた。5℃で解凍し、80メッシュの篩上
で3倍量の水を用い凍結ゲルを洗浄した。TKホモミキサ
ーで粉砕しスラリー状のタンパク質凍結ゲルを3,000g得
た。
比較例1 実施例1で使用したと同様のWPC(タンパク質量75
%)375gを水に溶解し、3,000gのタンパク質水溶液を得
た。この水溶液に乳酸を添加して、pH4.2に調整し、85
℃の湯浴中で20分間加熱した。ゲル化物を濾過して洗浄
し、3,000gの対照品を得た。
実施例1のタンパク質凍結ゲルと比較例1の対照品に
ついて、市販のヨーグルトに添加し、試食してその結果
を比較した。その結果を第1表に示す。実施例の凍結ゲ
ルを添加したヨーグルトの方が総合して好ましいものが
得られた。
実施例2 飲むヨーグルトの製造 脱脂粉乳を12重量%の水溶液となるように水に溶解
し、90℃で10分間殺菌後、42℃に冷却した還元脱脂乳95
重量%に対し、乳酸菌スターター(S.thermophilus、お
よびL.bulgaricus)5重量%を添加し、42℃で4時間発
酵させた。この培養物70重量%に対し0.35重量%のハイ
メトキシルペクチンを水に分散し、溶解、殺菌、冷却し
た安定剤溶液30重量%を添加し、150kg/cm2で均質化し
た「飲むヨーグルト」を得た。
この飲むヨーグルト990g、970g、950gに、実施例1で
得られた粉末状のヨーグルト用タンパク質凍結ゲルをそ
れぞれ10g、30g、50g添加した。これは、ヨーグルト中
で1,3及び5重量%に相当する。
対照品として、脱脂粉乳11.95重量%、バター5.03重
量%の均質な水溶液となるように調合して水に溶解し、
前述と同様に発酵させ、安定剤溶液を添加し、さらに均
質化して「飲むヨーグルト」を得た。
以上、4種の「飲むヨーグルト」の保存試験結果は、
凝乳カードの安定性はいずれの試料も高く、分離、カー
ドの沈降は認められなかった。
風味については乳脂肪由来のミルク臭は、対照品が最
も高いが、乳脂肪からくるコク味・後味等は、本タンパ
ク質素材を3%以上添加したものは、対照品と同等とい
う評価であった。
従って本タンパク質素材は「飲むヨーグルト」におい
ては適切なフレーバリングで乳脂肪の代替品とすること
が可能である。
実施例3 ハードタイプヨーグルト 卵白を水で3倍に希釈した後、湯浴中で80℃で10分間
保持した。これを−25℃で一晩凍結した後、解凍し、水
洗いした。その後、高圧ホモゲナイザーにより微細化を
行い、卵白タンパク質凍結ゲルを得た。
第2表に示した配合で、この卵白タンパク質凍結ゲル
とヨーグルトベースを混合し、95℃で10分間殺菌後、42
℃に冷却した培地95重量%に対し、乳酸菌スターター
(S.thermophilus、およびL.bulgaricus)5重量%を添
加し、42℃で4時間発酵させた。この培養物を冷却し、
ハードタイプヨーグルトを得た。
卵白タンパク質凍結ゲルを20%および30%添加したヨ
ーグルトと、添加しない対照ヨーグルトについてレオメ
ーターによる貫入試験を行い、ゲル強度を比較した(イ
ンデンター:30mm直径球形、貫入速度:2cm/min、20mm貫
入した時の応力(g)をゲル強度として比較した。)ま
た、それぞれのテクスチャーおよびエネルギーを比較し
た。
結果は第3表に示す。これより、卵白タンパク質凍結
ゲルを脂肪に置換しても、ゲル強度の低下が起きないこ
とが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−196254(JP,A) 特開 昭63−164841(JP,A) 特開 平3−133335(JP,A) 特開 平2−234655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23C 1/00 - 23/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンパク質を水に溶解後、得られた水溶液
    をタンパク質の熱変性温度より高い温度で加熱し、次い
    で凍結してゲル化させたタンパク質凍結ゲルをヨーグル
    トに添加することを特徴とするヨーグルトの製造方法。
  2. 【請求項2】タンパク質がホエータンパク質または卵白
    である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】水溶液中のタンパク質濃度が0.8〜25重量
    %である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】加熱温度がホエータンパク質では65〜170
    ℃、卵白では60〜170℃である請求項2記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項記載の製
    造方法により得られたヨーグルト。
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