JP2841221B2 - 歯科用スリーウェイ・シリンジ - Google Patents

歯科用スリーウェイ・シリンジ

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JP2841221B2
JP2841221B2 JP528490A JP528490A JP2841221B2 JP 2841221 B2 JP2841221 B2 JP 2841221B2 JP 528490 A JP528490 A JP 528490A JP 528490 A JP528490 A JP 528490A JP 2841221 B2 JP2841221 B2 JP 2841221B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は歯科用スリーウェイ・シリンジおよび同シリ
ンジに適した流体制御弁装置に関する。
[従来技術と問題点] 歯科処置に際して口腔内の部位を洗浄しおよび乾燥す
るため、スリー・ウェイ・シリンジ(トリプル・シリン
ジとも称する)が使用されている。スリーウェイ・シリ
ンジは、加圧された流体(水又は薬液)の通路と、圧縮
空気の通路と、それら通路を夫々制御する制御弁とを備
えており、歯科処置に応じて3種類の歯科用作用流体を
ノズルから選択的に噴射するようになっている。即ち、
液体制御弁のみを開いた時には薬液または洗浄水を液状
で噴射することにより洗浄を行うことが出来るし(液体
噴射モード)、圧縮空気制御弁のみを開いた時には圧縮
空気を噴射して被処置部位を乾燥させることが出来るし
(空気噴射モード)、両方の制御弁を同時に開いた時に
は液体と空気との混合物であるスプレーを噴射して切削
組織片を吹き飛ばすことが出来る(スプレー噴射モー
ド)。
夫々の制御弁は片手の親指で操作可能な押しボタンに
よって操作される。液体ボタンを押した時には液体噴射
モードとなり、空気ボタンを押した時には空気噴射モー
ドとなり、片手の親指で液体ボタンと空気ボタンとを同
時に押した時にはスプレー噴射モードとなる。片手の親
指で両方の押しボタンと同時に押せるようにするため、
2つの押しボタンは互いに近接して並列配置されてい
る。
スプレー噴射モードにおいては、圧縮空気によって液
体をミスト化し、勢い良くノズルから噴射しなければ、
切削組織片を効果的に吹き飛ばすことが出来ないので、
大流量の圧縮空気を噴射させることが必要である。この
ため、スリーウェイ・シリンジの圧縮空気回路に対して
は、スプレー噴射モードにおいて充分な流量の圧縮空気
をノズルに供給出来るように設計しなければならないと
いう要請がある。
しかしながら、被処置部位を乾燥させるための空気噴
射モードにおいては、乾燥用圧縮空気の勢いが強いと患
者が痛みを感じることがある。また、口腔の奥まった場
所などのような唾液の溜まり易い部位(歯科処置は患者
が仰向けになった状態で行われるので、口腔の奥に唾液
が溜まり易い)においては、乾燥用空気の勢いが強い
と、飛散した唾液飛沫が空気流に巻き込まれて、非処置
部位に付着するので好ましくない。このため、乾燥時に
はソフトな(つまり、風当りの軟らかい)圧縮空気流が
望ましいという歯科医の強い要望がある。特にデリケー
トな治療を施すことを望む熱心な歯科医ほど圧縮空気の
流量を処置状況に応じて自在に制御したい(殊に、小流
量で可変制御したい)という要望が強い。
このように、歯科用スリーウェイ・シリンジの2つの
作用流体回路の中でも特に圧縮空気回路の設計に際して
は、充分に大流量の空気を供給出来なければならないと
いう要請と、微小流量の範囲で任意に流量を制御出来な
ければならないという要請との、互いに相反する2つの
要請を同時に満たさねばならない困難がある。
従来技術のスリーウェイ・シリンジは、例えば実公昭
56−18324号や実公昭56−49608号に開示されているよう
に、流体通路を開閉するピストン・バルブを備えてい
る。この種のバルブは流体の流れを主としてオン/オフ
制御できるのみであり、圧縮空気流量を要求に応じて自
由に可変制御するに適していない。このため、歯科医の
上記要望を満たすことが出来ない。
西独ジーメンス社から販売されているスリーウェイ・
シリンジの流体制御機構は、ビニル樹脂などからなる可
撓性の流体パイプをレバー倍力機構を用いて圧潰狭窄す
ることにより流体を遮断するようになっている。レバー
機構により親指の運動を微小なバルブ変移に変換するよ
うになっているので、或る程度の流量制御は可能であ
る。しかしながら、押圧部材により可撓性ビニル・パイ
プを狭窄することにより流量制御を行う構造となってい
るので、歯科医が親指でボタンを操作することにより流
量を調節するには、なお、かなりの困難を伴うのが現状
であり、殊に、歯科医の要望を満たすことが出来る程度
に微小流量の範囲でスムースかつデリケートに流量を可
変制御することは出来ない。
[発明の目的] 本発明の目的は、歯科医の上記要望の応えることの可
能な歯科用スリーウェイ・シリンジを提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、歯科用作用流体(殊に、圧縮空
気)の流量を、最大値から微小な任意の値まで、容易に
可変制御することの可能な歯科用シリンジを提供するこ
とにある。
本発明の更に他の目的は、極めてデリケートな流量制
御を可能にする歯科用シリンジを提供することにある。
本発明の他の目的は、圧縮空気噴射モードにおいて歯
科医がその親指でデリケートに圧縮空気流量を調節する
ことを可能にし、緩和された勢いでソフトに圧縮空気を
噴射可能な歯科用シリンジを提供することにある。
本発明の他の目的は、歯科用スリーウェイ・シリンジ
に適した流体制御弁装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、非作動時には作用流体の流れを
漏洩なく完全に遮断することの可能な歯科用シリンジお
よび該シリンジに適した流体制御弁装置を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、非作動時には流体の流れを完全
に遮断できるとともに、作動時には流体の流量を最大値
から微小値まで可変制御可能で、構造簡単で製造容易
な、流体制御弁を提供することである。
[問題点を解決するための手段および作用の要旨] 本発明の歯科用シリンジは、歯科用作用流体を通す少
なくとも1つの流体通路と、前記流体通路を通る歯科用
作用流体の流れを制御する手動操作の流体制御弁装置と
を備えてなる。
本発明の歯科用シリンジは本発明の流体制御弁装置を
備えてなる。
本発明の一観点においては、流体制御弁装置はリフト
弁とスライド弁とを備えてなり、このリフト弁は、流体
通路に通じる開口を有し流体通路を横切る閉鎖面と、前
記閉鎖面に対して実質的に垂直に接離して前記開口を開
閉する閉鎖部材と、手動操作に応じて前記閉鎖部材を前
記閉鎖面に対して接離させる操作部材とを備えてなる。
前記スライド弁は、流体通路を横切る弁座面と、前記弁
座面に沿って滑り動作する閉鎖部材と、前記弁座面およ
びスライド弁閉鎖部材の少なくとも一方に設けられ前記
流体通路に通じる開口と、手動操作に応じて前記スライ
ド弁閉鎖部材を前記弁座面に沿って移動させて前記スラ
イド弁開口の露出面積を変化させる操作部材とを備えて
なる。
本明細書において、「リフト弁」とは閉鎖部材の開閉
動作の少なくとも一成分が閉鎖面に垂直である弁として
定義され、「スライド弁」とは、ゲート弁を含み、弁座
に沿って滑り動作をする閉鎖部材によって流体通路が開
閉される弁として定義される。
本発明においては、制御弁装置の遮断機能と流量制御
機能とは構造上別々に実行される。遮断機能はリフト弁
が受け持つもので、リフト弁は主として流体の流れをオ
ン/オフ制御するべく機能する。このため、非作動時に
は流体の流れが完全に遮断されるので、作用流体がノズ
ルからポタポタと滴下することがない。他方、流量制御
機能はスライド弁がこれを受け持つ。スライド弁は種と
して流体の流量を可変制御するべく機能する。スライド
弁の閉鎖部材が移動するにつれてスライド弁開口の露出
面積はゼロから最大値まで連続的に変化するので、リフ
ト弁が開弁した後は、圧縮空気流量は無段階に可変制御
される。
[実施態様] 好適な実施態様においては、リフト弁の閉鎖面は制御
弁装置の軸線に対しほぼ垂直な半径方向閉鎖面からな
り、リフト弁閉鎖部材は制御弁装置軸線に平行に移動す
る。
好ましくは、リフト弁は、更に、前記半径方向閉鎖面
に隣接し弁装置軸線とほぼ同軸的な円筒形の最終シール
面を備え、リフト弁閉鎖部材は前記半径方向閉鎖面と前
記最終シール面とにシール係合可能な弾性シール部材を
備えてなる。
好ましくは、シール部材はリフト弁閉鎖部材に担持さ
れたエラストマー材料製O−リングからなる。
好ましくは、O−リングはその自由弛緩状態において
前記円筒形最終シール面の内径より僅かに小さな外径を
有し、もって、リフト弁閉鎖部材が弁装置軸線に沿って
移動する際にO−リングの外周と最終シール面とが実質
的に摩擦接触しないようになっている。
好ましくは、O−リングは、リフト弁の閉鎖位置にお
いてリフト弁閉鎖部材とリフト弁半径方向閉鎖面との間
で弁装置軸線方向に圧縮されることにより半径方向外側
に膨出し、前記円筒形最終シール面に対して最終シール
を行う。
好ましくは、リフト弁の前記閉鎖部材は流体の流れに
関し前記半径方向閉鎖面の上流に配置し、もって、リフ
ト弁の閉鎖位置においてリフト弁閉鎖部材が流体圧力に
より半径方向閉鎖面に向かって付勢されて確実に封鎖を
行うようにする。
好ましくは、リフト弁閉鎖部材を閉鎖位置に向かって
付勢するリターンスプリングを設ける。
他の実施態様においては、スライド弁の弁座面は前記
リフト弁閉鎖面に垂直に交わり、スライド弁の前記開口
はスライド弁閉鎖部材に設けてあり、前記スライド弁開
口はスライド弁の閉鎖位置において弁座面により閉鎖さ
れ、スライド弁閉鎖部材が開弁方向に移動するにつれて
スライド弁開口はスライド弁の弁座面とリフト弁閉鎖面
とにより形成されるエッジから次第に露出して前記スラ
イド弁開口露出面積が変化し、もって、流体の流量が連
続的に可変制御される。
他の実施態様においては、スライド弁の弁座面は前記
リフト弁閉鎖面に隣接し制御弁装置軸線と同軸的な円筒
面からなり、前記スライド弁閉鎖部材は前記弁座面に沿
って滑動する円筒形部材からなり、スライド弁の前記円
筒形閉鎖部材は前記流体通路に通じる内部通路を有し、
スライド弁の前記開口は前記内部通路とスライド弁閉鎖
部材の外周とを連通している。
好ましくは、リフト弁の閉鎖部材とスライド弁の閉鎖
部材とは互いに同軸的に一体的に連結され、1つの共通
の操作部材によって一体的に移動せられる。
好ましくは、前記1つの共通の操作部材は制御弁装置
軸線と同軸的に配置されたプランジャーからなり、前記
プランジャーの先端部はスライド弁の円筒形閉鎖部材の
内部通路内に延長して円筒形閉鎖部材に当接する。
[実施例] 添付図面を参照して本発明をより詳しく説明する。添
付図面において、第1図は本発明の流体制御弁装置を備
えた本発明の歯科用スリーウェイ・シリンジの1部を切
り欠いて示す平面図で、2つの作用流体通路と2つの流
体制御弁装置は夫々破線と鎖線で模式的に示してあり;
第2図は第1図のシリンジの正面図で、1部を切り欠い
て任意の一方の流体制御弁装置と対応レバー機構が示し
てあり;第3A図と第3B図は第2図に示した一方の流体制
御弁装置の垂直拡大断面図で、夫々、全閉位置と全開位
置を示し;第4A図から第4D図は第2図に示した制御弁装
置の水平拡大断面図で、全閉位置から全開位置までの4
つの位置を順次に示したもので、プランジャーを取り除
いたところを示す。
第1図および第2図を参照するに、本発明の歯科用ス
リーウェイ・シリンジ10は従来型の中空筒状の外ケーシ
ング12を有し、片手で把持出来るようになっている。こ
の技術分野で周知のように、外ケーシング12は複数の部
分に分割し、第1図に例えば参照番号14で示すネジ継手
により連結することができる。
外ケーシング12にはリテーナ・ナット16を用いてノズ
ル18が周知の態様で着脱自在に固定される。ノズル18は
従来型のもので、二重管構造を有し、内管20と外管22と
で構成される。図示した実施例においては、内管20が水
通路を形成し、内管20と外管22との間の筒状空間24が圧
縮空気通路として作用する。スプレー噴射モードにおい
ては、作用流体としての水(又は、薬液)と圧縮空気は
ノズル18の先端で混合され、スプレーを形成する。
スリーウェイ・シリンジ10は可撓性ホース(図にはそ
の外被26のみを示す)を介して周知の態様で歯科用ユニ
ット(図示せず)に接続され、歯科用ユニットから圧縮
空気と圧力水(場合によっては、薬液)の供給を受け
る。このため、ホース外被26内には圧縮空気ホースと水
ホース(いづれも図示省略)が延長しており、夫々、外
ケーシング12内の圧縮空気用ニップル28および水用ニッ
プル30に周知の態様で接続される。これらのニップルは
圧縮空気通路32および水通路34の一部をなす。
夫々の流体通路32、34を流れる流体の流れは、第1図
に鎖線で模式的に示した本発明の流体制御弁装置36、38
によって制御される。これらの流体制御弁装置36、38は
実質的に同一構造のものであり、圧縮空気用制御弁装置
36の詳細のみを第3A図以下を参照して後述する。夫々の
制御弁装置36、38は、周知の態様で直接又は間接的に外
ケーシング12に着脱自在に固定されており、対応する親
指操作の圧縮空気レバー40および水レバー42によって操
作される。これらのレバーは歯科医が容易に識別出来る
ように、作用流体を表す文字や記号を付し又は着色して
おくのが一般的である。第1図には圧縮空気制御用の制
御弁装置36のみを断面で示した。この制御弁装置36の圧
縮空気出口(これも圧縮空気通路の一部をなす)44はブ
ロック46内の圧縮空気通路48に連通しており、この通路
48は周知の態様でノズル18内の圧縮空気通路24に接続さ
れている。水用の制御弁装置38の出口も同様の態様でノ
ズル18の水通路20に接続されており、説明を要しないで
あろう。
第2図から良く解るように、圧縮空気用入力レバー40
は外ケーシング12に適宜支持されたピボット・ピン50を
中心として反時計回りに回動するようになっており、リ
ターン・スプリング52により初期位置に復帰するように
付勢されている。図示した実施例では、入力レバー40の
運動はレバー倍力機構としてのベルクランク54を介して
微小な動きに変換され、制御弁装置36の操作部材として
のプランジャー56に伝えられるようになっている。即
ち、ベルクランク54は外ケーシング12に適宜支持された
ピボット・ピン58に回動可能に支持されており、長い入
力アーム60と短い出力アーム62とを備えている。従っ
て、歯科医は弱い力で制御弁装置を微妙に制御すること
が可能である。第2図に示したように、短い方のアーム
62にはプランジャー56に当接する調節ネジ64を設け、制
御弁装置36の初期位置を調節出来るようにするのが好ま
しい。
次に、第3A図および第3B図を参照して圧縮空気用制御
弁装置36について説明する。水用制御弁装置38も同様の
構成であり、当業者は説明を要しないであろう。
制御弁装置36は外バルブハウジング66を有し、後者66
には軸方向に段付ボア68が形成されている。外バルブハ
ウジング66内にはボア68の肩部70に当接するまで内バル
ブハウジング72が挿入してあり、バルブ・チャンバ74を
画定している。ボア66の一部は圧縮空気入口76として作
用し、圧縮空気用ニップル28に連通している。内バルブ
ハウジング72は外バルブハウジング66にネジ込まれたネ
ジ78により所定位置に固定される。外バルブハウジング
66と内バルブハウジング72との間はO−リング80A、80B
によって適宜シールされる。
内バルブハウジング72はほぼ円筒形であり、段付ボア
82(第3B図)を有する。このボア82内には入力レバー40
の操作に応じて往復動する操作部材としてのプランジャ
ー56が摺動可能に収容されており、リターン・スプリン
グ83によって初期位置に向って第3A図左方に付勢されて
いる。
機能的には、制御弁装置36は、圧縮空気の流れを主と
してオン/オフ制御するリフト弁セクション84と、圧縮
空気の流量を無段階に可変制御するスライド弁セクショ
ン86かなる。しかし、図示した好適な実施例では、両者
は一体的に組み込まれており、構成要素の一部は共通し
ている。
リフト弁84は、プランジャー56によって制御弁装置36
の軸線88(第3A図)に沿って移動される段付円柱形状の
閉鎖部材90を備えてなる。この閉鎖部材90は、本発明の
好適な実施態様では、エラストマー材料からなるO−リ
ング92のような弾性シール部材を担持している。このた
め、閉鎖部材90には図示したように環状のO−リング溝
が形成してある。
O−リング92と協働して圧縮空気の流れをオン/オフ
制御するため、内バルブハウジング72には制御弁装置36
の内部流体通路を横切って軸線88に垂直に環状の半径方
向閉鎖面94が形成してある。半径方向閉鎖面94の円形の
内側縁96は、内バルブハウジング72の軸方向ボア82の縮
径ボア部98(第3B図)に連絡しており、この内側縁96に
より画定されている開口はリフト弁84の出口開口の役目
も兼ねている。バルブ・チャンバ74内にはリターン・ス
プリング100が配置してあり、閉鎖部材90を半径方向閉
鎖面94に向って第3A図左方に付勢している。従って、圧
縮空気用入力レバー40を最大限に押圧した時には、ベル
クランク54は第2図で反時計方向に回動してプランジャ
ー56を押し込むので、プランジャー56はリターン・スプ
リング100の作用に抗して閉鎖部材90を第3B図に示した
開放位置まで移動させる。これに伴い、閉鎖部材90のO
−リング92は半径方向閉鎖面94から引き離されるので、
入口76からバルブ・チャンバ74に入来した圧縮空気は後
述する次段のスライド弁セクション86に流れることが可
能になる。圧縮空気用入力レバー40を釈放すれば、プラ
ンジャー56はリターン・スプリング84の作用により初期
位置に復帰し、閉鎖部材90がリターン・スプリング100
の作用によりその初期位置に復帰するのを許容する。そ
の結果、O−リング92は協働する半径方向閉鎖面94に密
着せられ、圧縮空気の流れを遮断する(第3A図)。この
ように、リフト弁84は主として圧縮空気の流れをオン/
オフ制御する機能を受け持っているのであり、流量制御
機能は比較的小さい。
図示した好適な実施例では、リフト弁84は、閉鎖部材
90の摺動摩擦抵抗を出来るだけ減少させて閉鎖部材90の
スムースな動きを保証すると共に、それにも拘わらず閉
弁時には確実に空気の流れを遮断するように構成されて
いる。このため、内バルブハウジング72には、半径方向
閉弁面94に隣接してその上流側に制御弁装置軸線88と同
軸的な円筒形の最終シール面102が形成してあり、O−
リング92と協働して最終シールを行うようになってい
る。最終シール面102の内径は、第3B図に示した自由弛
緩状態におけるO−リング92の外径より僅かに大きく設
定してある。また、リターン・スプリング100のばね力
は、第3A図に示したように閉鎖部材90と半径方向閉鎖面
94との間でO−リング92を圧縮により弾性変形させるに
充分大きく設定されている。
このような構成であるから、閉鎖部材90の開弁ストロ
ーク中は、O−リング92が半径方向閉鎖面94から離反す
るや否やO−リング92は自らの弾性により初期の円形断
面に復元し、O−リング92の外周と最終シール面102と
の間には僅かなクリアランスができるので、それ以後は
O−リング92は最終シール面102に実質的に接触するこ
となく移動することができる。従って、リフト弁84の摺
動摩擦抵抗を著しく減少させることが出来るので、親指
に掛かる負担が低減し、制御弁装置36全体を任意の中間
位置において親指で微妙に制御することが可能となる。
第3A図に示した閉弁位置においては、O−リング92は閉
鎖部材90と半径方向閉鎖面94との間で圧縮されて弾性変
形し、半径方向外側に膨出するので、O−リング92の外
周は最終シール面102に密着し、最終シールを行う。こ
のように、半径方向閉鎖面94と最終シール面102との2
方向にシールが行われるので、流体の流れを確実に遮断
することができる。この最終シール機能は水用制御弁装
置38についても同様であるから、圧力をもった水も確実
に遮断され、シリンジ使用後にノズルから水が滴下する
ことがない。また、図示したように半径方向閉鎖面94に
関して上流側に閉鎖部材90を配置した場合には、リター
ン・スプリング100の作用に加えて流体の圧力が閉鎖部
材90に作用するので、シールは一層確実となる。
次に、スライド弁86について説明する。第3A図および
第3B図を参照するに、内バルブハウジング72に形成され
制御弁装置軸線88と同軸的な縮径ボア部98はスライド弁
86の弁座面として作用する。スライド弁86の可動閉鎖部
材104は、リフト弁84の閉鎖部材90の延長として後者と
一体的に形成された円筒形部材からなり、リフト弁閉鎖
部材90の運動に応じて弁座面98に沿って滑動する。スラ
イド弁閉鎖部材104は内部通路106と直径方向開口108を
備えている。プランジャー56の先端はこの内部通路106
内を延長して閉鎖部材90に係合するようになっている。
このような構成であるから、リフト弁84の閉鎖部材90と
スライド弁86の閉鎖部材104とは、単一の共通のプラン
ジャー56によって同時に操作される。したがって、制御
弁装置36の構造が簡素化され、部品点数が最小限とな
る。
スライド弁86は、主として、リフト弁84が開弁した後
に流量を無段階に可変制御するべく機能する。このた
め、閉鎖部材104の開口108は、半径方向閉鎖面94と弁座
面98とにより形成されたエッジ96と協働して、開口108
の露出面積を無段階に変化させる。
第4A図から第4D図を参照するに、第4A図に示した全閉
位置においては、スライド弁86の出口開口108はエッジ9
6より左方に位置しているので、開口108は弁座面98によ
って閉鎖されている。しかしこの位置では、流体の流れ
は専らリフト弁84により遮断されている。
プランジャー56の移動に伴いリフト弁84が開くと共に
開口108の一部がエッジ96を通り越すと、開口108の一部
は弁座面98から露出し、露出面積に応じた少流量の空気
が流れる(第4B図)。プランジャー56が更に移動すれ
ば、第4C図に示した中間流量位置を経て、第4D図の最大
流量位置に至る。このように、開口108の露出面積はプ
ランジャー56の移動につれて連続的に無段階に変化し、
流量はリフト弁84のリフトとは独立にスライド弁86のス
トローク量に応じて制御されるので、より精密かつスム
ースに流量制御を行うことができる。また遮断機能は主
としてリフト弁84により受け持たれ、スライド弁86は実
質的にリフト弁開弁後の流量制御機能のみを分担してい
るので、スライド弁86には完全遮断機能が要求されな
い。従って、スライド弁構成要素を機械加工する際の許
容公差を大きくすることが可能となり、製造が容易とな
る。
リフト弁84により通過許容されスライド弁86により流
量制御された流体は、内部通路106およびスプリング室1
10を経て制御弁装置の出口44に流れ、更にそこからO−
リング112の内側および通路48を経由してノズルに送ら
れる。
以上には、本発明を歯科用スリーウェイ・シリンジに
適用した好適な実施態様について説明した。しかし、本
発明の最も簡素な態様においては、本発明は、1種の流
体のみを噴射する「ワン・ウェイ」シリンジとして具体
化することができる。その場合には、図示した実施例か
ら、一方の流体通路とその制御弁を除去すればよい。同
様に、以上の実施例では、リフト弁84とスライド弁86は
一体的に構成されているが、それらを構造的に分離する
ことも当業者には容易に可能であろう。
また、上述したようにリフト弁84はスライド弁86の上
流に配置するのが好ましいが、リフト弁をスライド弁の
下流に配置しても本発明の目的を或る程度達成すること
ができ、後者の配置も本発明に属する。
さらに、前述した実施例ではスライド弁は円柱形の滑
り面を有するものとして説明したが、滑り面が平面とな
るように改変することも可能である。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明の歯科用シリンジは、
圧縮空気噴射モードにおいて微小流量の範囲で圧縮空気
流量を必要に応じて自在に可変制御することができると
共に、スプレー噴射モードにおいて大流量の圧縮空気を
ノズルに供給することができる。本発明の歯科用シリン
ジのプロトタイプを試作し試験したところ、圧縮空気噴
射モードにおいて圧縮空気の流量をゼロから最大流量ま
で非常にスムースに無段階に可変制御することができ
た。操作は従来品に較べて極めてスムースであり、微小
流量の範囲で通常の親指の力で流量をデリケートに制御
することができた。
他の観点においては、制御弁装置の遮断機能はリフト
弁により完璧に遂行されるので、シリンジ使用後や非使
用時にノズルから水や薬液が滴下することがなく、清潔
な治療環境を提供することができる。
リフト弁とスライド弁とを一体的に組み込んだ場合に
は、構造が著しく簡単であり、部品点数が少なく、安価
に製造することができ、作動の信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の流体制御弁装置を備えた本発明の歯科
用スリーウェイ・シリンジの1部を切り欠いて示す平面
図で、2つの作用流体通路と2つの流体制御弁装置は夫
々破線と鎖線で模式的に示してあり; 第2図は第1図のシリンジの正面図で、1部を切り欠い
て任意の一方の流体制御弁装置と対応レバー機構が示し
てあり; 第3A図と第3B図は第2図に示した一方の流体制御弁装置
の垂直拡大断面図で、夫々、全閉位置と全開位置を示
し; 第4A図から第4D図は第2図に示した制御弁装置の水平拡
大断面図で、全閉位置から全開位置までの4つの位置を
順次に示したもので、プランジャーを取り除いたところ
を示す。 10:歯科用スリーウェイ・シリンジ、36:圧縮空気用制御
弁装置、38:流体用制御弁装置、84:リフト弁、86:スラ
イド弁、90:リフト弁閉鎖部材、92:弾性シール部材(O
−リング)、94:リフト弁閉鎖面、98:スライド弁の弁座
面、102:最終シール面、104:スライド弁閉鎖部材、

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯科用作用流体を通す少なくとも1つの流
    体通路と、前記流体通路を通る歯科用作用流体の流れを
    制御する手動操作の流体制御弁装置、とを備えてなる歯
    科用シリンジにおいて: 前記流体制御弁装置はリフト弁とスライド弁とを備えて
    なり、 前記リフト弁は、前記流体通路に通じる開口を有し流体
    通路を横切る閉鎖面と、前記閉鎖面に対して実質的に垂
    直に接離して前記開口を開閉する閉鎖部材と、手動操作
    に応じて前記閉鎖部材を前記閉鎖面に対して接離させる
    操作部材とを備え、 前記スライド弁は、前記流体通路を横切る弁座面と、前
    記弁座面に沿って滑り動作する閉鎖部材と、前記弁座面
    および前記スライド弁閉鎖部材の少なくとも一方に設け
    られ前記流体通路に通じる開口と、手動操作に応じて前
    記スライド弁閉鎖部材を前記弁座面に沿って移動させて
    前記スライド弁開口の露出面積を変化させる操作部材と
    を備え、 前記リフト弁は主として作用流体の流れをオン/オフ制
    御するべく機能し、前記スライド弁は主として作用流体
    の流量を連続的に可変制御するべく機能することを特徴
    とする歯科用シリンジ。
  2. 【請求項2】前記スライド弁の弁座面は前記リフト弁閉
    鎖面に垂直に交わり、スライド弁の前記開口はスライド
    弁閉鎖部材に設けてあり、前記スライド弁開口はスライ
    ド弁の閉鎖位置において弁座面により閉鎖され、スライ
    ド弁閉鎖部材が開弁方向に移動するにつれてスライド弁
    開口はスライド弁の弁座面とリフト弁閉鎖面とにより形
    成されるエッジから次第に露出して前記スライド弁開口
    露出面積が変化し、もって、流体の流量が連続的に可変
    制御されることを特徴とする請求項1に記載の歯科用シ
    リンジ。
  3. 【請求項3】前記スライド弁の弁座面は前記リフト弁閉
    鎖面に隣接し制御弁装置軸線と同軸的な円筒面からな
    り、前記スライド弁閉鎖部材は前記弁座面に沿って滑動
    する円筒形部材からなり、スライド弁の前記円筒形閉鎖
    部材は前記流体通路に通じる内部通路を有し、スライド
    弁の前記開口は前記内部通路とスライド弁閉鎖部材の外
    周とを連通している請求項1に記載の歯科用シリンジ。
  4. 【請求項4】前記リフト弁の閉鎖部材とスライド弁の閉
    鎖部材とは互いに同軸的に一体的に連結され、1つの共
    通の操作部材によって一体的に移動せられることを特徴
    とする請求項3に記載の歯科用シリンジ。
  5. 【請求項5】前記1つの共通の操作部材は制御弁装置軸
    線と同軸的に配置されたプランジャーからなり、前記プ
    ランジャーの先端部はスライド弁の円筒形閉鎖部材の内
    部通路内に延長して円筒形閉鎖部材に当接する請求項4
    に記載の歯科用シリンジ。
  6. 【請求項6】異なる2種の歯科用作用流体を夫々通す2
    つの独立した流体通路と、前記各流体通路毎に設けられ
    各流体通路を通る作用流体の流れを夫々制御する手動操
    作の流体制御弁装置、とを備えてなる歯科用スリーウェ
    イ・シリンジにおいて: 前記夫々の流体制御弁装置は、対応する流体通路を通る
    作用流体の流れを主としてオン/オフ制御するリフト弁
    と、前記流体通路を通る作用流体の流量を主として可変
    制御するスライド弁とを備えてなり、前記リフト弁が開
    弁した後はスライド弁により流体の流量を無段階に可変
    制御するようにしたことを特徴とする歯科用スリーウェ
    イ・シリンジ。
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