JP2840941B2 - 多素子放射線検出器及びその製造方法 - Google Patents

多素子放射線検出器及びその製造方法

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JP2840941B2 JP9083539A JP8353997A JP2840941B2 JP 2840941 B2 JP2840941 B2 JP 2840941B2 JP 9083539 A JP9083539 A JP 9083539A JP 8353997 A JP8353997 A JP 8353997A JP 2840941 B2 JP2840941 B2 JP 2840941B2
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学 中河
稔 吉田
文男 川口
哲彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は放射線検出器に係り,特
に全身用X線コンピュータ断層撮影装置(以下X線CT
と略記する)に好適なX線検出器に関する。
【従来技術】従来のX線CT用X線検出器は,例えば,
特公昭60−58429号に記載のように,希ガスの電
離作用を利用した電離箱X線検出器が多用されていた
が,高分解能,小型化,低コスト化をめざして蛍光体を
用いた固体検出器の開発が進められている。このような
固体検出器の例として,特開昭60−263456号,
特開昭59−81575号,特開昭59−141087
号,米国特許4429227号等に記載のものがある。
固体検出器の典型的な構成を,特開昭60−26345
6号に記載の内容により説明する。固体検出器は,入射
X線による発光部分とこの発光を受光検出する光電変換
部分とからなる。図3は,発光部分の構成を示してお
り,シンチレータ素子141を,光反射剤が塗布された
X線吸収率の大きい重金属の薄板からなる仕切板140
を介して,順次接着した多チャンネル型シンチレータ素
子体145が製作される。受光部分は,種々のタイプの
光電変換素子が使用されるが,図3に示すような,多チ
ャンネル型シンチレータ素子体に対応すべく,多チャン
ネル型光電変換素子が多用されている。光電変換素子と
しては,PIN,PNタイプのシリコンフォトダイオー
ドが使用されることが多い。図4は,多チャンネル型光
電変換素子の構成を示す。一枚の半導体基板110の上
に,複数個の光検出素子である光電変換素子116が形
成されており,半導体基板110は絶縁基板109と一
体となっている。固体検出器は,図3に示す多チャンネ
ル型シンチレータ素子体145を,図4に示す多チャン
ネル型光電変換素子に,光学的透明接着剤を用いて各々
のチャンネルが一致するように接着結合し製造される。
このように各々のチャンネルが一致するためには,図3
に示す多チャンネル型シンチレータ素子体145の寸法
精度,とくにシンチレータ素子のピッチ精度及び上記素
子体の幅寸法の精度が重要であり,チャンネルの不一致
は,各々のチャンネルの検出感度のバラツキの原因とな
り,X線CT画像にアーチファクト(偽像)を与える。
また多チャンネル型シンチレータ素子体145の多チャ
ンネル型光電変換素子との接着結合面は,平坦でなけれ
ばならない。上記素子体の蛍光出力面の凹凸,仕板切の
シンチレータ高さ方向での凹凸,及び光電変換素子の受
光面の凹凸は,チャンネル間の光漏洩の原因となり,や
はりX線CT画像にアーチファクトを与える。図3に示
すような多チャンネル型シンチレータ素子体145の製
造は,高精度を要求される複雑な工程を必要とする。図
5は,特開昭59−81575号に記載される多チャン
ネル型シンチレータ素子体145の改良された製造方法
の概要を示す。所定の寸法を有するシンチレータ薄板1
41と仕切板140を,接着剤により交互に所定数だけ
接着一体化し,接着剤の固化後ダイヤモンドカッター,
あるいはマルチワイヤソーにより,多チャンネル型シン
チレータ素子体145を効率良く製作する方法である。
先に記述したように,上記素子体145は高精度が要求
されるため,多数のシンチレータ薄板141と仕切板1
40の接着に関連しては,各々の接着面での接着層の厚
さを均一に精度良く行う必要がある。以上説明した従来
技術例では,シンチレータ141と仕切板140は,同
じ高さを有しており入射X線に対して指向性は小さく,
散乱線入射量の大きいタイプの検出器となっている。図
6,図7に示す従来技術例は,散乱線入射量を低減させ
たタイプの検出器である。図6は,米国特許44292
27号に記載された従来技術例であり,散乱線入射量を
低減させるコリメータ板と同時に隣接チャンネル間の光
漏洩を防止する仕切板を兼ねたタングステンあるいは高
密度物質よりなる薄板150が,シンチレータ151と
一定位置関係を維持している。シンチレータ151は,
光学グリース152を介して基板154上のフォトダイ
オード153の受光面155に対向している。この例で
は,薄板150が複雑な形状を必要とし,薄板150と
受光面155の間の隙間を介しての隣接チャンネル間で
の光漏洩が存在する。図7は,特開昭59−14108
7号に記載された従来技術例であり,シンチレータ材料
として,タングステン酸カドミウム結晶162を使用し
た例であり,X線吸収が大きいことを利用しシンチレー
タ素子の間の仕切板を省略したものであり,シンチレー
タ162の表面には光反射層161が形成され,隣接チ
ャンネルへの光漏洩を防止している。コリメータ部材1
60は,シンチレータ部材の接合部に位置するように治
具を使用しておかれる。シンチレータ素子は,光学カッ
プラを介して基板164上の受光素子163に対向す
る。この例では,コリメータ部分の製造とX線検出素子
部分の製造が独立できる長所があるが,図6に示す例と
同様に,シンチレータは1個づつ必要な精度で加工し必
要に応じてシンチレータ表面の光学的な処理を施す必要
があり,多数の工程が要求されている。□
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は,隣接
するチャンネル間での光漏洩が発生する原因の一つとな
る多チャンネル型シンチレータ素子体の蛍光出力面,及
び多チャンネル型光電変換素子の受光面の凹凸の点につ
いて,X線検出器の製造上の配慮がなされておらず,上
記光漏洩を低減するのに限界があるとの問題があった。
また,上記従来技術は,複雑な製造工程を必要とし高精
度を有する多チャンネル型シンチレータ素子体の製造コ
スト,歩留りに問題があった。本発明の課題は,単純な
製造工程により,高精度で隣接するチャンネル間での光
漏洩を,極めて少なくする安価で高性能なX線CT用検
出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記の課題は,所定の厚
さを有するシンチレータ薄板を多チャンネル型光電変換
素子の受光面に,光学的に透明な接着剤により接着固定
したのち,多チャンネル型光電変換素子上で各チャンネ
ルを分離する不感帯の中心位置に仕切板を挿入する溝
を,シンチレータ表面より多チャンネル型光電変換素子
を形成する半導体基板内部あるいは上記半導体基板又は
薄膜状の光電変換素子を支持あるいは搭載する電気的絶
縁性基板内部にいたるまで形成し,この溝に仕切板を挿
入固定することにより解決される。
【作用】仕切板はシンチレータ部,光電変換素子を形成
する半導体基板内部,あるいは上記半導体基板又は薄膜
状の光電変換素子を支持あるいは搭載する電気的絶縁性
基板内部まで形成された溝の底部まで挿入されるので,
多チャンネル型シンチレータ素子体の蛍光出力面及び多
チャンネル型光電変換素子の受光面の凹凸に影響される
ことなく,隣接チャンネル間の光漏洩を極めて少なくで
きる。
【実施例】以下,本発明の第1の実施例を図1により説
明する。各々のシンチレータ102は,光学的に透明な
接着層105を介して多チャンネル型光電変換素子の受
光面に対向している。図1に示した光電変換素子は,P
INタイプのシリコンフォトダイオードを示す。これは
P+層106,I層107,N+層108からなり,電
気絶縁性基板109の上にある。上記受光面は,半導体
基板表面のうち細長い島状にP+層106が形成された
部分に相当する。シンチレータ102のX線入射側10
1の面103及びシンチレータ素子長手方向の2つの側
面,即ちX線入射面103に直交する面のうち面積の小
さい両側面には,光反射層103が形成されている。隣
接するチャンネル間の光漏洩を防止し,かつシンチレー
タ内部で発生した蛍光の光電変換素子への集光効率を向
上させるため最外層が,光学的に透明な薄い電気絶縁層
を有し光反射性を有するモリブデン,タンタル,タング
ステン,鉛あるいはこれら元素を主成分とする合金等か
らなる,厚さ0.1〜0.2mmの仕切板104を挿入
する溝は,隣接する受光面106の間にある不感帯の中
心位置にあり,ダイヤモンドカッター等の手段により形
成され,シンチレータ102,接着層105を通り,I
層107の途中部分まで達している。このような構造体
は,以下に説明する方法により製作できる。図8は,粉
体蛍光体,例えば,ZnS:Ag,Ba2GdSbO4
Ba2BiInO6,Ba2BiYO6,GdPb2WO6
La22S:Tb,ZnCdS:Ag,LaOBr:D
y,CdS等を,熱間静水圧加圧法等によって製造した
蛍光体魂,あるいは単結晶,例えば,Zn2SiO4,C
aWO4,CdWO4,ZnWO4,CsI:Na,Cs
I:Tl,NaI:Tl,Gd2SiO4:Ce,Bi4
Ge312,CaF2:Eu等より切り出して製造した,
寸法L,W,Hを有する蛍光体ブロック200を示す。
W×Hで規定される2つの面203は,最終的にシンチ
レータ素子の長手方向に対応する面となり,2つの面2
03の表面には硫酸バリウムあるいは二酸化チタン等を
含む光反射剤塗布すること,またはアルミニウム蒸着層
等により光反射層が形成されている。寸法Lは,シンチ
レータ素子長さと等しく,寸法Wは,多チャンネル型光
電変換素子のチャンネル方向の幅寸法より,やや大きい
寸法であればよい。寸法Hは,図9に示すような所定の
厚さtを有するシンチレータ薄板102が,適当数得ら
れる寸法であればよい。図9は,図8に示す蛍光体ブロ
ック200から切り出された厚さtを有するシンチレー
タ薄板102を示し,その最大面積を有する面の一方の
面には,面203と同様に光反射層が形成される。この
ようなシンチレータ薄板102の光反射層を有しない最
大面積をもつ面を,多チャンネル型光電変換素子110
の面に光透過性接着剤により接着固定する。図10にこ
のようにして得られる接着完了の状態,図11にその断
面を示す。接着層105の存在は,光検出部と発光部を
空気層を介して対向設置する場合に比較し30〜40%
の出力向上が得られる長所を有する。図10に示すよう
に,多チャンネル型光電変換素子の長さは素子長Lより
長くなっており,隣接する光電変換素子の受光面106
の間にある不感帯の位置が,素子の長方方向の両端側で
シンチレータ薄板にさえぎられることなく,観測できる
ようになっている。図12は,不感帯の中心位置に形成
された溝190を示しており,電気的な雑音の混入を防
止し,光電変換素子を形成している半導体基板の機械強
度を保持するため溝の深さは,I層107の途中部分ま
でとまっており,N+層108には達していない。また
溝190の幅は,不感帯の幅より小さく,仕切板104
の厚さよりわずかだけ,例えば,10〜20ミクロン広
ければ十分であり,シンチレータ102の面積を大きく
するためには,仕切板表面に光反射性を付与する手段は
光反射性塗料を塗布する手段より,むしろ薄いアルミニ
ウム層を蒸着等により形成する手段がより望ましい。こ
のような仕切板104を溝190の底まで挿入する。仕
切板104の高さは,少なくとも図1において光反射層
103と同面となるかわずかだけ凸となるようにする。
仕切板104の長さは,図14に示すようにシンチレー
タ素子102の長さより長く,素子長手方向の両端にお
ける隣接チャンネル間の光漏洩を防止している。挿入さ
れた仕切板104は,素子長手方向の両端において,接
着剤120により多チャンネル型光電変換素子110を
搭載する基板109の面にシンチレータ素子103の側
面全面と共に強固に接着固定される。このようにシンチ
レータ素子は,長さより長い仕切板を用いるメリットを
さらに詳細に述べると,以下のようになる。もし,シン
チレータ素子と同じ長さの仕切板を用いたとすると,図
16に示す通り両者の配列のわずかの誤差によりいずれ
かの端部で仕切板203がシンチレータ素子205の間
に引込んでしまう。即ち,端部付近に仕切板203が介
在しない部分(距離d)ができ,隣接するシンチレータ
素子205間に蛍光302が漏洩し,クロストークとな
る。図16にて,201は入射X線,301はX線コリ
メータを示す。クロストーク量は距離d,シンチレータ
素子205のX線吸収係数,光吸収係数,X線エネルギ
ースペクトル,コリメータ開口t,及びシンチレータ素
子205の形状寸法により決る。図17に距離dとクロ
ストーク量の関係の一例を示す。このようにシンチレー
タ素子の間に光のクロストークが生じ,素子間により,
クロストーク量に差があると,それが原因となって,リ
ング状アーチファクトや,放射状のアーチファクトが発
生する。アーチファクトが発生しない限界クロストーク
量は撮影条件により異なるが,厳しい条件の場合には
0.05%以下に抑える必要がある。図17の例では
0.05%以下にクロストーク量を抑えるためにはズレ
量dは約20μm以下にする必要がある。シンチレータ
素子の特性・形状によっては,ズレ量dに対する制限は
より厳しくなる。図3の従来の方式では,これだけの精
度を歩留り良く確保することは容易ではない。そこで,
図14の実施例のように仕切板の長さ(断層像のスライ
ス厚方向の長さ)を,シンチレータ素子の長さより長く
することにより,寸法誤差及び配列誤差を吸収し,仕切
板端が,シンチレータ端よりも内側に入り込まないよう
にできる。これにより,アーチファクトの原因になるク
ロストークの発生を防止できる。なお,図14の実施例
によれば,シンチレータ素子102と受光面106の対
応の位置精度は溝190を形成する加工機の機械的精度
のみにより決まるので,高性能の多チャンネル検出素子
が,図3に示す多チャンネル型シンチレータ素子体を,
独立に製作することなく製作可能となる。また,図18
に示すような,シンチレータ素子と仕切板との配列治具
121を用いれば,仕切板のスライス厚方向の位置を精
度よく限定することができる。更に別の実施例を,図2
により説明する。仕切板104の材質は,第1の実施例
と同様に,モリブデン,タンタル,タングステン,鉛あ
るいはこれらの元素を主成分とする合金等からなる厚さ
0.1〜0.2mmの表面に光反射性を有するものであ
り溝190の底部まで挿入され,仕切板104は,シン
チレータ素子102の表面より,シンチレータ素子10
2の幅の寸法5倍以上だけ,X線入射方向に凸状となっ
ている。従って,図1の実施例とのちがいは,仕切板1
04にコリメータの役割をさせ散乱X線入射量を低減さ
せた点であり,散乱X線入射量を低減すると同時に,隣
接チャンネル間の光漏洩を極少にできる。この場合,仕
切板のX線入射方向での高さ寸法が大きくなるため,十
分強固に仕切板104を保持する必要がある。この保持
方法の一例を図15に示す。溝131を有する支持体1
30は,基板109と溝のピッチが治具により正確に相
対するように,位置が決定されたのち一体化固定され,
仕切板104は溝131を通り,光電変換素子110の
内部まで形成された溝の底部まで挿入されたのち,溝1
31中に強固に接着固定される。溝131の形成は,図
12中の溝190の形成と同じ加工手段により精度良く
実施されている。以上2つの実施例でのシンチレータ材
料として好適である例として,特公昭60−4856号
に記載されている,高変換効率でかつ残光時間の短い蛍
光体の一つである(Gd1-x-yPrxCey)22S:Fが
ある。この蛍光体は,粉体状で容易に合成でき,特開昭
62−52481号に記載されるように,この粉体蛍光
体を熱間静水圧加圧法により成形可能であり,厚さ1〜
1.5mmで十分なX線吸収率と光透過率を有し,上記
の2つの実施例によって高感度で高性能のX線検出器を
製造できる。シンチレータ材料のX線吸収率が十分大き
くない時には,光透過率及びX線吸収率の大きい材料
を,図9に示すようなシンチレータ薄板の光反射性を有
しない最大面積を有する面と接着することにより,一変
形として第1及び第2の実施例を適用することが可能で
ある。第1の実施例の変形例として,以下に説明するも
のがある。図9において,光反射層を有する面203,
103の面に光反射層を形成することなく,本発明の目
的を達成しうる。これは図14において,接着剤120
として黒色の遮光性,言い替えれば非透光性を有する接
着剤を使用することにより,シンチレータ素子長手方向
の両端部における隣接チャンネルへの光漏洩を極少とで
き,X線入射面においては特願昭57−156748の
図3の構造をとることにより,X線入射面における光漏
洩を防止できるからである。つぎに仕切板104を挿入
する溝の深さが,光電変換素子のP層の深さより深く,
光電変換素子を形成する光導体基板の厚さの1/2以下
とする場合について説明したが,この溝の深さが,基板
109の内部まで達している第3の実施例を図13に示
す。この場合多,チャンネル型光電変換素子は,不感帯
位置において1素子毎に溝により分断されることになる
ので,光電変換素子を形成している半導体基板と基板1
09は,強固に連絡するよう接着させていることが要求
される。これに対して,電気絶縁性基板109上に直接
薄膜状に多チャンネル型光電変換素子を形成すれば,上
記要求はほとんど不要となる。非晶質シリコンで薄膜状
に光電変換素子を形成する方法は,よく知られている。
この第3の実施例においても,第1及び第2の実施例の
及びそれらの変形例が適用できるのは言うまでもない。
以上の第1,第2,第3の実施例とそれらの変形例につ
いて説明したが,これらいずれの方法によっても,単純
な製造工程により隣接チャンネル間の光漏洩を極めて少
なくできる。以上の実施例の説明で,信号の取り出し経
路手段については多数の従来例によりよく知られている
ので,省略した。また多素子光電変換素子については,
PINタイプのシリコンフォトダイオードに限定して説
明したが種々のタイプの光電変換素子の場合についても
適用可能なことは言うまでもない。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば,隣
接チャンネル間の光漏洩を極めて少なくでき,その製造
工程は,単純であり加工機の機械的精度のみによって多
チャンネル検出素子の性能が決まり,高感度の高性能な
多チャンネル検出器を低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の素子長手方向中心位置
での断面図。
【図2】本発明の第2の実施例の素子長方向中心位置で
の断面図。
【図3】多チャンネル型シンチレータ素子体の従来例を
示す斜視図。
【図4】多チャンネル型光電変換素子を示す斜視図。
【図5】多チャンネルシンチレータ素子体の製造方法の
従来例を示す斜視図。
【図6】コリメータを有する従来例の素子長手方向中心
位置での断面図。
【図7】コリメータを有する従来例の素子長手方向中心
位置での断面図。
【図8】本発明の実施例における蛍光体ブロックを示す
図。
【図9】本発明の実施例におけるシンチレータ薄板を示
す図。
【図10】本発明の実施例における,シンチレータ薄板
を多チャンネル型光電変換素子の面に光透過性接着剤に
より接着固定した状態を示す図。
【図11】本発明の実施例における,シンチレータ薄板
を多チャンネル型光電変換素子の面に光透過性接着剤に
より接着固定した状態を表わす素子長手方向に垂直な方
向での断面図。
【図12】本発明の実施例において,不感帯の中心位置
に形成された溝を表わす素子長手方向に垂直な方向での
断面図。
【図13】本発明の第3の実施例において,溝の深さが
基板の内部まで達している状態を表わす素子長手方向に
垂直な方向での断面図。
【図14】本発明の実施例において,素子長手方向の両
端における隣接チャンネル間の光漏洩防止を説明するた
めの,素子長手方向に平行な方向での断面図。
【図15】本発明の実施例において,散乱X線入射量を
低減すると同時に隣接チャンネル間の光漏洩を極少にす
る仕切板を説明するための,素子長手方向に平行な方向
での断面図。
【図16】シンチレータ素子と同じ長さの仕切板を用い
たときに,両者の配列のわずかの誤差により端部で仕切
板がシンチレータ素子の間に引込んでしまうことを説明
するための,素子長手方向に平行な方向での断面図。
【図17】端部付近に仕切板が介在しない部分(距離
d)とクロストーク量の関係の一例を示す図。
【図18】本発明の実施例のシンチレータ素子と仕切板
とを配列する配列治具を示す図。
【符号の説明】
101…X線入射側,102…シンチレータ,103…
光反射層,104…仕切板,105…接着層,106…
受光面,107…I層,108…N+層,109…絶縁
性基板,110…光電変換素子,116…光電変換素
子,120…接着剤,121…配列治具,130…支持
体,131…溝,141…シンチレータ素子141,1
40…仕切板140,145…多チャンネル型シンチレ
ータ素子体,150…薄板,151…シンチレータ,1
52…光学グリース,153…フォトダイオード,15
4…基板,155…受光面,160…コリメータ部材,
161…光反射層,162…シンチレータ,163…受
光素子,164…基板,190…仕切板挿入溝,200
…蛍光体ブロック,201…入射X線,203…仕切
板,205…シンチレータ素子,301…X線コリメー
タ,302…蛍光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 文男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高橋 哲彦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 早川 孝之 千葉県柏市十余二2−1株式会社日立メ ディコ技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−46877(JP,A) 特開 昭62−63880(JP,A) 特開 昭58−204088(JP,A) 特開 昭61−127670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01T 1/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出する光電変換素子とからなる検
    出素子の複数が第1の方向に配列され,前記シンチレー
    タ素子の間に仕切板が配置される多素子放射線検出器に
    おいて,前記光電変換素子が不感帯を隔て形成される基
    板は,前記仕切板が挿入される溝を前記不感帯の領域に
    有し,前記仕切板の長さが,前記シンチレータ素子の前
    記第1の方向と直交する第2の方向の長さより大であ
    り,前記仕切板の先端が前記溝の内部まで挿入され,前
    シンチレータ素子の前記第2の方向での外部に前記仕
    切板の両端部を露出させることを特徴とする多素子放射
    線検出器。
  2. 【請求項2】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出するPINフォトダイオードと
    からなる検出素子の複数が配列され,前記シンチレータ
    素子の間に仕切板が配置される多素子放射線検出器にお
    いて,前記PINフォトダイオードが不感帯を隔て形成
    される基板は,前記仕切板が挿入される溝を前記不感帯
    の領域に有し,前記溝の深さが前記基板の厚さの1/2
    以下であり,前記仕切板が前記溝の内部まで挿入される
    ことを特徴とする多素子放射線検出器。
  3. 【請求項3】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出するPINフォトダイオードと
    からなる検出素子の複数が第1の方向に配列され,前記
    シンチレータ素子の間に仕切板が配置される多素子放射
    線検出器において,前記PINフォトダイオードが不感
    帯を隔て形成される基板は,前記仕切板が挿入される溝
    を前記不感帯の領域に有し,前記溝の深さが前記基板の
    厚さの1/2以下であり,前記仕切板の長さが,前記
    ンチレータ素子の前記第1の方向と直交する第2の方向
    の長さより大であり,前記仕切板が前記溝の内部まで挿
    入され,前記シンチレータ素子の前記第2の方向での外
    部に前記仕切板の両端部を露出させることを特徴とする
    多素子放射線検出器。
  4. 【請求項4】不感帯を隔て複数の光電変換素子が第1の
    方向に配列して形成される基板に, 一面に光反射層が形
    成されたシンチレータ薄板の前記光反射層が形成された
    面と反対の面を,光透過性を有する接着剤で接着する第
    1の工程と,前記第1の方向と直交する第2の方向での
    前記シンチレータ薄板の長さより大なる長さを有し,前
    記基板の内部まで達する溝を前記不感帯の領域に形成
    し,前記溝により前記シンチレータ薄板を分離する第2
    の工程と,前記第2の方向での前記シンチレータ薄板の
    長さより大なる長さを有する仕切板を,前記シンチレー
    タ薄板の前記第2の方向での外部に前記仕切板の両端部
    を露出させて,前記溝の内部に挿入する第3の工程とを
    有することを特徴とする多素子放射線検出器の製造方
    法。
  5. 【請求項5】不感帯を隔て複数のPINフォトダイオー
    ドが第1の方向に配列されて形成される基板に,一面に
    光反射層が形成されたシンチレータ薄板の前記光反射層
    が形成された面と反対の面を,光透過性を有する接着剤
    で接着する第1の工程と,前記PINフォトダイオード
    の前記第1の方向と直交する第2の方向での前記シンチ
    レータ薄板の長さより大なる長さを有する溝を,前記不
    感帯の領域に形成し,前記溝により前記シンチレータ薄
    板を分離する第2の工程と,前記第2の方向での前記シ
    ンチレータ薄板の長さより大なる長さを有する仕切板
    を,前記シンチレータ薄板の前記第2の方向での外部に
    前記仕切板の両端部を露出させて,前記溝の内部に挿入
    する第3の工程とを有することを特徴とする多素子放射
    線検出器の製造方法。
  6. 【請求項6】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出する光電変換素子とからなる検
    出素子の複数が第1の方向に配列され,前記シンチレー
    タ素子の間に仕切板が配置される多素子放射線検出器に
    おいて,前記シンチレータ素子の前記放射線が入射する
    面に光反射層を有し,前記光電変換素子が不感帯を隔て
    形成される基板は,前記仕切板が挿入される溝を前記不
    感帯の領域に有し,前記仕切板の長さが,前記シンチレ
    ータ素子の前記第1の方向と直交する第2の方向の長さ
    より大であり,前記仕切板の先端が前記溝の内部まで挿
    入され,前記シンチレータ素子の前記第2の方向での外
    部に前記仕切板の両端部を露出させることを特徴とする
    多素子放射線検出器。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の多素子放射線検出器にお
    いて、前記光反射層は二酸化チタンを含むことを特徴と
    する多素子放射線検出器。
  8. 【請求項8】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出するPINフォトダイオードと
    からなる検出素子の複数が配列され,前記シンチレータ
    素子の間に仕切板が配置される多素子放射線検出器にお
    いて,前記シンチレータ素子の前記放射線が入射する面
    に光反射層を有し,前記PINフォトダイオードが不感
    帯を隔て形成される基板は,前記仕切板が挿入される溝
    を前記不感帯の領域に有し,前記溝の深さが前記基板の
    厚さの1/2以下であり,前記仕切板が前記溝の内部ま
    で挿入されることを特徴とする多素子放射線検出器。
  9. 【請求項9】放射線が入射して蛍光を発するシンチレー
    タ素子と前記蛍光を検出するPINフォトダイオードと
    からなる検出素子の複数が第1の方向に配列され,前記
    シンチレータ素子の間に仕切板が配置される多素子放射
    線検出器において,前記シンチレータ素子の前記放射線
    が入射する面に光反射層を有し,前記PINフォトダイ
    オードが不感帯を隔て形成される基板は,前記仕切板が
    挿入される溝を前記不感帯の領域に有し,前記溝の深さ
    が前記基板の厚さの1/2以下であり,前記仕切板の長
    さが,前記シンチレータ素子の前記第1の方向と直交す
    る第2の方向の長さより大であり,前記仕切板が前記溝
    の内部まで挿入され,前記シンチレータ素子の前記第2
    の方向での外部に前記仕切板の両端部を露出させること
    を特徴とする多素子放射線検出器。
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