JP2840915B2 - 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品 - Google Patents

電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品

Info

Publication number
JP2840915B2
JP2840915B2 JP1840994A JP1840994A JP2840915B2 JP 2840915 B2 JP2840915 B2 JP 2840915B2 JP 1840994 A JP1840994 A JP 1840994A JP 1840994 A JP1840994 A JP 1840994A JP 2840915 B2 JP2840915 B2 JP 2840915B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rhenium
molybdenum alloy
tubular part
electron tube
impregnated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1840994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07228940A (ja
Inventor
英俊 前里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO TANGUSUTEN KK
Original Assignee
TOKYO TANGUSUTEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO TANGUSUTEN KK filed Critical TOKYO TANGUSUTEN KK
Priority to JP1840994A priority Critical patent/JP2840915B2/ja
Publication of JPH07228940A publication Critical patent/JPH07228940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2840915B2 publication Critical patent/JP2840915B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,レニウム−モリブデン
合金管状部品とそれを用いた電子管用含浸型カソードに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,陰極線管には,含浸型カソード
が用いられている。この種の含浸型カソードは,少なく
とも一端を開口した金属製スリーブ,即ち,管状部品,
を備え,この管状部品の他端に,含浸型の陰極基体が装
填されている。さらに,この管状部品に金属細線等から
なる支持体が溶着され,管状部品内に加熱用のコイルヒ
ータを挿入して含浸型カソードが構成されている(例え
ば,特開昭64−10539号公報の第3図及び第4図
参照,以下,従来技術1と呼ぶ)。
【0003】ところで,HD−TVやED−TV等の様
に,高輝度,高精細化が進み,これに用いられる電子管
用含浸型カソードは,高電流密度化が要求されている。
高電流密度化されるとこの種のカソードの動作温度は,
1000℃近くまで,上昇するので,その円筒状,また
は,帽状の管状部品には,従来の酸化物カソードに使用
されているニクロム等の材料では,蒸発や熱収縮といっ
た不具合が生じる。これを防ぐために,管状部品にはモ
リブデン(Mo)等の高融点金属が使用されている。こ
のMo材料は高温における機械的強度が高く,真空中で
の高温におけるガスの放出が少なく,また,水素雰囲気
中での熱処理で脆化しにくいという利点を有している。
そして,この種の円筒状のスリーブは,予め穿孔加工お
よび切削加工により管状としたものを管引き加工するこ
とにより製造されている。
【0004】しかし,Moは,再結晶後の強度が極端に
低く,そのため電気抵抗溶接が極めて困難であった。こ
の欠点を克服するために,従来技術1には,円筒状のス
リーブ又は帽状のスリーブを,レニウム含有率が5〜5
5重量%のレニウム・モリブデン(Re−Mo)合金で
形成することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし,Re−Mo合
金は,溶接されると当然再結晶を起こし,強度が著しく
低下する。特に,電子銃のカソードに使用される管状部
品は,肉厚が20〜50μmと薄いために,圧環強度
(潰し強度)が低下すると,溶接時のクランプの力によ
り変形等が生じ,性能を著しく低下させる。また,その
ため,電気抵抗溶接(スポット溶接)が困難である。
【0006】そこで、本発明の一つの技術的課題は、再
結晶後の靭性に優れた円筒状又は帽状スリーブからなる
電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管
状部品を提供することにある。
【0007】また、本発明のもう一つの技術的課題は、
W,Mo,Ta等の高融点金属からなる他の構成部材と
の溶接が良好な電子管用含浸型カソード用レニウム−モ
リブデン合金管状部品を提供することにある。
【0008】さらに,本発明の更にもう一つの技術的課
題は,上記レニウム−モリブデン合金管状部品を用いた
電子管用含浸型カソードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を解決するべく,鋭意検討した結果,レニウム−モリブ
デン合金管の再結晶後の圧環強度を高める添加物を発見
し,本発明を成すに至ったものである。
【0010】本発明によれば、Re−Mo合金からなる
少なくとも一端が開口した円筒状スリーブからなるレニ
ウム−モリブデン合金管状部品であって、前記Re−M
o合金は、Reが4.7〜95重量%と、予め定められ
た含有量のSi,Fe,及びWのうちの少なくとも一種
と、残部Moからなり、前記Siの含有量は、0.00
1〜1.0重量%、前記Feの含有量は、0.001〜
1.0重量%、及び前記Wの含有量は、0.005〜
5.0重量%であることを特徴とする電子管用含浸型カ
ソード用レニウム−モリブデン合金管状部品が得られ
る。
【0011】また、本発明によれば、前記電子管用含浸
型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品におい
て、前記Re−Mo合金は、前記予め定められた含有量
の前記Si,前記Fe,及び前記Wの3種をともに含む
ことを特徴とする電子管用含浸型カソード用レニウム−
モリブデン合金管状部品が得られる。
【0012】また、本発明によれば、前記いずれかの
子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状
部品において、前記合金管状部品は再結晶後の圧環強度
が170〜600N/mm2 であることを特徴とする
子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状
部品が得られる。
【0013】さらに、本発明によれば、前記いずれかの
電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管
状部品を備えたことを特徴とする電子管用含浸型カソー
ドが得られる。
【0014】ここで,本発明において,Si及びFeの
上記適量の添加は,Re−Mo固溶体及びその粒界を強
化する。
【0015】
【実施例】以下,本発明の実施例について説明する。
【0016】(実施例1)平均粒径3μmのRe粉末
と,平均粒径3μmのMo粉末とを用意し,V型ミキサ
ーにて混合し,混合粉末(以後,A粉末と呼ぶ)を得
た。A粉末に酸またはアルカリ水溶液に溶かしたSi,
Fe,Wを用意し,所定量をそれぞれドープし,乾燥
し,水素にて再還元して,各種重量%を変えたドープド
Re−Mo粉末を作った。その後,金型プレスにて角棒
状の圧粉体を作り,仮焼結を行い,次いで直接通電に
て,各ドープ量の違ったインゴットを作った。その後,
転打を行い径(D)8.0mmとし,ドリルでD6.0
mm の孔を開け,芯金を入れ,熱間線引を行い,外径
1.3mm,肉厚0.03mmのパイプを作り,2.2
mmに切断し,芯金を取り除き,スリーブ,即ち,管状
部品を作った。その後,2000℃×20分の再結晶化
処理を行い,JIS Z 2507に基づいて圧環強度
を調べた。以下の表1乃至表4にその強度試験結果を示
した。尚,表中の各元素量は,全てパイプ状態での組成
を示している。
【0017】
【表1】
【0018】上記表1に示すように,Siを0.001
0〜1.000重量%添加した実施例1に係るスリーブ
では,再結晶後の圧環強度は200N/mm2 以上であ
ったが,これよりも含有量の少ないか,もしくは,無添
加の比較例に係るスリーブでは,圧環強度は明らかに小
さかった。
【0019】
【表2】
【0020】また,上記表2で示すように,Feを0.
0010〜1.0重量%添加した実施例1に係るスリー
ブでは,再結晶後の圧環強度は180N/mm2 以上で
あったが,これよりも含有量の少ないか,もしくは,無
添加の比較例に係るスリーブでは圧環強度は明らかに小
さかった。
【0021】
【表3】
【0022】また,上記表3で示すように,Wを0.0
100〜5.0重量%添加した実施例1に係るスリーブ
では,再結晶後の圧環強度は170N/mm2 以上であ
ったが,これよりも含有量の少ないか,もしくは,無添
加の比較例に係るスリーブでは圧環強度は明らかに小さ
かった。
【0023】
【表4】
【0024】更に,上記表4で示すように,Siを0.
001〜0.1重量%,Feを0.0010〜0.10
00重量%,Wを0.010〜4.0重量%夫々添加さ
れた実施例1に係るスリーブでは,再結晶後の圧環強度
は430N/mm2 以上であった。
【0025】(実施例2)実施例1と同様にA粉末を作
製する際に,レニウム含有率が5〜95重量%のRe−
Mo粉を作り,実施例1と同様に各種ドープを行い,焼
結,転打,管引き加工を行い,圧環強度を調べたとこ
ろ,Si:0.001〜1.0重量%,Fe:0.00
1〜1.0重量%,W:0.005〜5.0重量%で圧
環強度が純Mo又はRe−Mo単体より大幅に向上する
ことが分かった。
【0026】尚,Si,Fe,Wの重量%の夫々の上
限,1.0,1.0,5.0重量%を越えると,加工硬
化が著しく激しくなり加工できなかった。
【0027】また,Re−Mo合金は,0〜35重量%
Reで固溶体,35〜86重量%Reで,Mo(Re)
−x相2相合金,86〜88重量%Reでx相,88〜
96重量%Reでx相−Re(Mo)2相合金となる
が,いずれの状態でも効果があった。また,レニウム含
有量が,5重量%未満の場合,及び95重量%を越える
場合は,再結晶後の伸びが低下して,ヒートクラック等
の割れが溶接時に発生してしまい,製品としての性能が
失われてしまった。
【0028】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明において
は、再結晶後の靭性に優れた円筒状又は帽状のスリーブ
からなる電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデ
ン合金管状部品を提供することができる。
【0029】また、本発明においては、W,Mo,Ta
等の高融点金属からなる他の構成部材との溶接性が良好
な電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金
管状部品を提供することができる。
【0030】更に、本発明においては、前記したような
種々の利点を有する電子管用含浸型カソード用レニウム
−モリブデン合金管状部品を用いた含浸型カソードを提
供することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Re−Mo合金からなる少なくとも一端
    が開口した円筒状スリーブからなるレニウム−モリブデ
    ン合金管状部品であって、前記Re−Mo合金は、Re
    が4.7〜95重量%と、予め定められた含有量のS
    i,Fe,及びWのうちの少なくとも一種と、残部Mo
    からなり、前記Siの含有量は、0.001〜1.0重
    量%、前記Feの含有量は、0.001〜1.0重量
    %、及び前記Wの含有量は、0.005〜5.0重量%
    であることを特徴とする電子管用含浸型カソード用レニ
    ウム−モリブデン合金管状部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子管用含浸型カソード
    レニウム−モリブデン合金管状部品において、前記R
    e−Mo合金は、前記予め定められた含有量の前記S
    i,前記Fe,及び前記Wの3種をともに含むことを特
    徴とする電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデ
    ン合金管状部品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子管用含浸型カ
    ソード用レニウム−モリブデン合金管状部品において、
    前記合金管状部品は再結晶後の圧環強度が170〜60
    0N/mm2 であることを特徴とする電子管用含浸型カ
    ソード用レニウム−モリブデン合金管状部品。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管
    状部品を備えたことを特徴とする電子管用含浸型カソー
    ド。
JP1840994A 1994-02-15 1994-02-15 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品 Expired - Lifetime JP2840915B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1840994A JP2840915B2 (ja) 1994-02-15 1994-02-15 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1840994A JP2840915B2 (ja) 1994-02-15 1994-02-15 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07228940A JPH07228940A (ja) 1995-08-29
JP2840915B2 true JP2840915B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=11970872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1840994A Expired - Lifetime JP2840915B2 (ja) 1994-02-15 1994-02-15 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2840915B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7215081B2 (en) 2002-12-18 2007-05-08 General Electric Company HID lamp having material free dosing tube seal
US7839089B2 (en) 2002-12-18 2010-11-23 General Electric Company Hermetical lamp sealing techniques and lamp having uniquely sealed components
US7525252B2 (en) * 2002-12-27 2009-04-28 General Electric Company Sealing tube material for high pressure short-arc discharge lamps

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07228940A (ja) 1995-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4032301A (en) Composite metal as a contact material for vacuum switches
CN1042802A (zh) 钪酸盐阴极
US4184100A (en) Indirectly-heated cathode device for electron tubes
US5774780A (en) Process for production of a shaped part
JP2840915B2 (ja) 電子管用含浸型カソード用レニウム−モリブデン合金管状部品
JP2002371301A (ja) タングステン焼結体およびその製造方法
US5604321A (en) Tungsten-lanthana alloy wire for a vibration resistant lamp filament
JPS6334571B2 (ja)
JP5114405B2 (ja) 片口金形ランプ用の特にニオブをベースとする線及び枠線並びに製造方法及び使用
US20050031481A1 (en) Capacitor-grade lead wires with increased tensile strength and hardness
US5264757A (en) Scandate cathode and methods of making it
JP2001152275A (ja) X線管用途のための陰極用ワイヤ・フィラメント
JP2818566B2 (ja) 直熱型陰極およびその製造方法
US1670463A (en) Electron-emission material and method of preparation
US1961122A (en) Thermionic cathode
JP2002226935A (ja) トリウムタングステン合金、トリウムタングステン線、その製造方法、トリウムタングステン線コイル、ならびに電子管用陰極構体
JPS63170843A (ja) 管球用タングステン線
US5126106A (en) Chromium-based weld material and rolled article and process for producing the rolled article
JPS63171846A (ja) 管球用タングステン線
Lassner et al. Tungsten alloys
GB2116773A (en) Cathode electrode assembly of an electron tube
JP2766081B2 (ja) モリブデン材料
US20060162822A1 (en) Capacitor-grade lead wires with increased tensile strength and hardness
AT6240U1 (de) Elektrode für hochdruckentladungslampe
JPH0624091B2 (ja) 酸化物陰極構体

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980916