JP2839992B2

JP2839992B2 - インクジェット記録装置

Info

Publication number: JP2839992B2
Application number: JP4267276A
Authority: JP
Inventors: 力河合; 晃宮川; 仁志中村; 秀樹山口
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1992-10-06
Filing date: 1992-10-06
Publication date: 1998-12-24
Anticipated expiration: 2013-12-24
Also published as: JPH06115088A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、詳しくは、交換可能な使い捨て型のインクタ
ンク一体型インクジェットヘッドカートリッジ（以下で
単にＩＪＣという）を搭載して記録を行うと共に、使用
途中でＩＪＣの交換が可能であり、かつ、このＩＪＣを
再使用のために収納する保管箱を具えたインクジェット
記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、インクジェット記録装置において
は、使い捨て型のＩＪＣが多く使用されつつある。ま
た、かかるインクジェット記録装置においては、インク
の種類を変えて記録したりする都合から装着されている
ＩＪＣを取外すことがあり、このような場合の再使用に
備えて、ＩＪＣを収納する保管箱が考えられてきた。な
お、このような保管箱は再使用時のみならず、未使用の
新品を保管する場合にも使用され、また、インクを消費
しきったＩＪＣと共に使い捨てが可能なものである。

【０００３】まず、図１０に上述したような従来のＩＪ
Ｃの概要を示す。ここで、１はＩＪＣであり、２はその
ＩＪＣ１に一体化されている記録ヘッドユニット、３は
記録ヘッドユニット２の前面に配設され、複数のインク
吐出口４を有するインク吐出面であり、ＩＪＣ１の内部
には記録ヘッドユニット２に供給するインクを収容する
不図示のインク収容部が設けられている。

【０００４】図１１は従来のインクジェット記録装置Ｉ
ＪＲＡの一例を示す。ここで、キャリッジＨＣは駆動モ
ータ５０１３の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア５０
１１，５００９を介して回転するリードスクリュー５０
０５の螺旋状溝５００４に対して係合するピン（不図
示）を有し、リードスクリューの回転に伴って矢印ａ，
ｂ方向に往復移動される。５００２は紙やＯＨＰ用フィ
ルムその他の被記録材（以下単にシートという）Ｐの押
え板（シート押え板）であり、キャリッジ移動方向にわ
たってシートＰをプラテン５０００に対して押圧する。
５００７，５００８はフォトカプラであり、キャリッジ
ＨＣのレバー５００６がこの域に導かれたときに、その
存在を検知してモータ５０１３の回転方向切換等を行う
ためのホームポジション検知手段である。５０１６は記
録ヘッドユニット前面のインク吐出面をキャップするキ
ャップ部材５０２２を支持する部材、５０１５はこのキ
ャップ内を吸引する吸引手段であり、キャップ内開口５
０２３を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。５０１７
はワイピングブレード、５０１９はこのブレードを前後
方向に移動可能にする部材であり、本体支持板５０１８
にこれらは支持されている。また、５０２１は、吸引回
復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジと
係合するカム５０２０の移動に伴って移動し、駆動モー
タからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移
動制御される。

【０００５】これらのキャッピング，ワイピング，吸引
回復は、キャリッジＨＣがホームポジション側領域に位
置づけられたときにリードスクリュー５００５の作用に
よってそれらの対応位置で所望の処理が行えるものであ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでの
交換可能な使い捨てのＩＪＣ１を搭載して記録を行う従
来のＩＪＲＡでは使用の途中でのＩＪＣ交換については
余り配慮されて居らず、例えば、インクを使い切るまで
使用されるのが一般的であった。しかし、例えば異なる
色のインクによる記録を可能にするには使用の途中でＩ
ＪＣ１を交換する必要が生じる。そのために、かかるＩ
ＪＣ１を保管するための保管箱が考えられる。

【０００７】しかしながら、かかる保管箱においては、
保管の途中で外気温度の影響を受けて、ＩＪＣ内に取込
まれた気体容積が変化し、ためにインクが漏洩して保管
箱内部を汚したり、ＩＪＣ自体のインク吐出面３に洩れ
たインクが付着して、次の使用時の吐出の妨げになった
り吐出機能が損われるという虞がある。

【０００８】また、保管箱内のＩＪＣの有無が外部から
は見分けられず、殊に個々の保管箱に色の異なるインク
収容のＩＪＣが収納されているような場合、その色の種
類を外部から判別できないという問題がある。

【０００９】本発明の第１の目的は、ＩＪＣをその保管
中インクの洩れない状態に保つことができるインクジェ
ット記録装置を提供することにある。

【００１０】本発明の第２の目的は、保管中のＩＪＣに
対し、保管箱の外部から保管中のＩＪＣのインクにかか
わる情報を視認することのできるインクジェット記録装
置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】第１の目的を達成するた
めに、本発明の第１の形態は、インクを吐出する記録ヘ
ッド部と該記録ヘッド部に前記インクを供給するインク
供給部とが一体型の交換可能なインクジェットカートリ
ッジを搭載して記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、交換のために取外されたインクジェットカートリ
ッジを収容する保管箱のケースと該ケースに開閉自在な
ケース蓋とを共に樹脂系材料によって断熱構造に形成
し、前記ケース内に前記記録ヘッド部のインク吐出面に
当接するキャップ部を設け、前記ケースへの前記ケース
蓋の閉蓋動作により前記キャップ部に向けて前記インク
吐出面を偏倚させると共に前記保管箱内を外界から封止
状態に保つようにしたことを特徴とするものである。

【００１２】また、第２の目的を達成するために、本発
明の第２の形態は、インクを吐出する記録ヘッド部と該
記録ヘッド部に前記インクを供給するインク供給部とが
一体型の交換可能なインクジェットカートリッジを搭載
して記録を行うインクジェット記録装置において、交換
のために取外されたインクジェットカートリッジを収容
する保管箱のケースおよび／または該ケースに開閉自在
なケース蓋に、該ケース蓋による閉蓋状態で前記保管箱
に収容されるインクジェットカートリッジにかかわる情
報の認識が可能な手段を設けたことを特徴とするもので
ある。

【００１３】

【作用】本発明の第１の形態によれば、樹脂系材料によ
り断熱構造に形成した保管箱のケースおよびケース蓋に
あって、そのケース内のキャップ部に向けて、インクジ
ェットカートリッジの記録ヘッド部インク吐出面を当接
させるようにして取外したインクジェットカートリッジ
を収納した上、ケース蓋の閉蓋動作により上述のインク
吐出面をキャップ部に向けて偏倚させた状態に保ちつ
つ、保管箱内を外界から封止状態に保つことができるも
ので、これによって、インクジェットカートリッジを外
気温度から遮断すると共にインク吐出面を閉塞状態に保
つことができるので、インクをカートリッジから洩らし
たりインクを蒸発させたりするのを防止することができ
る。

【００１４】また、本発明の第２の形態によれば、ケー
スおよび／またはケース蓋に設けたインクジェットカー
トリッジにかかわる情報認識手段によりその有無、ある
いはインクの色別、さらにはカートリッジ内の廃インク
量を閉蓋状態のまま認識することが可能となり、交換可
能方式のカートリッジが用いられるインクジェット記録
装置における使い勝手の改良に貢献できる。

【００１５】

【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。

【００１６】図１は本発明の第１の形態による第１実施
例を示す。本例は、ＩＪＣ１を収納する保管箱１０を発
泡性樹脂材、例えば、発泡ポリスチレン，発泡ポリウレ
タン等で成形したもので、１１はそのケース本体、１２
はケース蓋である。本例の場合は、ケース本体１１の内
面１１Ａがこれに収納されるＩＪＣ１の形状に合わせて
形成され、さらにその内面底部１１ＢにはＩＪＣ１のイ
ンク吐出面３に当接するキャップ部材１３が埋設されて
いる。なお、キャップ部材１３はインクの吸収が可能な
海綿状の弾性体で形成されると共に、ケース蓋１２をケ
ース１１の開口部周囲に設けた段付きの嵌め合い部１１
Ｃに嵌め合わせたときにケース蓋１２の裏面１２ＡでＩ
ＪＣ１の後端面１Ａが押圧されて、これによりＩＪＣ１
のインク吐出面３がキャップ部材１３に圧接されるよう
にする。従って、ケース蓋１２とケース嵌め合い部１１
Ｃとの嵌め合いは双方間にすき間の無いしまりばめに近
い状態であることが望ましい。

【００１７】このように構成した保管箱１０に交換のた
め取外されたＩＪＣ１を収納することによりそのインク
吐出面３にキャップ部材１３の周囲部を軽く圧接した状
態に保ってインクの漏洩を防止することができると共
に、保管箱１０全体が発泡体で形成されていることによ
って、断熱効果と共に衝撃に対する緩衝効果が得られ
る。また、ケース蓋１２がケース嵌め合い部１１Ｃを介
してケース１１に密接嵌合されるので、ＩＪＣ１を外気
から遮断された形で保管することができ、外界の影響を
受け難くすることができると共に、仮にインクがＩＪＣ
１から洩れるようなことがあっても外部にまで洩れ出す
ようなことがない。

【００１８】図２は第２実施例を示す。本例は、保管箱
１０のケース１１およびケース蓋１２をこの図に示すよ
うに樹脂材料でそれぞれ内外の二重構造に成形したもの
である。本例の場合それぞれの中空部１１Ｍ，１２Ｍを
断熱的に作用させることができる。なお、そのＩＪＣ１
の保管にかかわる作用や効果については第１実施例と格
別変わるところがないのでその説明を省略する。

【００１９】図３は第３実施例を示す。本例は、ケース
１１側を第１実施例と同様発泡性樹脂材料で成形すると
共に、ケース蓋１２の方を第２実施例のような二重構造
としたもので、あとの構成はこれまでの実施例と変わら
ない。

【００２０】以上述べてきた第１形態の各実施例によれ
ば、いずれにあってもケース１１内に収容したＩＪＣ１
を外界から遮断した状態で断熱および緩衝的に保護し、
かつインクの漏洩を防止すると共にインク吐出面まわり
からインクが蒸発し、増粘したり、固形化するのを防止
することができる。

【００２１】ついで、以下の図により本発明の第２の形
態の各実施例について説明する。

【００２２】図４および図５は本発明第２形態による第
１実施例を示す。本実施例は、ＩＪＣ１を横に倒した形
でケース１１に収納し、ケース１１にヒンジピン１４を
介して開閉自在に保持されるケース蓋１２の閉蓋によっ
てＩＪＣ１をケース内部に保管するようにしている。ま
た、本例の場合は、ケース１１内に廃インク室１５が設
けられていて、この廃インク室１５に海綿状のインク吸
収体１６が装填されている。１３はキャップ部材、１３
Ａはそのインク通路、１３Ｂはインク通路１３Ａからイ
ンクを廃インク室１５に導くためのインク保留室であ
り、本例の場合はこのインク保留室１３Ｂにも一時イン
クを保留可能なようにインク吸収体１６が充填されてい
る。

【００２３】１１Ｓおよび１２Ｓはケース１１およびケ
ース蓋１２に設けられたそれぞればね部であって、これ
らのばね部１１Ｓ，１２Ｓの弾発力により収容中のＩＪ
Ｃ１を内部で移動させることなく、そのインク吐出面３
をキャップ部材１３の周囲部に向けて偏倚させた状態に
保つことができる。

【００２４】さらにまた、本例の場合はケース蓋１２の
成形時にその樹脂系材料に着色が施されていて、ケース
１１に収容されるＩＪＣ１の収納インクの種類に応じて
色分けが可能なようにしてある。かくして、本実施例に
よれば、保管箱１０にＩＪＣ１のインク洩れを防止しつ
つ、しっかりと保持することができると共に、ＩＪＣ１
の保有するインクの色の種類に応じてこれを収容する保
管箱１０のケース蓋１２が色別けされているので、ＩＪ
Ｃ１の収容時に誤って他の色のものの保管箱に収容した
りするのを防止することができ、従って、キャップ部材
１３のインク吐出面３への接触によって混色が起きるよ
うなことが未然に防止される。なお、本実施例では、ケ
ース蓋１２のみを着色したが、ケース蓋１２と共にケー
ス１１本体の方も同時に着色するようにしてもよいこと
は勿論である。また、１７は中蓋であるが、中蓋１７も
同じようにして着色していおいてもよく、また、樹脂系
材料自体を着色させる代りに外部塗装によって色別けす
ることも可能である。

【００２５】図６は本発明の第２形態による第２の実施
例を示す。なお、本例の場合の保管箱１０もまた、図
４，図５によって示した第１実施例と同様、ＩＪＣ１の
横置型であるが、本例の場合は、キャップ部材１３の外
に記録ヘッドユニット２に対する回復手段として、ポン
ピングによるインク吸引手段を有している。すなわち、
１８はシリンダ部材、１９はピストン部材、２０はピス
トン部材１９に設けられたＯ−リング、２１はポンプ
室、２１はピストン部材１９をケース蓋１２の開閉動作
に連動させて往復動させるためにピストン部材１９とケ
ース蓋１２とを連結している連結ピン、２２はキャップ
部材１３のインク保留室１３Ｂとポンプ室２１とを連通
させるためのオリフィス、２３はポンプ室２１に吸引さ
れたインクを廃インク室１５に排出するための逆止弁で
ある。

【００２６】また、本実施例においてはケース蓋１２の
上面に覗き窓３０が設けられていて、この覗き窓３０か
ら内部に収容されているＩＪＣ１を覗き見ることにより
ＩＪＣ１の有無、あるいはＩＪＣ１の保有するインクの
色を判別することができる。なお、後者の判別を可能と
するためにＩＪＣ１の少なくとも覗き窓３０に対応する
部分には色分け用の識別がくるようにする。また、本実
施例ではごみ等が入らないように好適例として覗き窓３
０を透明体付きとした。

【００２７】このように構成した保管箱１０において
は、その内部にＩＪＣ１の保管中、キャップ部材１３に
よるインク吐出面３の保護およびインク漏洩ならびに蒸
発防止と共に、ケース蓋１２の開閉動作によってピスト
ン部材１９を連動させ、インクの吸引動作を行わせるこ
とができる。また、覗き窓３０を設けたことによって、
ＩＪＣ１の有無と共にその色分けを外部から行うことが
でき、ＩＪＲＡへの交換に際して様々な便宜を供与する
ことができる。

【００２８】図７は本発明第２形態の第３実施例を示
す。本例は、ケース蓋１２自体を透明体、例えば透明樹
脂で成形したものであり、これにより内部に収容されて
いるＩＪＣ１全体を透視することができるので、上述第
１実施例のようにケース蓋１２にあらたに覗き窓を設け
る必要がない。

【００２９】図８は本発明第２形態の第４実施例を示
す。これまでに述べてきた第２形態の実施例では保管箱
１０の外部からＩＪＣ１の有無およびＩＪＣ１の保有す
るインクの色別を見分けられるようにすることが主眼で
あった。しかし、それだけではＩＪＣ１の廃インク室１
５に排出されたインクがどの程度充満しているかを検知
することができない。本実施例はかかるＩＪＣ１の廃イ
ンク室１５にインク吸収体１６に吸収された状態で回収
されたインクの収容具合を外部から判断できるようにし
たものである。

【００３０】なお、廃インク室１５はこの図に示すよう
にケース１１とケース中蓋１７との間に形成されてい
る。そこで、本実施例では廃インク室１５の側面にあた
るケース１１の壁面に透明樹脂などの透明体で形成され
た透視窓４０をケース１１の側面に形成した窓取付部１
１Ｗに溶着するかあるいは接着剤で取付けることにより
上述の目的を達成することができる。なお、本実施例に
加えて、これまでに述べてきた第２形態の各実施例のい
ずれかを組合せるようにすることで、各実施例の有する
特徴と本実施例による特徴とを合わせ持たせるようにす
ることができるのはいうまでもない。

【００３１】図９は本発明第２形態の第５実施例を示
す。本実施例はケース１１全体を例えば透明樹脂系材料
で成形するようにしたものである。この場合も廃インク
室１５はケース１１とケース中蓋とによって形成される
ので、ケース１１を透明材料で成形することにより廃イ
ンク室１５内のインクの溜り具合を第３実施例の場合と
同様にして外部から認識することができる。なお、本実
施例の場合は、廃インク室１５内のインクの溜り具合の
みでなく、ＩＪＣ１が収納されているかどうかおよびＩ
ＪＣ１のインクの色別等をも同時に取扱者に視認させる
ことができる。また、本実施例ではケース１１のみを透
明に形成したが、これに加えてケース蓋１２やケース中
蓋１７をも透明な材料で形成可能なことは勿論である。
さらにまた、本実施例ではポンピング手段を具えた保管
箱１０への適用例を示したが、図６，図７に示した第２
実施例の形態の保管箱にも適用できるものである。

【００３２】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギーとして熱エネルギーを発生する手段（例えば
電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エネルギー
によりインクの状態変化を生起させる方式の記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば記録の高密度化，高精細化が達成できるからであ
る。

【００３３】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長，収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐
出させて、少なくとも１つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第
４３４５２６２号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。

【００３４】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口，液路，電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路または直角液流路）の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第４５５８３３３号明細書，米国特許第４４
５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。

【００３５】さらに、記録装置が記録できる被記録材の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された１個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。

【００３６】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００３７】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。

【００３８】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の第１
の形態によれば、交換のために取外されたインクジェッ
トカートリッジを収容する保管箱のケースと該ケースに
開閉自在なケース蓋とを共に樹脂系材料によって断熱構
造に形成し、前記ケース内に前記記録ヘッド部のインク
吐出面に当接するキャップ部を設け、前記ケースへの前
記ケース蓋の閉蓋動作により前記キャップ部に向けて前
記インク吐出面を偏倚させると共に前記保管箱内を外界
から封止状態に保つようにしたので、交換等のために保
管箱に収容されるインクジェットカートリッジからイン
クが外部に漏洩したり、保管中にインクが蒸発したりす
るのを防止することができるようになり、安心してイン
クジェットカートリッジを再使用可能な状態で保管する
ことができるようになった。

【００３９】また、本発明の第２の形態によれば、交換
のために取外されたインクジェットカートリッジを収容
する保管箱のケースおよび／または該ケースに開閉自在
なケース蓋に、該ケース蓋による閉蓋状態で前記保管箱
に収容されるインクジェットカートリッジにかかわる情
報の認識が可能な手段を設けたので、交換等のために保
管箱に収容されるインクジェットカートリッジにかかわ
る情報をケース蓋の開閉によらず外部から認識すること
ができるようになり、また、保管箱に廃インク室を有す
るものにおいてはそのインクの溜り具合までを視認する
ことができ、誤って異なるインクを収容しているインク
ジェットカートリッジを別のカートリッジに収納したり
して、インクを混色させるなどの問題が起らないように
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１形態による第１実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図２】本発明の第１形態による第２実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図３】本発明の第１形態による第３実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図４】本発明の第２形態による第１実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図５】本発明の第２形態による第１実施例の保管箱の
外観を示す斜視図である。

【図６】本発明の第２形態による第２実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図７】本発明の第２形態による第３実施例の保管箱の
外観を示す斜視図である。

【図８】本発明の第２形態による第４実施例の保管箱の
構成を示す断面図である。

【図９】本発明の第２形態による第５実施例の保管箱の
外観を示す斜視図である。

【図１０】本発明にかかる保管箱に収納されるインクジ
ェットカートリッジの概要を示す斜視図である。

【図１１】本発明の適用が可能なインクジェット記録装
置の構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１インクジェットカートリッジ（ＩＪＣ）２記録ヘッドユニット３インク吐出面１０保管箱１１ケース（本体）１１Ａ内面１１Ｂ内面底部１１Ｃ嵌め合い部１１Ｓ，１２Ｓばね部１１Ｍ，１２Ｍ中空部１２ケース蓋１２Ａ蓋の裏面１３キャップ部材１３Ｂインク保留室１４ヒンジピン１５廃インク室１６インク吸収体１７中蓋１８シリンダ部材３０，４０覗き窓

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山口秀樹東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (56)参考文献特開平３−205154（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41J 2/175 B41J 2/165 B41J 29/13 B41J 29/16

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】インクを吐出する記録ヘッド部と該記録
ヘッド部に前記インクを供給するインク供給部とが一体
型の交換可能なインクジェットカートリッジを搭載して
記録を行うインクジェット記録装置において、交換のために取外されたインクジェットカートリッジを
収容する保管箱のケースと該ケースに開閉自在なケース
蓋とを共に樹脂系材料によって断熱構造に形成し、前記
ケース内に前記記録ヘッド部のインク吐出面に当接する
キャップ部を設け、前記ケースへの前記ケース蓋の閉蓋
動作により前記キャップ部に向けて前記インク吐出面を
偏倚させると共に前記保管箱内を外界から封止状態に保
つようにしたことを特徴とするインクジェット記録装
置。
【請求項２】インクを吐出する記録ヘッド部と該記録
ヘッド部に前記インクを供給するインク供給部とが一体
型の交換可能なインクジェットカートリッジを搭載して
記録を行うインクジェット記録装置において、交換のために取外されたインクジェットカートリッジを
収容する保管箱のケースおよび／または該ケースに開閉
自在なケース蓋に、該ケース蓋による閉蓋状態で前記保
管箱に収容されるインクジェットカートリッジにかかわ
る情報の認識が可能な手段を設けたことを特徴とするイ
ンクジェット記録装置。
【請求項３】前記インクジェットカートリッジにかか
わる情報の認識が可能な手段は、前記ケースおよび／ま
たは前記ケース蓋の少なくとも一部に設けられた透明体
であることを特徴とする請求項２に記載のインクジェッ
ト記録装置。
【請求項４】前記インクジェットカートリッジにかか
わる情報は当該インクジェットカートリッジに収納され
ているインクの色にかかわるものであることを特徴とす
る請求項２または３に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】前記インクジェットカートリッジにかか
わる情報は当該インクジェットカートリッジに内設され
た廃インク室内の廃インク量にかかわるものであること
を特徴とする請求項２または３に記載のインクジェット
記録装置。
【請求項６】前記インクジェットカートリッジにかか
わる情報は当該インクジェットカートリッジに収納され
ているインクの色にかかわるものであり、前記ケースお
よび／または前記ケース蓋を前記インクジェットカート
リッジに収納されているインクの色と同色にすることを
特徴とする請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項７】前記記録ヘッド部は、インクを吐出する
ためのエネルギーを発生する素子として、インクに膜沸
騰を生じさせる熱エネルギーを発生するための電気熱変
換素子を有することを特徴とする請求項１ないし６のい
ずれかの項に記載のインクジェット記録装置。