JP2839129B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
電動式パワーステアリング装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電動機の動力を操舵補
助力としてステアリング系に作用させ、操舵力の軽減を
図る電動式パワーステアリング装置に関する。
助力としてステアリング系に作用させ、操舵力の軽減を
図る電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動式パワーステアリング装置に
おいて、ステアリング系に補助操舵トルクを与えるため
の電動機を設け、ステアリング系に作用する手動の操舵
トルクに対応した電動機の駆動トルクを発生させてステ
アリング系をアシストすることにより、運転者の操舵力
を軽減するよう構成されたものは知られている。
おいて、ステアリング系に補助操舵トルクを与えるため
の電動機を設け、ステアリング系に作用する手動の操舵
トルクに対応した電動機の駆動トルクを発生させてステ
アリング系をアシストすることにより、運転者の操舵力
を軽減するよう構成されたものは知られている。
【0003】図7に従来の電動式パワーステアリング装
置の全体構成図、図8に従来の電動式パワーステアリン
グ装置の制御系ブロック構成図を示す。図7において、
電動式パワーステアリング装置は、ハンドル1に一体的
に設けられたステアリング軸2に自在継ぎ手3a、3b
を備えた連結軸3を介してステアリング・ギアボックス
4内に設けられたラック&ピニオン機構5のピニオン5
aに連結されて手動操舵力発生手段6が構成される。
置の全体構成図、図8に従来の電動式パワーステアリン
グ装置の制御系ブロック構成図を示す。図7において、
電動式パワーステアリング装置は、ハンドル1に一体的
に設けられたステアリング軸2に自在継ぎ手3a、3b
を備えた連結軸3を介してステアリング・ギアボックス
4内に設けられたラック&ピニオン機構5のピニオン5
aに連結されて手動操舵力発生手段6が構成される。
【0004】ピニオン5aに噛み合うラック歯7aを備
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して転動輪としての左
右の前輪9に連結される。このようにして、ハンドル1
操舵時には通常のラック&ピニオン式のステアリングを
介し、前輪9を転動させて車両の向きを変えている。
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して転動輪としての左
右の前輪9に連結される。このようにして、ハンドル1
操舵時には通常のラック&ピニオン式のステアリングを
介し、前輪9を転動させて車両の向きを変えている。
【0005】手動操舵力発生手段6による操舵力を軽減
するため、アシスト・トルクを供給する電動機10をラ
ック軸7と同軸的に配設し、ラック軸7にほぼ平行に設
けられたボールねじ機構11を介してアシスト・トルク
を推力に変換してラック軸7に作用させる。電動機10
のロータには駆動側ヘリカル・ギア10aが一体的に設
けられ、駆動側ヘリカル・ギア10aはボールねじ機構
11のねじ軸の軸端に一体的に設けられた従動側ヘリカ
ル・ギア11bと噛み合わされている。ボールねじ機構
11のナットはラック軸7に連結されている。
するため、アシスト・トルクを供給する電動機10をラ
ック軸7と同軸的に配設し、ラック軸7にほぼ平行に設
けられたボールねじ機構11を介してアシスト・トルク
を推力に変換してラック軸7に作用させる。電動機10
のロータには駆動側ヘリカル・ギア10aが一体的に設
けられ、駆動側ヘリカル・ギア10aはボールねじ機構
11のねじ軸の軸端に一体的に設けられた従動側ヘリカ
ル・ギア11bと噛み合わされている。ボールねじ機構
11のナットはラック軸7に連結されている。
【0006】ステアリング・ギアボックス4内には、ピ
ニオン5aに作用する手動トルクを検出するための操舵
トルク検出手段12を設け、トルク信号Tを制御部14
に提供している。制御部14はトルク信号Tに基づいて
制御信号Cを電動機駆動手段15に提供し、電動機駆動
手段15は電動機駆動信号Dを出力し、電動機10を駆
動することにより、電動機10からアシスト・トルクが
出力される。
ニオン5aに作用する手動トルクを検出するための操舵
トルク検出手段12を設け、トルク信号Tを制御部14
に提供している。制御部14はトルク信号Tに基づいて
制御信号Cを電動機駆動手段15に提供し、電動機駆動
手段15は電動機駆動信号Dを出力し、電動機10を駆
動することにより、電動機10からアシスト・トルクが
出力される。
【0007】図8に示すように、制御部14は、操舵ト
ルク検出手段12が検出したトルク信号Tを目標とする
アシスト・トルクに変換してアシスト・トルク量TTを
出力する目標アシスト・トルク発生手段16と、アシス
ト・トルク量TTに対応した制御信号Cを出力する電動
機制御手段17から構成され、制御信号Cを電動機駆動
手段15に供給し、電動機駆動手段15は制御信号Cに
応じた電動機駆動信号Dで電動機10を駆動することに
より、ステアリング・ギアボックス4のラック軸7の推
力をアシストするよう構成される。
ルク検出手段12が検出したトルク信号Tを目標とする
アシスト・トルクに変換してアシスト・トルク量TTを
出力する目標アシスト・トルク発生手段16と、アシス
ト・トルク量TTに対応した制御信号Cを出力する電動
機制御手段17から構成され、制御信号Cを電動機駆動
手段15に供給し、電動機駆動手段15は制御信号Cに
応じた電動機駆動信号Dで電動機10を駆動することに
より、ステアリング・ギアボックス4のラック軸7の推
力をアシストするよう構成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の電動式パワース
テアリング装置は、アシスト・トルクの設定を制御部1
4が電動機駆動手段15を介して電動機10に供給する
電動機電流IMの制御によってのみ行い、電動機電流IM
に駆動された電動機10が発生する電動機トルクがアシ
スト・トルクと等しくなるよう構成されている。
テアリング装置は、アシスト・トルクの設定を制御部1
4が電動機駆動手段15を介して電動機10に供給する
電動機電流IMの制御によってのみ行い、電動機電流IM
に駆動された電動機10が発生する電動機トルクがアシ
スト・トルクと等しくなるよう構成されている。
【0009】しかし、電動機10の慣性モーメントおよ
び粘性抵抗等が大きな場合、これらの慣性モーメントお
よび粘性抵抗に起因し、電動機トルクと反対方向に作用
する慣性トルク、および粘性トルクの影響が大きくな
り、電動機電流IMによる電動機トルクを考慮するだけ
では最適なアシスト・トルクが得られず、操舵フィーリ
ングが悪化する課題がある。
び粘性抵抗等が大きな場合、これらの慣性モーメントお
よび粘性抵抗に起因し、電動機トルクと反対方向に作用
する慣性トルク、および粘性トルクの影響が大きくな
り、電動機電流IMによる電動機トルクを考慮するだけ
では最適なアシスト・トルクが得られず、操舵フィーリ
ングが悪化する課題がある。
【0010】例えば、電動機10を直流モータで構成し
た場合、直流モータに発生するアシスト・トルクTaは
一般的に数1で表わされる。
た場合、直流モータに発生するアシスト・トルクTaは
一般的に数1で表わされる。
【0011】
【数1】
【0012】ただし、kTmはモータのトルク定数、J
Mはモータの慣性モーメント、DMはモータの粘性係数、
IMはモータ電流、ΘM″はモータの回転角加速度、Θ
M′はモータの回転角速度、Tfはクーロン摩擦トルクが
それぞれ定義される。
Mはモータの慣性モーメント、DMはモータの粘性係数、
IMはモータ電流、ΘM″はモータの回転角加速度、Θ
M′はモータの回転角速度、Tfはクーロン摩擦トルクが
それぞれ定義される。
【0013】図7、図8に示す従来の電動式パワーステ
アリング装置は、アシスト・トルクTaがモータ電流I
Mのみに基づいて決定されているため、数1からアシス
ト・トルクTa=kTm*IMのみとなる。
アリング装置は、アシスト・トルクTaがモータ電流I
Mのみに基づいて決定されているため、数1からアシス
ト・トルクTa=kTm*IMのみとなる。
【0014】一般に、モータの粘性係数DM、クーロン
摩擦トルクTfは非常に小さく省略できる場合が多い
が、モータの慣性モーメントJMは車両重量が増大して
必要アシスト量が増えると大きなモータパワーが必要と
され、必然的にモータも大型化して慣性モーメントJM
も大きくなる。
摩擦トルクTfは非常に小さく省略できる場合が多い
が、モータの慣性モーメントJMは車両重量が増大して
必要アシスト量が増えると大きなモータパワーが必要と
され、必然的にモータも大型化して慣性モーメントJM
も大きくなる。
【0015】すると、モータの回転立上がり時に発生す
るモータの回転角加速度ΘM″により、数1のアシスト
・トルクTaが減少してアシストが遅れたり、モータが
アシストしてない(IM=0)場合、タイヤからの反力
はラックを介してモータに伝達されて回転角加速度Θ
M″が発生し、タイヤからの反力に加え、回転角加速度
ΘM″に起因する慣性トルク(反力トルク)Td=−JM
*ΘM″がハンドル操作と反対方向に発生し、操舵フィー
リングを低下させる課題がある。
るモータの回転角加速度ΘM″により、数1のアシスト
・トルクTaが減少してアシストが遅れたり、モータが
アシストしてない(IM=0)場合、タイヤからの反力
はラックを介してモータに伝達されて回転角加速度Θ
M″が発生し、タイヤからの反力に加え、回転角加速度
ΘM″に起因する慣性トルク(反力トルク)Td=−JM
*ΘM″がハンドル操作と反対方向に発生し、操舵フィー
リングを低下させる課題がある。
【0016】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的は慣性トルクおよび粘性トル
クの影響を考慮したステアリング系を電動機系およびラ
ック系の自由度2の力学モデルで構築し、力学モデルに
基づく運動方程式から伝達関数を求め、この伝達関数を
実現するフィルタを構成することにより、電動機トルク
を入力とした最適なアシスト・トルクが得られる電動式
パワーステアリング装置を提供することにある。
なされたもので、その目的は慣性トルクおよび粘性トル
クの影響を考慮したステアリング系を電動機系およびラ
ック系の自由度2の力学モデルで構築し、力学モデルに
基づく運動方程式から伝達関数を求め、この伝達関数を
実現するフィルタを構成することにより、電動機トルク
を入力とした最適なアシスト・トルクが得られる電動式
パワーステアリング装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、実補
助トルク演算手段に、電動機電流検出手段が検出する電
動機電流に基づいて電動機トルクを演算する電動機トル
ク演算手段と、電動機系およびラック系を構成する自由
度2の力学モデルの運動方程式に基づいて演算された伝
達関数を有するフィルタ手段を有し、前記電動トルクを
実補助トルクに変換する実補助トルク変換手段とを備え
たことを特徴とする。
この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、実補
助トルク演算手段に、電動機電流検出手段が検出する電
動機電流に基づいて電動機トルクを演算する電動機トル
ク演算手段と、電動機系およびラック系を構成する自由
度2の力学モデルの運動方程式に基づいて演算された伝
達関数を有するフィルタ手段を有し、前記電動トルクを
実補助トルクに変換する実補助トルク変換手段とを備え
たことを特徴とする。
【0018】また、実補助トルク変換手段は、演算され
た伝達関数が高次数の場合、2次の伝達関数で近似する
フィルタ手段を備えたことを特徴とする。
た伝達関数が高次数の場合、2次の伝達関数で近似する
フィルタ手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】この発明に係る電動式パワーステアリング装置
は、実補助トルク演算手段に、電動機電流に基づいて電
動機トルクを演算する電動機トルク演算手段と、電動機
系およびラック系を構成する自由度2の力学モデルの運
動方程式に基づいて演算された伝達関数を有するフィル
タ手段を有し、実補助トルクに変換する実補助トルク変
換手段とを備えたので、電動機電流に対応した電動機ト
ルクを演算し、演算した電動機トルクに基づいてステア
リング系の慣性トルクおよび粘性トルクの影響を考慮し
た実補助トルクに変換することができる。
は、実補助トルク演算手段に、電動機電流に基づいて電
動機トルクを演算する電動機トルク演算手段と、電動機
系およびラック系を構成する自由度2の力学モデルの運
動方程式に基づいて演算された伝達関数を有するフィル
タ手段を有し、実補助トルクに変換する実補助トルク変
換手段とを備えたので、電動機電流に対応した電動機ト
ルクを演算し、演算した電動機トルクに基づいてステア
リング系の慣性トルクおよび粘性トルクの影響を考慮し
た実補助トルクに変換することができる。
【0020】さらに、実補助トルク変換手段は、2次の
伝達関数を有するフィルタ手段で近似するので、単純な
構成で実補助トルクを得ることができる。
伝達関数を有するフィルタ手段で近似するので、単純な
構成で実補助トルクを得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1はこの発明に係る電動式パワーステア
リング装置の制御系全体ブロック構成図である。図1に
おいて、制御系は、ハンドル操作により発生する操舵ト
ルクを検出する、例えばトルクセンサで構成された操舵
トルク検出手段12と、制御手段20と、電動機電流検
出手段15Aを備えた電動機駆動手段15と、電動機1
0とから構成する。
て説明する。図1はこの発明に係る電動式パワーステア
リング装置の制御系全体ブロック構成図である。図1に
おいて、制御系は、ハンドル操作により発生する操舵ト
ルクを検出する、例えばトルクセンサで構成された操舵
トルク検出手段12と、制御手段20と、電動機電流検
出手段15Aを備えた電動機駆動手段15と、電動機1
0とから構成する。
【0022】制御手段20は、マイクロプロセッサを基
本に構成し、目標補助トルク発生手段21、実補助トル
ク演算手段22、減算器23、電動機制御手段24を備
え、操舵トルク検出手段12が検出するトルク信号Tに
対応した目標補助トルク信号Tsを発生し、目標補助ト
ルク信号Tsに基づいて制御信号Cを発生することによ
り、電動機駆動手段15を介して電動機10を駆動し、
必要な補助操舵力(アシスト・トルク)を得る。
本に構成し、目標補助トルク発生手段21、実補助トル
ク演算手段22、減算器23、電動機制御手段24を備
え、操舵トルク検出手段12が検出するトルク信号Tに
対応した目標補助トルク信号Tsを発生し、目標補助ト
ルク信号Tsに基づいて制御信号Cを発生することによ
り、電動機駆動手段15を介して電動機10を駆動し、
必要な補助操舵力(アシスト・トルク)を得る。
【0023】また、制御手段20は、電動機電流検出手
段15Aが検出する電動機電流IMに基づいて電動機1
0が発生する補助操舵力(アシスト・トルク)に相当す
る実補助トルクTaを出力し、目標補助トルク信号Ts
と実補助トルク信号Taの偏差ΔTに基づいて補正した
制御信号Cを出力し、電動機10の発生する実補助トル
クTaが目標補助トルクTsに等しくなるよう制御す
る。
段15Aが検出する電動機電流IMに基づいて電動機1
0が発生する補助操舵力(アシスト・トルク)に相当す
る実補助トルクTaを出力し、目標補助トルク信号Ts
と実補助トルク信号Taの偏差ΔTに基づいて補正した
制御信号Cを出力し、電動機10の発生する実補助トル
クTaが目標補助トルクTsに等しくなるよう制御す
る。
【0024】目標補助トルク発生手段21は、目標補助
トルク変換手段21Aおよび目標補助トルク記憶手段2
1Bを備え、トルク信号Tを電気信号に変換し、変換し
たトルク信号Tを予めROM等のメモリに記憶した目標
補助トルク信号Tsに変換して減算器23に提供する。
トルク変換手段21Aおよび目標補助トルク記憶手段2
1Bを備え、トルク信号Tを電気信号に変換し、変換し
たトルク信号Tを予めROM等のメモリに記憶した目標
補助トルク信号Tsに変換して減算器23に提供する。
【0025】実補助トルク演算手段22は電動機トルク
演算手段22Aおよび実補助トルク変換手段22Bを備
え、電動機トルク演算手段22Aは電動機電流検出手段
15Aが検出する電動機電流IMを取込み、電気信号に
変換し、予めROM等のメモリに記憶してある電動機ト
ルク定数kTmとの乗算(kTm*IM)により、電動
機トルクTMを演算する。
演算手段22Aおよび実補助トルク変換手段22Bを備
え、電動機トルク演算手段22Aは電動機電流検出手段
15Aが検出する電動機電流IMを取込み、電気信号に
変換し、予めROM等のメモリに記憶してある電動機ト
ルク定数kTmとの乗算(kTm*IM)により、電動
機トルクTMを演算する。
【0026】実補助トルク変換手段22Bは、後述する
ステアリング系の電動機系およびラック系の自由度2の
力学モデルに基づいた運動方程式より求めた伝達関数を
形成するフィルタ手段で構成し、電動機トルクTMに対
応した実補助トルクTaを出力する。
ステアリング系の電動機系およびラック系の自由度2の
力学モデルに基づいた運動方程式より求めた伝達関数を
形成するフィルタ手段で構成し、電動機トルクTMに対
応した実補助トルクTaを出力する。
【0027】減算器23は、目標補助トルク信号Tsと
実補助トルク信号Taの偏差ΔT(=Ts−Ta)を演
算し、偏差信号ΔTを電動機制御手段24に出力する。
電動機制御手段24は、偏差信号ΔTに基づいて、例え
ば4個のFETからなるブリッジ回路で構成された電動
機駆動手段15を駆動するための制御信号C(例えばP
WM信号)を出力する。
実補助トルク信号Taの偏差ΔT(=Ts−Ta)を演
算し、偏差信号ΔTを電動機制御手段24に出力する。
電動機制御手段24は、偏差信号ΔTに基づいて、例え
ば4個のFETからなるブリッジ回路で構成された電動
機駆動手段15を駆動するための制御信号C(例えばP
WM信号)を出力する。
【0028】電動機駆動手段15は、制御信号Cを電動
機駆動電流(電動機電流IM)に変換し、電動機駆動信
号Dを出力して電動機10を駆動する。また、電動機駆
動手段15は電動機電流検出手段15Aを備え、検出し
た電動機電流信号IMを実補助トルク演算手段22に提
供する。
機駆動電流(電動機電流IM)に変換し、電動機駆動信
号Dを出力して電動機10を駆動する。また、電動機駆
動手段15は電動機電流検出手段15Aを備え、検出し
た電動機電流信号IMを実補助トルク演算手段22に提
供する。
【0029】図2は電動式パワーステアリング装置の自
由度3の力学モデルである。図2において、力学モデル
はハンドル系、モータ(電動機)系およびラック系の3
自由度系で表わし、JS、JMはそれぞれハンドル、モー
タ(電動機)の慣性モーメント、JRはラックの質量、
kS、kM、kRはそれぞれハンドル系のトーションバ
ー、モータ(電動機)系のギア、ラック系のタイヤのバ
ネ定数、DS、DM、DRはそれぞれハンドル系、モータ
系、ラック系の減衰係数、TMはモータ(電動機)が発
生する電動機トルクを示す。ハンドルの固定およびタイ
ヤの剛性の無視という2つの条件を図2に適用するとモ
ータ系およびラック系の2自由度系の力学モデルが得ら
れる。
由度3の力学モデルである。図2において、力学モデル
はハンドル系、モータ(電動機)系およびラック系の3
自由度系で表わし、JS、JMはそれぞれハンドル、モー
タ(電動機)の慣性モーメント、JRはラックの質量、
kS、kM、kRはそれぞれハンドル系のトーションバ
ー、モータ(電動機)系のギア、ラック系のタイヤのバ
ネ定数、DS、DM、DRはそれぞれハンドル系、モータ
系、ラック系の減衰係数、TMはモータ(電動機)が発
生する電動機トルクを示す。ハンドルの固定およびタイ
ヤの剛性の無視という2つの条件を図2に適用するとモ
ータ系およびラック系の2自由度系の力学モデルが得ら
れる。
【0030】図3はこの発明に係る電動式パワーステア
リング装置の自由度2の力学モデルである。図3におい
て、ΘM、XRは電動機トルクTMに伴い生じるそれぞれ
モータ(電動機)系、ラック系の変位を表す。
リング装置の自由度2の力学モデルである。図3におい
て、ΘM、XRは電動機トルクTMに伴い生じるそれぞれ
モータ(電動機)系、ラック系の変位を表す。
【0031】図3の力学モデルに基づき、変位ΘM、XR
を変数とした運動方程式は数2の線形微分方程式で表わ
される。
を変数とした運動方程式は数2の線形微分方程式で表わ
される。
【0032】
【数2】
【0033】数2の微分方程式にラプラス変換を施し、
s領域の変位ΘM(s)、XR(s)について解くと数3
が得られる。
s領域の変位ΘM(s)、XR(s)について解くと数3
が得られる。
【0034】
【数3】
【0035】図4は入力TM(s)としたΘM(s)、X
R(s)のブロック線図であり、数3で算出したΘM
(s)、XR(s)の関係式に基づいて構成する。
R(s)のブロック線図であり、数3で算出したΘM
(s)、XR(s)の関係式に基づいて構成する。
【0036】次に、数1、および数3の第1式より、T
a(s)はΘM(s)とXR(s)の偏差にバネ定数kM
を乗算して求められ、数4で表わされる。
a(s)はΘM(s)とXR(s)の偏差にバネ定数kM
を乗算して求められ、数4で表わされる。
【0037】
【数4】
【0038】図5は入力TM(s)としたTa(s)の
ブロック線図であり、数4で算出したkM{ΘM(s)−
XR(s)}の関係式に基づいて構成する。
ブロック線図であり、数4で算出したkM{ΘM(s)−
XR(s)}の関係式に基づいて構成する。
【0039】数4より、図5の伝達関数G(s)は数5
で表わされ、図6に数5に対応したブロック線図を示
す。
で表わされ、図6に数5に対応したブロック線図を示
す。
【0040】
【数5】
【0041】このように、図1の実補助トルク変換手段
22Bを数5または図6で表わされる伝達関数G(s)
のフィルタ手段で構成することにより、電動機トルクT
Mを入力して実補助トルクTaを得ることができる。
22Bを数5または図6で表わされる伝達関数G(s)
のフィルタ手段で構成することにより、電動機トルクT
Mを入力して実補助トルクTaを得ることができる。
【0042】また、係数AおよびBがそれぞれラプラス
演算子sに関して2次の関数を構成するため、数5また
は図6の伝達関数G(s)は4次の関数を構成してフィ
ルタ手段が複雑になるので、4次の伝達関数G(s)の
応答特性を近似できる範囲でフィルタ手段を2次の伝達
関数で構成し、フィルタ手段の簡略化を図るよう構成す
る。
演算子sに関して2次の関数を構成するため、数5また
は図6の伝達関数G(s)は4次の関数を構成してフィ
ルタ手段が複雑になるので、4次の伝達関数G(s)の
応答特性を近似できる範囲でフィルタ手段を2次の伝達
関数で構成し、フィルタ手段の簡略化を図るよう構成す
る。
【0043】簡略化した2次の伝達関数G2(s)は数
6で表わされ、この伝達関数G2(s)の減衰係数を1
となるよう設定することにより、電動機トルクTMに対
する実補助トルクTaの応答を臨界状態にすることがで
き、オーバシュートやアンダシュートがなく最も短い時
間で最終値に近付けることができる。
6で表わされ、この伝達関数G2(s)の減衰係数を1
となるよう設定することにより、電動機トルクTMに対
する実補助トルクTaの応答を臨界状態にすることがで
き、オーバシュートやアンダシュートがなく最も短い時
間で最終値に近付けることができる。
【0044】
【数6】
【0045】なお、本実施例では実補助トルク変換手段
22Bを伝達関数G(s)を発生するフィルタ手段で構
成したが、伝達関数G(s)をソフトで構成し、フィル
タ手段を構成するハードを省略することもできる。
22Bを伝達関数G(s)を発生するフィルタ手段で構
成したが、伝達関数G(s)をソフトで構成し、フィル
タ手段を構成するハードを省略することもできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る電動
式パワーステアリング装置は、実補助トルク演算手段に
電動機トルク演算手段と実補助トルク変換手段を備え、
電動機電流に基づいて電動機トルクを演算し、演算した
電動機トルクを力学モデルから構築した運動方程式に基
づいて解析した伝達関数を実現するフィルタ手段を介す
ることにより実補助トルクを得ることができる。
式パワーステアリング装置は、実補助トルク演算手段に
電動機トルク演算手段と実補助トルク変換手段を備え、
電動機電流に基づいて電動機トルクを演算し、演算した
電動機トルクを力学モデルから構築した運動方程式に基
づいて解析した伝達関数を実現するフィルタ手段を介す
ることにより実補助トルクを得ることができる。
【0047】また、フィルタ手段は、元のフィルタの伝
達関数の応答特性を近似できる範囲で簡略化することが
できる。
達関数の応答特性を近似できる範囲で簡略化することが
できる。
【0048】よって、簡単な構成で電動機およびラック
の慣性トルクおよび粘性トルクの影響を考慮した実補助
トルクが得られる電動式パワーステアリング装置を提供
することができる。
の慣性トルクおよび粘性トルクの影響を考慮した実補助
トルクが得られる電動式パワーステアリング装置を提供
することができる。
【図1】この発明に係る電動式パワーステアリング装置
の制御系全体ブロック構成図
の制御系全体ブロック構成図
【図2】電動式パワーステアリング装置の自由度3の力
学モデル
学モデル
【図3】この発明に係る電動式パワーステアリング装置
の自由度2の力学モデル
の自由度2の力学モデル
【図4】入力TM(s)としたΘM(s)、XR(s)の
ブロック線図
ブロック線図
【図5】入力TM(s)としたTa(s)のブロック線
図
図
【図6】数5に対応したブロック線図
【図7】従来の電動式パワーステアリング装置の全体構
成図
成図
【図8】従来の電動式パワーステアリング装置の制御系
ブロック構成図
ブロック構成図
1…ハンドル、2…ステアリング軸、3…連結軸、3
a,3b…自在継ぎ手、4…ステアリングギアボック
ス、5…ラック&ピニオン機構、5a…ピニオン、6…
手動操舵力発生手段、7…ラック軸、7a…ラック歯、
8…タイロッド、9…前輪、10電動機、10a…駆動
側ヘリカル・ギア、11…ボールねじ機構、11b…従
動側ヘリカル・ギア、12…操舵トルク検出手段、14
…制御部、15…電動機駆動手段、15A…電動機電流
検出手段、16…目標アシスト・トルク発生手段、1
7,24…電動機制御手段、20…制御手段、21…目
標補助トルク発生手段、21A…目標補助トルク変換手
段、21B…目標補助トルク記憶手段、22…実補助ト
ルク演算手段、22A…電動機トルク演算手段、22B
…実補助トルク変換手段、23…加算器、DS…ハンド
ル系減衰係数、DM…モータ系減衰係数、DR…ラック系
減衰係数、JS…ハンドルの慣性モーメント、JM…モー
タ(電動機)の慣性モーメント、JR…ラックの質量、
kS…ハンドル系のバネ定数、kM…モータ(電動機)系
のバネ定数、kR…ラック系のバネ定数、s…ラプラス
演算子、TM…電動機トルク、Ta…実補助トルク、ΘM
…モータ(電動機)系変位、XR…ラック系変位、G
(s),G2(s)…伝達関数。
a,3b…自在継ぎ手、4…ステアリングギアボック
ス、5…ラック&ピニオン機構、5a…ピニオン、6…
手動操舵力発生手段、7…ラック軸、7a…ラック歯、
8…タイロッド、9…前輪、10電動機、10a…駆動
側ヘリカル・ギア、11…ボールねじ機構、11b…従
動側ヘリカル・ギア、12…操舵トルク検出手段、14
…制御部、15…電動機駆動手段、15A…電動機電流
検出手段、16…目標アシスト・トルク発生手段、1
7,24…電動機制御手段、20…制御手段、21…目
標補助トルク発生手段、21A…目標補助トルク変換手
段、21B…目標補助トルク記憶手段、22…実補助ト
ルク演算手段、22A…電動機トルク演算手段、22B
…実補助トルク変換手段、23…加算器、DS…ハンド
ル系減衰係数、DM…モータ系減衰係数、DR…ラック系
減衰係数、JS…ハンドルの慣性モーメント、JM…モー
タ(電動機)の慣性モーメント、JR…ラックの質量、
kS…ハンドル系のバネ定数、kM…モータ(電動機)系
のバネ定数、kR…ラック系のバネ定数、s…ラプラス
演算子、TM…電動機トルク、Ta…実補助トルク、ΘM
…モータ(電動機)系変位、XR…ラック系変位、G
(s),G2(s)…伝達関数。
フロントページの続き (72)発明者 向 良信 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 野呂 栄樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−238409(JP,A) 特開 平2−290773(JP,A) 特開 昭61−275057(JP,A) 実開 昭64−41478(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】 ステアリング系に作用する操舵トルクを
検出する操舵トルク検出手段と、この操舵トルク検出手
段から出力されるトルク信号に対応して目標補助トルク
を発生する目標補助トルク発生手段と、電動機が発生す
る実補助トルクを検出する実補助トルク演算手段と、前
記目標補助トルク発生手段と前記実補助トルク演算手段
からの信号に基づいて前記電動機を駆動する電動機駆動
手段とを備えた電動式パワーステアリング装置におい
て、 前記実補助トルク演算手段は、電動機電流検出手段が検
出する電動機電流に基づいて電動機トルクを演算する電
動機トルク演算手段と、電動機系およびラック系を構成
する自由度2の力学モデルの運動方程式に基づいて演算
された伝達関数を有するフィルタ手段を有し、前記電動
機トルクを実補助トルクに変換する実補助トルク変換手
段とを備えたことを特徴とする電動式パワーステアリン
グ装置。 - 【請求項2】 前記実補助トルク変換手段は、演算され
た伝達関数が高次数の場合、2次の伝達関数で近似する
フィルタ手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の
電動式パワーステアリング装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27970693A JP2839129B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 電動式パワーステアリング装置 |
US08/164,884 US5473539A (en) | 1992-12-11 | 1993-12-10 | Electrically operated power steering apparatus |
DE4342451A DE4342451C2 (de) | 1992-12-11 | 1993-12-13 | Elektrisch betriebene Servolenkvorrichtung |
GB9325416A GB2273272B (en) | 1992-12-11 | 1993-12-13 | Electrically operated power steering apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27970693A JP2839129B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 電動式パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07132839A JPH07132839A (ja) | 1995-05-23 |
JP2839129B2 true JP2839129B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=17614748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27970693A Expired - Fee Related JP2839129B2 (ja) | 1992-12-11 | 1993-11-09 | 電動式パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2839129B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4412006B2 (ja) | 2004-03-05 | 2010-02-10 | 株式会社ジェイテクト | 電動パワーステアリング装置 |
JP4518133B2 (ja) | 2007-10-24 | 2010-08-04 | 株式会社デンソー | 電動パワーステアリング制御装置 |
JP4807422B2 (ja) * | 2009-03-09 | 2011-11-02 | 株式会社デンソー | 電動パワーステアリングシステム |
-
1993
- 1993-11-09 JP JP27970693A patent/JP2839129B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07132839A (ja) | 1995-05-23 |
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