JP2838813B2 - 自走式スキマー装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は特に原子力発電所の使用済燃料貯蔵プール水
面のゴミを回収する装置に関するものである。

［従来の技術］ 原子炉内で燃焼した使用済燃料は、使用済燃料プール
で貯蔵・冷却される。ここで、使用済燃料プールは、充
分な管理を行っていても、小さなゴミ（綿ホコリ等）が
落下することがあり、これら小さなゴミを除去するた
め、手作業での回収作業が必要となる場合がある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、原子力発電所の冷却池・貯蔵プール等の有
害な放射能によって遠隔操作が必要な場合であっても、
ゴミの傍まで移動することができ、水面上のゴミを可能
な限り早急に回収することができる装置を得ることを目
的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る自走式スキマー装置では、原子力発電所
の冷却池や貯蔵プールの水面上に落下したゴミをすくい
取るスキマー装置において、 ラジオコントロールの船外機と密閉式のフロートとを
備えた船体に、 水面下で水と共にゴミを吸引する吸引手段と、該水と
共に吸引されるゴミをすくい取るフィルター手段と、該
フィルター手段で濾過された水を排出する排水手段と、
前記船外機及び船体上の搭載機器に給電する給電手段と
を装備したものである。

［作用］ 本発明においては、ラジオコントロールの船外機と密
閉式のフロートとを備えた船体に、水面下で水と共にゴ
ミを吸引する吸引手段と、該水と共に吸引されるゴミを
すくい取るフィルター手段と、該フィルター手段で濾過
された水を排出する排水手段と、前記船外機及び船体上
の搭載機器に給電する給電手段とを装備したものである
ため、原子力発電所の冷却池・貯蔵プール等の有害な放
射能によって、遠隔操作が必要な場所であっても、無線
遠隔操作によってゴミの傍まで移動することができ、水
面上のゴミを可能な限り早急に回収することができる。

即ち、ワイヤコントロールではワイヤが操作の障害と
なる場合もあったが、本発明ではラジオコントロールの
船外機と給電手段とを備えているため、単独で自走し
て、障害なく、容易にゴミの傍まで移動することができ
る。

また、密閉式のフロートを船体に備えているため、水
底からの回収が困難な原子力の冷却地や貯蔵プールに装
置が沈没することがない。

尚、排水手段による排水を水中に放出するようにもで
き、この場合は、排水流により水面が波立つことがな
く、装置の運転操作が容易となる。

［実施例］ 第１図は本発明の一実施例の構成を示す上面図、第２
図は第１図の前面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断面図で
ある。

図に示す通り、２つのステンレス鋼坂（例えばSUS30
4）製の密閉型フロート（11）を連結した形状の船体
（１）がある。船体（１）の前でフロート（11）の間の
水面下には吸引ポンプ（２）が吸水口（21）を水面に向
けて配置されている。吸水口（21）は後方を半円状に吸
引カバー（22）が覆うように装着されており、前方の水
面に浮んだゴミを水と共に吸引するようになっている。

吸引ポンプ（２）によって吸引されたゴミと水は吸引
ホース（３）を介して濾過器（４）に導かれる。濾過器
（４）は、フィルタ（41）、フィルタ押え（42）、フィ
ルタ受け（43）、濾過器蓋（44）、パッキン（45）で構
成されている。

吸引ホース（３）により導かれたゴミはフィルタ（4
1）にすき取られ、フィルタ（41）を通った水は濾過器
（４）下部の排水配管（５）を通り、更に水面下部の排
水口（51）より排出される。フィルタ（41）はカートリ
ッジ式に交換可能である。

本実施例の装置の移動は、２台の船外機（６）のスク
リューをラジオコントロールすることにより行う。

吸引ポンプ（２）及び船外機（６）に給電するバッテ
リ（７）と受信器（図示せず）は濾過器（４）下部のバ
ッテリ収納部（71）に収納されている。

走行のバランスは、船体（１）と排水配管（５）の下
部に備え付けられたバランサ（52）により行っている。

船体（１）の上部には弾性のある金属薄板をリング状
に成形しゴム板（81）を張り付けたリング（８）が備わ
っている。このリング（８）は船体（１）のプール壁面
等に対する干渉やクッションの役目となる。

以上のように、本実施例による自走式スキマー装置
は、ワイヤコントロールではワイヤが操作の障害となる
場合もあったが、ラジオコントロールの２台の船外機
（６）とこれに給電するバッテリ（７）とを備えている
ため、自走式となり、容易にゴミの傍まで移動すること
ができ、原子力発電所の冷却池・貯蔵プール等の有害な
放射能によって、遠隔操作が必要な場所であっても、ゴ
ミの傍まで移動することができ、水面上のゴミを可能な
限り早急に回収することができる。

また、密閉式のフロート（11）船体（１）に備えてい
るため、水底からの回収が困難な原子力の冷却地や貯蔵
プールに、装置が沈没することがない。

また、排水口（51）が水中に設けられているため、排
水流により水面が波だつことがなく、装置の運転操作が
容易となる。

更に、他の装置やプール壁面との干渉を和らげるた
め、リング（８）を取り付けている。

吸水口（21）より吸込まれたゴミは、濾過器（４）内
に収容される。濾過器（４）のフィルタ（41）はカート
リッジ式に交換でき、焼却可能である。

また、不要な場合は、プールから取り上げフロアに保
管できる。

［発明の効果］ 本発明は以上説明したとおり、ラジオコントロールの
船外機と密閉式のフロートとを備えた船体に、水面下で
水と共にゴミを吸引する吸引手段と、該水と共に吸引さ
れるゴミをすくい取るフィルター手段と、該フィルター
手段で濾過された水を排出する排出手段と、前記船外機
及び船体上の搭載機器に給電する給電手段とを装備した
ものであるため、原子力発電所の冷却池・貯蔵プール等
の有害な放射能によって、遠隔操作が必要な場所であっ
ても、無線遠隔操作によってゴミの傍まで移動すること
ができ、水面上のゴミを可能な限り早急に回収すること
ができる。

即ち、ワイヤコントロールではワイヤが操作の障害と
なる場合もあったが、本発明ではラジオコントロールの
船外機と給電機構とを備えているため、単独で自走し
て、障害なく、容易にゴミの傍まで移動することができ
る。

また、密閉式のフロートを船体に備えているため、水
底からの回収が困難な原子力の冷却地や貯蔵プールに装
置が沈没することがない。

尚、排水を水中に放出すれば、排水流により水面が波
立つことがなく、装置の運転操作が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示す上面図、第２図
は第１図の前面図、第３図は第１図Ａ−Ａ断面図であ
る。 図において、（１）は船体、（11）はフロート、（２）
は吸引ポンプ、（21）は吸水口、（22）は吸引カバー、
（３）は吸引ホース、（４）は濾過器、（41）はフィル
タ、（42）はフィルタ押え、（43）はフィルタ受け、
（44）は濾過器蓋、（45）はパッキン、（５）は排水配
管、（51）は排水口、（52）はバランサ、（６）は船外
機、（７）はバッテリ、（71）はバッテリ収納部、
（８）はリング、（81）はゴム板である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原子力発電所の冷却池や貯蔵プールの水面
   上に落下したゴミをすくい取るスキマー装置において、 ラジオコントロールの船外機と密閉式のフロートとを備
   えた船体に、 水面下で水と共にゴミを吸引する吸引手段と、該水と共
   に吸引されるゴミをすくい取るフィルター手段と、該フ
   ィルター手段で濾過された水を排出する排水手段と、前
   記船外機及び船体上の搭載機器に給電する給電手段とを
   装備したことを特徴とする自走式スキマー装置。