JP2838286B2 - 電解質置換方法 - Google Patents

電解質置換方法

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明の電解質置換方法は、例えば生化学物質の分離
精製において、液体クロマトグラフィーによる分離の前
処理あるいは後処理や電気泳動による分離の前処理ある
いは後処理などに有効に用いることができるものであ
る。
(従来の技術) 蛋白質、酵素、オリゴペプチド、核酸関連物質多糖
類、抗生物質をはじめとする生化学物質の分離・精製に
おいて、液体クロマトグラフィーや電気泳動などが頻繁
に用いられるが、これらによる分離の前後に上記物質を
含む試料液中の電解質を他の電解質に交換したり、緩衝
液を他の緩衝液に交換する必要がしばしば生じる。例え
ば、酵素を精製するプロセスにおいて、硫酸アンモニウ
ムによる粗分画(硫安分画)の後、塩濃度勾配によるイ
オン交換クロマトグラフィーを用いて分離する場合、硫
安分画で用いた硫酸アンモニウムが高濃度で残存する試
料液をそのままイオン交換クロマトグラフィーに供する
と、精度よくイオン交換クロマトグラフィーによる分離
が行うことができない。従ってこの場合、硫安分画の
後、試料液中の電解質を次の分離工程に都合のよい電解
質に置換することが必要となる。また、こうした電解質
置換の必要性は、分離モードの異なるクロマトグラフィ
ー分離を多段で使用する場合、あるいはこの分離プロセ
スに電気泳動を組込む場合にもしばしば生じる(バイオ
テクノロジー BIO TECHNOLOGY,Vol.4,712〜715,1986年
など参照)。
従来、このような電解質置換を行うためには、多孔性
膜による拡散透析法や限外濾過法を用いることが一般的
であった。しかしながら、拡散透析法では処理に非常に
長い時間が必要であったり、低分子量(分子量数千以
下)の試料が膜漏れするという問題があり、限外濾過法
では、試料液の濃縮と他の緩衝液による希釈を繰返す必
要があるために、膜が目詰まりしてしまうという問題が
ある。
また電気透析法により、一旦試料液の電解質を除去し
た後、必要な電解質を加える方法も考えられるが、この
場合電解質を除去した時、試料の生理活性が失われてし
まう危険性がある。
更に、電気透析法により試料液中のアニオン種のみ、
あるいはカチオン種のみを置換する方法がすでに知られ
ている(「最新の膜処理技術とその応用」、第218〜231
頁,フジ・テクノシステム、1986年)が、この方法では
アニオン種とカチオン種とを同時に置換することができ
ず、操作が繁雑になるという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、従来の電解質置換法の問題点を改善
し、試料と電解質を含む試料液中の電解質の置換を簡便
かつ迅速に行う方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行
った結果、微多孔膜を用いて電気透析を行なうことによ
り、簡便かつ迅速に電解質置換を行なうことができるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、試料および電解質Aを含む試料液の電解質置換方法
において、陽極を配置する陽極室、2枚の微多孔質で挟
まれた試料室、および陰極を配置する陰極室からなる電
気透析槽の試料室に試料液を入れ、陽極室と陰極室に電
解質Bの水溶液を入れ、電気透析槽に電気を通すことを
特徴とする試料液中の電解質Aを電解質Bに置換する電
解質置換方法である。
(作用) 以下、本発明の方法の一例を図面を用いて説明する。
第1図は本発明で用いる電気透析槽の概略を示したもの
であり、陽極室1、陰極室3、微多孔膜4と5で挟まれ
た試料室2、陽極6、陰極7を含んでなる。第2図は、
第1図に示した電気透析槽を用いた本発明の電解質置換
装置例の概略を示すものである。試料および電解質Aを
含む試料液は試料液タンク8から送液ポンプ10により送
液ライン12を通って試料室2に供給され、試料室2から
出た試料液は試料液タンク8に戻る。また、試料液中の
電解質Aを置換するための新しい電解質Bを含む水溶液
は電解質溶液タンク9から送液ポンプ11により送液ライ
ン13を通って陽極室1と陰極室3に供給される。更に陽
極6と陰極7は、直流電源14に接続される。ここで、陰
極室と陽極室への電解質Bを含む水溶液の供給は個別に
行なっても、陰極室と陽極室を直列あるいは並列に接続
して一度に行なってもよい。
第2図に示した電気透析槽に電気に通じると、陰極室
3中の陰イオンが微多孔膜5を通って試料室2に移動
し、試料室2中に存在する陽イオンは微多孔膜5を通っ
て陰極室3に移動する。一方、陽極室1中の陽イオンは
微多孔膜4を通って試料室2に移動し、試料室2中に存
在する陰イオンは微多孔膜4を通って陽極室1に移動す
る。従って試料液中にもともと存在していた電解質Aは
時間とともに、第2図の9で表される電解質溶液タンク
から供給される新しい電解質Bに置換され、このとき、
送液ライン12の任意の位置にイオンセンサー15(種類の
異なる複数のセンサーでもよい)を配すれば、運転と同
時に、試料液中の電解質濃度をモニターすることができ
る。
通常、本発明の電解質置換法に供される試料液は、水
溶液または水懸濁液であり、このとき試料液中にもとも
と存在する電解質Aは水溶性を示す。これに伴ない、置
換する新しい電解質Bは水溶性のものである。これら電
解質(電解質A、B)としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナ
トリウム各種リン酸塩などの無機塩、酢酸ナトリウム、
酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウムなどの有機酸塩、
ベンゼンスルホンソーダなどのスルホン化物、リン酸化
物、アミノ酸、塩化メチルピリジニウムなどの窒素原子
を含む複素環式化合物の塩類などが例示されるが、これ
らに限定されない。
本発明において用いられる微多孔膜としては、分画分
子量が500〜500万の限外濾過膜あるいは透析膜、あるい
は孔径が0.05μm〜5μmの精密濾過膜などが用いられ
る。またこれらの膜の構造としては、膜の厚さ方向に構
造が均一な対称膜、膜の厚さ方向に密度勾配(孔径の勾
配など)を有する非対称膜、多孔性の支持膜の上に異な
る材質のスキン層を形成させた複合膜などがある。膜の
厚さは、強度あるいは膜抵抗を考慮して0.01〜0.5mmの
範囲とすることが望ましく、さらに望ましくは、0.02〜
0.3mmである。上記微多孔膜の材質としては、特に限定
されないが、親水性を有するものが好ましく用いられ、
セルロース酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、高分子電解質
複合体あるいはこれらを改質した膜などが例示される。
微多孔膜はイオンの選択性を有しないことから、本発明
のように微多孔膜を用いることにより、電解質置換は容
易に行なうことができる。
本発明の方法において、電気透析槽に流す電流の大き
さは、通常、0.5〜50A/dm2であり、さらに望ましくは、
1〜30A/dm2である。これら試料液中に含まれる電解質
の濃度によって異なり、濃度が低い場合、電流密度は小
さくてもよい。しかしながら、電流が大きすぎる場合、
試料液のpHの変化や発熱による温度上昇のため試料が変
質するおそれがあり、電流が小さすぎる場合、電解質置
換に時間がかかりすぎることがある。
(実施例) 以下、本発明を詳細に説明するために実施例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1 第1図と第2図に示す電気透析装置を用い、乳酸脱水
酵素(LDH)と、電解質として塩化ナトリウムを含有す
る試料液の電解質を酢酸アンモニウムに置換した。
本実施例においては、微多孔膜4、5としてセルロー
ス系の透析膜(スペクトラム社製のスペクトラ/ポア
7、分画分子量1000)を用い、陽極6として導電性金属
酸化物被覆チタン、陰極7としてステンレスを用いた。
また、それぞれの微多孔膜の有効膜面積は8cm2とし、電
極と膜間および膜間距離はいずれも1mmとした。試料液
としてLDHを50μg/mlと塩化ナトリウムを0.2M含有する
水溶液6mlを用い、これを試料液タンク8から送液ポン
プ10により40ml/分の速度で試料室2に循環した。ま
た、電解質溶液タンク9には0.2Mの酢酸のアンモニウム
水溶液を入れ、これを陰極室3と陽極室1に送液ポンプ
11で40ml/分の速度で循環した。この溶液は50ml使用
し、3分毎に新しいものと交換した。電気透析は、上記
電気透析槽に定電流を0.3A流して行なった。電流を流し
てから30分後、60分後に試料液中のイオン濃度を分析し
た。その結果を下表に示す。
上記分析から、試料液の電解質置換が行われたことを
確認した。また、60分後、試料液中のLDHの活性収率を
測定したところ、93%であった。
実施例 2 電気透析槽に流す電流を0.9Aとした以外は、実施例1
と同様に試料液の電解質置換を行った。
電気透析セルに電流を流してから10分後に試料液中の
イオン濃度を分析したところ、ナトリウムイオン濃度
は、0.017M、塩素イオン濃度は0.008M、アンモニウムイ
オン濃度は0.18M、酢酸濃度は0.19Mであった。また、こ
のときの試料液中のLDHの活性収率を測定したところ、9
5%であった。
実施例 3 電解質溶液タンク9に0.2Mのぎ酸アンモニウムを入
れ、用いる試料液をLDHを50μg/mlと硫酸アンモニウム
を0.1M含有する水溶液6mlとした以外は、実施例1と同
様に試料液の電解質置換を行った。
電気透析槽に電流を流してから30分後に試料液中のイ
オン濃度を分析したところ、アンモニウムイオン濃度は
0.20M、硫酸イオン濃度は0.008M、ぎ酸濃度は0.19Mであ
った。また、このときの試料液中のLDHの活性収率を測
定したところ、94%であった。
比較例 1 LDHを50μg/mlと0.2Mの塩化ナトリウムを含有する水
溶液10mlを3室型の電気透析槽を用いて、塩化ナトリウ
ムの濃度が0.01Mとなるまで脱塩した後、酢酸アンモニ
ウムの粉末を加え、酢酸イオン濃度を0.2Mとした。この
ときのLDHの活性収率を測定したところ、約10%と低か
った。
比較例 2 電気透析槽に電流を流さないで実施例1と同様に試料
液の電解質置換を行った。
その結果、実験を開始してから30分後に試料液中のイ
オン濃度を分析したところ、ナトリウムイオン濃度は0.
080M、塩素イオン濃度は0.060Mアンモニウムイオン濃度
は0.10M、酢酸濃度は0.12Mであり、実施例1に比べて電
解質の置換速度は低かった。
(発明の効果) 以上述べたとおり、本発明の電解質置換方法によれ
ば、試料を変質させることなく、簡便かつ迅速に電解質
置換を行なうことが可能となる。
また本発明の方法は、低分子量から高分子量の生化学
物質(蛋白質、酵素、抗体、オリゴペプチド、核酸関連
物質多糖類、抗生物質を始めとする生化学物質など)に
関する種々の分析の前処理あるいはこれらの分離精製な
どに利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の方法に用いられる装置の
一実施態様を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料および電解質Aを含む試料液の電解質
    置換方法において、陽極を配置する陽極室、2枚の微多
    孔膜で挟まれた試料室、および陰極を配置する陰極室か
    らなる電気透析槽の試料室に試料液を入れ、陽極室と陰
    極室に電解質Bの水溶液を入れ、電気透析槽に電気を通
    すことを特徴とする試料液中の電解質Aを電解質Bに置
    換する電解質置換方法。
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