JP2837856B2 - リンフォカイン活性化キラー細胞及びその製造法 - Google Patents

リンフォカイン活性化キラー細胞及びその製造法

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JP2837856B2 JP63283829A JP28382988A JP2837856B2 JP 2837856 B2 JP2837856 B2 JP 2837856B2 JP 63283829 A JP63283829 A JP 63283829A JP 28382988 A JP28382988 A JP 28382988A JP 2837856 B2 JP2837856 B2 JP 2837856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、癌の免疫療法に使用されるリンフォカイン
活性化キラー細胞(以下LAK細胞という)及びその製造
法に関する。
(従来の技術) 腫瘍を拒絶する宿主免疫系の刺激に基づいて癌を治療
する免疫療法においては、担癌患者の免疫応答能が癌の
進行増大と共に低下し臨床的に十分な成果が得られてい
ない。
従って、最近、担癌患者の免疫が低下した状態でも効
果が期待できるという理由で、抗腫瘍活性を有する細胞
群を担癌患者から取り出しin vitroでリンフォカインで
活性化した後、これを担癌生体内に移入するリンパ球移
入療法(養子免疫療法ともいう)が提案され開発されて
いる。
例えば、Rosenbergらは、マウス脾細胞やヒトの末梢
血リンパ球をin vitroでインターロイキン−2(以下IL
−2という)とともに約3日間培養することにより、in
vitroでナチュラルキラー(NKという)活性に抵抗性の
ある新鮮腫瘍細胞の多くに対してキラー活性を示すが正
常細胞にはキラー活性を示さない抗腫瘍性細胞としてLA
K細胞を提案し〔「Cancer Treat.Reports」第68巻第233
〜255頁(1984年)〕これを使用した養子免疫療法を提
案している(特開昭62−116518号公報)。それによれ
ば、マウス、ヒトでの試験の結果、LAK細胞単独投与で
は抗腫瘍効果が認められない場合もある為、LAK細胞とI
L−2とを同時に投与する改良法によって患者に著しい
抗腫瘍効果が認められたことが報告されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記のLAK細胞を用いる養子免疫療法が、癌の免疫療
法として一般的に広く用いられる為には、LAK細胞の抗
腫瘍性を更に高めることが要望されている。
(課題を解決するための手段,作用) このような現状に鑑み、本発明者らは養子免疫療法に
おいてLAK細胞の抗腫瘍作用を高めることを目的に鋭意
研究を重ねた結果、担癌哺乳動物にキチンのオリゴ糖で
あるN−アセチルキトオリゴ糖(以下、NACOSという)
を投与した後にT−リンパ球を取り出し、このT−リン
パ球を先ずNACOSの存在下で培養し、次いでIL−2の存
在下で培養することによって、意外にも優れた抗腫瘍作
用を有するLAK細胞が得られることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、N−アセチルキト
オリゴ糖(NACOS)を投与した担癌哺乳動物から取り出
したT−リンパ球をN−アセチルキトオリゴ糖(NACO
S)の存在下で培養し、次いでインターロイキン−2(I
L−2)の存在下で培養することによって得たことを特
徴とするリンフォカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)
である。
また本発明の第2の発明は、N−アセチルキトオリゴ
糖(NACOS)を投与した担癌哺乳動物から取り出したT
−リンパ球をN−アセチルキトオリゴ糖(NACOS)の存
在下で培養し、次いでインターロイキン−2(IL−2)
の存在下で培養することを特徴とするリンフォカイン活
性化キラー細胞(LAK細胞)の製造法である。
本発明で使用するNACOSはキチンの加水分解によって
得られるものであり、具体的にはジ−N−アセチルキト
ビオース(以下、NACOS−2という)、トリ−N−アセ
チルキトトリオース(以下、NACOS−3という)、テト
ラ−N−アセチルキトテトラオース(以下、NACOS−4
という)、ペンタ−N−アセチルキトペンタオース(以
下、NACOS−5という)、ヘキサ−N−アセチルキトヘ
キサオース(以下、NACOS−6という)及びヘプタ−N
−アセチルキトヘプタオース(以下、NACOS−7とい
う)が挙げられる。
また、発明で使用するIL−2はナチュラル型IL−2、
遺伝子組換えIL−2(以下、rIL−2という)及びそれ
らの生物学的機能上の等価物が挙げられる。これらは市
販のものも使用できる。
NACOSを担癌哺乳動物に投与しT−リンパ球を得るに
は、例えばマウスの場合には、癌細胞例えばMeth−Aを
1×105個を移植して1〜3週間後(すなわち癌を生着
させ増殖させた後)NACOSを1〜100mg/kg体重の投与量
で投与した後、投与4日目に脾臓を摘出し、脾臓をスラ
イドガラスでほぐし、イーグルの最小必須培地(以下、
MEMという)に懸濁させ、これをナイロン繊維カラム法
でT−リンパ球を分離することによって得ることができ
る。また、ヒトの場合には担癌患者にNACOSを0.01〜500
mg/kg体重の投与量で投与した後、投与4〜7日目にそ
の静脈血を取り出し、フィコール(Ficoll)−ハイペー
ク(Hypaque)密度勾配法を用いて分離することによっ
て得ることができる。取り出したT−リンパ球は遠心
(1,500rpm,10min)洗浄を行なって10%ウシ胎児血清
(以下、FBSという)含有RPMI−1640培地中に再懸濁さ
せる。
取り出したT−リンパ球のNACOS存在下での培養は、
前記のT−リンパ球の培地懸濁液のT−リンパ球1×10
8個/ml培地を24穴マイクロプレートに移し、10%FBS含
有RPMI−1640培地に溶解したNACOSをT−リンパ球1×1
08当り0.1〜15mg添加して約3〜7%好ましくは5%のC
O2の存在下に約35〜39℃好ましくは37℃で0〜48時間培
養することによって行なう。
次いで、T−リンパ球のIL−2存在下での培養は、前
記のようにして得られたT−リンパ球培養液に、すぐに
10%FBS含有RPMI−1640培地に溶解したIL−2例えばrIL
−2をT−リンパ球1×108個当り1〜100単位になるよ
うに添加し、約3〜7%好ましくは5%のCO2の存在下
に約35〜39℃好ましくは37℃で約2〜7日間培養するこ
とによって行なう。
培養終了後、得られた培養液を、新鮮なRPMI−1640培
地を洗浄液として用い遠心(1,500rpmで10分間)洗浄を
2回繰返すことによって目的とするLAK細胞を得ること
ができる。得られたLAK細胞は生理食塩水に懸濁させ担
癌生体内に投与する。保存する必要がある場合には、得
られたLAK細胞を血清含有RPMI−1640培地に入れて保存
する。
本発明の方法によって調製されたLAK細胞は、従来の
方法すなわち担癌哺乳動物により取り出したT−リンパ
球をIL−2の存在下で培養することによって誘導された
LAK細胞に比べ優れた抗腫瘍作用を有する。
本発明においては、担癌哺乳動物にNACOSを投与した
後にT−リンパ球を取り出すこと及びNACOSを投与した
担癌哺乳動物から取り出したT−リンパ球をNACOSの存
在下に培養した後にIL−2の存在下で培養することが重
要であり、担癌哺乳動物にNACOSを投与せずに取り出し
たT−リンパ球をIL−2の存在下で培養した場合(比較
例2)、担癌哺乳動物にNACOSを投与せずに取り出した
T−リンパ球をNACOSの存在下で培養した後、IL−2の
存在下で培養した場合(比較例3)には期待する効果が
得られない。
本発明で得られたLAK細胞を癌の免疫療法に使用する
場合には、LAK細胞を薬学的に受容される担体、例えば
生理食塩水、5%正常ヒト血清アルブミンを含有する生
理食塩水、ハンクス(Hanks)平衡塩類溶液等に懸濁す
ることにより癌患者に投与し得る組成物に調製して使用
される。
(実施例) 以下の実施例により本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 LAK細胞の製造 (a) 5週令のBALB/C雄性マウスの鼠蹊部皮下にMeth
−A腫瘍細胞5×105個を移植し、腫瘍細胞移植後14日
目にNACOS−6を有効成分とする注射液を有効成分10mg/
kgマウスの投与量でマウス静脈内に投与した。投与後4
日目にマウスは腋下を切断し脱血して殺し、その脾臓を
無菌的に取り出しスライドガラスで潰しMEM中に懸濁す
る。
(b) 10mlのガラスシリンジに0.8gのナイロンウール
(ロイコパックロイコサイトフィルター(LeukoPak Leu
kocyte filter)、トラベノール ラボラトリーズ(Tra
venol Laboratories)製)を詰めMEMで洗浄した後、1
〜2mlのMEMに懸濁した1×1010個の脾臓細胞を滴下し、
その後、カラムを5%炭酸ガス湿潤雰囲気下中37℃で60
分間インキュベートする。T−リンパ球は予め暖めてお
いた10%FBS含有MEM5mlで流し溶出する。得られたT−
リンパ球は10%FBS含有RPMI−1640培地を用い、1,500rp
mで約10分間遠心することにより洗浄した後、10%FBS含
有RPMI−1640培地中に再懸濁する。
(c) 24穴マイクロプレート中で、T−リンパ球(1
×108個/ml培地)に10%FBS含有RPMI−1640培地中のNAC
OS−6が最終濃度1mg/ml培地になるように加え、5%炭
酸ガス湿潤雰囲気下で37℃で24時間インキュベートす
る。インキュベート終了後、すぐに10%FBS含有RPMI−1
640培地中のリコビナントIL−2(rIL−2)を最終濃度
50単位/ml培地になるように加え、5%炭酸ガス湿潤雰
囲気下で37℃で48時間インキュベートする。インキュベ
ート終了後、培養液を新鮮なRPMI−1640培地を用い1500
rpmで10分間遠心することにより2回洗浄する。得られ
たT−リンパ球を生理食塩水に再懸濁し保存する。この
ようにして本発明のLAK細胞が調製された。
比較例 1 実施例 1(a)においてNACOS−6の代わりに生理
食塩水及び(c)においてNACOS−6とrIL−2の代わり
に10%FBS含有RPMI−1640培地を使用することのほか
は、実施例 1に記載の手順を実質的に繰り返しT−リ
ンパ球を得た。
比較例 2 実施例 1(a)においてNACOS−6の代わりに生理
食塩水及び(c)においてNACOS−6の代わりに10%FBS
含有RPMI−1640培地を使用することのほかは、実施例
1に記載の手順を実質的に繰り返しLAK細胞を得た。
比較例 3 実施例 1(a)においてNACOS−6に代わりに生理
食塩水を使用することのほかは、実施例 1に記載の手
順を実質的に繰り返しLAK細胞を得た。
実施例 2 抗腫瘍活性試験 BALB/c雄マウス(1群8匹)の鼠蹊部皮下へMeth−A
腫瘍細胞5×105個を移植し、腫瘍細胞移植後14日目
に、生理食塩水中に再懸濁させた実施例1比較例1〜3
のLAK細胞又はT−リンパ球0.2mlを1×107個/マウス
の投与量で1回マウスの尾静脈内に投与した。腫瘍移植
後30日目に腫瘍を取り出して腫瘍重量を測定し、腫瘍生
育阻止率を求めた。得られた結果を次表に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アセチルキトオリゴ糖を投与した担癌
    哺乳動物から取り出したT−リンパ球をN−アセチルキ
    トオリゴ糖の存在下で培養し、次いでインターロイキン
    −2の存在下で培養することによって得たことを特徴と
    するリンフォカイン活性化キラー細胞。
  2. 【請求項2】N−アセチルキトオリゴ糖を投与した担癌
    哺乳動物から取り出したT−リンパ球をN−アセチルキ
    トオリゴ糖の存在下で培養し、次いでインターロイキン
    −2の存在下で培養することを特徴とするリンフォカイ
    ン活性化キラー細胞の製造法。
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