JP2834456B2 - 細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞培養方法に関する。さらに詳細には細
胞の機能を安定に維持しながら高密度に培養する方法に
関する。
〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕
近年、動物の細胞を生体外で培養しその機能を利用し
て人工臓器として使用する研究や、サイトカイン、モノ
クローナル抗体、インターフエロン等のような有用物質
を生産する研究が活発に行われている。
このような研究においては、細胞の機能を安定に保持
して培養することが重要であり、従来より生体蛋白質で
あるコラーゲンやゼラチンを培養床にコートしたり(特
開昭58−71884号公報参照)、物理的化学的手法を用い
て培養床を処理する試み(特開昭52−41291号公報参
照)がなされてきた。ところが、これらの方法を用いて
細胞の培養を行うと、細胞は速やかに基材に接着,伸展
し単層を形成するために生体内と比べると極端に低密度
の培養しか行えず、また細胞が生体内と全く異なる偏平
な単層形状になるため、機能面でも生体内での様子が再
現されないという問題があつた。
さらに最近になつて、細胞を高密度に培養するために
合成および生体高分子をマイクロキヤリアや中空系の形
状に加工しこれを培養床とした培養も行われている(特
公昭54−6434公報、特開昭61−25476号公報参照)。し
かし、こういつた基材で培養され得る細胞は、培養の容
易な一部の細胞に限られ、特に初代培養系の細胞を用い
た場合には上記の細胞が偏平が単層形状になるという問
題が解決されていないため、大部分の細胞機能は即座に
失われてしまうという問題があつた。
本発明は、このような技術的背景を踏えてなされたも
のであり、細胞を高密度でしかも長期にわたり機能を安
定して保持することの可能な培養方法を提供することを
目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の問題点を解決すべくなされた本発明の細胞培養
方法は、細胞の多層集合体を、物質透過性を有する基材
上で培養することを特徴とするものである。
細胞の多層集合体は、例えば、細胞懸濁液を遠心操作
することにより形成されたもの、細胞懸濁液を透過性基
材上に播種した後、該基材上から加圧することにより、
もしくは該基材下から吸引することにより形成されたも
の等が使用される。
初代培養系のものを利用したり、2種以上の細胞を同
時に利用することも適宜できる。
このような細胞の多層集合体を用いることにより、細
胞はおたがいが密に接触しあつているため細胞間相互作
用が円滑に行えさらに透過性基材を通して細胞の要求す
る栄養分、酸素等が十分に供給されるため培養中に細胞
の再配列が進行するとともに、長期にわたつて安定した
機能維持が行えるといつたことがはじめて可能となつ
た。また、基材の上に細胞集合体が立体的に存在するた
め単位面積当たりの細胞密度が大きく、高密度培養が可
能となる。
本発明で用いる細胞集合体を遠心操作を利用して作成
した場合は、細胞の種類や割合が任意に選べる上、一定
量を分取し調査することによつて細胞集合体の単位体積
あたりの細胞数および生存率を算出できる利点があり、
また圧力を利用して作成した場合は、簡単にしかも即座
に基材上に細胞集合体を形成することできる利点があ
る。
また、細胞の一部にこれまで機能を長期維持する培養
が不可能であつた初代培養系の細胞を用いても細胞の機
能が高く、さらに細胞集合体内での配列が円滑に起こる
ため、その機能の維持が長期にわたり接続される利点が
ある。例えば、生体から調製した肝細胞は非常に多機能
であるが、本発明方法による配列化作用によりはじめて
その長期機能維持が可能となつた。さらに、細胞を複数
種組合せて細胞集合体を形成させれば、細胞の配列化、
機能発現がいつそう促進されることが判つた。
以下、この発明をさらに詳細に説明する。
本発明の細胞培養方法は、透過性基材すなわち物質透
過性を有した基材の上で細胞の集合体を培養することを
特徴とするものである。
上記の基材としては、細胞毒性が少なく、賦形性、機
械的強度を有するものであればいかなるものでも使用で
き、例えば、ステンレス等の金属繊維を編んだものや、
オレフイン系樹脂、フツ素系樹脂、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、
セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂等のような合成高
分子、さらには、コラーゲン等に代表される生体高分子
等が例示できる。これらの基材は必要に応じて表面を物
理的、化学的手法により表面処理を行つたり、細胞親和
性の高い物質をコーテイングして用いてもよいが、細胞
は通さず、例えば、アミノ酸等の培養液成分が十分に透
過できる構造のものが選ばれる。これらの基材は、平膜
のものを用いても、中空系の形状に加工したものを用い
てもよいが平膜のものを用いる場合には膜を培養液に浮
かべたり金属性のグリツドで支持する等の手法で膜が培
養器の底に沈まないように配慮する必要がある。中空系
の場合は細胞集合体の接着効率を高めるために、中空等
の外周部に平らな部分を設ける等の工夫が有利である。
また、本発明で用いる細胞集合体は、細胞の自己集合
能を利用してそれをそのまま使用してもよいが、細胞懸
濁液を遠心操作することによりもしくは圧力をかけてす
なわち基材上から加圧したり、基材下から吸引したりす
ることにより人為的に作成したものが使用される。遠心
操作を利用する場合の回転数および時間は、細胞の大き
さ等により適宜選択されるが、好ましくは300rpmないし
2000rpmで1分ないし10分、さらに好ましくは600rpmな
いし1500rpmで2分ないし6分である。
細胞集合体を構成する細胞は必要に応じて自由に選択
できるが、特に肝実質細胞、内皮細胞、表皮細胞、ラン
ゲルハンス細胞、各種線維芽細胞等のような初代培養系
のものが好んで利用される。さらにこの細胞集合体は1
種類の細胞で構成してもよいが、2種類以上の細胞を用
いて構成してもよい。この場合の混合比率は適宜変える
ことができるが、組合せも初代培養系のものだけに限ら
ず株化細胞も自由に選択し利用できる。例えば、2種の
細胞の組合せの例として、肝実質細胞と類洞内皮細胞、
肝実質細胞と胆管上皮細胞、表皮細胞と真皮線維芽細
胞、表皮細胞と3T3細胞、ハイブリドーマとT細胞等が
挙げられる。
本発明方法により動物細胞を培養する場合、培養する
細胞の種類に応じて種々の培養液が用いられ、細胞の機
能維持に適した温度、酸素分圧等の条件で培養が行われ
るが、透過性基材に多孔性の平膜を用いた場合の培養例
を第1図に基づいて説明すると、(a)は多孔性膜すな
わち物質透過性を有する平膜であり、(b)は遠心操作
等により集合化した細胞集合体であり、培養は、細胞集
合体をのせた平膜を培養液(c)に浮かべて、例えば、
37℃,5%CO2下で行われる。
以下に本発明の実施例および比較例を記載して本発明
を具体的に説明する。
実施例1および比較例 コラゲナーゼ潅流法および遠心分離によつて単離した
マウス肝実質細胞の懸濁液を1000rpm3分の遠心操作を行
い、細胞の集合体を得た。上清を廃棄してこの集合体中
に含まれる生細胞数をカウントすると1μ当り3.8×1
04個であつた。この細胞集合体をコラーゲンコートした
多孔性ポリカーボネート膜(孔径8μm)の上にのせ
(細胞数0.625×105個)血清、各種増殖因子を含まない
ウイリアムE培地に膜ごと浮かべて培養したところ、ア
ルブミンの分泌は第2図で示すように2週間安定に維持
されることが判明した。一方、同数の細胞をコラーゲン
コートした培養皿上で培養した従来の単層培養法では数
日で機能が低下した。
実施例2および比較例 マウス胎児13日目から上顎の皮膚組織(表皮および真
皮)を摘出し細切しカルシウムイオンを含む0.25%トリ
プシン溶液に10時間浸漬した。その後、眼科用ピンセツ
トを用いて真皮と表皮を分離し、それぞれをトリプシン
−EDTAを含むハンクス液で処理して細胞を完全に単離し
た。次にこれらを再度1:1の割合で混合し撹拌後、1000r
pm5分の遠心操作で細胞の集合体を作成し、これを実施
例1と同じポリカーボネート製の平膜上にのせた。この
平膜を牛胎児血清を10%含むダルベツコ変法MEM培地に
浮かべ3日間培養したのち凍結切片を作成したところ毛
根と思われる3次元的な構造物が確認できた(第3
図)。一方、表皮と真皮の細胞を混合して単層培養を行
つたところ、細胞はそれぞれ単独で培養皿へ接着するこ
とは確認できたが,3次元的な構造物は形成されなかつ
た。
尚、上記遠心操作に代えて、細胞懸濁液を平膜上に播
種した後、平膜上から加圧する方法および平膜下から吸
引する方法を利用して作成した細胞集合体を用いた場合
にも、同様の効果が得られた。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の細胞培養方法によれば、立体
的に細胞が存在し自由に細胞の配列化が進むので高密度
かつ機能の安定した細胞培養が可能となるという特有の
効果を奏する。この方法を用いて特に高い機能を有する
初代培養系の細胞を培養すれば、有用物質の生産システ
ムに利用できるだけでなく、例えば人工肝臓のような人
工臓器としても応用できることから、当該方法の産業上
の利用価値はきわめて高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、多孔性膜を用いた本発明方法による培養例の
概要縦断面図、第2図は、実施例1および比較例におけ
る培養肝細胞105個の1日あたりのアルブミン分泌量を
示すグラフ、第3図は、実施例2における細胞集合体の
切片の写真、をそれぞれ示す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透過性基材上で行う細胞の培養方法におい
    て、該透過性基材を培地に浮かべ細胞を多層集合体にし
    て培養することを特徴とする細胞培養方法。
  2. 【請求項2】細胞の多層集合体が、細胞懸濁液を遠心操
    作することにより形成されたものである請求項第1項記
    載の細胞培養方法。
  3. 【請求項3】細胞の多層集合体が、細胞懸濁液を透過性
    基材上に播種した後、該基材上から加圧することにより
    もしくは該基材下から吸引することにより形成されたも
    のである請求項第1項または第2項記載の細胞培養方
    法。
  4. 【請求項4】細胞の多層集合体の少なくとも一部が初代
    培養系のものである請求項第1項、第2項または第3項
    記載の細胞培養方法。
  5. 【請求項5】細胞の多層集合体の少なくとも一部が肝実
    質細胞を含む請求項第1項、第2項、第3項または第4
    項記載の細胞培養方法。
  6. 【請求項6】細胞の多層集合体が、少なくとも二種類の
    細胞を含む請求項第1項、第2項、第3項、第4項また
    は第5項記載の細胞培養方法。
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