JP2834386B2 - 浮上屋根およびその架設方法 - Google Patents
浮上屋根およびその架設方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、土木・建設工事に適
した全天候型の仮設屋根およびその架設方法に関し、特
に、気球の浮力を利用して屋根シートを空中に広げて構
成される浮上屋根およびその架設方法に関するものであ
る。
した全天候型の仮設屋根およびその架設方法に関し、特
に、気球の浮力を利用して屋根シートを空中に広げて構
成される浮上屋根およびその架設方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】例えば、大規模ダムとして施工実績の多い
ゾーン型フィルダムは、中央コア部に土質材料からなる
遮水ゾーンを有しており、このコア部の施工において、
最適含水比近辺に調整した土質材料を所定の厚さに巻き
出し、重機により締固め盛立てを行っている。当該盛立
て作業において、土質材料の含水比管理は厳密に行う必
要があり、従来、雨天や雪の日は施工を休止していた。
また、雨量によっては降雨後半日から数日の間、曝気の
ため盛立てを停止するか、あるいは、せっかく盛立てた
土質材料をある程度まで剥ぎ取るといったことも行われ
ていた。
ゾーン型フィルダムは、中央コア部に土質材料からなる
遮水ゾーンを有しており、このコア部の施工において、
最適含水比近辺に調整した土質材料を所定の厚さに巻き
出し、重機により締固め盛立てを行っている。当該盛立
て作業において、土質材料の含水比管理は厳密に行う必
要があり、従来、雨天や雪の日は施工を休止していた。
また、雨量によっては降雨後半日から数日の間、曝気の
ため盛立てを停止するか、あるいは、せっかく盛立てた
土質材料をある程度まで剥ぎ取るといったことも行われ
ていた。
【0003】このように、フィルダムのコア盛立て工事
においては、未だ、全天候型の施工を可能とする方法は
確立されていないが、建設分野においては、従来、全天
候型の仮設屋根として、空気膜方式や鋼製建屋方式など
が知られている。
においては、未だ、全天候型の施工を可能とする方法は
確立されていないが、建設分野においては、従来、全天
候型の仮設屋根として、空気膜方式や鋼製建屋方式など
が知られている。
【0004】例えば、鋼製建屋方式は、カナダなどの寒
冷地において、コンクリートダムの施工で実施された例
があるが、建屋を構築するので必然的にコスト高とな
る。また、ダムサイトの両岸にケーブルを張り、このケ
ーブルにテントを掛けるシート掛け方式も公知である
が、ケーブルによる吊り構造が大掛かりな設備となり、
実用性に欠ける嫌いがある。
冷地において、コンクリートダムの施工で実施された例
があるが、建屋を構築するので必然的にコスト高とな
る。また、ダムサイトの両岸にケーブルを張り、このケ
ーブルにテントを掛けるシート掛け方式も公知である
が、ケーブルによる吊り構造が大掛かりな設備となり、
実用性に欠ける嫌いがある。
【0005】一方、土木・建設工事用の仮設屋根ではな
いが、航空機格納庫のように大平面を有し出入口の大き
な建物用の屋根として、気球の浮力を利用した構築撤去
が容易な屋根も公知である(特開平4−38379号公
報)。
いが、航空機格納庫のように大平面を有し出入口の大き
な建物用の屋根として、気球の浮力を利用した構築撤去
が容易な屋根も公知である(特開平4−38379号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記フィルダムのコア
盛立て工事等において、コア盛立て面に仮設屋根を架け
ることで雨や雪を遮断することができれば、施工可能な
日数を増やすことができ、工期を短縮し、建設コストも
大幅に低減することができる。
盛立て工事等において、コア盛立て面に仮設屋根を架け
ることで雨や雪を遮断することができれば、施工可能な
日数を増やすことができ、工期を短縮し、建設コストも
大幅に低減することができる。
【0007】而して、本発明の目的は、雨や雪の影響を
受け易い屋外の土木・建設工事に対して全天候型の施工
を可能とし、気球の浮力を利用した簡易な構造の仮設屋
根およびその架設方法を提供するものである。
受け易い屋外の土木・建設工事に対して全天候型の施工
を可能とし、気球の浮力を利用した簡易な構造の仮設屋
根およびその架設方法を提供するものである。
【0008】
【発明の構成】本発明の浮上屋根は、屋根シートと、こ
のシートを下方から支持するネットと、このネットに連
結され大気より密度の小さいガスが封入された気球と、
この気球の浮力に抗して前記ネットを地上に繋ぎ止める
係止手段とからなることを特徴としている。また、この
浮上屋根において、前記気球の頂部に前記屋根シートが
接合されていることが好ましく、屋根シートは空気膜構
造とすることが望ましい。
のシートを下方から支持するネットと、このネットに連
結され大気より密度の小さいガスが封入された気球と、
この気球の浮力に抗して前記ネットを地上に繋ぎ止める
係止手段とからなることを特徴としている。また、この
浮上屋根において、前記気球の頂部に前記屋根シートが
接合されていることが好ましく、屋根シートは空気膜構
造とすることが望ましい。
【0009】本発明の浮上屋根の架設方法は、気球の頂
部に浮上屋根を構成する屋根シートを具え、膨張時の同
気球の直径より小さい網目を有するネットを連結してな
る当該気球を浮上させた後、この気球を変形させ前記ネ
ットの網目を下方から上方へ通過移動させ、再び、網目
を逆方向へ通過移動させることにより前記屋根シートを
ネット上に展開し、次いで、この気球にガスを注入して
膨張させ、気球が網目の下方からネットを支持すること
からなることを特徴としている。
部に浮上屋根を構成する屋根シートを具え、膨張時の同
気球の直径より小さい網目を有するネットを連結してな
る当該気球を浮上させた後、この気球を変形させ前記ネ
ットの網目を下方から上方へ通過移動させ、再び、網目
を逆方向へ通過移動させることにより前記屋根シートを
ネット上に展開し、次いで、この気球にガスを注入して
膨張させ、気球が網目の下方からネットを支持すること
からなることを特徴としている。
【0010】
【実施例】以下、ゾーン型フィルダムのコア盛立て面に
仮設屋根を架ける場合を例にとって、本発明を詳細に説
明する。
仮設屋根を架ける場合を例にとって、本発明を詳細に説
明する。
【0011】図1は、ゾーン型ダム1のコア盛立て面
に、浮上屋根10を架設した状態を示す全体斜視図であ
る。ゾーン型ダム1は、中央部に土質材料からなるコア
部(遮水ゾーン)2を有し、その両側にパイピング防止
と力学的性質の急変を避けるためのフィルタ部(半透水
性ゾーン)3と、その更に外側に剪断強さの大きい粗粒
材料によるロック部(透水ゾーン)4が配設されて構成
される。前記したように、特にコア部の施工では、土質
材料の含水比管理が重要となるので、コア盛立て面に本
発明の浮上屋根10を架設するものである。
に、浮上屋根10を架設した状態を示す全体斜視図であ
る。ゾーン型ダム1は、中央部に土質材料からなるコア
部(遮水ゾーン)2を有し、その両側にパイピング防止
と力学的性質の急変を避けるためのフィルタ部(半透水
性ゾーン)3と、その更に外側に剪断強さの大きい粗粒
材料によるロック部(透水ゾーン)4が配設されて構成
される。前記したように、特にコア部の施工では、土質
材料の含水比管理が重要となるので、コア盛立て面に本
発明の浮上屋根10を架設するものである。
【0012】図1において、浮上屋根10は複数の浮上
屋根ユニット11を連結配置したものであり、コア部2
のほぼ全域(または一部)を覆う程度の大きさが必要で
ある。ダムの規模にもよるが、本実施例では、60m×
60mの大きさの浮上屋根10を用いた。
屋根ユニット11を連結配置したものであり、コア部2
のほぼ全域(または一部)を覆う程度の大きさが必要で
ある。ダムの規模にもよるが、本実施例では、60m×
60mの大きさの浮上屋根10を用いた。
【0013】先ず、浮上屋根ユニット11の構成を図2
に基づいて説明する。符号12は、ヘリウムガスや熱空
気等、大気より比重の小さいガスが封入された気球であ
る。気球12は地上に設置されたガス供給装置13とラ
イン15により接続されており、ガス供給装置13の端
部に設けたバルブ14にこのライン15を接続して、ガ
スの供給または回収を地上にて行うことができるように
なっている。
に基づいて説明する。符号12は、ヘリウムガスや熱空
気等、大気より比重の小さいガスが封入された気球であ
る。気球12は地上に設置されたガス供給装置13とラ
イン15により接続されており、ガス供給装置13の端
部に設けたバルブ14にこのライン15を接続して、ガ
スの供給または回収を地上にて行うことができるように
なっている。
【0014】気球12の頂部19には方形のシート20
の中央部が接合されている。シート20は雨や雪を防ぐ
ことができる程度の遮水性を具え、かつ、地上からの遠
隔操作で容易に広がり得る程度の柔軟性を具えているこ
とが必要である。この実施例では、展開させたり、収斂
させ易いように、空気膜構造としている。即ち、シート
20は地上に設置された圧縮空気供給装置23とライン
25により接続されており、圧縮空気供給装置23の端
部に設けたバルブ24にライン25を接続して、圧縮空
気の供給または排出を地上にて行うことができるように
なっている。
の中央部が接合されている。シート20は雨や雪を防ぐ
ことができる程度の遮水性を具え、かつ、地上からの遠
隔操作で容易に広がり得る程度の柔軟性を具えているこ
とが必要である。この実施例では、展開させたり、収斂
させ易いように、空気膜構造としている。即ち、シート
20は地上に設置された圧縮空気供給装置23とライン
25により接続されており、圧縮空気供給装置23の端
部に設けたバルブ24にライン25を接続して、圧縮空
気の供給または排出を地上にて行うことができるように
なっている。
【0015】シート20の大きさは、展開させた状態に
おいて後述するネット30の網目から抜け落ちることが
なく、ネット30により支持可能な大きさとする。
おいて後述するネット30の網目から抜け落ちることが
なく、ネット30により支持可能な大きさとする。
【0016】本実施例で用いたネット30は、前記した
ように全体の寸法が60m×60mの大きさであり、ま
た、膨張した気球12の直径より小さくて、シート20
の一辺の長さより短い、方形の網目を有している。この
網目の形状には格別の制限はなく、3角形や6角形等の
多角形状が採用可能であり、後記する仮設屋根構造の骨
組みを形成するものである。
ように全体の寸法が60m×60mの大きさであり、ま
た、膨張した気球12の直径より小さくて、シート20
の一辺の長さより短い、方形の網目を有している。この
網目の形状には格別の制限はなく、3角形や6角形等の
多角形状が採用可能であり、後記する仮設屋根構造の骨
組みを形成するものである。
【0017】ネット30は、所定長のワイヤ(またはロ
ープ等)31により気球12と結ばれている。従って、
シート20とネット30は、それぞれ気球12に連結さ
れており、気球12の浮力が作用する。
ープ等)31により気球12と結ばれている。従って、
シート20とネット30は、それぞれ気球12に連結さ
れており、気球12の浮力が作用する。
【0018】前記ネット30はワイヤやロープを網状に
組んで構成され、また、図1に示すように、ネット30
の周縁部が適宜の間隔をもってアンカー用のワイヤ33
により地上部に緊締されている。
組んで構成され、また、図1に示すように、ネット30
の周縁部が適宜の間隔をもってアンカー用のワイヤ33
により地上部に緊締されている。
【0019】続いて、上記浮上屋根10の架設方法を説
明する。
明する。
【0020】準備作業 地上の盛立て面にて、所定寸法に組立てたネット30の
下に、必要個数の浮上屋根ユニット11を仮置きする。
浮上屋根ユニット11はネット30の各網目に対して千
鳥状に配置することができるように、ワイヤ31にて気
球12とネット30とを締結する。
下に、必要個数の浮上屋根ユニット11を仮置きする。
浮上屋根ユニット11はネット30の各網目に対して千
鳥状に配置することができるように、ワイヤ31にて気
球12とネット30とを締結する。
【0021】屋根の浮上 ガス供給装置13を搭載したトラックを気球12の傍ま
で移動して、気球12のライン15をガス供給装置13
に接続し、バルブ14を開放して各気球12にヘリウム
ガスを注入する。各気球12の有する浮力の合計が、ネ
ット30の重量を加えた浮上屋根10の全体重量を越え
ると、シート20及びネット30は気球12と一体にな
っているので、浮上屋根10全体が空中に浮上する。浮
上屋根10はワイヤ33により地上に繋ぎ止められ、所
定高さの上空で停止する。
で移動して、気球12のライン15をガス供給装置13
に接続し、バルブ14を開放して各気球12にヘリウム
ガスを注入する。各気球12の有する浮力の合計が、ネ
ット30の重量を加えた浮上屋根10の全体重量を越え
ると、シート20及びネット30は気球12と一体にな
っているので、浮上屋根10全体が空中に浮上する。浮
上屋根10はワイヤ33により地上に繋ぎ止められ、所
定高さの上空で停止する。
【0022】気球位置の上方移動 浮上屋根10全体が空中に浮上した状態において、浮上
屋根ユニット11は、図3(a)左半部に示すように、
膨張した気球12が間にシート20を介在させて網目の
下方からネット30を支持している。
屋根ユニット11は、図3(a)左半部に示すように、
膨張した気球12が間にシート20を介在させて網目の
下方からネット30を支持している。
【0023】そこで、図3(a)右半部に示すように、
ライン15を通じて気球12からガスを少しずつ抜き、
気球12を変形させながらネット30の網目をくぐらせ
てネット30の上に気球12を上昇させる。このときネ
ット30は、図3(b)右半部に示すように、気球12
からワイヤ31により吊下される。
ライン15を通じて気球12からガスを少しずつ抜き、
気球12を変形させながらネット30の網目をくぐらせ
てネット30の上に気球12を上昇させる。このときネ
ット30は、図3(b)右半部に示すように、気球12
からワイヤ31により吊下される。
【0024】シートの展開 次に、圧縮空気供給装置23を搭載したトラックを浮上
屋根ユニット11の真下に移動させ、シート20のライ
ン25を圧縮空気供給装置23と接続して、バルブ24
を開放し、空気膜構造のシート20内に空気を供給し
て、シート20を広げる。この状態で、浮上屋根ユニッ
ト11をライン15等を用いて下方へ引き戻せば、シー
ト20がネット30の網目上に展開設置される。
屋根ユニット11の真下に移動させ、シート20のライ
ン25を圧縮空気供給装置23と接続して、バルブ24
を開放し、空気膜構造のシート20内に空気を供給し
て、シート20を広げる。この状態で、浮上屋根ユニッ
ト11をライン15等を用いて下方へ引き戻せば、シー
ト20がネット30の網目上に展開設置される。
【0025】浮上屋根ユニットの固定 上記操作の後、気球12にガスを再度注入して膨張させ
れば、図3(c)右半部に示すように、気球12はネッ
ト30の網目の下方からネット30を持ち上げるように
支持する。この状態において、ネット30は仮設屋根構
造の骨組みとなると同時に、気球12の垂直方向並びに
水平方向への移動を規制して、所定位置の網目に気球1
2とシート20を配設する役割を果たすものである。
れば、図3(c)右半部に示すように、気球12はネッ
ト30の網目の下方からネット30を持ち上げるように
支持する。この状態において、ネット30は仮設屋根構
造の骨組みとなると同時に、気球12の垂直方向並びに
水平方向への移動を規制して、所定位置の網目に気球1
2とシート20を配設する役割を果たすものである。
【0026】なお、空気膜構造のシート20内に圧縮空
気とともに水などの流体を少量注入しておくことによ
り、強風時においても気球12とシート20間およびシ
ート20相互間の密着性を確保することができる。
気とともに水などの流体を少量注入しておくことによ
り、強風時においても気球12とシート20間およびシ
ート20相互間の密着性を確保することができる。
【0027】浮上屋根の架設 全ての浮上屋根ユニット11に対して上記気球位置の上
方移動、シートの展開、および、浮上屋根ユニットの固
定からなるセットアップ作業を行うことにより、ネット
30の網目上において隣接するシート20の周縁部が重
なり合い、浮上屋根10の架設作業が完了する。
方移動、シートの展開、および、浮上屋根ユニットの固
定からなるセットアップ作業を行うことにより、ネット
30の網目上において隣接するシート20の周縁部が重
なり合い、浮上屋根10の架設作業が完了する。
【0028】風雨に対する対策 浮上屋根10を架設した後、所定の強さ以上の風が発生
した場合には、前記浮上屋根10の形態を変化させて、
天候状態に応じた最適のモードを採用することができ
る。
した場合には、前記浮上屋根10の形態を変化させて、
天候状態に応じた最適のモードを採用することができ
る。
【0029】図4には、浮上屋根10の形態変化を表す
3種のモードが図示されており、各モードは表1に示す
ように、空気膜構造のシート20内の封入流体および気
球12の位置が相違する。
3種のモードが図示されており、各モードは表1に示す
ように、空気膜構造のシート20内の封入流体および気
球12の位置が相違する。
【0030】
【表1】
【0031】Aモードは、前記展開設置された仮設屋根
の状態を示しており、定常状態である。Bモードは、晴
天の弱風または強風時において、浮上屋根ユニット11
を保護するためのモードであり、風抜き状態を示してい
る。このBモードでは、気球12からガスを若干抜き、
ネット30の網目をくぐらせることにより、浮上屋根ユ
ニット11が上昇して生じた僅かな隙間から風を逃がし
ている。
の状態を示しており、定常状態である。Bモードは、晴
天の弱風または強風時において、浮上屋根ユニット11
を保護するためのモードであり、風抜き状態を示してい
る。このBモードでは、気球12からガスを若干抜き、
ネット30の網目をくぐらせることにより、浮上屋根ユ
ニット11が上昇して生じた僅かな隙間から風を逃がし
ている。
【0032】Cモードは地上仮置状態を示す。台風等の
烈風時には、すべての気球12からガスを抜いてガス供
給装置13に回収し、浮上屋根10を地上に降下させる
ことが必要である。シート20内には水などの流体を注
入して、シート20によりコア盛り立て面を覆うと同時
に浮上屋根ユニット11をコア盛り立て面に定置させる
ための錘とする。烈風時においても雨天でなければ、浮
上屋根ユニット11を作業の妨げにならない適当な場所
に移動して、盛立て作業を続行することができる。な
お、この際、気球12中に水などの流体を注入して錘と
してもよい。
烈風時には、すべての気球12からガスを抜いてガス供
給装置13に回収し、浮上屋根10を地上に降下させる
ことが必要である。シート20内には水などの流体を注
入して、シート20によりコア盛り立て面を覆うと同時
に浮上屋根ユニット11をコア盛り立て面に定置させる
ための錘とする。烈風時においても雨天でなければ、浮
上屋根ユニット11を作業の妨げにならない適当な場所
に移動して、盛立て作業を続行することができる。な
お、この際、気球12中に水などの流体を注入して錘と
してもよい。
【0033】以上、コア盛り立て面における風と雨の有
無に対する、浮上屋根10のモード別の適用状態は、概
ね表2に示すとおりである。
無に対する、浮上屋根10のモード別の適用状態は、概
ね表2に示すとおりである。
【0034】
【表2】
【0035】突発的な風により、浮上屋根10全体に働
く揚力(屋根10の下に入り込んだ風が屋根10を持ち
上げようとする力。)や抗力(横風などが屋根10の外
側面にかかることで発生する力であり、その投影面積に
相当する横荷重に等しい。)に対しては、ネット30の
周縁部に取着したワイヤ33により繋ぎとめることとし
ている。
く揚力(屋根10の下に入り込んだ風が屋根10を持ち
上げようとする力。)や抗力(横風などが屋根10の外
側面にかかることで発生する力であり、その投影面積に
相当する横荷重に等しい。)に対しては、ネット30の
周縁部に取着したワイヤ33により繋ぎとめることとし
ている。
【0036】なお、フィルダムの施工では盛立て面の上
昇に伴い、盛立て面はダム軸方向(左右岸方向)に長
く、上下流方向に狭くなってくるが、前記ワイヤ33
を、図1に示すように、ダンプトラック等の移動可能な
重機34に締結しておくことで、この重機34の移動に
より、浮上屋根10全体を盛立て面上で移動させること
が可能となる。また、浮上屋根ユニット11を適宜追加
することによって、このような盛立て面の形状の変化に
も対応することができる。
昇に伴い、盛立て面はダム軸方向(左右岸方向)に長
く、上下流方向に狭くなってくるが、前記ワイヤ33
を、図1に示すように、ダンプトラック等の移動可能な
重機34に締結しておくことで、この重機34の移動に
より、浮上屋根10全体を盛立て面上で移動させること
が可能となる。また、浮上屋根ユニット11を適宜追加
することによって、このような盛立て面の形状の変化に
も対応することができる。
【0037】上記実施例によれば、フィルダムのコア盛
立て工事等において、コア盛立て面に仮設屋根を架ける
ことで降雨時あるいは降雪時の盛立て工事が可能とな
る。従って、施工可能な日数を従来より増やすことがで
き、工期を短縮し、以て建設コストの大幅な低減が可能
となる。
立て工事等において、コア盛立て面に仮設屋根を架ける
ことで降雨時あるいは降雪時の盛立て工事が可能とな
る。従って、施工可能な日数を従来より増やすことがで
き、工期を短縮し、以て建設コストの大幅な低減が可能
となる。
【0038】上記浮上屋根10は、気球12、シート2
0およびネット30を主な構成要素とするものであり、
構造が簡易であり大規模なダム工事等においても、設備
費が低廉であり経済的に有利である。
0およびネット30を主な構成要素とするものであり、
構造が簡易であり大規模なダム工事等においても、設備
費が低廉であり経済的に有利である。
【0039】上記浮上屋根10の架設方法は組立て作業
も単純であり、操作が容易であることから、現場作業と
して採用し易い。さらに、風に対する対策も万全であ
り、安全性に対する信頼度も高い。
も単純であり、操作が容易であることから、現場作業と
して採用し易い。さらに、風に対する対策も万全であ
り、安全性に対する信頼度も高い。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る浮上屋根は、気球の浮力を
利用した仮設屋根であり、フィルダムのコア盛立て工事
だけにとどまらず、雨や雪の影響を受け易い屋外の土木
・建設工事に対して簡易な構造の全天候型の施工を可能
とするものである。
利用した仮設屋根であり、フィルダムのコア盛立て工事
だけにとどまらず、雨や雪の影響を受け易い屋外の土木
・建設工事に対して簡易な構造の全天候型の施工を可能
とするものである。
【0041】さらに、建設工期の短縮により、現場の労
働時間の短縮や建設現場における職場環境の改善などの
波及効果も期待することができる。
働時間の短縮や建設現場における職場環境の改善などの
波及効果も期待することができる。
【図1】フィルダムのコア盛立て面に、本発明の浮上屋
根を架設した状態を示す全体斜視図である。
根を架設した状態を示す全体斜視図である。
【図2】上記浮上屋根を構成する浮上屋根ユニットの斜
視図である。
視図である。
【図3】上記浮上屋根の架設手順を説明するための側面
図である。
図である。
【図4】浮上屋根の形態変化を説明するための側面図で
あり、Aモードは定常状態、Bモードは風抜き状態、C
モードは地上仮置状態である。
あり、Aモードは定常状態、Bモードは風抜き状態、C
モードは地上仮置状態である。
1 ゾーン型ダム 10 浮上屋根 11 浮上屋根ユニット 12 気球 13 ガス供給装置 15 (ヘリウム)ガスライン 20 (屋根)シート 30 ネット 31 連結手段としてのワイヤ 33 係止手段としてのワイヤ
Claims (3)
- 【請求項1】 屋根シートと、このシートを下方から支
持するネットと、このネットに連結され大気より密度の
小さいガスが封入された気球と、この気球の浮力に抗し
て前記ネットを地上に繋ぎ止める係止手段とからなる浮
上屋根。 - 【請求項2】 前記屋根シートを空気膜構造としてなる
請求項1記載の浮上屋根。 - 【請求項3】 気球の頂部に浮上屋根を構成する屋根シ
ートを具え、膨張時の同気球の直径より小さい網目を有
するネットを連結してなる当該気球を浮上させた後、こ
の気球を変形させ前記ネットの網目を下方から上方へ通
過移動させ、再び、網目を逆方向へ通過移動させること
により前記屋根シートをネット上に展開し、次いで、こ
の気球にガスを注入して膨張させ、気球が網目の下方か
らネットを支持することからなる浮上屋根の架設方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11544393A JP2834386B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 浮上屋根およびその架設方法 |
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