JP2834318B2 - 三次元画像処理方法 - Google Patents

三次元画像処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、三次元空間上で得られたボクセルデータを
用いて三次元表示する装置に係り、特に、断層像を得る
医用診断装置(MRI,X線CT)で撮影した複数の断層像か
ら三次元データを用いた三次元表示装置に有効な三次元
画像処理方法に関する。
〔従来の技術〕
発明に近い公知例として、以下の文献1)〜6)があ
る。
1)日経コンピュータグラフィックス,1988年12月号,
第152頁から第163頁 2)アイ・イー・イー・トランザクション・オン・メデ
ィカルイメージング,第8巻,第3号,第217頁から第2
26頁,1989(IEEE,Trans.on Medical Imaging,vol.g,No.
3,pp.217−226,1989) 3)ラジオロジー1989年4月号,第277頁〜第280頁(Ra
diology April,1989 pp.287〜pp.280) 4)アイ・イー・イー・トランザクション・オン・メデ
ィカルイメージング,第9巻,第2号,第177頁から第1
83頁,1990(IEEE,Trans.on Medical Imaging,vol.9,No.
2,pp.177−183,1990) 5)アズリール・ローゼンフェルド著(長尾真訳)「デ
ィジタル・ピクチャー・プロセッシング」第335頁(Azr
iel Rosenfeld,「Digiatl Picture Processing」pp.33
5) 6)特願平1−278383 三次元画像データは、ボクセルとよばれる小立方体の
集合で表わされる。二次元画像データの場合はそのまま
CRT表示すれば人間の目で見える形になっているの対
し、三次元画像の場合はなんらかの形で二次元データに
射影し、三次元的に知覚できる形に変換する処理が必要
である。三次元から二次元に変換する透視変換,陰にな
って見えない部分を消去する隠面消去,立体感を出すた
め陰影をつけるシェーディングからなり、コンピュータ
グラフィクス(CG)の分野で発展してきた技術である。
医用三次元表示処理も当初は、CGの技術がそのまま利用
された。しかし、人間が定義した三次元形状を操作する
CG技術は、人体のような自然物を操作する場合には、適
しておらず、ボリュームレンダリングという手法で発展
をとげている。
文献1)2)にボリュームレンダリング手法が、詳し
く論じられている。
その要点は、表示したい対象の境界面を抽出するので
はなく、各ボクセルにおける濃度を基に、三次元空間上
でボクセルを微小面(ボクセル面)としてとらえた時、
面の傾きと前のボクセルを透過した光から各ボクセルで
反射した光を求め、その総和として三次元表示するとい
うものである。
第4図を用いて、具体的に説明する。
視線上i番目のボクセルVi401の0から1までに正規
化された濃度値をfi402、ボクセルViへの入射光をLi403
とする。ボクセルViに入射した光はボクセルを通過する
際、ボクセル濃度fiに応じて反射し、減衰する。ボクセ
ルViへの入射光Liと透過光Li+1の関係は次式で示され
る。
Li+1=Li(1−k(fi)) …(1) kはボクセルの減衰率を表す関数である。この関数を
いかにとるかで画質は変化する。いま、簡単なモデルと
して、ボクセルの減衰率がボクセル濃度に比例すると仮
定する。ある濃度β以上は、完全に境界と考えられるの
で光は透過しない。また、三次元表示する部分の手前に
存在するノイズによって光が減衰するので、それを避け
るためにノイズカットレベルαを導入する。以上をまと
めると次式の様になる。
(1)式から明らかなように、入射光Liの値は物体の
表面では大きく、物体内へ進入するに従い減衰してい
く。入射光とボクセル濃度との積Li・fiを視線上の全ボ
クセルについて積算した値Σ{Li・fi}は物体表面のボ
クセルを反映させた投影データとなる。シェーデング
は、入射光とボクセル面のなす角に応じ、上式の積項Li
・fiに重み付けを行うことによって行う。ボクセル面と
はボクセルを一つの微小な平面としてとらえたものであ
る。一般に用いられるボクセル面の傾きの計算法は、gr
ay−level gradientsと呼ぶ手法である。これは三次元
空間上の3方向隣接ボクセルの濃度間の傾きをそのボク
セルの空間的な傾きとして利用するものである。−1か
ら1までの値に正規化したベクトル濃度勾配は次式で示
される。
Ni=▽fi/|▽fi| …(3) ここで ▽fi=({f(xi+1,yi,zi)−f(xi-1,yi,zi)}, {f(xi,yi+1,zi)−f(xi,yi-1,zi)}, {f(xi,yi,zi+1)−f(xi,yi,zi-1)} 今、光は視線方向と同一の方向から入ってくる場合を
考えると、z方向のみを考えれば良いのでNiは、次式の
ように簡単に表される。
以上より投影面上の輝度g(x,y)404は次式で示され
る。
g(x,y)=Σ{fi・Li・cosθ} …(5) 一方、抽出した表面の1ボクセルのみに対して計算す
る手法は、サーフェスレンダリングと呼ばれる。
いずれにしてもこれらのレンダリング手法において、
体表面の内側にある特定臓器を三次元表示するために
は、まず、その臓器を三次元ボクセルデータから抽出し
ておくことが必要である。しかし、臓器抽出を自動的に
行う方法はいまだ確立しておらず、正確を記すには、人
手によって各スライス像ごとに臓器の輪郭を入力すると
いった方法を取らなくてはならない。しかし、三次元デ
ータは非常に膨大の量であるため、リアルタイム性が要
求される臨床現場においてこのような人手による臓器抽
出は非実用的である。
この問題を解決するため提案されている領域抽出の方
法としては、 特定領域の輪郭を抽出する方法 特定領域の内部の点を含め領域抽出する方法 という二つの代表的なアプローチがある。
の方法は、たとえば、文献3)4)にて論じられて
いる。画像の局所的な濃差を参照して臓器の輪郭を抽出
する方法であり、医用画像処理では従来から多く用いら
れてきた方法である。
の方法は、文献5)にて論じられている。まず、関
心領域内のある一点を選び、ついでそれに連結している
点を隣接画素の中から探しだし、その連結点を取り込ん
で領域を拡張することにより関心領域を抽出するもので
ある。一般的にはリージョングローイング(Region Gro
wing)と呼ばれている。連結性を判定する条件(以下、
拡張条件)として、通常は領域全体の平均濃度と候補点
との濃度差という大域的濃度条件が用いられる。また、
文献6)では、大域的濃度条件に加え、局所的濃度変化
であるエッジ情報を組み合わせた上、リージョングロー
インを二次元空間ではなく、三次元空間で行ない、より
信頼性の高い領域抽出を実現している。
一方、文献1)2)では、三次元画像の編集(付加,
修正,消去等)に触れている。文献1)ではマットボリ
ュームと呼ばれるボクセルと1対1に対応したマトリッ
クスを用いて、切り出したい部分に値を入れておき、マ
トリックス演算で行う方式について述べている。文献
2)では、ボリュームレンダリング手法を用いたインタ
ラクテブな三次元画像処理システム(ANALIZE)につい
て詳しく述べている。この中には、三次元画像を編集す
る機能として、三次元的な部分を切断する機能について
も触れられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術において、文献3)〜6)のいずれの抽
出方法も、対象とするボクセルデータの性質に依存する
ため、完全な抽出を行なうことは困難である。常に臨床
的に十分な画像を得るために、抽出の過程に人間の介在
は不可欠である。しかし、抽出の途中に対話的な画像デ
ータを編集することについては、配慮されていなかっ
た。一方、文献1)2)では、三次元画像の編集につい
て触れられているが、最終結果に対しての編集機能であ
り、領域抽出などの処理過程の三次元透視変換表示に関
しては触れらいない。このため、いずれの方法でも三次
元画像を対象とした効率的な抽出処理が実施できなかっ
た。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、三次元画像の
抽出過程を直感的に把握できるような表示を行ない、抽
出過程の不十分なところで人間が自由に介在し、対話的
な操作性の良い処理過程の編集手段を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、以下の手法を設けた。
(1) 抽出の過程を三次元透視変換してモニタする手
段 (2) その三次元透視変換画像を任意方向から観察す
る手段 (3) その三次元透視変換画像を指定した断面と組み
合わせて観察する手段 (4) 抽出過程の任意の時点で抽出処理を中断する手
段 (5) 中断した時点より処理ステップを1ステップず
つ前に、あるいは後に進める手段 (6) 中断時点で抽出結果を三次元画像上で編集する
手段 (7) 中断時点で抽出結果を二次元画像上で編集する
手段 (8) 編集結果を直ちに三次元画像上に反映させる手
段 (9) 編集後、抽出処理を再開する手段 〔作用〕 それぞれの手段のつぎの作用により、目的が達せられ
る。
(1) 連結拡張処理であるリージョングローイングを
三次元的に行なう場合、その抽出の過程がうまく行って
いるか否かは、二次元断層像として処理途中の結果を表
示しても、多数の断層像にまたがるため直ちに判断でき
ない。代表的な三次元データでは、1283といったボクセ
ルデータを扱う。この場合、二次元断層像としてみると
128枚の画像となり、同時に表示して抽出が的確か否か
を判断することは不可能である。それに対して抽出途中
結果を三次元透視変換表示することで、1枚の画像のみ
に注視しておれば良く、直感的に抽出の出来を把握する
事が可能となる。
(2) 三次元の抽出領域を三次元表示で観察する場
合、ある方向から見るとうまく行っている場合でも、他
の方向から見るとだめな場合もある。そこで、抽出処理
実行中あるいは、抽出処理中断中の状態に、様々な方向
から観察する手段をもつことが必要不可欠である。これ
により抽出処理がうまく行っていない場合でも、その場
所を詳細に分析することが可能となる。
(3) 三次元の抽出領域を三次元表示で観察する場
合、その抽出領域の周辺の状態が分からない。そのため
抽出が小さめに行なわれていた場合、一見抽出がうまく
いったように見える場合がある。このような問題を避け
るため、抽出結果と元のボクセル画像の任意方向の断面
を組み合わせて表示する手段をもたせた。断面上で正確
な領域の境界が周辺の組織と一緒に見え、的確な抽出精
度の判断が行なえるようになる。
(4) 抽出が完全に自動的にうまく行く場合は少な
い。このため抽出過程を観察する手段だけでなく、自動
抽出過程を途中で止める手段があると、人間が介在して
データを編集する事が可能になり、抽出を効率良く行な
うことが可能となる。
(5) 抽出途中で処理を止める場合、必ずしも操作し
た人間の思うとおりの所で止められるとは限らない。従
って抽出の処理ステップを1つずつ前、あるいは後に進
める手段を設けることにより、一旦中断した処理を細か
く制御して目的とする処理ステップに到達できるように
なる。
(6) 中断した抽出段階で、三次元透視表示されてい
る抽出結果を観察し、本来拡張されてはいけない領域
に、領域が拡張されている場合には、その位置を三次元
透視変換画像上指定し、その三次元画像上で編集する手
段があれば、直感的なデータ修正が行なえ、抽出を効率
良く行なうことが可能となる。
(7) 同様に、中断した抽出段階で、三次元透視表示
されている抽出結果を観察し、本来拡張されてはいけな
い領域に、領域が拡張されている場合には、その位置を
三次元透視変換画像上指定し、その後は、その指定した
領域を含む任意方向の三次元断面上で編集する手段があ
れば、抽出を正確に行なうことが可能となる。
(8) 三次元あるいは二次元画面上で編集した結果
は、直ちに三次元透視変換画面上に反映させることで、
容易に編集した結果が適切であったか否かを判断するこ
とが可能となる。
(9) 以上の編集処理を行なった後、中断した抽出処
理を再開し、残りの領域を自動抽出することで、抽出は
完了する。もし、再度抽出がおかしくなれば抽出処理を
中断し、前に述べた同じ手段を用いて編集処理を行な
う。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第8図により説
明する。
第2図は、本発明を適用する装置のシステム構成の一
例を示した図である。
第2図において、バス200は、各装置要素間でのデー
タ転送を行なう際に用いる伝送路である。
I/O装置201は、外部のX線CT,MRI等の断層イメージン
グ装置からの画像信号を取り込み、メモリ202に格納す
る装置である。
メモリ202はI/O装置201より入ってきた三次元画像も
しくは、連続した二次元断層像を格納するエリアであ
る。
CPU203は、メモリ202のデータに対して領域抽出及び
三次元透視変換表示処理を行ない、その結果をVRAM204
上に格納する。オペレータによってCRT205上でマウス20
6を用いて抽出処理が中断されると、マウス206からの入
力に応じて、後で述べる画像編集処理を行う。
VRAM204は、CPU203によって処理した結果を格納する
表示用メモリである。
CRT205はVRAM204上の抽出結果の三次元透視変換画像
の表示、三次元画像編集位置の指示、及び三次元編集画
像の表示のために用いる。
マウス206は、CRT205のカーソルを移動させて編集位
置を指示したり、処理を実行するタイミングを指示する
のに用いる。
第3図は、本発明を適用する装置の他のシステム構成
の例を示した図である。演算処理を高速に行なうために
マルチプロセッサ構成にしている。第2図と異なる構成
部分についてのみ説明する。
バス300は、CPUA302とメモリA303の間でローカルなデ
ータ転送を行なう伝送路である。
バス301は、CPUB302とメモリB303の間でやはりローカ
ルなデータ転送を行なう伝送路である。
CPUA302は、メモリA303のデータに対してバス300を通
じて領域抽出及び、マウス206等で指示された画像編集
処理を行ない、その結果をメモリA303上に格納する。そ
の後、バス200を通じてメモリB305に転送する。
メモリA303は、CPUA302のローカルメモリで、CPUA302
の演算入力及び出力を格納するために用いる。
CPUB304は、メモリB305のデータに対してバス301を通
じて三次元透視変換表示処理を行ない、その結果をメモ
リB305上に格納する。その後、バス200を通じてVRAM204
に転送する。
メモリB305は、CPUB304のローカルメモリで、CPUB304
の演算入力及び出力を格納するために用いる。
それ以外の構成要素は、第2図と同じである。
第1図は、第2図のCPU203における処理手順の一例を
示すフローチャートである。本フローチャートに従って
実施例を説明する。ここでは、MRIの三次元撮影法を用
いて得た頭部像の脳領域を抽出する例について説明する
が、他の部位や、画像種類に対してももちろん適用可能
である。なお、本実施例ではMRIによって撮影された頭
部三次元ボクセルデータを、I/O装置201を通じて、メモ
リ202にすでに格納されている状態になっているものと
して説明する。
[ステップ101] 三次元抽出するアルゴリズムに必要なパラメータをマ
ウス206を用いて設定する。例えば、リージョングロー
イングに基づく領域拡張手法の場合には、開始点及び拡
張停止条件をマウス206を用いて設定する。
[ステップ102] 内部テーブルの初期処理を行なう。例えば、領域の拡
張を行なう際に、「親」となるボクセルの座標を入れて
おく「親テーブル」に前ステップ101で入力して開始点
を登録すると共に、子となるボクセルの座標を格納する
「子テーブル」をクリアする。また、領域拡張段階をi
で表わし、それを1にする(i=1)。
[ステップ103] 第i段階の拡張処理を行なう。その具体的な処理内容
に関しては、第5図を用いて、後で詳しく述べる。
[ステップ104] メモリ202にある拡張途中結果の三次元抽出領域誠CPU
203を用いてボリュームレンダリング等の三次元透視変
換処理し、その結果をVRAM204に転送してCRT205上に表
示する。ボリュームレンダリングの実施例については、
第9図を用いて、後に述べる。
[ステップ105] 処理中断の指示がマウス206により入ってきていない
か、CPU203でチェックする。入っていれば[ステップ10
6]へ進む。入っていなければ[ステップ107]へ進む。
[ステップ106] CPU203で処理中断の要求の目的が何であるかを調べ
て、その目的に応じて処理を行なう。その内容について
は、後で詳しく述べる。
[ステップ107] CPU203で拡張停止条件を満たしているか否かを調べ
て、満たしていれば抽出処理を終了する。
[ステップ108] CPU203でi=i+1として、[ステップ103]にもど
って繰り返す。
上記[ステップ107]において処理終了と判定された
後、もちろん後処理を付加して抽出結果を修正しても良
い。
同様な処理を、第3図のマルチプロセッサ構成を用い
ても実施可能である。例えば、CPUB304で三次元透視変
換に関する処理を行ない、CPUA304でその他の処理を行
うことが可能である。
次に、[ステップ103]の領域拡張処理の実施例につ
いて、第5図のフローチャートを用いて説明する。
[ステップ501] 親テーブルに登録されている「親」の中から一つを取
りだし、以下の処理を行なう。
[ステップ502] [ステップ501]で取りだした「親」に隣接する画素
の中から一つを取りだし、以下の処理を行なう。
[ステップ503] 前ステップ502で取りだした「親に隣接する画素」が
「子」になり得るかどうかを評価する。なお、「子」に
なり得るのは次の条件を満たしているときとする。
過去に評価されていないこと 拡張受理条件(局所的,大域的)を満たしているこ
と 「子」になり得るときは次の[ステップ504]へ、な
り得ないときは[ステップ506]へジャンプする。
[ステップ504] 隣接画素を「子」として「子」テーブルに登録する。
[ステップ505] 「子」の点をメモリ202に書き込む。
[ステップ506] 「親に隣接する画素」の全てについて評価が終われば
[ステップ507]へ。そうでなければ[ステップ502]に
戻り、今とは別の「親に隣接する画素」について調べ
る。
[ステップ507] 処理した「親」を「親テーブル」から消去する。
[ステップ508] 「親テーブル」を参照して「親」が残っているか調べ
る。残っていれば[ステップ501]に戻り、そうでなけ
れば[ステップ509]に進む。
[ステップ509] 「子テーブル」の内容を「親テーブル」に移す。すな
わち、作成された「子」をすべて「親」として登録しな
おす。このあと、「子テーブル」を初期化して終了す
る。
なお、上記実施例において、各領域がどの段階で拡張
されたかを示す内容を拡張経時変化テーブルとしてメモ
リに保存しておくと、処理を後戻りさせる「undo処理」
を実現することができる。この特徴を生かした処理につ
いては、後で述べる。また、三次元表示画像上もしく
は、サジタル,コロナル,トランス方向といった二次画
像上でポインティングデバイスを用いて指定したとき、
その指定された領域がどの段階で抽出されたものである
かを示すことができる。
次に、[ステップ104]のボリュームレンダリング計
算の実施例を第9図のフローチャートを用いて説明す
る。三次元画像のサイズは、x方向はm、y方向はn、
z方向はlとする。
[ステップ900] 以下のステップを、y方向に1からmまで、繰り返
す。終了すれば、全体の処理を終了する。
[ステップ901] 以下のステップを、x方向に1からnまで、繰り返
す。終了すれば、[ステップ900]に戻る。
[ステップ902] 反射光の総和を計算するワーク変数Qと透過光の変数
Lの初期化を行う。具体的には、Q=0.0,L=1.0とす
る。
[ステップ903] 以下のステップを、z方向に1からlまで、繰り返
す。終了すれば、[ステップ912]に行く。
[ステップ904] p=f(x,y,z)とする。
[ステップ905] pが、ノイズカットレベルαより小さければ、[ステ
ップ903]に戻る。
[ステップ906] z方向の前後隣接ボクセルの差分f(xi,yi,zi+1)−
f(xi,yi,zi-1)を求める。
[ステップ907] 差分値が、0.0以下ならば、[ステップ903]に戻る。
[ステップ908] 差分値を正規化し、その値をGとする。
[ステップ909] 反射光の総和を更新する(Q=L*G*P+Q) [ステップ910] 透過光Lを更新する(L=L*(1.0−不透明度K*
P))。
[ステップ911] 透過光Lがあらかじめ定めた透過光カットレベル以下
ならば、[ステップ903]を終了し、[ステップ912]に
行く。そうでなければ、[ステップ903]に戻る。
[ステップ912] Q投影面上の輝度とする(g(x,y)=Q)。その
後、[ステップ901]に戻る。
次に[ステップ106]の編集処理の実施例について幾
つか述べる。
<1段階ずつ前進> [ステップ105]で中断したタイミングは必ずしも操
作者の意図と一致しているわけではなく、細かく見るに
は領域拡散を1段階ずつ進めていく機能が必須である。
1段階前に進めるには、[ステップ106]の中で、再度
中断を指示された状態にセットしてから、編集処理を抜
け、ステップ107,108,103,104,105の処理を行なった
後、[ステップ106]に戻る処理を行う。
<1段階ずつ後退> 前進と同様に、拡張を1段階ずつ後退できれば非常に
操作性を向上できる。これを実現するには、前に述べた
各領域がどの段階で抽出されたかを示す拡張経時変化テ
ーブルの情報に基づいて該当する領域を抽出範囲から削
除し、その結果を三次元透視変換することでいわゆるボ
クセル拡張の「undo処理」を実現できる。もちろん、こ
のとき1段階ずつだけでなく複数段階ずつ後退したり、
あるいは直接何段階目といった指定をしても良い。
<三次元画像上での編集指示> 抽出領域が順次拡張され、三次元透視変換画像上でモ
ニタしていて、本来拡張されては困る領域まで拡張され
ていった場合には、それが分かった時点で一旦処理を中
断し、[ステップ106]の編集モードに入る。そこで、
必要ならば、拡張処理を適切な段階まで後退させて、不
要領域に拡張され始めた時点に戻す。以下その後の処理
例について第6図を用いて説明する。
[ステップ601] 三次元透視変換画像を回転させて見やすい方向に視点
を設定する。具体的には、三次元画像データの一般的な
補間処理(最近傍近似,線形補間、あるいはcubic conv
olution補間など)を行って三次元画像データを回転さ
せ、その後、ボリュームレンダリングを行う。
[ステップ602] 不適当な拡張が始まる位置をマウス206を用いて三次
元透視変換画像上で指示される。
[ステップ603] 指示された位置における表面の三次元空間上の位置を
求める。具体的には、指示された画素の座標からボクセ
ルの(x,y)座標を決定する。平行透視変換の場合に
は、画面上で(x,y)座標が決定されるとそれがそのま
まボクセル上のラインの(x,y)座標になる。視点から
ライン上のボクセル値を順次見ていき、あらかじめ定め
たしきい値を超えた位置が表面位置となる。この座標を
(x,y,z)とする。この計算のかわりに、三次元透視変
換時に画像上の各位置における表面の座標をテーブルと
して保存しておいても良い。
[ステップ604] その位置(x,z,y)のボクセルの値f(x,y,z)を、領
域拡張の対象にならない値(たとえば、ゼロ)に設定
し、再度その部分のみ三次元透視変換表示する。
[ステップ605] 親テーブルから該当する「親」を削除する。
なお、上記[ステップ604]において、当然、変更し
た部分だけでなく全体を対象として三次元表示しなおし
ても良い。
<二次元画像上での編集指示> 二次元画像上での編集指示について述べる。三次元画
像上で編集内容を指示するかわりに二次元画像上で細か
く行なっても良い。以下その処理例について第7図の用
いて説明する。
[ステップ701〜702] ステップ601〜602と同じ。
[ステップ703] ステップ603と同様に指示された位置における表面の
三次元空間上の位置(x,y,z)を求める。その後、その
位置を含むデジタル,コロナル,トランス方向のいずれ
かあるいは、3枚すべての画像を表示する。
[ステップ704] 表示した二次元画像上で、不適当な拡張が始まる位置
(x′,y′,z′)を正確に指示する。
[ステップ705] 指定された位置(x′,y′,z′)のボクセルの値f
(x′,y′,z′)を、領域拡張の対象にならない値(た
とえば、ゼロ)に設定し、再度その部分のみ三次元透視
変換表示する。
[ステップ706] 親テーブルから該当する「親」を削除する。
なお、[ステップ703]において、操作者が指示した
任意方向の断面を表示しても良い。
<切断面との合成表示> 抽出された結果が適切であるか否かを三次元透視変換
画像上で容易に判断できるように、切断面と三次元透視
変換画像を合成して表示する処理の例について第8図を
用いて述べる。
[ステップ801] ステップ601と同じ。
[ステップ802] マウス206で三次元像を切断する位置を、マウス206を
用いて切断面で指定する。切断面の指定方法には、色々
あるが、例えば、切断面のX軸,Y軸,Z軸回りの回転角度
をそれぞれ指示する。
[ステップ803] 切断面を境に、視点より手前側は、それまでに抽出し
た領域を、また、切断面より奥側はオリジナルの三次元
画像をセットした新たな合成データを作成する。その合
成データに対して三次元透視変換画像を表示すること
で、切断面を境界として手前は、抽出した領域の三次元
透視変換画像が、奥側は、体表面及び抽出領域の三次元
像と重ならずに見える領域の切断面を表示する、合成表
示を行なう。
[ステップ804] 切断位置が良いと判断されれば終了。良くなければ
[ステップ802]に戻る。
以上の処理において、切断面より奥側の領域は、切断
面だけを表示し、切断面を含む体表面を表示しなくても
良い。
〔発明の効果〕
三次元の内部臓器を三次元表示する際には、抽出処理
が必須になるが、従来の人手を用いる方法では、時間が
かかりすぎた。一方、自動的に行なう方法では、抽出精
度に問題があった。本発明では、基本的には、自動抽出
を行なわせ、どうしてもうまく行かないところを三次元
表示で直感的に把握して、人間が介入できるようにした
ので抽出精度を保ちながら、効率良く抽出が可能となっ
た。さらに、本発明によれば、透視変換処理を局所的な
処理で済ますことができるため、インタラクティブかつ
リアルタイムに画像の一部を編集する高速処理が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のフローチャート、第2図は本
発明を適用するシステムの構成図の一例、第3図は本発
明を適用するシステムの構成図の他の一例、第4図は三
次元データ上で行うボリュームレンダリングの概要を示
した図、第5図はリージョングローイングによる領域拡
張の一実施例、第6図は本発明の三次元画像上での編集
処理行う実施例のフローチャート、第7図は本発明の二
次元画像上での編集処理行う実施例のフローチャート、
第8図は、切断面と三次元透視画像の合成表示を行なう
実施例のフローチャート、第9図は、ボリュームレンダ
リングの実施例のフローチャート、MRI画像を処理した
結果の写真である。
フロントページの続き (72)発明者 横山 哲夫 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株式会社日立製作所システム開発研究所 内 (56)参考文献 特開 平4−99562(JP,A) 東芝レビュー、44[5](1989)P 406−409 電子情報通信学会春季全国大会講演論 文集、分冊7(1990年3月)p290 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 1/00 G06T 15/00 A61B 6/03

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元ボクセルデータを二次元ディスプレ
    イに透視変換表示する機能を持つ画像処理装置における
    三次元画像処理方法であって、三次元ボクセルデータに
    対して領域を抽出する処理と、その実行中の抽出処理の
    過程を三次元透視変換表示して三次元画像上でモニタす
    る処理を有し、上記モニタする処理は、三次元表示され
    た抽出処理途中の結果に対して指示を与え、内部処理を
    変更する処理を含む三次元画像処理方法。
  2. 【請求項2】上記抽出処理が連結領域拡張処理であり、
    上記連結領域拡張処理は、拡張過程を三次元透視変換処
    理する処理と、その結果に対して、任意のタイミングで
    処理を停止させる処理と、その時点で内部処理に指示を
    与えてデータを修正する処理と、上記停止処理を解除し
    て連結領域拡張処理を再開する処理とからなる請求項1
    に記載の三次元画像処理方法。
  3. 【請求項3】上記三次元透視変換する処理は、三次元表
    示された抽出処理途中の結果を任意の方向から観察する
    処理を含む請求項2に記載の三次元画像処理方法。
  4. 【請求項4】上記停止させる処理は、処理を停止させた
    後、1段階ずつ処理を進めたり、戻したりする処理を含
    む請求項2に記載の三次元画像処理方法。
  5. 【請求項5】上記停止させる処理は、処理を停止させた
    後、三次元表示された抽出途中の結果上で、ポインティ
    ングデバイスを用いて連結拡張領域を編集し、その結果
    を直ちに三次元画像上に反映させる処理を含む請求項2
    に記載の三次元画像処理方法。
  6. 【請求項6】上記停止させる処理は、処理を停止させた
    後、抽出途中結果をサジタル、コロナル、あるいはトラ
    ンス方向の二次元断面として表示し、ポインティングデ
    バイスを用いてその断面上で連結拡張領域を編集し、そ
    の結果を同時に三次元画像上に反映させる処理を含む請
    求項2に記載の三次元画像処理方法。
  7. 【請求項7】上記抽出する処理は、処理を停止させた
    後、直接に指定した処理段階に戻す処理を含む請求項2
    に記載の三次元画像処理方法。
  8. 【請求項8】上記抽出する処理は、処理を停止させた
    後、三次元表示された抽出処理途中の結果もしくは、サ
    ジタル、コロナル、トランス方向、あるいはそれら複数
    種類の二次元断面として表示した結果に対して、ポイン
    ティングデバイスを用いて表示した部分が、どの段階で
    拡張したかを表示する処理を含む請求項2に記載の三次
    元画像処理方法。
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