JP2831907B2 - 回路しや断器の端子台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回路しや断器における
外部機器からの外部リード線及び回路しや断器の内部に
収納された付属装置からの内部リード線を接続するため
の回路しや断器の端子台に関する。

【０００２】

【従来の技術】回路しや断器の内部に収納される付属装
置としては、補助スイッチ，警報スイッチ，電圧引外し
装置及び不足電圧引外し装置等がある。

【０００３】通常、付属装置が補助スイッチ及び警報ス
イッチのみで構成される場合には、これらスイッチを回
路しや断器内に収納し、内部からリード線のみが引出さ
れるが、電圧引外し装置の場合には、引外しコイルの引
外し動作後にその引外しコイルの電流を遮断するコイル
焼損防止用スイッチを有し、また、直流コイルの時に
は、そのコイル焼損防止用スイッチの遮断容量が不足す
ることがあり、これを補うために、コイル焼損防止用ス
イッチに並列に接続されるコンデンサを有している。

【０００４】そして、回路しや断器、特に小形の回路し
や断器では、このような付属装置を内部に収納する場
合、引外しコイル及びコイル焼損防止用スイッチを回路
しや断器内に収納し、寸法の大きいコンデンサは収納す
るスペースがないので、回路しや断器及び端子台の外部
に設けるようにしている。

【０００５】又、不足電圧引外し装置の場合には、特に
小形の回路しや断器では引外しコイルのサイズが制限さ
れるので、交流を直流に変換して引外しコイルを直流励
磁として引外しコイルのアーマチャ保持力を大にするこ
とが行なわれており、このため、交流を直流に変換する
ための整流器や、更に、引外しコイルの電流を制限する
ためのコンデンサが設けられる。

【０００６】そして、この場合でも、従来では、回路し
や断器内のスペースの関係から整流器及びコンデンサな
どの電気部品は回路しや断器及び端子台の外部に設けら
れていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の構成では、電気
部品たるコンデンサ及び整流器は、回路しや断器及びそ
の端子台の外部に取付スペースを確保する必要があると
ともに、その接続リード線の引回しが面倒であり、又、
端子台の外部リード線端子に接続されるので、ユーザ側
で接続する場合には、接続作業が面倒になり、特に、外
部リード線端子数が不足して他の外部リード線との二重
接続となった場合には、誤配線の虞れがある。

【０００８】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、回路しや断器及び端子台の外部に電
気部品の取付スペースを確保することを極力少なくなし
得、それだけ、外部リード線の引回しを容易になし得る
とともに、外部リード線の接続作業が容易で、誤配線も
極力防止することができる回路しや断器の端子台を提供
するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の回路しや断器の
端子台は、互いに平行となるように配置され一方が回路
しや断機器の側面部に取付けられる一対の絶縁バーリア
と、これらの一対の絶縁バーリア間に配置され階段状に
形成されたリード線端子部と、このリード線端子部に取
付けられ外部機器からの外部リード線が前記絶縁バーリ
アと平行となるようにして接続される外部リード線端子
と、前記リード線端子部に取付けられ回路しや断器の内
部に収納された付属装置からの内部リード線が接続され
る内部リード線端子とを具備し、前記リード線端子部の
下方に空間部を形成し、この下方空間部に前記付属装置
と内部リード線端子に電気的に接続される電気部品を収
納するようにしたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明の回路しや断器の端子台によれば、電気
部品はリード線端子部の下方空間部に収納されるので、
その分だけ、回路しや断器及び端子台の外部に取付スペ
ースを確保する必要はない。そして、リード線端子部の
下方空間部に収納された電気部品は回路しや断器内部の
付属装置とリード線端子部の内部リード線端子に電気的
に接続されるので、外部リード線を介して外部リード線
端子に接続する必要はなく、その分だけ、外部リード線
の引回しが容易になる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例につき図１乃至
図６を参照して説明する。回路しや断器１０は絶縁材か
らなるカバー１１及びケース１２（図２参照）を有して
箱体をなし、図示しない遮断機構部及び付属装置を内蔵
している。端子台を構成するためのリード線端子部１３
は左右対称に３段づつ階段状に形成されており、その回
路しや断器１０側の側面部には内側絶縁バーリア１４が
設けられ、反対側の側面部には内側絶縁バーリア１４と
平行な外側絶縁バーリア１５が設けられている。内側絶
縁バーリア１４には中央部から下方両端部にかけてリー
ド線端子部１３に対応し上端面が階段状をなす開口部１
６が形成されており、中央部に２個の係止爪１７が突設
されている。

【００１２】リード線端子部１３の上面部には６個の外
部リード線端子１８が取付けられており、これらに外部
機器からの外部リード線１９の圧着端子２０がねじ２１
によりねじ止めされ（図３参照）、各外部リード線１９
が内側及び外側絶縁バーリア１４及び１５と平行となる
ように配設されている（図６参照）。６個の内部リード
線端子２２は、各外部リード線端子１８と一体に形成さ
れたもので、外部リード線端子１８から下方に向けて内
側絶縁バーリア１４に面するように延ばされ且つ先端部
が後退するように外側絶縁バーリア１５側に傾斜されて
おり（図２参照）、その先端部にバーリング加工によっ
てねじ孔２２Ａが形成されている。そして、回路しや断
器１０内に収納された付属装置の内部リード線２３が開
口部１６の上端部１６ａからリード線端子部１３内に引
込まれ、その先端の圧着端子２４がねじ２５により内部
リード線端子２２のねじ孔２２Ａに側方からねじ止めさ
れている。

【００１３】端子台カバー２６はリード線端子部１３の
外部リード線端子１８の上面部を覆うもので、これは、
基板部２７と、これの両端部から下方に向けて延設され
た弾性を有する各２本の脚部２８及び２９とから構成さ
れている（図４参照）。これらの脚部２８及び２９の内
の外側絶縁バーリア１５側の脚部２８，２８の下端部に
は係合突部２８ａ，２８ａが形成されている。

【００１４】この端子台カバー２６を取付けるにあたっ
ては、リード線端子部１３の上方からその脚部２８及び
２９を内側，外側絶縁バーリア１４，１５間に挿入する
ように下降させると、脚部２８が内側に弾性変形しなが
ら進み、下端部の係合突部２８ａが外側絶縁バーリア１
５に形成された係合切欠部３０に合致したときに弾性復
帰してその上縁部３０ａに係合する。尚、取外す場合
は、基板２７に脚部２８，２８に対応するように形成さ
れた工具挿入用孔３１，３１の一方に工具例えばドライ
バー３２を挿入し、このドライバー３２を矢印Ｃ方向に
こじて係合突部２８ａの係合切欠部３０（図３及び図４
参照）に対する係合を解除した後上方へ引上げれば良
い。

【００１５】底面部カバー３４はリード線端子部１３の
底面部を覆うもので、これは、基板部３５と、これの両
端部から上方に向けて延設された弾性を有する脚部３
６，３６とから構成されている。この底面部カバー３４
は脚部３６に形成した係合孔３７がリード線端子部１３
に突設された突部３８（図３及び図４参照）に係脱可能
に係合することにより取付けられている。而して、この
ように構成されたリード線端子部１３及び内側，外側絶
縁バーリア１４，１５は、内側絶縁バーリア１４の係止
爪１７，１７をケース１２の上辺部に形成された係合切
欠部１２ａの両側部に嵌合係止し、そのケース１２にカ
バー１１を装着することによって、回路しや断器１０の
側面部に抜止め状態に取付けられるものである。

【００１６】図１（ａ），（ｂ）は付属装置として直流
電圧の高い電圧引外し装置４１を設けるとともにコイル
焼損防止スイッチ４２を設けたもので、これらを回路し
や断器１０内に収納する一方、コイル焼損防止スイッチ
４２の遮断容量を増加するためのコンデンサ４３をリー
ド線端子部１３の下方空間部３９に収納する。電圧引外
し装置４１及びコイル焼損防止スイッチ４２から引出さ
れた３本の内部リード線２３ａ，２３ｂ，２３ｃは夫々
内部リード線端子２２ａ，２２ｂ，２２ｃにねじ止めに
より接続されているとともに、コンデンサ４３から引出
された２本の接続リード線４４，４５が夫々内部リード
線端子２２ａ，２２ｃにねじ止めにより接続されてい
る。

【００１７】このように本実施例によれば、リード線端
子部１３の下方空間部３９に電圧引外し装置４１及びコ
イル焼損防止スイッチ４２に電気的に接続されるコンデ
ンサ４３を収納するようにしたので、回路しや断器１０
及びリード線端子部１３の外部にコンデンサ４３の取付
けスペースを確保する必要がない。そして、コンデンサ
４３からの接続リード線４４，４５を内部リード線端子
２２，２２（２２ａ，２２ｃ）に接続するようにしたの
で、接続リード線４４及び４５を外部リード線端子１８
に接続する必要がなく、その分だけ、外部リード線１９
の引回しが容易になる。

【００１８】更に、仕様が決まれば、コンデンサ４３
は、メーカ側でリード線端子部１３の下方空間部３９内
に収納してその配線も行なうようになるので、ユーザ側
での外部リード線１９の接続作業が容易になり、誤配線
も極力少なくなし得る。

【００１９】図７（ａ），（ｂ）は本発明の第２の実施
例である。この実施例では、回路しや断器１０の内部に
収納される付属装置として不足電圧引外し装置４６を設
けたもので、この不足電圧引外し装置４６に電気的に接
続される直流コイル用の整流器（全波整流ブリッジ）４
７及びコンデンサ４８をリード線端子部１３の下方空間
部３９に収納する。不足電圧引外し装置４６から引出さ
れた２本の内部リード線２３ｄ，２３ｅは夫々内部リー
ド線端子２２ｄ，２２ｅを介して整流器４７の直流側端
子に接続され、整流器４７の交流側端子の一方から引出
された接続リード線４９が内部リード線端子２２ａに接
続され、整流器４７の交流側端子の他方から引出された
接続リード線５０がコンデンサ４８を介して内部リード
線端子２２ｃに接続されている。従って、この第２の実
施例によっても前記実施例同様の作用効果が得られるも
のである。

【００２０】尚、本発明は上記実施例にのみ限定される
ものではなく、例えば、リード線端子部の下方空間部に
収納される電気部品としてはコンデンサ，整流器以外の
ものであってもよい等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜
変形して実施し得ることは勿論である。

【００２１】

【発明の効果】本発明の回路しや断器の端子台は以上説
明した通り、リード線端子部の下方空間部に、回路しや
断器内部の付属装置と内部リード線端子に電気的に接続
される電気部品を収納するようにしたので、回路しや断
器及び端子台の外部に外取付けスペースを確保すること
を極力少なくし得、それだけ、外部リード線の引回しを
容易になし得るとともに、外部リード線の接続作業が容
易で、誤配線も極力防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示し、（ａ）は端子台
を内側から見た側面図、（ｂ）は配線図

【図２】図４のＸ−Ｘ線に沿う断面図

【図３】端子台を一部破断して外側から見た側面図

【図４】一部破断して示す端子台の斜視図

【図５】端子台カバーを取除いた状態の上面図

【図６】配線状態の図５相当図

【図７】本発明の第２の実施例を示す図１相当図

【符号の説明】

図中、１０は回路しや断器、１３はリード線端子部、１
４及び１５は内側及び外側絶縁バーリア（一対の絶縁バ
ーリア）、１８は外部リード線端子、１９は外部リード
線、２１はねじ、２２は内部リード線端子、２３は内部
リード線、２５はねじ、３９は下方空間部、４１は電圧
引外し装置（付属装置）、４２はコイル焼損防止スイッ
チ（付属装置）、４３はコンデンサ（電気部品）、４６
は不足電圧引外し装置（付属装置）、４７は整流器（電
気部品）、４８はコンデンサ（電気部品）を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行となるように配置され一方が
   回路しや断器の側面部に取付けられる一対の絶縁バーリ
   アと、 これらの一対の絶縁バーリア間に配置され階段状に形成
   されたリード線端子部と、 このリード線端子部に取付けられ外部機器からの外部リ
   ード線が前記絶縁バーリアと平行となるようにして接続
   される外部リード線端子と、 前記リード線端子部に取付けられ回路しや断器の内部に
   収納された付属装置からの内部リード線が接続される内
   部リード線端子とを具備し、 前記リード線端子部の下方に空間部を形成し、この下方
   空間部に前記付属装置と内部リード線端子に電気的に接
   続される電気部品を収納するようにしたことを特徴とす
   る回路しや断器の端子台。