JP2831827B2 - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP2831827B2
JP2831827B2 JP24245190A JP24245190A JP2831827B2 JP 2831827 B2 JP2831827 B2 JP 2831827B2 JP 24245190 A JP24245190 A JP 24245190A JP 24245190 A JP24245190 A JP 24245190A JP 2831827 B2 JP2831827 B2 JP 2831827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、窒化アルミニウム(AlN)を基材とした回
路基板に関し、特にLSI、VLSI等の半導体集積回路チッ
プの実装によるモジュール化に適した回路基板に係わ
る。
(従来の技術) 従来、半導体集積回路チップのモジュール化に使用さ
れる回路基板ではその基材としてアルミニウムが主に用
いられている。しかしながら、実装されるLSI等の集積
回路チップの性能向上に伴って稼働時の前記チップから
の発熱量が増大する傾向にあり、アルミナの熱伝導率で
は前記チップの実装個数が制約されるという問題があっ
た。
このようなことから、アルミナに代わり高熱伝導率を
もつBeOを基材とした回路基板が使用されてきた。しか
しながら、かかるBeOは毒性が強いため、基材としての
応用範囲が限定される。このため、代替材料としてAlN
焼結体が広く用いられている。
前記AlN焼結体は、無害であり、製造、部品化、廃棄
の制約がないという利点を持ち、更に70〜280W/m・Kの
広い熱伝導率の範囲を有し、放熱性がアルミナの3.5倍
から場合によってはBeOより優れたレベルまで調整可能
である。このため、前記AlN焼結体を基材とした回路基
板はアルミナ基材を用いた回路基板に比べて高い実装密
度を実現できるはがりか、半導体集積回路チップの高密
度化に合せて所望の熱伝導性を付与できる利点を有す
る。
前記AlN基材を用いた回路基板としては、特開平1−2
23737号に開示されたものが知られている。かかる回路
基板は、AlN基材表面にTi、Cr、Mo及びWから選ばれる
少なくとも1種からなる第1層、Ni又はCuからなる第2
層及びAuからなる第3層を順次積層した三層構造の回路
パターンを形成した構造を有するものである。また、特
開平62−182183号にはAlN基材表面に酸化アルミニウム
層を形成し、この酸化アルミニウム層上にTiからなる第
1層、Mo又はPtからなる第2層及びAuからなる第3層を
順次積層した三層構造の回路パターンを形成した構造の
回路基板が開示されている。しかしながら、前記構造の
回路基板ではAlN基材と回路パターンとの密着強度が不
充分であるため、基材表面から回路パターンが剥離した
り、断線する欠点があった。また、AlN基材は結晶方位
によりエッチング速度が異なり、結晶方位の異なる粒界
に段差が生じるため、前記基材に対する回路パターンの
密着強度が不充分であると、前記回路パターンが段差上
で断線を生じる問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、実装されたICチップやLSIチップで
発生した熱を良好に放散することが可能な回路基板を提
供しようとするものである。
本発明の別の目的は、AlN基材への密着強度が高く、
温度サイクル時での剥離や断線のない良好な回路パター
ンを形成した構造の回路基板を提供しようとするもので
ある。
本発明の更に別の目的は、AlN基材上に回路パターン
が形成され、かつ前記回路パターンに電気的に接続され
たリード接合領域にリードがそれらの間に介在したろう
材層により良好に接合した構造の回路基板を提供しよう
とするものである。
本発明の更に別の目的には、AlN基材に形成された枠
状パターンにシールフレームがそれらの間に介在したろ
う材層により良好に接合した構造の回路基板を提供しよ
うとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、窒化アルミニウム基材と、 前記基材上に形成され、一般式AluM1vM2xOyNz(但
し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、P
t、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、uは3〜50原子
%、vは3〜78原子%、xは0〜50原子%、yは0.005
〜25原子%、zは5〜70原子%を示す)で表される金属
窒化酸化層と、前記M1の金属からなる接合層と、前記M2
の金属からなるバリア層と、Auからなる導体層とをこの
順序で積層した多層構造を有する回路パターンとを具備
したことを特徴とする回路基板である。
本発明に係わる回路基板を第1図を参照して詳細に説
明する。
AlN基材1の表面には、半導体集積回路チップがマウ
ントされるべきアイランド部となる回路パターン2が形
成されている。一端にランド部3を有する複数の回路パ
ターン4は、前記基材1上に形成されている。例えばタ
ングステンからなる複数のブアファイル(図示せず)
は、前記基材1に開孔した孔に埋め込まれている。前記
ビアフィルは、前記基材1表面に形成された前記ランド
部3に接続されている。複数のリード接合領域、例えば
ピン接合領域(図示せず)は、前記基材1の裏面に設け
られている。前記ピン接合領域は、前記ビアフィルに接
続されている。シールフレーム接合用の枠状パターン5
は、前記基材1表面の周縁に形成されている。
前記AlN基材1は、酸素含有量が0.005〜10原子%、熱
伝導率が130〜280W/m・Kのものを用いることが望まし
い。前記酸素含有量を限定したのは、次のような理由に
よるものである。前記基材中の酸素含有量を0.005原子
%未満にすると下地層との密着強度を十分に高めること
が困難となる。一方、前記基材中の含有量が10原子%を
越えるとAlN基材の熱伝導率がアルミナと同等な値まで
低下して高熱伝導性の利点が損なわれる恐れがある。
前記回路パターン2及び一端にランド部3を有する回
路パターン4は、以下に(i)、(ii)で説明する多層
構造を有するものから構成される。
(i)一般式AluM1vM2xOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Z
rから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから
選ばれる金属、uは3〜50原子%、vは3〜78原子%、
xは0〜50原子%、yは0.005〜25原子%、zは5〜70
原子%を示す)で表わされる金属窒化酸化物層と、前記
M1の金属からなる接合層と、Ni、Pt、Pd、W、Nb、Moか
ら選ばれる金属からなるバリア層と、Auからなる導体層
とをこの順序で前記基材上に積層した多層構造。
前記金属窒化酸化物層は、前記AlN基材に対する前記
接合層の密着強度を高めると共に、熱サイクル時におい
て前記接合層が前記金属窒化酸化物層から剥離するのを
抑制するために用いられる。具体的には、前記金属窒化
酸化物層の構成成分であるAlは前記AlN基材に対する前
記接合層の密着強度を向上する作用を有する。前記M1
は、前記Al、酸素、窒素との反応性が高いため、前記Al
N基材に対する前記接合層の密着強度を向上する作用を
有する。前記M2は、前記金属窒化酸化物層の他の構成成
分であるAl、M1、酸素、窒素との反応性が高く、かつ前
記バリア層の構成成分との反応性も高いため、前記AlN
基材に対する前記接合層の密着強度を更に向上する作用
を有する。前記金属窒化酸化物層の他の構成成分である
O、Nは前記AlN基材と前記接合層間の格子定数の整合
化、熱膨張差の緩和作用を有する。かかる金属窒化酸化
物層の各構成成分の比率(原子%)を限定したのは、次
のような理由によるものである。
.前記Alの比率(u)を3原子%未満にすると、前記
AlN基材に対する前記接合層の密着強度を十分に高める
ことができなくなる。一方、前記Alの比率が50原子%を
越えると、前記金属窒化酸化物層中のAl量が多くなり、
他の成分であるM1、M2、O、Nとの配合バランスが崩
れ、前記AlN基材と前記接合層間の格子定数の整合化、
熱膨張差の緩和作用を図ることができなくなる。より好
ましいAlの比率は、8〜42原子%の範囲である。
.前記M1の比率(v)を3原子%未満にすると、前記
AlN基材に対する前記接合層の密着強度を十分に高める
ことができなくなる。一方、前記M1の比率が78原子%を
越えると前記金属窒化酸化物層中のM1量が多くなり、他
の成分であるAl、M2、O、Nとの配合バランスが崩れ、
前記AlN基材と前記接合層間の格子定数の整合化、熱膨
張差の緩和作用を図ることができなくなる。より好まし
いM1の比率は、7〜65原子%の範囲である。また、前記
M1としては、特にTiを選択することが望ましい。
.前記M2が前記金属窒化酸化物層の構成成分として用
いられる場合には、その比率(x)は0.0001〜50原子%
に設定される。前記M2の比率を限定したのは、次のよう
な理由によるものである。前記M2の比率を0.0001原子%
未満にすると、前記M2の配合による密着強度の向上化が
望めなくなる。一方、前記M2の比率が50原子%を越える
と前記金属窒化酸化物層中のM2量が多くなり、他の成分
であるAl、M1、O、Nとの配合バランスが崩れ、前記Al
N基材と前記接合層間の格子定数の整合化、熱膨張差の
緩和作用を図ることができなくなる。より好ましいM2の
比率は、0.0001〜47原子%の範囲である。前記M2として
は、特にNiを選択することが望ましい。
.前記Oの比率(y)を0.005原子%未満にすると、
前記AlN基材及び前記接合層に対する熱膨脹差が増大
し、熱サイクル時での熱応力発生により前記接合層が前
記金属窒化酸化物層から剥離する。一方、前記Oの比率
が25原子%を越えると前記AlN基材及び前記接合層に対
する格子定数のミスマッチが大きくなり前記接合層の剥
離を生じる。より好ましい前記Oの比率は、3〜20原子
%の範囲である。
.前記Nの比率(z)を5原子%未満にすると、前記
AlN基材及び前記接合層に対する格子定数のミスマッチ
が大きくなり前記接合層が前記金属窒化酸化物層から剥
離する。一方、前記Nの比率が70原子%を越えると前記
AlN基材及び前記接合層に対する熱膨脹差が増大し、熱
サイクル時での熱応力発生による前記接合層の剥離等を
招く。より好ましい前記Nの比率は、10〜40原子%の範
囲である。
前記金属窒化酸化物層の厚さは、3nm以上にすること
が望ましい。この理由は、前記金属窒化酸化物層の厚さ
を3nm未満にすると前記AlN基材と前記接合層に対する密
着強度を安定的に向上することが困難となる。前記金属
窒化酸化物層の上限厚さについては、回路基板の薄膜化
及びサイドエッチングの抑制の観点から500nmとするこ
とが望ましい。より好ましい前記金属窒化酸化物層の厚
さは、10〜350nmの範囲である。
前記接合層は、前記金属窒化酸化物層に対する前記バ
リア層の密着強度を高めるために用いられる。前記接合
層としては、特にTiから形成することが望ましい。前記
接合層の厚さは、5〜900nmの範囲とすることが望まし
い。これは、次のような理由によるものである。前記接
合層の厚さを5nm未満にすると、前記金属窒化酸化物層
との充分な化学反応性が得られなくなり、密着強度を十
分に高めることが困難となる。一方、前記接合層の厚さ
が900nmを越えると前記接合層の内部応力が増大するの
ため、前記金属窒化酸化物層から剥離し易くなる恐れが
ある。より好ましい前記接合層の厚さは、10〜500nmの
範囲である。
前記バリア層は、上下に配置される前記接合層と前記
Auからなる導体層とが相互に拡散するのを抑制する作用
を有する。前記バリア層は、特にNiから形成されること
が望ましい。前記バリア層の厚さは、10nm〜1μm、よ
り好ましくは50〜700nmの範囲とすることが望ましい。
これは、次のような理由によるものである。前記バリア
層の厚さを10nm未満にすると、そのバリア効果を十分に
達成することが困難となる。一方、前記バリア層の厚さ
が1μmを越えるとバリア層の内部応力が増大するた
め、前記接合層から剥離したり、パターニング時のエッ
チングに際してサイドエッチング度合が大きくなって信
頼性の高い回路パターンの形成が困難となる。より好ま
しいバリア層の厚さは、30〜700nmの範囲である。
前記導体層の厚さは、回路パターンの導電性等を考慮
して100nm〜20μmの範囲にすることが望ましい。
(ii)一般式AluM1vM2wAuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、T
a、Zrから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Mo
から選ばれる金属、uは0.1〜40原子%、vは0.5〜50原
子%、wは0.1〜50原子%、xは0.05〜30原子%、yは
0〜20原子%、zは0.1〜40原子%を示す)で表わされ
る下地層と、一般式M1wM2xAuyOz(但し、M1はTi、Cr、T
a、Zrから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Mo
から選ばれる金属、wは0.5〜50原子%、xは0.1〜50原
子%、yは0.1〜80原子%、zは0〜1.5原子%を示す)
で表わされる主体層とをこの順序で前記基材上に積層し
た多層構造。
前記下地層は、前記AlN基材に対する前記主体層の密
着強度を高めると共に、熱サイクル時において前記主体
層が前記下地層から剥離するのを抑制するために用いら
れる。具体的には、前記下地層の構成成分であるAlは前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を向上する作
用を有する。前記M1は、前記Al、酸素、窒素との反応性
が高いため、前記AlN基材に対する前記主体層の密着強
度を向上する作用を有する。前記M2は、前記下地層の他
の構成成分であるAl、M1、酸素、窒素との反応性が高い
ため、前記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を更
に向上する作用を有する。前記Auは前記M1、M2の金属と
化合物を形成して前記AlN基材に対する前記主体層の密
着強度を更に向上する作用を有する。前記下地層の他の
構成成分であるO、Nは前記AlN基材と前記主体層間の
格子定数の整合化、熱膨張差の緩和作用を有する。かか
る下地層の各構成成分の比率(原子%)を限定したの
は、次のような理由によるものである。
.前記Alの比率(u)を0.1原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
るこことができなくなる。一方、前記Alの比率が40原子
%を越えると、前記下地層中のAl量が多くなり、他の成
分であるM1、M2、Au、O、Nとの配合バランスが崩れ、
前記AlN基材と前記主体層間の格子定数の整合化、熱膨
張差の緩和作用を図ることができなくなる。より好まし
いAlの比率は、0.2〜36原子%の範囲である。
.前記M1の比率(v)を0.5原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
ることができなくなる。一方、前記M1の比率が50原子%
を越えると前記下地層中のM1量が多くなり、他の成分で
あるAl、M2、Au、O、Nとの配合バランスが崩れ、前記
AlN基材と前記主体層間の格子定数の整合化、熱膨張差
の緩和作用を図ることができなくなる。より好ましいM1
の比率は、0.7〜45原子%の範囲である。また、前記M1
としては、特にTiを選択することが望ましい。
.前記M2の比率(w)を0.1原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
るこことができなくなる。一方、前記M2の比率が50原子
%を越えると前記下地層中のM2量が多くなり、他の成分
であるAl、M1、Au、O、Nとの配合バランスが崩れ、前
記AlN基材と前記接合層間の格子定数の整合化、熱膨張
差の緩和作用を図ることができなくなる。より好ましい
M2の比率は、0.1〜45原子%の範囲である。前記M2とし
ては、特にNiを選択することが望ましい。
.前記Auの比率(x)を0.05原子%未満にすると、前
記M1、M2から選ばれる金属との反応により生成する化合
物量が低下して前記AlN基材と前記主体層間の密着強度
を十分に高めることができなくなる。一方、前記Auの比
率が30原子%を越えると密着性を損なう金属間化合物の
生成量が多くなって逆に前記AlN基材と前記主体層間の
密着強度を阻害する。より好ましいAuの比率は、0.07〜
23原子%の範囲である。
.前記Oが前記下地層の構成成分として用いられる場
合には、その比率(y)は0.0001〜20原子%に設定され
る。前記Oの比率を限定したのは、次のような理由によ
るものである。前記Oの比率を0.0001原子%未満にする
と、前記AlN基材及び前記主体層に対する熱膨脹差を抑
制して熱サイクル時における熱応力発生による前記主体
層の剥離を防止する硬貨が望めなくなる。一方、前記O
の比率が20原子%を越えると前記AlN基材及び前記主体
層に対する格子定数のミスマッチが大きくなり前記主体
層の剥離を生じる。より好ましい前記Oの比率は、0.00
01〜17原子%の範囲である。
.前記Nの比率(z)を0.1原子%未満にすると、前
記AlN基材及び前記主体層に対する格子定数のミスマッ
チが大きくなり前記主体層の剥離を生じる。一方、前記
Nの比率が40原子%を越えると前記AlN基材及び前記主
体層に対する間の熱膨脹差が増大し、熱サイクル時での
熱応力発生による前記主体層の剥離等を招く。より好ま
しい前記Nの比率は、0.2〜37原子%の範囲である。
前記下地層の厚さは、3nm以上にすることが望まし
い。この理由は、前記下地層の厚さを3nm未満にすると
前記AlN基材と前記接合層に対する密着強度を安定的に
向上することが困難となる。前記下地層の上限厚さにつ
いては、回路基板の薄膜化およびサイドエッチングの抑
制の観点から500nmとすることが望ましい。より好まし
い前記下地層の厚さは、8〜500nmの範囲である。
前記主体層は、前記回路パターンの導体部として用い
られる。具体的には、前記主体層の構成成分であるM1、
M2は前記下地層に対する密着強度を向上する作用を有す
る。前記Auは、前記主体層を低抵抗化する作用を有す
る。前記Oは、前記下地層に対する密着強度をより一層
高める作用を有する。かかる主体層の各構成成分の比率
(原子%)を限定したのは、次のような理由によるもの
である。
.前記M1の比率(w)を0.5原子%未満にすると前記
下地層に対する密着強度が低下する。一方、前記M1の比
率が50原子%を越えると抵抗が高くなって導体部として
の機能を損なう。より好ましい前記M1の比率は、0.7〜4
5原子%の範囲である。また、前記M1としては特にTiを
選択することが望ましい。
.前記M2の比率(x)を0.1原子%未満にすると前記
下地層に対する密着強度が低下する。一方、前記M1の比
率が50原子%を越えると抵抗が高くなって導体部として
の機能を損なう。しかも、実装したICチップ等のパッド
部と回路パターンとをAu又はAlのワイヤでボンディング
する際、前記主体層へのワイヤボンディング性が低下す
る。より好ましい前記M2の比率は、0.3〜50原子%の範
囲である。また、前記M2としては特にNiを選択すること
が望ましい。
.前記Auの比率(y)を0.1原子%未満にすると、前
記主体層の抵抗を下げることができなくなり、導体部と
しての機能を損なう。一方、前記Auの比率が80原子%を
越えると、他の成分であるM1、M2、Oとの配合バランス
が崩れ、前記下地層に対する密着強度が低下する。より
好ましい前記Auの比率は、0.5〜80原子%の範囲であ
る。
.前記Oが前記主体層の構成成分として用いられる場
合には、その比率(z)は0.0001〜1.5原子%に設定さ
れる。前記Oの比率を限定したのは、次のような理由に
よるものである。前記Oの比率を0.0001原子%未満にす
ると、前記下地層に対する密着強度の向上化が望めなく
なる。一方、前記Oの比率が1.5原子%を越えると前記M
1、M2との反応により前記主体層表面に酸化物層を形成
して表面抵抗を増大させ、導体部としての機能を損な
う。より好ましい前記Oの比率は、0.0001〜1.2原子%
の範囲である。
前記主体層の厚さは、300nm〜10μmの範囲すること
が望ましい。これは、次のような理由によるものであ
る。前記主体層の厚さを300nm未満にすると下地層との
均一な密着強度を得ることが困難となる。一方、前記主
体層の厚さが10μmを越えるとパターニング工程でのエ
ッチング性が悪化し、微細な回路パターンの形成が困難
となる恐れがある。
なお、前記(ii)の多層構造を有する回路パターンは
前記(i)で説明した多層構造を有する回路パターンを
600〜1000℃で加熱処理することによっても形成され
る。
前記ピン接合領域及び前記枠状パターン5は、例えば
前述した(i)、(ii)と同様な構成の多層構造を有す
る。
次に、本発明に係わる回路パターンの製造方法を前記
(i)の多層構造を有する回路パターンが形成された回
路基板を例にして詳細に説明する。
まず、AlN粉末にアルカリ土類化合物及び/又は希土
類化合物及び結合剤を添加して出発原料を調製し、これ
をドクタブレード法等により成形してAlNグリーンシー
トを作製する。前記アルカリ土類化合物としては、例え
ばCa、Ba、Srの酸化物、炭化物、フッ化物、炭酸塩、シ
ュウ酸塩、硝酸塩、又はアルコキシド等を挙げることが
できる。前記希土類化合物としては例えばY、La、Ce、
Nd、Dy、Prの酸化物、炭化物、フッ化物、炭酸塩、シュ
ウ酸塩、硝酸塩、又はアルコキシド等を挙げることがで
き、特にY、La、Ceの化合物が好適である。つづいて、
前記グリーンシートにドリル等により孔を開孔した後、
タングステンペーストを前記孔内に充填する。この後、
脱脂、焼成を行なって前記孔内にタングステンのビアフ
ィルが充填されたAlN基材を作製する。ひきつづき、前
記AlN基材の表面を研磨して金属窒化酸化物を形成する
のに適した表面粗さの調節する。
次いで、前記基材上にAl、M1、M2、O、Nの成分から
なる金属窒化酸化物層を真空蒸着法、スパッタ法、クラ
スタイオンビーム法、イオンプレーティング法、イオン
注入法等の一般的な成膜技術により形成する。この時、
必要に応じて基材温度、雰囲気、真空度、成膜速度を調
整する。前記金属窒化酸化物層の成膜に先だって基材表
面を湿式洗浄法、逆スパッタ法などで充分な洗浄を行な
うことが望ましい。但し、AlN基材は強酸、強アルカリ
に対して不安定であるため、洗浄液の選定に注意が必要
で、通常中性洗浄液を用いることが望ましい。つづい
て、真空を破らずに前記M1から選ばられる金属からなる
接合層、前記M2から選ばれる金属からなるバリア層及び
Auからなる導体層を連続して形成する。前記導体層は、
Auの湿式メッキによりバリア層上に形成してもよい。こ
の後、前記導体層上にレジストパターンを光蝕刻法によ
り形成し、前記パターンをマスクとして前記四層を順次
エッチングし、パターニングする。なお、前記Auからな
る導体層は例えばKI+I2+脱イオン水のエッチャントを
用いてエッチングされる。前記バリア層がNiからなる場
合には、例えばCuSO4+HCl+エチルアルコール+脱イオ
ン水のエッチャントを用いてエッチングされる。前記バ
リア層がPtからなる場合には、例えばイオンミリングに
よりエッチングされる。前記バリア層がPdからなる場合
には、例えば王水+酢酸系のエッチャントを用いてエッ
チングされる。前記接合層及び前記金属窒化酸化物層
は、例えばHF+脱イオン水のエッチャントによりエッチ
ングされる。このような工程により前述した(i)で説
明した多層構造を有する回路パターンが前記基材上に形
成された回路基板が製造される。
なお、本発明では接合層、バリア層の成膜時に接合層
及びバリア層の構成成分の一部が前記金属窒化酸化物層
とインターミキシングを招じるように回路パターンを形
成してもよい。この際、接合層とバリア層との間でイン
ターミキシング、傾斜構造等が生じてもよく、例えば接
合層中へのM2成分の50原子%までの含有が許容される。
更に、本発明に係わる回路基板は前記金属窒化酸化物
層上に前記接合層、前記バリア層、前記導体層をこの順
序で形成するのみならず、薄膜抵抗、薄膜コンデンサを
設けてもよい。
一方、前記下地層、主体層よりなる回路パターンにお
いてはワイヤボンディング等の実装工程を考慮して最上
層にAuの湿式メッキ膜、もしくはNiメッキ後のAuの湿式
メッキ膜を設けてもよい。また、導体層にCuを用い、表
面に薄くAu層を設けてもよい。
本発明に係わる別の回路基板を第2図を参照して以下
に説明する。
AlN基材1の表面には、半導体集積回路チップがマウ
ントされるべきアイランド部となる回路パターン2が形
成されている。一端にランド部3を有する複数の回路パ
ターン4は、前記基材1上に形成されている。例えばタ
ングステンからなる複数のビアフィル(図示せず)は、
前記基材1に開孔した孔1に埋め込まれている。前記ビ
アフィルは、前記基材1表面に形成された前記ランド部
3に接続されている。複数のリード接合領域、例えばピ
ン接合領域(図示せず)は、前記基材1の裏面に設けら
れている。前記ピン接合領域は、前記ビアフィルに接続
されている。シールフレーム接合用の枠状パターン5
は、前記基材1表面の周縁に形成されている。ろう材層
(図示せず)は、前記ピン接合領域上に接合されてい
る。リード、例えばピン6は、前記ろう材層に接合され
ている。枠状のろう材層7は、前記枠状パターン5に接
合されている。シールフレーム8は、前記ろう材層7に
接合されている。
前記回路パターン2、一端にランド部3を有する回路
パターン4は、例えば前述した(i)、(ii)で説明し
た多層構造を有するものから構成される。
前記ピン6及びシールフレーム8が接合される前記ピ
ン接合領域及び前記枠状パターン5、並びに前記各ろう
材層は、以下に示す構成を有する。
(a)前記ピン接合領域及び枠状パターンは、一般式Al
uM1vM2wCuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれ
る金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金
属、uは0.1〜25原子%、vは0.2〜35原子%、wは0.1
〜50原子%、Xは0.005〜1.5原子%、yは0〜1.5原子
%、zは0.5〜40原子%を示す)で表わされる下地層
と、一般式M1xM2yCuz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから
選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれ
る金属、xは1〜50原子%、yは10〜80原子%、zは0.
2〜40原子%を示す)で表わされる主体層とをこの順序
で前記AlN基材上に積層した多層構造を有する。
前記下地層は、前記AlN基材に対する前記主体層の密
着強度を高めるために用いられる。また、熱サイクル時
において前記主体層が前記下地層から剥離するのを抑制
するために用いられる。更に、前記AlN基材と前記ピン
やシールフレームとの間の熱膨張差を緩和するために用
いられる。具体的には、前記下地層の構成成分であるAl
は前記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を向上す
る作用を有する。前記M1、M2は、前記AlN基材に対する
前記主体層の密着強度を向上する作用を有すると共に、
前記AlN基材と前記ピンやシールフレームとの間の熱膨
張差を緩和する作用を有する。前記Cuは、前記M1、M2の
金属と化合物を形成して前記AlN基材に対する前記主体
層の密着強度を更に向上する作用を有する。前記下地層
の他の構成成分であるO、Nは前記AlN基材と前記ピン
又はシールフレームの間の熱膨張差を緩和する作用を有
する。かかる下地層の各構成成分の比率(原子%)を限
定したのは、次のような理由によるものである。
.前記Alの比率(u)を0.1原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
ることができなくなる。一方、前記Alの比率が25原子%
を越えると、前記下地層中のAl量が多くなり、前記ピン
やシールフレームとの熱膨張差が大きくなって熱サイク
ル時において前記ピンやシールフレームの接合強度を低
下させる。より好ましいAlの比率は、0.2〜25原子%の
範囲である。
.前記M1の比率(v)を0.2原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
ることができなくなる。一方、前記M1の比率が35原子%
を越えると前記下地層中のM1量が多くなり、前記ピンや
シールフレームとの熱膨張差が大きくなって熱サイクル
時の前記ピンやシールフレームの接合強度を低下させ
る。より好ましいM1の比率は、0.3〜30原子%の範囲で
ある。また、前記M1としては、特にTiを選択することが
望ましい。
.前記M2の比率(w)を0.1原子%未満にすると、前
記AlN基材に対する前記主体層の密着強度を十分に高め
ることができなくなる。一方、前記M2の比率が50原子%
を越えると前記下地層中のM2量が多くなり、前記ピンや
シールフレームとの熱膨張差が大きくなって熱サイクル
時において前記ピンやシールフレームの接合強度を低下
させる。より好ましいM2の比率は、0.1〜45原子%の範
囲である。また、前記M2としてはNiを選択することが望
ましい。
.前記Cuの比率(x)を0.005原子%未満にすると、
前記M1、M2から選ばれる金属との化合物の生成量が低下
して前記AlN基材と前記主体層の密着強度を十分に高め
ることができなくなる。一方、前記Cuの比率が1.5原子
%を越えると密着性を損なう金属間化合物の生成量が多
くなって逆に前記AlN基材と前記主体層間の密着強度を
阻害する。しかも、前記ピンやシールフレームとの熱膨
張差が大きくなって熱サイクル時の前記ピンやシールフ
レームの接合強度を低下させる。より好ましいCuの比率
は、0.005〜1.2原子%の範囲である。
.前記Oが前記下地層の構成成分として用いられる場
合には、その比率(y)は0.0001〜1.5原子%に設定さ
れる。前記Oの比率を限定したのは、次のような理由に
よるものである。前記Oの比率を0.0001原子%未満にす
ると、前記ピンやシールフレームとの間の熱膨脹差を抑
制、ひいては熱サイクル時における前記ピンやシールフ
レームの接合強度の向上化が望めなくなる。一方、前記
Oの比率が1.5原子%を越えると前記ピンやシールフレ
ームとの熱膨張差が大きくなって熱サイクル時の前記ピ
ンやシールフレームの接合強度を低下させる。より好ま
しい前記Oの比率は、0.0001〜1.2原子%の範囲であ
る。
.前記Nの比率(z)を0.5原子%未満にすると、前
記ピンやシールフレームとの間の熱膨脹差の抑制、ひい
ては熱サイクル時における前記ピンやシールフレームの
接合強度の向上が望めなくなる。一方、前記Nの比率が
40原子%を越えると前記ピンやシールフレームとの熱膨
張差が大きくなって熱サイクル時の前記ピンやシールフ
レームの接合強度を低下させる。より好ましい前記Nの
比率は、0.7〜35原子%の範囲である。
前記下地層の厚さは、3nm以上にすることが望まし
い。この理由は、前記下地層の厚さを3nm未満にすると
前記AlN基材と前記接合層に対する密着強度を安定的に
向上することが困難となる。前記下地層の上限厚さにつ
いては、回路基板の薄膜化及びサイドエッチングの抑制
の観点から500nmとすることが望ましい。より好ましい
前記下地層の厚さは、5〜500nmの範囲である。
前記主体層は、前記下地層に対する前記ろう材層の密
着強度を高めるために用いられる。具体的には、前記主
体層の構成成分であるM1はピンやシールフレームとの間
の熱膨脹差を抑制して熱サイクル時での前記ピンやシー
ルフレームの接合強度の向上する作用を有する。前記M
2、Cuは、前記下地層に対する前記接合層の密着強度を
高める作用を有する。かかる主体層の各構成成分の比率
(原子%)を限定したのは、次のような理由によるもの
である。
.前記M1の比率(x)を1原子%未満にすると、前記
ピンやシールフレームとの間の熱膨脹差の抑制、ひいて
は熱サイクル時における前記ピンやシールフレームの接
合強度の向上が望めなくなる。一方、前記M1の比率が50
%を越えると前記M2、Cuとの反応により生成する化合物
量が増大して熱サイクル時での前記ピンやシールフレー
ムの接合強度を低下させる。より好ましい前記M1の比率
は、3〜40原子%の範囲である。また前記M1としては特
にTiを選択することが望ましい。
.前記M2の比率(y)を10原子%未満にすると前記下
地層に対する前記ろう材層の密着性を低下させる。一
方、前記M1の比率が80原子%を越えても前記下地層及び
前記ろう材層との密着性を低下させる。より好ましい前
記M2の比率は、20〜80原子%の範囲である。また、前記
M2としては特にNiを選択することが望ましい。
.前記Cuの比率(z)を0.2原子%未満にすると、前
記下地層に対する密着強度を低下させる。一方、前記Cu
の比率が40原子%を越えると、前記M1、M2との反応によ
り生成する化合物量が増大して熱サイクル時での前記ピ
ンやシールフレームの接合強度を低下させる。より好ま
しい前記Cuの比率は、0.2〜30原子%の範囲である。
前記主体層の厚さは、10nm〜500nmの範囲にすること
が望ましい。これは、次のような理由によるものであ
る。前記主体層の厚さを10nm未満にすると前記ピンやシ
ールフレームとの間の熱膨脹差を抑制することが可能と
なるが、下地層との密着強度の向上が望めなくなる。一
方、前記主体層の厚さが500nmを越えると熱サイクル時
での前記ピンやシールフレームの接合強度を低下させる
恐れがある。
(b)前記ろう材層は、前記回路パターンの主体層に接
合された一般式AgxCuyAuz(但し、xは5〜90原子%、
yは1〜50原子%、zは1〜50原子%を示す)で表わさ
れる組成からなる。
前記ろう材層は、前記主体層に対する前記ピンやシー
ルフレームの接合強度を高めるために用いられる。前記
ろう材層の各構成成分の比率(原子%)を限定したの
は、次のような理由によるものである。
.前記Agの比率(x)を5原子%未満にしても、90原
子%を越えても、ろう材を前記ピン接合領域等に接合す
るための温度が上層するため、接合時での前記AlN基材
とろう材層の熱膨張係数の差が大きくなってピンやシー
ルフレームの接合強度を低下させる。より好ましいAgの
比率は、10〜90原子%の範囲である。
.前記Cuの比率(y)を1原子%未満にしても、50原
子%を越えても、ろう材を前記ピン接合領域等に接合す
るための温度が上層するため、接合時での前記AlN基材
とろう材層の熱膨張係数が大きくなってピンやシールフ
レームの接合強度を低下させる。より好ましいCuの比率
は、3〜40原子%の範囲である。
.前記Auの比率(z)を1原子%未満にすると、前記
ピン接合領域等の主体層との濡れ性が低下してろう材が
局所的に集中するため、接合時において前記AlN基材と
ろう材層の熱膨張係数が大きくなってピンやシールフレ
ームの接合強度を低下させる。前記Auの比率が50原子%
を越えると、ろう材を前記ピン接合領域等に接合するた
めの温度が上昇するため、接合時での前記AlN基材とろ
う材層の熱膨張係数の差が大きくなるばかりか、硬度も
増加し、前記ピンやシールフレームの接合強度を低下さ
せる。より好ましいAuの比率は、2〜45原子%の範囲で
ある。
前記ろう材層の厚さは、1μm〜100μmの範囲にす
ることが望ましい。これは、次のような理由によるもの
である。前記ろう材層の厚さを1μm未満にすると前記
ピンやシールフレームとの接合性が低下する恐れがあ
る。一方、前記ろう材層の厚さが100μmを越えると前
記AlN基材とろう材層との熱膨張差により前記基材にマ
イクロクラックが発生し、前記ピンやシールフレームの
接合強度を低下させる恐れがある。
前記(a)に示す構成のピン接合領域及び前記枠状パ
ターンと前記(b)に示す構成のろう材層は、次のよう
な工程を経ることによっても形成される。これをピン接
合領域を例にして説明する。即ち、前述した(i)、
(ii)の多層構造を有するピン接合領域を形成し、前記
ピン接合領域にAg−Cu系のろう材層を配置し、更に前記
ろう材層上に前記ピンを配置した後、780〜1000℃で加
熱接合する。かかる加熱接合により前記(i)、(ii)
の多層構造の各層及び前記Ag−Cu系のろう材層が相互拡
散して前記(a)に示す構成のピン接合領域及び前記
(b)に示す構成のろう材層が形成される。
前記ピン6及びシールフレーム8は、例えばNi−Fe−
Cu合金系のコバール又は42%Ni−Fe合金からなるものを
用いることができる。
本発明に係わる回路基板は、一般式AluM1vM2xOyN
z(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はN
i、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、uは3〜50
原子%、vは3〜78原子%、xは0〜50原子%、yは0.
005〜25原子%、zは5〜70原子%を示す)で表わされ
る金属窒化酸化物層と、前記M1の金属からなる接合層
と、Ni、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属からなる
バリア層と、Auからなる導体層とをこの順序で積層した
多層構造を有する回路パターンを形成した構成になって
いる。
上述した構成において、前記AlN基材は高い熱伝導性
を有するため、前記回路パターンに実装された能動素
子、例えばICチップやLSIチップから発生した熱を良好
に放散することができる。
また、前記AlN基材に対して密着強度が高く、熱サイ
クル時での剥離や断線のない良好な回路パターンを形成
できる。
即ち、一般に回路パターンをAlN基材に高い密着強度
で形成するには、回路パターンとAlN基材との格子定
数、線膨脹係数の差、化学反応性の有無に左右される。
前記一般式で表わされる金属窒化酸化物層は、前述した
(i)で説明したようにその構成成分であるAl、M1、
O、Nを所定の原子比で含むため、前記AlN基材に対す
る前記接合層の密着性を高めると共に、熱サイクル時に
おいて前記接合層が前記金属窒化酸化物層から剥離する
のを抑制できる。また、前記金属窒化酸化物層は特にM2
を所定の原子比で含む場合、前記Al、M1、O、Nとの反
応性が高く、かつ前記バリア層の構成成分とも反応性が
高いため、前記AlN基材に対する前記接合層の密着強度
を更に高めることができる。前記接合層は、前記金属窒
化酸化物層に対する前記バリア層の密着強度を高めるこ
とができる。前記バリア層は、上下に配置される前記接
合層と前記Auからなる導体層とが相互に拡散するのを抑
制する作用を有する。前記導体層は、前記回路パターン
を低抵抗化する導体部として作用する。従って、前記Al
N基材に対して密着強度が高く、かつ熱サイクル時での
前記各層の剥離、断線を防止した良好な回路パターンを
形成できる。
以上のような回路基板は、優れた放熱性、前記AlN基
材に対して密着強度の高い回路パターンを有するため、
ICチップやLSIチップ等の能動素子を高密度で実装する
ことが可能な半導体パッケージ、半導体モジュールに有
用である。
また、本発明に係わる別の回路基板は、AlN基材に一
般式AluM1vM2wAuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから
選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれ
る金属、uは0.1〜40原子%、vは0.5〜50原子%、wは
0.1〜50原子%、xは0.05〜30原子%、yは0〜20原子
%、zは0.1〜40原子%を示す)で表わされる下地層
と、一般式M1wM2xAuyOz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrか
ら選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ば
れる金属、wは0.5〜50原子%、xは0.1〜50原子%、y
は0.1〜80原子%、zは0〜1.5原子%を示す)で表わさ
れる主体層とをこの順序で積層した多層構造を有する回
路パターンを形成した構成になっている。
上述した構成において、前記AlN基材は高い熱伝導性
を有するため、前記回路パターンに実装された能動素
子、例えばICチップやLSIチップから発生した熱を良好
に放散することができる。
また、前記AlN基材に対して密着強度が高く、熱サイ
クル時での剥離や断線のない良好な回路パターンを形成
できる。
即ち、前記一般式で表わされる下地層は、前述した
(ii)で説明したようにその構成成分であるAl、M1、M
2、Au、Nが所定の原子比で含むため、前記AlN基材に対
する前記主体層の密着性を高めると共に、熱サイクル時
において前記主体層が前記下地層から剥離するのを抑制
できる。また、前記下地層は特にOを所定の原子比で含
む場合、上下に配置される前記AlN基材と前記主体層と
の間の格子定数を整合化し、熱膨張差をより一層緩和で
きる。前記一般式で表わされる主体層は、前述した(i
i)で説明したようにその構成成分であるM1、M2、Auを
所定の原子比で含むため、前記下地層に対する密着強度
を向上できるとともに、低抵抗を有する。また、前記主
体層は特にOを所定の原子比で含む場合、前記下地層に
対する密着強度をより一層高めることができる。従っ
て、前記AlN基材に対して密着強度が高く、かつ熱サイ
クル時での前記各層の剥離、断線を防止した回路パター
ンを形成できる。
以上のような回路基板は、優れた放熱性、前記AlN基
材に対して密着強度の高い回路パターンを有するため、
ICチップやLSIチップ等の能動素子を高密度で実装する
ことが可能な半導体パッケージ、半導体モジュールに有
用である。
更に、本発明に係わる回路基板はAlN基材に一般式Alu
M1vM2wCuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれ
る金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金
属、uは0.1〜25原子%、vは0.2〜35原子%、wは0.1
〜50原子%、xは0.005〜1.5原子%、yは0〜1.5原子
%、zは0.5〜40原子%を示す)で表わされる下地層
と、一般式M1xM2yCuz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから
選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれ
る金属、xは1〜50原子%、yは10〜80原子%、zは0.
2〜40原子%を示す)で表わされる主体層とをこの順序
で積層した多層構造を有するピン接合領域と、前記ピン
接合領域に電気的に接続された回路パターンと、前記ピ
ン接合領域の主体層上に接合された一般式AgxCuyAu
z(但し、xは5〜90原子%、yは1〜50原子%、zは
1〜50原子%を示す)で表わされるにろう材層と、前記
ろう材層に接合されたピンとから構成されている。
上述した構成において、前記AlN基材は高い熱伝導性
を有するため、前記回路パターに実装された能動素子、
例えばICチップやLSIチップから発生した熱を良好に放
散することができる。
また、前記AlN基材に対してピンを高い密着強度で接
合でき、かつ熱サイクル時での前記ピンの剥離を防止で
きる。
即ち、前記ピン接合領域を構成する下層の前記一般式
で表わされる下地層は、前述した(a)で説明したよう
にその構成成分であるAl、M1、M2、Cu、Nを所定の原子
比で含むため、前記AlN基材に対する前記主体層の密着
性を高めることができる。また、熱サイクル時において
前記主体層が前記下地層から剥離するのを抑制できる。
更に、前記AlN基材と前記ピンとの間の熱膨張差を緩和
できる。前記下地層は特にOを所定の原子比で含む場
合、前記AlN基材と前記ピンの間の熱膨張差をより一層
緩和できる。前記ピン接合領域を構成する上層の前記一
般式で表わされる主体層は、前述した(a)で説明した
ようにその構成成分であるM1、M2、Cuを所定の原子比で
含むため、前記下地層に対する前記ろう材層の密着強度
を高めることができる。一方、前記一般式で表わされる
ろう材層は前述した(b)で説明したようにその構成成
分であるAg、Cu、Auを所定の原子比で含むため、前記ピ
ン接合領域の前記主体層に対する前記ピンの接合強度を
高めることができる。従って、前記AlN基材に対してピ
ンを高い密着強度で接合でき、かつ熱サイクル時での前
記ピンの剥離を防止できる。
以上のような回路基板は、優れた放熱性、前記AlN基
材に対して密着強度の高いピンを有するため、ICチップ
やLSIチップ等の能動素子を高密度で実装することが可
能な半導体パッケージ、半導体モジュールに有用であ
る。
また、前記ピンが接合された回路基板において、AlN
基材に前記一般式AluM1vM2wCuxOyNz(但し、M1はTi、C
r、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、N
b、Moから選ばれる金属、uは0.1〜25原子%、vは0.2
〜35原子%、wは0.1〜50原子%、xは0.005〜1.5原子
%、yは0〜1.5原子%、zは0.5〜40原子%を示す)で
表わされる下地層、前記一般式M1xM2yCuz(但し、M1はT
i、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、
W、Nb、Moから選ばれる金属、xは1〜50原子%、yは
10〜80原子%、zは0.2〜40原子%を示す)で表わされ
る主体層をこの順序で積層した多層構造を有する枠状パ
ターンを設け、前記枠状パターンの主体層上に前記一般
式AgxCuyAuz(但し、xは5〜90原子%、yは1〜50原
子%、zは1〜50原子%を示す)で表わされるろう材層
を接合し、更に前記ろう材層にシールフレームを接合し
て構成することによって、前記AlN基材に対してシール
フレームを高い密度強度で接合でき、かつ熱サイクル時
での前記シールフレームの剥離を防止できる。このよう
な回路基板は、優れた放熱性、前記AlN基材に対して密
着強度の高いピン及びシールフレームを有するため、IC
チップやLSIチップ等の能動素子を高密度で実装するこ
とが可能で、かつ実装された能動素子を気密にシールす
ることが可能な半導体パッケージ、半導体モジュールに
有用である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1〜5 まず、酸素含有量0.03原子%、平均粒径15μmのAlN
粉末にCaO粉末1wt%、Y2O3粉末3wt%を添加し、更にポ
リメチルメタクリレートを添加し、水を存在下で混練し
て出発原料を調製した。つづいて、前記出発原料をドク
タブレード法により成形してグリーンシートを作製し
た。ひきつづき、前記グリーンシートの所定箇所にドリ
ルにより孔を開孔した後、前記孔内にタングステンペー
ストを充填した。この後、前記グリーンシートを積層し
た後、脱脂し、窒素雰囲気中で焼成することによりタン
グステンからなるブアフィルを有する熱伝導率280W/m・
KのAlN基材を製造した。
次いで、前記AlN基材を平均線表面粗さが150nm以下と
なるようにラッピングし、ポリッシングを行なった後、
前記基材表面に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづ
いて、スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲
する第1表に示す条件で厚さ100nmの金属窒化酸化物層
を成膜した。ひきつづき、スパッタ蒸着装置の真空を破
らずに前記金属窒化酸化物層上に厚さ50nmのTiからなる
接合層、厚さ500nmのバリア層、厚さ1μmのAuからな
る導体層を順次成膜した。なお、実施例1、4、5では
前記バリア層としてNi、実施例2では前記バリア層とし
てPt、実施例3では前記バリア層としてPdをそれぞれ用
いた。
次いで、前記基材の表面側に形成した前記導体層上に
写真蝕刻法によりレジストパターンを形成した後、前記
レジストパターンをマスクとして導体層、バリア層、接
合層及び金属窒化酸化物層を順次選択的にエッチング除
去して回路パターン、一端にランド部を有する回路パタ
ーン及び枠状パターンを形成した。また、前記基材の裏
面側に形成した前記導体層上に写真蝕刻法によりレジス
トパターンを形成した後、同様に選択的にエッチングす
ることによりピン接合領域を形成した。このような工程
により第1図に示す構造を有する5種の回路基板を製造
した。
比較例1、2 前記実施例1と同様な熱伝導率、表面処理を施したAl
N基材表面に後掲する第1表に示す条件で金属窒化酸化
物層を成膜した以外、同実施例1と同様な方法により第
1図に示す構成の2種の回路基板を製造した。
得られた実施例1〜5及び比較例1、2の回路基板に
ついて回路パターンの密着強度及びTCT(Temprature Cy
cle Test)後の状態を調べた。その結果を第1表に併記
した。なお、密着強度及びTCT後の状態(強度特性及び
剥離特性)は次のような方法により評価した。
(i)密着強度 まず、回路パターン上に直径0.7mmのSnメッキ銅線をS
n−Pb系のはんだにより接合する。つづいて、前記銅線
を引張り試験機(インストロン社製;4301型)を用いて5
cm/minの速度で引張ることにより前記回路パターンの密
着強度を評価した。
(ii)TCT後の強度特性 前記回路基板を−50℃まで冷却した後、150℃まで加
熱して30分間保持する温度サイクルを1000回行なう。こ
の後、前記回路基板の回路パターンについて前記(i)
と同様な方法により回路パターンの密着強度を測定す
る。この時、TCT前と同様な密着強度を保持する場合は
“強度低下なし”と判定し、TCT前に比べて密着強度が
低下した場合は“強度低下あり”と判定する。
(iii)TCT後の剥離特性 前記TCT後の回路基板の回路パターン上に、メンディ
ンテープ(3M社製;スコッチ810)を張り付け、前記テ
ープを十分な引張り強さで引張るピールテストを行な
う。この後、前記テープの接着面及び前記回路パターン
の表面を電子顕微鏡で観察する。この問、前記テープ表
面に回路パターンの引剥がし片が付着されたり、前記回
路パターン部分に引剥がし痕がある場合には、“剥離あ
り”と評価し、前記引剥がし片、前記引剥がし痕がない
場合には“剥離なし”と評価する。
後掲する第1表から明らかなように一般式AluTivOyNz
(但し、uは3〜50原子%、vは3〜78原子%、yは0.
005〜25原子%、zは5〜70原子%を示す)にて表わさ
れる金属窒化酸化物層を有する実施例1〜5の回路パタ
ーンは、AlN基材に対する密着強度が高く、かつTCT1000
サイクル後の評価において密着強度の低下及び剥離がな
く、優れた密着性を有することがわかる。これに対し、
金属窒化酸化物層の成分であるO量が0原子%である比
較例1の回路パターンではAlN基材に対する密着強度が
低く、かつTCT1000サイクル後の評価において回路パタ
ーンの剥離を生じることがわかる。また、金属窒化酸化
物層の成分であるTi量が3原子%未満の比較例2の回路
パターンではAlN基材に対する密着強度が低く、かつTCT
1000サイクル後の評価において回路パターンの剥離を生
じることがわかる。
また、前記実施例1〜5の回路基板は500℃の温度雰
囲気中に5分間曝す耐熱試験及び121℃、2気圧の条件
で2000時間放置するPCT試験後において、いずれも回路
パターンの剥離発生が認められなかった。
実施例6〜9 まず、後掲する第2表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スタッパを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第2表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第2表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する4種の回路基板を製造した。
得られた実施例6〜9の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT後の状態(強
度特性及び剥離特性)を調べた。その結果を同第2表に
併記した。
実施例10、11 まず、後掲する第3表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第3表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第3表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
比較例3〜5 まず、後掲する第3表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第3表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第3表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する3種の回路基板を製造した。
得られた実施例10、11及び比較例3〜5の回路基板に
ついて、実施例1と同様に回路パターンの密着強度及び
TCT後の特性(強度特性及び剥離特性)を調べた。その
結果を同第3表に併記した。
後掲する第2表及び第3表から明らかなように一般式
AluTivNixOyNz(但し、uは3〜50原子%、vは3〜78
原子%、xは0.0001〜50原子%、yは0.005〜25原子
%、zは5〜70原子%を示す)にて表わされる金属窒化
酸化物層を有する実施例6〜11の回路パターンは、AlN
基材に対する密着強度が高く、かつTCT1000サイクル後
の評価において強度低下及び剥離がなく、優れた密着性
を有することがわかる。これに対し、前記金属窒化酸化
物層の成分であるAl量が0原子%の比較例3の回路パタ
ーンではAlN基材に対する密着強度が低く、かつTCT1000
サイクル後の評価において回路パターンの剥離を生じる
ことがわかる。また、前記金属窒化酸化物層の成分であ
るTi量が3原子%未満の比較例4の回路パターンではAl
N基材に対する密着強度が低く、かつTCT1000サイクル後
の評価において回路パターンの剥離を生じることがわか
る。更に、前記金属窒化酸化物層の成分であるN量が0
原子%の比較例5の回路パターンではAlN基材に対する
密着強度が低く、かつTCT1000サイクル後の評価におい
て回路パターンの剥離を生じることがわかる。
また、前記実施例6〜11の回路基板は500℃の温度雰
囲気中に5分間曝す耐熱試験及び121℃、2気圧の条件
で2000時間放置するPCT試験後において、いずれも回路
パターンの剥離発生が認められなかった。
実施例12、13 まず、後掲する第4表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第4表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第4表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
比較例6、7 まず、後掲する第4表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第4表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第4表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例12、13及び比較例6、7の回路基板に
ついて、実施例1と同様に回路パターンの密着強度及び
TCT後の特性(強度特性及び剥離特性)を調べた。その
結果を第4表に併記した。
後掲する第4表から明らかなように一般式AluTivWxOy
Nz(但し、uは3〜50原子%、vは3〜78原子%、xは
0.0001〜50原子%、yは0.005〜25原子%、zは5〜70
原子%を示す)にて表わされる金属窒化酸化物層を有す
る実施例12、13の回路パターンは、AlN基材に対する密
着強度が高く、かつTCT1000サイクル後の評価において
強度低下及び剥離がなく、優れた密着性を有することが
わかる。これに対し、前記金属窒化酸化物層の成分であ
るN量が70原子%を越える比較例6の回路パターンでは
AlN基材に対する密着強度が低く、かつTCT1000サイクル
後の評価において回路パターンの剥離を生じることがわ
かる。また、前記金属窒化酸化物層の成分であるO量が
25原子%を越える比較例7の回路パターンではAlN基材
に対する密着強度が低く、かつTCT1000サイクル後の評
価において回路パターンの剥離を生じることがわかる。
また、前記実施例12、13の回路基板は500℃の温度雰
囲気中に5分間曝す耐熱試験及び121℃、2気圧の条件
で2000時間放置するPCT試験後において、いずれも回路
パターンの剥離発生が認められなかった。
実施例14〜17 まず、後掲する第5表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第5表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第5表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する4種の回路基板を製造した。
得られた実施例14〜17の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT後の特性(強
度特性及び剥離特性)を調べた。その結果を第5表に併
記した。
実施例18〜21 まず、後掲する第6表に示す酸素含有量、熱伝導率を
有し、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面
を実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に第6表に示
す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつづき、ス
パッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化酸化物層
上に第6表に示す条件で接合層、バリア層、導体層を順
次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する4種の回路基板を製造した。
得られた実施例18〜21の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT後の特性(強
度特性及び剥離特性)を調べた。
後掲する第5表及び第6表から明らかなように一般式
AluM1vM2xOyNz(但し、M1はTi、Cr、Zr、Taから選ばれ
る金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金
属、uは3〜50原子%、vは3〜78原子%、xは0.0001
〜50原子%、yは0.005〜25原子%、zは5〜70原子%
を示す)にて表わされる金属窒化酸化物層を有する実施
例14〜21の回路パターンは、AlN基材に対する密着強度
が高く、かつTCT1000サイクル後の評価において強度低
下及び剥離がなく、優れた密着性を有することがわか
る。
また、前記実施例14〜21の回路基板は500℃の温度雰
囲気中に5分間曝す耐熱試験及び121℃、2気圧の条件
で2000時間放置するPCT試験後において、いずれも回路
パターンの剥離発生が認められなかった。
実施例22〜23 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
7表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第7表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記基材の表面側に形成した前記主体層上に
写真蝕刻法によりレジストパターンを形成した後、前記
レジストパターンをマスクとして前記主体層及び下地層
を順次選択的にエッチング除去して回路パターン、一端
にランド部を有する回路パターン及び枠状パターンを形
成した。また、前記基材の裏面側に形成した前記主体層
上に写真蝕刻法によりレジストパターンを形成した後、
同様に選択的にエッチングすることによりピン接合領域
を形成した。このような工程により第1図に示す構造を
有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例22、23の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT100サイクル試
験後の特性(強度特性及び剥離特性)を調べた。また、
TCT前の前記回路パターンについて、前記実施例1の(i
ii)の方法に準じたピールテストにより剥離の有無を調
べた。その結果を第7表に併記した。
実施例24、25 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
8表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第8表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記実施例22と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例22と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例24、25の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT1000サイクル
試験後の特性(強度特性及び剥離特性)を調べた。ま
た、TCT前の前記回路パターンについて、前記実施例1
の(iii)の方法に準じたピールテストにより剥離の有
無を調べた。その結果を第8表に併記した。
実施例26、27 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
9表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第9表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記実施例22と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例22と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。このような工程により第1
図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例26、27の回路基板について、実施例1
と同様に回路パターンの密着強度及びTCT1000サイクル
試験後の特性(強度特性及び剥離特性)を調べた。ま
た、TCT前の前記回路パターンについて、前記実施例1
の(iii)の方法に準じたピールテストにより剥離の有
無を調べた。その結果を第9表に併記した。
後掲する第7表〜第9表から明らかなように一般式Al
uM1vM2wAuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれ
る金属、M2はNi、W、Nb、Moから選ばれる金属、uは0.
1〜40原子%、vは0.5〜50原子%、wは0.1〜50原子
%、xは0.05〜30原子%、yは0〜20原子%、zは0.1
〜40原子%を示す)で表わされる下地層と、一般式M1wM
2xAuyOz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金
属、M2はNi、W、Nb、Moから選ばれる金属、wは0.5〜5
0原子%、xは0.1〜50原子%、yは0.1〜80原子、zは
0〜1.5原子%を示す)で表わされる主体層を有する実
施例22〜27の回路パターンは、AlN基材に対する密着強
度が高く、かつTCT1000サイクル後の評価において強度
低下及び剥離がなく、優れた密着性を有することがわか
る。
実施例28、29 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
10表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第10表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、Fe53.48wt%、Ni29wt%、Co17wt%、Si0.2wt
%、Mn0.3wt%、C0.02wt%からなるコバール製のヘッダ
付きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合し
た。なお、前記ヘッダ付きピンのピン部分の直径は0.6m
m、ヘッダ部の直径は0.3mmである。また、コバール製の
シールフレームの下面にAg−Cu系ろう材層を予め接合し
た。つづいて、前記ピンのろう材層を前記ピン接合領域
上に治具を用いて仮固定すると共に、前記シールフレー
ムのろう材層を前記枠状パターン上に治具を用いて仮固
定した。ひきつづき、ベルト炉内での窒素雰囲気中(酸
素濃度が15ppm以下)、最高温度830℃で熱処理して、前
記ピン及びシールフレームを接合した。このような工程
により第2図に示す構造を有する2種の回路基板を製造
した。
得られた実施例28、29の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第10表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、ピン接合工程前の回路パ
ターンの密着強度を前記実施例1の(i)に準じて調べ
た。また、前記各回路基板のピン接合領域でのピン引張
り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。更に、前
記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピールテスト
による剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性及び剥離
特性)を調べた。その結果を第10表に併記した。なお、
前記ピン接合領域でのピン引張り強度、TCT後の特性
(強度特性)、回路パターンの密着強度及びTCT後の状
態(強度特性及び剥離特性)は次のような方法により評
価した。
(1−1)ピン接合領域のピン引張り強度 ピン接合領域のピンを引張り試験機(インストロン社
製;4301型)を用いて5cm/minの速度で引張ることにより
ピン引張り強度を測定した。
(1−2)ピン接合領域のTCT後の強度特性 前記回路基板を−50℃まで冷却した後、150℃まで加
熱して30分間保持する温度サイクルを1000回行なう。こ
の後、前記回路基板のピン接合領域について前記(1
−)と同様な方法によりピン引張り強度を測定する。こ
の時、TCT前と同様なピン引張り強度を保持する場合は
“強度低下なし”と判定し、TCT前に比べて密着強度が
低下した場合は“強度低下あり”と判定する。また、
“強度低下あり”と判定された場合には、引張り強度も
併記する。
(2−1)回路パターンの密着強度 回路パターン上に直径0.7mmのSnメッキ銅線をSn−Pb
系のはんだにより接合する。つづいて、前記銅線を引張
り試験機(インストロン社製;4301型)を用いて5cm/min
の速度で引張ることにより前記回路パターンの密着強度
を評価した。
(2−2)回路パターンのTCT後の強度特性 前記回路基板を−50℃まで冷却した後、150℃まで加
熱して30分間保持する温度サイクルを1000回行なう。こ
の後、前記回路基板の回路パターンについて前記(2−
1)と同様な方法により回路パターンの密着強度を測定
する。この時、TCT前と同様な密着強度を保持する場合
は“強度低下なし”と判定し、TCT前に比べて密着強度
が低下した場合は“強度低下あり”と判定する。また、
“強度低下あり”と判定された場合には、密着強度も併
記する。
(2−3)回路パターンのTCT後の剥離特性 前記TCT後の回路基板の回路パターン上に、メンディ
ンテープ(3M社製;スコッチ810)を張り付け、前記テ
ープを十分な引張り強さで引張るピールテストを行な
う。この後、前記テープの接着面及び前記回路パターン
の表面を電子顕微鏡で観察する。この時、前記テープ表
面に回路パターンの引剥がし片が付着されたり、前記回
路パターン部分に引剥がし痕がある場合には、“剥離あ
り”と評価し、前記引剥がし片、前記引剥がし痕がない
場合には“剥離なし”と評価する。
実施例30、31 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wかななるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1の同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
11表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第11表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施28と同様なコバール製のヘッダ付き
ピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。ま
た、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろう
材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層を
前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共に、
前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン上に
治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内での
窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度830℃
で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合し
た。このような工程により第2図に示す構造を有する2
種の回路基板を製造した。
得られた実施例28、29の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第11表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンの密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第11表に併記し
た。
比較例8、9 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
12表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第12表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた比較例8、9の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第12表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンの密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第12表に併記し
た。
比較例10、11 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
13表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第13表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cuろう
材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層を
前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共に、
前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン上に
治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内での
窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度830℃
で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合し
た。このような工程により第2図に示す構造を有する2
種の回路基板を製造した。
得られた比較例10、11の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第13表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンの密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第13表に併記し
た。
後掲する第10表〜第13表から明らかなように一般式Al
uM1vOyNz(但し、M1はTi、Ta、Crから選ばれる金属、u
は3〜50原子%、vは3〜78原子%、yは0.005〜25原
子%、zは5〜70原子%を示す)にて表わされる金属窒
化酸化物層を有するピン接合領域にピンを所定の温度で
接合した実施例28〜31の回路基板は、AlN基材に対する
ピンの接合強度が高く、かつTCT1000サイクル後の評価
においてピンの接合強度の低下がなく、優れた特性を有
することがわかる。また、前記金属窒化酸化物層を有す
る回路パターンを前記温度で加熱した後の実施例28〜31
の回路基板は、AlN基材に対する回路パターンの密着強
度が高く、かつTCT1000サイクル後の表記において強度
低下及び剥離がなく、優れた特性を有することがわか
る。これに対し、前記金属窒化酸化物層の成分であるM1
(例えばTi)量が前記範囲を逸脱する比較例8、9の回
路基板、前記金属窒化酸化物層の成分であるAl量が前記
範囲を逸脱する比較例10、11の回路基板は、いずれもピ
ン接合領域でのピン接合強度が低く、かつ回路パターン
の密着強度も低いことがわかる。
また、前記実施例28〜31の回路基板において、枠状パ
ターンにろう材層で接合されたシールフレームは前記ピ
ンと同様にAlN基材に対して高い強度で接合されてい
た。
実施例32、33 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
14表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第14表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例32、33の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第14表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンの密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第14表に併記し
た。
実施例34、35 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
15表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第15表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例34、35の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第15表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンの密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第15表に併記し
た。
実施例36、37 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
15表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第16表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例36、37の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第16表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第16表に併記し
た。
実施例38、39 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
17表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第17表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例38、39の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第17表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第17表に併記し
た。
実施例40、41 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
18表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第18表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例40、41の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第18表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第18表に併記し
た。
実施例42、43 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
19表に示す条件で金属窒化酸化物層を成膜した。ひきつ
づき、スパッタ蒸着装置の真空を破らずに前記金属窒化
酸化物層上に第19表に示す条件で接合層、バリア層、導
体層を順次成膜した。
次いで、前記実施例1と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例1と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合した。
また、コバール製のシールフレームの下面にAg−Cu系ろ
う材層を予め接合した。つづいて、前記ピンのろう材層
を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固定すると共
に、前記シールフレームのろう材層を前記枠状パターン
上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、ベルト炉内
での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以下)、最高温度8
30℃で熱処理して、前記ピン及びシールフレームを接合
した。このような工程により第2図に示す構造を有する
2種の回路基板を製造した。
得られた実施例42、43の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第19表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第19表に併記し
た。
後掲する第14表〜第19表から明らかなように一般式Al
uM1vM2xOyNz(但し、M1はTi、Ta、Crから選ばれる金
属、M2はNi、Pt、Pb、W、Mo、Nbから選ばれる金属、u
は35〜50原子%.vは3〜78原子、xは0.0001〜50原子
%、yは0.005〜25原子%、zは5〜70原子%を示す)
にて表わされる金属窒化酸化物層を有するピン接合領域
にピンを所定の温度で接合した実施例32〜43の回路基板
は、AlN基材に対するピンの接合強度が高く、かつTCT10
00サイクル後の評価においてピンの接合強度の低下がな
く、優れた特性を有することがわかる。また、前記金属
窒化酸化物層を有する回路パターンを前記温度で加熱し
た後の実施例32〜43の回路基板は、AlN基材に対する回
路パターンの密着強度が高く、かつTCT1000サイクル後
の評価において強度低下及び剥離がなく、優れた特性を
有することがわかる。
また、前記実施例32〜43の回路基板において、枠状パ
ターンにろう材層で接合されたシールフレームは前記ピ
ンと同様にAlN基材に対して高い強度で接合されてい
た。
実施例44、45 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
20表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第20表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記実施例22と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例22と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きリードピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合
した。また、コバール製のシールフレームの下面にAg−
Cu系ろう材層を予め接合した。つづいて、前記リードピ
ンのろう材層を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固
定すると共に、前記シールフレームのろう材層を前記枠
状パターン上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、
ベルト炉内での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以
下)、最高温度830℃で熱処理して、前記リードピン及
びシールフレームを接合した。このような工程により第
2図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例44、45の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第20表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第20表に併記し
た。
実施例46、47 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
21表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第21表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記実施例22と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例22と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きリードピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合
した。また、コバール製のシールフレームの下面にAg−
Cu系ろう材層を予め接合した。つづいて、前記リードピ
ンのろう材層を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固
定すると共に、前記シールフレームのろう材層を前記枠
状パターン上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、
ベルト炉内での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以
下)、最高温度830℃で熱処理して、前記リードピン及
びシールフレームを接合した。このような工程により第
2図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例46、47の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第21表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第21表に併記し
た。
実施例48、49 まず、酸素含有量0.03原子%、熱伝導率270W/m・K
で、Wからなるビアフィルが形成されたAlN基材表面を
実施例1と同様な方法によりラッピング、ポリッシン
グ、更に湿式洗浄、逆スパッタを行なった。つづいて、
スパッタ蒸着装置を用いて前記基材の両面に後掲する第
22表に示す条件で下地層を成膜した。ひきつづき、スパ
ッタ蒸着装置の真空を破らずに前記下地層上に第22表に
示す条件で主体層を成膜した。
次いで、前記実施例22と同様に前記基材の表面側に形
成した各層を選択的にエッチング除去して回路パター
ン、一端にランド部を有する回路パターン及び枠状パタ
ーンを形成した。また、前記基材の裏面側に形成した各
層を実施例22と同様に選択的にエッチングすることによ
りピン接合領域を形成した。
次いで、前記実施例28と同様なコバール製のヘッダ付
きリードピンのヘッダ部にAg−Cu系ろう材層を予め接合
した。また、コバール製のシールフレームの下面にAg−
Cu系ろう材層を予め接合した。つづいて、前記リードピ
ンのろう材層を前記ピン接合領域上に治具を用いて仮固
定すると共に、前記シールフレームのろう材層を前記枠
状パターン上に治具を用いて仮固定した。ひきつづき、
ベルト炉内での窒素雰囲気中(酸素濃度が15ppm以
下)、最高温度830℃で熱処理して、前記リードピン及
びシールフレームを接合した。このような工程により第
2図に示す構造を有する2種の回路基板を製造した。
得られた実施例48、49の回路基板は、前記接合工程で
の熱処理の影響によりピン接合領域及びその上のろう材
層と、回路パターンとが第22表に示す構成となった。こ
のような各回路基板について、実施例28と同様にピン接
合工程前の回路パターンを密着強度、ピン接合領域での
ピン引張り強度、TCT後の特性(強度特性)を調べた。
また、前記各回路基板の回路パターンの密着強度、ピー
ルテストによる剥離有無、及びTCT後の特性(強度特性
及び剥離特性)を調べた。その結果を第22表に併記し
た。
後掲する第20表〜第22表から明らかなように一般式Al
uM1vM2wAuxOyNz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれ
る金属、M2はNi、Pt、Pb、W、Nb、Moから選ばれる金
属、uは0.1〜40原子%、vは0.5〜50原子%、wは0.1
〜50原子%、xは0.05〜30原子%、Vは0〜20原子%、
zは0.1〜40原子%を示す)で表わされる下地層と、一
般式M1wM2xAuyOz(但し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ば
れる金属、M2はNi、W、Moから選ばれる金属、wは0.5
〜50原子%、xは0.1〜50原子%、yは0.1〜80原子%、
zは0〜1.5原子%を示す)で表わされる主体層を有す
るピン接合領域にピンを所定の温度で接合した実施例44
〜49の回路基板は、AlN基材に対するピンの接合強度が
高く、かつTCT1000サイクル後の評価においてピンの接
合強度の低下がなく、優れた特性を有することがわか
る。また、前記下地層と主体層を有する回路パターンを
前記温度で加熱した後の実施例44〜49の回路基板は、Al
N基材に対する回路パターンの密着強度が高く、かつTCT
1000サイクル後の評価において強度低下及び剥離がな
く、優れた特性を有することがわかる。
また、前記実施例44〜49の回路基板において、枠状パ
ターンにろう材層で接合されたシールフレームは前記リ
ードピンと同様にAlN基材に対して高い強度で接合され
ていた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係わる回路基板によれ
ば優れた放熱性、AlN基材に対して密着強度の高い回路
パターンを有するため、ICチップやLSIチップ等の能動
素子を高密度で実装することが可能な半導体パッケー
ジ、半導体モジュールに有用である。
また、発明に係わる回路基板によれば優れた放熱性、
AlN基材に対して接合強度の高いリード(例えばピン)
を有するため、ICチップやLSIチップ等の能動素子を高
密度で実装することが可能な半導体パッケージ、半導体
モジュールに有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる回路基板を示す斜視図、第2図
は本発明に係わる別の回路基板を示す斜視図である。 1……AlN基材、2、4……回路パターン、5……枠状
パターン、6……ピン、7……ろう材層、8……シール
フレーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五代儀 靖 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝柳町工場内 (56)参考文献 特開 昭62−182183(JP,A) 特開 平1−220462(JP,A) 特開 平1−301575(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/12 - 23/14 H05K 3/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム基材と、前記基材上に形
    成され、一般式AluM1vM2xOyNz(但し、M1はTi、Cr、T
    a、Zrから選ばれる金属、M2はNi、Pt、Pd、W、Nb、Mo
    から選ばれる金属、uは3〜50原子%、vは3〜78原子
    %、xは0〜50原子%、yは0.005〜25原子%、zは5
    〜70原子%を示す)で表わされる金属窒化酸化物層と、
    前記M1の金属からなる接合層と、前記M2の金属からなる
    バリア層と、Auからなる導体層とをこの順序で積層した
    多層構造を有する回路パターンと を具備したことを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム基材と、 前記基材上に形成され、一般式AluM1vM2wAuxOyNz(但
    し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、P
    t、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、uは0.1〜40原子
    %、vは0.5〜50原子%、wは0.1〜50原子%、xは0.05
    〜30原子%、yは0〜20原子%、zは0.1〜40原子%を
    示す)で表わされる下地層と、一般式M1wM2xAuyOz(但
    し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、P
    t、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、wは0.5〜50原子
    %、xは0.1〜50原子%、yは0.1〜80原子%、zは0〜
    1.5原子%を示す)で表わされる主体層とをこの順序で
    積層した多層構造を有する回路パターンと を具備したことを特徴とする回路基板。
  3. 【請求項3】窒化アルミニウム基材と、 前記基材上に形成され、一般式AluM1vM2wCuxOyNz(但
    し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、P
    t、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、uは0.1〜25原子
    %、vは0.2〜35原子%、wは0.1〜50原子%、xは0.00
    5〜1.5原子%、yは0〜1.5原子%、zは0.5〜40原子%
    を示す)で表わされる下地層と、一般式M1xM2yCuz(但
    し、M1はTi、Cr、Ta、Zrから選ばれる金属、M2はNi、P
    t、Pd、W、Nb、Moから選ばれる金属、xは1〜50原子
    %、yは10〜80原子%、zは0.2〜40原子%を示す)で
    表わされる主体層とをこの順序で積層した多層構造を有
    するリード接合領域と、 前記基材上に形成され、前記リード接合領域と電気的に
    接続された回路パターンと、 前記リード接合領域の主体層上に接合された一般式AgxC
    uyAuz(但し、xは5〜90原子%、yは1〜50原子%、
    zは1〜50原子%を示す)で表わされるろう材層と、 前記ろう材層上に接合されたリードと を具備したことを特徴とする回路基板。
  4. 【請求項4】前記AlN基材の表面には前記下地層と前記
    主体層とをこの順序で積層した多層構造を有する枠状パ
    ターンが形成され、かつ前記枠状パターン上には前記ろ
    う材層が接合され、更に前記ろう材層上にはシールフレ
    ームが接合されていることを特徴とする請求項3記載の
    回路基板。
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