JP2831535B2 - アリウム属植物再分化植物体の調製法 - Google Patents

アリウム属植物再分化植物体の調製法

Info

Publication number
JP2831535B2
JP2831535B2 JP5175577A JP17557793A JP2831535B2 JP 2831535 B2 JP2831535 B2 JP 2831535B2 JP 5175577 A JP5175577 A JP 5175577A JP 17557793 A JP17557793 A JP 17557793A JP 2831535 B2 JP2831535 B2 JP 2831535B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
allium
plants
culture
regenerated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5175577A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06197650A (ja
Inventor
昌則 綾部
好恵 山本
慎一郎 角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP5175577A priority Critical patent/JP2831535B2/ja
Publication of JPH06197650A publication Critical patent/JPH06197650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2831535B2 publication Critical patent/JP2831535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再分化植物体の調製法
に関する。さらに具体的には、本発明は、アリウム(
llium )属植物を人工培養により増殖させる際に用いる
再分化植物体の調製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アリウム属植物としては、ニンニク、タ
マネギ、ラッキョウ、ネギ、ワケギ、ニラ、アサツキ等
が挙げられる。これらの植物は食用、香辛料として広く
利用されている。また、ニンニクは古くから薬効も認め
られていて、強精、強壮薬としても利用されている。栽
培は日本各地で行われているが、近年、ウイルスによる
被害が問題となっている。
【0003】このようなウイルスとして、例えばニンニ
クでは、ニンニクモザイクウイルス(Garlic mosaic v
irus GMV)とニンニク潜在ウイルス(Garlic late
nt virus GLV)の2種が知られており、特に前者の
被害が著しく、モザイク症状を呈するのが特徴である。
ニンニクは栄養繁殖性の作物であるため、一度ウイルス
に感染すると後代にまで伝搬してウイルス汚染が広がる
ことが知られている。ニンニク以外のアリウム属植物で
も同様の被害が知られており、このようなウイルス汚染
に対する根本的な防除対策を講ずる必要に迫られてい
る。
【0004】一方、近年、植物の組織培養法が確立さ
れ、この技術を応用して各種栄養繁殖性植物のウイルス
除去が可能となってきている。一般に、ウイルスに汚染
された植物であっても茎頂組織(生長点、meristem)に
はウイルスが存在していないことが知られている。従っ
て、この茎頂組織を培養して植物体を再分化させること
により、ウイルス無感染の植物(ウイルスフリー株)を
得ることができる。また、植物組織を培養してカルスを
形成させ、そのカルスを継代培養していくことによりウ
イルスが除去されることも知られている。こうしてウイ
ルスが除去されたカルスより植物体を再分化させること
により、ウイルス無感染の植物を得ることもできる。
【0005】ニンニクに代表されるようなアリウム属植
物についても上記方法によりウイルスを除去することが
行われており、ウイルス無感染のアリウム属植物が実際
に栽培されている。ところで、上記のウイルス除去法に
は以下のような問題点がある。例えば、茎頂組織を培養
してウイルス無感染のアリウム属植物を得る方法では、
通常、一つの茎頂組織からは一個体もしくは数個体の植
物体しか得ることはできないので、多数の植物体を得る
には、それと同等数の茎頂組織を摘出することが必要で
ある。
【0006】最近、植物ホルモン、特にサイトカイニン
を用いることによって茎頂から十数個体の植物体を再分
化させる培養法が報告されている。しかし、いずれにし
ても培養を行うためにはまず相当数の茎頂を摘出する必
要がある。茎頂組織はニンニク鱗片の基部にあり大きさ
は約0.5mm以下である。そのため茎頂の摘出には顕微
鏡下での作業が必須である。従って、茎頂摘出作業は煩
雑であり、また、作業効率が非常に低い。
【0007】これらの問題点の解決策の一つとしては、
カルスから植物体を再分化させて大量に再分化植物体を
得る方法の利用が考えられる。すなわち、一度カルスを
誘導すればそのカルスを大量に増殖させることが可能で
あり、従って再分化植物体も大量に得ることができる。
しかし、カルス培養の際に頻発する変異のため、均一な
遺伝的性質を持ったアリウム属植物を得る上で依然とし
て解決すべき問題点が存在する。
【0008】他方、植物の組織培養技術の発展は遺伝子
の導入による形質転換植物、異種の植物細胞を融合させ
て得る体細胞雑種植物の作出も可能とし、いくつかの植
物では成功例が報告されている。しかし、このような技
術を利用するためには、まず、効率よく、再現性のある
再分化植物体調製法の確立が必須である。すなわち、形
質転換を行うためにはプロトプラストを調製し、遺伝子
を導入する方法や、植物の組織に細菌を感染させて遺伝
子を導入する方法などがあるが、いずれの場合も遺伝子
を導入した細胞、組織から植物体を再分化させる必要が
ある。同様に細胞融合においても融合させた細胞から植
物体を再分化させる必要がある。
【0009】しかし、アリウム属植物では、効率よい再
分化植物体調製法が確立されたものが少ないため、形質
転換植物、体細胞雑種植物の作成に成功した例は少な
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ウイル
ス無感染(またはウイルスフリー)化、形質転換植物の
作出、体細胞雑種植物の作出等のいずれにおいても効率
よく再分化植物体を調製する方法の確立が望まれるであ
ろう。従って、本発明の目的はアリウム属植物の効率の
よい再分化植物体の調製法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、アリウム属植
物の特定の植物体部分を器内で培養することにより対応
する植物の再分化植物体が効率よく得られることを見い
出し完成するに至った。従って、上記課題は、アリウム
属植物の普通葉下部および/または普通葉基部を外植片
として用いることを特徴とする前記植物の再分化植物体
の調製法の提供により解決される。
【0012】さらに、本発明の好ましい態様としては、
アリウム属植物の普通葉として、特に普通葉基部を用い
る前記植物の再分化植物体の調製法を提供する。
【0013】
【具体的な態様】(a)アリウム属植物体 本発明でいうアリウム属植物とは、ゆり科(Liliacea
e)アリウム属に属する植物を指し、例えばアリウム・
サチバム〔Allium sativum L. Makino 、一般名ニン
ニク〕、アリウム・セパ〔Allium cepa、一般名タマネ
ギ〕、アリウム・シネンセ〔Allium chinense、一般名
ラッキョウ〕、アリウム・アムペロプラズム〔Allium
ampeloprasum、一般英名great headed garlic あるいは
elephant garlic (エレファントガーリック)〕等が挙
げられる。
【0014】(b)外植片の調製 本発明では外植片(植え込みに用いる組織片)として、
普通葉下部、普通葉基部を用いる。これらの外植片はア
リウム属植物の鱗茎より摘出する。ここで、普通葉下部
とは普通葉の付け根より0.5〜1.0cm上部までをい
い、普通葉基部とは普通葉の付け根より0.1〜0.3
cm下部までをいう。なお、普通葉基部を外植片として使
用する場合、普通葉と普通葉との間の部分(図1におけ
るaの部分)を残すようにするのが好ましい。
【0015】鱗茎から普通葉下部および/または普通葉
基部を摘出する方法としては、例えば、鱗茎または適当
な大きさに切断した鱗茎を次亜塩素酸ナトリウム、塩化
ベンザルコニウム、エチルアルコール等の植物細胞に影
響が少ない殺菌剤で殺菌し、ついで殺菌水で十分洗浄
後、貯蔵葉を取り除き、普通葉を露出させ上部を切断除
去した後、この普通葉下部および/または普通葉基部を
直接または適当な大きさに切りとり、培養に供する。本
発明ではこのように一つの鱗茎から普通葉下部および/
または普通葉基部を摘出し、多数の外植片を調製して培
養に供することが可能である。
【0016】(c)使用培地 ここで培地としては少なくとも無機塩類、ビタミン等の
有機成分、炭素源、植物生長調節物質等の植物の生育に
必要な成分を含む任意の培地を用いることができる。本
発明で用いる基本培地としては、ムラシゲ・スクーグ培
地、リンスマイヤー・スクーグ培地が望ましい。そして
特に外植片として普通葉下部を用いる場合、この基本培
地に植物生長調節物質を添加することもできる。植物生
長調節物質としては、オーキシン(インドール−3−酢
酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、1−ナフタレン
酢酸等)とサイトカイニン類(カイネチン、6−ベンジ
ルアミノプリン、ゼアチン等)とを組み合わせて用い
る。
【0017】培地は上記したような基本培地と必要な成
分とからなるが、アリウム属植物から再分化植物体を得
る場合は、基本培地としてリンスマイヤー・スクーグ培
地を用い、植物生長調節物質として1−ナフタレン酢酸
と6−ベンジルアミノプリンを0〜10mg/L好ましく
は0〜1.0mg/L程度含有するものが好ましい。
【0018】(d)培養 上記培地に(a)で示したようにして調製した外植片を
植え込み、植物のよく生育できる温度下(10〜30℃
好ましくは20〜26℃)500〜15000ルクス、
好ましくは3000〜8000ルクスの照明下(1日あ
たり9〜18時間好ましくは12〜16時間)で培養を
行うことにより1〜2ケ月で再分化植物体を得ることが
できる。なお(b)においてウイルスフリーのアリウム
属植物の鱗茎を用いれば、得られる再分化植物体もウイ
ルスフリーである。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、これらのいずれかの態様に本発明を限定する
ことを意図するものではない。実施例1 本実施例では、アリウム属植物のうちニンニク(Alliu
m sativum L.)の普通葉下部を外植体とした再分化培
養についてその培養方法を示す。
【0020】培養の材料としては、福地ホワイト種のニ
ンニクを用いた。 1.材料の殺菌 まず、ニンニクの鱗茎を小鱗茎に分解した後、外皮を除
去した。次いで、塩化ベンザルコニウム溶液及び水で洗
浄後、小鱗茎の基部を約1cmの立方体状に切断した。こ
の切片を70%エタノールに5分間浸漬した後、滅菌水
で洗浄した。
【0021】2.外植片の調製 材料の殺菌後、残っている貯蔵葉部分を取り除き、普通
葉を露出させた。普通葉の高さが0.5cm程度になるよ
うに上部を切りとり、残った普通葉下部をはぎ取って外
植片とした。
【0022】3.培地 リンスマイヤーとスクーグの培地(以下、LS培地)を
基本培地とし、これに植物ホルモンのナフタレン酢酸
(以下、NAA)とベンジルアデニン(以下、BA)を
それぞれ0,0.01,0.1,1.0mg/Lの濃度で
添加し、16通りのホルモン条件を作製し(表1)、培
養に用いた。 4.培養 調製済みの外植片を16通りのホルモン条件の培地に基
部より挿し込み、25℃、16時間照明で静置培養を行
った。
【0023】5.植物体の再分化 培養を開始して2〜3週間目に、外植片基部からの再分
化が始まった。その後、2ケ月以内に発根した再分化植
物体を得ることができた。表1に各ホルモン条件下での
再分化の効率(外植片数に対する再分化植物体数の割
合)を示した。表に示したようにすべてのホルモン条件
下で再分化植物体が得られた。
【0024】特に、NAA0.01mg/L+BA0.1
mg/LおよびNAA0.1mg/L+BA1.0mg/L添
加培地では80%以上の再分化効率を示した。この条件
では1鱗茎から約15個体、1個体から約100個体の
再分化植物体が得られることになる。また、再分化植物
体には小球を形成するものもあり、特にBA0.01mg
/L添加培地では再分化植物体の50%が小球を形成し
た。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 本実施例では、アリウム属植物のうちタマネギ(Alliu
m cepa)を用いた再分化培養法についてその培養法を示
す。培養は実施例1と同様に行った。すなわち普通葉外
植片を調製し、16通りのホルモン条件下のLS培地に
植え込んで培養を行った。
【0027】その結果を表2に示した。16通りのホル
モン条件のうち2通りの条件で再分化植物体が得られ
た。そのうちNAA,BAとも1.0mg/L添加では4
7%の再分化効率を示した。この条件ではタマネギ1個
体から約15個体の再分化植物体が得られることにな
る。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 本実施例では、アリウム属植物のうちラッキョウ(All
ium chinense)を用いた再分化培養法についてその培養
法を示す。培養は実施例1と同様に行った。すなわち普
通葉外植片を調製し、16通りのホルモン条件下のLS
培地に植え込んで培養を行った。
【0030】その結果を表3に示した。16通りのホル
モン条件のうち8通りの条件で再分化植物体が得られ
た。特に、NAA1.0mg/L+BA0.1mg/LとN
AA1.0mg/L+BA1.0mg/Lの2通りのホルモ
ン条件下では100%の再分化効率を示した。この条件
下ではラッキョウ1個体から約70個体の再分化植物体
が得られることになる。
【0031】
【表3】
【0032】実施例4 本実施例では、アリウム属植物のうちワケギ(Allium
fistulosum L.var.caespitosum Makino )を用いた
再分化培養法についてその培養法を示す。培養は実施例
1と同様に行った。すなわち普通葉外植片を調製し、1
6通りのホルモン条件のLS培地に植え込んで培養を行
った。
【0033】その結果、16通りのホルモン条件下のう
ち2通りの条件で再分化植物体が得られた。その内、最
適条件では47%の再分化率を示した。この条件下では
ワケギ1個体から約30個体の再分化植物体が得られる
ことになる。
【0034】
【0035】実施例5 本実施例では、アリウム属植物のうちニンニク(Alliu
m sativum L.)を用い、普通葉基部を外植片とした再
分化培養についてその培養方法を示す。培養の材料とし
ては、福地ホワイト種のニンニクを用いた。 1.材料の殺菌 まず、ニンニクの鱗茎を小鱗茎に分解した後、外皮を除
去した。次いで、塩化ベンザルコニウム溶液及び水で洗
浄後、小鱗茎の基部を約1cmの立方体状に切断した。こ
の切片を70%エタノールに5分間浸漬した後、滅菌水
で洗浄した。
【0036】2.外片の調製 材料の殺菌後、残っている貯蔵葉部分を取り除き、普通
葉を露出させ、普通葉をはぎ取った。そして普通葉をは
ぎ取った後の基部を約2mmの厚さに切りとり外植片とし
た。
【0037】3.培地 リンスマイヤーとスクーグの培地(以下LS培地)を基
本培地とし、これに植物ホルモンのナフタレン酢酸(以
下NAA)とベンジルアデニン(以下BA)をそれぞれ
0,0.1、または1.0mg/lの濃度で添加し、9通
りのホルモン条件を作製し培養に用いた。 4.培養 調製済みの外片を9通りのホルモン条件の培地に置床
し、25℃、16時間照明で静置培養を行った。
【0038】5.植物体の再分化 培養を開始して5日目に、外片からの再分化が始まっ
た。まず、外植片とした普通葉基部のうち、普通葉を除
いた後に残る普通葉と普通葉の間の組織から茎頂組織に
類似したドーム状の組織が形成された。このドーム状組
織は外部形態が茎頂に類似していた。また、組織切片の
観察の結果、ドーム状組織の内部構造も茎頂の内部構造
に類似しているものと考えられた。このドーム状組織が
緑化、生長し植物体となった。培養を開始して3週間目
には1cm以上の植物体となり、さらに培養を継続すると
発根し、鉢上げ可能な植物体となった。
【0039】前述した9通りのホルモン条件では、ホル
モンを含まない培地での再分化が最も効率が高く、1鱗
茎から20−30本の再分化植物体が得られた。通常、
ホワイト種ニンニク1個体は6個の小鱗茎を持っている
ので、1個体から120−180本の再分化植物体が得
られることになる。NAAおよびBAを含む培地では再
分化の効率はホルモンを含まない培地よりも低く、ま
た、ホルモンの濃度が高くなるにつれて再分化は抑制さ
れていた。結果を次の表5に示す。
【0040】
【表5】 このように普通葉の基部を外植片とした再分化培養は、
短期間で再分化植物体が得られること、再分化効率が高
いこと、再分化に植物ホルモンの添加を必要としないこ
となどの特徴をもっている。
【0041】6.小球形成 ここに示した培養法において、材料とするニンニクを予
め低温処理することにより、再分化植物体に小球を形成
させることができた。すなわち、2週間以上4℃前後の
低温下でニンニクを貯蔵した後に培養に用いることによ
って得られる再分化植物体は高率で小球を形成した。特
に2か月以上低温処理をしたニンニク鱗茎から得られた
再分化植物体は90%以上のものが小球を形成した。
【0042】この小球は培養容器から取り出して、保存
することが可能で、また通常の用土に植え付けることに
よって発芽し、栽培を行うことが可能である。したがっ
て、通常、培養によって得られた再分化植物体を培養容
器から取り出して栽培する際に必要である順化作業が不
要である。
【0043】
【発明の効果】本発明による再分化植物体の調製法によ
れば、アリウム属再分化植物体を大量に得ることができ
る。すなわち、従来のアリウム属植物の茎頂培養および
カルス培養により再分化植物体を得る方法には、前記し
たような問題があったのであるが、これに対して本発明
は普通葉を外植片とするため煩雑な茎頂摘出作業を行う
必要がなく、容易に、大量の外植片を調製することが可
能である。
【0044】従って、効率よく大量の再分化植物体を得
ることができる。また外植片から直接植物体が再分化す
るため、培養に要する期間が1〜2ケ月と短く、変異も
少ない。ここで、培養に用いるアリウム属植物としてウ
イルスフリー株を用いれば、再分化植物体もウイルスフ
リーであり、ウイルスフリー株の大量増殖も可能であ
る。
【0045】また普通葉下部、普通葉基部に遺伝子を導
入した後、本発明による再分化植物体の調製法に供すれ
ばアリウム属の形質転換植物体を得ることができる。更
に、再分化植物体に発芽可能な小球を形成させることが
できるため、順化作業を必要とせず、また小球は保存も
可能で任意の時期に植えこみを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニンニク鱗茎の断面を略図的に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 育種学雑誌,第38巻別冊2号 (1988),p76−77 育種学雑誌,第39巻別冊1号 (1989),p26−27 植物組織培養,第8巻第3号 (1991),p166−170 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01H 4/00 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリウム(Allium )属植物の茎頂並び
    に普通葉を除いた普通葉基部から成る外植片を植物ホル
    モン非存在下で培養し、該外植片から再分化を開始させ
    ることを特徴とする再分化植物体の調製法。
  2. 【請求項2】 普通葉基部が普通葉の付け根から0.1
    〜0.3cm下部までから成る請求項1に記載の調製法。
  3. 【請求項3】 アリウム(Allium )属植物がニンニク
    である請求項1または2に記載の調製法。
JP5175577A 1992-11-13 1993-07-15 アリウム属植物再分化植物体の調製法 Expired - Lifetime JP2831535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5175577A JP2831535B2 (ja) 1992-11-13 1993-07-15 アリウム属植物再分化植物体の調製法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30402792 1992-11-13
JP4-304027 1992-11-13
JP5175577A JP2831535B2 (ja) 1992-11-13 1993-07-15 アリウム属植物再分化植物体の調製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06197650A JPH06197650A (ja) 1994-07-19
JP2831535B2 true JP2831535B2 (ja) 1998-12-02

Family

ID=26496811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5175577A Expired - Lifetime JP2831535B2 (ja) 1992-11-13 1993-07-15 アリウム属植物再分化植物体の調製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2831535B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1209007C (zh) * 1999-06-22 2005-07-06 湧永制药株式会社 制备无病毒植物的方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
植物組織培養,第8巻第3号(1991),p166−170
育種学雑誌,第38巻別冊2号(1988),p76−77
育種学雑誌,第39巻別冊1号(1989),p26−27

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06197650A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bonga et al. Rejuvenation of tissues from mature conifers and its implications for propagation in vitro
Ramakrishnan Nair et al. Somatic embryogenesis and plant regeneration in black pepper (Piper nigrum L.): I. Direct somatic embryogenesis from tissues of germinating seeds and ontogeny of somatic embryos
Kumar et al. Establishment of embryonic cultures and somatic embryogenesis in callus culture of guggul-Commiphora wightii (Arnott.) Bhandari
Bonner Plant tissue cultures from a hormone point of view
JP2008178388A (ja) ニンニクの増殖方法
JP2831535B2 (ja) アリウム属植物再分化植物体の調製法
Nishitha et al. Micropropagation and encapsulation of medicinally important Chonemorpha grandiflora
CN109220809B (zh) 栾树体细胞胚胎发生及植株再生的培养方法
Krishnan et al. Rapid propagation through shoot tip culture of Trichopus zeylanicus Gaertn., a rare ethnomedicinal plant
US7445932B2 (en) Development of a highly efficient in vitro system of micropropagation of solanum viarum
JP2002233360A (ja) ヒメイタビの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法
CA2276003A1 (en) Method for rapid maturation and cultivation of ginseng plants regenerated from somatic embryo cultures
WO1993012645A1 (en) Somatic embryogenesis and plant regeneration of cacao
Ruaud Maturation and conversion into plantlets of somatic embryos derived from needles and cotyledons of 7–56-day-old Picea abies
JP3742592B2 (ja) ウイルスフリー植物の作出方法
Saadat et al. The effects of different in vitro and ex vitro treatments on the rooting performance of Persian walnut (Juglans regia L.) microshoots
CN107125135A (zh) 一种利用花序轴高效诱导大蒜胚性愈伤组织的方法
JPH0998684A (ja) ユーカリプタス・グロブラスのクローン増殖方法
Marques Silva et al. In vitro shoot culture on Juglans regia L.: repeated subculturing on juvenile and adult material
Mehedi et al. Impact of different explants and growth regulators on in vitro regeneration of chrysanthemum
JP2773062B2 (ja) ミカン科植物の大量急速増殖法
CN112970583B (zh) 一种红比利时杜鹃再生技术体系的建立方法及其应用
KR101963644B1 (ko) 기내배양을 통한 이고들빼기 대량생산방법 및 이고들빼기 캘러스 또는 현탁배양액으로부터 추출된 추출물을 유효성분으로 포함하는 화장품 조성물
Bora et al. In vitro propagation of Heliconia psittacorum through axillary bud
Kaltsikes et al. Triticale (Triticosecale): Production through embryo culture

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090925

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100925

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100925

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110925

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120925

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130925

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term