JP2829541B2 - 道路区画線用路材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は夜間雨天時においても、視認性が低下しな
い上面に凹凸を有する道路区画線に用いる路材に関す
る。

（従来の技術） 現在一般に利用されている道路区画線は厚さ１〜3mm
の扁平な形状であり、夜間雨天時には、その視認性は殆
どなく、交通安全上大きな問題となっている。最近この
対策として、上面に凹凸を有する道路区画線（以下特殊
ラインと言う）が研究され、その路材として二液性の樹
脂、或いは従来の路材と同種の熱可塑性樹脂に骨材等の
混入材を増し、粘度を高めた材料が提案されている。し
かしこれ等はいずれも下記の諸点において、問題が残さ
れている。

二液性の樹脂については （１）硬化時間が20〜30分かかるため、その間の通行を
止めなければならない。

（２）主剤、硬化剤の混ぜ方により硬化時間が変化する
ため、施工が平易でなく、専任者を必要とする。

（３）硬化した樹脂は耐摩耗性が極めてよく、かえって
表面に散布されたガラスビーズのみ脱落し、従って目的
とする夜間雨天時の視認性の確保を阻害する不安があ
る。

（４）又硬化物は非常に硬いため、車輌通行時に路面よ
り剥離し易く、歩行者等に損傷を与える危険も生ずる。

又熱可塑性樹脂に骨材を増量する場合は （１）夏場、凸部が車輌通行により変形し、夜間雨天時
の視認性が低下する不安がある。

（２）施工後ラインにクラックが生じ易い。

以上の問題点があり、特殊ライン用路材については、
現在各所で研究開発中である。

（発明が解決しようとする問題点） 夜間雨天時における視認性向上対策として注目されて
いる特殊ライン施工に用いる路材において、従来用いら
れている路材を使用した場合、特殊ラインにおいて、重
要な要素となる凸部の形状を施工時確保することが難し
く、又夏場にこの凸部がくずれる不安もある。さらに現
在知られている新材料においては前述の問題点が残る。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前述した特殊ライン施工における問題点を下
記のような簡単な手段で解決したものである。即ち軟化
点110℃以上の熱可塑樹脂10〜20％、骨材40〜80％、ガ
ラスビーズ15〜30％、着色顔料５〜10％、長さ10〜2000
ミクロン、直径３〜30ミクロンのファイバー0.5〜５％
を混成し、溶解した路材を使用することにより、特殊ラ
ンイン施工時凸部形状を確保し、かつ夏場においても凸
部形状がくずれない、しかもクラックの発生を完全に防
止出来る特殊ラインを移行することが出来る。

（実施例） 本発明の実施例について、図面に従い詳細に説明す
る。

第１図は本発明の路材を用いて、特殊ラインを施工す
る場合のモデル図である。第２図、第３図、第４図、第
５図は該特殊ラインの他の実施例の平面図である。

図において、１は溶解した本発明の路材４を蓄積する
スリットボックス本体、２は特殊ラインの巾を規制する
巾規制板にして、路面に密着している。３は複数個の台
形状の溝８を有するライン厚み規制板、５、６は該溝８
を開閉する遮蔽板であり、５は開口時、６は閉口時を示
している。又７は特殊ラインの重要部分となる台形状の
凸部を示している。

つぎに本発明の路材が施工される過程について説明す
る。

該路材４は別途熔融釜（記載されていない）で溶解さ
れ、スリットボックス１に蓄積される。その後施工機は
所定の位置に運ばれ、スリットボックス本体１が有する
スリット（記載されていない）を開くと、路材４は、巾
規制板２、厚み規制板３を介して流出する。その際該厚
み規制板３に設けられた溝８からも流出し、第１図７に
示すような台形状の凸部がライン上に形成される。又こ
れは遮蔽板５、６の開閉制御により、ライン上に所定の
パターンで形成される。いま通常ライン用の路材でこれ
を行った場合、路材は該溝８を流出後直ちに凸部がくず
れ、平坦掻し、特殊ラインを形成ることが出来ない。又
単に骨材を増量してても、粘度は上がって特殊ラインは
形成されるが、施工後ラインにクラックが入り易く実用
にはならないことが経験的にわかっている。即ち本発明
はこれ等の欠点を除去した実用性ある特殊ラインを形成
するにふさわしい路材を開発すべく、種々の実験研究を
重ね、ここに目的を達成する路材を提供するものであ
る。特に適当な長さ、大きさのファイバーを混入させる
ことにより、特殊ラインの形成に支承を来さない、かつ
耐クラック性の大きい路材を提供することが出来る。

ここに１実施例を挙げる。

実施した組成配合率 軟化点110℃以上の熱可塑性樹脂（例 ハイレッツ、ク
イントン、ハイワックス、大豆油等）約18％（重量比） 骨材１（例 炭酸カルシウム、微小ガラスビーズ等）約
55％（重量比） 骨材２（例 長さ10〜2000ミクロン、径３〜30ミクロン
のガラスファイバー） 約 2％（重量比） ガラスビーズ 約21％（重量比） 着色顔料 約 4％（重量比） 上記路材の温度−粘度特性 温度 180℃ 約48000CPS 温度 190℃ 約44000CPS 温度 200℃ 約40000CPS 温度 210℃ 約38000CPS 上記路材を使用すれば、目的の特殊ラインを容易、か
つ簡単に施工することが出来ることが確かめられてい
る。

なお第２図、第３図、第４図、第５図は施工機の機能
とあわせて施工した種々の特殊ラインの実施例である。

（発明の効果） 本発明の効果について記すと （１）軟化点の高い熱可塑性樹脂を用いているため取扱
が簡単容易でかつ夏場にも凸部の形状はくずれない特殊
ラインを施工することが出来る。

（２）施工機の機能にあわせて種々の特殊ラインの施工
が可能となる。

（３）混入するファイバーの長さ、大きさを限定するこ
とにより、耐クラック性が向上し、実用性ある特殊ライ
ンを施工することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の路材を用いて、特殊ラインを施工する
場合のモデル図、第２図、第３図、第４図、第５図は該
特殊ラインの他の実施例の平面図である。 符号の説明 １……スリットボックス本体、２……巾規制板、３……
厚み規制板、４……路材、５……開口時遮蔽板、６……
開口時遮蔽板、７……特殊ラインの凸部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に凹凸を有する道路区画線に用いる路
   材において、軟化点100℃以上の熱可塑性樹脂10〜20
   ％、骨材40〜80％、ガラスビーズ15〜30％、着色顔料５
   〜10％、長さ10〜2000ミクロン、直径３〜30ミクロンの
   ファイバー0.5〜５％を成分とする道路区画線用路材。