JP2828030B2 - 光アシストパターン形成方法および装置 - Google Patents

光アシストパターン形成方法および装置

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JP2828030B2
JP2828030B2 JP12130096A JP12130096A JP2828030B2 JP 2828030 B2 JP2828030 B2 JP 2828030B2 JP 12130096 A JP12130096 A JP 12130096A JP 12130096 A JP12130096 A JP 12130096A JP 2828030 B2 JP2828030 B2 JP 2828030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、量子効果半導体デ
バイスなど極めて寸法の小さい半導体構造を形成するた
めに使用する、光の回折限界以下の寸法の微細パターン
を形成する光アシストパターン形成方法およびそれを実
現する光アシストパターン形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板上にパターンを形成す
る際には以下の方法が一般的に用いられる。まず半導体
基板上に主に有機材料からなるレジストを回転塗布法な
どにより塗布する。レジストに所望のパターン状に制御
されたエネルギー線を照射して、レジスト内で化学変化
を誘起しパターンの潜像を形成する。この化学変化は引
き続く現像処理工程における現像液に対するレジストの
溶解性の差異を生じさせる。エネルギー線が照射された
部分が溶解しやすくなる場合には「ポジ型」、逆の場合
は「ネガ型」と呼ばれる。この溶解性の差異を利用して
現像を行いレジストパターンを形成する。このレジスト
パターンをマスクとしてウェットエッチングやドライエ
ッチングなどのエッチングが行われることにより基板に
加工が加えられパターンが形成される。ここで、照射す
るエネルギー線としては所望のパターン形状があらかじ
め記録されたマスクを透過しレンズ系により縮小された
紫外線やX線などの電磁波、あるいは電子線やイオン線
などの走査可能な粒子線が用いられる。この方法で形成
可能な半導体パターンの最小寸法(加工精度)は、主に
レジストの感光寸法精度によって決まり、サブミクロン
のオーダである。
【0003】以上のような方法とは別に、半導体基板上
にパターンを形成する方法として、エッチングガスまた
は原料ガス雰囲気中で集束したエネルギー線を基板上に
直接照射することによってパターンを形成する、ビーム
アシスト直接描画法がある。照射するエネルギー線とし
ては集束レーザ光線や集束した電子線、イオン線などの
粒子線が用いられる。この方法で形成可能な半導体パタ
ーンの最小寸法(加工精度)は、レーザ光線を用いる場
合回折による光の集束限界である光波長程度となる。一
方、粒子線を用いる場合レーザ光の場合に比べて集束で
きる寸法はかなり小さくでき、たとえば電子線の場合1
00オングストロームのオーダまで集束することが可能
である。しかしながら粒子線を用いる直接描画法では、
粒子線源の維持のために高真空下で工程を行う必要があ
り、そのためエッチングガスや堆積原料ガスの圧力を高
くとることはできず、工程のスループットは極めて低い
ものになってしまう。
【0004】レーザ光を用いた直接描画法において加工
精度を制限している原因である、回折による光の集束限
界を打破するためにエバネッセント光波を用いる方法が
考案され、近年実験的にもその有効性が確かめられてき
ている。このような技術は近接場光学効果技術と呼ばれ
ている。例えば応用物理 第65巻 2頁から12頁
(1996年)において大津により「フォトン走査トン
ネル顕微鏡技術」と題された総合報告がなされている。
エバネッセント波は伝播しない波であり、物質表面近傍
から光波長程度の領域内に局在する。光ファイバーの先
端部を光波長よりも十分に小さい寸法になるよう加工し
て、試料表面に発生したエバネッセント光波をこの光フ
ァイバーの先端で検知したり(Collection
mode:C モードと呼ばれる)、この光ファイバー
の先端部に発生するエバネッセント光波を試料表面に照
射したときの散乱光や発光を検知することにより(Il
lumination mode:I モードと呼ばれ
る)、光の回所限界を超える分解能で試料表面の微細な
表面構造を観察することが可能になる。
【0005】近接場光学効果技術をレーザ光を用いたパ
ターン直接描画技術に適用することによりパターン形成
時の回折による光の集束限界を打破することができる。
特開平7−106229号公報に開示された「光リソグ
ラフィ方法及び装置」には、近接場光学効果技術をリソ
グラフィ工程に適用した例が示されている。この例にお
いては、先端を細く加工した光ファイバーの先端に発生
するエバネッセント光波をレジストに照射することによ
り光の回折限界を超える分解能でレジスト感光工程を行
うことが提案されている。レジスト感光工程においては
光に感応するレジスト材料は基板表面上に固定されてい
るので、近接場光学効果技術による光の局所的照射を有
効に活用するとが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように近接場光
学効果は光を局所的に照射するという面においては有効
であるが、レーザ光直接描画法によるエッチングや薄膜
堆積においてはエッチングガスや堆積原料ガスが気相よ
り供給されるため、レーザ光照射による化学反応過程が
局所的に生じたとしてもガスのランダムな熱運動の影響
により加工寸法に拡がりが生じてしまう。この拡がりの
大きさはガスの平均自由行程程度であるが、これを小さ
くするためにはバッファガスを加えるなどしてかなりガ
ス庄を高めにするか装置を低温に保つかしなくてはなら
ず、レーザ光直接描画法によりサブミクロン以下の加工
精度を達成することは、一般的には困難であった。近接
場光学効果技術の効果を十分に発揮させるためにはガス
のランダムな熱運動を抑制することが必要となる。
【0007】したがって、本発明の解決すべき課題は、
上記のようなレーザ光直接描画法によるエッチングや薄
膜堆積を行うに当たって、ガスのランダムな熱運動の問
題を克服しつつ近接場光学効果技術を適用し得るように
し、これにより、回折による光の集束限界を超える寸法
精度を有する微細なパターン構造を作製しうるようにす
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の光アシストパターン形成方法は、基板上の
所望の位置にエバネッセント光波を照射し同時にエバネ
ッセント光波照射位置に集束エッチングガス流または集
束堆積原料ガス流を照射して当該エバネッセント光波照
射位置にてエッチングまたは膜堆積を起こらせることを
特徴とするものである。そして、上記の光アシストパタ
ーン形成方法は、中空の光ファイバーの終端部を基板上
に対向させ該光ファイバーの他端より光を入射伝播させ
て、該光ファイバーの終端部において発生するエバネッ
セント光波を基板上に照射し、同時に前記中空の光ファ
イバーの内部を通じてエッチングガスまたは堆積原料ガ
スをエバネッセント光波の照射部に輸送することによっ
て行われる。
【0009】また、上記の課題を解決するための本発明
の光アシストパターン形成装置は、光を発生する光源手
段と、光を伝搬しその先端部にその伝搬光のエバネッセ
ント光波を発生する中空光ファイバーと、前記光源手段
の発生する光を前記中空光ファイバーに導入する手段
と、前記中空光ファイバーの中空部にエッチングガスま
たは堆積原料ガスを導入する手段と、前記中空光ファイ
バーの先端部近傍に被加工基板を保持する基板保持手段
と、前記中空光ファイバーの先端部と前記基板の相対位
置を制御する位置制御手段と、を具備することを特徴と
している。そして、好ましくは、前記光源手段が発生す
る光の強度を制御する光源制御手段および/または前記
中空光ファイバーに導入されるガスのオン/オフを制御
するガス制御手段が更に備えられる。また、前記中空光
ファイバーは、複数個2次元的に周期性をもって配置さ
れている。また、前記光源手段は、エッチングガスまた
は堆積原料ガスを光化学分解しうる波長域の光源、およ
び、エッチングガスまたは堆積原料ガスの共鳴吸収波長
より長波長の光源を有し、両光源から同時に光を発生さ
せ得るように構成されている。また、前記中空光ファイ
バーが前記基板よりも高温となるように温度を制御する
温度制御機構が設けられている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を説
明するための要部断面図である。本発明の実施例におい
ては、中空なコア1およびクラッド2からなる光ファイ
バーが用いられる。先に述べたように光波長の大きさよ
り小さい寸法に加工した光ファイバーの先端から発生す
るエバネッセント光波を基板上に照射することができ、
これにより光の回折限界を超えて局所領域に光照射する
ことが可能である。これにエッチングガスや堆積原料ガ
スを加えればエッチング加工や薄膜堆積が可能になる
が、加工寸法精度を高めるためには供給ガスの熱運動、
特に光ファイバーの径方向への熱運動を抑制する必要が
ある。本発明の実施例においては、これを解決するため
光ファイバーとして中空な光ファイバーを用い、エッチ
ングガスや堆積原料ガスをこの中空光ファイバーの中空
部を利用して光ファイバーに共軸に輸送し、エバネッセ
ント光波の存在する光ファイバー先端近傍にのみガスを
供給する方法を採る。
【0011】コア1の先端は選択化学エツチングなどの
方法により細く加工されており、空気中に露出してい
る。図示されてはいないが、コアのホーン状に細くなさ
れたコアの外表面にはAuコートが施されている。コア
1の屈折率はクラツド2の屈折率に比較して大きく、コ
ア内を入射光4は全反射しながら伝播する。このとき、
クラツド2の屈折率が小きくかつ中空部の径があまり大
きくなければ光ファイバー内の入射光強度の空間分布は
7に示したごとく光ファイバーの中心で強度が最大とな
る分布になる。コア1とクラツド2の界面領域にはエバ
ネッセント光波8が発生する。コア1の屈折率は空気の
屈折率(〜1)よりも大きく、光ファイバーの先端部に
おいても図に示すようにエバネッセント光波8が発生す
る。エッチングまたは薄膜堆積工程に必要なエッチング
ガスまたは堆積原料ガス5は光ファイバーの中空部3を
通じて入射光4の伝播と共軸で光ファイバーの先端部ま
で輸送される。ここで基板6を入射光4の波長に比べて
短い距離まで光ファイバーの先端部に接近させると、エ
バネッセント光波8が基板6上に照射されるようにな
り、エッチングガスあるいは堆積原料ガスが光反応を起
こしてエッチングまたは薄膜堆積が起こる。コア1の先
端曲率半径が微小な場合には、光照射領域はコア1の先
端曲率半径の大きさ程度となる(なお、ここでいう曲率
半径とは、コアの先端部と滑らかな曲線で結ばれる中空
部3を覆う仮想的球面の曲率半径をいう。)。
【0012】そこで先端曲率半径を微小化し、コア1と
基板6の表面を接近させることによって、照射領域の拡
がりを入射光4の波長に比べて極めて微小化できる。光
照射領域の寸法は概ね0.1μm以下が達成できる。こ
の方法によれば、光照射領域に局所選択的にガス供給が
なされ、かつ供給されるガスの速度ベクトルはある程度
光ファイバー軸方向にそろったビーム状に近いものにな
って光ファイバーの径方向への熱運動が抑制された望ま
しいガス供給が可能である。従って、ガスの熱運動によ
るパターン加工寸法拡がりは起こりにくく、近接場効果
による局所的光照射の効果との相乗効果により微細パタ
ーンの加工が可能になる。
【0013】さらに、この中空光ファイバーにエッチン
グガスまたは堆積原料ガスの共鳴吸収波長より長波長の
光を共軸に伝搬させると、双極子力によりガス分子は光
強度の大きい部分、すなわち光ファイバーの中心軸付近
に引き寄せられる。このことは、原理的にロシアのレト
コフらのグループによりオプティックス・コミュニケー
ションズ誌 第98巻 77頁から79頁(Optic
s comm.vol.98,pp.77−79(19
93))において指摘され、レンらによってフィジカル
・レビュー・レターズ誌 第75巻 3253頁から3
256頁(Phys.Rev.Lett.vol.7
5,pp.3253−3256(1995))において
実証されている。この効果を利用すると中空光ファイバ
ー中にエッチングガスや堆積原料ガスを効率よく輸送す
ることができる。また、ガス分子は基板上の光照射領域
の光強度の大きい部分へと引き寄せられるので、より微
細なパターン加工が可能になる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [第1の実施例]図2は、本発明による光アシストパタ
ーン形成装置の第1の実施例を示す概略構成図である。
光ファイバー10はコア11とクラッド12の二重構造
になっており、コアの中心部は中空部13となってい
る。クラッド12の直径は50μm、コア11の直径は
10μmで、中空部13の直径は0.1μm以下であ
る。コア11は二酸化ケイ素と二酸化ゲルマニウムの混
合体、クラッド12はフッ素添加の二酸化ケイ素によっ
て作られている。
【0015】光ファイバー10の一端は、フッ化アンモ
ニウムとフッ酸の混合溶液を用いてウェットエッチング
によって加工されている。このとき、コア11とクラッ
ド12のそれぞれに含まれる二酸化ゲルマニウムの量の
差によってエッチング速度が異なり、クラッド12部分
がコア11部分よりも速やかにエッチングされるため、
コア11部分の先端が細くなった形状が得られる。混合
溶液の濃度比やエッチング時間の制御により、先端部分
の曲率半径の制御ができる。この実施例では曲率半径が
0.1μm以下となるように設定した。本実施例に用い
た光ファイバーの先端部の作製方法は、外径が均一な中
空光ファイバーの一端を選択的ウェットエッチングによ
り先鋭化するものであった。これに対し、あらかじめ溶
炎加工などにより中空光ファイバーの一端が先端部に近
づくに従ってホーン状にとがった形状に加工されたもの
を用いると、中空部も先端部にいくに従って細くなって
いくため、上記同様の選択的ウェットエッチング後の中
空部13の直径を0.01μm程度まで細くすることが
可能である。光フアイバー10はピエゾ素子15に接続
されており、ピエゾ素子15に印加する電圧の制御によ
り光ファイバー10の水平および垂直の3次元的位置が
高精度に制御できる機構になっている。光ファイバー1
0の他端には、窓23を有するチャンバー20が接続さ
れている。
【0016】チャンバー20の外部には例えば波長40
0nmのGaN系半導体レーザからなるレーザ光源25
が配置されている。レーザ光源25はレーザ制御装置2
6に接続されており、これによりレーザ出力強度やオン
・オフなどが制御される。レーザ光源25からの光出力
はレンズ24によって集光され、窓23を通ってチャン
バー20内にある光ファイバー10の一端に導入され、
入射光14が供給される。入射光14はコア11内を全
反射しながら細く加工された光ファイバー10の先端部
へと伝搬する。光ファイバー10の先端部においてエバ
ネッセント光波18が発生する。
【0017】チャンバー20にはガス流量調節弁22を
通じてガス貯蔵ボンベ21からエッチングガスまたは堆
積原料ガスが導入され、ガスは光ファイバー10の一端
から光ファイバーの中空部を通って先端部まで輸送され
る。本実施例では、エッチングガスとしては塩素ガス、
堆積原料ガスとしてはW(CO)6 ガスを用いた。一
方、ステージ17上には加工すべき基板16が載置され
ている。ここで基板16は、シリコンやゲルマニウムな
どのIV族半導体やガリウム砒素などの化合物半導体、
二酸化シリコンやサファイアなどの誘電体、もしくはこ
れらの積層体を用いることができる。本実施例ではガリ
ウム砒素基板を用いた。
【0018】ステージ17は機械的にその位置を3次元
的に移動させることができ、これにより基板16とコア
11の先端との位置関係を粗調する。ステージ17とピ
エゾ素子15、ガス流量調節弁22、レーザ制御装置2
6は制御装置19に電気的に接続され、それぞれは制御
装置19により有機的に制御される。予め、コア11の
先端と基板16の表面との間隔は3μmとなるようにス
テージ17を粗調し、ピエゾ素子15に電圧を印加する
ことによりコア11の先端を基板16に接近させる。エ
バネッセント光波18の強度はコア11の先端からの距
離に依存して大きく変化する。ここでは、先端部と基板
表面間を10nmの距離まで接近させる。
【0019】制御装置19からレーザ制御装置26に指
令を与えて、レーザ光源25から光ファイバー10に入
射光14を供給し、コア11の先端にエバネッセント光
波を発生させる。次に制御装置19からガス流量調節弁
22に指令を与えてエッチングガスまたは堆積原料ガス
をチャンバー20に導入する。ガスは、光ファイバー1
0の中空部13を通してコア11の先端部へ輸送され基
板16上に放射される。そして基板上で光化学反応が生
じる。光照射領域およびガス供給領域の拡がりはコア先
端部の曲率半径程度であり、0.1μm以下である。ピ
エゾ素子15またはステージ17を制御することによっ
て基板16上をパターン状にエッチング加工または基板
16上に薄膜を形成できる。本実施例では幅約10nm
のパターンが形成できることを確認した。このように本
実施例の方法および装置を用いると、光の回折限界を超
えた微細なパターンを直接基板上に作製することが可能
になる。また、パターンの寸法はコア11の先端と基板
表面との距離を調整することにより制御可能である。
【0020】以上の実施例では入射光14としてGaN
系近紫外レーザからの光を用いる例について示したが、
これに限られないことは言うまでもなく、光ファイバー
10を伝播しガスに反応を起こさせる波長の光であれば
よい。上記実施例では基板16が平坦であることを前提
として説明したが、基板16に段差が含まれる場合には
段差を検出する機構を設置することによりピエゾ素子1
5を駆動して光ファイバー10の高さを制御すればよ
い。
【0021】[第2の実施例]図3は、本発明による光
アシストパターン形成装置の第2の実施例を示す概略構
成図である。本実施例は複数の光ファイバーを2次元的
に周期性を持って並べることによって加工速度を向上さ
せるものである。量子効果半導体デバイスなどの微細デ
バイスを周期性を持って規則正しく整列して作製する目
的に利用することができる。複数の光ファイバー31は
光ファイバー位置が二次元的に周期的になるように規則
正しく整列して束ねられピエゾ素子32に接続されてい
る。この実施例では約1万本の光ファイバー31が、各
々の光ファイバー31が一辺100nmの正方形の頂点
の位置に来るように並べられている。本実施例のそれ以
外の構成は図2に示した第1の実施例の場合と同様であ
り、本実施例において用いられる各光ファイバーも第1
の実施例のものと同様の形状に加工されている。
【0022】光ファイバー31の他端には、窓40を有
するチャンバー37が接続されている。チャンバー37
の外部には例えば波長400nmのGaN系半導体レー
ザからなるレーザ光源42が配置されている。レーザ光
源42はレーザ制御装置43に接続されており、これに
よりレーザ出力強度やオン・オフなどが制御される。レ
ーザ光源42からの光出力はレンズ41によって集光さ
れ、窓40を通ってチャンバー37内にある光ファイバ
ー31の束の一端に導入され、入射光33が供給され
る。入射光33は先端が細く加工された光ファイバー3
1の先端部へと伝搬し、ここでエバネッセント光波が発
生する。チャンバー37にはガス流量調節弁39を通し
てガス貯蔵ボンベ38からエッチングガスまたは堆積原
料ガスが導入され、ガスは各々の光ファイバー31の一
端から光ファイバーの中空部を通って先端部まで輸送さ
れる。ステージ35上には加工すべき基板34が載置さ
れている。ステージ35は機械的にその位置を3次元的
に移動させることができ、これにより基板34と光ファ
イバー31の先端との位置関係を粗調する。ステージ3
5とピエゾ素子32、ガス流量調節弁39、レーザ制御
装置43は制御装置36によって有機的に制御される。
あらかじめ光ファイバー31の束の先端と基板34の表
面との間隔は3μmとなるようにステージ35を粗調
し、ピエゾ素子32に電圧を印加することにより光ファ
イバー31の束の先端先端部と基板34の表面間を10
nmの距離まで接近させる。
【0023】制御装置36からレーザ制御装置43に指
令を与えて、レーザ光源42から光ファイバー31に入
射光33を供給し、光ファイバー31の先端にエバネッ
セント光波を発生させる。次に制御装置36からガス流
量調節弁39に指令を与えてエッチングガスまたは堆積
原料ガスをチャンバー37に導入する。ガスは、各光フ
ァイバー31の中空部を通して各光ファイバー31の先
端部へ輸送され基板上に放出される。光照射領域および
ガス供給領域の拡がりはコア先端部の曲率半径程度であ
り、0.1μm以下である。本実施例において一回の加
工工程でおおよそ1μm四方の領域中に寸法約10nm
の円盤状のパターンが100nm間隔で周期的に形成で
きることを確認した。このように本実施例の方法および
装置を用いると、規則正しく配列した光の回折限界を超
えた微細なパターンを一回の加工工程で大量に直接基板
上に作製することが可能になる。このような工程は、電
子干渉デバイスなどで必要とされる規則正しく配列した
量子効果デバイスなどをスループットよく作るために有
用である。
【0024】[第3、4の実施例]本発明の第3、4の
実施例においては、図2、図3におけるレーザ光源2
5、42として、エッチングガスまたは堆積原料ガスを
光化学分解しうる波長域の光源であるGaN系近紫外半
導体レーザおよびエッチングガスまたは堆積原料ガスの
共鳴吸収波長より長波長の光源であるZnSe系青色半
導体レーザの2光源を備え、両光源からの出力光をミラ
ーなどで合成し共軸で取り出すことができるように構成
した装置を用いる。これにより、先に述べたように共鳴
吸収波長より長波長の光によってもたらされる双極子力
によって、エッチングガスまたは堆積原料ガスが効率よ
く輸送され、かつガスがエバネッセント光波照射領域に
集中されてより加工精度の高いパターン加工が可能にな
る。
【0025】[第5の実施例]図4は、本発明による光
アシストパターン形成装置の第5の実施例を示す要部断
面図である。上記第1ないし第4の実施例では、特に薄
膜堆積を行う場合堆積原料ガスとこれを光分解する光の
波長の関係次第では、光ファイバー中空部において化学
分解を受けたガス種の中空内壁での堆積が無視できず、
中空部内での原料ガスの円滑な輸送が妨げられることが
ありうる。本実施例はこの点に対処するものであって、
図4に示されるように、光ファイバーにはこれを加熱す
るための微細なヒーター50が備えられ、基板6が載置
されるステージとしては基板を冷却するための基板冷却
機構付ステージ51が用いられる。これにより光化学反
応を受けた堆積原料ガスの活性種の中空内壁での脱離が
促進され、中空内壁での堆積が抑制される一方、基板6
上では吸着、堆積が促進され、有効な薄膜堆積が起こ
る。
【0026】以上、本発明の実施例として、GaN系近
紫外半導体レーザを光源として、ガリウム砒素基板を塩
素ガスを用いて光アシストエッチングする場合、および
ガリウム砒素基板上にW(CO)6 ガスを用いてタング
ステン微細構造を光アシスト薄膜堆積する場合について
説明したが、本発明の方法は以上の光源、基板、エッチ
ングガス・堆積原料ガスに限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光アシス
トパターン形成方法および装置は、エバネッセント光波
を基板上に照射し同時にその照射位置に集束された反応
ガス流を照射するものであるので、本発明によれば、光
反応の起きる領域を極限することができ、光の回折限界
以下の微細なパターン構造を効率よく形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の形態を説明するための要部断
面図である。
【図2】本発明の光アシストパターン形成装置の第1、
3の実施例を説明するための概略構成図である。
【図3】本発明の光アシストパターン形成装置の第2、
4の実施例を説明するための概略構成図である。
【図4】本発明の第5の実施例を説明するための要部断
面図である。
【符号の説明】
1、11 コア 2、12 クラッド 3、13 中空部 4、14、33 入射光 5 エッチングガスまたは堆積原料ガス 6、16、34 基板 7 入射光の強度分布 8、18 エバネッセント光波 10、31 光ファイバ− 15、32 ピエゾ素子 16 基板 17、35 ステージ 19、36 制御装置 20、37 チャンバー 21、38 ガス貯蔵ボンベ 22、39 ガス流量調節弁 23、40 窓 24、41 レンズ 25、42 レーザ光源 26、43 レーザ制御装置 50 微細ヒーター 51 基板冷却機構付ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/302 H01L 21/205 H01L 21/268 H01L 21/285 301

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の光ファイバーの終端部を基板上に
    対向させ該光ファイバーの他端より光を入射伝播させ
    て、該光ファイバーの終端部において発生するエバネッ
    セント光波を基板上に照射し、同時に前記中空の光ファ
    イバーの内部を通してエッチングガスまたは堆積原料ガ
    スをエバネッセント光波の照射部に輸送することを特徴
    とする光アシストパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 光を発生する光源手段と、光を伝搬しそ
    の先端部にその伝搬光のエバネッセント光波を発生する
    中空光ファイバーと、前記光源手段の発生する光を前記
    中空光ファイバーに導入する手段と、前記中空光ファイ
    バーの中空部にエッチングガスまたは堆積原料ガスを導
    入する手段と、被加工基板を前記中空光ファイバーの先
    端部近傍に位置させて保持する基板保持手段と、前記中
    空光ファイバーの先端部と前記基板の相対位置を制御す
    る位置制御手段と、を具備することを特徴とする光アシ
    ストパターン形成装置。
  3. 【請求項3】 前記光源手段が発生する光の強度を制御
    する光源制御手段および/または前記中空光ファイバー
    に導入されるガスのオン/オフを制御するガス制御手段
    を更に具備することを特徴とする請求項記載の光アシ
    ストパターン形成装置。
  4. 【請求項4】 前記中空光ファイバーの中空部が、先端
    部に向かって徐々に狭められていることを特徴とする請
    求項記載の光アシストパターン形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中空光ファイバーが、複数個2次元
    的に周期性をもって配置されていることを特徴とする請
    求項記載の光アシストパターン形成装置。
  6. 【請求項6】 前記光源手段が、エッチングガスまたは
    堆積原料ガスを光化学分解しうる波長域の光源、およ
    び、エッチングガスまたは堆積原料ガスの共鳴吸収波長
    より長波長の光源を有し、両光源からの光が同時に前記
    中空光ファイバーのコアに入射されるように構成されて
    いることを特徴とする請求項記載の光アシストパター
    ン形成装置。
  7. 【請求項7】 前記中空光ファイバーが前記基板よりも
    高温となるように前記中空光ファイバーおよび前記基板
    の温度を制御する温度制御手段が設けられていることを
    特徴とする請求項記載の光アシストパターン形成装
    置。
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