JP2827131B2 - 研磨パッド - Google Patents

研磨パッド

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、物品の研磨に用いる研磨パッドに関し、特
に合成樹脂成形品例えばプラスチックレンズ、風防ガラ
ス、医療用品、食器、ラジオ部品、機械部品、ボタン、
キャップ、キャビネット、化粧板、眼鏡枠、プラスチッ
ク製安全ガラス等及び金属、ガラス、半導体材料等の研
磨に有用な研磨パッドに関するものである。
[従来の技術] 従来、プラスチック製品や金属等を研磨する方法及び
研磨用組成物としては、特開昭49−100689号公報及び特
開昭61−278587号公報に開示されている。
特開昭49−100689号公報には、水、研磨材及び酸性化
合物からなる研磨用組成物を用いることを特徴とする合
成樹脂成形品の研磨法及び研磨用組成物が開示されてい
る。
この方法は、従来、水と酸化セリウム、酸化アルミニ
ウム等の研磨材をスラリー化し用いていたのに対し、前
記研磨材にポリ塩化アルミニウム、硝酸セリウム、硝酸
アルミニウム、臭化アルミニウム等の酸化性化合物を添
加してなる研磨用組成物を用いるものである。
この水と研磨材と酸化性化合物からなる研磨用組成物
を用いて物品を研磨する方法は、特にプラスチックを高
能率かつ高品質に研磨することが出来るが、しかし、こ
のスラリーは強酸性スラリーであり、pH値が4〜2位で
低い。
従って、このプラスチック用研磨スラリーを用いる方
法は、強酸性のスラリーを用いるので、研磨機や治具が
腐蝕し易く、また作業者の手が荒れ易く、安全衛生上の
問題がある。
又、出願人は、上記の問題を解決するために、特開昭
61−278587号公報に、水と、酸化アルミニウムの研磨材
及び硫酸ニッケルの研磨促進剤からなり、中性ないし弱
酸性であることを特徴とする研磨用組成物を開示した。
以上の研磨用組成物は全てスラリー化して用いられる
ので、研磨スラリーを供給するためのポンプ、撹拌機、
温度コントロール、配管設備等の複雑な装置が必要で、
必ずしも作業性が良いとは言いがたい。
また、従来、シート状研磨材として用いられるものの
代表的なものとしては、紙または、布等の基材の上面
に、古くは、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどの天
然又は合成水溶性高分子物質で研磨砥粒を接着させたも
のや、近年では、フェノール系、エポキシ系、ウレタン
系、酢酸ビニル系、アクリル系などの耐水性合成樹脂接
着材で砥粒を接着させた主に、粗仕上用に使用されてい
るいわゆるサンドペーパー又は研磨テープと称するもの
がある。
しかし、これら水溶性接着材を使用したものは、耐水
性がなく、接着力が弱いので砥粒の脱落が速く、また耐
水性のある合成樹脂接着材では、接着力が強すぎて、砥
粒の脱落が起こりにくいため、いわゆる目詰まり現象を
起こして、いずれも寿命が短いという欠点を有してい
る。しかも、これらは、いわゆる鏡面仕上(ポリシン
グ)分野に使用される10μ以下の砥粒のように、砥粒径
が細かいほど、その傾向が大きく、十分なる研磨成果が
現れない。
そのため、プラスチック、金属、ガラス等の鏡面仕上
には、従来の砥粒をスラリー化した研磨用組成物が用い
られているのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] 以上の従来の研磨用組成物においては、いずれも前述
のような問題点がある。
出願人は、先に、物品を研磨するに当たって、前述の
安全衛生上の問題を解消し、作業性の良好な研磨パッド
として、研磨材と水溶性セルロースエーテル及び硬化剤
からなる混合物を基材上に塗布したものから成ることを
特徴とする研磨パッドを開発し出願した。(特願平2−
71894号) 上記研磨パッドは、簡便でかつ研磨性能は良く従来の
研磨用組成物の欠点を解消するものであるが、この研磨
パッドの製造に当たっては、被研磨物品に合わせて、所
要の形状に成形したり、例えば、Rが付いた研磨皿のよ
うな場合には、研磨パッドの密着性を保持する為に、基
材の裏面に感圧接着材を付けたりする加工工程が必要で
ある。またそれらの工程に加えるにさらに、包装、運搬
作業中に、表面の被覆層の一部を欠けたり、剥がれたり
又汚れたりする等の問題が生じ改良が望まれていた。
本発明は、従来技術の問題点、特に上記研磨パッドの
製造工程における問題点を解決するために改良されたも
のである。
本発明は、物品を研磨するに当たって、前述の安全衛
生上の問題を解消し、作業性の良好でさらに加工工程に
おいて、表面の被覆層の一部が欠けたり、剥がれたり又
汚れたりしない研磨パッドを提供することを目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の研磨パッドは、基材上に、研磨材と水溶性セ
ルロースエーテル及び硬化剤からなる研磨材混合物をシ
ート状に塗布し、さらに該乾燥研磨材混合物上にポリビ
ニルアルコール(PVA)フィルムを、水貼りまたは水溶
性粘着材を介して貼り付けて成ることを特徴とするもの
である。
また、前記PVAフィルムの厚みが10〜40μ、鹸化度80
〜90であり、前記粘着材厚みが5〜30μであり、 さらに、必要な場合には、前記研磨パッドを感圧接着
材層上に接着して成ることを特徴とする上記の研磨パッ
ドである。
[作用] 本発明の研磨パッドは、乾燥研磨材混合物上面に水貼
りまたは水溶性のアクリル系粘着材でPVAフィルムを貼
付けることによって、研磨性能を低下せずに、加工工程
中の表面の被覆層の一部が欠けたり、剥がれたり又汚れ
たりする問題点を防止することが出来るものである。
PVAフィルムは、水に対する溶解性が非常に良く、薄
いので、研磨初期に水をかけることによって、溶解し、
流されるので、研磨作業、研磨性能に影響を与えること
なく、研磨出来るものである。
また、前記PVAフィルム及び粘着材の厚みが10μ及び
5μ未満の場合は、コーティング強度,粘着効果が不十
分であり、40μ及び30μを越えると、使用時、残存し研
磨能力に多少影響を与えるので、10〜40μ及び5〜30μ
が望ましい。
さらに、PVAフィルムは使用時に水によく溶けること
が必要であり、その為には鹸化度が80〜90程度のものが
望ましい。
一方、乾燥被覆物を構成する研磨材と水溶性セルロー
スエーテル及び硬化剤について、以下に述べる。
研磨材は酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
錫及び酸化セリウムから選ばれた1種であり、その平均
粒子径が0.5〜10μが望ましい。
前記水溶性セルロースエーテルの研磨材に対する重量
割合は1〜8%であり、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルメチル
セルロースから選ばれた1種であることが望ましい。
さらに、硬化剤の研磨材に対する重量割合は0.2〜1.5
%であり、グリオキザール、クエン酸、タンニン酸、尿
素ホルマリン樹脂及びメチルロールメラミン樹脂から選
ばれた1種であることが望ましい。
基材としては、植毛布、不織布、合成紙、人口皮革、
織布、合成樹脂フィルム、スポンジ等から1種選んで用
いることが出来る。
また本発明の研磨パッドは、研磨時は、一般の市水等
の水を供給するだけで、研磨が行なえるので、研磨機や
治具が腐蝕せず、作業者の手荒れの問題が全然ない。さ
らに水の供給であるので、研磨材のスラリー化の必要は
なく、その設備も必要なく、供給装置が簡単で少なくて
すみ、作業性が大巾に向上するものである。
次に本発明の実施例について述べる。
[実施例] 第1図は本発明の研磨パッドの断面説明図、第2図は
研磨パッドのパターンの模式図、第3図は本発明の研磨
パッドの製造工程説明図である。
図において、1は基材、2は研磨材混合物、3は水溶
性粘着材、4はPVAフィルム、5は感圧接着材、6は乾
燥被覆物である。
第3図の本発明の研磨パッドの製造工程に従って本発
明について述べる。
平均粒径が3μのα型酸化アルミニウムの研磨材を40
重量部と水60重量部を混合し、これに水溶性セルロース
エーテルとして、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
をA重量部(研磨材に対する重量%換算B)を次に示す
如く添加する。
さらに硬化剤として、グリオキザール(CHOCHO)の40
%水溶液をそれぞれ0.5重量部(研磨材に対する重量%
換算:0.75%)加え、よく混合し、ペースト状の研磨材
混合物2を作る。
基材1として、従来のプラスチックレンズ研磨用に使
用されるレーヨン製植毛布を用い、この植毛布1m2当り1
200gの割合で表面に均一に、この研磨材混合物ペースト
2を塗布し、熱風乾燥機で約120℃,60分間乾燥し、1m2
当り約500g(厚さ0.4mm)の乾燥被覆物6が得られた。
この乾燥被覆物6の基材1である植毛布の裏面に両面
接着テープ等の感圧接着剤5を付け、次いで、第1図に
示すように、全面に、厚み20μ,鹸涸度87のPVAフイル
ム4を水貼りまたはアクリル系の水溶性粘着材3で貼付
ける。
次に、第2図に示すような、研磨パッドの種々の形状
の中から所要の形状を選び、選ばれた型に打抜し裁断
し、研磨パッドを作成したが、PVAフイルム4を貼付け
表面をコーティングしたので、型抜き、裁断、運搬工程
において、表面の被覆層(研磨材混合物2)の一部が欠
けたり、剥がれたり又汚れたりすることがなく、商品価
値や歩留まりが向上した。
また、表面コーティングの防湿効果により、研磨材混
合物被覆層の変色や変質がなく、経時変化が起こらず品
質が安定した。
次に、この製品研磨パッドを性能試験に用いた。
また、比較例として、従来の研磨用組成物として、水
に本発明と同等の平均粒径が3μのα型酸化アルミニウ
ムの研磨材を20重量%懸濁し、これに硫酸ニッケル(Ni
SO4・6H2O)の研磨促進剤を5重量%添加したスラリー
を用いた。
被研磨物のプラスチック製品には、アリルジグリコー
ルカーボネート樹脂の70mm径の眼鏡用レンズを用いる。
このレンズを、非球面用レンズ研磨機に装填し、レンズ
の表面に、本発明の研磨パッド又は従来法による植毛布
を当接し、レンズと研磨パッド又は植毛布を相対的に摺
動して、5分間研磨する。
研磨の間、レンズと研磨パッドの間に水のみ2/分
の割合で供給し、従来法では、研磨用スラリーを循環方
式により同じく2/分の割合で供給する。なお、研磨
圧力は、両者とも240g/cm2である。
研磨後、レンズの研磨表面を検査して、オレンジピー
ルやスクラッチのような表面欠陥の有無を調べた。
次に、レンズの重量を計測し、研磨による重量損失を
算出して研磨量を求める。
これらの結果を第1表に示す。
この第1表から明らかなように、本発明の研磨用パッ
ドは、水を供給するだけで、従来の研磨用スラリーを用
いた場合と同様に研磨量が多くて、研磨能率は非常に高
く、また表面欠陥が認められず、研磨表面の品質が高
い。
以上の実施例では、感圧接着材5を接着してから、PV
Aフイルム4を貼付する工程の順にしたが、この順序は
逆でもよい。
本発明の研磨パッドにおいては、以上に述べた実施例
に限定されるものではない。
[発明の効果] 本発明の研磨パッドは、PVAフィルムを研磨材と水溶
性セルロースエーテル及び硬化剤からなる研磨材混合物
と基材との乾燥被覆物の上面に貼付することにより、型
抜き、接着材貼付、裁断、包装の製造加工工程中に、被
覆層(研磨層)の剥がれ、欠け、汚れ等が付かないの
で、商品価値や歩留まりが向上し、また、防湿効果によ
り被覆層の変色や変質がなく、経時変化が起こらず品質
が安定する。
また従来の研磨組成物と同様に、高能率かつ高品質に
研磨することが出来る上に、従来の研磨用スラリーと異
なり、水のみを供給するため、腐蝕の問題もなく、作業
者の手荒れの問題もない。
又複雑な研磨関連装置も不要であり、作業性を大巾に
改善することが出来る等の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の研磨パッドの断面説明図、第2図は研
磨パッドのパターンの模式図、第3図は本発明の研磨パ
ッドの製造工程説明図である。 図において、1:基材、2:研磨材混合物、3:水溶性粘着
材、4:ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、5:感圧
接着材、6:乾燥被覆物。
フロントページの続き (72)発明者 三浦 司朗 愛知県西春日井郡西枇杷島町地領2丁目 1番地の1 不二見研磨材工業株式会社 内 (56)参考文献 特公 昭57−15779(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/14 B24D 13/08 B23B 27/12 - 27/20 WPI/L(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、研磨材と水溶性セルロースエー
    テル及び硬化剤からなる研磨材混合物をシート状に塗布
    し、さらに該乾燥研磨材混合物上にポリビニルアルコー
    ルフィルムを、水貼りまたは水溶性粘着材を介して貼付
    けて成ることを特徴とする研磨パッド。
  2. 【請求項2】前記ポリビニルアルコールフィルムの厚み
    が10〜40μ、鹸化度80〜90であることを特徴とする請求
    項1記載の研磨パッド。
  3. 【請求項3】前記粘着材厚みが5〜30μであることを特
    徴とする請求項1又は2記載の研磨パッド。
  4. 【請求項4】前記研磨パッドを感圧接着材層上に接着し
    て成ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の研磨パ
    ッド。
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DE69104878T DE69104878T2 (de) 1990-03-23 1991-03-07 Palierverfahren für Güter und Schleifkissen dafür.
EP91103491A EP0447885B1 (en) 1990-03-23 1991-03-07 Polishing method of goods and abrasive pad therefor

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