JP2825200B2 - ポリイソシアネート組成物及びこれを用いたポリウレタン樹脂 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物及びこれを用いたポリウレタン樹脂

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低温安定性の良好なポリイソシアネート組成
物及びこれを用いたポリウレタン樹脂に関する。
更に詳しくは、本発明は低温貯蔵安定性液状ポリイソ
シアネート組成物、及びこのポリイソシアネート組成物
を使用したポリウレタン樹脂に関する。
〔従来の技術〕
ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIとか
く)とトリレンジイソシアネート(以下、TDIとかく)
は最も多用されているポリイソシアネートであり、MDI
は、TDIに比して、蒸気圧が著しく低く安全衛生上有利
であるが、室温で固体のため、取扱いに当って不便であ
る。このため、MDIの液状化が古くより、こころみられ
てきた。
2核体、多核体を含む様にして作られた、いわゆるポ
リメリックMDI(液状)とする方法(特公昭58−26337IC
I社)、分枝状脂肪族ジヒドロキシ化合物との無触媒加
熱法(特公昭45−20700Bayer社)、そのほかにリン系触
媒法によるカルボジイミド化法(特願昭51−37057)が
ある。
更に、カルボジイミド化MDIに、更に過剰のMDIを反応
させてウレトンイミン変性し液状化する方法〔D.P.1,09
2,007(1959)Bayer社〕が知られている。更に又、水素
添加したジアミノジフェニルメタンを原料として液状化
する方法もある〔例:du Pont社“Hylene W"(du Pont社
商標)〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
MDIの液状化の合理化のため、なるべく熱源の使用を
少なくし、又触媒使用によって製品に触媒が残畄するこ
とを避ける方法による液状MDIであって、かつ、この液
状MDIによって得られるポリウレタン製品の品質が優れ
ていることが必要である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題の解決のため、鋭意研究の結
果、室温で既に液状のウレトンイミン変性MDI、TDI、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネートと室温で固
状のMDI、下記式(I)で示されるトリイソシアネート
よりなる限定された重量比の組成物が低温で永く貯蔵安
定性であり、又このポリイソシアネート組成物を使用し
たポリウレタン樹脂が優れた物性を持つことを見出して
本発明に到達した。
すなわち本発明は次の通りである。
(1)(A)(a)ジフェニルメタンジイソシアネート
と(b)液状のウレトンイミン変性ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート及びポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネートよりなる群から
選ばれた1種又は2種以上のポリイソシアネートと、 (B)一般式(I)で表わされるトリイソシアネート (ここで、R1、R2は同一又は異なる炭素数1〜4個のア
ルキル基、m、nは0または1〜2の正の整数を示
す。) とからなり、 が3〜30重量%であるポリイソシアネート組成物。
(2)活性水素含有化合物と請求項(1)に記載のポリ
イソシアネート組成物との反応によって得られるポリウ
レタン樹脂。
本発明に使用するMDIは2,4′−MDI、4,4′−MDIの何
れか1つ又は両異性体の種々の重量比の混合物である。
何れも室温では固体(融点約38℃)である。
本発明で使用する一般式(I)で示されるトリイソシ
アネートにおけるR1、R2は同一又は異なる低級アルキル
基で具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基(異性
体を含む)又はブチル基(異性体を含む)を示す。一般
式(I)で示されるトリイソシアネートはすべて室温で
固体である。
本発明で使用するTDIは2,4−体又は2,6−体異性体又
はこれら異性体の種々な重量比(例えば80/20、65/35)
の混合物である。
本発明のポリイソシアネート組成物をつくるには所定
の重量比の混合物を加熱溶融し、水分の接触を避けうる
容器に入れ、出来得れば乾燥窒素雰囲気下に室温で貯蔵
する。
本発明のポリイソシアネート組成物は所定の重量比の
範囲即ち が3〜30重量%を外れたものでは配合直後に透明な液体
であっても、室温で程なく白濁ないし固化する。
本発明のポリウレタン樹脂とは、軟質、半硬質及び硬
質フォーム類、エラストマー、塗料、コーティング剤、
接着剤、バインダー、コーキング、シーラント、弾性繊
維、合成皮革等を含む。
本発明に使用する活性水素含有化合物(ポリオール)
としては公知のポリアルキレンエーテルポリオール、ポ
リマーポリオールのごときポリアルキレンエーテルポリ
オールの変性体、ポリエステルポリオール等を含む。
本発明に使用するポリアルキレンエーテルポリオール
の例は水のほかに2〜4価の多価アルコール、例えばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘ
キサントリオール、ペンタエリスリトールなどにプロピ
レンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重
合して得たものであり、その分子量は200〜20,000であ
る。そのほか、例えばエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミ
ン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、テ
トラ(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、エチレ
ンジアミンにプロピレンオキサイド及び/又はエチレン
オキサイドを付加重合して得たものであり、その分子量
は同じく200〜20,000である。これらのポリアルキレン
エーテルポリオールの使用量はポリオール混合物の90重
量%以上である。又、上例の各種アミン類にアルキレン
オキサイドを付加することなく、そのままの形でポリオ
ール混合物の0.7〜3重量%使用して反応性や製品のポ
リウレタン樹脂の品質の調整を計ることもできる。
本発明において整泡剤として使用する有機ポリシロキ
サン共重合体としては例えば、日本ユニカー社製のL−
501、L−520、L−532、L−540、L−544、L−355
0、L−3600、L−3601、L−5302、L−5305、L−532
0、L−5340、L−5350、L−5410、L−5420、L−571
0、L−5720などがあり、トーレ・シリコーン社製のSH
−190、SH−192、SH−193、SH−194、SH−195、SH−20
0、SRX−274C、SRX−253などがあり、信越シリコーン社
製のF−114、F−121、F−122、F−220、F−230、
F−258、F−260、F−305、F−306、F−317、F−3
41、F−601などがあり、東芝シリコーン社製のもので
はTFA−4200、TFA−4202などがある。
その使用量はポリオール混合物の0.7〜3重量%が適
当である。
有用な触媒としては例えばN,N,N′,N′−テトラメチ
ルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレント
リアミン、ジメチルパルミチルアミン、トリメチルアミ
ノエチルピペラジン、トリエチルアミン、トリエチレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロパンジアミ
ン、N,N,N′−N′−テトラメチルヘキサン1,6−ジアミ
ン、N,N,N′,N′−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエ
チル)エーテル、N,N′,N″−トリス(ジメチルアミノ
エチル)ヘキサヒドロトリアジン、N,N′,N″−(ジエ
チルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、2,4−
ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−ト
リス(ジエチルアミノメチル)フェノール、テトラメチ
ルグアニジンなどのアミン類である。その使用量はポリ
オール混合物の0.1〜1重量%が適当である。
発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、
トリクロロトリフルオロエタン、ジブロモテトラフルオ
ロエタン、トリクロロエタン、ペンタン、ヘキサンなど
の1種または2種以上を使用する。
その他難燃剤、可塑剤、着色剤などを必要に応じて添
加することもできる。
本明細書では、本発明のポリイソシアネート組成物を
使用するポリウレタン樹脂の代表的な用途として、ポリ
ウレタン軟質フォームの実施例を挙げたが、本発明はこ
の実施例に限定されるものではない。
(実施例) 以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
実施例1〜3、比較例1〜2 表−1に示めす各種ポリイソシアネートの混合物を10
0ccの密封できるガラス容器に入れて、乾燥窒素雰囲気
下約60℃に加熱して内容物を溶融し、均一に混合したの
ち10℃の低温槽に放置し、目視により内容物の低温安定
性を評価した。
表−1の実施例及び比較例にみる通り、NCO重量%が
ほぼ同じ組成物であるが、トリイソシアネートを配合し
ないポリイソシアネート組成物の低温安定性は悪いが、
トリイソシアネートの量を5%、10%、20%(重量)と
増すに従って、低温安定性はよくなった。即ち、実施例
1では放置4日で固化し、実施例2、実施例3では放置
6日後も液状を保つた。
実施例4〜6、比較例3〜4 表−2に記載した種類と量の『ポリオールその他』の
組成物(g)を容器にとり、充分に攪拌混合した。次に
予め表−2に記載した種類と量のポリイソシアネート組
成物(g)を充分混合したものを上記『ポリオールその
他』の組成物の容器に追加し、6秒間激しく攪拌混合
後、約50℃に予熱した350×350×100mmのアルミニウム
製モールドに注入し、室温で約10分間放置して、上記モ
ールド内で膨張発泡、キュアーした。次いでこの作られ
たフォームを離型し、このフォームの物性を測定した結
果をそれぞれ表−2に併記して示した。
表−2にみる通り、本発明のトリイソシアネート〔表
−1(注)※1参照〕を使用し、特定の重量割合のポリ
イソシアネート組成物を用いた実施例4〜6のフォーム
はトリイソシアネート不使用の比較例3〜4に比して、
永久圧縮歪みが小さく、セル状態がすべて良好であっ
た。
比較例3では発泡膨張中にフォームが陥没しフォーム
化が不可能であり、他の比較例4においてもセル状態は
不良であった。尚、比較例4では永久圧縮歪みが大きく
老化の激しいフォームであることが分る。
〔発明の効果〕
本発明のポリイソシアネート組成物は低温安定性が極
めて良好で永く液状を保つことができるので取扱いが便
利である。又、このポリイソシアネート組成物を使用し
たポリウレタンフォームはセル状態良好であり、永久圧
縮歪みが小さく、耐老化生が良好である。又、上記液状
ポリイソシアネート組成物は種々のポリウレタン樹脂の
製造に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−78257(JP,A) 特開 昭52−15488(JP,A) 欧州公開48117(EP,A1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)ジフェニルメタンジイソシア
    ネートと(b)液状のウレトンイミン変性ジフェニルメ
    タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及び
    ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートよりなる
    群から選ばれた1種又は2種以上のポリイソシアネート
    と、 (B)一般式(I)で表わされるトリイソシアネート (ここで、R1、R2は同一又は異なる炭素数1〜4個のア
    ルキル基、m、nは0または1〜2の正の整教を示
    す。)とからなり、 が3〜30重量%であるポリイソシアネート組成物。
  2. 【請求項2】活性水素含有化合物と請求項(1)に記載
    のポリイソシアネート組成物との反応によって得られる
    ポリウレタン樹脂。
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