JP2823593B2 - 潤滑油添加剤濃厚物の製造方法 - Google Patents

潤滑油添加剤濃厚物の製造方法

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JP2823593B2
JP2823593B2 JP1148527A JP14852789A JP2823593B2 JP 2823593 B2 JP2823593 B2 JP 2823593B2 JP 1148527 A JP1148527 A JP 1148527A JP 14852789 A JP14852789 A JP 14852789A JP 2823593 B2 JP2823593 B2 JP 2823593B2
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パトリック オコーナー ショーン
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M159/00Lubricating compositions characterised by the additive being of unknown or incompletely defined constitution
    • C10M159/12Reaction products
    • C10M159/20Reaction mixtures having an excess of neutralising base, e.g. so-called overbasic or highly basic products
    • C10M159/22Reaction mixtures having an excess of neutralising base, e.g. so-called overbasic or highly basic products containing phenol radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07GCOMPOUNDS OF UNKNOWN CONSTITUTION
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フ
ェネートおよびその硫化誘導体からなる潤滑油添加剤濃
厚物の製造方法およびその組成物に関するものである。
[従来の技術] 内燃エンジンにおいては、燃焼室からの副生物がしば
しばピストンにより吹込まれて潤滑油と混合する。これ
ら副生物の多くは潤滑油中で酸性物質を形成する。
これら酸性物質を中和すると共に潤滑油中にスラッジ
を分散させるために一般的に使用される化合物の1種類
は金属ヒドロカルビル−置換フェネートおよび硫化金属
ヒドロカルビル−置換フェネートであり、ここで金属は
たとえばカルシウム、マグネシウムもしくはバリウムの
ようなアルカリ土類金属である。「中性」および「過塩
基性」のアルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネ
ートの両者が使用されている。「過塩基性」という用語
は、フェネート成分の当量数に対するアルカリ土類金属
成分の当量数の比が1よりも大きく、一般に1.2より大
きくかつ4.5程度またはそれ以上になりうるようなアル
カリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネートを示すた
めに用いられる。これに対し、「中性」アルカリ土類金
属ヒドロカルビル−置換フェネートにおけるアルカリ土
類金属成分とフェネート成分との当量比は1である。し
たがって、「過塩基性」物質は、一般に対応の「中性」
物質に存在するよりも20%以上過剰のアルカリ土類金属
を含有する。この理由で、「過塩基性」アルカリ土類金
属ヒドロカルビル−置換フェネートは、対応の「中性」
アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネートより
も大きい酸性物質の中和能力を有する。
従来技術は、「中性」および「過塩基性」金属ヒドロ
カルビル−置換フェネートの多くの製造方法を教示して
いる。
本出願人によるヨーロッパ特許出願第87310460.8号に
は、300より大きく或る場合には350より大きいTBNを有
すると共に許容しうる粘度(すなわち100℃にて1000cSt
未満の粘度)を保持する油溶性生成物が、(A)(i)
ヒドロカルビル−置換フェノールもしくは(ii)ヒドロ
カルビル−置換フェノールおよび硫黄のいずれかと、
(B)反応の際の中間時点にて単一の添加または複数の
添加のいずれかで添加されるアルカリ土類金属塩基と、
(C)多価アルコール、アルキレングリコールアルキル
エーテルもしくはポリアルキレングリコールエーテルの
いずれかと、(D)潤滑油と、(E)成分(B)の各添
加の後に添加される二酸化炭素と、(F)(i)式
(I): [式中、R1はC10〜C24アルキルもしくはアルケニル基で
あり、かつR2は水素、C1〜C4アルキル基またはCH2COOH
基である] を有するカルボン酸またはその酸無水物、酸塩化物もし
くはエステル、または(ii)36〜100個の炭素原子を有
するジカルボン酸もしくはポリカルボン酸またはその酸
無水物、酸塩化物もしくはそのエステルのいずれかを濃
厚物の重量に対し2〜40重量%与えるのに充分な成分と
を、300より大きいTBNを有する濃厚物を生成させる成分
(A)〜(F)の重量比にて反応させることにより得ら
れる方法が記載されている。
反応混合物の必須成分としては、成分(C)につき2
〜4個の炭素原子を有する多価アルコール、ジ−もしく
はトリ−(C2〜C4)グリコール、アルキレングリコール
アルキルエーテルまたはポリアルキレングリコールエー
テルのいずれかが使用される。適する成分(C)の例は
エチレングリコールである。エチレングリコールは高価
であるだけでなく、濃厚物からその不完全な除去はこの
濃厚物から得られる最終潤滑油に望ましくない性質を与
えると報告されている。
[発明の要点] 今回、アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネ
ートおよびその硫化誘導体からなる高TBNの潤滑油添加
剤濃厚物を、エチレングリコールおよび実際には前記ヨ
ーロッパ特許出願第87310460.8−2104の方法における成
分(C)からなる全ゆる他の化合物が全く存在しなくて
も製造しうることが突止められた。
したがって、本発明は、300よりも大きいTBNを有する
潤滑油添加剤濃厚物の製造方法であって、前記方法は、 成分(A):(i)アルカリ土類金属ヒドロカルビル
−置換フェネート、(ii)ヒドロカルビル−置換フェノ
ール、(iii)アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換
フェネートおよび硫黄原料、(iv)ヒドロカルビル−置
換フェノールおよび硫黄原料、(v)アルカリ土類金属
硫化ヒドロカルビル−置換フェネート、または(vi)硫
化ヒドロカルビル−置換フェノールである少なくとも1
種の化合物、 成分(B):反応の際の中間時点にて単一の添加また
は複数の添加のいずれかで、10〜20重量%のアルカリ土
類金属を与えるのに充分な量で添加されるアルカリ土類
金属、ここで成分(A)に対する成分(B)の重量比は
0.2〜50の範囲であり、 成分(C):(i)水、(ii)C1〜C10一価アルコー
ル、または(iii)C1〜C20エーテルである少なくとも1
種の化合物、 成分(D):動物油、植物油、鉱油または合成油であ
る、10〜90重量%の潤滑油、 成分(E):成分(B)の各添加の後に添加される、
5〜20重量%の二酸化炭素、 成分(F):(i)式(I): [式中、R1はC10〜C24アルキルもしくはアルケニル基で
あり、かつR2は水素、C1〜C4アルキル基またはCH2COOH
基である] を有するカルボン酸またはその酸無水物、酸塩化物もし
くはエステル、または(ii)36〜100個の炭素原子を有
するジカルボン酸もしくはポリカルボン酸またはその酸
無水物、酸塩化物もしくはエステルである少なくとも1
種の化合物で、濃厚物の重量に基づき2〜40重量%を与
えるのに充分な量の成分(F)、および 成分(G):(i)無機ハロゲン化物、または(ii)
アンモニウムアルカノエートまたはモノ−、ジ−、トリ
−もしくはテトラ−アルキルアンモニウムホルメートも
しくはアルカノエート[ただし成分(G)が(ii)であ
れば、成分(F)は酸塩化物ではない]である少なくと
も1種の化合物 を反応させることからなり、全成分の重量比が300より
も大きいTBNを生成する重量比であることを特徴とする
潤滑油添加剤濃厚物の製造方法を提供する。
反応混合物の成分(A)は、(i)アルカリ土類金属
ヒドロカルビル−置換フェネート、 (ii)ヒドロカルビル−置換フェノール、 (iii)アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネ
ートおよび硫黄原料、(iv)ヒドロカルビル−置換フェ
ノールおよび硫黄原料、(v)アルカリ土類金属硫化ヒ
ドロカルビル−置換フェネート、または(vi)硫化ヒド
ロカルビル−置換フェノール、或いは上記(A)(i)
〜(vi)の少なくとも2種の混合物である。硫黄原料
は、たとえば元素硫黄、硫黄の一ハロゲン化物または硫
黄の二ハロゲン化物とすることができる。
成分(A)(i)または(A)(ii)を用いれば最終
生成物はアルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネ
ートとなり、成分(A)(iii)、(A)(iv)、
(A)(v)もしくは(A)(vi)を用いれば最終生成
物は硫化アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネ
ートとなる。好適には、アルカリ土類金属はストロンチ
ウム、カルシウム、マグネシウムもしくはバリウムとす
ることができ、好ましくはカルシウム、バリウムもしく
はマグネシウム、より好ましくはカルシウムである。
アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フェネートの
ヒドロカルビル−置換フェネート成分は、好ましくは少
なくとも1種のヒドロカルビル−置換フェノールから誘
導される。ヒドロカルビル−置換フェノールのヒドロカ
ルビル−置換基は分枝鎖もしくは直鎖とすることができ
る。適するヒドロカルビル−置換基は4〜50個、好まし
くは9〜28個の炭素原子を有する。特に適するヒドロカ
ルビル−置換フェノールは、プロピレン4量体でフェノ
ールをアルキル化することにより得られるC12−アルキ
ルフェノールである。
アルカリ土類金属塩基(成分B)は好適にはアルカリ
土類金属の酸化物もしくは水酸化物とすることができ、
好ましくは水酸化物である。たとえば、水酸カルシウム
を生石灰(CaO)または消石灰(Ca(OH))として添
加することができる。好適アルカリ土類金属はカルシウ
ム、マグネシウム、ストロンチウムおよびバリウム、よ
り好ましくはカルシウムである。アルカリ土類金属塩基
は、300を越えるTBN、好ましくは350を越えるTBNを有す
る生成物を与えるのに充分な成分(A)に対する量で添
加せねばならない。この量は、成分(A)がアルカリ土
類金属塩基を含有するかしないか、或いはヒドロカルビ
ル−置換基の種類などを包含する多くの因子に依存し、
一般には従来法で用いられる量よりも多い。典型的に
は、成分(B)と成分(A)との重量比は好適には0.2
〜50、好ましくは0.4〜10の範囲とすることができる。
アルカリ土類金属塩基(B)はその全体を最初の反応体
に添加することができ、或いは1部を最初の反応体に添
加しかつ残部を工程のその後の段階にて1回または数回
に分けて添加することもできる。
成分(C)としては、C1〜C10一価アルコール、また
はC1〜C20エーテル(これは脂肪族、脂環式もしくは芳
香族とすることができる)を包含する広範囲の有機促進
剤を使用することができる。成分(C)として適する化
合物の例はエタノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコールおよび2−エチルヘキサノールを包含する。
成分(C)は水であってもよい。成分(C)は上記化合
物の少なくとも2種の混合物で構成することもできる。
本発明の濃厚物を製造する好適方法においては、
(i)上記成分(C)と(ii)溶剤とを組合せて使用す
ることができる。
溶剤(ii)としては、好適には脂肪族もしくは芳香族
としうる不活性炭化水素を使用することができる。適す
る溶剤(ii)の例はトルエン、キシレン、ナフサおよび
脂肪族パラフィン類(たとえばヘキサン)、並び脂環式
パラフィン類を包含する。
(i)と(ii)との特に好適な組合せはメタノールと
トルエンである。
上記成分(C)の存在下かつ必要に応じ上記溶剤の存
在下に本発明の方法をする利点は、成分(F)を反応温
度にて溶解させうることにある。これにより、反応を促
進すべく成分(F)の融点より高くまで反応温度を上昇
させる必要がなくなる。その結果、反応はより低い温
度、好ましくは10〜150℃の範囲、より好ましくは40〜1
00℃の範囲、典型的には60℃に効率的に進行することが
できる。
成分(D)は潤滑油である。潤滑油は動物油、植物油
または鉱油が適している。好適には、潤滑油は石油由来
の潤滑油、たとえばナフテンベース油、パラフィンベー
ス油または混合ベース油である。溶剤中性油が特に適し
ている。或いは、潤滑油は合成潤滑油することもでき
る。適する合成潤滑油は合成エステル潤滑油を包含し、
これら潤滑油はたとえばアジピン酸ジオクチル、セバシ
ン酸ジオクチルおよびデシルアジピン酸トリオクチルを
包含し、或いは高分子炭化水素潤滑油、たとえば液体ポ
リイソブテンおよびポリ−αオレフィンを包含する。潤
滑油は好適には濃厚物の10〜90重量%、好ましくは10〜
70重量%を占めることができる。成分(D)である潤滑
油は最初の反応体に添加することができ、或いはその後
の工程段階で添加することもできる。
成分(E)は二酸化炭素であり、これは気体または固
体として、好ましくは気体として添加することができ
る。気体の場合、これは好適には反応混合物中に吹込む
ことができる。一般に、混入される二酸化炭素の量は成
分(F)の濃度が増加するにつれて増加する。
好適には、組合せた二酸化炭素を濃厚物の重量に対し
5〜20重量%、好ましくは9〜15重量%の量で濃厚物中
に存在させることができる。
成分(F)は、(i)式(I)のカルボン酸または
(ii)36〜100個の炭素原子を有するジ−もしくはポリ
−カルボン酸またはその酸無水物、酸塩化物、或いは成
分(i)もしくは(ii)のエステルのいずれかである。
成分(i)に関しては、これは式(I)を有するカルボ
ン酸またはその酸無水物、酸塩化物もしくはエステルで
ある。好ましくは、R1は直鎖アルキルもしくはアルケニ
ル基である。式(I)の好適な酸は、R2が水素でありか
つR1がC10〜C24、より好ましくはC18〜C24直鎖アルキル
基であるようなものである。式(I)の適する飽和カル
ボン酸の例はカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラ
キド酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸を包含する。式
(I)の適する不飽和酸の例はラウロレイン酸、ミリス
トレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、ガドレイ
ン酸、エルシン酸、リシノレイン酸、リノレイン酸およ
びリノレン酸を包含する。これら酸の混合物、たとえば
菜種油脂肪酸も使用することができる。これら酸の特に
適する混合物は、飽和および不飽和の両酸類を包含する
広範な酸類の含む市販級のものである。この種の混合物
は合成的に得ることができ、或いは天然物、たとえばト
ール油、綿実油、落花生油、ココ椰子油、亜麻仁油、椰
子核油、オリーブ油、トウモロコシ油、椰子油、ヒマシ
油、大豆油、ヒマワリ油、鰊油および鮭油および獣脂な
どから誘導することもできる。硫化された酸および酸混
合物も使用することができる。カルボン酸の代りに或い
はそれに加えて、この酸の酸無水物、酸塩化物またはエ
ステル誘導体、好ましくは酸無水物を使用することがで
きる。しかしながら、カルボン酸またはカルボン酸の混
合物を使用するのが好適である。式(I)の好適カルボ
ン酸はステアリン酸である。
成分(i)の代りに或いはそれに加えて、成分(F)
は(ii)36〜100個の炭素原子を有するジ−もしくはポ
リ−カルボン酸またはその酸無水物、酸塩化物もしくは
エステル誘導体、好ましくはその酸無水物とすることが
できる。成分(ii)は好ましくはポリイソブテンコハク
酸もしくはポリイソブテン無水コハク酸である。
好適には、濃厚物は100℃で測定して1000cSt未満、好
ましくは750cSt未満、より好ましくは500cSt未満の粘度
を有することができる。
濃厚物の重量に対し2〜40重量%を与えるのに要する
成分(F)の量は、濃厚物中に所望される量の第1近似
までとすることができる。この量を計算する際、たとえ
ばカルボン酸から水の量を引算することも許容すべきで
ある。
典型的には、混入される成分(F)の量は、濃厚物の
重量に対し10〜35重量%、より好ましくは12〜20重量
%、たとえば約16重量%である。
反応は成分(G)の存在下に行なわれる。成分(G)
としては(i)無機ハロゲン化物を使用することがで
き、これは好適には水素、アンモニウムもしくは金属ハ
ロゲン化物のいずれであってもよい。好適には、金属ハ
ロゲン化物の金属部分は亜鉛、アンモニウムもしくはア
ルカリ土類金属、好ましくはカルシウムとすることがで
きる。ハロゲン化物のうち塩化物が好適である。適する
化合物は塩化水素、塩化カルシウム、塩化アンモニウ
ム、塩化アルミニウムおよび塩化亜鉛を包含し、好適に
は塩化カルシウムである。
代案として、成分(G)は(ii)アンモニウムアルカ
ノエートまたはモ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ−ア
ルキルアンモニウムホルメートもしくはアルカノエート
とすることもできる。好ましくはアンモニウムアルカノ
エート、より好ましくは酢酸アンモニウムである。
好適には、濃厚物中に存在させる全アルカリ土類金属
の量は濃厚物の重量に対し10〜20重量%である。
最終生成物におけるアルカリ土類金属ヒドロカルビル
−置換フェネートは硫化型でも非硫化型でもよく、好ま
しくは未硫化型である。硫化型の場合、硫黄は濃厚物の
重量に対し1〜6重量%、好ましくは1.5〜3重量%の
量で濃厚物中に存在させることができる。
好ましくは、濃厚物のTBNは350より大、より好ましく
は400より大である。
好適には、成分(A)〜(G)の反応は15〜200℃に
て行ないうるが、各反応段階につき選択される実際の温
度は所望に応じて異なることもできる。圧力は大気圧、
減圧または加圧とすることができる。
濃厚物は慣用手段により、たとえば成分(C)または
存在すれば溶剤の蒸溜ストリッピングによって回収する
ことができる。
最後に、このように得られた濃厚物を濾過するのが好
適である。一般に本発明の方法は、許容しうる粘度、す
なわち100℃にて1000cSt未満の粘度を有する濃厚物を生
成し、かつ100℃にて750もしくは500cSt未満の粘度を有
する濃厚物を生成することができる。このような粘度特
性は、濃厚物の処理(濾過を含む)を容易化させるので
有利である。しかしながら、100℃にて1000cStよりも高
い粘度を有する濃厚物を一般に高いTBNレベルにて製造
することもできる。この種の濃厚物の濾過には問題もあ
るが、これは濾過する前に希釈剤を添加しかつ濾過後に
この希釈剤をストリッピング除去して解消することがで
きる。或いは高粘度濃厚物、たとえば100℃にてにて100
0cStよりも高い粘度を有しかつたとえば350よりも大き
い高TBNを有する濃厚物は、300よりも大きいTBNを維持
しながら他の潤滑油の添加により希釈することができ、
これにより濾過を容易化させる。
代案として、濃厚物は希釈剤の存在下に遠心分離する
こともできる。
最後の面において本発明は、潤滑油と上記のように製
造された潤滑油添加剤濃厚物とからなる最終潤滑油組成
物を提供する。
好ましくは、最終潤滑油組成物は0.5〜120のTBNを与
えるのに充分な量の添加剤濃厚物を含有する。
最終潤滑油中に存在させる添加剤濃厚物の量は最終用
途の種類に依存する。たとえば、水中用の潤滑油につい
ては、存在させる添加剤濃厚物の量は好適には9〜100
のTBNを与えるのに充分な量とすることずでき、また自
動車エンジンの潤滑油については、この量は4〜20のTB
Nを与えるのに充分な量とするのが好適である。
最終潤滑油組成物はさらに、有効量の1種もしくはそ
れ以上の他の慣用の潤滑油添加剤、たとえば粘度指数向
上剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、分散剤、錆止剤、流動
点降下剤などを含有することもでき、これらは最終潤滑
油組成物中に直接的に或いは濃厚物作成の中間に混入す
ることができる。
潤滑油組成物中に混入する添加剤としての用途の他
に、本発明による添加剤濃厚物はさらに燃料添加剤とし
ての用途をも有する。
[実施例] 以下、本発明を実施例によりさらに説明する。全実施
例において、「TBN」(全塩基数)という用語を使用す
る。TBNは、ASTM D2896の方法により測定されるmg KO
H/gとして現される。石灰を使用する例において、これ
は消石灰Ca(OH)の形態である。粘度はASTM D445の
方法により測定した。
実施例 1 添加物 ADX402(硫化−カルシウム−アルキルフェネート、TBN
260、アジビス社から市販) =238g ステアリン酸(70%純度) =65.2g 潤滑油(SN100) 26.9g 塩化カルシウム =3.1g トルエン =207g メタノール =20.7g 2−エチルヘキサノール =41.3g 方法 (a)混合物を60℃まで加熱し、かつこの温度で反応さ
せた。
(b)石灰(68.3g)を60℃/700mm Hgで添加した。
(c)二酸化炭素(30g)を60℃で添加した。
(d)混合物を200℃/10mmHgにて60分間にわたりストリ
ッピングした。
(e)生成物を濾過した。
成分(A) − ADX402 成分(B) − 石灰 成分(C) − メタノール 成分(D) − 潤滑油 成分(E) − 二酸化炭素 成分(F) − サリチル酸 成分(G) − 塩化カルシウム 生成物重量 粗生成物 =397.8g 蒸溜物 =251.2g 濾過後の生成物組成 カルシウム =13.58%w/w 硫黄 =2.02%w/w 二酸化炭素 =12.5%w/w TBN =380mg KOH/g VB10 0 =575cSt V4 0 =6000cSt VI =287 ステアリン酸 =16.4%w/w 実施例 2 添加物 ADX402(硫化−カルシウム−アルキルフェネート、TBN
260、アジビス社から市販) =230.0g ステアリン酸(70%純度) =63.0g 潤滑油(SN100) 26.0g 塩化カルシウム =3.0g トルエン =240g メタノール =20.0g 方法 (a)混合物を60℃まで加熱し、かつこの温度で反応さ
せた。
(b)石灰(66.0g)を60℃/700mm Hgで添加した。
(c)二酸化炭素(35.0g)を60℃で添加した。
(d)混合物を130℃/10mmHgにて60分間にわたりストリ
ッピングした。
(e)生成物を濾過した。
生成物重量 粗生成物 =389.7g 蒸溜物 =193.4g 濾過後の生成物組成 カルシウム =13.1%w/w 硫黄 =1.87%w/w 二酸化炭素 =12.5%w/w TBN =361.2mg KOH/g V10 0 =848cSt V4 0 =21700cSt VI =219 ステアリン酸 =16.2%w/w 比較 例 添加物 ADX402(過塩基性硫化フェネート、TBN 260、アジビス
社から市販) =238g ステアリン酸(70%純度) =65.2g 潤滑油(SN100) 26.9g 添加物 トルエン =207g メタノール =20.7g 2−エチルヘキサノール =41.3g 方法 (a)混合物を60℃まで加熱し、かつこの温度で反応さ
せた。
(b)石灰(68.3g)を60℃/700mm Hgで添加した。
(c)二酸化炭素(36g)を60℃で添加した。
(d)混合物を220℃/10mmHgにて60分間にわたりストリ
ッピングした。
(e)生成物を濾過したが、この濾過は生成物の粘度の
ため中止した。
比較例は、成分(G)(実施例1および2における塩
化カルシウム)が本発明の必須要素であることを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129/04 C10M 129/04 129/16 129/16 129/38 129/38 129/70 129/70 177/00 177/00 // C10N 10:04 20:02 40:25 70:00 (72)発明者 チャールズ ケイン 英国、エイチユー4 7エスジェイ ノ ース ハンバーサイド、ハル、アンラビ イ コモン、ウェスト ボロー ウェ イ、ロクスリー グリン 39番 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 159/20 EPAT(QUESTEL)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】300よりも大きいTBNを有する潤滑油添加剤
    濃厚物の製造方法であって、前記方法は、 成分(A):(i)アルカリ土類金属ヒドロカルビル−
    置換フェネート、(ii)ヒドロカルビル−置換フェノー
    ル、(iii)アルカリ土類金属ヒドロカルビル−置換フ
    ェネートおよび硫黄原料、(iv)ヒドロカルビル−置換
    フェノールおよび硫黄原料、(v)アルカリ土類金属硫
    化ヒドロカルビル−置換フェネート、または(vi)硫化
    ヒドロカルビル−置換フェノールである少なくとも1種
    の化合物、 成分(B):反応の際の中間時点にて単一の添加または
    複数の添加のいずれかで、10〜20重量%のアルカリ土類
    金属を与えるのに充分な量で添加されるアルカリ土類金
    属、ここで成分(A)に対する成分(B)の重量比は0.
    2〜50の範囲であり、 成分(C):(i)水、(ii)C1〜C10一価アルコー
    ル、または(iii)C1〜C20エーテルである少なくとも1
    種の化合物、 成分(D):動物油、植物油、鉱油または合成油であ
    る、10〜90重量%の潤滑油、 成分(E):成分(B)の各添加の後に添加される、5
    〜20重量%の二酸化炭素、 成分(F):(i)式(I): [式中、R1はC10〜C24アルキルもしくはアルケニル基で
    あり、かつR2は水素、C1〜C4アルキル基またはCH2COOH
    基である] を有するカルボン酸またはその酸無水物、酸塩化物もし
    くはエステル、または(ii)36〜100個の炭素原子を有
    するジカルボン酸もしくはポリカルボン酸またはその酸
    無水物、酸塩化物もしくはエステルである少なくとも1
    種の化合物で、濃厚物の重量に基づき2〜40重量%を与
    えるのに充分な量の成分(F)、および 成分(G):(i)無機ハロゲン化物、または(ii)ア
    ンモニウムアルカノエートまたはモノ−、ジ−、トリ−
    もしくはテトラ−アルキルアンモニウムホルメートもし
    くはアルカノエート[ただし成分(G)が(ii)であれ
    ば、成分(F)は酸塩化物ではない]である少なくとも
    1種の化合物 を反応させることからなり、全成分の重量比が300より
    も大きいTBNを生成する重量比であることを特徴とする
    潤滑油添加剤濃厚物の製造方法。
  2. 【請求項2】成分(G)が無機ハロゲン化物であって、
    金属ハロゲン化物であること特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】無機ハロゲン化物が塩化カルシウムである
    ことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】成分(G)がアンモニウムアルカノエート
    またはモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ−アルキル
    アンモニウムホルメートもしくはアルカノエートである
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】アンモニウムアルカノエートが酢酸アンモ
    ニウムであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】炭化水素溶媒の存在下に行うことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】添加する成分(F)の量が、潤滑油添加剤
    濃厚物の重量に基づき10〜35重量%であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】成分(F)がステアリン酸であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記潤滑油添加剤濃厚物が100℃にて1000c
    St未満の粘度を有することを特徴とする請求項1〜8の
    いずれか1項に記載の方法。
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