JP2822923B2 - 回転ドラム式濾過装置 - Google Patents

回転ドラム式濾過装置

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JP2822923B2
JP2822923B2 JP7111168A JP11116895A JP2822923B2 JP 2822923 B2 JP2822923 B2 JP 2822923B2 JP 7111168 A JP7111168 A JP 7111168A JP 11116895 A JP11116895 A JP 11116895A JP 2822923 B2 JP2822923 B2 JP 2822923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、外周面に濾布を張設
してなる回転ドラムを使用してプール等の水を濾過する
回転ドラム式濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プール等の水を濾過する装置と
しては、外周面に濾布を張設した回転ドラムを用い、こ
の回転ドラムの内側へ原水を導入し、回転ドラムを回転
しながら濾布を通過させることによって原水の濾過を行
う回転ドラム式濾過装置が種々提案されている。
【0003】従来、この種の回転ドラム式濾過装置にあ
っては、回転ドラムの内側への原水入口部において、原
水が外部あるいは濾過水中へ漏洩すると云う問題があ
る。また、回転ドラムの外周面に張設する濾布は、回転
ドラムを形成する骨組部材に金属製の固定バンドを用い
て固定しているが、金属製の固定バンドによる固定にあ
っては、水圧により金属の角部同士による剪断力が働
き、濾布が破れると云う問題がある。さらには、回転ド
ラムの内側下部には、原水中の固形物やヘドロ等が溜ま
り、濾過性能に低下を来すと云う問題がある。
【0004】また、前記回転ドラムの軸方向の両端部の
うち、一方を開口し、他方を閉鎖した形式の回転ドラム
を用いる濾過装置にあっては、原水の導入に伴う閉鎖側
へのスラスト荷重により、回転ドラムが軸方向へ移動
し、この移動により異常な摩擦音が発生したり、各部材
同士の接触により回転ドラムの回転速度が低下し、濾過
効率が低下するとともに、故障の原因になると云う問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記問題
点に鑑み、回転ドラムの内側への原水入口部のシール構
造の改良を図り、濾布の破損を防止し、さらには濾過性
能や濾過効率に低下を来すことなく、安定した濾過作業
を行うことができる濾過装置の実現を図ったものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、濾過槽内に外周面に濾布を張設した回転自在な回転
ドラムを設置し、該回転ドラムの内側へ原水を導入し、
前記回転ドラムを回転しながら濾過を行う回転ドラム式
濾過装置において、濾過槽内に当該濾過槽内を原水貯留
部と前記回転ドラムを設置する濾過処理部とに区画する
隔壁を設け、該隔壁に前記原水貯留部と前記濾過処理部
とを連通する連通孔を形成し、前記回転ドラムの両端部
に前記連通孔の直径より大径のドラム支持筒をそれぞれ
設け、前記連通孔側に位置するドラム支持筒を、その端
部が開口した開口ドラム支持筒として構成し、該開口ド
ラム支持筒の筒状フランジ部と前記連通孔との間に円筒
状の弾性シール部材を配設し、該弾性シール部材の一側
を前記筒状フランジ部に圧着固定するとともに、該弾性
シール部材の他側を前記連通孔内に嵌合したことを特徴
としており、また請求項2に記載の発明は、前記弾性シ
ール部材の一側を前記筒状フランジ部の内側に配置し、
外方に向かって拡開する機能を備えたシール固定バンド
により前記弾性シール部材を前記筒状フランジ部の内側
に圧着固定したことを特徴としており、また請求項3に
記載の発明は、濾過槽の濾過処理部内に外周面に濾布を
張設した回転自在な回転ドラムを設置し、該回転ドラム
の内側へ原水を導入し、前記回転ドラムを回転しながら
濾過を行う回転ドラム式濾過装置において、前記回転ド
ラムを形成する骨組部材の外面に内側固定パッドを嵌着
し、前記骨組部材に濾布を外側から固定する固定バンド
の内側に濾布固定パッドを嵌着し、該濾布固定パッドと
前記内側固定パッドとの間で濾布を挟持固定したことを
特徴としており、また請求項4に記載の発明は、濾過槽
の濾過処理部内に外周面に濾布を張設した回転自在な回
転ドラムを設置し、該回転ドラムの内側へ原水を導入
し、前記回転ドラムを回転しながら濾過を行う回転ドラ
ム式濾過装置において、前記回転ドラムに、当該回転ド
ラムの軸方向に延在し、濾布の周方向の両端部を重合さ
せて固定する濾布固定用横骨部材を設け、該濾布固定用
横骨部材に前記回転ドラム内に溜まる固形物やヘドロ等
を掬い取るバケットを設けたことを特徴としており、ま
た請求項5に記載の発明は、濾過槽の濾過処理部内に外
周面に濾布を張設した回転自在な回転ドラムを設置し、
該回転ドラムの内側へ原水を導入し、前記回転ドラムを
回転しながら濾過を行う回転ドラム式濾過において、前
記回転ドラムを構成する横骨部材のうちの少なくともい
ずれか一つ、または濾布を固定する濾布固定用横骨部材
のいずれかに前記回転ドラム内に溜まる固形物等を掬い
取るブラシを設けたことを特徴としており、さらに請求
項6に記載の発明は、濾過槽の濾過処理部内に外周面に
濾布を張設した回転自在な回転ドラムを設置し、該回転
ドラムの内側へ原水を導入し、前記回転ドラムを回転し
ながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置であって、前記
回転ドラムの軸方向の一方を開口し、他方を閉鎖した形
式の回転ドラムを用いる濾過装置において、前記濾過処
理部内に、原水導入に伴うスラスト荷重による前記回転
ドラムの軸方向への移動を阻止する軸受を設けたことを
特徴としている。
【0007】
【作用】この発明における請求項1に記載の発明によれ
ば、開口ドラム支持筒より小径の連通孔内に嵌合した弾
性シール部材には弾発力が作用し、弾性シール部材は連
通孔の内周面に密着した状態を維持し、連通孔の内周面
と弾性シール部材との間から原水が漏洩することを防止
する。また、請求項2に記載の発明によれば、弾性シー
ル部材は、筒状フランジ部の内側において、接着剤等に
よることなく、機械的に確実に圧着固定される。また、
請求項3に記載の発明によれば、骨組部材および固定バ
ンドの鋭利な角部がそれぞれ被覆され、その角部による
剪断力が働くことがなくなり、濾布の破損が防止され
る。また、請求項4および請求項5に記載の発明によれ
ば、回転ドラムの内側下部に溜まった固形物やヘドロ等
は、バケットあるいはブラシにより掬い取られ、回転ド
ラムの回転に伴って、回転ドラム内の上部に配置された
回収手段を介して外部へ排出される。さらに、請求項6
に記載の発明によれば、原水の閉鎖側へのスラスト荷重
による回転ドラムの軸方向への移動は、濾過処理部内に
設けられた軸受により阻止される。
【0008】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、この発明に係る回転ドラ
ム式濾過装置の全体を概略的に示す断面説明図である。
【0009】図1において、この発明に係る回転ドラム
式濾過装置は、回転ドラムが濾過槽1内に設置されたも
のとして実現される。この濾過槽1は、隔壁2によって
区画された原水貯留部3と濾過処理部4とにより構成さ
れており、原水貯留部3と濾過処理部4とは、隔壁2に
形成した円形の連通孔5により連通している。この連通
孔5の直径は、後述する回転ドラム11の開口ドラム支
持筒12の直径と相対的なものとして決定されるもの
で、後述のように、開口ドラム支持筒12の直径より若
干小さい直径のものとして構成されている。そして、原
水貯留部3内には、原水のオーバーフロー部6を画成す
るオーバーフロー板7が設けられている。また、濾過処
理部4内には、濾過水を一時的に貯留するバッファータ
ンク部8を画成する堰板9が設けられている。
【0010】前記濾過処理部4内には、外周面に濾布1
0を張設した回転ドラム11が回転自在に収容設置され
ている。この回転ドラム11は、その軸方向の両端部に
ドラム支持筒が設けられており、この両ドラム支持筒の
うちの一方,すなわち前記原水貯留部3側のドラム支持
筒は、その端部が全面的に開口した開口ドラム支持筒1
2として構成されており、また他方のドラム支持筒は、
その端部が側壁13により全面的に閉鎖した閉鎖ドラム
支持筒14として構成されている。この両ドラム支持筒
12,14は、同一直径を有しており、前記連通孔5の
直径よりも若干大きいものとして形成されている。した
がって、前記原水貯留部3内の原水は、前記連通孔5お
よび前記開口ドラム支持筒12を介して前記回転ドラム
11の内側へ導入される構成となっており、後述するよ
うに、前記回転ドラム11の回転によって、原水は前記
濾布10を介して連続的に濾過される。
【0011】さて、この発明においては、原水は、前記
原水貯留部3から前記回転ドラム11の内側へ導入され
る構成となっているが、原水が前記回転ドラム11の内
側へ導入されず,すなわち前記開口ドラム支持筒12の
端部から漏れると、原水がそのまま前記濾過処理部4内
へ流入し、濾過性能が低下するものであるから、前記原
水貯留部3と前記開口ドラム支持筒12の端部とのシー
ルは、きわめて重要な意味を持つものとなる。そこで、
前記原水貯留部3と前記開口ドラム支持筒12の端部と
のシール構造について説明する。図1の実施例において
は、基本的に前記開口ドラム支持筒12と前記原水貯留
部3との間に円筒状の弾性シール部材15を配設する構
造であり、より具体的には、この弾性シール部材15の
一側を前記開口ドラム支持筒12の筒状フランジ部16
の内側に嵌合させた状態で位置させ、またその他側を前
記連通孔5内に嵌合するとともに、その先端部が前記原
水貯留部3内へ突出した状態で配設している。そして、
この弾性シール部材15の一側は、筒状フランジ部16
の内側において、外方へ向かって拡開する機能を備えた
シール固定バンド17により、筒状フランジ部16の内
側に圧着固定されている。他方、弾性シール部材15の
他側は、図1に示すとおり、前記連通孔5内に嵌合して
いるが、前記のとおり、前記連通孔5の直径は、前記開
口ドラム支持筒12の直径より小径に構成している。具
体的には、前記隔壁2における前記原水貯留部3側に
は、前記連通孔5より小径の開口部18を有する環状の
シール押え板19が固着されている。したがって、弾性
シール部材15が前記連通孔5内,すなわち前記開口部
18内に嵌合した状態においては、弾性シール部材15
に弾発力が作用し、すなわちこれを前記シール押え板1
9側から見ると、前記シール押え板19から押圧力が作
用することになり、その結果、弾性シール部材15は前
記連通孔5,すなわち前記開口部18の内周面に密着し
た状態を維持し、前記連通孔5の内周面と弾性シール部
材15との間から原水が漏洩することはない。これに加
えて、前記回転ドラム11の回転により、弾性シール部
材15には遠心力が働くことになり、前記連通孔5の内
周面と弾性シール部材15との密着度はより一層強固な
ものとなり、原水の漏洩を確実に防止する。
【0012】ここで、前記シール固定バンド17につい
て説明すると、前記弾性シール部材15は、水中に没し
た状態での圧着固定であるので、接着剤等による方法で
は剥離の危険性を伴う点に鑑み、この発明においては、
機械的な圧着固定を実現したものであり、前記回転ドラ
ム11の回転に伴う遠心力の作用による密着効果を利用
し、さらには前記筒状フランジ部16の外面に付属物あ
るいは付帯品を付加することなく、前記筒状フランジ部
16内で圧着固定する構成としたものである。すなわ
ち、このシール固定バンド17は、前記筒状フランジ部
16の内側に前記弾性シール部材15を内側から圧着固
定するものであるから、図4に示すように、ほぼ円形に
彎曲した弾性を有する金属製ベルトにより構成されてい
る。前記シール固定バンド17は、この実施例において
は、その一端には内側へ向かって突出した受け板20が
設けられおり、またその他端にはアジャストボルト21
を螺合した鍔部22が設けられている。この鍔部22
も、一方の受け板20と同様に、内側へ突出した状態で
設けられている。そして、前記受け板20は、アジャス
トボルト21の先端部と当接し、その押圧力を受けるも
のであるから、その両側に補強案内板23,23を設け
ている。このように構成された前記シール固定バンド1
7を前記筒状フランジ部16内に嵌合した前記弾性シー
ル部材15の内側から挿着するとともに、前記シール固
定バンド17を前記弾性シール部材15の内面に添設し
た状態で配置し、かつ両補強案内板23を介して前記シ
ール固定バンド17の一端が他端の上に重合する状態で
配置し、この状態でアジャストボルト21をその先端部
が一方の受け板20に当接する方向へ回すと、前記シー
ル固定バンド17が全体として外方へ向かって拡開する
ことになる。この拡開作用により、前記弾性シール部材
15が前記筒状フランジ部16の内側に圧着固定され
る。
【0013】図4に示した実施例においては、前記シー
ル固定バンド17として、一体型のものについて説明し
たが、前記シール固定バンド17はこの実施例に限定さ
れるものではなく、たとえば金属製ベルトを適宜彎曲さ
せた2つないしは3つに分割し、各分割片の一端に前記
受け板20を内側へ向かって突設するともに、他端に前
記鍔部22を内側へ向かって突設し、順次前記各アジャ
ストボルト21を調節し、前記シール固定バンド17を
全体として外方へ向かって拡開させる構成も、実施に応
じて好適である。
【0014】また、前記筒状フランジ部16に前記弾性
シール部材15を圧着固定する手段として、前記実施例
においては、前記弾性シール部材15を前記筒状フラン
ジ部16の内側に圧着固定する構成について説明した
が、前記弾性シール部材15の圧着固定はこの実施例に
限定されるものではなく、たとえば前記筒状フランジ部
16の外側に前記弾性シール部材15の一側を外方より
嵌合し、適宜なホースバンド(図示省略)を用いて圧着
固定する手段も、実施に応じて好適である。
【0015】つぎに、前記回転ドラム11の外周面に濾
布10を張設する構成について説明すると、この実施例
における前記回転ドラム11は、基本的に籠型に形成さ
れており、前記回転ドラム11の軸方向に延在して配設
された複数の横骨部材24,24,…と、前記回転ドラ
ム11の周方向に配設された複数の縦骨部材25,2
5,…とにより形成された骨組部材26をもって構成し
ている。この各横骨部材24は、前記回転ドラム11の
周方向に適宜間隔をもって等間隔(すなわち、等角度)
に配設されており、また各縦骨部材25は、前記回転ド
ラム11の軸方向に適宜間隔をもって等間隔に配設され
ている。そして、各横骨部材24のうちの隣合う2つの
横骨部材24の間には、濾布10を張設するに際して、
濾布10を巻回して、その周方向の両端部を重合させ、
その重合部を固着するための濾布固定用横骨部材27が
設けられている。この濾布固定用横骨部材27は、前記
回転ドラム11の軸方向の全長に亘って延在しており、
その外面には、濾布10の周方向の両端部を固定するた
めの適宜なボルト(図示省略)が前記回転ドラム11の
軸方向に等間隔をもって複数本植設されている。
【0016】さて、前記骨組部材26により籠型に形成
された回転ドラム11の外周面に濾布10を張設するに
際しては、図2に示すように、まず前記各縦骨部材25
および前記濾布固定用横骨部材27の外面に、弾性材料
で成形された内側固定パッド28をそれぞれ嵌着する。
この内側固定パッド28を嵌着することにより、前記各
縦骨部材25および前記濾布固定用横骨部材27をそれ
ぞれ被覆し、その鋭利な角部による剪断力が働くことを
抑える。つぎに、両端部に前記濾布固定用横骨部材27
に植設した各ボルト数に対応した複数の係合穴(図示省
略)をそれぞれ設けた濾布10を用い、まず濾布10の
一端の各係合穴を前記各ボルトにそれぞれ係合し、内側
固定パッド28の上に濾布10を弛みなく巻回し、濾布
10の他端の各係合穴を前記各ボルトにそれぞれ係合
し、濾布10の周方向の両端を前記各ボルトを介して前
記濾布固定用横骨部材27上で重合させる。この重合部
において、前記各ボルト数に対応したボルト穴(図示省
略)が複数個穿設された固定部材29を用いて濾布10
を固定する。この固定部材29は、その内側には前記内
側固定パッド28と同様な弾性材料で成形された濾布固
定パッド30が嵌着されている。したがって、この重合
部における濾布10は、濾布固定パッド30と前記内側
固定パッド28との間に挟持された状態で固定される。
【0017】そして、前記回転ドラム11の外周面に巻
回された濾布10の外側からの固定について説明する
と、この発明においては、基本的に前記回転ドラム10
の周方向に沿って固定する構成となっている。まず、こ
の周方向の固定には、ホースバンド等の複数の固定バン
ド31が用いられている。この各固定バンド31は、前
記縦骨部材25に対応した位置にそれぞれ配置され、そ
れぞれ締付けネジ(図示省略)を介して、濾布10を全
周に亘って固定する。この各固定バンド31は、それぞ
れその内側には前記濾布固定パッド30が嵌着されてい
る。したがって、濾布10は、各固定バンド31と前記
縦骨部材25との間において、前記内側固定パッド28
と前記濾布固定パッド30との間に挟持された状態で固
定される。この結果、各固定バンド31と前記縦骨部材
25の鋭利な角部がそれぞれ被覆され、その角部による
剪断力の作用が抑制され、原水の水圧により濾布10が
破損することがない。
【0018】つぎに、前記回転ドラム11の内部構造に
ついて説明すると、前記回転ドラム11の内側下部にお
いては、原水中に含まれている比較的大きな木の葉等の
固形物や濾布10の内側から剥離した泥等がヘドロ状と
なって溜まることがあり、これらにより濾過性能が低下
することはもちろん、固形物によっては濾布10を破損
させる可能性もあり、これらを排出する必要がある。そ
こで、この発明は、前記回転ドラム11の内側におい
て、前記濾布固定用横骨部材27に、前記回転ドラム1
1の下部に溜まる固形物やヘドロ等を掬い取るバケット
32を設けている。このバケット32は、図2に示すよ
うに、その横断面形状が鍵型形状を呈しており、前記濾
布固定用横骨部材27の長手方向のほぼ全長に亘って延
在している。そして、その長手方向の両端部には、掬い
取ったヘドロ等が長手方向の両側へ漏れるのを防止する
端板33,33が設けられている。また、バケット32
の先端部には、バケット32から溢れ出た液状物は通過
させるが、固形物等を保持するブラシ34が設けられて
いる。一方、前記回転ドラム11の内側上部には、濾布
10を内側から洗浄する表洗ノズル35と、この表洗ノ
ズル35からの洗浄排水を回収し、これを排水配管36
を介して前記濾過槽1外へ排出する回収ホッパー37が
配設されている。したがって、バケット32およびブラ
シ34で掬い取られたヘドロや固形物等は、前記回転ド
ラム11の回転に伴って、バケット32に収容されたま
ま,あるいはブラシ34に保持されたまま上方へ移動
し、バケット32およびブラシ34が前記回転ドラム1
1内の上部に位置した時点で、バケット32およびブラ
シ34から回収ホッパー37内へ落下する。回収ホッパ
ー37内へ収容されたヘドロや固形物等は、洗浄排水と
同様、排水配管36を介して前記濾過槽1外へ排出され
る。
【0019】図2に示した実施例においては、前記回転
ドラム11の内側下部に溜まる固形物やヘドロ等を掬い
取る手段として、前記濾布固定用横骨部材27にバケッ
ト32を設ける構成について、さらにはこのバケット3
2の先端部にブラシ34を設ける構成について説明した
が、この発明における掬い取り手段は、この実施例に限
定されるものではなく、とくに木の葉等の浮遊物につい
ては、たとえば図3に示すように、前記回転ドラム11
の回転方向に対して適宜傾斜して設けたブラシ34のみ
による構成も、実施に応じて好適である。そして、前記
ブラシ34のみによる構成にあっては、このブラシ34
を前記濾布固定用横骨部材27に設ける構成の他に、前
記骨組部材26を構成する横骨部材24のいずれか一つ
に設ける構成も好適であり、さらには横骨部材24の全
部あるいは複数に設ける構成も好適である。
【0020】また、前記回転ドラム11の外部上方にお
いて、前記回収ホッパー37に対応する位置には、濾布
10を外側から洗浄する逆洗ノズル38が配設されてい
る。したがって、この逆洗ノズル38からの洗浄による
洗浄排水は、前記回収ホッパー37内に回収される。
【0021】ここで、前記回転ドラム11の回転機構に
ついて説明すると、前記回転ドラム11は、前記濾過処
理部4内の底部に設置された回転自在な4個の支持ロー
ラ39上に載置されている。そして、前記回転ドラム1
1の他方の閉鎖ドラム支持筒14の外周面には、適宜な
チェーン(図示省略)が巻着されており、このチェーン
にモータ40のスプロケット41が噛合している。した
がって、前記回転ドラム11は、モータ40によりスプ
ロケット41およびチェーンを介して、各支持ローラ3
9上で回転する。このように、前記回転ドラム11は、
モータ40の駆動力により、各支持ローラ39上で回転
しながら濾過を行う構成となっているが、この実施例に
おいては、原水が前記回転ドラム11の一方の開口ドラ
ム支持筒12側から導入されるものであるから、前記回
転ドラム11にあっては、前記モータ40側へスラスト
荷重が働き、このスラスト荷重により前記モータ40側
へ移動するが、この移動によりチェーンとスプロケット
41との噛合に異常な摩擦音が発生したり、各部材同士
の接触により前記回転ドラム11の回転速度が低下し、
濾過効率が低下するとともに、故障の原因となる。そこ
で、この発明においては、前記回転ドラム11がスラス
ト荷重により軸方向へ移動するのを規制する軸受42を
設けている。この軸受42は、前記回転ドラム11の前
記閉鎖ドラム支持筒14に近接した位置において、前記
濾過処理部4内に横設した支持部材43に固着されてい
る。この支持部材43は、前記濾過処理部4内における
前記回転ドラム11の回転軸心の位置とほぼ同一の高さ
となる位置にほぼ水平に設けられており、またこの支持
部材43に固着する軸受42は、前記回転軸心と一致す
る位置において固着されている。したがって、この軸受
42は、前記回転軸心において、前記閉鎖ドラム支持筒
14の側壁13に当接し、前記回転ドラム11の前記モ
ータ40側への移動を阻止する。
【0022】さらに、前記実施例における配管接続につ
いて簡単に説明すると、まずプール等の原水供給源から
の原水は、原水供給配管44を介して濾過槽1の原水貯
留部3へ供給される。そして、濾布10を表洗する表洗
ノズル35への洗浄水は、濾過槽1の濾過処理部4内に
貯留されている濾過水が用いられる構成となっており、
表洗ノズル35と前記濾過処理部4とは、洗浄水供給配
管45により接続されており、この配管中には供給ポン
プ46が設けられている。また、濾布10を逆洗する逆
洗ノズル38への洗浄水も、同じく濾過水が用いられる
構成となっており、逆洗ノズル38には、洗浄水供給配
管45から分岐した逆洗水供給配管47が接続されてい
る。さらに、濾過水は、濾過槽1内のバッファータンク
部8から、濾過水供給配管48を介してプール等へ供給
される。
【0023】以上のように、この発明によれば、まず弾
性シール部材の弾発作用により、接続部分における密着
度をより一層強固なものとすることができ、回転ドラム
の内側への入口部における原水の漏洩を確実に防止する
ことができる。また、弾性シール部材を外方に向かって
拡開する固定リングにより固着するものであるから、弾
性シール部材を簡単な操作でしかも確実に圧着固定する
ことができる。また、回転ドラムの外周面への濾布の張
設は、内側固定パッドと濾布固定パッドとの間に濾布を
挟持固定するものであるから、骨組部材および固定バン
ドの鋭利な角部がそれぞれ直接接触せず、その角部によ
る剪断力が作用することがなく、濾布の破損を防止する
とともに、その寿命を大幅に延長することができる。ま
た、回転ドラム内の下部に溜まる固形物やヘドロ等を回
転に伴って掬い取る構成であるから、回転ドラム内の下
部には固形物等が溜まることがなく、安定した濾過性能
を長期に亘って維持することができる。さらに、軸方向
の一方を開口し、他方を閉鎖した回転ドラムであって
も、軸受により回転ドラムの軸方向への移動が確実に阻
止されるものであるから、異常な摩擦音が発生すること
がないとともに、回転ドラムの回転速度が低下すること
もなく、安定した濾過効率を長期に亘って維持すること
ができる。以上のように、この発明によれば、比較的簡
単な構成で、効率の良い濾過作業を行うことができるの
で、この種の濾過装置としては頗る効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る回転ドラム式濾過装置の全体を
概略的に示す断面説明図である。
【図2】この発明に係る回転ドラム式濾過装置における
回転ドラムの内部構造の一部を示す拡大断面説明図であ
る。
【図3】図2と同様の拡大断面説明図で、回転ドラムの
内部構造の他の実施例を示す一部拡大断面説明図であ
る。
【図4】シール固定バンドの詳細を示す説明図である。
【符号の説明】
1…濾過装置 2…隔壁 3…原水貯留部 4…濾過処理部 5…連通孔 10…濾布 11…回転ドラム 12…開口ドラム支持筒 14…閉鎖ドラム支持筒 15…弾性シール部材 16…筒状フランジ部 17…シール固定バンド 18…開口部 19…シール押え板 20…受け板 21…アジャストボルト 22…鍔部 24…横骨部材 25…縦骨部材 26…骨組部材 27…濾布固定用横骨部材 28…内側固定パッド 29…固定部材 30…濾布固定パッド 31…固定バンド 32…バケット 34…ブラシ 35…表洗ノズル 37…回収ホッパー 38…逆洗ノズル 39…支持ローラ 40…モータ 41…スプロケット 42…軸受 43…支持部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−78406(JP,A) 特開 昭58−174210(JP,A) 特開 昭62−288722(JP,A) 特開 平7−241412(JP,A) 実開 平2−45112(JP,U) 実開 昭64−1712(JP,U) 実開 平3−15613(JP,U) 実開 平6−32840(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 33/06 - 33/13 B01D 33/44 B01D 33/58

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過槽1内に外周面に濾布10を張設し
    た回転自在な回転ドラム11を設置し、該回転ドラム1
    1の内側へ原水を導入し、前記回転ドラム11を回転し
    ながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置において、濾過
    槽1内に当該濾過槽1内を原水貯留部3と前記回転ドラ
    ム11を設置する濾過処理部4とに区画する隔壁2を設
    け、該隔壁2に前記原水貯留部3と前記濾過処理部4と
    を連通する連通孔5を形成し、前記回転ドラム11の両
    端部に前記連通孔5の直径より大径のドラム支持筒をそ
    れぞれ設け、前記連通孔5側に位置するドラム支持筒
    を、その端部が開口した開口ドラム支持筒12として構
    成し、該開口ドラム支持筒12の筒状フランジ部16と
    前記連通孔5との間に円筒状の弾性シール部材15を配
    設し、該弾性シール部材15の一側を前記筒状フランジ
    部16に圧着固定するとともに、該弾性シール部材15
    の他側を前記連通孔5内に嵌合したことを特徴とする回
    転ドラム式濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性シール部材15の一側を前記筒
    状フランジ部16の内側に配置し、外方に向かって拡開
    する機能を備えたシール固定バンド17により前記弾性
    シール部材15を前記筒状フランジ部16の内側に圧着
    固定したことを特徴とする請求項1に記載の回転ドラム
    式濾過装置。
  3. 【請求項3】 濾過槽1の濾過処理部4内に外周面に濾
    布10を張設した回転自在な回転ドラム11を設置し、
    該回転ドラム11の内側へ原水を導入し、前記回転ドラ
    ム11を回転しながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置
    において、前記回転ドラム11を形成する骨組部材26
    の外面に内側固定パッド28を嵌着し、前記骨組部材2
    6に濾布10を外側から固定する固定バンド31の内側
    に濾布固定パッド30を嵌着し、該濾布固定パッド30
    と前記内側固定パッド28との間で濾布10を挟持固定
    したことを特徴とする回転ドラム式濾過装置。
  4. 【請求項4】 濾過槽1の濾過処理部4内に外周面に濾
    布10を張設した回転自在な回転ドラム11を設置し、
    該回転ドラム11の内側へ原水を導入し、前記回転ドラ
    ム11を回転しながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置
    において、前記回転ドラム11に、当該回転ドラム11
    の軸方向に延在し、濾布10の周方向の両端部を重合さ
    せて固定する濾布固定用横骨部材27を設け、該濾布固
    定用横骨部材27に前記回転ドラム11内に溜まる固形
    物やヘドロ等を掬い取るバケット32を設けたことを特
    徴とする回転ドラム式濾過装置。
  5. 【請求項5】 濾過槽1の濾過処理部4内に外周面に濾
    布10を張設した回転自在な回転ドラム11を設置し、
    該回転ドラム11の内側へ原水を導入し、前記回転ドラ
    ム11を回転しながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置
    において、前記回転ドラム11を構成する横骨部材24
    のうちの少なくともいずれか一つ、または濾布10を固
    定する濾布固定用横骨部材27のいずれかに前記回転ド
    ラム11内に溜まる固形物等を掬い取るブラシ34を設
    けたことを特徴とする回転ドラム式濾過装置。
  6. 【請求項6】 濾過槽1の濾過処理部4内に外周面に濾
    布10を張設した回転自在な回転ドラム11を設置し、
    該回転ドラム11の内側へ原水を導入し、前記回転ドラ
    ム11を回転しながら濾過を行う回転ドラム式濾過装置
    であって、前記回転ドラム11の軸方向の一方を開口
    し、他方を閉鎖した形式の回転ドラムを用いる濾過装置
    において、前記濾過処理部4内に、原水導入に伴うスラ
    スト荷重による前記回転ドラム11の軸方向への移動を
    阻止する軸受42を設けたことを特徴とする回転ドラム
    式濾過装置。
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