JP2821028B2 - 心臓ペースメーカのための洞優先の方法及び装置 - Google Patents

心臓ペースメーカのための洞優先の方法及び装置

Info

Publication number
JP2821028B2
JP2821028B2 JP8516968A JP51696895A JP2821028B2 JP 2821028 B2 JP2821028 B2 JP 2821028B2 JP 8516968 A JP8516968 A JP 8516968A JP 51696895 A JP51696895 A JP 51696895A JP 2821028 B2 JP2821028 B2 JP 2821028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
period
atrial
pacing
sinus
escape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8516968A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09512738A (ja
Inventor
ストローベル,ジョン・シー
マーコウィッツ,エイチ・トビー
Original Assignee
メドトロニック・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メドトロニック・インコーポレーテッド filed Critical メドトロニック・インコーポレーテッド
Publication of JPH09512738A publication Critical patent/JPH09512738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2821028B2 publication Critical patent/JP2821028B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/365Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential
    • A61N1/368Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/365Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential
    • A61N1/36585Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential controlled by two or more physical parameters

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、房室形(デュアルチャンバ)の心拍応答ペ
ースメーカに関する。
従来技術の説明 治療法として採用されている心臓ペーシングの動作モ
ードのうちでは、心房と心室との両方に対してペーシン
グを行う房室ペーシングという動作モードが広く採用さ
れている。房室ペーシングに該当する動作モードのうち
にも様々なモードがあるが、そのうちの「DDD」モード
は、心房と心室の両方に対してペーシングが可能であ
り、心房と心室の両方からの心電検出が可能であり、更
に、心房と心室の夫々を刺激するペーシング刺激の抑制
とトリガとの両方が可能な動作モードである。この「DD
D」モードの発展形態として、センサ機能を強化した「D
DDR」モードがあり、末尾に付された「R」は心拍応答
形(rate−adaptiveまたはrate modulation)であるこ
とを表している。
DDDペースメーカは、心房脱分極を検出する心房セン
ス増幅回路と、心室脱分極を検出する心室センス増幅回
路とを備えている。心房が所定期間(心房逸脱期間)内
に拍動を発生しなかったならば、ペースメーカは該当す
るリード配線系を介して心房へ心房刺激を供給する。ま
た、1つの心房事象(自発性心房拍動が検出される心房
検出事象と、心房がペーシングされる心房ペーシング事
象とがある)が発生してから心房心室逸脱期間(A−V
逸脱期間)が経過するまで、自発性心室脱分極が発生し
なかったならば、ペースメーカはその時点で該当するリ
ード配線系を介して心室へ心室ペーシング刺激を供給す
る。このような機能を果たすペースメーカは、患者の自
発性洞性律動に追従する機能と、広い心拍数領域に亘っ
ての血流量に対する心房収縮の寄与量とを記憶しておく
機能とを備えている必要がある。
多くの患者は、洞房(SA)結節は正常であり、房室
(AV)伝導の方に異常を持っている。このような患者に
とっては、心房ペーシングに同期させて心室ペーシング
を行うようにしたDDDモードは、その必要を概ね満たす
適切なものであるといえる。一方、洞不全症候群(sick
sinus syndrome:SSS)の症状を呈している患者では、
その心房の拍動レートが、ときには適切であるが、とき
には速すぎ、またときには遅すぎるということが起こ
る。従ってSSSの患者の場合には、DDDRモードを採用す
れば、その患者の代謝要求量を表す生理量を検出するセ
ンサに基づいて決定されたセンサ・レートで房室ペーシ
ングを行うことができ、その症状を緩和することができ
る。しかしながらそのセンサ・レートは、ときには速す
ぎ、ときには遅すぎるということがあり、その原因には
様々なものがるが、例えば、プログラム可能(設定可
能)なパラメータの誤入力が原因となることもあれば、
検出対象の物理量を検出するセンサの検出精度に限界が
あることや、センサ・レートを決定するために用いられ
ているアルゴリズムに限界ないし問題があるということ
が原因となることもある。
以上の問題に加えて、従来の、センサに基づいた動作
モードで動作するペースメーカは、たとえ洞性レートが
実際上、適切な速度である場合でも、またセンサ・レー
トが洞性レートより高いがその差が非常に僅かであり、
センサ・レートでペーシングを行ってもはっきりとした
利益が得られないという場合であっても、センサ・レー
トの方が洞性レートよりも少しでも高ければ常にセンサ
・レートでペーシングが行われる(従って心房が酷使さ
れる)。従ってこのような場合、センサ・レートによる
ペーシングは適当でなく、心房が不必要に酷使され、バ
ッテリ電力が無意味に消費されることになる。
本願の譲受人に譲渡された米国特許第5144949号
(尚、同特許の開示は全てこの言及をもって本願開示に
久実子まれたもとする)に開示されているDDDRペースメ
ーカでは、その動作モード即ちペーシング・モードが、
DDDモードと、DDIモードと、VVIRモードとの間で切り替
えられ、しかもその切り替えが、平均心房レート(AA
R)と、平均複合センサレート(ACSR)との差の関数と
して実行される。AARとACSRとの両方がユーザが選択し
た範囲内にあり、しかも、AARが心房レート上限値(Atr
ial Upper Rate Limit:AURL)を超えていないか、たと
え超えていても異常なほど高くなければ、DDDペーシン
グ・モード(尚、このペーシング・モードはセンサに基
づいたモードではない)とするのが適当である。顕著な
心房性頻拍が検出されたときには、VVIRモードとするこ
とが好ましく、そうすれば、不適当な心房追従動作や心
房と競合するおそれのあるペーシングを避けることがで
き、心房性不整脈をかえって誘発してしまうおそれもな
い。洞性徐脈や変周性心房不全の症状が認められるとき
には、心房レートそのものが不適切であるため、DDIRモ
ードとすることが好ましい。動作モードの切り替えに際
しては、何回かの拍動が繰り返される間に、或いは所定
の期間が経過する間に、ペーシング・レートを徐々に上
昇或いは低下させるようにしており、それによってその
上昇及び低下を滑らかなものにしている。
動作モードの切り替えは、AURLを上限とするAARと、
センサ・レート上限値(SURL)を上限とするACSRとの比
較に基づいて行われる。その概要を述べると、次の通り
である。先ず、AARがACSRより大きいが両者の差が第1
範囲内にあり、且つ、AARがAURL以下でACSRがSURL以下
である間は、DDDペーシングを維持する。AARが上昇して
両者の差が第1範囲を超えたならば、動作モードをVVIR
に切り替える。同様に、ACSRがAARより大きいが両者の
差が第2範囲内にあるときにも、DDDペーシングを維持
する。ACSRが上昇して両者の差が第2範囲を超えたなら
ば、動作モードをDDIRに切り替える。
このDDIRモードにあるときには、SURLをもってペーシ
ング・レートの上限としており、このモードにあるとき
に、心房レート瞬時値(Instantaneousatrial Rate:IR
A)がACSRに等しくなったならば、その時点でDDDモード
に切り替える。DDDモードにあるときには、AURLをもっ
てペーシング・レートの上限としており、ACSRが低下し
てSURL以下になったときに、AARがAURLより高いままで
あったならば、その時点でVVIRモードに切り替えるよう
にしている。
この米国特許第5144949号によれば、第1範囲と第2
範囲とは、最低レートと夫々AURLないしSURLとの間の値
を取るAAR及びACSRの関数f(A−S)及びf(S−
A)として決定され、また、医師がそれら範囲をプログ
ラム(設定)することができる。従って、それら範囲の
瞬時値は、実際には、その時点におけるAARおよびACSR
の値の関数として変化している。
この米国特許第5144949号には、DDDペーシングを行う
際には、なるべく、AARの値から算出される心房逸脱期
間(A−A逸脱期間)に追従した動作を続けることが望
ましいと強調されている。これは、通常は強制的にDDD
モードで動作させ、上述の条件に該当する場合にだけ別
の動作モードへ移行させるということに他ならない。ま
た、DDDモードにあるときには、ペーシング逸脱期間/
レートの瞬時値を、1つの心房事象と次の心房事象との
間の間隔の実測値として求め、この値からAARを算出す
るようにしている。このAARとは別にACSRも同様にして
算出しており、このACSRは、心房同期性が上述の条件か
ら外れたときの動作モードにおけるペーシング逸脱期間
/レートを設定する場合だけに用いられる。
更に別の米国特許だけである米国特許第4856523号に
は、自動モード切り替え機能、及び/または、可変ヒス
テリシス・レート機能を備えた心拍応答ペースメーカが
記載されている。同米国特許公報の図3Aに示されている
ように、生理量センサ即ち身体活動関連量センサによっ
て、生理量に依拠して決定される生理量依拠決定逸脱期
間/レートの値を、下限値と上限値(SURL)との間で発
生させている。また、同米国特許公報の図3B及び図4に
は、ヒステリシス・レートの値を生理量依拠決定レート
の値以下に設定する、可変ヒステリシス逸脱期間が示さ
れている。例えばVVIRモード等の、心房または心室の一
方のみに対して動作する心拍応答モードにおいては、基
本的逸脱期間であるV−V逸脱期間が満了してV−PACE
パルスが送出された場合には、生理量依拠決定逸脱期間
をもって次回のV−V逸脱期間としている。一方、その
基本的逸脱期間内にV−SENSE事象が発生した場合に
は、可変ヒステリシス逸脱期間をもって次回のV−V逸
脱期間としている。この可変逸脱期間の使用は、ペーシ
ング・レートが上限に達するまで続けられ、ここで上限
レートとされているのはSURLからヒステリシス・レート
の最大増分を減じた値であり、これについては図3Bに示
されている通りである。
この米国特許第4856523には、ペーシング・レートが
上昇したならば、そのペーシング・モードを、基本的ペ
ーシング・モードである房室ペーシング・モードから、
心房と心室のいずれか一方のみに対して動作するモード
(一般的にはVVIRモード)に切り替えることの重要性が
強調されており、それは、心収縮レートが上昇すると、
心拍出量に対する心房の寄与量が低下するのに対して、
房室ペーシング・モードに必要とされる電力の消費量は
増大するからである。同米国特許公報の図6に示され明
細書中で説明されている房室モードであるDVIRモードで
は、A−V期間内にV−SENSE事象が検出されるか否か
に応じてV−A期間を、生理量依拠決定逸脱期間とヒス
テリシス期間との一方に選定するようにしている。ま
た、レートが上昇したならば、DVIRモードからVVIRモー
ドに切り替えることが望ましいとされている。
更に別に米国特許である米国特許第5074304号には、
心房レート上限値(同米国特許公報ではHSRで表されて
いる)をセンサ・レート(KAで表されている)に関連付
けることによって、上限レートが生理量依拠決定センサ
・レートに追従して変化し得るようにした房室形心拍応
答ペースメーカが記載されている。
更に、米国特許第5374281号(Kristall and Duncan)
では、プログラム可能なヒステリシスによって逸脱期間
を自動的に延長可能にすることである程度の洞性レート
に対処できるようにする手段を、センサを用いた心拍応
答ペースメーカに装備している。
以上のように、これまでに房室形心拍応答ペースメー
カに関する様々な改善がなされてきているが、なお、次
のような方式が望まれている。その方式とは、潜在的な
洞性レートよりも、センサに基づいて決定されたセンサ
由来決定ペーシング・レートの方が高い場合であって
も、その潜在的な洞性レートがセンサ由来決定ペーシン
グ・レートとさほど違わない場合には同期ペーシング・
レートを優先的に洞性レートに追従させることによっ
て、DDDRペーシング・モードを維持できるようにし、し
かもそれを簡明な構成で、高い信頼性をもって可能にす
る方式である。
発明の概要 本発明は以上に鑑みてなされたものであり、本発明の
目的は、レート可変とする機能を備えた新規な房室形ペ
ースメーカであって、洞性レートを用いても患者の心臓
に対する現在の生理的要求量を適切に満たすことができ
る場合には、高いセンサ・レートを用いて心房を酷使す
ることがないようにした、房室形ペースメーカを提供す
ることにある。
本発明の更なる目的は、房室形心拍応答ペースメーカ
において、生理量センサに基づいて決定されるセンサ由
来決定V−A逸脱期間を用いたDDDRモードでの動作を優
先させつつも、なおかつ、センサ由来決定レートより潜
在的な洞性レートを用いる方が適当である場合には、正
常な変周性受容能力を有する患者であれば1回の心拍ご
とに心房の洞性レートに追従する機能を利用できるよう
にすることにある。
本発明は、患者の心臓を然るべきペーシング・レート
でペーシングする心拍応答ペースメーカを提供するもの
であり、少なくとも以下に列挙する手段ないしステップ
を含むものである。
ペーシング・パルスを発生させてそのペーシング・パ
ルスを患者の心房ないし心室へ供給する手段ないしステ
ップ、 心房ないし心室の脱分極を検出する手段ないしステッ
プ、 患者の心臓に対する生理的要求量を測定するための手
段ないしステップ、 生理量に基づいて決定される生理量依拠決定ペーシン
グ・レートを定める生理量依拠決定逸脱期間を、患者の
心臓に対する生理的要求量の関数として求める手段ない
しステップ、 心房ないし心室の脱分極が検出された場合に、所定回
数の生理量依拠決定逸脱期間に所定増分を付加すること
で延長洞性逸脱期間を設定し、それによって、生理量依
拠決定ペーシング・パルスよりも低い洞性レートで反復
発生する潜在的心臓脱分極を検出できるようにする手段
ないしステップ、 前記延長洞性逸脱期間の満了の時点でペーシング・パ
ルスの発生をトリガする手段ないしステップ、そして、 前記延長洞性逸脱期間内に心臓脱分極が検出されなか
った場合に、連続する複数の延長洞性逸脱期間に対し
て、その期間の増分の長さを次第に減少させて行く手段
ないしステップ。
1つの好適な実施の形態によれば、心拍応答ペースメ
ーカは好ましくは、ペーシングン用及び検出用の心房電
極及び心室電極に接続するように構成した房室形心拍応
答ペースメーカのパルス発生装置であって、自発性心房
脱分極を心房検出事象として検出する心房センス増幅回
路及び自発性心室脱分極を心室検出事象として検出する
心室センス増幅回路と、患者の自発性心房脱分極レート
と患者の心拍出量に関する生理的要求量とに応じて患者
の心房へ心房ペーシング・パルスを供給する心房パルス
発生回路及び患者の心室へ心室ペーシング・パルスを供
給する心室パルス発生回路とを備えたパルス発生装置と
したものである。また、このペースメーカは、以下に列
挙するステップに従って、また手段によって動作するも
のである。
患者の身体活動のレベルを検出して、患者の心臓に対
する生理的要求量に関連した患者身体活動センサ信号を
送出する手段ないしステップ、 前記患者身体活動センサ信号に関連したセンサ由来決
定心室心房(V−A)逸脱期間の長さを設定する手段な
いしステップ、 心房心室(A−V)遅延期間を設定して、直前の心房
検出事象または心房ペーシング・パルスの発生から前記
心室パルス発生回路による心室ペーシング・パルスの送
出までの時間長さを定め、1回のV−A逸脱期間が経過
し続いて1回のA−Vの遅延時間が経過することで1回
のペーシング・サイクルが構成されることにより、房室
ペーシング・レートが患者の身体活動に関連して決定さ
れるようにする手段ないしステップ、 前記A−V遅延期間内に心室検出事象が検出されたと
き、または心室ペーシング・パルスが送出されたとき
に、前記センサ由来決定V−A逸脱期間の計時を開示す
る手段ないしステップ、 前記心房センス増幅回路を動作させて、前記センサ由
来決定V−A逸脱期間の少なくとも一部分において心房
脱分極が発生した場合に、その心房脱分極の発生を心房
検出事象として検出させる手段ないしステップ、 前記V−A逸脱期間内に心房検出事象が発生しなかっ
た場合に、そのV−A逸脱期間の満了時に前記心房パル
ス発生回路を動作させて心房ペーシング・パルスを送出
させる手段ないしステップ、 前記センサ由来決定V−A逸脱期間内に心房検出事象
が検出された場合に洞優先タイム・ウィンドウの長さを
設定する手段ないしステップ、 後続のペーシング・サイクルのV−A逸脱期間を延長
して、前記センサ由来決定V−A逸脱期間に前記洞優先
タイム・ウィンドウを付加した長さの延長V−A逸脱期
間とし、その延長V−A逸脱期間内に心房洞性脱分極が
発生した場合に同期心室ペーシングが行われるようにす
る手段ないしステップ、そして、 連続する複数の延長V−A逸脱期間内に心房洞性脱分
極が検出されなかった場合に、それら連続する複数の延
長逸脱期間に亘って洞優先タイム・ウィンドウの長さを
徐々に短縮して行くことで、前記センサ由来決定V−A
逸脱期間へ徐々に復帰して行くようにする手段ないしス
テップ。
本発明の装置及び方法は、その様々な実施の形態の幾
つかにおいては、潜在的な心臓の洞性律動を周期的に探
索する手段ないしステップを含んでおり、この探索を行
うには、周期的に、センサ由来決定逸脱期間に増分を付
加して期間を延長した上で、その期間内に脱分極が検出
されるか否かを判定し、もし検出されたならば、その洞
性脱分極が検出されている間は延長した逸脱期間を維持
するようにしている。
本発明の更なる局面によれば、前記装置ないし方法は
更に、前記延長逸脱期間内において脱分極が検出される
までの経過時間を測定し、もし検出された脱分極につい
ての測定値によって、前記センサ由来決定逸脱期間内に
脱分極が発生していることが明らかになったならば、次
回の延長逸脱期間を設定する際に、その期間の長さを、
センサ由来決定逸脱期間にではなく実測逸脱期間に増分
を付加した長さに設定する手段ないしステップを含むも
のである。
本発明の更なる局面によれば、前記装置ないし方法は
更に、短縮した増分を付加した先行する延長逸脱期間内
に脱分極が検出された場合には全て、後続の延長逸脱期
間を設定する際に、その期間の長さを、実測逸脱期間ま
たはセンサ由来決定逸脱期間に最大長さの増分を付加し
た長さに設定する手段ないしステップを含むものであ
る。
本発明の詳細は、添付部面を参照する以下の説明から
明らかとなる。
図面の簡単な説明 添付図面中、別々の図であっても、同一の構造部分は
同一ないし対応する参照番号をもって指し示すようにし
た。また、夫々の構成要素に付番した参照番号の最上位
の桁の数字は、その構成要素が初出する図の図番号に対
応させた。
図1は、本発明の洞優先アルゴリズムを組込むことの
できるDDDRペースメーカのブロック図である。
図2は、心房ペーシング事象及び心房検出事象に応答
する本発明の洞優先ウィンドウを説明するためのタイミ
ング図である。
図3は、図2のタイミング図の続きである。
図4は、本発明の洞優先アルゴリズムを用いた場合の
時間に対する心拍のグラフである。
図5は、図示したように洞優先ウィンドウが変化し心
房検出事象が発生する場合にそれに対応して発生する心
電図を示した図である。
図6は、最大レート低減量に達した後の複数の復帰拍
動を説明するための時間に対する心室拍動レートのグラ
フである。
図7は、図1に示した房室ペースメーカのブロック図
であり、ロジック回路及びタイミング回路の構成要素を
更に詳細に示した図である。
図8は、図7のペースメーカの全体的動作のフローチ
ャートである。
図9及び図10は、組合わさって1つのフローチャート
を示す図であり、このフローチャートは、図8のフロー
チャートに示した全体機能を備えた図1及び図7のペー
スメーカに組込むことのできる本発明の洞優先アルゴリ
ズムを示したものである。
好適実施例の詳細な説明 本発明は、例えば、米国特許第4312355号(Funke)に
教示されているDDDペースメーカ等の従来のペースメー
カに適用し得るものである。尚、同米国特許の開示はこ
の言及をもって本願開示に包含されたものとする。本発
明を適用するのに適した別の心拍応答ペースメーカとし
ては、米国特許第4951667号(Markowitz et.al.)に教
示されているものがあり、この米国特許のペースメーカ
は、身体活動応動形で房室形のDDDR心拍応答ペースメー
カである。尚、同米国特許の開示はこの言及をもって本
願開示に包含されたものとする。また、この米国特許第
4951667号のペースメーカは、検出した患者の身体活動
に基づいて、ペースメーカの「センサ」レートを決定す
るようにしたものである。尚、本発明は、現在公知とな
っているマルチプログラマブル・ペースメーカに適用す
ることが好ましい。
図1は、本発明をDDDペースメーカないしDDDRペース
メーカに適用するために必要な構成を示したブロック図
である。図中、患者の心臓10は、その右心房に心房ペー
シング・リード12が挿入され、右心室に心室ペーシング
・リード9が挿入されている。心房リード12には心房電
極構造体13が接続されており、ペースメーカ14は、この
心房電極構造体13を介して心房に接続されている。心室
リード9には心室電極構造体15が接続されており、ペー
スメーカ14は、この心室電極構造体15を介して患者の心
臓10の心室組織に接続されている。
心房電極構造体13は、心房ペーシング刺激発生回路
(atrial pace stimulus generator:APG)16と、心房セ
ンス増幅回路(atrial sense amplifier:ASA)17との両
方に接続されている。同様に、心室電極構造体15は、心
室ペーシング刺激発生回路(ventricular pace stimulu
s generator:VPG)18と、心房センス増幅回路(ventric
ular sense amplifier:VSA)19との両方に接続されてい
る。図1の構成はユニポーラ形の構成であるが、バイポ
ーラ形の構成とすることも容易である。
図1は、適当な身体活動センサ(patient activity s
ensor:PAS)21と適当な信号コンディショニング回路と
を備えたものであり、これらを備えることによって、検
出された患者の身体活動に応じてペースメーカの動作を
変化させ得るようにしている。適当な身体活動応動形の
心拍応答システムの一例としては、米国特許第4428378
号(Anderson et.al.)に教示されているものがあり、
同米国特許の開示はこの言及をもって本願開示に包含さ
れたものとする。尚、患者の心臓に対する生理的要求量
を表すパラメータを検知して、レートと心室事象発生後
心房不応期(post−ventricular atrial refractory pe
riod:PVARP)の長さとを変動させるセンサとしては、そ
の他の様々な物理量パラメータを検知するセンサを用い
て、それに基づいてそれらを変動させることも可能であ
る。
先ず概略を説明すると、心房センス増幅回路(ASA)1
7は、心房組織の脱分極を検出して心房検出事象信号(A
SE信号)を送出することで、患者の心臓の心房拍動が検
出されたことを示すものである。同様に心室センサ増幅
回路(VSA)19は、患者の心臓の心室拍動に応答して、
それに対応した心室検出事象信号(VSE信号)を送出す
るものである。
これら2つのセンス増幅回路に接続したペースメーカ
のロジック/タイミング回路20は、検出された心房検出
事象及び心室検出事象に応答して様々な期間の長さを決
定し、また、タイマ・ロジック信号やセンス増幅回路信
号に応答して心房ペーシング事象(atrial paced even
t:APE)信号と心室ペーシング事象(ventricular paced
event:VPE)信号との両方を送出するものである。主要
なタイミング機能を下の表1に示した。
例えば、このロジック/タイミング回路20は、プログ
ラム(設定)されたA−V遅延期間(AVD)の満了を知
るための計時を行う手段を装備している。A−V遅延時
間は、心房検出事象と心房ペーシング事象とのいずれか
の発生をもって始まる。また、このA−V遅延期間は、
心室ペーシング事象(VPE)が発生した場合や、心室検
出事象(VSE)が検出された場合には、その時点をもっ
て終了する。
ロジック/タイミング回路20は更に、プログラム(設
定)された心室事象発生後心房不応期(programmed pos
t−ventricular atrial refractory period:PPVARP)に
も対応している。PPVARPの期間は、心室ペーシング事象
(VPE)または心室検出事象(VSE)のいずれかの発生に
よって始まり、医師がその長さを設定した期間が経過し
たならばその時点で終了させるようにする。ロジック/
タイミング回路20は、VSEまたはVPEの発生によって始ま
る心室不応期(VRP)についても同様にその長さを定め
ている。このVRPは通常、PPVARPのうちのVSEないしVPE
より後の部分の長さよりも短く設定される。転移したVS
Eが検出されたならばVRPとPPVARPとの両方が共に始まる
ようにしておいてもよい。ロジック/タイミング回路20
は更に、ASEまたはAPEの発生によって始まる心房不応期
(ARP)の長さも定める。
ロジック/タイミング回路20は更に、心室検出事象ま
たは心室ペーシング事象の発生によって始まる不応期限
度期間(refractory limit interval:RLI)の満了を知
るための計時を行う。このペースメーカのロジック/タ
イミング回路20は更に、可変ではないが医師がその長さ
を選択できるディスエーブル期間Tの満了を知るための
計時も行う。このディスエーブル期間は、次回の心室事
象発生後心房不応期が存在しているペーシング・サイク
ルの中のVPEの発生によって始まる期間である。
通常、ディジタル・ペースメーカのロジック/タイミ
ング回路20は、APEパルスの送出によって始まりその期
間中は心房検出動作がディスエーブルされている心房ブ
ランキング期間も定め、また、心房心室ペーシング・パ
ルスの送出によって始まりその期間中は心室検出動作が
ディスエーブルされている心室ブランキング期間も定め
る。
このペースメーカ14のロジック/タイミング回路20は
更に、上限レート期間(upper rate limit interval:UR
L)の満了を知るための計時も行う。このURLというタイ
マは、VPEまたはVSEの発生によって始まり、心室刺激信
号を心臓へ供給する上限レートを定めるものである。
2つの個別の低レートV−A期間タイマ機能を備える
ことが好ましい。それら2つのうちの1つは、医師が基
本ペーシング・レートを選択することによってその値が
設定されるものである。これは、DDD・V−A期間であ
り、VPEまたはVPEの発生をもって始まり、このV−A期
間中にASEとVSEのいずれも発生しなかったならば、この
V−A期間の満了の時点でAPEが送出される。もう1つ
の低レート期間は、身体活動センサ21から得られる患者
の身体活動の測定値の関数として変化するものである。
これは、DDDR・V−A期間であり、通常は、心室検出事
象VSEと心室ペーシング事象VPEの、いずれかの心室事象
の発生をもって始まり、その期間の長さは患者の身体活
動を反映したものとなる。当業界において以上の構成は
公知であり、必要なタイマ機能を備えるために利用可能
な技術にも様々なものがある。
このペースメーカのロジック/タイミング回路20は更
に、ペーシング事象パルス発生回路16及び18に接続して
いる。例えば心房ペーシング事象信号は、心房ペーシン
グ刺激信号発生回路16へ供給されて、心房ペーシング刺
激信号を送出させ、心室ペーシング事象信号は、心房ペ
ーシング刺激パルス発生回路18を介して心室ペーシング
刺激信号を発生させる。
従ってこのペースメーカのロジック/タイミング回路
20は、ペーシング・サイクルにおける基本的ペーシング
期間即ち逸脱期間を決定するものであり、1回のペーシ
ング・サイクルは連続する1つのA−V期間と1つのV
−A期間とから成る。
次に図7及び図8について説明すると、それらの図に
示したのは、図1のペースメーカであり、その通常の動
作をより詳細に表したものである。図7のIPG回路300
は、大きく分けてマイクロコンピュータ回路302とペー
シング回路320とに分けることができる。ペーシング回
路320の出力増幅回路340は図1のASA17とVSA19とを含ん
でおり、センス増幅回路360はAPG16とVPG18とを含んで
いる。出力増幅回路340及びセンス増幅回路360は、現在
市販されている心臓ペースメーカに採用されている様々
なパルス発生回路やセンス増幅回路のいずれに対応した
回路として構成することもできるものである。バイポー
ラ形リード9及び12は、模式的に示したが、入出力回路
320に直接接続されている。しかしながら、実際の植込
形装置においては、それらリードは、いうまでもなく、
コネクタ・ブロックに挿入される着脱自在な電気コネク
タを介して接続されるものであり、図1にはコネクタブ
ロックを破線14で示した。
心房センス増幅回路がA−SENSE信号を感知して、心
房脱分極即ちP波が発生したということを確認したなら
ば(ASE)、それがASE信号線352を介してコントローラ
/タイマ回路330へ伝えられる。同様に、心室センス増
幅回路がV−SENSE(心室検出事象)信号を感知して、
心室脱分極即ちR波が発生したということを確認しなた
らば、それがVSE信号線を介してコントローラ/タイマ
回路330へ伝えられる。
ディジタル・コントローラ/タイマ回路330は心室ペ
ーシング・パルス(VPEパルス)をトリガして発生させ
るために、V−TRIG線342上にトリガ信号を送出する。
同様に、ディジタル・コントローラ/タイマ回路330は
心房ペーシング・パルス(APEパルス)をトリガするた
めにA−TRIG線344上にトリガ・パルス信号を送出す
る。
水晶発振回路338は、ペーシング回路320のための基本
タイミング・クロックを送出しており、バッテリ318は
電力を供給している。電源投入時リセット回路336は、
回路全体をバッテリに初めて接続したときに、その接続
に応答して初期動作状態を確立すると共に、バッテリ出
力低下状態を検出したときに、その検出に応答してこの
装置の動作状態をリセットする。基準モード回路326
は、ペーシング回路320の中の様々なアナログ回路へ供
給するための、安定した基準電圧及び基準電流を発生し
ている。アナログ・ディジタル・コンバータ(ADC)/
マルチプレクサ回路328は、アナログの信号及び電圧を
ディジタル化することによって、センス増幅回路360が
送出する心電図信号のリアルタイムのテレメトリを発生
させ、それをRF送受信回路332を介してアップリンク送
信できるようにしている。以上の、基準電圧/バイアス
回路326、ADC/マルチプレクサ回路328、電源投入時リセ
ット回路336、それに水晶発振回路338は、現在市販され
ている様々な植込形心臓ペースメーカに用いられている
それら回路と同様のものでよい。
図2に示した外部プログラミング装置40との間の通信
はテレメトリ・アンテナ334及びそれに接続したRF送受
信回路322を介して行われる。RF送受信回路322は、受信
したダウンリンク・テレメトリの復調と、アップリンク
・テレメトリの送信との両方を行う。例えばダウンリン
ク・テレメトリを復調及び復号するための回路部分は、
米国特許第4556063号(Thompson et al.)や、米国特許
第4257423号(McDonald et al.)に開示されているもの
と同様のものとすればよく、またアップリング・テレメ
トリ機能を提供する方式は、例えば米国特許第5127404
号(Wyborny et al.)や、米国特許第4374382号(Marko
witz)に開示されているものと同様の方式とすればよ
い。アップリンク・テレメトリ機能には、一般的に、記
憶しておいたディジタル情報を送信する機能の他に、上
述のWyborny特許に教示されているように心房ないし心
室から取出した心電図信号を送信する機能や、上述のMa
rkowitzの米国特許第4374382号に開示されているよう
に、心房ないし心室の検出された脱分極、またはペーシ
ングによって惹起した脱部分を表すマーカ信号を送信す
る機能が含まれる。
ペーシング回路320内のタイミング機能をはじめとす
る様々な機能を制御しているのは、図1のロジック/タ
イミング回路20に含まれているディジタル・コントロー
ラ/タイマ回路330であり、このディジタル・コントロ
ーラ/タイマ回路330には、一群のタイマとそれに付随
したロジック回路とが含まれており、それらはマイクロ
コンピュータ302に接続している。マイクロコンピュー
タ回路302は、ディジタル・コントローラ/タイマ回路3
30の動作機能を制御し、どのタイミング間隔を用いるか
を指定し、様々なタイミング間隔の長さを制御するもの
であり、これらをデータ/制御バス306を介して行う。
マイクロコンピュータ回路302は、マクロプロセッサ304
と、それに付属するシステム・クロック308と、プロセ
ッサ内蔵回路であるRAM回路310及びROM回路312とを含ん
でいる。更にマイクロコンピュータ回路302は、マイク
ロプロセッサとは別体のRAM/ROMチップ314を含んでい
る。マイクロプロセッサ304の動作方式は、割込み駆動
方式としてある。また、このマイクロプロセッサ304
は、普段は低消費電力モードで動作しており、所定の割
込み事象が発生したときに、それに応答して高消費電力
モードへ移行するようにしてある。ここでいう所定の割
込み事象には、A−TRIG信号、V−TRIG信号、ASE信
号、それにVSE信号の発生が含まれる。様々な期間の実
際の長さは、マイクロコンピュータ回路302が、データ
/制御バス306を介して、また、プログラムによって入
力されたパラメータの値及び動作モードに応じて、決定
しまた制御している。
既述の如く、IPGが心拍応答モードにプログラムされ
ている場合には、患者の身体活動レベルが周期的にモニ
タされ、センサ由来決定V−A逸脱期間がそれに応じて
調節される。周期的な割込みが例えば2秒ごとに行わ
れ、それによって、マイクロプロセッサ304が、身体活
動回路(PAS)322の出力を解析し、ペーシング・サイク
ルに用いられている基本V−A逸脱期間を更新するよう
にしてもよい。更に、このマイクロプロセッサ304が、
患者の身体活動に応じて定められるV−A逸脱期間と共
に変動する、可変のA−V期間や同じく可変のARP及びV
RPを定めるようにしてもよい。
従って、ディジタル・コントローラ/タイマ回路330
は、1回のペーシング・サイクルにおける基本的ペーシ
ング期間ないし逸脱期間を定めるものであり、このでい
う1回のペーシング・サイクルとは、1回のA−V期間
と1回のV−A期間とで構成されるものである。更に別
の変更例として、ディジタル・コントローラ/タイマ回
路330が、それらA−V遅延期間を、ASEの検出によって
始まるSAVと、APEの送出によって始まるPAVとして、夫
々定めるようにしてもよい。
ディジタル・コントローラ/タイマ回路330は更に、
先に表1に示した、センス増幅回路360内のASA及びVSA
の動作と出力増幅回路340内のAPG及びVPGの動作とを制
御するための様々な期間の開始と終了とを行う。一般的
には、ディジタル・コントローラ/タイマ回路330は、A
PEパルスの送出に続いて始まる心房ブランキング期間
(この期間中は心房検出がディスエーブルされる)を定
めると共に、房室ペーシング・パルスの送出に続く心室
ブランキング期間(この期間中は心室検出がディスエー
ブルされる)を定める。ディジタル・コントローラ/タ
イマ回路330は更に、ARP(心房不応期)を定め、このAR
Pの期間中は、心房検出がディスエーブルされるか、或
いはASEが検出されてもV−A逸脱期間がリセットされ
なくなる。このARPは、ASEの検出またはA−TRIGの発生
によって始まるSAVまたはPAVのその開始時点から始ま
り、心室脱分極の検出またはVPEパルス送出のトリガが
発生してから所定時間が経過した時点で終了する。ARP
の長さ、PVARPの長さ、それにVRPの長さも、マイクロコ
ンピュータ302に記憶されている設定可能パラメータと
して選定することができる。ディジタル・コントローラ
/タイマ回路330は更に、感度制御回路350を介してセン
ス増幅回路360の感度設定値を制御する。
図7に示したIPGのブロック図は、単に1つの具体例
を示したに過ぎず、また、現在市販されている大部分の
マルチプログラマブル・マイクロプロセッサ制御式のDD
DまたはDDDR心臓ペースメーカの一般的な機能構成に対
応したものである。本発明は、このブロック図に示した
ような種類の装置に適用することによって最も容易に実
施することができると考えられ、従って本発明は、現在
市販されているマイクロプロセッサ制御式の房室形ペー
スメーカを使用することで容易に実施することができ、
その場合に、マイクロコンピュータ回路302のROM312に
格納するソフトウェアを書き替えるだけで、本発明を組
込むことができる。ただし本発明は、完全注文製作の集
積回路によっても有効に実施することができ、例えば、
状態機械として構成された回路とすることもできる。そ
の場合には、状態カウンタが、その状態カウンタによっ
て制御される所定のステップに従って計算を行うよう
に、演算論理回路を制御するようにすればよい。従って
本発明は、図1または図7に示したアーキテクチャを有
するペースメーカに限定されるものではなく、図1また
は図7に示した回路アーキテクチャは、本発明の利点を
得る上での絶対の前提条件ではない。
図8は、図1及び図7に示したペースメーカがDDDRモ
ードで動作するときのペーシング・サイクル全体におけ
るタイミング動作を示した機能フローチャートである。
簡潔にするために、ARP、VRP、PPVARP、ブランキング期
間、それにVPE及びVSEの送出についての準備的動作は省
略し、全体としてのタイミング動作を容易に理解できる
ようにした。図8のフローチャートにおいては、ペース
メーカの基本ペーシング・サイクルは、センサ由来決定
V−A逸脱期間(sensor−derived V−A escape interv
al:SVA)に基づくものと想定しており、また、洞優先ウ
ィンドウ(Sinus Preference Window:SPW)を反映した
ものとしており、それをどのように反映しているかは、
後に図9及び図10のフローチャートを参照して説明す
る。
ブロック400では、最初にASEまたはAPEに応答してV
−A期間がリセットされたならば、現在A−V遅延期間
(AVD)の満了を知るための計時を開始する。このA−
V遅延期間の期間中は、ブロック402でシステムは、現
在A−V遅延期間(PAVまたはSAV)が満了したと判定さ
れるか、或いは、ブロック406で心室検出事象が発生し
たと判定されるかの、いずれかが起こるのを待つ。ブロ
ック406においてVSE(心室検出事象)が発生したと判定
されることなく、A−V遅延期間が満了したならば、そ
のA−V遅延期間の満了の時点でブロック404でVPEを送
出する。VSEが検出された場合も、またVPEを送出した場
合も、いずれも続いてブロック408においてペースメー
カのタイミングをリセットし、V−A逸脱期間を、セン
サ由来決定V−A逸脱期間と延長V−A逸脱期間どのい
ずれか一方に設定する選択を行い、この選択をどのよう
にして行うかについては後に図9及び図10のフローチャ
ートを参照して説明する。続いてブロック410では、そ
の選択したV−A逸脱期間の計時を開始する。
このアルゴリズムでは、続いて、ブロック412でその
V−A逸脱期間の満了を待つ。V−A逸脱期間中にASE
とVSEのいずれも検出されることなしに、ブロック412に
おいてV−A逸脱期間が満了したと判定されたならば、
続いてブロック414でAPEパルスを送出する。続いてブロ
ック416では、次回のA−V遅延期間をPAVに等しく設定
し、ブロック400に戻って再びA−V遅延期間の計時を
開始する。
ブロック418において、VRPの期間の外でVSEが検出さ
れたと判定された場合には、続いてブロック420で、V
−A逸脱期間の計時動作を一旦リセットして、ブロック
412で再びV−A逸脱期間の計時を最初からやり直す。
このような時点で検出されたVSEは、SAV期間及びPAV期
間の更新をトリガするのに有効とはしない。また、ブロ
ック422において、V−A逸脱期間内にASEが検出された
ならば、続いてブロック424において、V−A期間を測
定して格納する。これに関して、もし現在のセンサ由来
決定V−A逸脱期間が、何らかの手順によって、SPW
(洞優先ウィンドウ)の全てまたは一部を包含するよう
に選定された延長V−A逸脱期間となっている場合に
は、測定したその実測V−A期間の方が、センサ由来決
定V−A逸脱期間より長いこともあり得る。以下に述べ
るように、次回のV−A逸脱期間は、ブロック428にお
いて実測V−A期間に基づいて設定され、そのようにし
て設定されたものが、次回のペーシング・サイクルにお
いてブロック408で使用される。ブロック426では次回の
A−V遅延期間をSAVに設定し、ブロック408からブロッ
ク400へ戻って再びA−V遅延期間の計時を開始する。
図8のアルゴリズムに採用している表1のパラメータ
の期間長さ値も、また動作アルゴリズムによって定めら
れるその他の期間長さ値も、ROMとRAMとのいずれかに格
納されており、それらから読み出されて以上に説明した
ように使用される。従って、IPGは、図8に示した一般
的なタイミング・アルゴリズムで動作しているときも、
或いは以下に説明する本発明のSPWアルゴリズムで動作
しているときも、特定の期間長さ値が、それらアルゴリ
ズムにおいて指定されているトリガ信号ないし事象信号
に応答して、指定されたステップにおいて読み出されて
使用される。
洞優先アルゴリズム動作の概要 従来のペースメーカがそうであるように、本発明の洞
優先アルゴリズムを採用したペースメーカでも、DDDRモ
ードの一種であって、洞性レートがセンサ・レートを上
回ったときに、洞性レートに従うものである。ただし、
DDDRモードで動作する従来のペーシング・アルゴリズム
と異なるのは、本発明の洞優先アルゴリズムでは、セン
サ・レートが洞性レートを上回っているときにはセンサ
由来決定逸脱期間の終了の時点でペースメーカにペーシ
ングを行わせるということを必ずしもしないことであ
る。ペースメーカ14は、センサ・レートが洞性レートを
上回っておりしかも両者の差が、プログラム可能(設定
可能)な値である最大レート低減量の値よりも大きい場
合に、センサ・レートまたはセンサ・レートに何らかの
修正を加えたレートでペーシングを行う。それ以外の場
合には、ペースメーカ14は洞性レートに従う。これによ
り、図2〜図6を参照して、また図9及び図10を合わせ
たフローチャートを参照して、本発明の洞優先アルゴリ
ズムについて説明して行く。
洞優先アルゴリズム動作の詳細な説明 図2及び図3は、組み合わさって1枚の図をなすもの
であり、図1、図7、及び図8に示したペースメーカに
適用した本発明の洞優先アルゴリズムの動作の一部を説
明するための、連続する心拍サイクルの一例に関するタ
イミング図である。図2に示したこのタイミング図の始
めの部分では、心房ペーシング事象(APE)が発生(時
点250)してから、ペーシング後房室期間(PAV期間)が
経過した後に、時点252において心室ペーシング事象(V
PE)が発生している。センサ由来決定/生理量依拠決定
室房期間(sensor−derived,physiologic ventricle−t
o−atrium interval:SVA期間)が終了した時点(ここで
は、この時点が同時に心房逸脱期間の終了時点でもあ
る)で、ペースメーカ14の心房パルス発生回路16(図7
の出力増幅回路340)が再び、心房ペーシング刺激信号A
PEを心房へ送出しており(時点254)、これによって、
時点250で始まった1回のペーシング・サイクルが完了
している。支配的期間であるV−A期間が満了する度
に、そのV−A逸脱期間の期間中に心房検出事象(AS
E)が検出された時刻を測定することによって、実測V
−A期間(MVA)を求めるようにしており、これは例え
ば、時点256と時点258との間で見られるとおりである。
PAVが満了した時点256で、ペースメーカ14のVPG18が
心室ペーシング刺激信号VPEを心室へ送出している。図
2の最初の例では、時点258でASEが発生しており、この
時点で、実測V−A期間(図示例では、このときの実測
V−A期間は、センサ由来決定/生理量依拠決定V−A
期間より短くなっている)が測定されると共に、心房事
象検出後房室期間(SAV期間)が始まり、更に、時点260
でVPEが始まっている。
時点258で最初のASEが検出されたため、このアルゴリ
ズムは次回の心房逸脱V−A期間を設定し直す。先ず、
前回の実測V−A期間をセンサ由来決定V−A期間と比
較する。もしセンサ由来決定V−A期間(SVA)の方が
短かったならば(そのようなことがあるのは、前回のV
−A期間がSPW期間だけ延長されていた場合である)、
新たなV−A期間を、センサ由来決定V−A期間に現在
SPW(図示例では、現在SPWは、MaxSPWであるものとして
いる)を加えた長さに設定する。
一方、前回の実測V−A期間(MVA)の方が短かった
場合には(図示例ではそうなっている)、続いてアルゴ
リズムは、前回の実測V−A期間に前回のSPWを加えた
和とセンサ由来決定V−A期間とを比較する。そして、
それら2つのうちの長い方を選択して、時点260から計
時を開始する次回のV−A逸脱期間とする。図示例では
前回のSPWは存在していないため、最初の洞優先ウィン
ドウSPWiの値を、可能なセンサ・レートのうちからプロ
グラム(選定)された最大レート低減量(MaxSPW)に対
応する値として設定する。
本発明の洞優先アルゴリズムは、マイクロコンピュー
タ302及びディジタル・コントローラ/タイマ回路330の
内部で動作するものであり、自発性ASEが発生したなら
ば、まず最初に、センサ・レートから最大レート低減量
を差し引いたレート(MaxSPWとは逆である)でペーシン
グを行うことで、他に発生しているかも知れないASEを
発見するようにし、即ち、センサ・レートに許容可能な
程度に近接して発生する洞結節由来の拍動を探し出そう
と努める。もしそれが発見されたならば、この洞優先ア
ルゴリズムはペースメーカ14にその洞性レートに従った
動作を行わせる。一方、それが発見されなかった場合、
または、図示例のように途絶えてしまった場合(例えば
時点270)には、プログラム可能な個数の回復拍動が繰
り返している間、ペーシング・レートは最大レート低減
量レベルに維持される(図示例では、図6に示したよう
にペーシング・サイクル6回分の間、最大レート低減量
が維持されている)。
図2のタイミング図に示すように、2回目のASEは延
長V−A逸脱期間の満了以前にSPW1の中で検出されてい
る。次回の洞優先ウィンドウSPW2の長さはMaxSPWのまま
であり、一方、次回の延長V−A逸脱期間は既に述べた
ようにセンサ由来決定V−A期間にMaxSPWを加えた値に
選定される。また心房逸脱期間内にはASEが発生してい
ないため、この心房逸脱期間の満了時にAPEが送出さ
れ、それに続いてVPEが送出される。
次に図3について説明する。同図は、最大レート低減
量から徐々にレートが上昇して所定個数の復帰拍動が発
生した後にセンサ由来決定レートへ復帰する場合の洞優
先アルゴリズムの動作を説明するための図である。一連
の復帰拍動の発生終了後に続く心拍サイクルの1サイク
ル毎に、ペーシング・レート(V−A逸脱期間によって
定められたレート)を、プログラム可能な値である「SP
Wレート変化分」だけ上昇させいる。このSPWレート変化
分から、それに対応するΔ値が導かれる。即ち、Δ値は
SPWレート変化分の逆数であり、所望のレート変化分を
得るために必要な期間長さの変化分である。図3の時点
274及び時点278に示すように連続する夫々のSPWからΔ
値を差し引いて行くことで、ペーシング・レートは、SP
Wレート変化分ずつ上昇して行く。即ち、SPW3はSPW2か
らΔ値を差し引いた値に等しく、SPW4はSPW3からΔ値を
差し引いた値に等しい。
図3は更に、SPW4を加算した心房逸脱期間の満了以前
にASEが検出されたために、SPW5の値がMaxSPWに戻され
る場合の状況を示している。図示例では、実測V−A逸
脱期間はセンサ由来決定V−A逸脱期間(即ち生理量依
拠決定V−A逸脱期間)よりも長くなっている。時点28
0と時点284との間にくる次回のペーシング・サイクルの
延長V−A逸脱期間を設定するには、この短い方の(後
者の)値を使用する。従って、もしSPW4の開始後にASE
が検出されていたならば、次回の延長V−A逸脱期間を
設定するために実測V−A逸脱期間の方が使用される。
時点284以後、ASEが検出されなければ、プログラムさ
れた個数の復帰拍動の発生が完了するまでの間は、既に
述べたように最大レート低減量が適用され続ける。V−
A逸脱期間によって決まるペーシング・レートは、ASE
の検出が連続している間は、最大レート低減量の適用を
受け続け、ASEが途切れ途切れに検出される場合には、
最大レート低減量の適用を受けたペーシング・レートと
中間ペーシング・レートとのあいだを行き来し、それ以
外の場合には図6に示すように生理量依拠決定V−A逸
脱期間へ復帰して行く。
次にこの洞優先アルゴリズムの効果を、図4の具体例
に即して説明する。同図は時間に対する心拍数(レー
ト)のグラフであり、P波に基づいた心拍数である洞性
レート(点数)と、センサ・レート(破線)と、A−V
ペーシング・レート(実線)とを示している。洞性レー
トに従うことが適当な心拍数範囲(図中の「洞適当」)
では、センサ・レートが洞性レートを超えた超過分がSP
Wの最大レート低減量(Mximum Rate Drop:MRD)以内に
なっている。センサ・レートに従うことが適当な心拍数
範囲(図中の「洞不適当」)では、センサ・レートが洞
性レートを超えた超過分がSPWの最大レート低減量より
大きくなっている。
図4において、ASEが検出されずMRDを超過することも
なければ、ペーシング・レートは心拍サイクルの1回ご
とに「SPWレート変化分」ずつ上昇し、最終的にはセン
サ由来決定レートに等しくなる。この洞優先アルゴリズ
ムの動作を更に詳しく説明するために、図5に、心電図
(ECG)と、その心電図に対応した連続的にΔ値ずつ短
縮して行くSPWの具体例を示した。ここで、SPWが連続し
て短縮しているのは、ASEが2回検出されたか、或い
は、本発明の更なる特徴の1つでもある複数回の心拍サ
イクルに亘って存在するプログラム可能な長さの洞検査
期間(SCI)が満了したかの、両方があり得る。「洞不
適当」範囲においては、心拍数(レート)が図4及び図
5に示すように、P波によるレートからセンサ由来決定
レートへと滑らかに変化している。
前述の差がSPWの最大レート低減量を超え(これはペ
ースメーカ14がASEを検出することなく心房逸脱期間の
満了時点に到着したことを表す)、且つ、所定個数の復
帰拍動が発生完了したならば、ペースメーカ14はペーシ
ング・レートのインクリメントを開始し、このインクリ
メントによってペーシング・レートはセンサ・レートま
で上昇させられ、そこに達したならば、SCIが満了する
か、或いはASEが検出されるまでの間、ペーシング・レ
ートはセンサ・レートに維持される。ASEが検出された
ならば、それは、洞性レートが、心臓に対する現在の生
理的要求量に適合した適切なレートに復帰したものと考
えられ、ペースメーカは洞性レートに基づいた動作を始
めることができる。
SCIは、その長さがプログラム可能な期間でもあり、
またその回数がプログラム可能なペーシング・サイクル
の回数でもある。医師はSCIを分単位または時間単位で
設定することができる。このSCIは、ペーシングを中止
したら出現する可能性のある潜在的な洞性律動を周期的
に探索する期間である。SPWがリセットされてMaxSPWに
設定されるたびにこのSCIをリセットしてゼロにし、そ
こからカウントを開始する。SCIは、プログラムされた
最大時間または最大サイクル数に達したならば満了す
る。従って、図5には、連続して発生したASEによって
洞優先アルゴリズムが開始されたように図示してある
が、可能性としては、最初の延長V−A期間を生理量依
拠決定V−A期間にMaxSPWを加えた長さに設定している
図示した2回の設定動作のうちの一方または両方が、SC
Iの満了によって開始されたということもあり得る。
次に図9と図10とから成るフローチャートについて説
明する。このフローチャートは、図8のフローチャート
に示した全ての機能を備えた図1及び図7のペースメー
カに組込むことのできる、本発明にかかる洞優先アルゴ
リズムのステップを示したものである。
図9及び図10のフローチャートでは、上で既に意味を
説明した頭字語のうちの幾つかを使用する他に、更にそ
の他の頭字語も使用しており、即ち、SPWのレート変化
分(Rate Change)をRCで表し、復帰拍動個数(Recover
y Beats)をRBで表し、レート上限値に関する追従レー
ト上限値(Upper Tracking Rate)をUTRで表し、A−A
ペーシング・サイクルの全域に亘るセンサ由来決定ペー
シング・レート(sensor−derived pacing rate)をSR
で表し、感応期(Non−Refractory)をNon−Rで表し、
洞優先V−A期間(Sinus Preference V−A interval)
(即ち、延長V−A期間)をSPVAで表し、所与のペーシ
ング・レートにおいて許される漸増レート低減量(incr
emental Rate Drop)をRDで表し、センサ由来決定A−
A期間であるセンサ・レート期間(Sensor Rate Interv
al)をSRIで表している。医師は一般的に、ペースメー
カのタイミングを言い表すのにレート(心拍数)を用い
ており、また、期間の長さの変化をレートの変化に変換
しなければならない箇所もあることから、図9及び図10
のフローチャートに記入してある計算及び期間長さ値の
幾つかは、レートを単位として表したものとなってい
る。具体的には、レートと期間長さとの間の関係として
次のものを使用している。
MaxSPW=((SPVA+PAV)のレート−MRD)の期間長さ−PAV−SPVA、そして、 Δ=目標レートの期間長さ−現在レートの期間長さ 図9及び図10のSPWアルゴリズムは、図8のブロック4
08では、ブロック404のVPEまたはブロック406のVSEと、
ブロック424で得られた実測V−A期間とに応答した動
作を行う。このSPWアルゴリズムは、以下に説明するよ
うに、SCIの満了またはASEの検出をもって起動される。
開始ブロック500に続いて、ブロック502において状態
の初期化を行い、図示の如くSCI、MRD、RC、RB、RD、及
びSPWをリセットする、それらのリセットは、ブロック5
42においてSPWがゼロに設定された場合にもそれに応じ
て行われ、また、ブロック504における条件が満たされ
たときと、ブロック520における条件が満たされたとき
にも、それに応答して行われる。SCIは、秒単位でプロ
グラム(設定)可能であり、図示例では、動作を開始し
たならば秒単位でカウントダウンして行くようにしてあ
る。SCI、MRD、RD、RC、及びRBの各パラメータの値は、
その各パラメータごとに定められている可能値域内で、
医師が個別にプログラムすることのできるものであり、
簡単のためのその値を「X」で表してある。
判定ブロック504では、SCIをモニタすると共に、UTR
と、SR及びMRDとの関係を調べる。SCIがカウントダウン
されてゼロに達しており、且つ、UTRがセンサ由来決定
レート(SR)から最大レート低減量(MRD)を差し引い
たものよりも小さかったならば、ブロック502で出発状
態のリセットを行う。このようにすることによって、UT
Rを上限とするという規定が守られていない場合にはこ
のアルゴリズムが決して実行されないようにしている。
一方、ブロック504の条件に該当していなければ、続い
てこのアルゴリズムは、SVAの期間中に感応期ASE(Non
−R・ASE)が検出されるのを待つ。Non−R・ASEが検
出されるまでは、SCIカウンタ/タイマの状態をモニタ
し続ける。SCIが期間満了するか、或いはNon−R・ASE
が検出されるかのいずれかが起こったならば、図4に示
しブロック508に記入してある「洞適合」条件の下で、S
PVAの変更を開始する。
先ず、ブロック508において、SCIが期間満了し、しか
も、UTRがSRからMRDを引いた差と等しいかそれより大き
いと判定された場合には、ブロック510において、SPVA
をSVAに設定し、現在レートをSRに設定し、先に示した
数式に従ってMaxSPWを算出する。続いてブロック512に
おいて、目標レートを、現在レートからレート低減量
(RD)を減じた値として算出し、Δ値を上の式に従って
算出する。
ブロック514において(或いは、UTRが(SR−MRD)よ
り大きい場合であれば、ブロック506において)次のNon
−R・ASEが検出されたならば、続いてブロック516にお
いて、MVAの値(これは図4のブロック424で算出された
値である)をSVAと比較した上で、両者のうちの小さい
方の値をもってSPVAの値とする。続いてブロック518に
おいて、上に示した数式に従って、MaxSPWの値を算出す
る。続いてブロック520において、SPVAとMaxSPWとPAVと
の3つをを合計した値が、SRIの値より小さいと判定さ
れたならば、これは、洞性レートがセンサ・レートを上
回っており、しかも両者の差がMRDを超えていることを
表しており、この場合にはブロック502へ戻り、出発値
をリセットして、プログラムされた値「X」に戻す。
一方、洞性レートが、センサ・レートを超えていない
か、たとえセンサ・レート以上であっても両者の差がMR
D以下であった場合には、続いてブロック522において、
SPWの値を、MaxSPWの値に設定する。また、現在ペーシ
ング・レートの値を、PAV期間と、SPVA期間と、SPW期間
とを加えた合計長さの逆数に相当するレートの値に設定
する。この後、アルゴリズムは図10へ進む。
図10において、ブロック530ではセンス増幅回路をモ
ニタする。そして、Non−R・ASEが検出されたならば、
ブロック516〜522を再び実行して次回のペーシング・サ
イクルのSPVAを算出し直す。一方、検出されたものがNo
n−R・VSEであったならば、ブロック532においてRBカ
ウント値をデクリメントする。続いてブロック534にお
いて、RBカウント値がデクリメントされた結果、ゼロに
なったか否かを判定し、そうであれば、ブロック536に
おいて、次回のペーシング・サイクルの目標レートを、
現在レートにRDを加えた値に設定すると共に、Δ値を算
出する。続いてブロック538において、心房の脱分極が
検出されたならば、この場合もブロック516〜522を再び
実行してSPVAを計算し直す。
一方ブロック538において、Non−R・VSEが検出され
るか或いはVPEが発生したならば、続いてブロック540に
おいて、SPWを再びΔ値の分だけインクリメントした上
で、現在レートの値を、PAV期間と、SVA期間と、SPW期
間とを加えた合計長さの逆数に相当するレートの値に設
定して、それを次回のペーシング・サイクルにおいて用
いるようにする。以上の動作は、SPWがゼロより大きい
間、繰り返して行われる。SPWがゼロになったならば、
ブロック502においてこのアルゴリズムはリセットさ
れ、プログラム(設定)された初期の動作条件に復帰す
る。そして、SCIが満了するか、或いは感応期ASEが検出
されるまで、センサ由来決定ペーシング・パルスでのペ
ーシングが続けられる。
以上の開示に基づいて本発明を様々に異なった形態で
実施することができる。以上の説明では、マイクロプロ
セッサを用いたアーキテクチャとした場合について本発
明を述べたが、容易に理解されるように、本発明はその
他の方式で実施することも可能であり、例えばディジタ
ル・ロジック回路を形成したカスタム集積回路(IC)に
よるアーキテクチャとすいることが好都合な場合には、
そのようにすればよい。また例えば、本発明は、特定の
ペーシング・モードに限定されるものではなく、例えば
DDDR、AAIR、VVIR、DDIR等の、様々な従来の動作モード
において機能し得るものである。また例えば、自発性脱
分極の検出または周期的に実行される検査期間の満了に
応答して、センサ由来決定逸脱期間より長い延長逸脱期
間を設定し、続いて、その延長逸脱期間を徐々に短縮し
て行き、最終的にはセンサ由来決定逸脱期間に復帰する
という特有の動作モードは、心房または心室の一方のみ
に対して動作する心拍応答ペースメーカに組込むことも
できれば、それら両方に対して動作する房室形の心拍応
答ペースメーカにも組込むことができる。更にまた、本
発明は、房室形ペースメーカ、除細動装置(カルジオバ
ータ)、除細動器(デフィブリレータ)、等々に組み込
めるものであることも理解されたい。ただし、それら別
実施形態ないし変更実施形態は全て、本願の請求の範囲
に記載した発明の範囲に包含されるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/368

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペーシング用及び検出用の心房電極及び心
    室電極に接続するように構成した房室形心拍応答ペース
    メーカのパルス発生装置であって、自発性心房脱分極を
    心房検出事象として検出する心房センス増幅回路及び自
    発性心室脱分極を心室検出事象として検出する心室セン
    ス増幅回路と、患者の自発性心房脱分極レートと患者の
    心拍出量に関する生理的要求量とに応じて患者の心房へ
    心房ペーシング・パルスを供給する心房パルス発生回路
    及び患者の心室へ心室ペーシング・パルスを供給する心
    室パルス発生回路とを備えており、更に、 患者の身体活動のレベルを検出し、それに基づいて患者
    身体活動センサ信号を送出する検出手段と、 前記患者身体活動センサ信号に応答して、患者の身体活
    動に関連したセンサ由来決定心室心房(V−A)逸脱期
    間の長さを設定する、V−A逸脱期間長さ設定手段と、 心房心室(A−V)遅延期間を設定して、直前の心房検
    出事象または心房ペーシング・パルスの発生から前記心
    室パルス発生回路による心室ペーシング・パルスの送出
    までの時間長さを定め、1回のV−A逸脱期間が経過し
    続いて1回のA−V遅延期間が経過することで1回のペ
    ーシング・サイクルが構成されることにより、房室ペー
    シング・レートが患者の身体活動に関連して決定される
    ようにするA−V遅延期間設定手段と、 前記A−V遅延期間内に心室検出事象が検出されたと
    き、または前記A−V遅延期間の満了時に心室ペーシン
    グ・パルスが送出されたときに、前記センサ由来決定V
    −A逸脱期間の計時を開始する手段と、 前記センサ由来決定V−A逸脱期間内に心房脱分極が発
    生した場合に、その発生を検出してそれが心房検出事象
    であることを確認する手段と、 V−A逸脱期間内に心房検出事象が発生しなかった場合
    に、そのV−A逸脱期間の満了時に前記心房パルス発生
    回路を動作させて心房ペーシング・パルスを送出させる
    手段と、 V−A逸脱期間内に心房検出事象が検出された場合に洞
    優先タイム・ウィンドウの長さを設定する洞優先ウィン
    ドウ手段と、 少なくとも1つの後続のペーシング・サイクルのV−A
    逸脱期間を延長して、前記センサ由来決定V−A逸脱期
    間に前記洞優先タイム・ウィンドウを付加した長さの延
    長V−A逸脱期間とし、その延長V−A逸脱期間内に心
    房洞性脱分極が発生した場合に同期心室ペーシングが行
    われるようにする、V−A逸脱期間延長手段と、 後続のペーシング・サイクルの延長V−A逸脱期間内に
    心房洞性脱分極が発生しなかった場合に前記洞優先タイ
    ム・ウィンドウの長さに調節を加える手段とを備えたパ
    ルス発生装置において、 前記V−A逸脱期間延長手段は、延長V−A逸脱期間の
    短縮を行った後のペーシング・サイクルにおいて心房検
    出事象が発生した場合に、そのペーシング・サイクルに
    続く次のペーシング・サイクルの延長V−A逸脱期間に
    おける洞優先タイム・ウィンドウを最大長さのタイム・
    ウィンドウに戻すように動作するものである、 ことを特徴とするパルス発生装置。
  2. 【請求項2】更にデクリメント手段を備え、該デクリメ
    ント手段が、 各々が延長V−A逸脱期間を有する連続する複数のペー
    シング・サイクルのカウントを行うカウント手段と、 前記カウント手段によってカウントされた所定個数のペ
    ーシング・サイクルの延長V−A逸脱期間のいずれにお
    いても心房検出事象が発生しなかった場合に、前記洞優
    先タイム・ウィンドウを短縮することで次回のペーシン
    グ・サイクルの延長V−A逸脱期間を短縮するように動
    作するリセット手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載のパルス発生装
    置。
  3. 【請求項3】前記リセット手段は、延長V−A逸脱期間
    が短縮された最初のペーシング・サイクルに続く複数の
    ペーシング・サイクルにおいて心房検出事象が発生しな
    い状態が継続した場合に、洞優先タイム・ウィンドウを
    連続して次々と短縮して行き、最終的にゼロにまで短縮
    するように動作するものであること特徴とする請求項2
    記載のパルス発生装置。
  4. 【請求項4】心房検出事象が発生しない連続する複数の
    ペーシング・サイクルに亘って計時を行う計時手段と、 前記計時手段による計測時間が所定時間に達したときに
    前記V−A逸脱期間延長手段を動作させて、前記洞優先
    タイム・ウィンドウ内に心房検出事象が発生することに
    よって存在が証明される洞性心房レートを検出するため
    の洞検査期間として前記延長V−A逸脱期間を発生させ
    る手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    1項記載のパルス発生装置。
  5. 【請求項5】心房検出事象が発生しない連続する複数の
    ペーシング・サイクルに亘って計時を行う計時手段と、 前記計時手段による計測時間が所定時間に達したときに
    前記V−A逸脱期間延長手段を動作させて、前記洞優先
    タイム・ウィンドウ内に心房検出事象が発生することに
    よって存在が証明される洞性心房レートを検出するため
    の洞検査期間として前記延長V−A逸脱期間を発生させ
    る手段と、 前記洞検査期間内に、直前の心室検出事象または心室ペ
    ーシング事象の発生から心房検出事象の発生までの時間
    を計時して実測V−A逸脱期間を求める手段と、 前記実測V−A逸脱期間と前記センサ由来決定V−A逸
    脱期間とを比較して、前記実測V−A逸脱期間と前記セ
    ンサ由来決定V−A逸脱期間とのいずれか大きい方のV
    −A逸脱期間を、次回のペーシング・サイクルのV−A
    逸脱期間として選択する手段とを更に備えており、 前記V−A逸脱期間延長手段は、選択された大きい方の
    V−A逸脱期間に前記洞優先タイム・ウィンドウを加え
    た和をもって後続のペーシング・サイクルの延長V−A
    逸脱期間とするように動作するものである、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のパ
    ルス発生装置。
  6. 【請求項6】前記V−A逸脱期間が最大長さに戻された
    ならば、その最大長さのV−A逸脱期間が数回の心拍サ
    イクルに亘って維持されるようにしたことを特徴とする
    請求項1乃至5の何れか1項記載のパルス発生装置。
JP8516968A 1994-11-22 1995-11-13 心臓ペースメーカのための洞優先の方法及び装置 Expired - Lifetime JP2821028B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/343,166 1994-11-22
US343,166 1994-11-22
US08/343,166 US5522859A (en) 1993-09-29 1994-11-22 Sinus preference method and apparatus for cardiac pacemakers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09512738A JPH09512738A (ja) 1997-12-22
JP2821028B2 true JP2821028B2 (ja) 1998-11-05

Family

ID=23344978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8516968A Expired - Lifetime JP2821028B2 (ja) 1994-11-22 1995-11-13 心臓ペースメーカのための洞優先の方法及び装置

Country Status (7)

Country Link
US (2) US5522859A (ja)
EP (1) EP0796129B1 (ja)
JP (1) JP2821028B2 (ja)
AU (1) AU4161696A (ja)
CA (1) CA2204363C (ja)
DE (1) DE69530513T2 (ja)
WO (1) WO1996015828A1 (ja)

Families Citing this family (57)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5782886A (en) * 1997-02-28 1998-07-21 Vitatron Medical, B.V. Pacemaker with improved hysteresis
DE19859651A1 (de) * 1998-12-15 2000-06-21 Biotronik Mess & Therapieg Zweikammer-Herzschrittmacher
WO2000038782A1 (en) 1998-12-28 2000-07-06 Medtronic, Inc. Regularization of ventricular rate during atrial tachyarrhythmia
US7203535B1 (en) 1999-04-01 2007-04-10 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for classifying tachycardia arrhythmias having 1:1 atrial-to-ventricular rhythms
US7181278B2 (en) 1999-05-21 2007-02-20 Cardiac Pacemakers, Inc. Apparatus and method for ventricular rate regularization
US7062325B1 (en) 1999-05-21 2006-06-13 Cardiac Pacemakers Inc Method and apparatus for treating irregular ventricular contractions such as during atrial arrhythmia
US7142918B2 (en) * 2000-12-26 2006-11-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Apparatus and method for pacing mode switching during atrial tachyarrhythmias
US6501988B2 (en) 2000-12-26 2002-12-31 Cardiac Pacemakers Inc. Apparatus and method for ventricular rate regularization with biventricular sensing
US6285907B1 (en) 1999-05-21 2001-09-04 Cardiac Pacemakers, Inc. System providing ventricular pacing and biventricular coordination
US6430438B1 (en) 1999-05-21 2002-08-06 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management system with atrial shock timing optimization
US7212860B2 (en) 1999-05-21 2007-05-01 Cardiac Pacemakers, Inc. Apparatus and method for pacing mode switching during atrial tachyarrhythmias
US8064997B2 (en) 1999-05-21 2011-11-22 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for treating irregular ventricular contractions such as during atrial arrhythmia
US6351669B1 (en) 1999-05-21 2002-02-26 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management system promoting atrial pacing
US6442429B1 (en) 1999-06-18 2002-08-27 Medtronic, Inc. Method and apparatus for diagnosis and treatment of arrhythmias
US6282447B1 (en) * 1999-08-19 2001-08-28 Intermedics Inc. Cardiac stimulator with rate-adaptive PVARP
US6379300B1 (en) 1999-10-08 2002-04-30 Medtronic, Inc. Telemtry system for implantable medical devices
US7239914B2 (en) 2000-05-13 2007-07-03 Cardiac Pacemakers, Inc. Rate smoothing control
US6501987B1 (en) 2000-05-26 2002-12-31 Cardiac Pacemakers, Inc. Rate smoothing control
US7039461B1 (en) 2000-05-13 2006-05-02 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac pacing system for prevention of ventricular fibrillation and ventricular tachycardia episode
US8512220B2 (en) 2000-05-26 2013-08-20 Cardiac Pacemakers, Inc. Rate smoothing control
US6424865B1 (en) 2000-07-13 2002-07-23 Cardiac Pacemakers, Inc. Ventricular conduction delay trending system and method
US6519495B1 (en) * 2000-08-15 2003-02-11 Cardiac Pacemakers, Inc. Rate-adaptive therapy with sensor cross-checking
US6823214B1 (en) 2000-09-08 2004-11-23 Cardiac Pacemakers, Inc. Self-calibrating rate-adaptive pacemaker
US6512951B1 (en) 2000-09-14 2003-01-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Delivery of atrial defibrillation shock based on estimated QT interval
US6829504B1 (en) * 2000-09-14 2004-12-07 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for preventing recurrence of atrial tachyarrhythmia
US7245966B2 (en) 2000-12-21 2007-07-17 Medtronic, Inc. Ventricular event filtering for an implantable medical device
US9931509B2 (en) 2000-12-21 2018-04-03 Medtronic, Inc. Fully inhibited dual chamber pacing mode
US7738955B2 (en) * 2000-12-21 2010-06-15 Medtronic, Inc. System and method for ventricular pacing with AV interval modulation
US6795734B2 (en) * 2000-12-26 2004-09-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for display of ventricular electrograms
US6957100B2 (en) 2000-12-26 2005-10-18 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and system for display of cardiac event intervals in a resynchronization pacemaker
US20020087198A1 (en) 2000-12-29 2002-07-04 Kramer Andrew P. Apparatus and method for ventricular rate regularization
US6904316B2 (en) * 2001-11-06 2005-06-07 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management system with maximum tracking rate (MTR) hysteresis
EP1566199B1 (en) * 2004-02-23 2014-03-19 Biotronik CRM Patent AG Adaptive ventricular rate smoothing during atrial fibrillation
US7248924B2 (en) * 2004-10-25 2007-07-24 Medtronic, Inc. Self limited rate response
US7593773B2 (en) * 2005-01-21 2009-09-22 Medtronic, Inc. Implantable medical device with ventricular pacing protocol including progressive conduction search
US7542799B2 (en) * 2005-01-21 2009-06-02 Medtronic, Inc. Implantable medical device with ventricular pacing protocol
US7925344B2 (en) * 2006-01-20 2011-04-12 Medtronic, Inc. System and method of using AV conduction timing
US8046063B2 (en) * 2006-02-28 2011-10-25 Medtronic, Inc. Implantable medical device with adaptive operation
US7894898B2 (en) * 2006-06-15 2011-02-22 Medtronic, Inc. System and method for ventricular interval smoothing following a premature ventricular contraction
US7565196B2 (en) * 2006-06-15 2009-07-21 Medtronic, Inc. System and method for promoting intrinsic conduction through atrial timing
US7869872B2 (en) * 2006-06-15 2011-01-11 Medtronic, Inc. System and method for determining intrinsic AV interval timing
US7783350B2 (en) * 2006-06-15 2010-08-24 Medtronic, Inc. System and method for promoting intrinsic conduction through atrial timing modification and calculation of timing parameters
US7856269B2 (en) 2006-07-31 2010-12-21 Medtronic, Inc. System and method for determining phsyiologic events during pacing mode operation
US7720537B2 (en) 2006-07-31 2010-05-18 Medtronic, Inc. System and method for providing improved atrial pacing based on physiological need
US7689281B2 (en) 2006-07-31 2010-03-30 Medtronic, Inc. Pacing mode event classification with increased ventricular sensing
US7502646B2 (en) * 2006-07-31 2009-03-10 Medtronic, Inc. Pacing mode event classification with rate smoothing and increased ventricular sensing
US7515958B2 (en) 2006-07-31 2009-04-07 Medtronic, Inc. System and method for altering pacing modality
US7502647B2 (en) 2006-07-31 2009-03-10 Medtronic, Inc. Rate smoothing pacing modality with increased ventricular sensing
US7715914B2 (en) * 2006-07-31 2010-05-11 Medtronic, Inc. System and method for improving ventricular sensing
US7986993B1 (en) 2007-06-27 2011-07-26 Pacesetter, Inc. Implantable cardiac device providing AV interval hysteresis to promote intrinsic conduction while providing PMT avoidance and method
US8086308B2 (en) * 2007-06-27 2011-12-27 Pacesetter, Inc. Implantable medical device for identifying and managing intrinsic reentrant tachycardia
EP2231004B1 (en) 2007-12-13 2018-01-03 Cardiac Pacemakers, Inc. Supraventricular tachy sensing vector
US8244354B2 (en) * 2009-02-27 2012-08-14 Medtronic, Inc. System and method for conditional biventricular pacing
US8229558B2 (en) * 2009-02-27 2012-07-24 Medtronic, Inc. System and method for conditional biventricular pacing
US8396553B2 (en) 2009-02-27 2013-03-12 Medtronic, Inc. System and method for conditional biventricular pacing
US8478407B2 (en) 2011-07-28 2013-07-02 Medtronic, Inc. Methods for promoting intrinsic activation in single chamber implantable cardiac pacing systems
US8543204B2 (en) 2011-12-22 2013-09-24 Medtronic, Inc. Timing pacing pulses in single chamber implantable cardiac pacemaker systems

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3857399A (en) * 1970-03-24 1974-12-31 F Zacouto Heart pacer
US3921642A (en) * 1974-07-01 1975-11-25 Thomas A Preston Automatic rate adjustment pacer with natural rate searching means and method of operation
US4312355A (en) * 1977-01-12 1982-01-26 Medtronic B.V. Heart pacemaker
US4257423A (en) * 1978-11-06 1981-03-24 Medtronic, Inc. Medical device
US4556063A (en) * 1980-10-07 1985-12-03 Medtronic, Inc. Telemetry system for a medical device
US4374382A (en) * 1981-01-16 1983-02-15 Medtronic, Inc. Marker channel telemetry system for a medical device
US4428378A (en) * 1981-11-19 1984-01-31 Medtronic, Inc. Rate adaptive pacer
US4856523A (en) * 1987-10-08 1989-08-15 Siemens-Pacesetter, Inc. Rate-responsive pacemaker with automatic mode switching and/or variable hysteresis rate
US4951667A (en) * 1987-11-25 1990-08-28 Medtronic, Inc. Dual chamber activity responsive pacer
DE58907517D1 (de) * 1989-02-10 1994-05-26 Siemens Ag Implantierbarer Herzschrittmacher und Verfahren zum Betreiben eines Herzschrittmachers mit auf einen Maximalwert begrenzter Folgefrequenz der Stimulationen von Herzmuskelkontraktionen.
US5127404A (en) * 1990-01-22 1992-07-07 Medtronic, Inc. Telemetry format for implanted medical device
US5085215A (en) * 1990-03-20 1992-02-04 Telectronics Pacing Systems, Inc. Metabolic demand driven rate-responsive pacemaker
US5154170A (en) * 1990-08-14 1992-10-13 Medtronic, Inc. Optimization for rate responsive cardiac pacemaker
US5144949A (en) * 1991-03-15 1992-09-08 Medtronic, Inc. Dual chamber rate responsive pacemaker with automatic mode switching
FR2682878B1 (fr) * 1991-10-25 1993-12-10 Ela Medical Procede de reglage automatique de l'hysteresis dans un stimulateur cardiaque.
US5247930A (en) * 1992-02-04 1993-09-28 Vitatron Medical, B.V. Dual chamber pacing system with dynamic physiological tracking and method of timing delivered stimulus for optimized synchronous pacing
US5284491A (en) * 1992-02-27 1994-02-08 Medtronic, Inc. Cardiac pacemaker with hysteresis behavior
US5237992A (en) * 1992-03-05 1993-08-24 Siemens Pacesetter, Inc. Implantable pacemaker providing hysteresis in dual-chamber modes
US5282838A (en) * 1992-06-08 1994-02-01 Cardiac Pacemakers, Inc. Dual chamber cardiac pacemaker employing hysteresis to maximize the number of normally conducted ventricular beats with an optimum A-V delay for paced ventricular beats
US5312452A (en) * 1992-11-03 1994-05-17 Cardiac Pacemakers, Inc. Cardiac rhythm management device with automatic optimization of performance related pacing parameters
US5374281A (en) * 1993-02-09 1994-12-20 Siemens Pacesetter, Inc. Hysteresis in a rate-responsive pacemaker
WO1995009661A2 (en) * 1993-09-29 1995-04-13 Medtronic, Inc. Sinus preference method and apparatus for cardiac pacemakers

Also Published As

Publication number Publication date
US5674257A (en) 1997-10-07
CA2204363A1 (en) 1996-05-30
AU4161696A (en) 1996-06-17
DE69530513D1 (de) 2003-05-28
US5522859A (en) 1996-06-04
JPH09512738A (ja) 1997-12-22
WO1996015828A1 (en) 1996-05-30
CA2204363C (en) 2003-12-23
EP0796129B1 (en) 2003-04-23
DE69530513T2 (de) 2003-11-13
EP0796129A1 (en) 1997-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2821028B2 (ja) 心臓ペースメーカのための洞優先の方法及び装置
US6507756B1 (en) Dual chamber pacing system having time-adaptive AV delay
US5741308A (en) Dual-chamber implantable pacemaker and method of operating same for automatically setting the pacemaker's AV interval as a function of a natural measured conduction time
US6668194B2 (en) Method and apparatus for monitoring conduction times in a bi-chamber pacing system
US6122546A (en) Pacemaker and method of operating same that provides functional atrial cardiac pacing with ventricular support
US7783355B2 (en) Dynamic adjustment of capture management “safety margin”
US5237992A (en) Implantable pacemaker providing hysteresis in dual-chamber modes
EP0681851A2 (en) Forced atrioventricular synchrony dual chamber pacemaker
US8929983B2 (en) Reverse hysteresis and mode switching for intermittent pacing therapy
JPH08294538A (ja) 植え込み可能なペースメーカ
JPH05192416A (ja) デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法
US8401642B2 (en) Pressure-driven intermittent pacing therapy
US8805497B2 (en) Titrated intermittent pacing therapy
JPH06197993A (ja) デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法
US6311088B1 (en) Dual-chamber pacemaker with optimized PVARP following event that may disrupt AV synchrony
US5374281A (en) Hysteresis in a rate-responsive pacemaker
US20220257954A1 (en) Delivery of cardiac pacing therapy for cardiac remodeling
US20190381323A1 (en) Delivery of cardiac pacing therapy for cardiac remodeling
JPH06205846A (ja) デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法
CN108697896B (zh) 动态夺获管理安全裕度
JPH02241466A (ja) 心臓ペースメーカ並びに心臓刺激方法