JPH06197993A - デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法 - Google Patents

デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法

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JPH06197993A
JPH06197993A JP5314297A JP31429793A JPH06197993A JP H06197993 A JPH06197993 A JP H06197993A JP 5314297 A JP5314297 A JP 5314297A JP 31429793 A JP31429793 A JP 31429793A JP H06197993 A JPH06197993 A JP H06197993A
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atrial
pacemaker
pvarp
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JP5314297A
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James L Duncan
エル ダンカン ジエームス
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Siemens AG
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    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
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    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
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    • A61N1/3621Heart stimulators for treating or preventing abnormally high heart rate
    • A61N1/3622Heart stimulators for treating or preventing abnormally high heart rate comprising two or more electrodes co-operating with different heart regions

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 心房不応周期の間に心房活動を検出するため
の手段を含んでいるデュアルチャンバペースメーカのセ
ンサ駆動作動中の心房競合の問題を回避する。 【構成】 (1)心房不応周期の相対的不応部分の間の
すべての心房活動の検出時に心房競合防止(ACP)間
隔を発生し、またこのようなACP間隔の継続時間にわ
たりすべての心房刺激パルスの発生を防止し、もしくは
(2)ペースメーカのセンサ駆動レートが、心房刺激パ
ルスを短縮されない心房不応周期の終端の近くにおくか
もしれないレートに近接し始める場合に心房不応周期を
短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般的に、プログラム可
能で植え込み可能なペースメーカに関し、一層詳細に
は、センサ駆動モード、すなわちペースメーカが需要に
応じて与えるべきレートの指示を生理学的センサが与え
るモードで作動するべくプログラムされている植え込み
可能なデュアルチャンバペースメーカにおいて心房競合
を防止するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明およびそこに使用される用語の一
層良好な理解に資するため、最初に心臓生理学およびペ
ースメーカテクノロジーの短い展望を行う。
【0003】心臓は身体を通じて血液を送るポンプであ
る。それは4つのチャンバ、すなわち2つの心房および
2つの心室から成っている。ポンプとしてのその機能を
効率的に行うために、心房筋肉および心室筋肉は適切な
順序およびタイミング関係で収縮しなければならない。
【0004】心臓の1つの“拍動”に対応する所与の心
臓サイクルで2つの心房が収縮して、そのなかの血液を
心室のなかへ送り込む。短い時間の後に、2つの心室が
収縮して、そのなかの血液を肺臓(右心室)へ、または
身体を通じて(左心室)送り込む。そうしている間に、
身体から戻る血液が右心房を充満し、また肺臓から戻る
血液が左心房を充満して、次回のサイクルの開始を待
つ。典型的な健康な成人の心臓は休息中は60〜79拍
毎分(bpm)で拍動し得るし、また成人が厳しい身体
運動をしている時または他の生理的ストレスを受けてい
る時にはそのレートを140〜180bpmに増し得
る。
【0005】健康な心臓はその固有のリズムを、右心房
の上部に位置しているその洞‐心房(S‐A)結節から
自然に制御する。S‐A結節は一般に“洞”レートと呼
ばれるレートで電気的パルスを発生する。このパルス
は、心房が収縮すべき時に、心房組織に供給され、ま
た、120〜180ミリ秒のオーダーの適当な遅延の後
に、心室が収縮すべき時に、心室組織に供給される。
【0006】心房が収縮する時、P波と呼ばれる検出可
能な電気的信号が発生される。心室が収縮する時、R波
と呼ばれる検出可能な電気的信号が発生される。原理的
に心室筋肉組織は心房筋肉組織よりもはるかに大きな塊
であるので、R波はP波よりもはるかに大きい。心房筋
肉組織はそれぞれの心房からその対応する心室へ非常に
短い距離だけ血液を動かすのに十分な収縮をする必要し
かない。他方において、心室筋肉組織は長い距離にわた
り、たとえば全身の全循環系を通じて血液を押すのに十
分な収縮をしなければならない。
【0007】Q波(R波の直前に先行する)、S波(R
波の直後に続く)およびT波(心室筋肉組織の再分極を
表す)のような他の電気的信号も心臓サイクルのなかで
検出可能である。
【0008】ペースメーカは、心臓がその固有の拍動が
不可能な場合、たとえばS‐A結節が適切な洞レートで
その固有の自然の刺激パルス発生に失敗する場合、もし
くはこのような自然の刺激パルスが適切な心臓組織に供
給されない場合に、心臓の適切なチャンバ(心房または
心室)に電気的刺激パルスを与える医学装置である。大
抵の最近のペースメーカはこの機能を“デマンド”モー
ドで作動することによりなし遂げる。その場合、ペース
メーカからの刺激パルスは、心臓が固有の拍動をしない
ことがP波またはR波の生起に関して心臓の適切なチャ
ンバのモニタリングにより検出される時にのみ、心臓に
与えられる。もしP波またはR波が予め定められた時間
周期(しばしば“エスケープ間隔”と呼ばれる)のなか
で検出されないならば、刺激パルスがこの予め定められ
た時間周期の終了時に発生され、またペースメーカリー
ドを介して適切な心臓チャンバに供給される。
【0009】心臓生理学およびペースメーカにより制御
またはモニタされる心臓の作動についての一層詳細な説
明はたとえば米国特許第 4,712,555号、第 4,788,980号
および(または)第 4,944,298号明細書に見い出され
る。これらの特許の内容を参照によりここに組み入れる
ものとする。
【0010】ペースメーカは典型的に患者内に植え込み
可能かつプログラム可能であり、それらの作動が患者の
外部から選択的に制御されることを許す。最近の能動化
ペースメーカには一般に2つの形式がある:(1)シン
グルチャンバペースメーカ、および(2)デュアルチャ
ンバペースメーカ。本発明はデュアルチャンバペースメ
ーカに関し、一層詳細には、レート応答モードで作動す
るデュアルチャンバペースメーカに関する。
【0011】シングルチャンバペースメーカでは、ペー
スメーカは心臓の単一のチャンバ、たとえば右心室また
は右心房に刺激パルスを与え、かつ(または)そのなか
の心臓活動を検出する。デュアルチャンバペースメーカ
では、ペースメーカは心臓の2つのチャンバ、たとえば
右心室および右心房の双方に刺激パルスを与え、かつ
(または)それらのなかの心臓活動を検出する。典型的
に、右心房および(または)右心室のみがペースメーカ
に結合されている。その理由は、整調リードがこれらの
チャンバのいずれかに静脈を横断して比較的容易に挿入
され得ることである。しかし、左心房および左心室も、
もし適当な電気的接触がそれらのなかになされるなら
ば、同様に有効に整調され得る。
【0012】一般に、シングルチャンバペースメーカも
デュアルチャンバペースメーカも3つまたは4つの文字
コードにより分類される。このコードのなかで、最初の
文字は整調される心臓のチャンバ(すなわち刺激パルス
が供給されるチャンバ)を識別し、“V”は心室を、
“A”は心房を、また“D”は心房および心室の双方を
示す。コードの第2の文字は心臓活動が検出されるチャ
ンバを識別し、心房または心室または双方を識別するの
に同一の文字を使用しており、また“0”は検出が行わ
れないことを示す。
【0013】コードの第3の文字はペースメーカにより
行われる作用または応答を識別する。一般に3つの形式
の作用または応答が認められている:(1)一組の時間
周期の後に、その時間中に心臓活動が検出されないかぎ
り、刺激パルスが指定されたチャンバに供給される禁止
(“I”)応答;(2)検出された事象の後に予め定め
られた周期にわたり刺激パルスが心臓の予め定められた
チャンバに供給されるトリガ(“T”)応答;(3)禁
止モードおよびトリガモードの双方が喚起される、すな
わち心臓の一方のチャンバでは禁止し、他方のチャンバ
ではトリガするデュアル(“D”)応答。
【0014】第4の文字は、それが使用される時には、
ペースメーカがセンサ駆動モードで、たとえば生理学的
センサがペースメーカが整調すべきレートの指示を与え
るのに使用されるモードで作動していることを示す。こ
のようなレートはしばしばセンサ指示レート(SIR)
と呼ばれる。文字“R”はこのようなセンサ駆動モード
の使用を示すのに第4の文字に対してしばしば使用され
る。
【0015】こうして、たとえば、DVIペースメーカ
は、心臓の両チャンバのなかで整調し、しかし心室のな
かでのみ検出し、また先の心室活動が検出される時に刺
激パルスを禁止することにより作動するペーサである
(注:本明細書を通じて用語“ペースメーカ”および
“ペーサ”は交換可能に使用されている)。それは2つ
のチャンバのなかで整調するので、それはデュアルチャ
ンバペースメーカとみなされる。他方において、VVI
ペーサは、心室のなかでのみ整調し、また心室のなかで
のみ検出するペーサである。VVIRペーサは、適切な
生理学的センサにより決定されたレートで心室のなかで
のみ整調し、また心室のなかでのみ検出するペーサであ
る。ただ1つのチャンバが含まれているので、VVIま
たはVVIRペーサはシングルチャンバペースメーカと
して分類されている。
【0016】たいていのデュアルチャンバペースメーカ
はシングルチャンバモードを含めて任意の所望のモード
で作動するようにプログラムされ得る。従って、たとえ
ば、デュアルチャンバペースメーカはDDDモード、す
なわちペースメーカが心房および心室の双方のなかで整
調かつ検出するモードで作動するようにプログラムされ
得る。もしデュアルチャンバペースメーカが生理学的セ
ンサを含んでいるならば、デュアルチャンバペースメー
カはDDDRモード、すなわちペースメーカが生理学的
センサにより決定されたレートで需要に応じて(たとえ
ばそれぞれのチャンバのなかの自然の心房または心室活
動の不存在が両チャンバのなかでの検出により決定され
た時にのみ)心臓の両チャンバに刺激パルスを与えるモ
ードで作動するようにプログラムされ得る。本発明は主
としてDDDRモードで作動するデュアルチャンバペー
スメーと結び付けられている問題を指向している。
【0017】DDDモードでのペーサの作動に起因する
1つの可能な効果は心房レートに基づく整調である。心
房レートに基づくペースメーカでは、ペースメーカのレ
ートは心臓のS‐A結節によりセットされ、また心室は
検出された心房レートに続くレートで整調される。S‐
A結節によりセットされるレートは、少なくとも正しく
機能しているS‐A結節を有する心臓に対して、身体の
生理学的需要を満足するために拍動すべきレートを表す
ので、このようなペースメーカにより心室内に維持され
るレートは真に生理学的である。示されるように、DD
Dモードで作動するようにプログラムされたデュアルチ
ャンバペースメーカはこのような生理学的整調を行う。
すなわち、特にA‐V閉塞を有する患者に応用可能なD
DD整調の機能状態の一つは心房内のP波を検出するこ
と、すなわちS‐A結節によりセットされたレートを検
出し、またこのような検出されたレートで心室を整調す
ることである。すなわち、生理学的レートが増大するに
つれて、たとえば患者が運動しまたP波が増大するにつ
れて、ペースメーカはこのような増大を追跡し、またそ
れに応じて心室を整調し得る。
【0018】不幸なことに、従来のDDDペーサでは、
P波はある限界までしか追跡されない。もしP波が過度
に速く生起するならば、それらは心房不応周期(AR
P)として知られているものに落ち始め、その関連する
部分はしばしば心室後心房不応周期(PVARP)と呼
ばれる。なぜならば、それは、このような心室活動が整
調されても検出されても、心室活動後に生起するからで
ある。ペースメーカ論理回路によりセットされた予め定
められた時間周期である心房不応周期の間、P波は検出
されない。または、もしそれらが検出されるならば、そ
れらはP波とみなされず、むしろノイズとみなされる。
こうしてPVARPの間に生起するP波はペーサタイミ
ングに影響を与えない。PVARPは心臓組織が先の脱
分極または収縮に続いて落ち着きまたは回復するために
十分な待ち周期を与えるべく意図されている。(典型的
なペースメーカが需要に応じて刺激パルスを与えるその
機能を実行するにつれて、ペースメーカにより測定およ
び(または)発生されるタイミング間隔および時間周期
の一層詳細な説明については、たとえば前記の米国特許
第 4,712,555号および第 4,788,980号明細書を参照。)
【0019】こうして、もしP波が生起するレートがP
波をPVARPのなかに置くのに十分に増大するなら
ば、このようなP波はDDDペーサにより検出されず、
またこのようなP波の生起はペーサタイミングに影響を
与えない。すなわち、DDDペーサはP波が生起したこ
とを知る方法を有しておらず、従ってそれは、心室刺激
パルス(“V”パルス)を発するための適切なメカニズ
ムを開始する前に、どちらが最初に生起するにせよ、次
回のP波が生起するまで、またはペースメーカの応用可
能なエスケープ間隔がタイムアウトするまで待つ。不利
なことに、各々がVパルスにより続かれる内因性のP波
が徐々に増大している状況に対して、内因性のP波か検
出されない点が到達され(P波がPVARPに入る
時)、心室整調レートの突然の減少を招く。
【0020】この難点、PVARPに入るP波を追跡す
る時の心室レートの突然の減少、を克服するため、DD
DR整調モードを利用することは知られている。文献ハ
ニッチ(Hanich)ほか著の「レート変調されるデュアル
チャンバペースメーカによる最大追跡制限の回避」、
ACE12:392‐97(1989年2月)を参照さ
れたい。このようなDDDR整調モードにより、内因性
のP波が徐々に増大している状況に対して、内因性のP
波がPVARPに入った後でセンサ指示のバックアップ
整調レートを与えるという利点が得られる。こうして心
室整調レートの突然の減少が回避される。なぜならば、
このようなレート応答ペースメーカ、たとえばDDDR
ペースメーカのなかの応用可能なエスケープ間隔はセン
サ駆動レートの関数として自動的に調節されるからであ
る。従って、内因性P波レートがたとえば運動によりも
たらされる生理学的需要の増大に起因して増大するにつ
れて、応用可能なエスケープ間隔はセンサ駆動レートに
より短縮される。こうして、たといP波がPVARPに
入り、また検出されないとしても、ペースメーカは直ち
に、センサ駆動レートにより決定されるレートでVパル
スにより続かれる心房刺激パルスを発し、それにより心
室整調レートの突然の変化を回避する。
【0021】しかし、不利なことに、いったんPVAR
P内での低下により内因性P波の検出が失われると、セ
ンサ指示レートで生起する心房刺激パルス(“A”パル
ス)はP波と競合している。このような心房競合は、多
くの患者で心房不整脈を誘発し得るので、望ましくな
い。このことは、患者の内因性心房レートがたとえば身
体運動中のような生理学的需要の増大に起因して増大し
ている場合に特に真である。なぜならば、このような時
間中は心臓により高い心筋酸素需要が生じており、また
総体的な虚血(不適当な血液の流れ)が生じている可能
性があるからである。これらの条件の双方はさらに心房
不整脈を助長し得る。
【0022】心房不整脈は、もし継続時間が短いなら
ば、通常重大な結果を生じない。しかし、もし持続する
ならば、心房頻脈(非常に速い心房リズム)または細動
を生じ得る。これらの条件の双方は患者への重大な健康
上の危険を示す。従って、必要とされるのは、特にDD
DRペーサがペースメーカのPVARPのなかに落ちる
内因性P波を検出かつ追跡している時に、DDDRペー
スメーカを有する患者の心房競合を防止する方法または
技術である。
【0023】心房競合は他の問題をも生ずる。たとえ
ば、心房競合は、定義により、心房組織に、それが再分
極している時に(すなわち収縮のすぐ後に)心房刺激パ
ルスを与える。この作用は心房組織を後続の刺激パルス
に有意味に不感性にすることができ、それにより、捕獲
が所望の整調レートを維持するのに必要とされる時に、
これらの時点での“捕獲”を達成し維持することを困難
にする。(“捕獲”とは、与えられた刺激パルスへの心
臓組織の応答をいう。エネルギーが十分な時、刺激パル
スは、それが与えられる心臓組織を脱分極および収縮さ
せ、また心臓組織は刺激パルスにより“捕獲”されたと
言われる。エネルギーが不十分な時には、心臓組織は脱
分極および収縮せず、また心臓組織は刺激パルスに応答
せず、すなわちそれにより捕獲されない。)こうして、
P波と競合して心房にAパルスを与えることは後続の心
房捕獲の達成を困難にし、また心房不整脈の原因とな
る。こうして、DDDRペーサを作動させるためのシス
テムおよび方法として、捕獲の欠如が回避されており、
また心房不整脈が防止されているシステムおよび方法が
必要とされる。
【0024】さらに、心房不整脈が万一持続するなら
ば、このような不整脈を速く終了させるための方法また
は技術が必要とされる。しかし、このような終了技術が
実施され得る前に、真の心房不整脈(潜在的に危険な心
臓条件)と速い心房レート(運動のような高い酸素需要
条件への正常かつ必要とされる応答であり得る)との間
を区別するための信頼性の高い技術も必要とされる。
【0025】また、実際問題として心房競合(すなわち
内因性P波と競合してのAパルスの発生)は植え込まれ
たペースメーカの制限されたエネルギー資源の浪費され
たエネルギーを表す。すなわち、まさに自然に脱分極か
つ収縮している心房は、心房組織が再分極する時点ま
で、再び脱分極かつ収縮することができない。こうして
さらに、ペースメーカの制限されたエネルギー資源の保
存のために心房競合を回避することが必要とされる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
および他の必要性を満足するこのようなペースメーカの
作動方法を含んでいるデュアルチャンバペースメーカを
提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、デュアルチャ
ンバ、センサ駆動モード、たとえばDDDRモードでの
ペースメーカの作動中に心房競合を選択的に防止するた
めのシステムおよび方法を提供する。これは、DDDR
ペースメーカのなかに、このような心房活動が従来のD
DDRペースメーカにより検出されないであろう心室後
心房不応周期(PVARP)の間のような心臓サイクル
の時間の間に心房活動、たとえば可能なP波を検出する
ための手段を含んでいることにより成就される。ペース
メーカのなかに、心室刺激パルスが発生される時点に影
響することなくさもなければ発生されたであろうすべて
の心房刺激パルスを禁止するために、このような心房活
動の検出に応答する手段も含まれている。従って、検出
される心房活動と心房刺激パルスとの間の競合が防止さ
れている。
【0028】有利に、本発明は、いったん心房活動が検
出されているときに、心房競合を回避するための2つの
代替的な実施例を与える:(1)心房不応周期の相対的
不応部分の間のすべての心房活動の検出時に心房競合防
止(ACP)間隔を発生し、また次いでこのようなAC
P間隔の間のすべての心房刺激パルスの発生を防止す
る、または(2)ペースメーカのセンサ駆動レートが心
房刺激パルスを短縮されない心房不応周期の終端の近く
に置くかもしれないレートに近接する場合に心房不応周
期を短縮する。
【0029】第1の実施例(ACP間隔の発生)の1つ
の変形例は心房刺激パルスの発生を禁止するが、さもな
ければペースメーカタイミングを変更しない、すなわち
心房‐心室遅延(AVD)がペースメーカの生理学的セ
ンサによりセットされる心室‐心房遅延(VAD)の終
了時に開始される。このセンサ制御のAVDはここでは
センサ指示レート(SIR)VADと呼ばれる。第1の
実施例の他の変形例は心房刺激パルスの発生をACP間
隔の終了まで遅延させ、それにより実際上SID VA
DをACP周期の終了まで延ばす。
【0030】第2の実施例(心房不応周期の短縮)の1
つの変形例は固定された大きさだけの心房不応周期の短
縮を含んでいる。他の変形例はセンサ指示レート(SI
R)の逆関数として、予め定められた限界内で、心房不
応周期を変更することを含んでいる。こうして、もしS
IRが増大すると、心房不応周期が短縮される。もしS
IRが減少すると、心房不応周期が延長される。
【0031】本発明の1つの局面によれば、心房競合防
止手段はオンまたはオフであるように選択的にプログラ
ムされ得る。ACP間隔実施例では、ACP間隔は典型
的に250〜350ミリ秒の値を有するが、任意の適当
な間隔が使用され得よう。心房不応周期短縮実施例で
は、心房不応周期は典型的に50〜100ミリ秒のオー
ダーで短縮される。
【0032】本発明の他の局面によれば、潜在的に危険
な心房不整脈をDDDRモードでのペースメーカの作動
のための正常な速い心房レートから区別するための手段
と、このような不整脈を終了させるための手段とが設け
られている。区別手段は、高い内因性心房レートを検出
し、このようなレートをセンサ駆動レートと比較するた
めの手段を含んでいる。対応する高いセンサ駆動レート
の不存在中の高い内因性心房レートは心房頻脈条件、可
能なかぎり速く終了される必要のある潜在的に危険な条
件、であると推定される。(代替的に、このような決定
はセンサ駆動レートを発生するために応答するペースメ
ーカ回路および(または)センサの誤機能を指示し得
る。)対応する高いセンサ駆動レートの不存在中に高い
内因性レートの検出にのみ応答して作動する終了手段は
自動的に(1)ペースメーカの最大追跡レート応答を減
じ、かつ(または)(2)ペースメーカの作動モードを
デュアルチャンバセンサ駆動モードからVVIRモード
のようなシングルチャンバセンサ駆動モードへ切換える
ための手段を含んでいる。有利に、最大追跡レートの減
少は、ペースメーカが刺激パルスを与え得るレートを制
限する。VVIR作動モードへの切換は、心房刺激パル
スの発生の可能性をなくすことにより心房競合の可能性
をなくす。これらの応答のいずれかが、次いで、速い心
房レートの条件の効果を減ずる。
【0033】さらに、センサ駆動レートを発生するため
に応答する回路/センサがなんらかの誤機能をしている
場合、内因性心房レートとセンサ駆動レートとの間の検
出された相違への応答のいずれも、回路/センサが交換
され得る時まで状況を悪化させ得る応答を含んでいな
い。
【0034】
【発明の効果】こうして、センサ駆動モードで作動する
デュアルチャンバペースメーカおよびこのようなペース
メーカの作動方法において、心房不整脈が回避されるこ
とは本発明の特徴である。
【0035】このようなデュアルチャンバ、センサ駆動
ペースメーカおよびその作動方法において、刺激パルス
が与えられる時に、それが心臓を捕獲することが保証さ
れることは本発明の他の特徴である。
【0036】デュアルチャンバ、センサ駆動ペースメー
カを作動させるためのシステムおよび方法において、自
然に生起するP波と心房刺激パルスとの間の、心房不整
脈を誘発し得る心房競合の確率が最小化されることは本
発明のさらに他の特徴である。
【0037】本発明の1つの実施例に従って、デュアル
チャンバ、センサ駆動ペースメーカを作動させるための
このようなシステムおよび方法において、心房活動がペ
ースメーカの心房不応周期の間に検出され、またその後
の予め定められた時間間隔のなかではすべての心房刺激
パルスの発生が防止され、それにより、検出される心房
活動と心房刺激パルスとの間に常に少なくとも予め定め
られた時間間隔が存在することを保証することによって
心房競合が最小化されることは本発明の別の特徴であ
る。
【0038】本発明の他の実施例に従って、デュアルチ
ャンバ、センサ駆動ペースメーカを作動させるためのこ
のようなシステムおよび方法において、センサ駆動レー
トが、最初の(短縮されない)ARPが終了する心臓サ
イクル中の時間の終端の近くに心房刺激パルスを置くか
もしれないレートに近接する時には常に、ペースメーカ
の心房不応周期(ARP)が自動的に短縮され、それに
より、心房活動が検出され得る(ARP後の)時間周期
を増大させ、心房活動が(もしARPの後に検出される
ならば)心房刺激パルスの発生を禁止することによって
心房競合が最小化されることは本発明の追加的な特徴で
ある。
【0039】検出される心房レートとセンサ駆動レート
との間の大きい相違が存在する時には常に心房不整脈を
検出するための手段を含んでおり、また自動的に心室整
調レートを検出された心房レートから切り離すための手
段を含んでおり、それによりおそらく患者の症状を軽減
し、またいったん検出されたこのような心房不整脈を終
了させるデュアルチャンバ、センサ駆動ペースメーカを
提供することは本発明のさらに別の特徴である。この特
徴に従って、本発明の1つの実施例は、検出される心房
不整脈に応答してペースメーカの最大追跡レートを減少
させる。他の実施例はペースメーカの整調モードを自動
的にVVIRモードのようなシングルチャンバセンサ駆
動モードに切換えさせる。
【0040】
【実施例】以下の説明は、本発明の実施のために現在考
えられる最良の形態に関するものである。この説明は本
発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の一般
的な原理を説明するためのものである。本発明の範囲は
特許請求の範囲を参照して定められるものとする。
【0041】本発明を説明する前に、プログラム可能な
デュアルチャンバのレート応答ペースメーカの一般的な
枠組を説明することは有用である。なぜならば、このよ
うな枠組は本発明の実施の基礎となるからである。従っ
て、先ず図1および図2を参照すると、それぞれデュア
ルチャンバのプログラム可能なペースメーカのブロック
図およびこのようなペースメーカのなかに使用される制
御論理回路のブロック図が示されている。このような枠
組を説明した後に、本発明を図3のタイミング図および
図4および図5のフローチャートを参照して説明する。
【0042】先ず図1を参照すると、デュアルチャンバ
ペースメーカ10の簡単化されたブロック図が示されて
いる。ペースメーカ10はリード14および16を介し
て心臓12に結合されており、リード14は心臓の心房
の1つと接触している電極15を有し、またリード16
は心臓の心室の1つと接触している電極17を有する。
リード14および16はそれぞれ心房パルス発生器(A
‐PG)および心室パルス発生器(V‐PG)からそれ
ぞれ電極15および17へ刺激パルスを伝達する。これ
らの刺激パルスはここでは“Aパルス”または“Vパル
ス”と呼ばれる。
【0043】さらに、心房からの電気的信号は電極15
からリード14を通じて心房検出増幅器(P‐AMP)
の入力端子へ伝達される。心室からの電気的信号は電極
17からリード16を通じて心室検出増幅器(R‐AM
P)の入力端子へ伝達される。
【0044】制御システム26がデュアルチャンバペー
スメーカ10を制御している。制御システム26は信号
線28を経て心房検出増幅器22からの出力信号を受信
する。同様に、制御システム26は信号線30を経て心
室検出増幅器24からの出力信号を受信する。これらの
出力信号はP波またはR波が心臓12のなかで検出され
るつど発生される。
【0045】制御システム26はそれぞれ2つの信号線
32および34を経て心房パルス発生器18および心室
パルス発生器20へ送られるトリガ信号をも発生する。
これらのトリガ信号は刺激パルスをそれぞれのパルス発
生器18または20により発生する必要のあるつど発生
される。
【0046】AパルスまたはVパルスが心臓に供給され
ている間、対応する検出増幅器、P‐AMP22または
R‐AMP24は典型的に、それぞれ信号線36および
38を経て与えられるブランキング信号により不活性化
されている。このブランキング作用は、この時間中にそ
れらの入力端子に与えられている比較的大きい刺激パル
スにより検出増幅器22および24が飽和された状態に
なるのを防止する。このブランキング作用は、ペーサ刺
激がP波またはR波として解釈された結果として筋肉組
織内に存在する残留電気的信号の防止をも助ける。
【0047】続けて図1を参照すると、ペーサ10は適
当なデータ/アドレスバス42により制御システム26
に結合されているメモリ回路40をも含んでいる。この
メモリ回路40はペースメーカの作動の制御に制御シス
テム26により使用されるいくつかの制御パラメータ
が、特定の患者のニーズに適するようにペーサ10の作
動をカスタム化するため、必要に応じて、プログラム可
能に記憶かつ修正されることを許す。さらに、ペーサ1
0の作動中に検出されるデータがその後の検索および解
析のためにメモリ40のなかに記憶され得る。
【0048】さらにテレメトリ回路44がペーサ10の
なかに含まれている。このテレメトリ回路44は適当な
命令/データバス46により制御システム26に接続さ
れている。逆に、植え込み可能なペーサ10のなかに含
まれているテレメトリ回路44はRF(無線周波数)チ
ャネルのような任意の適当な電磁リンクであり得る適切
な通信リンク50により外部のプログラマ48に選択的
に結合され得る。
【0049】有利に、外部プログラマ48および通信リ
ンク50を通じて、所望の命令が制御システム26へ送
られ得る。同様に、通信リンク50およびプログラマ4
8を通じて、データ(データラッチ内のように制御シス
テム26のなかに保たれているデータもしくはメモリ4
0のなかに記憶されているデータ)がペーサ10により
遠隔受信され得る。この仕方で、遠隔の植え込まれてい
ない位置から植え込まれたペーサ10との非侵襲的通信
が確立され得る。
【0050】図1中のペーサ10はデュアルチャンバペ
ースメーカと呼ばれる。なぜならば、それは心臓の心房
および心室の双方とインタフェースするからである。心
房とインタフェースするペーサ10のこれらの部分、た
とえばリード14、心房検出増幅器22、心房パルス発
生器18と制御システム26の対応する部分とは一般に
心房チャネルと呼ばれる。同様に、心室とインタフェー
スするペーサ10のこれらの部分、たとえばリード1
6、心室検出増幅器24、心室パルス発生器20と制御
システム26の対応する部分とは一般に心室チャネルと
呼ばれる。
【0051】本発明によれば、ペースメーカ10はさら
に、適当な接続線54を経てペーサの制御システム26
に接続されている生理学的センサ52を含んでいる。こ
のセンサは図1中にペーサ10のなかに含まれているも
のとして図示されているが、センサ52はペーサ10の
外部に位置してもよく、さらに患者のなかに植え込ま
れ、または患者により携帯されてもよいことは理解され
るべきである。
【0052】一般的な形式のセンサ52は患者の身体運
動(活動)を検出する圧電性結晶のような活動センサで
ある。このようなセンサは典型的にペースメーカの缶ま
たはケースに取付けられている。血液の酸素含有量、呼
吸レート、血液のpH、心臓の再分極時間などを検出す
る他の形式の生理学的センサも知られている。使用され
るセンサの形式は本発明にとって臨界的ではない。心臓
が拍動すべき生理学的レートに関係付け可能ななんらか
のパラメータを検出し得る任意のセンサが使用され得
る。説明される形式の生理学的センサは、患者の生理学
的ニーズを追跡する仕方でペーサのレート(エスケープ
間隔)を調節するため“レート応答”ペースメーカと共
に一般に使用されている。こうして、刺激パルスは生理
学的センサにより決定されるレートで(自然に生起する
心臓活動の不存在中に)需要に応じてのみ発生される。
【0053】次に図2を参照すると、ペーサ10の制御
システム26の1つの実施例のブロック図が示されてい
る。マイクロプロセッサ応用の制御システムのような制
御システム26の他の実施例も利用され得る。代表的な
マイクロプロセッサ応用のシステムはたとえば米国特許
第 4,940,052号明細書に記載されている。この明細書の
内容を参照によりここに組み入れるものとする。
【0054】図2中に示されている制御システムは状態
機械に基づいており、一組の状態レジスタ60が任意の
瞬間におけるペーサ10の特定の状態を定める。一般
に、また状態機械作動の概要として、各状態は、設計に
より、特定の活動または機能が実行されるようにする。
いくつかの状態が所与の心臓サイクルの間に順次に実行
される。特定の心臓サイクルのなかで実行される状態の
順序は、P波またはR波の検出のような生起する特定の
事象によっても、ある他の状態からのみ入られ得るある
状態のような現在の状態によっても決定される。
【0055】ただ1つの状態が任意の瞬間に存在し得る
が、いくつかの異なる状態機械(または制御システム)
が種々の機能を制御するべく並列に作動し得る。たとえ
ば、テレメトリ回路44(図1)が、前記の米国特許第
4,940,052号明細書に記載されているように、その固有
の状態機械を利用することは好ましい。このテレメトリ
回路状態機械は図2中に示されている制御システム状態
機械とは本質的に無関係に作動する。
【0056】制御システム26の心臓部は状態論理回路
62である。それは状態レジスタ60の“状態”、従っ
てまたシステムにより次に実行される機能または作動を
制御する状態論理回路である。状態論理回路62は入力
として(システムの状態を制御システムのいくつかの部
分に向ける)状態バス64を経て利用可能にされる状態
レジスタ60の現在の状態も、システムの現在の事象ま
たは生起した事象を指示する他の信号も受信する。
【0057】P‐AMP22(図1)およびR‐AMP
24(図1)からの出力信号は入力デコード論理回路6
6に向けられる。入力デコード論理回路66は、マルチ
プレクサ68により選択され、またレート決定論理回路
70に送られる適切な論理信号“IPW”(P波禁止)
および“IRW”(R波禁止)を発生する。これらの信
号は状態論理回路62にも送られる。レート決定論理回
路70の機能は、IPWもしくはIRW信号が生起して
いるレートを決定することである。
【0058】このレートを表す信号はレート決定論理回
路70からの出力信号として信号線72を経て状態論理
回路62に送られる。レート決定論理回路70はさらに
センサ52(図1)からのセンサレート信号を受信し、
また(状態レジスタ60により定められ、状態バス64
を経てレート決定論理回路70に利用可能にされるシス
テムの特定の状態に関係して)このセンサレートを示す
レート信号を信号線72を経て状態論理回路62に送
る。
【0059】続けて図2を参照すると、メモリ制御回路
74は制御システム26の回路とメモリ40(図1)と
の間の必要とされるインタフェースを行う。このメモリ
制御回路74は指定されたアドレスでメモリとのデータ
の送受信を行う任意の通常のメモリアクセス回路であっ
てよい。メモリ40から検索されたデータは信号線75
を経て状態論理回路62にも信号線77を経てプログラ
ム可能なタイマ76にも送られ得る。メモリ40に送ら
れるデータは(状態バス64から得られる)システムの
現在の状態であってもよいし、(信号線73を経て利用
可能にされる)状態論理回路62からの他の選択された
信号であってもよい。
【0060】プログラム可能なタイマ76の機能は予め
定められた時間間隔を定めることであり、その長さは信
号線77を経てメモリ制御回路74から受信される信号
によりセットされ、またその開始点は状態バス64から
得られる現在の状態の開始と一致して開始する。タイマ
76はさらに、この予め定められた時間間隔が経過した
時にタイムアウト信号を発生する。
【0061】この予め定められた時間間隔の間に、タイ
ミング機能は典型的に入力デコード論理回路66から得
られるリセット信号によりリセットされ得るが、(状態
バス64から得られる)いくつかの状態はタイマ76の
即時リセットも行い得る。タイムアウト信号はタイムア
ウトデコード論理回路78に送られる。Aパルス発生器
18またはVパルス発生器20(図1)に送られる適切
なトリガ信号を発生することがタイムアウトデコード論
理回路78の機能である。さらに、適切な論理信号が、
それぞれのトリガ信号が発生されたことを状態論理回路
62に報知するため、信号線80を経てタイムアウトデ
コード論理回路78により状態論理回路62に送られ
る。
【0062】発振器82、好ましくは水晶制御発振器は
システム論理回路の作動を制御する基本クロック信号C
0を発生する。このクロック信号C0はクロック論理回
路84に送られ、そこでいずれもクロック信号C0から
導き出されるクロック信号C1、C2およびC3のよう
な他の適切なクロック信号が発生される。これらのクロ
ック信号は、ペースメーカのなかで生起する種々の事象
および状態変化を適切に同期化するため、制御システム
26を通じて分配される。
【0063】基本クロック信号C0のレートは本発明に
とって臨界的ではない。一般に、基本クロック信号C0
に対する25〜40kHzのレートが適切である。この
レートはクロックサイクルごとに25〜40マイクロ秒
の基本時間インクリメントを与え、またこれはペースメ
ーカ作動を有効に制御するのに十分以上の時間である。
もし所望であれば、制御システム26とメモリ40との
間のデータをスピードアップするため、より速いクロッ
クレートが特にメモリ制御回路74により使用され得る
が、たいていのペースメーカ作動に対して、速い転送レ
ートは本質的ではない。
【0064】作動中、図2の制御システムは状態レジス
タ60が初期状態を定める予め定められた値をとる初期
状態で開始する。たとえば、4つのフリップフロップが
状態レジスタに対して使用されることを仮定すると、初
期状態は“1000”(16進“8”)であってよく、
第1のフリップフロップは“1”状態を、また残りの3
つのフリップフロップは各々“0”状態をとる。この状
態は、予め定められたVA間隔が開始されるV‐A遅延
(VAD)状態として定められ得る。この間隔は前記の
“エスケープ”間隔とみなされ得る。
【0065】状態バス64上に現れる“1000”によ
り示されるものとしてVAD状態が開始されたことをメ
モリ制御回路74が検出すると直ちに、それはメモリ4
0から、V‐A遅延の所望の長さを定める外部プログラ
マ48からメモリ40のなかへ先にプログラムされた適
切なデータ語を検索する。このデータ語はプログラム可
能なタイマに送られ、またVAD状態の間に測定される
べき時間周期の長さをセットする。
【0066】タイマ76は本質的にまさに、指定された
クロック信号を使用して、データ語のなかで指定された
値にカウントダウン(または)カウントアップするカウ
ンタである。カウントが完了している時、またカウンタ
がP波またはR波の生起によりリセットされていないと
仮定して、カウンタまたはタイマ76は“タイムアウ
ト”していると言われ、また適切なタイムアウトが発生
されて、タイムアウトデコード論理回路78に送られ
る。
【0067】デコード論理回路78は、次いで、(状態
バス64をモニタすることにより決定されたものとし
て)システムの現在の状態がVAD状態であること、従
ってまた心臓活動が全く検出されることなしにVA間隔
(エスケープ間隔)がタイムアウトしていることを認識
し、心房が刺激され得るようにAパルス発生器18に送
られるAパルストリガ信号を発生する。同時に、タイマ
76がタイムアウトしている事実を状態論理回路に警報
するべく適切な論理信号が信号線80を経て状態論理回
路62に送られる。
【0068】状態論理回路62は、タイムアウトデコー
ド論理回路78からの信号の受信に応答して、また現在
のVAD受信器に応答して、予め定められた順序の次の
状態をトリガする。DDD作動に対して、この状態は典
型的に、PおよびR検出増幅器22および24が不活性
化されているブランキング状態またはBLANK状態で
ある。従って、状態論理回路は、それぞれ心房波検出増
幅器22および心室波検出増幅器24をブランクするべ
く信号線36および38上に適切な信号を発生し、また
こうして状態レジスタ60をBLANK状態に変化させ
る。この状態はたとえば“0001”(16進“1”)
をとる状態レジスタ62のフリップフロップにより定め
られる。
【0069】状態バス64上で検出されるこのBLAN
K状態はメモリ制御回路74にメモリ40からブランキ
ング間隔の長さを定める適切なデータ語を検索させ、こ
のデータ語はプログラム可能なタイマ76のなかへロー
ドされる。タイマ76がタイムアウトして、予め定めら
れたブランキングが経過していることを示すと直ちに、
タイムアウトが発生されて、タイムアウトデコード論理
回路78に送られる。このタイムアウト信号の受信時
に、またBLANK状態である現在の状態に応答して、
タイムアウトデコード論理回路78が適切な論理信号を
状態論理回路62に送る。状態論理回路62はたとえば
A‐V遅延(AVD)であってよい予め定められた順序
のなかの次の状態をとるべく状態レジスタ60を制御す
ることにより応答する。AVD状態の開始時に、AV間
隔の長さを定める他の値がプログラム可能なタイマ76
のなかへロードされる。もしタイマ76がリセットされ
ることなしにタイムアウトして、P波またはR波が検出
されていないことを示せば、デコード論理回路78がV
パルストリガ信号を発生し、またこの事象を状態論理回
路62に報知する。状態論理回路62は、次いで、次の
適切な状態が入れられるようにする。この状態は上記の
ブランキング状態に類似して他のブランキング状態また
はBLANK状態であり得るが、おそらく異なる継続時
間を有する。この第2のBLANK状態の終了またはタ
イムアウト時に、予め定められた順序のなかの不応(R
EF)状態であり得る次の状態が開始される。
【0070】上記の仕方で、制御システム26は1つの
状態を他の状態の後にとり、それによりペースメーカ1
0の作動を制御する。一般に、状態は、タイマ76がタ
イムアウトする時に、または予め定められた事象が生起
する時に、変更される。たとえば、もしVAD状態の間
にIPW信号が受信され(P波が検出されていることを
示す)ならば、入力デコード論理回路66がタイマ76
をリセットするべくリセット信号を発生し、また状態論
理回路62が直ちに(典型的に次の数クロックサイクル
の間に)状態を次の適切な状態、たとえばAVD状態に
変更することにより応答する。
【0071】さらに、もしAVD状態の間にIRW信号
が受信される(R波が検出されていることを示す)なら
ば、入力デコード論理回路66がタイマ76をリセット
するべく他のリセット信号を発生し、また状態論理回路
が直ちに状態を次の適切な状態、たとえば不応(RE
F)状態に変更することにより応答する。制御システム
26の状態はテレメトリシステムからの適切な命令の受
信により変更されてもよい。
【0072】図2の制御システム26は専用のハードウ
ェア回路を使用して、またはハードウェアおよびソフト
ウェア(またはファームウェア)回路の組み合わせを使
用して実現され得る。DDDまたはVVIのような所与
の作動モードに対する状態の適切な順序はたとえばメモ
リ制御回路74および状態論理回路62の適切な制御に
より定められ得る。これらの回路要素はペースメーカメ
モリ回路のなかに置かれまたはプログラムされている適
切なソフトウェアまたはファームウェアプログラムを通
じて最も容易に制御される。プログラミングの実現の仕
方は当業者によく知られている。図2の制御システム2
6の種々の回路の詳細な説明はここでは行わない。なぜ
ならば、このような回路のすべては通常のものであり、
また当分野で利用可能な周知の回路により構成され得る
からである。たとえばペースメーカの状態機械形式の作
動が説明されている前記米国特許第 4,712,555号明細書
およびペースメーカのなかに使用される種々の時間間隔
およびそれらの相互関係が一層詳細に説明されている前
記米国特許第 4,788,980号明細書を参照されたい。
【0073】典型的なデュアルチャンバのプログラム可
能なペースメーカの作動状態はその制御システムと組み
合わされた18までの状態を有し得る。これらの状態は
上記特許明細書に一層詳細に説明さている。これらの状
態の要約は下記の表1に示されている。
【0074】
【表1】 ペースメーカ制御システムの状態状態 シンボル 説明 0 APW Aパルス(Aパルスがトリガされる) 1 BLANK V検出入力禁止(ブランク) 2 AREF 不応 3 SIPW 検出される禁止P波(P波が検出される) 4 AVD A‐V遅延 5 CROSS クロストーク検出 6 VPW Vパルス(Vパルスがトリガされる) 7 SIRW 検出される禁止R波(R波が検出される) 8 VAD V‐A遅延 9 SHORT1 もしIPWがSHORT1の間に生理学的A‐V遅延 によりオンであれば、第1の予め定められた大きさだ けA‐V遅延を短縮 A MTR 最大追跡レート B SHORT2 もしIPWがSHORT2の間に生理学的A‐V遅延 によりオンであれば、第2の予め定められた大きさだ けA‐V遅延を短縮 C RRT もし低い電池のときにはVA間隔を延長 D RNOISE VREFまたはRNOISEの間に検出されるRノイ ズ E LIPW ラッチされたIPW…MTRのなかで検出されるP波 F PNOISE AREFまたはRNOISEの間に検出されるRノイ ズ (なし) VREF V不応 (なし) ABSREF 予め定められたしゅしきの間の絶対的不応答がARE Fが開始する時に開始
【0075】表1に示されている状態に加えて、本発明
によるデュアルチャンバペースメーカは好ましくは、以
下の説明から明らかになるよう、少なくとも2つの追加
的な状態を組み入れている:(1)ACP(心房競合防
止状態)および(2)ARV(心房レート照合)状態。
【0076】いま確立されたデュアルチャンバ、レート
応答、プログラム可能ペースメーカに基づいて、本発明
を一層完全に説明する。広く言って、本発明の1つの実
施例は、DDDR作動モードで作動するように構成され
たレート応答デュアルチャンバペースメーカにおける心
房競合防止するためのシステムとして特徴付けられ得
る。このようなシステムは、(a)生理学的整調レート
を定めるための手段;(b)生理学的整調レートを維持
するため心房および(または)心室刺激パルスがペース
メーカにより発生されるべき時を示すタイミング信号を
発生するための制御手段;(c)自然の心房活動を示す
P波および自然の心室活動を示すR波のような心房およ
び心室活動を検出するため制御手段に結合されており、
内因性P波および(または)R波の不存在中に必要とさ
れるような需要に応じて心房および(または)心室刺激
パルスを発生するのに必要とされるタイミング信号を発
生する検出手段;および(d)タイミング信号に応答し
て心房および(または)心室刺激パルスを発生するため
制御手段に結合されている刺激パルス発生手段、を含
む。このような実施例における制御手段は、(i)各心
室刺激パルスの発生またはR波の検出器に続いて心室後
心房不応周期(PVARP)を発生するためのPVAR
P発生手段(PVARPは検出される心房活動が有効な
P波とみなされない時間間隔を定める);および(i
i)PVARPの間に検出された心房活動と競合してい
る心房刺激パルスが発生されるのを防止する心房パルス
発生手段を含んでいるものとして特徴付けられ得る。有
利に、このような実施例の心房刺激パルスは生理学的整
調レートを維持するために心室刺激パルスが発生される
時を制御するタイミング信号を変更することなしに生起
する。
【0077】本発明の1つの特別な実施例では、心房パ
ルス防止手段はPVARPの間に検出される心房活動に
応答して心房競合防止(ACP)間隔を発生する。この
ようなACP間隔は予め定められた継続時間を有する。
ACP間隔の間のすべての心房刺激パルスの発生はAC
P間隔の終了まで禁止または遅延される。従って、心房
整調パルスは少なくともACP間隔の継続時間にわたり
PVARPの間に生起する検出される心臓活動と競合し
て発生されない。
【0078】このような心房パルス防止手段の作動は図
3を参照すると最もよく示されている。図3は(A)〜
(E)にわけて一連の波形およびペースメーカタイミン
グ間隔を示すタイミングダイアグラムである。一般に、
これらの一連の波形は心房競合の問題を示し、またさら
に、どのように心房競合防止(ACP)間隔の発生がこ
のような問題を最小化するかを示す。
【0079】図3のタイミングおよび波形図でいくつか
の事象は時間の関数として示されている。図3に示され
ている5つの異なる事象シーケンスの各々のなかで、心
臓事象はP波、AパルスまたはVパルスを含んでいる心
電図(ECG)により表されている。文字“P”による
小さい“バンプ”はP波を表す。文字“V”による垂直
線はVパルスを表す。Vパルスに続く大きい波形は刺激
される心室脱分極を伴うQRS‐T波を表す。文字
“A”による垂直線はAパルスを表す。ペースメーカ制
御システム、たとえば状態論理回路により発生されるタ
イミング間隔、時間周期または時間遅延はECG波形の
上のボックスまたは長方形により表されている。簡単の
ために、本発明にとって重要な時間間隔のみが示されて
いる。与えられている時間間隔は図中に示されているよ
うに心臓サイクルのなかで相対的な継続時間を有する。
すなわち、時間を水平軸に右方に増すようにとって、与
えられている時間間隔はその左縁と合致する瞬間に開始
し、またその右縁と合致する瞬間に終了する。
【0080】以下では図3(A)と呼ばれる図3の上側
の波形図(A)には、通常の心房レートに基づく整調
(P波追跡)が示されている。このような整調の間、P
波90の生起はA‐V遅延(AVD)92を開始させ
る。すなわちAVD状態に入らせる。A‐V遅延92の
終了時に、Vパルス94が発せられる。Vパルス94の
発生は、次いで、QRS波96およびT波97により表
されているように心室を収縮させる。また、Vパルスの
発生は心室後心房不応周期(PVARP)98を発生さ
せる。PVARP98の間、心房活動は検出され得ず、
または、もしそれが検出されるならば、それはP波とし
て取り扱われる。図3(A)に示されている状況に対し
て、P波はPVARP98の間に生起しない。しかし、
PVARPが終了した後に、P波100が生起する。こ
のP波100はペースメーカ回路によりP波として検出
され、また他のA‐V遅延を開始させる。A‐V遅延の
終了時に、Vパルス104が発せられ、心室を再び脱分
極させる。このプロセスはP波の検出の後に各Vパルス
により1つのA‐V遅延が発せられて継続する。こうし
て、心室は検出されるP波を追跡するレートで整調され
る。
【0081】図3(B)には、内因性P波がたとえば身
体運動の間に生起するかもしれないような比較的速いレ
ートで生起するとみなされている条件が示されている。
第1のP波105が検出され、またA‐V遅延107を
トリガし、その後にVパルス108が発せられる。Vパ
ルス108は心室を収縮させ、またPVARP109を
開始する。第2のP波110がPVARP109の間に
生起する。こうして、通常のDDDペースメーカでは、
P波110はペースメーカ論理回路によりP波として認
識されずに、むしろノイズとみなされる。従って、ペー
スメーカ論理回路はP波が生起していることに気がつか
ず、またそれらは適切な待ち状態にとどまり、次回のP
波の生起または応用可能なエスケープ間隔のタイムアウ
トのどちらか先に生起するほうを待つ。内因性P波レー
トは比較的速いので、第3のP波111はPVARP1
09の経過の後、かつ適切なエスケープ間隔タイムアウ
トの前に生起する。従って、P波111が検出され、A
‐V遅延112を開始させる。A‐V遅延112がタイ
ムアウトした後、Vパルス113が発生され、所望の心
室収縮を行わせる。このプロセスは一つおきのP波が検
出されまた追跡されるにつれて継続する。この(一つお
きのP波の検出の)条件は2:1ブロックと呼ばれる。
すべての持続される時間周期にわたり2:1ブロック条
件にとどまることは望ましくない。なぜならば、心臓は
速い内因性P波レートにより明らかにされる生理学的需
要を満足するべく身体を通じて必要な血液供給を送り出
すために必要とされる速さの半分の速さのレートでのみ
整調されているからである。
【0082】2:1ブロックの問題および他の問題を緩
和するため、DDDR整調モードが使用され得る。DD
DR整調モードでの作動は図3(C)に示されている。
このよな整調モードでは再び、比較的速い内因性P波レ
ートが存在するとみなされる。第1のP波115が検出
され、A‐V遅延116を発生させる。A‐V遅延11
6の終了時に、前記のようにVパルス117が発せら
れ、またPVARP118が開始される。しかし、DD
DR整調モードが使用されているので、Vパルス117
もセンサ指示レート(SIR)V‐A遅延(VAD)1
19を発生させる。このSIR VAD119は本質的
に、生理学的センサから決定されたものとしてペースメ
ーカのエスケープ間隔を表す。比較的速い内因性P波レ
ートが存在しており、この速いP波は高い生理学的需要
を明らかにするので、SIR VAD119も高い生理
学的需要を表し、生理学的センサが正しく機能している
とみなす。すなわち、SIR VADは非常に長くはな
い。こうして、図3(C)に示されているように、たと
い次回のP波120がPVARP118の間に生起し、
従ってまた(上記の図3(B)の場合のように)検出さ
れないとしても、SIR VAD119はPVARPの
終了の後に直ちに終了し、Aパルス121を発生させ
る。Aパルス121の発生はA‐V遅延122をトリガ
し、その後にVパルス123が発生され、それにより、
心臓が速い心臓リズムに対する生理学的ニーズと釣り合
う比較的速いレートで整調されることを許す。
【0083】不幸なことに、図3(C)に示されている
条件はP波120とAパルス121との間の心房競合を
生ずる。心房競合は先に説明した理由で望ましくない。
有利に、本発明は、以下に説明する技術および(また
は)方法を使用して、このような心房競合を防止する。
【0084】本発明の心房競合防止(ACP)の実施例
によれば、心房活動はPVARPの間に(少なくともP
VARPの相対的不応部分の間に)検出される。PVA
RPの間の心房活動の検出は心房競合防止(ACP)時
間間隔を発生させる。すなわち予め定められた時間周期
にわたり状態論理回路により心房競合防止状態に入らせ
る。ACP間隔または状態の予め定められた継続時間は
ペースメーカのプログラミングの時点で医師により選択
されてたとえば250〜350ミリ秒のオーダーに固定
されている。ペースメーカ論理回路は、たといSIR
VAD(センサ駆動エスケープ間隔)により要請されて
も、ACP間隔の間に心房刺激パルス、Aパルス、が発
生され得ないように構成されている。もしSIR VA
DがACP間隔の間にタイムアウトすれば、Aパルスは
禁止されるが、あたかもAパルスが発せられているかの
ようにA‐Vパルスは開始される。または、代替的に、
SIR VADがACP窓の終了まで簡単に延長され
る。もしSIR VADがACP間隔の経過の後にタイ
ムアウトすれば、Aパルスは通常の仕方で発せられる。
このことはPVARPの間に検出される任意の心房活動
とAパルスとの間のACP間隔のACP間隔の継続時間
に少なくとも等しい時間間隔が常に存在することを保証
し、それにより競合に起因する心房不整脈誘発の確率を
最小化する。
【0085】本発明のACP実施例の作動が図3
(D)、図3(E)および図3(F)に示されている。
図3(D)でP波130はPVARP128の間に生起
する。こうして、ACP間隔129が開始される。この
ACP間隔129のタイムアウトの前に、SIR VA
Dがタイムアウトする。従って、Aパルスは発生されな
い。しかし、A‐V遅延134はSIR VADの終了
時に開始される。A‐V遅延134がタイムアウトする
時、Vパルス135が発生され、それにより、Aパルス
が発生されなかったという事実にもかかわらず、センサ
駆動レートで心臓を整調し続ける。
【0086】図3(E)では、P波136が同様にPV
ARP137の間に生起する。従って、ACP間隔13
1が開始される。図3(E)に示されている本発明の変
形例によれば、組み合わされているSIR VAD13
3はACP間隔131の終了まで延長されている。Aパ
ルス138はSIR VAD133の終了時に、たとえ
ばACP間隔131の終了時に発生される。通常のよう
に、A‐V遅延146は、延長されたSIR VAD1
33がタイムアウトする時に発生される。A‐V遅延1
46がタイムアウトする時、Vパルス147が発生さ
れ、それにより、センサ駆動レートから少し変更された
レートで心臓を整調する。
【0087】図3(F)では、P波140が同様にPV
ARP138の間に生起し、それによりACP間隔14
1を開始する。ACP間隔141がタイムアウトする
時、SIR VAD142はタイムアウトしていない。
従って、SIR VAD142がタイムアウトする時、
Aパルス143が発生され、A‐V遅延144を開始さ
せる。A‐V遅延144の終了時に、Vパルス145が
発生される。こうして、心臓はセンサ駆動レートで整調
される。
【0088】図3に示されているシーケンスのすべてに
おいて、自然の心室活動は存在しないと仮定されてい
る。しかし、もしもR波がA‐V遅延の間に検出される
ならば、Vパルスが発生されないことは理解されるべき
である。すなわち、ペースメーカはSIR VADまた
はAVDにより示されているような需要に応じてのみ心
臓に刺激パルス、AパルスもしくはVパルス、を供給す
る。しかし、AパルスがSIR VADの終了時に要請
されている時にも、このようなAパルスは、ACP間隔
もタイムアウトしていないかぎり与えられない。
【0089】心房レート照合(ARV)の実施例と呼ば
れる本発明の他の特別な実施例では、本発明の2つの追
加的な変形例がある。第1のARV変形例では、心房パ
ルス防止手段は(a)内因性心房レートを決定するため
のレート決定手段;(b)検出される内因性心房レート
が参照レートに近接しているかどうかを決定するための
第1の比較手段;および(c)PVARPの継続時間を
短縮するため第1の比較手段に応答する手段を含んでい
る。この仕方でのPVARPの短縮は、心房活動が有効
なP波としてペースメーカ論理回路により検出されかつ
認識されることを許し、それにより通常のデマンドペー
スメーカの作動に従ってのすべての心房刺激パルスの発
生を禁止する。たとえば、図3(C)を参照すると、も
しPVARP118が部分150により表される大きさ
だけ短縮されるならば、P波が検出され、またAパルス
は通常のデマンドペースメーカの作動で禁止されよう。
【0090】第2のARV変形例では、心房パルス防止
手段は:(a)内因性心房レートを決定するためのレー
ト決定手段;(b)検出される内因性心房レートが参照
レートに等しいかそれよりも大きいかどうかを決定する
ための第1の比較手段;および(c)センサ指示レート
またはSIRの逆関数としてPVARPの継続時間を変
更するため第1の比較手段に応答する手段を含んでい
る。すなわち、PVARPの継続時間がSIRに逆に結
び付けられている。こうして、もしSIRが増大する
と、PVARPが短縮され、また短縮されるPVARP
の利点が上記の第1のARV変形例の場合のように得ら
れる。しかし、SIRが減少して、その初期値に戻る
と、PVARPは延長して、その初期値に戻る。PVA
RPがSIRにより制御される仕方は適切なアルゴリズ
ムにより制御され、このアルゴリズムはもちろんオンま
たはオフにプログラムされ得よう。オンの時には、SI
RとPVARPとの間の予め定められた関係が存在して
いる。たとえば、アルゴリズムは、各10ppm(パル
ス毎分)に対してSIRが増大し、PVARPが10〜
20ミリ秒だけ減ぜられるようなものであってよい。も
ちろん、これらの値は例示に過ぎず、また任意の逆関係
がSIRとPVARPとの間にセットされ得る。
【0091】こうして、作動中、本発明のARV実施例
は内因性P波のレートをモニタする。もしこのようなレ
ートがおそらくP波を正常なPVARPのなかに置くよ
うに十分に増大しているならば、PVARPを50〜1
00ミリ秒のような予め定められた大きさだけ短縮さ
せ、もしくはPVARPをSIR中の増大により示され
る大きさだけ短縮するARV状態が状態論理回路により
入れられる。内因性P波が(正常なPVARPの短縮に
より)PVARPのなかに落ちるのを防止することによ
り、内因性P波はP波として検出され、またこのような
検出は通常のデマンドペースメーカ作動中のすべてのA
パルス発生を禁止する。もしモニタされる内因性P波レ
ートが続いて、P波が正常なPVARPのなかに落ちる
危険がないように減速するならば、短縮されたPVAR
Pは単一のステップで、もしくはSIRレートが正常に
戻るにつれて徐々に、正常なPVARPに戻るように延
長される。すなわち、P波レートが続いて減速するにつ
れて、ARV状態が終了され、またペースメーカはその
正常なDDDR作動に戻る。
【0092】次に図4、図5および図6を参照すると、
本発明のACP、ARVおよび他の実施例に従って図1
のペースメーカを作動させる方法を示すフローチャート
ダイアグラムが示されている。図4に示されている方法
は上記のACP実施例を示す。図5に示されている方法
は上記のARV実施例の第1の実施形態である。図6に
示されている方法は上記のARV実施例の第2の実施形
態である。これらの実施例は、心房不整脈を惹起し得る
心房競合を防止する代替的な方法を意図している。対照
的に、図7に示されている方法は心房不整脈の正確な検
出と、いったん検出された時のこのような不整脈への応
答とを意図している。図7に示されている方法は単独で
も図4、図5および図6に示されている方法と組み合わ
せても実施され得る。
【0093】各フローチャート中で、種々のステップは
“ブロック”または“ボックス”中の短縮された形態で
示されており、その各々はそれは組み合わされた参照符
号を有する。
【0094】たとえば、図4に示されているフローチャ
ートを参照すると、自然の心房活動と競合するかもしれ
ない心房刺激パルスの発生を回避するレート応答デュア
ルチャンバペースメーカを作動させる方法が示されてい
る。ペースメーカがDDDR作動モードで作動するべく
プログラムされており、また実際にそれが図4に第1の
ステップ(ブロック160)として示されていることは
理解される。基本的に、本方法は(a)内因性P波を検
出し;(b)所与の検出される内因性P波がペースメー
カのプログラムされたDDDR作動モードと組み合わさ
れた心室後心房不応周期(PVARP)の間に生起した
かどうかを決定し(このようなPVARPは任意の検出
または整調される心室活動に続いてペースメーカにより
発生される);(c)検出される内因性P波がPVAR
Pの間に生起することがステップ(b)で決定される場
合には心房競合防止(ACP)周期を開始し;また
(d)ACP周期が、たといあるにしても、タイムアウ
トしていない場合には、心房刺激パルスがさもなければ
プログラムされたDDDR作動モードにより発生される
であろう時間の間は、すべての心房刺激パルスを禁止
し、または代替的に、ACP周期がタイムアウトし終わ
るまで心房刺激パルスの発生を遅延させるステップを含
んでいる。
【0095】一層詳細には、また図4に示されているよ
うに、DDDR整調モードが開始されている(ブロック
160)と仮定して、本方法は次のステップとしてP波
の検出を含んでいる(ブロック162)。図4(および
他のフローチャート)中に使用されている用語“P波”
は“心房活動”を意味する。もしP波が検出されると、
PVARPがタイムアウトしているか否かについての決
定がなされる(ブロック164)。もし肯定であれば、
ペースメーカは通常のDDDR整調モードに従って作動
する。すなわち、SIR VADのタイムアウト以前に
他のP波が検出されないときにのみAパルスがSIR
VADの終了時に発生され、V‐A遅延が任意の心房活
動、P波の検出またはAパルスの発生、により開始さ
れ、またA‐V遅延のタイムアウト以前にR波が検出さ
れないときにのみVパルスがA‐V遅延の終了時に発生
される。
【0096】もしPVARPがP波の検出(ブロック1
62)時にタイムアウトしていないならば(ブロック1
64)、ACP間隔が開始される。前記のように、AC
P間隔は約300ミリ秒の好ましい継続時間を有する固
定された間隔であるが、患者によっては250ミリ秒と
350ミリ秒との間または他の値の継続時間を有するこ
とが適切であり得る。ACP間隔の継続時間はペースメ
ーカの製造者により固定され、または植え込みの際に医
師によりプログラム可能にセットされ(またその後に、
必要に応じて、医師により調節され)得る。いったんA
CP間隔が開始されると、検出されるP波(ブロック1
62で検出される)は無視され(ブロック168)、す
なわちその生起はその後に影響をせず、またSIR V
ADがタイムアウトしているか否かについての決定がな
される(ブロック170)。もし否定であれば、検出回
路はP波が生起するかどうかを検出するべく能動状態に
とどまる(ブロック162)。
【0097】もしP波が検出されないならば(ブロック
162)、ACP間隔が開始されているか否かについて
の決定がなされる(ブロック163)。このような決定
は単にP波検出決定ブロック(ブロック162)を通じ
ての“第2のパス”に応用可能性を有する。“第2のパ
ス”は、P波が“第1のパス”の間に検出されており
(ブロック164)、PVARPがタイムアウトしてお
らず(ブロック164)、ACP間隔が開始されており
(ブロック166)、またSIR VADがタイムアウ
トしていない(ブロック170)時に生起し、それによ
り“第2のパス”に対する制御をP波検出決定プログラ
ム(ブロック162)を通じて戻す。もし、このような
第2のパスの後に、ACPが開始されているならば(ブ
ロック163)、SIR VADがタイムアウトしてい
るか否かについての決定がなされる(ブロック17
0)。
【0098】いったんSIR VADがタイムアウトす
ると、ACP間隔が、もしあるとすれば、タイムアウト
しているか否かについての決定がなされる(ブロック1
72)。もし否定であれば、禁止オプションが選択され
ているか否かについての決定がなされる(ブロック17
3)。禁止オプションはAパルスが禁止される図3
(D)に結び付けて先に説明されたオプションである。
もし禁止オプションが選択されているならば、Aパルス
が禁止される(ブロック176)。もし禁止オプション
が選択されていないならば、図3(E)に結び付けて先
に説明された遅延オプションが選択されているとみなさ
れる。こうして、ブロック172で決定されるように、
ACP間隔がタイムアウトするまでは何事も起こらな
い。
【0099】ACP間隔がタイムアウトする時(ブロッ
ク172)、Aパルスが発生される(ブロック17
4)。いずれかの場合に、すなわちAパルスの発生(ブ
ロック174)もしくはAパルスの禁止(ブロック17
6)の後に、A‐V遅延がその後に開始され(ブロック
178)、またペースメーカは正常なDDDRモードで
作動し続ける。もしプログラム可能な選択であるDDD
R整調が継続すべきであれば(ブロック182)、プロ
セスは繰り返し、検出回路は場合によってはDDDR整
調サイクルの間の適切な時点でP波の検出を許される
(ブロック162)状態におかれる。
【0100】図4からわかるように、P波が検出され、
またPVARPがタイムアウトしていないかぎり、AC
P間隔が開始される。もしACP間隔が先に開始されて
いれば、ACP間隔が再開始される。この仕方で、PV
ARPの間に検出される最後の心房活動がACP間隔を
トリガ(再開始)する。従って、Aパルスは、少なくと
もPVARPの間に生起する最後の心房活動の後のAC
P間隔のタイムアウトまで、発生され得ない。
【0101】同じく図4からわかるように、もしP波が
検出されず(ブロック162)、またACPが開始され
ていない(ブロック163)ならば、SIR VADが
タイムアウトしているか否かについての決定がなされる
(ブロック165)。もしそれがタイムアウトしていな
いならば、システムはP波の生起を待ち続ける(ブロッ
ク162)。もしそれがタイムアウトしているならば、
通常のデマンドペースメーカ作動でAパルスが発生され
る(ブロック174)。
【0102】次に図5を参照すると、DDDR作動モー
ドで作動するべくプログラムされているレート応答デュ
アルチャンバペースメーカの心房競合の確率を減ずる意
図の代替的な方法が示されている。本質的に、この方法
は(a)内因性P波を検出し;(b)検出される内因性
P波が、増大しており、また少なくとも参照レートの速
さである内因性心房レートで生起しているかどうかを決
定し;(c)検出される内因性心房レートが増大してお
り、また少なくとも参照レートの速さであることがステ
ップ(b)で決定される場合には、DDDR作動モード
と組み合わされる心室後心房不応周期(PVARP)を
短縮し;また(d)検出される内因性心房レートが参照
レートに等しくまたはそれよりも大きいかぎりは、短縮
されたPVARPでペースメーカをDDDR作動モード
で作動させるステップを含んでいる。
【0103】一層詳細には、図5中に見られるように、
DDDR整調モードの開始後に(ブロック190)、内
因性心房レートARがモニタされる(ブロック19
2)。任意の通常の手段がARを決定するのに使用され
得る。たとえば、P‐P間隔が測定され、また先のn心
臓サイクルにわたり平均化され得る(ここにnは5のよ
うな整数)。いったんARが決定されると、ARが参照レ
ートREFRに近接しているか否かについての決定がな
される(ブロック194)。(図5は“レート”をモニ
タかつ測定するという用語で説明されているが、同一の
結果が“周期”をモニタかつ測定することにより得られ
ることは理解されよう。なぜならば、一方は単に他方の
逆数であるからである。) 次に、ARがREFRに近接
しているか否かについての決定がなされる(ブロック1
94)。すなわち、内因性P波のレートが、所与のP波
がPVARPのなかに落ちるかもしれないように十分に
速く増大しているか否かについての決定がなされる。
【0104】所与のP波がPVARPのなかに落ちるか
もしれないか否かについての決定は、増大する内因性P
波レートのなかで観察されている傾向に基づく推定を行
うことを含んでいる。この推定は任意の適当な決定技術
を使用してなされる。たとえば、P‐P間隔がどれだけ
変化したか(ΔP−P)を決定するため、最も新しいP
‐P間隔(または最も新しいP‐P間隔平均)の値PP
iが第2の最も新しいP‐P間隔(または第2の最も新
しいP‐P間隔平均)PPi-1と比較される。このΔP
−Pの値は次いで、もし同一の傾向が継続するならば、
次のP‐Pがとると考えられる推定値を得るためにPP
iから差し引かれる。このPPi+1の推定値はREFR
組み合わされている対応する間隔PPR比較される。P
R値はARPよりもほんの少し長く選定されている。
従って、もしPPi+1がPPRよりも小さいならば、それ
は次のP波がおそらくPVARPのなかに落ちることを
意味する。
【0105】いったん、ARがREFRに近接しており
(ブロック194)、従ってまたP波がやがてPVAR
Pのなかに落ちるであろうという決定がなされると、も
しPVARPが先に短縮されていないならば(ブロック
196)、PVARPが自動的に短縮される(ブロック
198)。PVARPが短縮される大きさは医師により
プログラム可能に選定されており、また典型的に50〜
200ミリ秒である。いったんPVARPが短縮される
と、ペースメーカは短縮されたPVARPを使用してD
DDR作動モードで作動する。
【0106】短縮されたPVARPを使用してのペーサ
の作動でも正常なPVARPを使用してのペーサの作動
でも、ARがREFRに近接しているか否かについての決
定(ブロック194で行われる)は、ARがREFRに近
接していないか否か、すなわちP波がPVARPのなか
に落ちないことを保証するべくARがREFRから十分に
除かれているか否かについての指示としても使用され得
る。もしP波が元のPVARPのなかに落ちそうでない
ならば、またPVARPが先に短縮されている(ブロッ
ク200)ことを仮定して、PVARPの値はその元の
値に戻される(ブロック202)。その後に、ペーサ
は、他の仕方でプログラムされるまで(ブロック20
6)、内因性P波が正常なPVARPのなかに落ちそう
か否かに関係して、正常なPVARPまたは短縮された
PVARPを使用して、そのDDDRモードで作動する
(ブロック204)。
【0107】次に図6を参照すると、図5に示されてい
る方法の変形例が示されている。図6に示されている方
法は、ARが参照値REFRに近接しているという決定時
に予め定められた大きさだけPVARPを短縮する代わ
りに、PVARPがセンサ指示レートSIRの逆関数と
して調節されることを例外として、本質的に図5に示さ
れている方法と同一である。こうして、この可変PVA
RPアプローチを使用してのDDDR整調の開始時に
(ブロック191)、内因性心房レートARがモニタさ
れる(ブロック193)。もしARが、非常に低く、た
とえばペースメーカの休止レートのように低くてよい参
照レートREFRよりも大きくまたはそれに等しいとい
う決定がなされると(ブロック195)、PVARPは
SIRの関数として調節され(ブロック205)、また
ペーサはDDDR整調モードで作動し続ける(ブロック
201)。PVARPとSIRとの間の関係は好ましく
はプログラム可能であり、またPVARPをSIRの各
測定されたインクリメントに対して第1の予め定められ
た大きさだけ短縮させる。こうして、たとえば、10p
pmのSIRの増大はPVARPを10または20ミリ
秒短縮させる。同様に、10ppmのSIRの減少はP
VARPを10または20ミリ秒延長させる。
【0108】ARが参照レートREFRの下に落ちるとす
ると(ブロック195)、もしPVARPが先に調節さ
れていないならば(ブロック197)、PVARPがそ
の元の値に戻される(ブロック199)。こうして、R
EFRを適切な値に選定することにより、REFRの上の
Rの任意の増大はPVARPを徐々に短縮させ、また
次いでARがREFの下に戻るまで徐々に延長させ、そ
の時点でPVARPはその元の値にとどまる。しかし、
REFの下のARの任意の最初の減少はPVARPの値
を変化させない。こうして、PVARPはAが最初に増
大する時にのみSIRにより制御されるものとして変化
し、それが最初に伝承する時には変化しない。
【0109】次に図7を参照すると、本発明のさらに他
の実施例がフローチャートの形態で示されている。本発
明のこの実施例は上記の実施例と同じく、DDDR作動
モードで作動するべくプログラムされている(ブロック
210)レート応答デュアルチャンバペースメーカを作
動させる方法を提供する。図4、図5および図6に関連
して先に説明した心房競合の防止を意図する方法と対照
的に、図7に示されている方法は心房不整脈を検出する
ことと、心室整調レートをそのいったん検出されたレー
トから引き離すこととを意図している。先に示したよう
に、このような方法は単独でも図4、図5または図6の
方法と組み合わせても実施され得る。
【0110】図7の方法が使用されるペースメーカは、
検出される生理学的パラメータに基づく需要に応じてペ
ースメーカが患者の心臓を整調すべき好ましいレートを
示すセンサ指示レート(SIR)を定めるための生理学
的センサ手段を含んでいることは理解される。広く言っ
て、本方法は(a)内因性P波を検出し;(b)検出さ
れる内因性P波がSIRよりもはるかに大きいレートで
生起しているか否かを決定し;(c)検出される内因性
心房レートがSIRよりも大きいことがステップ(b)
で決定される場合には、ペースメーカのDDDR作動モ
ードと組み合わされている最大追跡間隔(MTI)を延
長し、それによりDDDR作動モードと組み合わされて
いる最大追跡レートを減少し;また(d)検出される内
因性心房レートがSIRに等しいかそれよりも大きいか
ぎり、延長されたMTIを有するDDDR作動モードで
ペースメーカを作動させるステップを含んでいる。
【0111】一層詳細には、また図7を参照して、本方
法はDDDRモードでの整調の最初のステップで開始す
る(ブロック210)ことが見られる。その後に、内因
性心房レートARがモニタされる(ブロック212)。
P波がPVARPの間に生起する時にも、このようなP
波は、ARが決定され得るように、なおモニタされる。
内因性心房レートARの値はセンサ指示レートSIRと
比較される。もしARがSIRよりも実質的に大きいな
らば(ブロック214)、もしそれが先に減ぜられてい
ないならば(ブロック216)、ペースメーカの最大追
跡レート(MTR)が減ぜられる(ブロック218)。
もしARがSIRよりも実質的に大きくないならば(ブ
ロック214)、またもしMTRが先に減ぜられていな
いならば(ブロック222)、ペースメーカのDDDR
モードで作動し続ける(ブロック220)。もしMTR
が先に減ぜられているが、ARがSIRよりも実質的に
大きくないという決定が(ブロック214で)なされる
ならば、MTRはその元の値に戻され(ブロック22
4)、またペーサはその後に、DDDRモードがプログ
ラムされたモードとしてとどまるかぎり(ブロック22
6)、そのDDDRモードに従って作動する(ブロック
220)。
【0112】ペースメーカの最大追跡レートMTRは最
大追跡間隔(MTI)をプログラム可能にセットするこ
とにより決定され、また需要に応じて刺激パルスを与え
るためにペースメーカが内因性心臓活動を追跡し得る最
高のレートを定める。(MTRおよび組み合わされるM
TIの一層完全な説明は先に参照した米国特許第 4,78
8,980号明細書および(または)米国特許第 4,712,555号
明細書に見い出され得る。)
【0113】ARがSIRよりも実質的に大きいという
決定(ブロック214)は、ペースメーカと共に使用さ
れている生理学的センサが機能していると仮定して心房
不整脈条件が存在することの確実な指示を与える。すな
わち、もし速い心房レートが増大した生理学的需要に起
因するものであったならば、SIRは心房レートと釣り
合って増大するであろう。しかし、ARとSIRとの間
に大きい相違が存在するならば、それは何かが悪いとい
う指示である。有利に、ペーサの最大追跡レートの減少
は速い心房レートに関係付けられる患者の症候を最小化
する。追加的に、速い検出される心房レートが1:1退
化VA伝導に関係付けられとすると、整調される心室レ
ートの減少は有利である。もし不整脈が停止していれ
ば、ARはSIRに近いレートに戻るべきであり、また
MTRはその元の値に戻され得る(ブロック224)。
(MTRの減少は典型的にMTIの継続長さの増大によ
り実現される。)ブロック214により決定されるよう
なこの応答を生ずるのにSIRの上であることを要求さ
れるAの値は製造者によりまたは医師によりプログラム
可能な値により予めセットされ得る。
【0114】続けて図7を参照すると、もしARがSI
Rよりも実質的に大きいならば、またもしMTRが既に
減ぜられているならば(ブロック216)、持続される
時間周期にわたりARがSIRよりも実質的に大きかっ
たか否かについてのその後の決定がなされる。持続され
る時間周期は60秒のような固定された時間周期とし
て、もしくは150のような心臓サイクルの予め定めら
れた数m(ここでmは整数)として定められる。もし、
ブロック228で決定されたようにMTRが最初に減ぜ
られた後に、持続される時間周期が経過していないなら
ば、ペーサはそのプログラムされたDDDRモードで作
動し続ける(ブロック220)。しかし、もし、MTR
が最初に減ぜられた後に、持続される時間周期が経過し
ているならば、すなわち心房不整脈が定められた持続さ
れる時間周期にわたり残存しているならば、整調モード
は自動的にVVIRモードのようなシングルチャンバ整
調モードに切換えられる(ブロック230)。作動は、
再プログラム変更がなされるまで(ブロック234)ま
たは検出される心房レートARが受容可能なレベルに減
ずるまで(ブロック236〜242)、新しいモードで
開始する(ブロック232)。
【0115】もし持続される時間周期にわたり不整脈が
継続するならば(ブロック228)、それは何かが悪い
ことの指示であり、またVVIRモードのような代替的
なモードへの切換が、何が問題であるか、またそれを補
正するのに何がなされ得るかを医師が十分に評価し得る
時点まで、問題に対処する最も安全で最も有効な対策で
ある。
【0116】結論として、また上記のように、本発明
は、心房不整脈を防止するセンサ駆動モードで作動する
デュアルチャンバペースメーカおよびこのようなペース
メーカを作動させる方法を提供する。これは自然に生起
するP波と心房刺激パルスとの間の心房競合の確率を最
小化することによりなされる。ACP実施例と呼ばれる
1つの実施例では、ペースメーカはペースメーカの心室
後心房不応周期(PVARP)の間に心房活動を検出
し、またその後の予め定められた時間間隔の間にすべて
の心房刺激パルスが発生されるのを防止し、それにより
常に少なくとも予め定められた時間間隔が検出される心
房活動と心房刺激パルスとの間に存在することを保証す
ることによって心房競合を最小化する。ARV実施例と
呼ばれる他の実施例では、ペースメーカは、元の短縮さ
れないPVARPが終了する心臓サイクル中の時間の終
端の近くに心房刺激パルスをおくかもしれないレートに
センサ駆動レートが近接する時には常にPVARPを自
動的に短縮し、それにより、もしPVARPの後に検出
されるならば心房刺激パルスの発生を禁止する心房活動
が検出され得る(PVARP後の)時間周期を増大する
ことによって心房競合を最小化する。
【0117】さらに先の説明からわかるように、本発明
は、心房刺激パルスが与えられる時にそれが心臓を捕獲
することを保証するデュアルチャンバのセンサ駆動ペー
スメーカおよびその作動方法を提供する。これは、自然
に生起するP波と競合するであろう時点で、すなわち心
臓組織が不応性であり、刺激パルスに正しく応答するこ
とができない時点で心房刺激パルスが与えられないこと
を保証することによりなされる。
【0118】また上記の説明からわかるように、本発明
は、心房不整脈を検出しそれに応答するための選択可能
な手段を含んでいるデュアルチャンバのプログラム可能
なレート応答ペースメーカを提供する。これは、検出さ
れる心房レートとセンサ駆動との間に大きい相違が存在
する時には常に心房不整脈を検出するようにペースメー
カをプログラムすることにより成就される。いったんこ
のような不整脈が検出されると、ペースメーカはペース
メーカの最大追跡レートを自動的に減少させ、かつ(ま
たは)ペースメーカの作動モードをDDDRのようなデ
ュアルチャンバレート応答モードからVVIRのような
シングルチャンバ心室レート応答モードへ切換えるため
の手段を含んでいる。
【0119】以上に本発明を特定の実施例およびそれら
の応用について説明してきたが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々
の変形が特許請求の範囲にあげられている本発明の範囲
から外れることなく当業者により行われ得よう。
【図面の簡単な説明】
【図1】デュアルチャンバのプログラム可能なレート応
答ペースメーカのブロック図。
【図2】図1のペースメーカの制御論理回路の1つの可
能な実施例のブロック図。
【図3】心房競合の問題を示す一連の波形およびペース
メーカタイミング間隔(A)〜(F)を示し、さらにこ
の問題を本発明の1つの実施例の変形が心房競合防止
(ACP)間隔の発生によりどのように解決するかを示
すタイミングダイアグラム。
【図4】本発明の代表的な実施例による図1のペースメ
ーカの作動を示すフローチャートダイアグラム。
【図5】本発明の代表的な実施例による図1のペースメ
ーカの作動を示すフローチャートダイアグラム。
【図6】本発明の代表的な実施例による図1のペースメ
ーカの作動を示すフローチャートダイアグラム。
【図7】本発明の代表的な実施例による図1のペースメ
ーカの作動を示すフローチャートダイアグラム。
【符号の説明】
10 ペースメーカ 12 心臓 14、16 リード線 15、17 電極 18 心房パルス発生器 20 心室パルス発生器 22 心房検出増幅器 24 心室検出増幅器 26 制御システム 28、30 信号線 40 メモリ回路 44 テレメトリ回路 46 命令/データバス 48 外部プログラマ 50 通信リンク 52 センサ 60 状態レジスタ 62 状態論理回路 64 状態バス 66 入力デコード論理回路 68 マルチプレクサ 70 レート決定論理回路 72 信号線 74 メモリ制御回路 75、77 信号線 76 タイマ 78 タイムアウトデコード論理回路 80 信号線 82 発振器

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DDDRおよびVVIR作動モードで作
    動するべく構成されたレート応答デュアルチャンバペー
    スメーカにおいてペースメーカの作動モードを選択する
    ため、 生理学的整調レートを定めるための手段と、 前記生理学的整調レートを維持するために心房および
    (または)心室刺激パルスが前記ペースメーカにより発
    生されるべき時点を示すタイミング信号を発生するため
    の制御手段と、 内因性心房活動を示すP波および内因性心室活動を示す
    R波のような心房および心室活動を検出するため前記制
    御手段に結合されている検出手段とを含んでおり、前記
    制御手段は内因性P波および(または)R波の不存在中
    に必要とされる需要に応じて心房および(または)心室
    刺激パルスを発生するのに必要とされるタイミング信号
    を発生し、 前記タイミング信号に応答して前記心房および(また
    は)心室刺激パルスを発生するため前記制御手段に結合
    されている刺激パルス発生手段と、 前記ペースメーカが需要に応じて前記心房および(また
    は)心室刺激パルスを発生するのを許される最大レート
    を定めるための手段と、 内因性心房レートを決定するため連続するP波間の時間
    間隔を検出するためのレート決定手段と、 前記の検出される内因性心房レートが前記生理学的整調
    レートを超過するかどうかを決定するための比較手段
    と、 前記最大レートを減少するため、および検出される内因
    性心房レートが予め決定された値により生理学的整調レ
    ートを超過する時に前記ペースメーカの作動モードを選
    択するため前記比較手段に応答する手段とを含んでいる
    ことを特徴とするレート応答デュアルチャンバペースメ
    ーカ。
  2. 【請求項2】 前記心房パルス防止手段が、心室刺激パ
    ルスが発生される時点を制御するタイミング信号の変化
    なしに心房刺激パルスが発生されるのを防止するべく作
    動し、それにより前記生理学的整調レートを維持するこ
    とを特徴とする請求項1記載のレート応答デュアルチャ
    ンバペースメーカ。
  3. 【請求項3】 前記心房パルス防止手段が、前記心房お
    よび(または)心室刺激パルスが発生される時点を遅延
    させるように前記制御手段により発生されるタイミング
    信号を遅延させることを特徴とする請求項1記載のレー
    ト応答デュアルチャンバペースメーカ。
  4. 【請求項4】 前記心房パルス防止手段が、 前記PVARP中に検出される心房活動に応答して心房
    競合防止(ACP)間隔を発生するための手段と、 前記ACP間隔中に心房刺激パルスが発生されるのを防
    止するための手段とを含んでおり、それによって心房整
    調パルスが少なくとも前記ACP間隔にわたり前記PV
    ARP中に生起する検出される心房活動と競合して発生
    されないことを特徴とする請求項1記載のレート応答デ
    ュアルチャンバペースメーカ。
  5. 【請求項5】 前記ACP間隔が予め定められた継続時
    間を有することを特徴とする請求項4記載のレート応答
    デュアルチャンバペースメーカ。
  6. 【請求項6】 前記ACP間隔の前記の予め定められた
    継続時間が約250〜350ミリ秒を含んでいることを
    特徴とする請求項5記載のレート応答デュアルチャンバ
    ペースメーカ。
  7. 【請求項7】 前記心房パルス防止手段が、 内因性心房レートを決定するためのレート決定手段と、 前記の検出される内因性心房レートが参照レートに近接
    しているかどうかを決定するための第1の比較手段と、 前記第1のPVARPを第2のPVARPに変更するた
    め前記第1の比較手段に応答する手段とを含んでおり、
    前記第2のPVARPは前記第1のPVARPと異なる
    ことを特徴とする請求項1記載のレート応答デュアルチ
    ャンバペースメーカ。
  8. 【請求項8】 前記第2のPVARPが前記第1のPV
    ARPよりも約50〜200ミリ秒短いことを特徴とす
    る請求項5記載のレート応答デュアルチャンバペースメ
    ーカ。
  9. 【請求項9】 前記第2のPVARPが前記生理学的整
    調レートの逆関数として変化することを特徴とする請求
    項7記載のレート応答デュアルチャンバペースメーカ。
  10. 【請求項10】 前記第2のPVARPが、前記生理学
    的整調レートが最初に増大するときにのみ、前記生理学
    的整調レートの逆関数として変化することを特徴とする
    請求項7記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  11. 【請求項11】 前記最大レートを減少するため前記比
    較手段に応答する手段を含んでいることを特徴とする請
    求項1記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  12. 【請求項12】 前記内因性心房レートが引き続く時間
    周期にわたり予め決められた値により前記生理学的整調
    レートを超過するかどうかを決定し、またそうであれ
    ば、前記ペースメーカの作動モードを前記DDDRモー
    ドからシングルチャンバレート応答作動モードへ自動的
    に切換えるための手段を含んでいることを特徴とする請
    求項1記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  13. 【請求項13】 前記ペースメーカが自動的に切換えら
    れる前記シングルチャンバレート応答作動モードがVV
    IR作動モードを含んでいることを特徴とする請求項1
    2記載のレート応答デュアルチャンバペースメーカ。
  14. 【請求項14】 センサにより指示されるレート(SI
    R)信号に従って心臓の心房および心室内で検出および
    整調するための手段と、プログラムされた作動モードに
    従って刺激パルスを発生または禁止するための制御手段
    と、前記SIR信号を発生するための生理学的センサ手
    段とを有するレート応答デュアルチャンバペースメーカ
    において、心房競合を防止するため、 心房不応周期中に内因性心房活動を検出するための検出
    手段と、 前記心房不応周期中の前記内因性心房活動の検出に応答
    して心房競合防止(ACP)間隔を開始するためのタイ
    ミング手段と、 すべての前記心房整調パルスが前記ACP間隔の間に発
    生されるのを防止するため前記検出手段に応答する禁止
    手段とを含んでいることを特徴とするレート応答デュア
    ルチャンバペースメーカ。
  15. 【請求項15】 前記禁止手段が、前記制御手段が前記
    SIR信号に応答して心室整調パルスを発生または禁止
    するレートに影響せず、それによって心房整調パルス
    が、少なくとも前記ACP間隔の継続時間にわたり前記
    心房不応周期中に生起する内因性心房活動と競合して発
    生されないことを特徴とする請求項14記載のレート応
    答デュアルチャンバペースメーカ。
  16. 【請求項16】 前記禁止手段が前記ACP間隔の終了
    まですべての心房整調パルスの発生を遅延させることを
    特徴とする請求項14記載のレート応答デュアルチャン
    バペースメーカ。
  17. 【請求項17】 前記ACP間隔が約250〜350ミ
    リ秒の範囲内の時間周期を含んでいることを特徴とする
    請求項14記載のレート応答デュアルチャンバペースメ
    ーカ。
  18. 【請求項18】 DDDR作動モードで作動するべくプ
    ログラムされているレート応答デュアルチャンバペース
    メーカを、自然心房活動と競合する可能性のある心房刺
    激パルスの発生を避けるように作動させるための方法に
    おいて、 (a)内因性P波を検出する過程と、 (b)所与の検出される内因性P波が、前記ペースメー
    カのプログラムされた作動モードと組み合わされた心室
    後心房不応周期(PVARP)の間に生起したかどうか
    を決定する過程とを含んでおり、前記PVARPはすべ
    ての検出または整調される心室活動に続いて前記ペース
    メーカにより発生され、 (c)検出される内因性P波がPVARPの間に生起し
    ないことが過程(b)で決定された場合には、心房競合
    防止(ACP)周期を開始する過程と、 (d)前記心房刺激パルスがさもなければ前記のプログ
    ラムされたDDDR作動モードにより発生されるであろ
    う時間により前記ACP周期がタイムアウトしていない
    場合にも、前記ACP周期の間にすべての心房刺激パル
    スの発生を防止する過程とを含んでいることを特徴とす
    るレート応答デュアルチャンバペースメーカの作動方
    法。
  19. 【請求項19】 前記ACP周期がプログラム可能な時
    間間隔を含んでおり、それによって、前記時間間隔がP
    VARPの間に生起する内因性P波に続いて経過し終わ
    るまで、心房刺激パルスが前記DDDRモードで作動し
    ている前記ペースメーカにより発生され得ないことを特
    徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 生理学的センサにより決定されるレー
    トで需要に応じて刺激パルスを発生するようにDDDR
    作動モードで作動するべくプログラムされているレート
    応答デュアルチャンバペースメーカを自然心房活動と競
    合する可能性のある心房刺激パルスの発生を避けるよう
    に作動させるための方法において、 (a)内因性P波を検出する過程と、 (b)検出される内因性P波が、少なくとも参照レート
    の速さである内因性心房レートで生起しているかどうか
    を決定する過程と、 (c)検出される内因性心房レートが少なくとも参照レ
    ートの速さであることが過程(b)で決定された場合
    に、前記DDDR作動モードと組み合わされた心室後心
    房不応周期(PVARP)を変更する過程と、 (d)検出される内因性心房レートが前記参照レートと
    等しいかそれよりも大きい限り、前記の変更されたPV
    ARPにより前記ペースメーカを作動させる過程とを含
    んでいることを特徴とするレート応答デュアルチャンバ
    ペースメーカの作動方法。
  21. 【請求項21】 検出される内因性心房レートが増大し
    ておらず、また前記参照レートよりも小さい場合に、P
    VARPをその初期値に戻す過程を含んでいることを特
    徴とする請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記PVARPを変更する過程が前記
    PVARPを短縮する過程を含んでいることを特徴とす
    る請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記PVARPを短縮する過程がそれ
    を予め定められた大きさに短縮する過程を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記PVARPを短縮する過程が、前
    記生理学的センサにより決定されるレートに逆比例する
    大きさに短縮する過程を含んでいることを特徴とする請
    求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 DDDR作動モードで作動するべくプ
    ログラムされているレート応答デュアルチャンバペース
    メーカであって、検出された生理学的パラメータに基づ
    く需要に応じてペースメーカが患者の心臓を整調すべき
    好ましいレートを示すセンサにより決定されるレート
    (SIR)を定めるための生理学的センサ手段を含んで
    おり、さらに患者の心臓が前記ペースメーカにより需要
    に応じて整調され得る最大追跡レートを定めるための手
    段を含んでいるペースメーカを作動させるための方法に
    おいて、 (a)内因性P波を検出する過程と、 (b)検出される内因性P波が前記SIRよりもはるか
    に大きいレートで生起しているかどうかを決定する過程
    と、 (c)検出される内因性心房レートが前記SIRよりも
    大きいことが過程(b)で決定された場合に、前記ペー
    スメーカの最大追跡レートを減ずる過程と、 (d)検出される内因性心房レートが前記SIRと等し
    いかそれよりも大きい限り、前記の減ぜられた最大追跡
    レートにより前記DDDR作動モードで前記ペースメー
    カを作動させる過程とを含んでいることを特徴とするレ
    ート応答デュアルチャンバペースメーカの作動方法。
  26. 【請求項26】 検出される内因性P波が前記SIRよ
    りもはるかに大きくない場合に最大追跡レートをその初
    期値に復帰させる過程を含んでいることを特徴とする請
    求項25記載のペースメーカの作動方法。
  27. 【請求項27】 検出される内因性P波が引き続く時間
    周期にわたり予め決められた値によりSIR信号を超過
    するかどうかを決定し、またそうであれば、前記ペース
    メーカの作動モードを前記DDDRモードからVVIR
    モードのようなシングルチャンバレート応答作動モード
    へ自動的に切換える過程を含んでいることを特徴とする
    請求項25記載のペースメーカの作動方法。
  28. 【請求項28】 センサにより指示されるレート(SI
    R)信号に従って心臓の心房および心室内で検出および
    整調するための手段と、プログラムされた作動モードに
    従って刺激パルスを発生または禁止するための制御手段
    と、前記SIR信号を発生するための生理学的センサ手
    段とを有するレート応答デュアルチャンバペースメーカ
    において、心房競合を防止するためのシステムが、 心房不応周期中に内因性心房活動を検出するための検出
    手段と、 前記の検出される心房レートが、おそらくP波を前記心
    房不応周期のなかに置くように、増大しているかどうか
    を推定するための推定手段と、 前記心房不応周期を変更するため前記推定手段に応答す
    る手段と、 さもなければ前記SIR信号に従って発生されるてあろ
    うすべての心房整調パルスが発生されるのを防止するた
    め前記推定手段に応答する防止手段とを含んでおり、そ
    れによって心房整調パルスが前記の予め変更された心房
    不応周期の間におそらく生起すると推定される内因性心
    房活動と競合して発生されないことを特徴とするレート
    応答デュアルチャンバペースメーカ。
  29. 【請求項29】 前記心房不応周期を変更するための前
    記手段が前記心房不応周期を予め定められた大きさだけ
    短縮するための手段を含んでいることを特徴とする請求
    項28記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  30. 【請求項30】 前記心房不応周期が約50〜200ミ
    リ秒の範囲内の値だけ短縮されることを特徴とする請求
    項29記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  31. 【請求項31】 前記心房不応周期を変更するための前
    記手段が、前記SIR信号の変化に逆比例する大きさだ
    け前記心房不応周期を変更するための手段を含んでお
    り、それにより、前記SIR信号により指示されるレー
    トが増大するにつれて前記心房不応周期が短縮され、ま
    た前記SIR信号により指示されるレートが減少するに
    つれて前記心房不応周期が延長されることを特徴とする
    請求項28記載のレート応答デュアルチャンバペースメ
    ーカ。
  32. 【請求項32】 前記防止手段が、前記心房不応周期の
    間に検出される心房活動に応答して心房競合防止(AC
    P)間隔を発生するための手段と、前記ACP間隔の間
    にすべての心房刺激パルスが発生されるのを遅延または
    禁止するための手段とを含んでいることを特徴とする請
    求項28記載のレート応答デュアルチャンバペースメー
    カ。
  33. 【請求項33】 前記最大レートが減ぜられた場合にお
    よび前記検出される内因性心房レートが前記生理学的整
    調レートよりも有意に大きくない場合に最大レートを回
    復するための前記比較手段に応答する第1の回復手段を
    含んでいることを特徴とする請求項1記載のレート応答
    デュアルチャンバペースメーカ。
  34. 【請求項34】 ペースメーカをDDDR整調モードで
    作動させるため第1の回復手段に応答する手段を含んで
    いることを特徴とする請求項33記載のレート応答デュ
    アルチャンバペースメーカ。
  35. 【請求項35】 内因性心房レートが予め決定された値
    に減少する時にペースメーカをDDDR整調モードに回
    復するための第2の回復手段を含んでいることを特徴と
    する請求項12記載のレート応答デュアルチャンバペー
    スメーカ。
  36. 【請求項36】 少くともDDDRおよびVVIR作動
    モードで作動するべく構成されたレート応答デュアルチ
    ャンバペースメーカにおいてペースメーカの作動モード
    を選択するため、 生理学的整調レートを定めるための手段と、 前記生理学的整調レートを維持するために心房および
    (または)心室刺激パルスが前記ペースメーカにより発
    生されるべき時点を示すタイミング信号を発生するため
    の制御手段と、 内因性心房活動を示すP波および内因性心室活動を示す
    R波のような心房および心室活動を検出するため前記制
    御手段に結合されている検出手段とを含んでおり、前記
    制御手段は内因性P波および(または)R波の不存在中
    に必要とされる需要に応じて心房および(または)心室
    刺激パルスを発生するのに必要とされるタイミング信号
    を発生し、 前記タイミング信号に応答して前記心房および(また
    は)心室刺激パルスを発生するため前記制御手段に結合
    されている刺激パルス発生手段と、 前記ペースメーカが需要に応じて前記心房および(また
    は)心室刺激パルスを発生するのを許される最大レート
    を定めるための手段と、 内因性心房レートを決定するため連続するP波間の時間
    間隔を検出するためのレート決定手段と、 前記の検出される内因性心房レートが前記生理的整調レ
    ートを超過するかどうかを決定するための比較手段と、 検出される内因性心房レートが予め決定された値により
    生理学的整調レートを超過する時に前記ペースメーカの
    作動モードを選択するため前記比較手段に応答する手段
    とを含んでいることを特徴とする請求項28記載のレー
    ト応答デュアルチャンバペースメーカ。
JP5314297A 1992-11-19 1993-11-19 デュアルチャンバペースメーカおよびその作動方法 Withdrawn JPH06197993A (ja)

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US07/979132 1992-11-19
US07/979,132 US5342405A (en) 1991-08-05 1992-11-19 System and method for selecting a mode of operation of a dual-chamber pacemaker

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