JP2820901B2 - ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 - Google Patents
ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法Info
- Publication number
- JP2820901B2 JP2820901B2 JP6309656A JP30965694A JP2820901B2 JP 2820901 B2 JP2820901 B2 JP 2820901B2 JP 6309656 A JP6309656 A JP 6309656A JP 30965694 A JP30965694 A JP 30965694A JP 2820901 B2 JP2820901 B2 JP 2820901B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- producing
- precursor composition
- film
- glass
- boiling point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
体組成物とその製造方法に係り、詳しくはガラス、陶磁
器、タイル、プラスチック等の着色材のマトリックス、
ガラスフィルター、赤外線あるいは紫外線のカットフィ
ルター、コーティング材等に使用されるガラス状膜製造
用の前駆体組成物とその製造方法に関する。
仕切りガラス、棚板ガラス等は、施工現場で種々の設計
に応じて種々の形状に裁断されるため、2次加工性が必
要になりつつある。しかも、ガラスの着色も必要になっ
てきた。
ガラスフリット、顔料、バインダーからなる着色剤をガ
ラス表面に印刷し、500°C以上の温度で焼き付ける
ガラスフリット法、着色したポリエステルフィルムをポ
リブチラールフィルムで積層し、更にガラス板で積層し
た5層構造の合わせガラスを作製する合わせガラス法、
あるいは塗料用の有機樹脂に顔料を添加しガラス板の表
面にスプレー、刷毛塗り等の方法で塗布し、300°C
以下の温度で熱処理して硬化、着色する有機樹脂法が知
られている。
ト法では、500°C以上の温度で焼き付けるため、冷
却時にガラスが半強化状態になってガラス裁断の2次加
工性が出来ない問題があり、また上記合わせガラス法で
は、構造、製造工程が複雑であってコスト高になる欠点
があった。更に、有機樹脂法では、低沸点溶剤を使用し
ているために、スクリーン印刷がしにくく、またガラス
との接着性が悪いために耐酸、耐アルカリ性といった耐
薬品性が劣る問題を有していた。
であり、比較的低温で焼き付けることができてガラスの
2次加工が可能となり、ガラスとの接着性を高めるとと
もに耐酸、耐アルカリ性といった耐薬品性を向上させ、
更に連続してスクリーン印刷が可能になるガラス状膜製
造用の前駆体組成物とその製造方法を提供することを目
的とする。
るところは、有機樹脂に、ウレイド基を含有した3官能
性のシリコンアルコキシドを1〜20重量%、及び15
0〜250°Cの沸点を有する高沸点溶剤を少なくとも
含んでいるガラス状膜製造用の前駆体組成物にある。ま
た、本発明は有機樹脂がアクリル樹脂とメラミン樹脂の
混合物からなる場合や、ウレイド基を含有した3官能性
のシリコンアルコキシドが、γ−ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、そしてγ−ウレイドプロピルトリメト
キシシランから選ばれた少なくとも1種である場合や、
高沸点溶剤の添加量が30〜70重量%である場合も含
む。
樹脂の混合物からなる有機樹脂に、γ−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、そしてγ−ウレイドプロピルト
リメトキシシランから選ばれた少なくとも1種のウレイ
ド基を含有した3官能性のシリコンアルコキシドを1〜
20重量%、及び150〜250°Cの沸点を有する高
沸点溶剤を30〜70重量%を少なくとも含んでいるガ
ラス状膜製造用の前駆体組成物も含む。
有機樹脂、ウレイド基を含有した3官能性のシリコンア
ルコキシドを1〜20重量%、及び150〜250°C
の沸点を有する高沸点溶剤を少なくとも混合し、この混
合物を蒸留して低沸点溶剤を揮発させたガラス状膜製造
用の前駆体組成物の製造方法も含む。
に使用される樹脂であり、例えばアクリル樹脂、アルキ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂等の中から1種もしくは2種を混合したも
のを、トルエン、キシレン、アセトン、ブタノール、酢
酸ブチル等の沸点20〜150°Cの低沸点溶剤に溶か
したものである。不揮発の樹脂分は30〜80重量%に
なっている。本発明で使用する有機樹脂のうち、とりわ
けアクリル樹脂とメラミン樹脂との混合物がガラス状膜
の硬度、透明性、耐薬品性、耐候性、耐熱性において優
れている。
官能性のシリコンアルコキシドは、例えばγ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、そしてγ−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン等から選ばれたものである。こ
の添加量は1〜20重量%であり、好ましくは5〜15
重量%であり、1重量%未満の場合には、膜の接着性、
耐薬品性が低下する。一方20重量%を越えると、熱処
理後の膜が黄変し、耐熱性が低下する。
150〜250°Cの沸点を有するものであり、例えば
カルビトール、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダ
ゾリジノン、ターピノール、ジアセトンアルコール等が
ある。高沸点に限定した理由として、沸点が150°C
未満になると、本発明の組成物が印刷時にスクリーンの
メッシュに詰まりやすくなり、また250°Cを越える
と、熱処理時に溶剤が揮発しなくなるためである。上記
高沸点溶剤の含有量は、30〜70重量%であり、スク
リーン印刷の条件に応じて調整される。
記低沸点溶剤に溶かされた有機樹脂に、所定量のウレイ
ド基を含有した3官能性のシリコンアルコキシド、そし
て150〜250°Cの沸点を有する高沸点溶剤を混合
し、ロータリエバポレータ等を用いて20〜80°Cで
蒸留を行い、有機樹脂中の低沸点溶剤を揮発させて得ら
れる。
ィッピング、スプレー、コーティング、印刷等の方法で
塗布し、厚さ約500μmまでの膜厚に調節することが
できる。それ以上の膜厚にすると、熱処理の段階で気泡
が入りやすくなる。むろん、スクリーン印刷も可能であ
る。尚、上記熱処理は上記3成分の混合物が重縮合反応
する条件であればよく、具体的には150〜300°C
の雰囲気温度下で10〜60分間である。
れたスクリーン(例えば、ポリエステル平織物、255
メッシュ)の下に、数ミリメートルの間隔をもたせて印
刷基板(ガラス)を設置する。このスクリーンの上に上
記組成物をのせた後、スキージーを用いてスクリーン全
面に組成物を広げる。この時には、スクリーンと印刷基
板とは間隔を有している。続いて、スクリーンが印刷基
板に接触する程度にスキージーでスクリーンを押さえ付
けて移動させ、印刷をする。以後これを繰り返す。
添加材、例えばシリカ粉、各種色素、蛍光色素、紫外線
吸収剤、そして金属あるいはセラミックス粉等を使用す
ることができる。
細に説明する。 実施例1〜5 表1に示すように、実施例では、有機樹脂として酢酸ブ
チルに溶かされたアクリル樹脂とトルエンに溶かされた
ブチル化メラミン樹脂、ウレイド基を含有した3官能性
のシリコンアルコキシドとしてγ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、高沸点溶剤としてカルビトール、ジ
メチルホルムアミドを用いた。
混合し、この混合物をロータリエバポレータで80°C
にて蒸留を行い、酢酸ブチルやトルエンを揮発させた。
また、比較例5においては同様にして酢酸ブチル、トル
エンおよびアセトンを揮発させた。得られた組成物をガ
ラス板上にスクリーン印刷し、200°Cに設定された
オーブン中で30分間熱処理して重合を終え、ガラス板
上に厚さ20μmのガラス状膜を作製した。
水試験、連続印刷試験、耐熱試験を行った。得られた結
果を表1に併記する。尚、評価方法は以下の通りであ
る。
態を目視により評価した。○は膜の外観に変化がない場
合であり、×はガラス状膜がガラス板から剥離した場合
である。
ラス状膜の状態を目視により評価した。○は膜の外観に
変化がない場合であり、×はガラス状膜がガラス板から
剥離した場合である。
目視により評価した。○は膜の外観に変化がない場合で
あり、×はガラス状膜がガラス板から剥離した場合であ
る。
印刷できるか否かを評価した。○は5回以上連続してス
クリーン印刷できた場合であり、×は5回未満の連続ス
クリーン印刷中に組成物のメッシュ詰まりやかすれが起
きた場合である。
ン中で熱処理を行い、膜の状態を目視により観察した。
○は膜の外観に変化がない場合であり、×は膜が黄色に
変色した場合である。
たガラス状膜は、バランスよく優れた耐酸性、耐アルカ
リ性、耐沸水性、連続印刷性、そして耐熱性を有してい
ることが判る。
トキシシランを始めγ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
そして実施例と同様の高沸点溶剤と低沸点溶剤の酢酸ブ
チルやアセトンを用いて、表1に従ってこれらを混合し
攪拌した。得られた混合物をロータリエバポレータで8
0°Cにて蒸留を行い、酢酸ブチルやトルエンを揮発さ
せた。また、比較例5においても同様にして酢酸ブチ
ル、トルエンおよびアセトンを揮発させた。得られた組
成物をガラス板上にスクリーン印刷し、200°Cに設
定されたオーブン中で30分間熱処理して重合を終え、
ガラス板上に厚さ20μmのガラス状膜を作製した。上
記膜の耐酸試験、耐アルカリ試験、耐沸水試験、連続印
刷試験、耐熱試験の結果を表1に併記する。
ガラス状膜は、耐酸性、耐アルカリ性、耐沸水性、連続
印刷性、あるいは耐熱性のいずれかに欠けている。
き付けることができてガラスの2次加工が可能となり、
ガラスとの接着性を高めるとともに耐酸、耐アルカリ性
といった耐薬品性を向上させ、更に連続してスクリーン
印刷が可能になる効果がある。
Claims (7)
- 【請求項1】 有機樹脂に、ウレイド基を含有した3官
能性のシリコンアルコキシドを1〜20重量%、及び1
50〜250°Cの沸点を有する高沸点溶剤を少なくと
も含んでいることを特徴とするガラス状膜製造用の前駆
体組成物。 - 【請求項2】 有機樹脂がアクリル樹脂とメラミン樹脂
の混合物からなる請求項1記載のガラス状膜製造用の前
駆体組成物。 - 【請求項3】 ウレイド基を含有した3官能性のシリコ
ンアルコキシドが、γ−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン、そしてγ−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ンから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のガ
ラス状膜製造用の前駆体組成物。 - 【請求項4】 高沸点溶剤の添加量が30〜70重量%
である請求項1記載のガラス状膜製造用の前駆体組成
物。 - 【請求項5】 アクリル樹脂とメラミン樹脂の混合物か
らなる有機樹脂に、γ−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン、そしてγ−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ンから選ばれた少なくとも1種のウレイド基を含有した
3官能性のシリコンアルコキシドを1〜20重量%、及
び150〜250°Cの沸点を有する高沸点溶剤を30
〜70重量%を少なくとも含んでいることを特徴とする
ガラス状膜製造用の前駆体組成物。 - 【請求項6】 低沸点溶剤に溶かされた有機樹脂、ウレ
イド基を含有した3官能性のシリコンアルコキシドを1
〜20重量%、及び150〜250°Cの沸点を有する
高沸点溶剤を少なくとも混合し、この混合物を蒸留して
低沸点溶剤を揮発させたことを特徴とするガラス状膜製
造用の前駆体組成物の製造方法。 - 【請求項7】 低沸点溶剤は、20〜150°Cの沸点
を有している請求項6記載のガラス状膜製造用の前駆体
組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6309656A JP2820901B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6309656A JP2820901B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08143706A JPH08143706A (ja) | 1996-06-04 |
JP2820901B2 true JP2820901B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=17995686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6309656A Expired - Fee Related JP2820901B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2820901B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4791646B2 (ja) * | 2001-04-09 | 2011-10-12 | 興亜硝子株式会社 | ガラス用塗料組成物およびその硬化方法 |
DE102004060799A1 (de) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Bayer Materialscience Ag | Thermoplastische Polyurethane und deren Verwendung |
JP5992762B2 (ja) * | 2012-08-13 | 2016-09-14 | 将太 富田 | ガラス容器塗装用塗料の製造方法 |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP6309656A patent/JP2820901B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08143706A (ja) | 1996-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU708228B2 (en) | Water-based paint for glass sheets | |
CN1810693A (zh) | 用于对玻璃或者玻璃陶瓷进行上釉、上珐琅和装饰的无铅无镉玻璃 | |
KR100307649B1 (ko) | 패턴형성용시트및이를포함하는라벨 | |
CN112174531A (zh) | 一种玻璃基板陶瓷化的介质层釉料及其制备方法 | |
KR100815416B1 (ko) | 유리 또는 에나멜화 스틸 위에 전도성 피막을 형성시키는 방법 및 당해 방법으로 피복된 기판 | |
AU720726B2 (en) | Water-based paint for glass sheets | |
GB2091241A (en) | A process for producing insulating coatings in steel products | |
JP2820901B2 (ja) | ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 | |
KR910005080B1 (ko) | 표시관(表示管) | |
EP0601346A1 (de) | Auf Glas- oder Glaskeramiksubstrate aufgebrachte Dekorschichten aus keramischen Farben | |
WO2012166828A1 (en) | Low volatile organic component medium | |
JP2022536093A (ja) | 着色ガラスフリット及び自動車用途に関連する方法 | |
JP2010084038A (ja) | 塗料配合物 | |
KR20150086700A (ko) | 분리형 유/무기 하이브리드형 보호 코팅제 조성물 및 이를 피막한 코팅 제품 | |
JPH1112530A (ja) | 耐久性に優れた塗膜の製造方法 | |
JPH1053733A (ja) | すりガラス着色塗料およびすりガラス化した強化ガラスの製造方法 | |
JP3369882B2 (ja) | 印刷性を改善した塗料およびこれを用いたガラス基材 | |
JP2762608B2 (ja) | 近赤外光カットガラス及びその製造方法 | |
JPH1036719A (ja) | ガラス状膜製造用の前駆体組成物とその製造方法 | |
KR102206897B1 (ko) | 접합유리용 잉크 조성물 및 이를 이용한 접합유리의 제조방법 | |
JP2772924B2 (ja) | ガラス状膜製造用の前駆体組成物およびガラス状膜の製造方法 | |
JPH0625578A (ja) | 薄膜形成用インキ | |
CN101348374A (zh) | 生片、其制造方法以及用于形成生片的浆料组合物 | |
JP2002200459A (ja) | 塗膜の製造方法 | |
JP2002322414A (ja) | 塗料配合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080828 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090828 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100828 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100828 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110828 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110828 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828 Year of fee payment: 15 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |