JP2820487B2 - 溶液の濃度勾配を安定して形成する装置 - Google Patents

溶液の濃度勾配を安定して形成する装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶液の濃度勾配を安定して形成する装置に関
するもので、特に蛋白質結晶成長装置に適用される濃度
勾配作成に有利に適用しうる同装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、溶液の濃度勾配と形成する手段を塩溶液を例に
とって説明すると、容器の底部に塩の結晶を置き、比重
差を利用して濃度勾配を形成していた(特公昭58−2995
8号公報参照)。この方法では濃度勾配は比重差に依存
するので、特定の濃度勾配しか形成できず、また、一定
の勾配を長時間にわたり維持することができないという
不具合があり、また、従来の重力のある地上ではそれな
りに有効であるが、無重力の宇宙空間には適用できない
という問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
溶液に濃度差や濃度勾配があって場所によって比重が
異なる場合、地上では比重の大きい溶液が下にあると安
定であるので比重差を利用して濃度勾配は容易に作成す
ることができる。しかし宇宙空間では無重力のため比重
差を利用して濃度勾配を作成することはできない。更
に、たとえ濃度勾配を形成させてもエントロピー増大の
法則より形成した濃度勾配はやがて解消される。
本発明は、上記技術水準に鑑み、地上では勿論、無重
力の宇宙空間においても安定して溶液の濃度勾配を形成
しうる装置を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は両端に透析膜を有する管、該管の一方の透析
膜を介して接する低濃度溶液容器、該管の他方の透析膜
を介して接する高濃度溶液容器、該低濃度溶液容器と高
濃度溶液容器の溶液濃度調整を行う逆浸透膜により内部
を分割した溶液濃度調整容器、前記低濃度溶液容器と溶
液濃度調整容器との間及び前記高濃度溶液容器と溶液濃
度調整容器との間で溶液を循環する配管とポンプよりな
ることを特徴とする溶液の濃度勾配を安定して形成する
装置である。
〔作用〕
以下、本発明の一態様を第1図に示し、本発明装置の
構成の説明と同時に、その作用を説明する。
濃度勾配を作成する管2の一端に透析膜3を介して低
濃度溶液容器4を他端に同じく透析膜3を介して高濃度
溶液容器5を繋ぐと、エントロピー増大の法則により高
濃度溶液容器5から低濃度溶液容器4に溶質が拡散しな
がら移動する。拡散は濃度の高い部分から濃度の低い部
分に向かって進行するので管2の中で高濃度溶液容器5
の側から低濃度溶液容器4の側に溶質が移動し管2の中
で濃度勾配が作成される。
時間の経過と共に高濃度溶液容器5の濃度と低濃度溶
液容器4の濃度の差は減少し所定の濃度勾配を維持でき
なくなる。そこで濃度勾配を維持するために次のような
機構を付加する。すなわち双方の容器からポンプ8,9に
より溶液濃度調整容器10の入口室11に溶液を送る。該溶
液濃度調整容器10は逆浸透膜12により2室に分けられて
いるが、高濃度溶液、低濃度溶液とも同一の入口室11に
供給される。該入口室11の中で両液は混合されて中間濃
度の溶液となる。該入口室11はポンプ8により加圧され
ているので水分子は逆浸透膜12を通って出口室13に移動
する。従って、出口室13は純水で満たされることにな
る。該純水は後から出て来る水に押し出されて低濃度溶
液容器4に返送される。逆浸透膜12は溶質は通さないの
で純水が移動することにより入口室11の溶質濃度は高く
なる。そこで該高濃度溶液を高濃度溶液容器5に返送す
る。このように純水を低濃度溶液容器4に返送すること
により低濃度溶液容器4の溶質は一定濃度以下に保た
れ、他方、高濃度溶液を高濃度溶液容器5に返送するこ
とにより高濃度溶液容器5の溶質は一定濃度以上に保た
れるので管2の中では濃度勾配を一定の状態に保つこと
ができる。
更に、装置の小型・軽量化のためおよび多数の実験を
繰り返して行うために濃度勾配を形成する管2だけを容
易に交換できるようにすることができる。
このように高濃度溶液容器5及び低濃度溶液容器4で
は必要に応じ液が循環する。液の循環が管の中でも起こ
ると管2の中で液が混ぜられて濃度勾配が維持できなく
なる。そこで、管2の両端に透析膜3をつけて液の循環
が管2の中に伝わらず、かつ、溶質のみ移動することが
できるようにする。また、管2の中に蛋白質のような高
分子物質が入っている場合、透析膜3は該高分子物質の
通過を妨げるので管2の中では高分子物質は所定量を保
つことができる。
また、高濃度溶液容器5と低濃度溶液容器4との濃度
差、及び管2の長さを変えることにより任意の濃度勾配
を形成することができる。すなわち、本発明は溶液中に
任意の濃度勾配を安定して形成する技術を提供するもの
である。
水及び濃度勾配を形成する溶質の殆どが低濃度溶液容
器、高濃度溶液容器5及び溶液濃度調整容器10の中に存
在する。従って、水及び溶質の回収・再利用が容易とな
り経済性が向上する。管2を交換すれば同一装置を何回
でも使用できる。交換部品は管2だけなので輸送・保管
量が少なく、重量・容積の制約が厳しい宇宙用実験装置
として優れている。
以上、濃度勾配を形成する手段を塩濃度勾配を例にと
って説明してきたが、蛋白質結晶のための濃度勾配剤と
しては他にポリエチレングリコールや2−メチル−2,4
−ペンタンジオールのような有機溶媒、またはオクチル
グルコシドのような界面活性剤の濃度勾配剤を用いるこ
とができる。これらの濃度勾配も以上の方法で安定して
形成できることは云うまでもない。
また、濃度勾配を利用して結晶を形成する対象は蛋白
質に限らず、塩、有機溶媒、界面活性剤などの濃度とと
もに結晶の溶解度が大幅に変化するような結晶成長に対
しては、いずれも本発明装置を用いることができる。塩
濃度とともに、結晶の溶解度が変化する物質としては低
分子量、高分子量の電解質を挙げることができる。以上
においては、溶解度の塩濃度依存性がとくに顕著であ
り、また産業上重要な物質として蛋白質を例にとって説
明を加えた。
〔実施例〕
以下、第1図に示した装置を用いて蛋白質結晶を採取
する実施例を説明する。
蛋白質溶液1を満たした管2に透析膜3を介して、一
端に低濃度溶液容器4を、他端に高濃度溶液容器5を繋
ぐ。高濃度溶液容器5は高濃度塩溶液6で、低濃度溶液
容器4は低濃度塩溶液7で満たしている。従って、高濃
度溶液容器5から低濃度溶液容器4に塩が移動し管2の
中で塩濃度勾配が作成される。蛋白質は透析膜3を通過
できないので管2の中では蛋白質は所定量に保たれる。
低濃度溶液容器4からポンプ8により溶液濃度調整容
器10の入口室11に低濃度塩溶液7を送ると入口室11は加
圧され純水が逆浸透膜12を透過して出口室13に移動す
る。出口室13の純水は後から出て来る水に押し出されて
低濃度溶液容器4に返送される一方、高濃度溶液容器5
からもポンプ9により溶液濃度調整容器10の入口室11に
高濃度塩溶液6が送られ、同量が抜き出されて高濃度溶
液容器5に戻される。
蛋白質溶液1としてリゾチームを3重量%含む水溶液
で管2を満たし、高濃度溶液容器5に塩化ナトリウムを
5重量%含む水溶液を、低濃度溶液容器4に純水を入れ
ると管2の中央付近で直径1〜2mmの結晶14が析出す
る。
塩として塩化ナトリウムの代わりに塩化ニッケル及び
塩化銅を用いた場合には、これらの塩はそれぞれ緑色お
よび青色に着色しているので、管2の中に濃度の勾配が
安定して継続的に生じていることを視覚的に確かめるこ
とができた。管2の中央付近に結晶14が析出したことは
塩化ナトリウムの場合と同様であった。さらに、これら
着色した塩を用いることにより逆浸透膜12によって塩は
出口室13には移行せず入口室11に止まることも視覚的に
確かめることができた。
水及び塩の殆どが低濃度溶液容器4、高濃度溶液容器
5及び溶液濃度調整容器10の中に存在する。従って、水
及び塩の回収が容易である。管2を交換すれば同一装置
を何回でも使用できる。
〔発明の効果〕
本発明により任意の濃度勾配を安定して形成すること
が可能となった。また、無重力の宇宙空間でも濃度勾配
を形成・維持することが可能となった。さらに、この濃
度勾配を限られた重量と容積の容器に対して繰り返し形
成させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一態様の濃度勾配形成装置の概念図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高沖 宗夫 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 上村 一秀 兵庫県神戸市兵庫区小松通5丁目1番16 号 株式会社神菱ハイテック内 審査官 後谷 陽一 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端に透析膜を有する管、該管の一方の透
    析膜を介して接する低濃度溶液容器、該管の他方の透析
    膜を介して接する高濃度溶液容器、該低濃度溶液容器と
    高濃度溶液容器の溶液濃度調整を行う逆浸透膜により内
    部を分割した溶液濃度調整容器、前記低濃度溶液容器と
    溶液濃度調整容器との間及び前記高濃度溶液容器と溶液
    濃度調整容器との間で溶液を循環する配管とポンプより
    なることを特徴とする溶液の濃度勾配を安定して形成す
    る装置。
JP5816590A 1990-03-12 1990-03-12 溶液の濃度勾配を安定して形成する装置 Expired - Lifetime JP2820487B2 (ja)

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