JP2819547B2 - 感熱記録シート - Google Patents

感熱記録シート

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JP2819547B2
JP2819547B2 JP6305184A JP30518494A JP2819547B2 JP 2819547 B2 JP2819547 B2 JP 2819547B2 JP 6305184 A JP6305184 A JP 6305184A JP 30518494 A JP30518494 A JP 30518494A JP 2819547 B2 JP2819547 B2 JP 2819547B2
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敏明 南
共章 永井
薫 濱田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高感度で耐熱性、耐水
性、耐油性に優れた感熱記録シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に感熱記録シートは通常無色ないし
淡色の塩基性無色染料とフェノール性物質等の有機顕色
剤とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後両者を混
合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤その他の
助剤を添加して得た塗液を紙、合成紙、フィルム、プラ
スチック等の支持体に塗工したもので、熱ペン、感熱ヘ
ッド、ホットスタンプ、レーザー光等の加熱による瞬時
の化学反応により発色記録を得るものである。
【0003】これらの感熱記録シートは計測用レコーダ
ー、コンピューターの端末プリンター、ファクシミリ、
自動券売機、バーコードラベルなど広範囲の分野に応用
されているが、最近はこれら記録装置の多様化、高性能
化が進められるに従って、感熱記録シートに対する要求
品質もより高度なものとなっている。例えば、記録の高
速化に伴ない微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発
色画像が得られることが要求され、かつ他方で耐光性、
耐候性及び耐油性といった保存性の優れた感熱記録シー
トが要求されている。
【0004】感熱記録シートの従来例としては、例えば
特公昭43−4160号公報又は特公昭45−1403
9号公報に開示の感熱記録材料が挙げられるが、このよ
うな従来の感熱記録材料は、例えば熱応答性が低く、高
速記録の際十分な発色濃度が得られなかった。
【0005】かかる欠点を改善する方法として、ロイコ
染料として3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いる(特開
昭49−109120号公報)、3−ジブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオランを用いる(特開昭
59−190891号公報)などの高感度染料の開発が
なされ、また顕色剤として、1,7−ビス(4−ヒドロ
キシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開
昭59−106456号公報)、1,5−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン(特開昭
59−116262号公報)、4−ヒドロキシ−4′−
イソプロポキシジフェニルスルホン(特公昭63−46
067号公報)などの発色性のよい物質を用いることに
より感熱記録シートの高速化、高感度化を図る技術が開
示されている。
【0006】さらに、特開平5−4449号公報には、
染料前駆体とサリチル酸顕色剤とからなる発色成分に対
して、第三の添加剤として二量化チオウレア化合物を使
用することにより、画像が安定化することが開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の感熱記録シートには、高感度ではあるが、一般に高温
下に保存すると画像濃度の低下を起こしてしまうという
ように耐熱性に問題がある。●さらに、その記録画像の
保存安定性が著しく悪いために、発色画像上に水又は皮
脂成分が付着したり、塩ビフィルム等のラップフィルム
に含まれる可塑剤(DOP,DOA等)と接触すると画
像濃度の著しい低下や消色が起こるなどの欠点が依然と
して残されている。
【0008】本発明の目的は、有機顕色剤として特定の
スルホン系フェノール顕色剤を使用し、安定剤として特
定のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体を使用するこ
とにより、高感度で耐熱性、耐水性、耐油性に優れた感
熱記録シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、感熱発色層中
に有機顕色剤として下記一般式(I) または(II)で表され
る特定のスルホン系フェノール顕色剤を含有し、且つ安
定剤として一般式(III)で表される特定のアミノベンゼ
ンスルホンアミド誘導体を有機顕色剤1部に対して0.
08〜0.8部の割合で含有させることにより、上記の
課題を一挙に解決したものである。
【0010】
【化4】 (式中、R1 はヒドロキシ基、n−プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n−ブトキシ基を表す。)
【化5】
【化6】 (式中、Xは酸素原子或いは硫黄原子を表し、R1 は無
置換或いは置換されたフェニル基、アラルキル基、ナフ
チル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数2〜6
の低級アルケニル基或いは炭素数3〜6のシクロアルキ
ル基を表す。)
【0011】本発明において、安定剤として使用するア
ミノベンゼンスルホンアミド誘導体の化合物番号及び構
造式を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0012】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0013】上記のアミノベンゼンスルホンアミド誘導
体は単独或いは必要に応じて2種以上併用することがで
きる。
【0014】本発明で使用する有機顕色剤として下記の
化合物が挙げられる。 4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4´−n−プロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4´−n−ブトキシジフェニルスルホ
ン 2,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
【0015】本発明で使用する塩基性無色染料としては
特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン
系、フルオラン系、フルオレン系、ジビニル系等が好ま
しく、以下にこれらの具体例を示す。
【0016】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド [別名クリスタル・バイオレット・ラクトン]
【0017】<フルオラン系ロイコ染料(I)> 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−N−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−N−n−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−クロルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]−フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 2−(4−オキソ−ヘキシル)−3−ジメチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキソ−ヘキシル)−3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキソ−ヘキシル)−3−ジプロピルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン
【0018】<フルオレン系ロイコ染料> 3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3′−フタリド] 3,6,6′−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3′−フタリド]
【0019】<フルオラン系ロイコ染料(II)> 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロル−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン
【0020】<ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0021】<その他> 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0022】これらの染料は単独又は2種以上混合して
使用できる。
【0023】さらに増感剤として、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレン
ビスアマイド、モンタン系ワックス、ポリエチレンワッ
クス、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安
息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、p−ベ
ンジルビフェニル、フェニルα−ナフチルカーボネー
ト、1,4−ジエトキシナフタリン、1−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ−(3−
メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p−メチルベ
ンジル)、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェ
ニルp−トリルエーテル、O−キシレリン−ビス−(フ
ェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチ
ル)ビフェニル等を添加することもできる。
【0024】本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体
並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのような
セルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビ
ニルブチラールポリスチロールおよびそれらの共重合
体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペ
ン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂を例示することがで
きる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、
エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、
水又は他の媒体中乳化又はペースト状に分散した状態で
使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
【0025】又、本発明においては、本発明の効果を損
わない範囲で公知の安定剤p−ニトロ安息香酸金属塩
(Ca,Zn)又はフタル酸モノベンジルエステル金属
塩(Ca,Zn)を添加することも可能である。
【0026】本発明で使用する填料としては、シリカ、
炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ
土、タンク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無
機または有機充填剤などが挙げられる。
【0027】このほかに脂肪酸金属塩などの離型剤、ワ
ックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール
系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分
散剤、消泡剤、などを使用することができる。
【0028】本発明に使用する安定剤及び塩基性無色染
料の量、その他の各種成分の種類及び量は要求される性
能および記録適性に従って決定され、有機顕色剤1部に
対して塩基性無色染料0.3〜0.6部、安定剤0.0
8〜0.8部、充填剤1〜3部を使用し、結合剤は全固
形分中10〜25%が適当である。
【0029】上記組成から成る塗液を紙、合成紙、プラ
スチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布するこ
とによって目的とする感熱記録シートが得られる。
【0030】さらに、保存性を高める目的で填料を含有
する高分子物質等のオーバーコート層を感熱発色層上に
設けることもできる。
【0031】又、保存性及び感度を高める目的で有機填
料又は無機填料を含有するアンダーコート層を感熱発色
層の下に設けることもできる。
【0032】前述の有機顕色剤、塩基性無色染料並びに
必要に応じて添加する材料はボールミル、アトライタ
ー、サンドグラインダーなどの粉砕機あるいは適当な乳
化装置によって1ミクロン以下の粒子径になるまで微粒
化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加
えて塗液とする。
【0033】
【作用】本発明の安定剤はそれ自体にも顕色能力が認め
られるが、本発明で特定された有機顕色剤の顕色能力よ
りも格段に劣る。しかし、特定された有機顕色剤との関
係で、顕色剤1部に対して0.08〜0.8部の割合で
使用することによって、下記のように安定剤としての機
能を発揮する。
【0034】先ず、動的発色の能力に優れているのは、
本発明の安定剤に対する顕色剤及び染料の溶融溶解拡散
速度並びに飽和溶解度が大きいためであり、高熱のサー
マルヘッドの瞬間的な接触によって瞬間的に記録画像を
形成することができる。
【0035】又、記録画像が耐熱性、耐水性、耐油性の
点で極めて安定性が高いのは次のように説明される。一
般に、感熱記録紙は塩基性無色染料を電子供与体とし、
フェノール化合物、芳香族カルボン酸、有機スルホン酸
等の有機酸性物質を電子受容体として構成されている。
それらの塩基性無色染料と顕色剤との熱溶融反応は電子
の供与・受容を基礎とする酸・塩基反応であり、これに
より準安定な“電荷移動錯体”が形成され発色画像が得
られる。そして、本発明の安定剤は分子内に尿素(チオ
尿素)骨格及びスルホンアミド骨格を有する特定のアミ
ノベンゼンスルホンアミド誘導体であるので、熱溶融反
応時に本発明で特定された有機顕色剤及びロイコ染料と
反応して記録画像の安定化が起こり、そのために記録画
像が水、油、熱の影響を受ける環境条件下に長期間さら
されても発色画像の安定性が保たれるものと考えられ
る。
【0036】なお、安定剤の使用割合が有機顕色剤1部
に対して0.08部より少ないと目的とする効果は得ら
れず、0.8部より多いと安定剤による希釈が起こり感
度が低下する原因となる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。
尚、説明中、部は重量部を示す。
【0038】 [実施例1(テストNo.1〜32)] A液(顕色剤分散液) 顕色剤(表1及び表3参照) 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル− 2.0部 7−アニリノフルオラン 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 C液(安定剤分散液) 安定剤(表1及び表3参照) 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 3.0部 上記の組成物の各液をサンドグラインダーで平均粒子径
1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を
混合して塗液とした。 A液 36.0部 B液 9.2部 C液 12.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布量6.0
g/m2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパ
ーカレンダーで平滑度が500〜600秒になるように
処理し感熱記録シートを作成した。
【0039】 [比較例1(テストNo.33〜37)] D液(顕色剤分散液) 顕色剤(表5参照) 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル− 2.0部 7−アニリノフルオラン 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 上記の組成物の各液をサンドグラインダーで平均粒子径
1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を
混合して塗液とし、実施例1と同様にして感熱記録シー
トを作成した。 D液 36.0部 B液 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
【0040】 [比較例2(テストNo.38〜42)] A液(顕色剤分散液) 顕色剤(表5参照) 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル− 2.0部 7−アニリノフルオラン 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 E液(安定剤分散液) 安定剤(表5参照) 4.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部 水 3.0部 上記の組成物の各液をサンドグラインダーで平均粒子径
1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を
混合して塗液とした。◎ A液 36.0部 B液 9.2部 E液 12.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布量6.0
g/m2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパ
ーカレンダーで平滑度が500〜600秒になるように
処理し感熱記録シートを作成した。
【0041】以上の実施例及び比較例で得られた感熱記
録シートについて品質性能試験を行った結果を表2、表
4、表6にまとめて示す。
【0042】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0043】注(1)動的発色濃度;東京芝浦電気製−
感熱ファクシミリKB−4800を使用し、印加電圧1
8.03V、パルス幅3.2ミリ秒で記録した画像濃度
をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター
使用。以下同じ。)で測定。
【0044】注(2)耐熱性;注(1)の方法で動的記
録した感熱紙サンプルを60℃、dryの条件下に24
時間放置した後、記録部分をマクベス濃度計で測定。残
存率は下記式より算出。
【数1】
【0045】注(3)耐水性;注(1)の方法で動的記
録した感熱紙サンプルを20℃の冷水に24時間浸漬し
た後、乾燥し記録部分をマクベス濃度計で測定。残存率
は下記式より算出。
【数2】
【0046】注(4)耐油性;注(1)の方法で動的記
録した感熱紙サンプルにサラダ油を滴下し、10秒後転
く濾紙で拭き取り、室温下で1時間放置した後、画像濃
度をマクベス濃度計で測定。残存率は下記式より算出。
【数3】
【0047】注(5)比較例2に示した安定剤の化合物
番号と構造式を下記に示す。
【化11】
【0048】
【発明の効果】本発明は下記の優れた特長を有する。 (1)高感度:熱応答性が優れているために、高速度、
高密度の記録においても鮮明な高濃度画像が得られる。 (2)耐油性:可塑剤、サラダ油、食酢等と接触しても
印字部(発色部)が消色することが殆んどない。 (3)耐水性:水と接触しても印字部が消色することが
殆んどない。 (4)耐熱性:高温条件下においても画像が安定してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 昭夫 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所内 (56)参考文献 特開 平7−314905(JP,A) 特開 平6−210960(JP,A) 特開 平6−64334(JP,A) 特開 平3−57694(JP,A) 特開 平8−58242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無色ないし淡色の塩基性無
    色染料と有機顕色剤とを主成分として含有する感熱発色
    層を設けた感熱記録シートにおいて、該感熱発色層が有
    機顕色剤として下記一般式(I) または(II)で表される化
    合物を含有し且つ、安定剤として下記一般式(III) で表
    されるアミノベンゼンスルホンアミド誘導体を有機顕色
    剤1部に対して0.08〜0.8部の割合で含有するこ
    とを特徴とする感熱記録シート。 【化1】 (式中、R1 はヒドロキシ基、n−プロポキシ基、イソ
    プロポキシ基、n−ブトキシ基を表す。) 【化2】 【化3】 (式中、Xは酸素原子或いは硫黄原子を表し、R1 は無
    置換或いは置換されたフェニル基、アラルキル基、ナフ
    チル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数2〜6
    の低級アルケニル基或いは炭素数3〜6のシクロアルキ
    ル基を表す。)
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