JP2819217B2 - 磁場発生装置の整磁板の作製方法 - Google Patents
磁場発生装置の整磁板の作製方法Info
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Description
作製方法に関する。本発明による整磁板を用いた磁場発
生装置は、特に磁気共鳴を利用して物体の画像を得る磁
気共鳴断層装置等に用いて好適である。
装置としては、永久磁石対向型が最も量産されている。
を示す。継鉄10の内側に、円板型磁石12a、12b
と環状突起14a、14bを外周部に有する整磁板16
a、16bが設けられている。これらにより、対向整磁
板16a、16bの間の空間に均一磁場が作られる。さ
らに、X、Y、Z軸各方向の磁場強度を変化させて勾配
磁場を形成させるためのコイル(図4ではZ軸方向の勾
配磁場用のコイル18a、18bのみを表示)が設けら
れている。以上の磁場発生装置により、人体などの断層
画像を得ることができる。
場を形成させるためにコイルにパルス状の矩形電流を流
すが、これにより、整磁板内に渦電流が発生する。この
渦電流により、勾配磁場の立ち上がりが遅れたり、均一
性が乱れたりし、得られる画像にボケや歪が生じたり、
高速シーケンスが行えなかったりという大きな問題があ
った。
る工夫が従来よりいろいろと考えられている。その中で
も、整磁板を樹脂鉄(樹脂(絶縁物)の粉体と軟鉄など
の金属磁性粉体を混合した後に加圧成形したもの)より
作製する方法が良く知られている。樹脂鉄の電気抵抗値
は鉄の電気抵抗値と比べて3桁程度も大きいため、樹脂
鉄製整磁板の使用は渦電流の抑制に大きな効果がある。
方が望ましいにもかかわらず、樹脂鉄の飽和磁束密度は
鉄に比べて小さい。しかし、0.3T以下の磁場しか発
生しない永久磁石対向型磁場発生装置用の整磁板として
用いるのには樹脂鉄の飽和磁束密度でも充分である。
MnZnフェライトがある。MnZnフェライトの電気
抵抗値は鉄の電気抵抗値よりも充分大きく、比透磁率は
1000以上と高い。この点は整磁板に適しているが、
飽和磁束密度が高々5000G程度と小さい上に機械的
強度が小さいので、大型のもの(通常、整磁板は直径1
mほどの円板型である)を作製することは容易でないと
いう問題がある。
鋼板は高い飽和磁束密度と透磁率を有しており、しか
も、珪素鋼板の薄板を絶縁し、積層して整磁板を作製す
れば電気抵抗値を大きくすることもできるという長所を
持っている。しかし、珪素鋼板の積層物の表面には、複
雑な段差加工(整磁板間に発生する磁場をより均一にす
るために、整磁板表面に段差を設けること)を施せない
という問題がある。この点、樹脂鉄は塊状の磁性素材で
あるため、段差加工を施すことができる。
抵抗値と充分な飽和磁束密度とを兼ね備え、段差加工を
施すことのできる塊状磁性素材は、現在、樹脂鉄しか知
られていない。
整磁板の素材として、磁気特性及び加工特性の面で非常
に優れているため、従来より、整磁板の材料としてよく
用いられている。
て1/3以下に低下するため、整磁板全体を樹脂鉄で作
製するのは安全上問題がある。なぜならば、整磁板に
は、磁場方向に吸引力が働き、さらに、整磁板の長手方
向が磁場方向に配向しようとするトルクもかかるからで
ある。このため、図5のような、鉄板20を基板とし、
対向面側を樹脂鉄部分22とする複合構造型の整磁板が
作製されている。図5の下側の図は整磁板の断面図であ
り、上側の図は整磁板を上からみた様子を描いている。
この複合構造型整磁板では、樹脂鉄を鉄板にネジ止めす
るか、または接着剤で接着することにより固定する。
径1m以上の整磁板部分(図5の22の部分)を一体成
形することは困難なため、複数枚の樹脂鉄板を組み合わ
せて整磁板を作製している。図5に示した符号24は、
複数の樹脂鉄板を組み合わせて作製した整磁板(の樹脂
鉄部分)の、分割線の一例である。
ンド(鉄粉と樹脂を混合して造粒したもの)を圧縮した
後に取り出して作製する。このため、成形された分割片
を取り出す際に割れ欠けなく抜き出せるよう、成形型に
テーパーを施してある。従って、分割片の全側面を最終
的な形状に加工した後に鉄板に取り付けるか、あるい
は、予備加工した分割片を鉄板に取り付けた後に最終的
な加工を行う必要がある。すなわち、樹脂鉄に旋盤加工
及びフライス加工を行う必要がある。しかし、樹脂鉄は
脆いので、旋盤加工及びフライス加工の際に角部及び縁
部の欠けが生じ易く、きわめて慎重な加工が必要になる
という問題がある。
面では非常に優れた素材であるが、実際に整磁板を作製
する面においては多くの問題がある。
磁石対向型の磁場発生装置に用いる、樹脂鉄と鉄の複合
構造型である整磁板を作製する方法を提供することであ
る。
対の永久磁石を対向させて継鉄内部に設け、前記1対の
永久磁石の対向面の夫々の表面に設けた整磁板の間の空
間に磁場を発生させる磁場発生装置において、前記整磁
板を、(a)外周部に環状突起を有する略円盤状の鉄板
を用意する工程と、(b)前記鉄板に樹脂鉄を一体圧粉
成形する工程と、(c)前記鉄板に圧粉成形された前記
樹脂鉄を熱硬化により前記鉄板に一体化させる工程とを
経て作製する。
えられる複合構造型の整磁板の作製方法を提案する。
す。鉄板30を基板とし、対向面側を樹脂鉄部分32と
するのは従来の複合構造型整磁板と同じだが、本発明で
は、鉄板30が、外周部に環状突起34を有している。
したがって、樹脂鉄部分32の径は従来の樹脂鉄部分
(図5の22)の径よりも小さくてすみ、一体成形が可
能となる。
磁板作製方法について説明する。基板となる鉄板40を
ダイス42と下パンチ44とで固定し、樹脂鉄コンパウ
ンド46を鉄板40の上にのせる。上パンチ48を矢印
50の向きに動かして樹脂鉄コンパウンド46を圧縮す
る。すなわち、鉄板40の上に樹脂鉄を一体圧縮成形す
ることができる。
を施しておくことにより、圧縮成形の際に樹脂鉄の表面
に段差をつけることができる。すなわち、鉄板上に樹脂
鉄を一体圧縮成形した後に改めて段差加工を行うという
必要がなくなり、大変効率が良い。
して圧力を除去した際に成形体の寸法が変化する現象
(スプリングバックと呼ばれる)があるので、予めその
変化分を見込んで圧縮成形する必要がある。
鉄板が環状突起を持つため、樹脂鉄部分は完全に鉄板の
内側におさまる。したがって、従来のように樹脂鉄成形
体をテーパーをつけた型から取り出す必要はなく、一体
圧縮成形を行うだけで整磁板の最終的な形状ができ、作
製過程が非常に簡便になる。
あるために、突起の角部及び縁部が欠け易いという問題
があったが、本発明によれば、この問題もなくなる。
に、全部分が鉄材で構成されていても良いが、渦電流は
環状突起の内側面付近にも流れるので、この部分は樹脂
鉄で構成されていることが望ましい。環状突起の内側面
も樹脂鉄で構成した整磁板の例を図3に示す。このよう
な整磁板は、図2の上パンチ48の下面外周部分の形状
を多少変えれば作製することができる。
けなので、角部及び縁部の欠けの問題は少なく抑えるこ
とができる。
整磁板は、樹脂成分の硬化のために、通常80℃以上の
温度で熱硬化させられる。熱硬化の際にはほとんど寸法
の変化は起こらないので、圧縮成形時の寸法精度を高く
しておけば、その後の加工は必要ない。また、熱硬化さ
せるとき、樹脂成分が鉄板に対する接着効果をもつの
で、樹脂鉄と鉄板との一体化が強力になり好ましい。し
かし、この接着効果だけでは安全上問題があるので、ネ
ジなどにより機械的に固着する必要はある。
に比べ非常に簡単に樹脂鉄と鉄との複合構造型整磁板を
作製することができる。また、樹脂鉄部分に対する成形
後の加工はネジ加工以外必要なく、整磁板間(樹脂鉄の
対向面間)の寸法精度が向上し、また、従来、機械加工
に伴って生じていた角部及び縁部の欠けが大幅に減少す
る。したがって、従来の作製方法による樹脂鉄整磁板を
用いた場合よりも磁場均一性が高くなる。さらに、機械
加工が少なくて済むので、作製費用が安くなるという利
点もある。
作製方法によると、樹脂鉄と鉄との複合構造型整磁板を
精度良く、しかも、従来法より簡便にかつ安価に作製す
ることができる。さらに、本発明の作製方法による本発
明の整磁板を用いた磁場発生装置においては、高い磁場
均一性と渦電流の抑制を同時に満たすことが可能であ
る。
法を説明するための図。
例。
Claims (1)
- 【請求項1】厚み方向に磁化された1対の永久磁石を対
向させて継鉄内部に設け、前記1対の永久磁石の対向面
の夫々の表面に設けた整磁板の間の空間に磁場を発生さ
せる磁場発生装置において、前記整磁板を、 外周部に環状突起を有する略円盤状の鉄板を用意する工
程と、 前記鉄板に樹脂鉄を一体圧粉成形する工程と、 前記鉄板に圧粉成形された前記樹脂鉄を熱硬化により前
記鉄板に一体化させる工程とを経て作製することを特徴
とする磁場発生装置の整磁板の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049992A JP2819217B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 磁場発生装置の整磁板の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049992A JP2819217B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 磁場発生装置の整磁板の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06244019A JPH06244019A (ja) | 1994-09-02 |
JP2819217B2 true JP2819217B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=12846513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5049992A Expired - Fee Related JP2819217B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 磁場発生装置の整磁板の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2819217B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0247808A (ja) * | 1988-08-10 | 1990-02-16 | Seiko Epson Corp | 希土類、鉄系樹脂結合型磁石 |
JPH02218343A (ja) * | 1989-02-21 | 1990-08-31 | Hitachi Medical Corp | 磁気共鳴イメージング装置の磁界発生装置 |
JPH04367667A (ja) * | 1991-06-14 | 1992-12-18 | Koa Corp | 磁気効果素子およびその製造方法、磁気効果素子を用いた磁気治療器 |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP5049992A patent/JP2819217B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06244019A (ja) | 1994-09-02 |
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