JP2818889B2 - 流体継手のスリップ制御装置 - Google Patents

流体継手のスリップ制御装置

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JP2818889B2
JP2818889B2 JP22724389A JP22724389A JP2818889B2 JP 2818889 B2 JP2818889 B2 JP 2818889B2 JP 22724389 A JP22724389 A JP 22724389A JP 22724389 A JP22724389 A JP 22724389A JP 2818889 B2 JP2818889 B2 JP 2818889B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロックアップクラッチが設けられた流体継
手において、このロックアップクラッチのスリップ状態
を制御する流体継手のスリップ制御装置に関するもので
ある。
(従来の技術) 一般に、ロックアップクラッチが設けられたトルクコ
ンバータなどの流体継手においては、エンジンのトルク
変動が車輪に伝達されて車両の乗心地性が低下する低車
速時にロックアップクラッチを解放状態とし、トルク増
大機能およびトルク変動吸収機能を有するコンバータ状
態に作動する一方、エンジンのトルク変動がそれ程問題
とならない高車速時には、ロックアップクラッチを締結
状態として入出力軸間を直結し、流体継手内のスリップ
によるエネルギ損失を低減して燃費性能を改善するロッ
クアップ状態に作動するようにしている。
また、上記のようなロックアップクラッチを備えた流
体継手において、低車速で低負荷状態の領域では、燃費
性能向上の点からはコンバータ状態よりロックアップ状
態とするのが好ましいが、ロックアップ状態とするとエ
ンジンのトルク変動が車輪に直接伝達されて車体に振動
が発生することになる。
そこで、例えば、特開昭60−14653号公報に開示され
ているように、燃費性能のある程度の改善とトルク変動
の伝達を軽減して変速ショックおよび車体振動の抑制を
図ることから、ロックアップクラッチをロックアップ状
態とコンバータ状態との中間的な所定のスリップ状態に
制御して、入出力間に所定の回転差を生じさせるように
制御を行うスリップ制御装置が公知である。
また、上記先行例では、ロックアップクラッチの入力
側の回転数と出力側の回転数とが所定の回転差となるよ
うにフィードバック制御を行うものであるが、変速時に
おいてもこのスリップ量のフィードバック制御を行って
いると、回転数変化に対して過制御状態となってかえっ
て大きな回転数変化を生じることから、変速時には所定
時間フィードバック制御を中止するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) しかして、前記のように変速時にはロックアップクラ
ッチのスリップ量のフィードバック制御を中止して制御
量を一定値に保持するようにしたものでは、変速の前後
で変速機構の入力回転数が変速比の変化に対応した回転
変動を生じ、これが締結力が固定されている流体継手を
介してエンジンなどの流体継手の入力側回転数の変動を
生起して、例えばシフトアップ変速時にはエンジン回転
数が落込んで、加速時において運転者の予測に反した変
動となって違和感を与えることになり、変速ショックを
生起すると共に加速感が十分に得られず、走行性能、燃
費性能の低下を招くことになる。
また、前記変速前後の回転変化によるエンジン回転の
落込みは、運転状態によって変化し、回転数の高い状態
での変速時にはエンジン回転数の急激な落込みが発生す
る恐れがある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、変速時における流
体継手に対する入力側回転数の落込みを抑制するように
スリップ制御を行う流体継手のスリップ制御装置を提供
することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明の流体継手のスリップ
制御装置は、第1図にその基本構成を示すように、入力
要素と出力要素の間で流体を介してトルクを伝達するコ
ンバータ機能を有する流体継手Aは、入力要素と出力要
素とが直結可能なロックアップクラッチBを備えてい
る。また、入力側にはエンジン等の駆動源が接続され、
出力側には変速機構Mが介装されている。
上記ロックアップクラッチBの締結力を締結力制御手
段Cによって制御する。この締結力制御手段Cは、運転
状態が所定のスリップ制御領域では、例えば締結方向に
作用する締結室の圧力と解除方向に作用する解除室の圧
力との差圧の調整によって該ロックアップクラッチBを
所定のスリップ状態に制御するものである。また、前記
変速機構Mの変速時期を判定する変速判定手段Gを設け
ると共に、その変速に伴う変速前後での変速機構入力回
転数の回転変化量を求める回転差演算手段Eが設けられ
ている。
上記回転差演算手段Eの信号を受け、変速後のロック
アップクラッチBの締結力を前記締結力制御手段Cの制
御量の設定によって調整する変速後制御量設定手段Fを
設ける。この変速後制御量設定手段Fは、変速前後の回
転変化量が大きいほど変速後のロックアップクラッチB
の締結力を小さくするように前記締結力制御手段Aの制
御量を設定するものである。
(作用) 上記のような流体継手のスリップ制御装置では、所定
のスリップ制御領域となると締結力制御手段によってロ
ックアップクラッチの締結力を制御し、所定のスリップ
状態を得るものであるが、変速時には変速前後の変速比
変化に伴う変速機構入力回転数の回転変化量を求め、こ
の変速前後の回転変化量が大きいほど締結力が小さくし
てスリップ量が増大するように締結力制御手段の締結力
が変速後制御量設定手段によって設定され、変速後のエ
ンジン回転数の落込みを抑制して変速ショックを低減
し、加速時に不足する走行性能を確保すると共に、変速
時以外での燃費性能の低減を抑制して良好なスリップ制
御を得るようにしている。
(実施例) 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。第2
図は流体継手のスリップ制御装置の一例を、それが適用
された車両のパワープラントと共に示す。
パワープラントは、エンジン本体10と自動変速機20と
からなり、エンジン本体10(4気筒)における各気筒に
は、スロットル弁14が配設された吸気通路16からの吸入
空気と燃料噴射弁から噴射される燃料とで形成される混
合気が供給されて圧縮燃焼され、発生トルクが自動変速
機20を含む動力伝達経路を介して車輪に伝達される。
なお、上記エンジン本体10においては、エンジン回転
数が所定値以上でスロットル全閉の減速時には燃料供給
が停止され、この燃料カット状態からエンジン回転数が
所定値未満となると燃料供給を再開するように減速燃料
制御が行われる。
前記自動変速機20は、流体継手24(トルクコンバー
タ)と、多段歯車式の変速機構26と、それらの制御に用
いられる作動油圧を形成するための変速制御用ソレノイ
ド弁1〜5、ロックアップ制御用ソレノイド弁6および
調圧用ソレノイド弁7が備えられた油圧回路部30とを有
している。
流体継手24は、第3図に油圧回路部30における流体継
手24の動作制御に関与する部分を伴って示すように、エ
ンジン本体10における出力部10aと一体に回転する入力
軸25と出力軸39との間に、流体を介してトルク伝達を行
うコンバータ部27と、直結状態もしくはスリップ状態で
トルク伝達を行うロックアップクラッチ21とが並設され
ている。コンバータ部27は、入力軸25と一体に回転する
ドライブプレート32に固着された入力要素としてのボン
プインペラー34と、出力軸39と一体に回転するタービン
ランナー36と、両者間のステータ35とワンウェイクラッ
チ38を備え、ロックアップクラッチ21は出力軸39にスプ
ライン嵌合されたトーションダンパ23および該トーショ
ンダンパ23にコイルスプリング23aを介して連結された
クラッチプレート22とを備えている。
上記ロックアップクラッチ21の配設により、クラッチ
プレート22の背面側にドライブプレート32との間に解除
室43が形成され、反対側に締結室44が形成されている。
解除室43には油圧回路部30から油路42を通じて、クラッ
チプレート22を解放作動する油圧が供給され、また、締
結室44には油路41を通じてクラッチプレート22を締結作
動する油圧が供給される。そして、ロックアップクラッ
チ21は、締結室44に油圧が送給されてポンプインペラー
34とタービンランナー36とを直結にするロックアップ状
態と、解除室43に油圧が送給されてポンプインペラー34
とタービンランナー36とを非締結とする解放状態(コン
バータ状態)とに作動され、さらに、締結室44と解除室
43との両方に油圧が送給されて差圧ΔPが所定の範囲内
にある時には、ポンプインペラー34とタービンランナー
36との相対回転を許容するスリップ状態となり、その差
圧ΔPが大であるほどスリップ量が低減して前記ロック
アップ状態に近付く。なお、締結室44は、逆止弁46が配
された油路47を通じてオイルクーラ48に接続されてい
る。
油圧回路部30における流体継手24の動作制御に関与す
る部分には、ロックアップシフト弁51、ロックアップ調
圧弁52、前記ロックアップ制御用ソレノイド弁6および
調圧用ソレノイド弁7が設けられている。ロックアップ
シフト弁51は、ポートa,d,hへの油圧調整に伴う分割さ
れた第1スプール56と第2スプール57の作動によってポ
ートb,c,e〜gの連通開閉およびドレンを切り換えるも
のである。また、ロックアップ調圧弁52は、ポートi,n
への油圧調整に伴うスプール60の作動によってポートi
〜mの連通開閉およびドレンを切り換えるものである。
そして、ロックアップシフト弁51においては、ポート
aにはオイルポンプ45の油圧が一定圧形成部50で定圧化
され調圧用ソレノイド弁7によって調圧された油圧が供
給され、まさ、第1スプール56と第2スプール57との間
のポートdには上記一定圧形成部50で減圧された油圧が
供給され、さらにポートhにはロックアップ制御用ソレ
ノイド弁6によって調圧されたオイルポンプ45の油圧が
供給され、流体継手24の油圧の供給を切り換えてコンバ
ータ状態とロックアップ状態とスリップ状態とに切換え
作動する。また、ロックアップ調圧弁52においては、ポ
ートiにはスロットル開度に対応してスロットル圧形成
部61で調圧されたスロットル圧Ptが供給される一方、ポ
ートnには一定圧形成部50で定圧化され調圧用ソレノイ
ド弁7によって調圧されたデューティ制御圧Pdが供給さ
れ、流体継手24の締結室44と解除室43との差圧ΔPの調
整によるスリップ量の制御を行うものである。
上記ロックアップシフト弁51およびロックアップ調圧
弁52の作動による流体継手24の状態変化についての説明
はここでは省略するが、その詳細については同一出願人
による特願昭63−278609号の明細書の記載を参照された
い。
また、第2図に示すように、前記油圧回路部30の動作
制御を行うべき、油圧回路部30に内蔵された変速制御用
ソレノイド弁1〜5、ロックアップ制御用ソレノイド弁
6および調圧用ソレノイド弁7に、駆動信号Ca〜Cgをそ
れぞれ出力するコントロールユニット100が設けられて
いる。このコントロールユニット100には、スロットル
弁14の開度Thを検出するスロットル開度センサ81から得
られる検出信号Stと、車速Vを検出する車速センサ82か
ら得られる検出信号Svと、シルトレバーの操作位置を検
出するシフトポジションセンサ83から得られる検出信号
Ssと、エンジンの回転数Ne(入力回転数)を検出するエ
ンジン回転数センサ84から得られる検出信号Snと、ター
ビンランナー36のタービン回転数(出力回転数)を検出
するタービン回転数センサ85から得られる検出信号Sm
と、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサ
86から得られる検出信号Saと、自動変速機20に供給され
る作動油の温度を検出する油温センサ87から得られる検
出信号Suと、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレー
キセンサ88から得られる検出信号Sbとが供給されると共
に、自動変速機20の制御に必要な他の検出信号Sxも供給
される。
コントロールユニット100は、上記各種の検出信号に
基づいて自動変速機20における変速制御およびロックア
ップクラッチ21の動作制御を所期の特性で行うものであ
る。
このコントロールユニット100による自動変速機20の
変速制御およびロックアップクラッチ21の動作制御を行
うにあたっては、コントロールユニット100の内蔵メモ
リマップ化されて記憶されている第4図に示すようなシ
フトパターンから、その制御領域を判定する。このシフ
トパターンは、縦軸にスロットル開度Thが横軸に車速V
がとられてあらわされ、シフトアップ時の各変速段の領
域がシフトアップ変速線Ua,Ub,Ucで示され、領域が変化
したときがシフトアップ変速時となり、一方、シフトダ
ウン時の各変速段の領域がシフトダウン変速線Dd,De,Df
で示され、領域が変化したときがシフトダウン変速時と
なる。また、比較的高車速側で低スロットル開度の領域
に設定されたロックアップ作動線Lg(4速),Li(3
速)の内側がロックアップ状態に移行する際のロックア
ップ領域で、ロックアップ状態からの解除がロックアッ
プ解除線Lh(4速),Lj(3速)によって示され、領域
変速時がロックアップ状態への作動および解除制御時と
なる。さらに、比較的低車速側で低スロットル開度の領
域に設定されているスリップ制御実行線Rjの内側がスリ
ップ制御領域で、この領域に移行した際にスリップ制御
を開始し、これより外側に設定されたスリップ制御解除
線Rkの外側の領域に移行した際にスリップ制御を解除す
るように制御するものである。
そして、コントロールユニット100は、上記変速線Ua
〜Uc,Dd〜Dfの判定からシフトアップ条件もしくはシフ
トダウンが条件が成立したことが検知される場合には、
変速機構26における変速段の切り換えるべく駆動信号Ca
〜Ceを選択的に送出し、変速制御を行う。また、ロック
アップ作動条件および後述のスリップ制御条件がいずれ
も成立していない場合には、ロックアップ制御用ソレノ
イド弁6および調圧用ソレノイド弁7への駆動信号Cf,C
gの供給を停止する。それにより、両ソレノイド弁6,7が
閉状態とされ、ロックアップシフト弁51およびロックア
ップ調圧弁52は第3図の実線の位置となり、レギュレー
タ弁49により調圧された油圧がそのまま解除室43に供給
されると共に、締結室44の油圧がオイルクーラ48に排出
され、ロックアップクラッチ21は解放状態となってコン
バータ部27によるトルク伝達とされる。
さらに、ロックアップ作動条件が成立すると、駆動信
号Cfがロックアップ制御用ソレノイド弁6に供給されて
開状態とされ、調圧用ソレノイド弁7は駆動信号Cgの停
止により閉状態とされる。それにより、ロックアップシ
フト弁51が鎖線の位置、ロックアップ調圧弁52が実線の
位置となり、レギュレータ弁49により調圧された油圧が
締結室44が供給される一方、解除室43の油圧がオイルパ
ンに排出され、ロックアップクラッチ21は締結状態とな
って入出力が直結してロックアップ状態とされる。
一方、スロットル開度Thおよび車速Vがスリップ制御
領域となって定常スリップ制御条件が成立した場合、シ
フトアップ状態となって変速スリップ制御条件が成立し
た場合、および、スロットル開度が全閉でエンジン回転
数が所定値以上の減速時で減速スリップ制御条件が成立
した場合には、駆動信号Cfがロックアップ制御用ソレノ
イド弁6に供給されて開状態とされ、調圧用ソレノイド
弁7には20%以上のデューティ値Dを有する駆動信号Cg
の供給により所定開度に作動される。それにより、ロッ
クアップシフト弁51では第1スプール56が実線の位置、
第2スプール57が鎖線の位置となり、ロックアップ調圧
弁52はポートiのスロットル圧Ptとポートnのデューテ
ィ制御圧Pd(デューティ値が大なる程低い値)との差圧
に応じた距離だけ実線の位置から鎖線方向に移動し、レ
ギュレータ弁49により調圧された油圧が締結室44に供給
されると共に、解除室43にはデューティ値に応じて減圧
された油圧が供給され、ロックアップクラッチ21は締結
室44の油圧から解除室43の油圧を減じた差圧ΔPに応じ
たスリップ量ΔN(入出力回転差)を入力軸25と出力軸
39との間に生じさせるスリップ状態となる。
この場合、上記差圧ΔPは、前記スロットル圧Ptとデ
ューティ制御圧Pdとスプリング62の付勢力Faとから、
C1,C2を定数とすると、 ΔP=C1(Pt−Pd)+Fa/C2 であらわされ、差圧ΔPはスロットル圧Ptとデューティ
制御圧Pdとにより規定される。そして、スロットル圧Pt
は、スロットル開度Thに対して、例えば第5図に示され
る特性を有するように形成され、また、デューティ制御
圧Pdは、駆動信号Cgのデューティ値Dに対して、例えば
第6図に示される特性を有するように形成される。その
結果、上記差圧ΔPは、20%,50%,80%のデューティ値
Dをパラメータとしてあらわされた第7図に示すよう
に、スロットル開度Thおよびデューティ値Dが大きくな
るほど大きな値となる。
また、上記ロックアップクラッチ21による締結状態で
の入力軸25から出力軸39に伝達し得る最大トルクとして
の伝達可能トルクTsは、クラッチプレート22の摩擦係数
μと有効半径rと係合面積Aに対し、 Ts=ΔP・μ・r・A であらわすことができ、差圧ΔPが大きくなるほど大く
な値となる。そして、流体継手24の入力トルクTiは、入
力軸25に伝達されるエンジンの発生トルクTeに等しく、
伝達可能トルクTsより大きい場合には、前記入出力回転
差ΔNが生じることになる。上記入力トルクTiと入出力
回転差ΔNとの関係は、作動油の温度が例えば90℃で、
1〜4kg/cm2に設定された差圧ΔPをパラメータとし
て、第8図のような特性となる。
上記のようなことから、流体継手24におけるロックア
ップクラッチ21についてのスリップ制御が行われるにあ
たっては、先ず、変速スリップ制御条件が成立していな
いもとで定常スリップ制御条件が成立したことが検知さ
れる場合には、エンジン発生トルクTeの値がスロットル
開度Thとエンジン回転数Neとに基づいて検出される。な
お、エンジン発生トルクTeの値は、予めスロットル開度
Thおよびエンジン回転数Neに応じて設定されたマップか
ら求められ、例えば、第9図に示すように、横軸にエン
ジン回転数Neがとられ、スロットル開度Th(1/8〜6/8)
をパラメータとしてそれぞれ曲線a1〜a6で示される。
このようにして検出されたエンジン発生トルクTeの値
に油温補正を行って伝達トルクTrを求めるもので、補正
係数Kは作動油の温度が90℃で1、90℃より高いほど1
より大きな値に、90℃より低いほど1より小さな値に設
定され、この補正係数Kをエンジン発生トルクTeに掛け
て伝達トルクTrを求める。
そして、上記伝達トルクTrの値に対応して、スリップ
制御領域内のヒステリシス領域およびその変速段に応じ
て設定されたスリップ量ΔN(入出力回転差)を生じさ
せるように差圧ΔPの値が設定される。上記スリップ量
ΔNは、流体継手24における入力軸25と出力軸39との間
に、エネルギ損失の低減とエンジンが発生するトルク変
動の吸収とが共に図られることになる所定の回転数差Δ
N、例えば、80〜150rpmに設定される。
また、前記差圧ΔPの値は、第8図の入力トルクTiと
スリップ量ΔNと差圧ΔPとの関係が書き込まれたマッ
プから読み出されて設定される。上記差圧ΔPを生じさ
せる駆動信号CgのデューティDの値は、第7図のような
差圧ΔPとのデューティDとの関係が書き込まれたマッ
プから読み出されて、それが所期値yaとして設定され
る。そして、コントロールユニット100は、所期値yaと
されたデューティDを有する駆動信号Cgを形成してそれ
を調圧用ソレノイド弁7に供給し、定常スリップ制御を
開始する。
このようにして、定常スリップ制御が開始された後
は、検出信号Snがあらわすエンジン回転数の値から検出
信号Stがあらわすタービン回転数の値を減じて得られる
実スリップ量と前記目標スリップ量ΔNとの偏差ΔNnの
値を零に近づけるべく、デューティDの値を変化させて
新たなデューティDを設定し、新たに設定されたデュー
ティDを有する駆動パルス信号Cgを形成してそれを調圧
用ソレノイド圧7に供給することにより、目標スリップ
量ΔNに収束するようにフィードバック制御を行う。こ
のフィードバック制御時において設定されるデューテイ
Dの値yn(nは正整数)は、ロックアップクラッチ21を
介してタービンランナー36に伝達されるトルクが急激に
変化しないようにすべく、検出信号SnおよびStがあらわ
すエンジン回転数の値とタービン回転数の値とに基づい
てそのとき既に設定されているデューティDの値yn-1
用いて、 yn=yn-1+ΔX により算出される。上式におけるΔXは、第10図に示さ
れる如く、 Z=A×ΔNn+B×ΔNn-1 により算出される修正演算値Zが大なる値をとるに従っ
て段階的に大なる値をとるように設定される。ただし、
上式においてΔNnはそのときのスリップ量偏差の値、Δ
Nn-1は前回の偏差の値、AおよびBは定数である。
このように、定常スリップ制御が開始される時点にお
いては、流体継手24の入力トルクTiに応じて、ポンプイ
ンペラー34とタービンランナー36とに目標スリップ量Δ
Nが生じる差圧ΔPの値が設定され、その後は、ポンプ
ンインペラー34とタービンランナー36との回転数差によ
る実スリップ量との偏差ΔNnに基づいて差圧ΔPがフィ
ードバック制御されるので、定常スリップ制御開始時点
からポンプインペラー34とタービンランナー36との回転
数差に基づいてフィードバック制御が開始される場合に
比して、ポンプインペラー34とタービンランナー36との
間に、流体継手24におけるエネルギー損失とエンジンが
発生するトルク変動の吸収とが共に図られることになる
スリップ量ΔNが得られるまでの応答送れ時間が短縮さ
れ、それにより、車両における燃費の向上を図ることが
できるとともに、車体振動を抑制する定常スリップ制御
を迅速に、かつ、効果的に行うことができる。
また、コントロールユニット100は、シフトアップ変
速が判定されて変速スリップ制御条件が成立したことが
検知されたとき、変速時のタービン回転数と変速前後の
変速比の変化とからこのタービン回転数の変速前後の回
転変化量ΔTspを計算し、この回転変化量ΔTspに基づい
て、第10図に示されるような特性により補正係数Aを求
め、現在の制御量Do(デューティ)に補正係数Aを乗じ
ることで変速後の制御量D1=Do×Aを演算しておく。
そして、変速中の制御量は、駆動信号Cgのデューティ
Dの値をそのとき既に設定されている変速開始時の値Do
に設定して、変速中はフィードバック制御は行わずに固
定されたデューティDを有する駆動信号Cgを調圧用ソレ
ノイド弁7に供給する。
一方、変速後は前記変速開始時に演算した変速後制御
量D1をデューティDに設定して、ロックアップクラッチ
21の締結力を変速中より小さな値に設定し、スリップ量
を大きくして変速後の変速比の変化に対してエンジン回
転数が影響を受けて落込むのを防止するようにしてい
る。また、この変速後の制御量D1から徐々に所定デュー
ティBずつ大きくして、変速開始時の制御量Doに復帰し
てからフィードバック制御を再開するように変速スリッ
プ制御が行なわれる。
第12図に変速時のデューティDの値およびエンジン回
転数Espとタービン回転数Tspの変化を示すように、a点
が変速開始時であり、それ以前は入力側のエンジン回転
数Espの上昇に対しフィードバック制御によって一定の
スリップ量となるように制御量のデューティDが調整さ
れ、それによるロックアップクラッチ21の締結力に対応
して出力側のタービン回転数Tspも上昇している。a点
での変速開始に伴って変速機構26による変速比に相当す
る回転変化量ΔTspだけタービン回転数Tspが低下するこ
とになるが、b点までの変速中は変速開始時aのデュー
テイDoが保持される。そして、変速終了時bに変速後制
御量D1による小さなデューティDが設定され、ロックア
ップクラッチ21の締結力が弱められてスリップ量が増大
し、変速によってタービン回転数Tspが回転変化量ΔTsp
だけ低下したのに対して、エンジン回転数Espはその変
動に追従せずに僅かに低下するように変動して回転の落
込みが防止される。その後、デューティDは変速後制御
量D1から徐々に上昇して変速開始制御量Doに達したと
き、定常スリップ制御のフィードバック制御が再開され
る。
このように、変速スリップ制御においては、差圧ΔP
が変速スリップ制御開始時点における流体継手24の入力
トルクTiに応じて設定され、変速中は固定されてフィー
ドバック過制御による変速ショックの発生が回避され、
変速後は変速前後の変速機入力側(流体継手出力側)の
回転差に応じて回転差が大きいほど、締結力が小さくな
るように制御量が設定されて、流体継手入力側の回転数
が落込むのを抑制して、変速後における変速ショックの
防止と良好な加速性を得ることができる。
上記のような制御を行うコントロールユニット100
は、マイクロコンピャータが用いられて構成されるが、
該マイクロコンピュータが実行するロックアップクラッ
チ21についての動作制御を行うに際してのプログラムの
一例を、第13図および第14図のフローチャートを参照し
て説明する。
第13図のフローチャートで示されるメインプログラム
においては、スタート後、プロセス101において各種検
出信号を取り込み、ディシジョン102において、スリッ
プ制御領域に移行して定常スリップ制御条件が成立した
か否かを判断し、定常スリップ制御条件が成立したと判
断された場合には、ディシジョン103に進み、変速機構2
6における変速動作が行われる変速判定がされたか否か
を判断する。
一方、ディシジョン102でスリップ制御領域でないと
判断されると、ディシジョン104においてロックアップ
領域にあるか否かが判断される。ロックアップ領域にあ
ると判断されると、プロセス105でデューティDを最大
値Dmaxに設定してロックアップクラッチ21の締結力を最
大としてロックアップ状態とする。また、ディシジョン
104でロックアップ領域でなく解放領域であると判断さ
れると、プロセス106でデューティDを最小値Dminに設
定してロックアップクラッチ21を解放してコンバータ状
態に作動される。
そして、ディシジョン103において、変速判定が行わ
れていないと判断された場合には、ディシジョン110に
おいて、前回変速判定されたか否かを判断し、前回も変
速判定されていないときには、ディシジョン113で変速
後フラグFが1にセットされているか否かを判断し、初
期にはセットされていないと判断されると、プロセス11
7において、後述の第14図に示すフィードバック用の定
常スリップ制御用プログラムを実行して元に戻る。
また、ディシジョン103において変速判定が判断され
てシフトアップ変速が行われる場合には、プロセス107
で前記したタービン回転数Tspの変速前後での回転変化
量ΔTspを、変速時のタービン回転数と変速比の変化と
から計算すると共に、プロセス108でこの回転変化量ΔT
spに基づいて補正係数Aを第10図の特性から求め、現在
のデューティDoに補正係数Aを乗じることで変速後の制
御量としてのデューティD1を演算し、記憶しておく。そ
して、プロセス109において、変速中の制御量としての
デューティDを変速開始時の現在のデューティDoに設定
して、変速中のデューティDの変更が中止される。
変速が行われると、ディシジョン110で前回変速判定
されたと判断されてプロセス111に進み、制御量Dを前
記プロセス108で求めた変速後制御量D1に、スリップ量
が大きくなるように設定されてから、プロセス112で変
速後フラグFが1にセットされる。この変速後フラグF
のセットに伴うディシジョン113の判断によってプロセ
ス114に進み、このプロセス114において、デューティD
に所定値B(微小値)が加算されて徐々にロックアップ
クラッチ21の締結力が増加する方向に制御量が修正さ
れ、ディシジョン115で加算後のデューティDが変速開
始制御量Do未満か否かが判断される。そして、デューテ
ィDの繰返しての増加修正の結果、ディシジョン115に
おいて変速開始制御量Doに復帰したと判断されると、プ
ロセス116において、変速後フラグFが0にリセットさ
れ、その後はプロセス117でのフィードバック制御に移
行される。
第14図に示される定常スリップ制御用プログラムにお
いては、スタート後、ディシジョン125において、定常
スリップ制御開始時点か否かを判断し、定常スリップ制
御開始時点であると判断された場合には、プロセス126
において、エンジンの発生トルクTeを、スロットル弁開
度Thとエンジン回転数Neとを、第9図で示されるマップ
に照合して対応するエンジンの発生トルクTeを読み出し
て設定し、続くプロセス127において、作動油の温度に
基づいて補正係数Kを設定し、プロセス128において伝
達トルクTrを設定してプロセス129に進む。プロセス129
においては、伝達トルクTrに基づいて所定の目標スリッ
プ量ΔNが得られる差圧ΔPを設定してプロセス130に
進み、差圧ΔPを生じさせるデューティDの値ynを求
め、プロセス131において、デューティDを値ynに設定
してプロセス132に進む。プロセス132においては、ロッ
クアップ制御用ソレノイド弁6に駆動信号Cfを供給し、
続くプロセス133において、プロセス131で設定されたデ
ューティDを有する駆動信号Cgを形成してそれを調圧用
ソレノイド弁7に供給してこのプログラムを終了する。
一方、ディシジョン125において、制御開始後である
と判断された場合には、プロセス134に進み、そのとき
のエンジン回転数からタービン回転数を減じた実スリッ
プ量と目標スリップ量ΔNとの偏差ΔNnを算出し、プロ
セス135において修正演算値Zを算出し、プロセス136に
おいて、修正演算値Zに応じた加算値ΔXを設定し、続
くプロセス137においてデューティDの値ynを、求め、
プロセス131〜133を上述と同様に順次実行してこのプロ
グラムを終了する。
なお、減速スリップ制御等のプログラムの詳細は説明
を省略している。
(発明の効果) 上記のような本発明によれば、流体継手のロックアッ
プクラッチの締結力を制御してスリップ制御を行うにつ
いて、変速時には変速前後での変速機構入力回転数の回
転変化量を求め、この回転変化量に応じてロックアップ
クラッチの締結力が小さくなるように変速後制御量を設
定する変速後制御量設定手段を設けたことにより、変速
後の流体継手の入力側回転数の落込みを抑制して変速シ
ョックの改善および良好な加速性能を得ることができる
と共に、全体として燃費性能等を改善する基本的なスリ
ップ制御を実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を明示するための機能ブロック
図、 第2図は一実施例における流体継手のスリップ制御装置
を車両のパワープラントと共に示す概略構成図、 第3図は第2図に示される例の主要部を示す概略構成
図、 第4図〜第12図はスリップ制御における各種制御特性を
示す特性図、 第13図および第14図はコントロールユニットの処理を説
明するためのフローチャート図である。 A,24……流体継手、B,21……ロックアップクラッチ、C
……締結力制御手段、E……回転差演算手段、F……変
速後制御量設定手段、G……変速判定手段、M,26……変
速機構、6……ロックアップ制御用ソレノイド弁、7…
…調圧用ソレノイド弁、10……エンジン本体、14……ス
ロットル弁、20……自動変速機、30……油圧回路部、34
……ポンプインペラー、36……タービンランナー、43…
…解除室、44……締結室、51……ロックアップシフト
弁、52……ロックアップ調圧弁、81……スロットル開度
センサ、82……車速センサ、100……コントロールユニ
ット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロックアップクラッチの締結力が制御可能
    で、運転状態が所定のスリップ制御領域では該ロックア
    ップクラッチを所定のスリップ状態に制御するスリップ
    制御を行う締結力制御手段を備えると共に、出力側に変
    速機構を備えた流体継手のスリップ制御装置において、
    上記変速機構の変速時期を判定する変速判定手段を設け
    ると共に、変速機構入力回転数の変速前後の回転変化量
    を求める回転差演算手段を設け、該回転差演算手段の信
    号を受け、変速後のロックアップクラッチの締結力を前
    記変速前後の回転変化量が大きいほど小さくするように
    前記締結力制御手段の制御量を設定する変速後制御量設
    定手段を備えたことを特徴とする流体継手のスリップ制
    御装置。
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