JP2818480B2 - 研磨不織布 - Google Patents

研磨不織布

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は研磨性を有する不織布に関するものである。
更に詳しくは台所まわりやリビングまわりの強固な汚れ
を簡単に落とすことのできる研磨性を有する不織布に関
するものである。
〔従来の技術〕
台所まわり、リビングまわりの清掃には従来布ぞうき
んが使用されている。布ぞうきんは丈夫で吸収性よもよ
く、清掃面積も広いが、使用後洗濯しなければならな
ず、手間がかかるという欠点がある。
最近布ぞうきんに代わって不織布からなる製品がある
ゆる場面で用いられる様になった。これら不織布製品
は、使い捨てできるという点で非常に便利であり、特に
清掃頻度が高い台所まわりにおいては便利な製品であ
る。使い捨てできるという点では紙製品でもよいが、強
度面から見れば不織布製品には及ばない。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような清掃目的に使用される研磨不織布は、特開
昭50−44659号公報、特開昭50−86850号公報、特開昭52
−134260号公報、特開昭53−61168号公報、特開昭53−1
6467号公報、特開昭54−10565号公報、特開昭56−91077
号公報、特開昭59−129046号公報、特開昭62−152426号
公報、特開昭62−152427号公報などに開示されているよ
うに、不織布に研磨剤粒子を含有する樹脂結合剤を含
浸、スプレー又は塗工し、加熱乾燥することにより製造
されている。
しかしながら、このような研磨不織布は使用時手に与
える感触がよくなく、また経済的な面から樹脂結合剤を
少なくすると研磨剤粒子が剥離しやすくなるという問題
がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこのような従来の不織布等の欠点を改良
すべく鋭意検討を重ねた結果、芯鞘構造を有する複合繊
維の鞘部に研磨剤粒子を含有する繊維からなる不織布を
用いることにより、上記目的を達成することを見い出
し、本発明を完成した。
すなわち本発明は鞘部に研磨剤粒子を含有する芯鞘構
造を有する複合繊維を使用したことを特徴とする研磨不
織布を提供するものである。
本発明に使用される不織布の主構成素材である複合繊
維については本質的に芯鞘構造を持つ繊維であればよ
く、特に限定されない。複合繊維の例としては、芯成分
にはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等の各
種合成樹脂が使用され、鞘成分の合成樹脂には芯成分の
合成樹脂の融点より少なくとも20℃以下の融点を有する
ものを使用することが望ましい。芯成分と鞘成分との合
成樹脂は同系のものが望ましいが、親和性があれば異な
る合成樹脂の組合わせでも良い。
複合繊維がポリエステルよりなる場合には、軟化点が
240℃以上のポリエステルを芯成分とし、軟化点が100〜
150℃のポリエステルを鞘成分とした複合繊維であるこ
とが望ましい。さらに詳細には芯成分としては主として
ポリエチレンテレフタレートであり、鞘成分としては二
塩基酸またはその誘導体のいずれか1種とグリコール類
の1種とこれらと異なる二塩基酸またはグリコール類の
1種以上とを反応せしめて得られるものであることが望
ましく、後者の一例としてはテレフタル酸、イソフタル
酸およびエチレングリコールを主成分とする共重合ポリ
エステルが挙げられる。鞘成分としては、上記のほかポ
リエチレン、ポリプロピレン等も使用することができ
る。ポリエステルを複合繊維として使用する場合には、
嵩高性、弾性回復性が優れている。
他の複合繊維としては、芯成分をポリプロピレンと
し、鞘成分をポリエチレン、ポリスチレン、エチレンプ
ロピレン共重合体、芯成分のポリプロピレンよりも低融
点のポリプロピレン等とするものも望ましい。
複合繊維の繊度は10デニール以下が望ましいが、これ
に限らない。複合繊維の芯成分の繊度は複合繊維全体の
繊度の1/2〜1/6であることが望ましい。
複合繊維は50〜150mmにカットされ、捲縮が付与され
ていることが望ましい。
本発明の複合繊維の鞘部に含まれる研磨剤粒子として
は、無機鉱物系、樹脂系(ポリマービーズ)のもの等が
挙げられる。無機鉱物系の研磨剤としては炭酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸カル
シウム、圭石(SiO2)、ゼオライト、長石(KAISi
3O3)、タルク(Mg3(Si4O10)(OH))、蛍石(Ca
F2)、リン灰石(Ca5P2O12F)、黄玉(SiAl2F2O4)、ざ
くろ石(3FeO・Al2O3・3SiO2)、溶融ジルコニア(Zr
O2)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ガラスビーズ等が挙げ
られる。樹脂系の研磨剤としては、尿素樹脂、ポリ塩化
ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等が挙げられる。どの粒子を使用するかは特に限
定されず、用途に応じて粒子の硬度等の性質より選択す
ればよい。
本発明に使用される研磨剤粒子の複合繊維の鞘部に対
する含有率は0.5〜30重量%の範囲にあるものが使用で
き、特に5〜25重量%の範囲のものが望ましい。また、
粒子の平均粒径は0.5〜30μの範囲にあるものが使用で
き、特に1〜20μの範囲にあるものが望ましい。
鞘部に研磨剤粒子を含有させる方法は特に限定される
ものではない。例えば原料モノマーに添加混合後重合す
る方法、反応中間体に添加混合する方法、重合終了時の
ポリマーに添加混合する方法、ポリマーペレットに添加
混合して溶融する方法、紡糸原液へ添加混合する方法な
どがある。通常、紡糸直前に添加混合する方法が好適で
ある。しかし良好な研磨剤粒子の分散のためにモノマー
に添加混合することが好ましい場合もある。
鞘部を形成する研磨剤粒子を含有する合成樹脂と芯部
の形成する合成樹脂は通常行なわれている複合技術、例
えばコンジュゲート紡糸技術を利用して複合繊維の鞘部
に研磨粒子を含有する芯鞘構造を有する複合繊維が作ら
れる。
本発明における研磨不織布はウエブ形成及び接着の二
工程により製造されるがその製法は特に限定されない。
ウエブ成形法には乾式、湿式があり、接着法には熱融着
法、接着剤法、繊維交絡法等があり、それらの組合わせ
により不織布を製造すればよい。例えば芯鞘構造を有す
る複合繊維の鞘部に粒子を含有する繊維でランダムカー
ド法(乾式)によりウエブを形成し、サクション法によ
り繊維を熱融着させて研磨不織布を得る。
又、芯鞘構造を有する複合繊維の鞘部に粒子を含有す
る繊維で抄紙法(湿式)によりウエブを形成し、接着剤
により繊維を接着させることによっても研磨不織布を得
ることができる。
本発明の研磨不織布には、上記複合繊維の他に通常の
他の繊維、例えば木材パルプ繊維、非木材系植物繊維、
レーヨン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等を混抄
することができる。その場合、複合繊維の混合割合は30
重量%以上、好ましくは60重量%以上であることが望ま
しい。
本発明の研磨不織布は、使用目的によっても異なる
が、通常、後述の研磨力評価法によって測定される研磨
力が20以上になるように研磨粒子の大きさ、硬度、鞘部
の厚さ、複合繊維の混合割合などを決定するのがよい。
〔発明の効果〕 本発明の研磨不織布は軽い汚れから強固な汚れまで多
種多様の汚れに対して優れた研磨力を有する。その研磨
力は繊維の素材、粒子の種類によって変化させることが
可能であり、用途に応じた研磨力を有することができ
る、本発明の研磨不織布は手触りがよく、また研磨効果
の持続性にも優れている。
〔実 施 例〕
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 SiO2(平均粒径4μ)が鞘部に対して20重量%含有さ
れているES繊維(芯/鞘=PP(ポリプロピレン、以下同
じ)/低融点PE(ポリエチレン、以下同じ)、3d×51m
m、チッソ製)を原料とし、普通カード法とアイソマイ
ザー法を用いてウエブを形成しサクション法により接着
させ研磨不織布(坪量15g/m2)を得た。
得られた研磨不織布の研磨力について下記の方法で評
価し、研磨力を求めた。
<研磨力> 鉄(3cm×8cm)のテストピースにナタネ油/カーボン
ブラック(重量比:5/1)混合物を0.06g塗布したものを1
50℃に30分変性させた弱変性汚れ(鉛筆硬度5B)を作
る。
ウレタンスポンジに両面テープでサンプルをはりつ
け、下記の組成の洗浄剤1gをサンプル面に塗布し、1kg/
30cm2の荷重により150回洗浄した後の重量減少率より研
磨力を求めた。すなわち、重量減少率が50%の場合、研
磨力は50となる。
・洗浄剤組成: ソフタノール70H(日本触媒化学製) 1.5重量% プロピレングリコールモノメチルエーテル3 エタノール 10 モノエタノールアミン 0.5 水 バランス 比較例1 ES繊維(芯/鞘=PP/低融点PE、3d×51mm、チッソ
製)を原料とし、実施例1に記載の方法で不織布(坪量
15g/m2)を得た。得られた不織布の研磨力を求めた。
実施例2 炭酸カルシウム(平均粒径5μ)が鞘部に対して20重
量%含有されている複合繊維(芯/鞘=PP/低融点PP、6
d×51mm、チッソ製)を原料とし、実施例1に記載の方
法で研磨不織布(坪量15g/m2)を得た。得られた不織布
の研磨力を求めた。
実施例1、実施例2及び比較例1の評価結果を表−1
に示す。
実施例3 炭酸カルシウム(平均粒径10μ)が鞘部に対して20重
量%含有されているESC繊維(芯/鞘=PP/低融点PE、7d
×51mm、チッソ製)を原料とし、普通カード法を用いて
ウエブを形成し、ウオーターニードリング法により交絡
させ研磨不織布(坪量15g/m2)を得た。得られた研磨不
織布の研磨力を求めた。
比較例2 ESC繊維(芯/鞘=PP/低融点PE、7d×51mm、チッソ
製)を原料とし、実施例3に記載の方法で不織布(坪量
15g/m2)を得た。得られた不織布の研磨力を求めた。
実施例3及び比較例2の評価結果を表−2に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鞘部に研磨剤粒子を含有する芯鞘構造を有
    する複合繊維を使用したことを特徴とする研磨不織布。
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