JP2817607B2 - エンドトキシンの安定化方法 - Google Patents

エンドトキシンの安定化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、例えば血液透析用透析液
等の水溶液中のエンドトキシン(以下、ETと略記す
る。)濃度を正確に測定するために利用される、水溶液
中のETの安定化方法に関する。
【0002】
【発明の背景】主に慢性腎不全患者を対象として、人工
透析装置による血液透析が広く行われている。血液透析
では半透膜を有するダイアライザーを介して、血液中の
不要物質の除去、或は必要物質の補給を行っている。
【0003】近年、血液透析に於いて、従来の比較的低
分子量の物質のみならず、β2-ミクログロブリン等の比
較的分子量の大きな有害物質も除去しなければ、患者に
悪影響が生じることが判ると共に、半透膜の作製技術の
向上により、血液中不要物質のうち分子量が1万程度の
物質まで除去可能な高透過性ダイアライザーが使用され
るようになった。しかし、その一方で透析液中に存在し
得る毒性物質のうち、分子量数千から1万程度のET或
はそれに類似する物質が血液中へ半透膜を介して侵入す
る逆濾過、逆拡散なる現象が問題視されている。即ち、
ETは、グラム陰性菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖
(Lipopolysaccharide、LPS)で、強い発熱性物質と
して知られているものであり、血液透析用透析液へのE
Tのコンタミを防止することは極めて重要であると考え
られるからである。特に、逆拡散による侵入は透析方法
を工夫しても防ぐことができず[S.Takesawa, H.Saito,
H.Hidai, M.Suzuki and K.Sakai:Measurement of Back
Clearance. Trans Am SocIntern Organs. 36 M441-443
(1990)]、高透過性ダイアライザー使用施設では血液
透析用透析液をETフリーとする努力が不可欠となっ
た。
【0004】血液透析用透析液がETフリーであるか否
かの判定方法としては、菌体数測定法や、カブトガニの
血球成分液(以下、AL溶液と略記する。)がETと反
応して酵素(プロテアーゼ等)の活性化反応やゲル化反
応を生じる性質を有していることを利用したET測定
法、所謂リムルステスト等が主なものとして挙げられ
る。このうち、菌体数測定法はある程度確立された方法
ではあるものの、検出に時間を要すると言う問題点を有
している。そのため、迅速な測定が可能なET測定法に
より、血液透析用透析液がETフリーであるか否かの判
定を行うことが望ましい。
【0005】しかしながら、血液透析用透析液中のET
の測定は今だ重要な問題を解決できていないため、その
測定精度が問題となっている。即ち、リムルステストに
よるET測定に於いては、分析のために採取した血液透
析用透析液中のET測定値が経時的に減少するので、採
取後短時間の間に測定を行わない限り正しい値が求まら
ないという問題がある[竹沢真吾、菊池伸樹、日台英
雄、中村陽子、戸田規子、菅野正彦.透析液エンドトキ
シン測定の基礎検討.腎と透析別冊ハイパフォーマンス
メンブレン'93 64-66 (1993)]。
【0006】そのため、血液透析用透析液等の水溶液中
のETをリムルステスト等で測定するためには、これら
水溶液中でETを安定化する必要があるが、この目的に
叶うETの安定化方法は、未だ見出されておらず早急な
開発が望まれている現状にある。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記した如き状況に鑑み成さ
れたもので、採取した水溶液中のET測定値が正確に求
められるよう、その経時変化を抑える安定化方法を提供
することをその目的とする。
【0008】
【発明の構成】本発明は、ETを含む水溶液に、水溶性
の合成高分子化合物及び水溶性の多糖類から選ばれた少
なくとも1種を共存させることを特徴とする、水溶液中
のETの安定化方法、の発明である。
【0009】即ち、本発明者らは、血液透析用透析液等
の水溶液に於いては、保存中にETの測定値が経時的に
減少して、これら水溶液中のET濃度を精度良く測定で
きないという問題を解決するために、水溶液中のETを
安定化し得る方法を求めて鋭意研究の結果、例えばポリ
エチレングリコール等の水溶性の合成高分子化合物や例
えばメチルセルロース等の水溶性の多糖類をこれら水溶
液中に共存させた場合には、ETを安定化し得ること、
即ちET測定値の経時変化を抑えることができることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】本発明に於いて使用される、水溶性の合成
高分子化合物としては、ETとAL溶液との反応を阻害
若しくは促進する性質を有さないものであれば特に限定
されることなく挙げられるが、例えばポリエチレングリ
コール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
等が好ましく挙げられる。
【0011】本発明に於いて使用される、水溶性の多糖
類としては、ETとAL溶液との反応を阻害若しくは促
進する性質を有さないものであれば特に限定されること
なく挙げられるが、例えばメチルセルロース,ヒドロキ
シエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,
ヒドロキシプロピルメチルセルロース,カルボキシメチ
ルセルロース等の水溶性のセルロース誘導体、例えばカ
ルボキシメチルカードラン等の水溶性のβ-1,3-グルカ
ン又はその誘導体、デキストラン等が好ましく挙げられ
る。
【0012】また、本発明に於いて使用される水溶性の
合成高分子化合物又は水溶性の多糖類(以下、本発明に
係わる合成高分子化合物等と略記する。)は、必ずしも
その目的の為に特別に調製或いは合成されたものである
必要はなく、例えば常法により精製或は合成されたもの
でも良いし、市販品を用いても良いことは言うまでもな
い。
【0013】本発明に係る合成高分子化合物等は、当然
のことながら、ET測定に影響を与える量のETを含ん
でいてはならない。そのためには、ET含有量の少ない
ものを選択するか、或は、ETを含んだものを使用する
場合は、予めオートクレーブやET吸着剤等を用いてE
Tを除去する必要がある。
【0014】ETの除去をオートクレーブにより行うの
であれば、例えば上記した如き本発明に係る合成高分子
化合物等を適当な濃度の水溶液とした後、例えば通常用
いられる温度(121 ℃程度)で15〜120分程度オートク
レーブ処理すればよい。
【0015】また、ETの除去をET吸着剤により行う
のであれば、例えばポリミキシンBを固定化した担体や
ヒスチジンをスペーサーを介して固定化した担体等、具
体的な商品名としては、デトキシゲル(ピアス社製)、
アフィプレップポリミキシン(バイオラッド社製)、パ
イロセップ(田辺製薬(株)製)を用いれば足りるが勿論
これらに限定されるものではない。
【0016】例えば血液透析用透析液等の水溶液中で
の、本発明に係る合成高分子化合物等の濃度は、使用す
るものの種類やロットの違い等によって異なり必ずしも
一定ではないが、水溶液中の濃度として通常10〜1,000
μg/ml程度、好ましくは20〜800μg/ml程度、より好ま
しくは40〜600μg/ml程度が挙げられる。また、例えば
水溶性の合成高分子化合物がポリエチレングリコールの
場合には、通常10〜300μg/ml程度、好ましくは20〜200
μg/ml程度、より好ましくは40〜150μg/ml程度であ
り、例えば水溶性の多糖類がメチルセルロースの場合に
は、通常100〜1,000μg/ml程度、好ましくは200〜800μ
g/ml程度、より好ましくは400〜600μg/ml程度である。
【0017】本発明に係る合成高分子化合物等の水溶液
中の濃度が高くなると、該水溶液のリムルステスト法に
よるET測定に於いて、促進作用や阻害作用が生じる場
合があるので注意が必要である。それ故、上記本発明に
係る合成高分子化合物等の好ましい濃度範囲、特にその
上限の値はこのような点を考慮に入れた上でのものであ
る。
【0018】本発明を実施するには、上記した如き本発
明に係る合成高分子化合物等を所定濃度となるように例
えば血液透析用透析液等の被検水溶液中に添加、溶解す
れば足りる。本発明に係る合成高分子化合物等を被検水
溶液に所定濃度となるように添加する方法としては、最
終的にこれらを被検水溶液に所定濃度となるように添加
できる方法であれば特に限定されないが、例えばこれら
を含む水溶液を被検水溶液に適当量添加する方法、これ
らを含む水溶液の適当量を予め分注した試料採取用試験
管に被検水溶液を採取する方法、これらを含む水溶液の
適当量を予め分注した後凍結乾燥処理した試料採取用試
験管に被検水溶液を採取する方法、粉末化したこれらを
被検水溶液に適当量添加する方法等が好ましく挙げられ
る。尚、上記の本発明に係る合成高分子化合物等を含む
水溶液或はこれらの粉末の中には、ETのリムルステス
ト法による測定を阻害又は促進しない範囲であれば例え
ば燐酸塩,グッド(Good)緩衝剤等の緩衝剤や例え
ばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤
等が含まれていても良いことは言うまでもない。また、
水溶性の合成高分子化合物及び水溶性の多糖類を被検水
溶液に所定濃度添加するためには、予め組成物の形とし
て調製したものを用いてもよい。このような組成物とし
ては、水溶液状態でのETを安定化するために使用され
るもので、水溶性の合成高分子化合物及び水溶性の多糖
類から選ばれた少なくとも1種を含有させて成るもので
あればよく、夫々の構成要素の好ましい態様、具体例等
は上で述べた通りである。その形態としては、ポリエチ
レングリコール,ポリビニルアルコール,ポリビニルピ
ロリドン等の水溶性高分子化合物、及びメチルセルロー
ス等の水溶性の多糖類から選ばれた少なくとも一種を含
む水溶液、その凍結乾燥品、又はその粉状物等が挙げら
れる。また、このような組成物中には、ETのリムルス
テスト法による測定を阻害又は促進しない範囲であれ
ば、例えば燐酸塩,グッド(Good)緩衝剤等の緩衝
剤や例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキ
レート剤等が含まれていても良いことは言うまでもな
い。
【0019】本発明の方法により処理した水溶液中のE
Tは、溶液の状態でも1週間程度は安定であるが、室温
若しくは冷蔵保存しておいた場合には、ETをその細胞
壁外膜に含むグラム陰性菌が繁殖して見かけのET量が
増加する場合がある。従って、本発明の方法により処理
した水溶液をET測定用試料として用いる場合には、測
定に供するまで凍結保存しておくことが望ましい。凍結
保存した場合でも該水溶液中のETの測定値は一週間程
度は変動しない。また、該水溶液について凍結、融解を
2〜3回程度繰り返しても該水溶液中のETの測定値は
変動しない。
【0020】本発明の安定化方法により安定化された水
溶液中のET量をリムルステストを用いて測定する場合
に用いられるAL溶液としては、例えばリムルス属(Li
mulus)、タキプレウス属(Tachypleus)或いはカルシ
ノスコピウス属(Carcinoscorpius)に属するカブトガ
ニの血球成分を含むもので、ETとの反応により凝固が
生じるものであれば特に限定されることなく挙げられ
る。また、例えばACC(Associates of Cape Cod)
社、ウィタカー社(WhittakerBioproducts, Inc.)、エ
ンドセイフ社(Endosafe, Inc.)、生化学工業(株)及び
和光純薬工業(株)等から市販されているAL溶液の凍結
乾燥品をもとに調製したものも当然のことながら使用可
能である。
【0021】また、本発明の安定化方法により安定化さ
れた水溶液中のET量をリムルステストを用いて測定す
る場合のリムルステストの手法は、通常用いられる方法
であれば特に限定されることなく使用可能である。通常
良く用いられる手法としては、例えば、FDAガイドラ
イン(Guidelineon validation of the Limulus amoeb
ocyte lysate test as an end-productendotoxin tes
t for human and animal parenteral drugs, biol
ogicalproducts, and medical devices, Food and Drug
Adm. (1987))に記載されているゲル化転倒法、合成基
質法、比濁時間分析法等が挙げられる。より具体的に
は、例えばトキシノメーターET−201(和光純薬工
業(株)製)、トキシノメーターMT−251(和光純
薬工業(株)製)、LAL−5000[ACC(ASSOCI
ATES OF CAPE COD)社製]等の専用装置を用いる比濁時
間分析法等のAL溶液を用いた常法により実施すれば足
りる。以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0022】
【実施例】
実施例1. (試薬) ・LAL溶液 リムルス属カブトガニ由来のAL溶液の凍結乾燥品(以
下,LALと略記する。和光純薬工業(株)販売、ゲル化
感度:0.6 EU/リットル、5ml用。)を注射用蒸留水で溶解
して得たLAL溶液を使用した。 ・ET安定化剤溶液 所定の水溶性の合成高分子化合物又は水溶性の多糖類を
所定濃度となるように注射用蒸留水(大塚製薬(株)製)
に溶解した後、オートクレーブ処理(121℃、20分)し
たものであって、エンドトキシンフリーであること及び
リムルステスト等を促進又は阻害しないことを確認した
ものをET安定化剤溶液とした。尚、本実施例に於ける
水溶性の合成高分子化合物又は水溶性の多糖類は、以下
のものを使用した。 ポリエチレングリコール;和光純薬工業(株)製。 ポリビニルアルコール;和光純薬工業(株)製。 ポリビニルピロリドン;和光純薬工業(株)製。 メチルセルロース;和光純薬工業(株)製、400CP。 ヒドロキシエチルセルロース;和光純薬工業(株)製。 カルボキシメチルカードラン;和光純薬工業(株)製。 また、ヒト血清アルブミンは日本赤十字社のものを使用
した。 (試料)2054ファルコン管(ベクトンデッキンソン社
製、容量:約4ml)に、ETを約120 EU/リットル含む血液
透析用透析液2mlと、所定のET安定化剤溶液50μlと
を添加、混合したものを試料とした。 (操作法)0.1 mlのLAL溶液と0.1 mlの上記試料とを
攪拌混合後、37℃保温下に、該混合液の透過光量が5%
減少するまでの時間(以下、Tgと略記する。)をトキ
シノメーターMT-251(和光純薬工業(株)製)を用いて測
定した。別に、所定濃度のETを含む注射用蒸留水を検
体として、同様の測定を行い、ET濃度とTgとの関係
を表す検量線を作成した。この検量線に基づいて各試料
中のET濃度を算出した。尚、ETの測定は、調製直後
の試料と、調製直後に−20℃の冷凍庫にて凍結保存し所
定日数経過後融解した試料について行った。 (結果)得られた結果を図1に示す。尚、図1は、横軸
の各凍結保存日数に対して得られた試料中のET相対濃
度(%)を縦軸に沿ってプロットした点を結んだもので
あり、図中、−●−はET安定化剤溶液の代りに注射用
蒸留水を用いた試料(ブランク)について得られた結果
を、−○−はET安定化剤溶液として2.0%のメチルセ
ルロース水溶液を用いた試料について得られた結果を、
−□−はET安定化剤溶液として2.0%のポリビニルア
ルコール水溶液を用いた試料について得られた結果を、
−△−はET安定化剤溶液として0.5%のポリビニルピ
ロリドン水溶液を用いた試料について得られた結果を、
−◎−はET安定化剤溶液として0.5%のポリエチレン
グリコール(平均分子量:200)水溶液を用いた試料に
ついて得られた結果を、−◇− はET安定化剤溶液と
して0.5%のポリエチレングリコール(平均分子量:4,0
00,000)水溶液を用いた試料について得られた結果を、
−▽−はET安定化剤溶液として0.5%のヒドロキシエ
チルセルロース水溶液を用いた試料について得られた結
果を、−+−はET安定化剤溶液として0.5%のカルボ
キシメチルカードラン水溶液を用いた試料について得ら
れた結果を、また、−☆−はET安定化剤溶液として2.
0%のメチルセルロースと0.05%のヒト血清アルブミン
とを含む水溶液を用いた試料について得られた結果を夫
々示す。尚、ET相対濃度(%)は、調製直後の各試料
中のET濃度を100%とした場合の、所定日数凍結保存
後の各試料中のET濃度の割合を示すものである。図1
の結果から明らかな如く、血液透析用透析液中に各種の
水溶性の合成高分子化合物や水溶性の多糖類を含む溶液
を添加することにより、該透析液中のET測定値の経時
変化を抑えることができることが判る。特に、ET安定
化剤溶液として2.0%のメチルセルロース水溶液を用い
た試料中のET測定値は、凍結保存後7日目でも殆ど変
動は見られない。尚、ET安定化剤溶液として、2.0%
のメチルセルロースと10%のグルコースを含む水溶液、
2.0%のメチルセルロースと0.04%のポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテルを含む水溶液、又は2.0%
のメチルセルロースを含む10〜500mM 燐酸緩衝液(pH
7.4)を用いて上記と同様の操作を行ったところ、これ
らもET安定化剤溶液として有効であることが判った。
また、ET安定化剤溶液を添加した試料について、凍結
融解を繰り返してET濃度の測定を行ったところ、2〜
3回程度の凍結融解では測定値に変動が見られないこと
も判った。
【0023】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな如く、本発
明は、例えば血液透析用透析液等の水溶液中のETの安
定化方法に関するものであり、本発明を利用することに
より、今までは経時的なET測定値の低下が著しかった
水溶液中のET濃度を長期間に渡って精度良く測定する
ことが可能となる、という効果を奏するものであり、斯
業に貢献するところ大なる発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、横軸の各凍結保存日数に
対して得られた試料中のエンドトキシン(以下、ETと
略記する。)相対濃度(%)を縦軸に沿ってプロットし
た点を結んだものである。
【符号の説明】
図1中、−●−はET安定化剤溶液の代りに注射用蒸留
水を用いた試料(ブランク)について得られた結果を、
−○−はET安定化剤溶液として2.0%のメチルセルロ
ース水溶液を用いた試料について得られた結果を、−□
−はET安定化剤溶液として2.0%のポリビニルアルコ
ール水溶液を用いた試料について得られた結果を、−△
−はET安定化剤溶液として0.5%のポリビニルピロリ
ドン水溶液を用いた試料について得られた結果を、−◎
−はET安定化剤溶液として0.5%のポリエチレングリ
コール(平均分子量:200)水溶液を用いた試料につい
て得られた結果を、−◇− はET安定化剤溶液として
0.5%のポリエチレングリコール(平均分子量:4,000,0
00)水溶液を用いた試料について得られた結果を、−▽
−はET安定化剤溶液として0.5%のヒドロキシエチル
セルロース水溶液を用いた試料について得られた結果
を、−+−はET安定化剤溶液として0.5%のカルボキ
シメチルカードラン水溶液を用いた試料について得られ
た結果を、また、−☆−はET安定化剤溶液として2.0
%のメチルセルロースと0.05%のヒト血清アルブミンと
を含む水溶液を用いた試料について得られた結果を夫々
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−110153(JP,A) 特開 平2−187663(JP,A) ACS Symp.Ser.(Ana l.chem.Bacillus Th uringiensis) 432(1990) P.70−77 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/579 G01N 33/531 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドトキシンを含む水溶液に、水溶性の
    合成高分子化合物及び水溶性の多糖類から選ばれた少な
    くとも1種を共存させることを特徴とする、水溶液中の
    エンドトキシンの安定化方法。
  2. 【請求項2】水溶性の合成高分子化合物が、ポリエチレ
    ングリコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピ
    ロリドンから選ばれた少なくとも1種である、請求項1
    に記載の安定化方法。
  3. 【請求項3】水溶性の多糖類が、水溶性のセルロース誘
    導体である、請求項1に記載の安定化方法。
  4. 【請求項4】水溶性のセルロース誘導体が、メチルセル
    ロースである、請求項3に記載の安定化方法。
  5. 【請求項5】水溶性の高分子化合物及び水溶性の多糖類
    から選ばれた少なくとも1種を含有させて成る、水溶液
    中のエンドトキシンの安定化用組成物。
  6. 【請求項6】水溶性の合成高分子化合物が、ポリエチレ
    ングリコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピ
    ロリドンから選ばれた少なくとも1種である、請求項5
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】水溶性の多糖類が、水溶性のセルロース誘
    導体である、請求項5に記載の組成物。
  8. 【請求項8】水溶性のセルロース誘導体が、メチルセル
    ロースである、請求項7に記載の組成物。
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