JP2814928B2 - A/d変換器 - Google Patents

A/d変換器

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JP2814928B2
JP2814928B2 JP21377794A JP21377794A JP2814928B2 JP 2814928 B2 JP2814928 B2 JP 2814928B2 JP 21377794 A JP21377794 A JP 21377794A JP 21377794 A JP21377794 A JP 21377794A JP 2814928 B2 JP2814928 B2 JP 2814928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カレントミラーを用い
て形成された階層的ツリー構造(木構造)を持つ電流モ
ードA/D変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低電源電圧でも動作できる電流モ
ードA/D変換器が有望視されているが、より高速に動
作することも要求されている。従来例として、図4に特
願平5−334128号明細書に記載されているA/D
変換器を示す。これは、入力信号電流をツリー状に分散
させ、信号がそれぞれの電流経路を伝搬していく途中
で、比較電流を減算/加算していくことを階層的に行
い、それらの結果得られる電流を、最終的に比較電流と
比較判定し、デジタル出力を得るものである。この場
合、図5のように、各段の信号伝搬遅延時間と比較器の
比較時間をそれぞれ等しくTとすると、入力から比較器
の出力までに要する変換時間は、6Tとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のA/D変換器で
は、入力信号がツリー構造の信号経路を伝搬していくの
で、A/D変換器の変換速度(スループット)は、主と
して、信号がツリーの全段を伝搬していく伝搬遅延時間
と比較器の判定時間の総和により制限されている。した
がって、比較器は、いくら速く動作しても、信号の伝搬
時間によって速度が律速される。
【0004】本発明の目的は、従来よりも変換速度(ス
ループット)を高速化することができるA/D変換器を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力信号をサ
ンプルホールドするサンプルホールド手段と、このサン
プルホールド手段の出力信号を電流に変換する電圧−電
流変換手段を有し、入力端子と出力端子を有し、この出
力端子に、クロック信号でオン/オフするスイッチを介
して、複数の出力トランジスタのゲートが接続されたカ
レントミラー回路と、このカレントミラー回路の入力端
子に接続され、電流を加減算する電流源を有し、前記カ
レントミラー回路と前記電流源で単位回路を構成し、こ
の単位回路をツリー構造に接続して電流ツリー段とし、
この電流ツリー段の初段の入力端子に前記電圧−電流変
換回路の出力端子を接続し、電流ツリー段内では単位回
路の入力端子は前段の単位回路の出力トランジスタのド
レインに接続し、電流ツリー段の最終段のカレントミラ
ー回路の出力端子のそれぞれに、カレントミラー回路の
出力電流と電流ツリー段の最終段の電流源の比較電流と
の大小を比較する比較器を接続し、この比較器のデジタ
ル出力に所望のデジタルコードに変換するエンコード回
路を接続したことを特徴とするA/D変換器である。
【0006】
【作用】カレントミラーを主体に構成され、ツリー構造
を有するA/D変換器において、カレントミラーの内部
に挿入したスイッチによりカレントミラーは、伝搬信号
をサンプル/ホールドすることができる。各段のスイッ
チを交互にオン・オフすることにより、このA/D変換
器は、パイプライン動作を行うことができ、信号の伝搬
遅延時間は、見かけ上、1段分または数段分の伝搬時間
で済むようになる。したがって、見かけ上の変換速度
(スループット)は、ツリーの1段分または数段分の信
号伝搬遅延時間と比較器の判定時間の総和になり、従来
よりも高速な変換速度(スループット)が得られる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0008】図1は、本発明のA/D変換器の一実施例
を示す図である。本実施例は、2進木で4段のツリー構
造を有する4ビットの電流モードA/D変換器であり、
入力信号をサンプルホールドするS/H(サンプルホー
ルド)回路SHと、S/H回路SHの出力信号を電流に
変換する電圧−電流変換器VIと、電圧−電流変換器V
Iの出力端子に接続され電流を加減算する電流源と、前
段の出力端子から供給される電流を入力する入力端子
と、2出力の出力端子を有し、かつ入力側のトランジス
タのゲート端子と出力側のトランジスタのゲート端子の
間にスイッチを有する4段のツリー構造のカレントミラ
ー回路と、カレントミラー回路の出力端子のそれぞれに
接続され、電流を加減算する電流源と、ツリー構造の最
終段のカレントミラー回路の出力端子のそれぞれに接続
され、カレントミラー回路の出力電流と出力端子に接続
された比較電流源の比較電流との大小を比較する16個
の比較器と、16個の比較器のデジタル出力を所望のデ
ジタルコードに変換するエンコード回路とにより構成さ
れている。スイッチSW(i,j)は、i段目および下
からj番目のスイッチを示している。
【0009】次に、本実施例の動作について説明する。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、A/D変換
器の変換速度は、S/H回路とツリー部分と比較器で決
まるものとする。
【0010】入力のS/H回路SHは、スイッチにより
入力電圧信号をサンプル・ホールドする。S/H回路S
Hの出力は、電圧−電流変換器VIにより電流に変換さ
れる。比較器は、クロック信号φCMPに同期して比較
を行うとする。各段のスイッチSW(k,1)〜SW
(k,2(k-1) )(kはk段目を示す)は、各段ごとに
クロック信号でオン/オフする。S/H回路SHのサン
プリング・クロック信号をφS、各段のクロック信号を
φ1〜φ4とする。
【0011】各クロック信号は、図2のように与えると
し、φS,φ2,φ4をφAで代表し、φ1,φ3,φ
CMPをφBで代表する。各スイッチは、クロック信号
が“H”(デジタル出力で1に相当)のときにオン、
“L”のときにオフとする。比較器は、クロック信号が
“H”のときに比較を行うとする。
【0012】φAが“H”のとき、入力信号がS/H回
路SHにサンプリング(標本化)される。同時に、2段
目と4段目のカレントミラーのスイッチがオンし、これ
らのカレントミラーの出力トランジスタのゲートに入力
トランジスタのゲートと等しい電圧信号が伝搬し、サン
プリングされる。一方、このとき、φBは“L”なの
で、1段目と3段目のカレントミラーのスイッチはオフ
し、これらのカレントミラーの出力トランジスタのゲー
トには、信号電圧がホールド(保持)され、カレントミ
ラーの出力電流もホールドされる。カレントミラーの出
力トランジスタのゲートには寄生容量があるので、電圧
が保持される。
【0013】次に、φAが“L”になると、入力信号
は、S/H回路SHにホールドされる。同時に、1段目
と3段目のカレントミラーのスイッチがオンし、これら
のカレントミラーの出力トランジスタのゲートに、入力
トランジスタのゲートと等しい電圧信号が伝搬し、サン
プリングされる。一方、このとき、φBは“H”なの
で、2段目と4段目のカレントミラーのスイッチはオフ
し、これらのカレントミラーの出力トランジスタのゲー
トには信号電圧がホールドされ、出力電流もホールドさ
れる。また、このとき、4段目のカレントミラーの出力
電流と比較電流を比較器は比較し、そのときのデジタル
出力を出力する。
【0014】以上の状態を交互に行うことで、見かけ上
の信号伝搬時間は、1段分Tとなり、φAのクロック周
期2Tのスループットで変換を行うことができる。
【0015】図3に、パイプライン動作させた場合の変
換のタイムチャートを示す。ここでは、簡単のため各段
の信号伝搬遅延時間と比較器の判定時間を等しくTとす
る。パイプライン動作させたものは、2Tの時間のスル
ープットを示している。一方、従来の場合の変換のタイ
ムチャートは、図5のようになり、変換時間は6Tであ
る。よって、本発明により変換速度(スループット)
は、3倍の高速化がなされている。
【0016】なお、上記の例では、ホールド容量として
トランジスタのゲート寄生容量を利用しているが、それ
と並列に容量素子を入れてもよい。
【0017】また、上記の例では、2進木で4段のツリ
ー構造としたが、これに限るものではなく、任意のn段
であってもよい。一般に、n段を有するツリー構造を有
するA/D変換器において、各段の信号遅延とS/H回
路と比較器とのそれぞれの遅延をTとすると、従来の場
合、変換速度は(n+2)Tとなる。しかし、本発明を
適用することにより、1段ごとに交互にパイプライン動
作させた場合には、変換速度(スループット)は2T
に、2段ごとに交互にパイプライン動作させた場合には
4Tに、m段ごとにパイプライン動作させた場合には2
mTになる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ツリー
構造を有する電流モードA/D変換器において、ツリー
の各段を構成するカレントミラーの内部にスイッチを設
け、各段ごとに信号の伝搬をパイプライン動作させるこ
とにより、全体の信号の伝搬遅延を見かけ上小さくする
ことができ、上記のA/D変換器の変換速度(スループ
ット)を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のA/D変換器の一実施例を示す図であ
る。
【図2】パイプライン動作するためのクロック信号の例
を示す図である。
【図3】パイプライン動作させた場合の変換のタイムチ
ャートである。
【図4】従来の4ビット電流モードA/D変換器の一実
施例を示す図である。
【図5】図4の従来例のタイムチャートである。
【符号の説明】
SH S/H(サンプルホールド)回路 VI 電圧−電流変換器 SW(i,j) スイッチ φ1〜φ4,φCMP クロック信号 φS サンプリング・クロック信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号をサンプルホールドするサンプ
    ルホールド手段と、このサンプルホールド手段の出力信
    号を電流に変換する電圧−電流変換手段を有し、 入力端子と複数の出力端子を有し、入力側トランジスタ
    のゲート端子と出力側トランジスタのゲート端子との間
    クロック信号でオン/オフするスイッチを有その出
    力端子に複数のトランジスタのゲートが接続されるカレ
    ントミラー回路と、このカレントミラー回路の入力端子
    に接続され、電流を加減算する電流源を有し、 前記カレントミラー回路と前記電流源で単位回路を構
    成し、 この単位回路をツリー構造に接続して電流ツリー段と
    し、この電流ツリー段の初段の入力端子に前記電圧−電
    流変換回路の出力端子を接続し、電流ツリー段内では単
    位回路の入力端子は前段の単位回路の出力トランジスタ
    のドレインに接続し、電流ツリー段の最終段のカレント
    ミラー回路の出力端子のそれぞれに、カレントミラー回
    路の出力電流と電流ツリー段の最終段の電流源の比較電
    流との大小を比較する比較器を接続し、この比較器のデ
    ジタル出力に所望のデジタルコードに変換するエンコー
    ド回路を接続したことを特徴とするA/D変換器。
  2. 【請求項2】前記出力トランジスタのゲートの寄生容量
    に並列に容量素子を接続したことを特徴とする請求項1
    に記載のA/D変換器。
  3. 【請求項3】電流ツリー段内の隣り合う段のクロック信
    号に互いに反対の位相を持たせることで、カレントミラ
    ー回路にサンプルホールド回路動作を兼ねさせ、パイプ
    ライン動作をさせることを特徴とする請求項1または2
    に記載のA/D変換器。
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JP4137922B2 (ja) 2005-06-23 2008-08-20 富士通株式会社 A/d変換回路
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