JP2813988B2 - 赤血球変形能測定方法及び装置 - Google Patents

赤血球変形能測定方法及び装置

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JP2813988B2 JP20645489A JP20645489A JP2813988B2 JP 2813988 B2 JP2813988 B2 JP 2813988B2 JP 20645489 A JP20645489 A JP 20645489A JP 20645489 A JP20645489 A JP 20645489A JP 2813988 B2 JP2813988 B2 JP 2813988B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、赤血球の変形能を測定する方法及び装置に
関する。
[従来の技術] 赤血球は、おわん型に変形することで、自分の直径よ
りも小さい毛細血管の中を通過することが知られてい
る。また赤血球が流れる際に、その面を流れの垂直方向
にすることができるのは、赤血球が変形する能力を有し
ているからである。しかし、なんらかの疾患がある場
合、その変形能力が低下すると推測される。従って、赤
血球の変形能を測定することによって疾患があるか否か
判断することができる。
従来、赤血球の変形能の測定方法としては、多孔性膜
を単位時間内に通過する赤血球量、または一定量の赤血
球が多孔性膜を通過するのに要する時間を測定し、これ
を赤血球変形能の指標とするフィルタ濾過法や、粘性流
体に流れにより生じるずり応力により、赤血球が楕円状
に変形し、流れの方向に配向するようすをフラッシュ写
真に撮るレオスコープ法や、レーザ光の解析パターンに
より推測するエクトサイトメータ法がある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、フィルタ濾過法では、赤血球の変形を直接に
視覚化して捕えることができない上に、膜の目づまり等
によって正確に測定することができないという問題点が
あった。また、レオスコープ法では、フラッシュ写真か
ら変形度を読むので、その変形度を読む作業をいちいち
手作業で行なわなければならず、またエクサイトメータ
法では個々の赤血球についての情報が得られないという
問題点があった。さらに、レオスコープ法やエクサイト
レータ法では、ずり応力は粘性流体の粘性係数に比例す
るので、赤血球を例えば20%Dextran T−40−等張リン
酸緩衝化食塩水に浮遊させて粘度を増しているが、この
ために逆に生体内では見られないような高ずり応力を各
赤血球に作用させた結果となるという問題点もあった。
本発明は、上記の問題点を解決した赤血球の変形能測
定方法及び装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための、赤血球変形能測定方法
は、赤血球を偏平流にし、赤血球にずり応力を作用させ
つつ、上記赤血球の偏平な面を矩形通路の長辺側に向か
せて前記矩形通路に流す工程と、上記偏平流の上記長辺
側を向いた面の静止画像を得る工程と、静止画像から赤
血球を領域を検出する工程と、検出された赤血球像それ
ぞれに対しその変形度を求める工程とを、具備するもの
である。
変形度を求める工程は、検出された赤血球像の(長径
−短径)/{(長径+短径)/2}比または長径と短径の
比を求める工程を含むことが望ましい。さらに、この変
形度を求める工程は、検出された赤血球像の重心を通る
慣性の主軸を求め、その主軸のうち赤血球の流れの方向
と所定角度内のものを長軸とし、他方のものを短軸と
し、検出された赤血球像の領域の長軸、短軸に沿った長
さをそれぞれ長径、短径として求める工程を含むこが望
ましい。
また、この赤血球変形能測定方法は、求められた各赤
血球の変形度を集計し、変形度と度数とを2軸とするヒ
ストグラムを作成する工程を有することが望ましい。
さらに、赤血球の領域を検出する工程は、静止画像の
各画素の濃度勾配値及び勾配方向を求める工程と、各濃
度勾配値に対してしきい値を設定し、赤血球像の辺縁を
検出する工程と、検出された辺縁を細める工程と、細め
られた辺縁の不連続部分を連結する工程と、連結された
辺縁を滑らかにする工程とを、含むことが望ましい。
また、本発明による赤血球変形能測定装置は、矩形通
路の一端にこれから徐々に径が拡大する拡大通路を有す
るフローセルと、このフローセルの拡大通路内に先端が
矩形通路側に臨む状態に配置されたサンプルノズルと、
このサンプルノズルの基端側に接続された赤血球供給手
段と、拡大通路に接続されたシース液供給手段と、矩形
通路の両長辺を間に挟んで対向配置された光源及び撮像
手段と、この撮像手段に接続された画像処理手段とを、
具備し、サンプルノズルは、矩形通路の中心から矩形通
路の短辺に沿う方向にずれて赤血球を供給する。
[作用] 本発明による赤血球変形能測定方法によれば、赤血球
にずり応力を作用しているので、赤血球は、ずり応力の
方向に引き延ばされて変形する。赤血球の変形能力が高
い場合には、変形度は大きく、変形能力が小さい場合に
は、変形度は小さくなる。このようにして変形した赤血
球を撮像して、検出し、変形度を求める。変形度と変形
能力とは相関関係があるので、変形度を変形能力の指標
とみることができる。
変形した赤血球は、概略楕円状となるが、多少いびつ
に変形していても、その長径と短径との関係を見ること
によって変形度を求められる。
このようにして求めた変形度のヒストグラムを作成す
ることによって、変形度の分布状態を知ることができ、
異常の検出を良好に行なえる。
また、赤血球領域の検出では、勾配値及び勾配方向を
求めることによって辺縁を強調することができるので、
勾配値に対してしきい値を設定することによって辺縁を
検出することができる。また、検出された辺縁を細める
ことにより、複雑な判断をすることなく、辺縁の不連続
部分を連結することができ、滑らかにすることによって
不要な線が凹凸を除去し、滑らかな赤血球像を得られ
る。
本発明による赤血球変形能測定装置では、シース液供
給手段によりシース液がフローセルの拡大通路に供給さ
れ、ここから矩形通路に流れる。また赤血球供給手段か
らの赤血球がサンプルノズルより矩形通路に流れる。こ
のとき、シース液が赤血球を包むように流れ、矩形通路
を流れるシース液は矩形通路の長辺側からその中心に向
って大きな力を受け、短辺側から中心に向って小さな力
を受けるので、赤血球は偏平となって流れる。しかも、
赤血球には、回転モーメントが作用し、その赤血球の偏
平な面が矩形通路の長辺側を向いて流れる。また、矩形
通路の中央付近では、長辺方向の流速の変化は微小であ
り、短辺方向の流速は放物線状に分布している。ずり応
力は、流速の微分値に比例しているので、ずり応力は長
辺方向には変化せず、短辺方向には変化することにな
る。サンプルノズルは、矩形通路の短辺方向にその中心
からずれて、赤血球を供給しているので、赤血球には一
定のずり応力を与えることができる。
[実施例] 第1図に、本発明による赤血球変形能測定装置の1実
施例の概略構成図を示す。この実施例は、赤血球をシー
ス液と共に流して、赤血球にずり応力を作用させるシー
スフローチャンバ2を有する流体系と、このずり応力が
作用している赤血球を光源であるキセノンランプ3と協
働して撮像する撮像手段であるTVカメラ4を有する画像
撮像部と、この撮像された画像を処理する画像処理手段
であるマイクロコンピュータ6を有する制御・画像処理
部とからなる。
シースフロチャンバー2は、第2図に示すように横断
面が矩形である矩形通路8と、この矩形通路8の一端部
に結合され、その結合部から徐々に径が上方に向うに従
って増大する円錐または角錐状の拡大通路10を有してい
る。この拡大通路10内には、先端部が矩形通路8側を向
いた状態にサンプルノズル12が設けられている。第3図
に示すようにサンプルノズル12は、赤血球を安定に等量
づつサンプルノズル12に供給するために、シースシリン
ジ14が設けられている。また、拡大通路10にシース液を
供給するためのシース液供給手段であるシース液タンク
16が拡大通路10に設けられている。
まず、サンプルノズル12とシースシリンジ14との間に
あるサンプル溜に赤血球をサンプル吸入口18より供給
し、そして吸引ポンプ20によってシース液を拡大通路10
から矩形通路8に流しておく。次いで、シースシリンジ
14によって赤血球を拡大通路に流しこむ。これによっ
て、矩形通路8において、第2図に示すように赤血球が
シース液に囲まれて、軸流を形成して流れる。このよう
なシースフローを形成することにより赤血球の流れる範
囲が制限され、観測する視野を限定することができる。
また、第4図に示すように、矩形通路8の長辺の長さ
を2a、短辺の長さを2b、長辺方向をx、短辺方向をy、
長辺及び短辺に直角な方向、即ちシース液及び赤血球が
流れる方向をzとすると、詳細な計算式の導出過程は省
略するが、z方向の速度成分Wは、 で表わされる。但し、μは粘性係数、Pは圧力、nは奇
数、Σ′はnが奇数なる項の総和を表す記号である。
第5図(a)乃至(c)は、上式に基づいて矩形通路
8の断面を0.3×0.3、1.0×0.2、1.0×0.1(mm2)のも
のについて計算した結果である。なお、各図において、
左側に示したものが矩形通路8の短辺方向に沿う速度分
布、右側に示したのが長辺に沿う速度分布である。これ
から明らかなように壁面において速度は零であり、中心
において速度が最大となる。また、長辺/短辺比が大き
くなるにつれて、長辺方向の流速の変化が小さくなって
いる。従って、赤血球をかなりよく長辺側に向けること
ができ、赤血球に加わるずり応力を単純化することが可
能である。
第5図(d)は、管断面1.0×0.1の場合にずり応力分
布を示したもので、左側が短辺方向に沿うずり応力、右
側が長辺方向に沿うずり応力である。ずり応力は上式を
微分することによって求められる。この図より、赤血球
を矩形通路8の中央に流したのでは、赤血球にずり応力
を与えられないことが分かる。また、赤血球の流れ幅に
よって赤血球に変形するものとしないものとが混在する
ことも分かる。そこで、この実施例では、第6図に示す
ようにサンプルノズル12の先端部を斜めに切断して、赤
血球が矩形断面通路8の中心から短辺方向のいずれかに
偏って供給されるようにして、各赤血球にずり応力が作
用するようにしてある。なお、サンプルノズル12の先端
部を切断しないで、サンプルノズルの設置位置をずらし
てもよい。
このようにしてずり応力が作用している赤血球の透過
光の濃度変化を画像として計測している。撮像された画
像を処理するためには、ぶれのない静止画像でなければ
ならない。移動している物体を静止画像として撮像する
ためには、光源には発光時間の短いパルス光を発するも
のを用いる必要がある。即ち、赤血球が光源の発光時間
内に移動する距離がTVカメラ4等の解像度以下であれ
ば、近似的に静止画とみなすことができる。そこで、こ
の実施例ではパルス点灯型のキセノンランプ3を用いて
いる。この他に窒素レーザ等も使用できるが、これでは
コヒーレンスが高いので、干渉像が表れる。これは画像
処理の際に雑音となるので、窒素レーザからシースフロ
ーチャンバー2までの間に拡散板を設けて、光の位相を
ランダムにする必要がある。
画像制御部のTVカメラ4は、各赤血球の透過光を撮像
するもので、例えばCCDカメラが用いられる。このTVカ
メラ4から出力されるビデオ信号は、画像メモリ装置22
に供給される。この画像メモリ装置22は、入力されたビ
デオ信号をリアルタイムでA/D変換して記憶すると共
に、D/A変換することによってビデオ信号として出力す
る機能を有し、D/A変換されて出力されたビデオ信号
は、モニタテレビ24とVTR26とに供給される。また、A/D
変換されたビデオ信号は、制御・画像処理部のマイクロ
コンピュータ6に供給される。
このマイクロコンピュータ6は、フロッピディスク28
及びCRT30を備えるもので、キセノンランプ3、フレー
ムメモリ装置22等を制御すると共に、フレームメモリ装
置22からディジタルビデオ信号を読出し、これを処理し
て、各撮像されている赤血球の変形度を算出するもので
ある。
マイクロコンピュータ6の行なう処理の概略は、第7
図に示すように、まず撮像された画像の赤血球と目され
る像の辺縁領域を抽出する(ステップS2)。ところが、
この抽出された辺縁に不連続部分が生じるので、この不
連続部分を連結する(ステップS4)。このようにして辺
縁を連結させた像から赤血球領域を抽出し、不要な辺縁
を取り除くと共に、平滑化を行ない(ステップS6)、こ
の抽出した赤血球領域を計量し、変形度を求める(ステ
ップS8)。
辺縁領域の抽出の詳細なフロチャートを第8図に示
す。まず雑音除去のため、画像の平均化を行なう。辺縁
を保存した平滑化処理は種々考えられるが、フロチャン
バーを撮影した画像では、雑音が多いので、雑音が抑制
されずに残ったり、強調されたりすることを防止するた
めに、8近傍の平均フィルタにより平滑化を行なう(ス
テップS10)。即ち、第9図に示すように、原画像
(i、j)の雑音を除去しようとする場合、その上下、
縦横、斜めの合計8つの原画像の値と原画像(i、j)
との平均値を求め、それを画像H(i、j)とする。
次に、各画像H(i、j)の勾配値画像及び勾配方向
の画像をそれぞれ作成する(ステップS12)。これには
第10図に示すような8個のマスクを用いる。なお、各勾
配方向は第11図に示す通りである。たとえば、第12図に
示すように各画像の濃度値を仮定すると、Pの勾配方向
1の勾配値は、畳み込み演算によりf2+2f1+f8−f4−2
f5−f6で求められ、Pの勾配方向2の勾配値は、2f2+f
1+f3−f7−f5−2f6で求められる。以下、同様にして各
方向の勾配値を求め、これら各勾配値の中で最大値をP
を勾配値とし、そのときのマスクの方向を勾配の方向と
し、第13図(a)に示すように各画像(i、j)の勾配
値S(i、j)を記憶し、同図(b)に示すように勾配
の方向θ(i、j)をそれぞれ記憶する。このようにし
て求めた各勾配値S(i、j)に適当な閾値処理を行な
うことによって辺縁が存在する場所が求められる。閾値
処理としては、例えば半値処理または閾値処理が考えら
れる。半値処理は、ある勾配値S(i、j)が閾値T以
上であれば、その画像をS(i、j)とし、閾値T以上
でない場合、その画像を0とするものである。半値処理
された画像の一部の記憶状態を概略的に第14図に示す。
閾値処理はある勾配値S(i、j)が閾値T以上であれ
ば、その画像を1とし、閾値T以上でない場合、その画
像を0とするものである。従って、閾値処理の場合、第
14図でSと示した部分が全て1となる。
このような閾値処理では、閾値Tを高く設定すると、
連結した辺縁が得られないことが多く、辺縁はとぎれて
断片的に検出され、低く設定すると、ぼけによる不要な
辺縁や背景の雑音が目立ち、正しい形状が得られない。
そこで、閾値Tを高めに設定し、上述したように辺縁の
連結処理を行なう。しかし、連結処理を行なうとして
も、ここで対象としているようなぼけた画像では、上記
のような閾値処理だけでは、辺縁が太く検出されてお
り、連結を始める画素の候補が多くなり、それだけ判断
が複雑になる。そこで、辺縁の細線化を行なう必要があ
る。この細線化の方法としては、辺縁の中心線を求める
方法が考えられるが、赤血球の場合、辺縁内において濃
度変化があって、勾配値が存在しているので、正しく細
線化することができない。そこで、この実施例では非極
大点抑制処理を用いて、辺縁の細線化を行なっている
(ステップS14)。
即ち、第14図に示すような半閾値処理を行なった画像
を得る。ここでは閾値は経験的に30としてある。次に、
その画像のうち値が0でないものについて、第13図
(b)に示す勾配方向θ(i、j)から両方向に距離Dh
だけ調べ、この中にその画素よりも大きい値の画素がな
いときには、その画素を1とし、その他のときには0と
する。例えば、第14図に符号aで示す画素に注目する
と、この画素の勾配方向は第13図(b)に符号a1で示す
ように7であるので、符号aで示す画素の左右方向にDh
(これを2とする。)だけ調べると、2Dh内に符号aで
示す画素より値の大きい画素は存在しないので、符号a
で示す画素は第15図に符号a2で示すように1となる。以
下、同様にして細線化を行なう。なお、Dhを2とする
と、辺縁の幅は1乃至3画素に狭められる。
このようにして細線化された辺縁を連結して、閉曲線
化する。この連結処理の概略は、辺縁領域に始点を定
め、それから辺縁領域外へ受理基準を満たす点を探索し
ていき、再び辺縁領域に到達したならば、その経路を辺
縁とするものである。この連結処理のフローチャートを
第16図に示す。まず、連結の始点を定める(ステップS1
6)。これは、次の2つの条件を満たす点を始点とする
ものである。
条件1 次式においてN=1である。
条件2 8近傍の画素の数が3以下である。
上記のようにして細線化した画像は、幅1の線図形で
はなく、1乃至3の幅を有している。このため、線幅1
の端点の定義である条件1だけを用いたのでは、不満足
である。そこで条件2を付加し、端点に相当するものを
抽出して、これを始点としている。第17図は条件1及び
2を満足する画素の配置を示したものである。ここでP
で示した画素が端点となる。第17図を90度ずつ回転させ
たものもある。
このようにして定めた始点を注目画素として、探索方
向を決定する(ステップS18)。即ち、始点における2
つの境界方向を探索方向とする。境界方向は、第18図に
示すように勾配方向に垂直な方向として与えられる。
次に注目画素の方向性により探索画素を定める(ステ
ップS20)。即ち、注目画素に8隣接する画素のうち、
注目画素の境界方向に対し、±45度以内の3画素を探索
画素と定める。即ち、第19図(a)、(b)において矢
印で示す方向を探索方向とすると、ハッチングを付した
領域が探索画素となる。なお、探索のパターンは、第19
図(a)、(b)の2つが代表的なものであり、これ以
外にこれを90度ずつ回転させたものがある。
次に、各探索画素の中で条件を満たすものが次の注目
画素とする(ステップS22)。即ち、ステップS20で求め
た3つの探索画素のうち、その境界方向が注目画素の境
界方向と±45度以内のものを選び、この中で勾配値が最
大のものを次の注目画素とする。例えば第20図におい
て、符号aで示したものをステップS20に探索した注目
画素とし、その境界方向を右斜め上とすると、符号b、
c、dで示す画素が探索画素となる。そして、符号bの
画素の境界方向が上、符号cの画素の境界方向が右横、
符号dの画素の境界方向が下であるとすると、符号aの
境界方向と±45度の境界方向を持つのは符号b、cの画
素である。そして、符号cの画素の勾配値が最大値であ
ると、符号cの画素を次の注目画素とする。もし、注目
画素と方向性の合うものが存在しないときには、探索を
終了する。これは辺縁が滑らかであるという仮定に基づ
いており、探索の後もどりを防止する作用がある。な
お、始点から現在の注目画素までの道筋の勾配値の和及
び距離の算出も行なっている。
そして、探索の終了条件を満たすか判断し(ステップ
S24)、その答がNOであると、ステップS20に戻り、YES
であると次のステップS26を実行する。なお、探索の終
了条件は、 条件3 注目画素が辺縁領域上にある。
条件4 始点からの探索の回数が前もって指定された値
を超えた。
のいずれかである。なお、探索回数は例えば15としてい
る。
ステップS26においては、連結条件を満たすか判断す
る。即ち、上記の条件4を満たすときには異常終了す
る。条件3を満たし、且つ以下の条件を満たすとき、連
結条件を満たすと判断する。
条件5 1画素当りの勾配値が前もって定めた閾値以上
である。
条件6 始点と終点との勾配方向差が±90度以内であ
る。
条件5における閾値は探索の感度を表わしており、こ
れにより連結の程度を指定できる。この実施例では閾値
として例えば25を用いている。
条件6は、画像のぼけによる偽の辺縁と連結しないよ
うにするためのものである。即ち、真の辺縁と偽の辺縁
との間には、濃度の谷または山が存在し、このため両者
の勾配の方向は、極端な場合、180度反対であるからで
ある。この条件により画像のぼけによる偽の辺縁への誤
った連結を軽減できる。
この連結条件を満たして、ステップS26の答がYESにな
ると探索した道筋を新たに辺縁画素とする(ステップS2
8)。
第20図は、このようにして連結した辺縁を示す。点線
を付した画素は探索した画素、右下がりのハッチングを
付した画素は連結した画素、右上がりのハッチングを付
した画素は元の辺縁画素である。
このようにして連結された領域を対象領域とみなして
抽出し、閉曲線掛されなかった線を不要なものとして取
り除き、平滑化する。この処理の詳細なフローチャート
を第21図に示す。この処理では、まず対象物領域を抽出
する(ステップS30)。即ち、辺縁の連結処理は8連結
で行なっているので、4連結で背景画素に対してラベル
付を行ない、面積がA未満の領域を対象領域とする。こ
こでAはS対象物領域の面積の最大値であり、撮像の際
の倍率にもよるが、この実施例では2000としている。
次に、偽辺縁の除去を行なう(ステップS32)。即
ち、対処物領域に対し4近傍の縮退・伝播操作を1回行
なう。連結処理によって閉曲線とならなかった線は雑音
であり、これを除去する必要がある。この線の幅は1乃
至3画素程度であるので、縮退・伝播操作を1回行なう
ことにより容易に雑音を除去することができる。
次に辺縁の平滑化を行なう(ステップS34)。対象物
領域を抽出し、偽辺縁の除去を行なった形状は、原画像
のぼげがない場合には滑らかであるが、辺縁にかなりの
ぼけが存在する場合、滑らかにならない。よって、辺縁
の平滑化を行なう。即ち、対象物領域の各境界画素につ
いて、その8方向へ距離Dsだけ調べ、対象物領域に達し
たなら、その経路を対象物領域とする。例えば第22図に
おいて、符号aで示す画素について考えると、これから
8方向にDsだけ調べると左横の方向で、符号bで示す境
界画素に到達した。そこで、符号aで示す画素と符号b
で示す画素との間の点線で示した画素を対象物領域に加
える。距離Dsは平滑化のパラメータであり、この値が大
きくなるほど、平滑化の度合が強くなり、形状が滑らか
になる。しかし、余りDsを大きくすると、形状が歪むこ
とになる。従って、この実施例ではDsは5としている。
このようにして抽出された赤血球領域に対して計量を
行なう。領域の形状を表わす尺度としては、面積、周囲
長、円形度、変形度を算出し、領域の内部状態を表わす
尺度としては濃度平均、濃度分散を算出する。これらは
次のように定義される。
(1)面積‥‥領域を構成する画素の総和 (2)周囲長‥‥領域の境界画素を系列で水平、垂直方
向に隣接する1の組の長さを1、斜め方向に隣接する1
の組の長さを として、全ての組の長さを数えたもの (3)円形度‥‥面積と周囲長を用いて次式で表わされ
る 円形度=4π面積/(周囲長) (4)変形度‥‥領域が楕円形であるとき、その長径と
短径の長さを用いて次式で表わされる または 変形度=長径/短径 (5)濃度平均‥‥領域内画素の濃度値の平均 (6)濃度分散‥‥領域内画素の濃度値の分散 変形度を算出する際に、長径と短径の長さが必要であ
るが、この算出には慣性モーメントを利用する。即ち、
領域の重心を通る慣性の主軸を長軸、それに直角な軸を
短軸とすればよい。まず、領域の重心(ig、jg)を求め
る。重心は1次のモーメントを0次のモーメントで正規
化することによって求められ、0次のモーメントm001次のモーメントm10、m01は、 である。ここで対象としている画像f(i、j)は2値
画像とする。次に、重心(ig、jg)を通る傾きαの直線
i=jtanαの回りの慣性モーメントを考える。慣性モー
メントは、各画素から直線までの距離の2乗に画素の値
を乗じて総和を取ればよいから、 で表わされる。上式のmαが極値を取る傾き2つは を解くことにより、 で求められる。m02、m20、m11は2次のモーメントで、
次式で示される。
このときの傾きは第23図のようになる。ここでは傾き
が(−1乃至+1)間のとき、その軸を短軸とし、その
他のときには長軸とする。このようにして長軸と短軸を
求め、次に領域の各軸に沿って長さを求めて、長径、短
径としている。
赤血球の流れ方向は、画面において上から下であるの
で、通常では長軸が上下方向を向くことになる。また、
そのようにならないものは異常として、変形度の数値で
表わしたい。上述した変形度を表わす式によって変形度
を求めると、異常なものでは変形度が負となるので、識
別可能である。このようにして算出された各赤血球の変
形度は、集計されて、変形度と度数とを2軸とするヒス
トグラムに作成される。
領域の内部状態を表わす尺度として、濃度平均、濃度
分散を算出しているが、これは主に焦点のずれを考察す
るために行なっている。
以上のようにして、赤血球の変形度、即ち変形能を知
ることができる。
[発明の効果] 以上のように、本発明による赤血球の変形能測定法に
よれば、赤血球を流しながら、これにずり応力を加え変
形させて、赤血球個々についてその変形度を測定するこ
とにより、個々の赤血球について変形能を測定すること
ができる。よって、赤血球の変形能を正確に測定するこ
とができる。また、変形度の測定を長径と短径との長さ
の比較によって行なっているので、変形度の測定精度を
高めることができる。さらに、変形度の分布状態を知る
ことができるので、臨床検査上、有益である。
さらに、本発明による赤血球の変形能測定装置では、
フローセルのサンプルノズルの中心からずれた位置にサ
ンプルノズルから赤血球を供給するようにするだけで、
ずり応力を作用させることができ、装置が簡単であり、
洗浄等も容易に行なうことができる、信頼性が向上す
る。しかこ、粘度を増すための液体中に赤血球を浮遊さ
せなくても、生体内で受けとると思われる範囲内のずり
応力を作用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による赤血球の変形能測定装置の1実施
例のブロック図、第2図は同実施例で使用するシースフ
ローチャンバーの概略構成図、第3図は同シースフロー
チャンバーの流体回路図、第4図は同シースフローチャ
ンバーの矩形通路の部分破断斜視図、第5図(a)乃至
(c)は同シースフローチャンバーでの流速の分布を示
す図、第5図(d)は同シースフローチャンバーのずり
応力の分布状態を示す図、第6図は同シースフローチャ
ンバーでの赤血球の供給状態を示す図、第7図は本実施
例の概略フローチャート、第8図は第7図に示す辺縁領
域の抽出の詳細なフローチャート、第9図は平均化によ
る雑音除去の説明図、第10図は勾配方向とマスクとの関
係を示す図、第11図は勾配方向を示す図、第12図は各勾
配方向での濃度値を示す図、第13図(a)は勾配値画像
を示す図、第13図(b)は勾配方向画像を示す図、第14
図は細線化するために作成した半値処理画像を示す図、
第15図は細線化された画像を示す図、第16図は第7図に
示す辺縁要素の連結処理の詳細なフローチャート、第17
図は辺縁要素の連結の始点の配置を示す図、第18図は境
界方向を示す図、第19図は探索画素を示す図、第20図は
連結された画像を示す図、第21図は第7図に示す対象物
領域の抽出と補正の詳細なフローチャート、第22図は辺
縁の平滑化の説明図、第23図は長径と短径の求め方の説
明図である。 2……シースフローチャンバー、3……キセノンランプ
(光源)、4……TVカメラ(撮像手段)、6……マイク
ロコンピュータ(画像処理装置)、22……画像メモリ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤血球を偏平流にし上記赤血球にずり応力
    を作用させつつ、上記赤血球の偏平な面を矩形通路の長
    辺側に向かせて前記矩形通路に流す工程と、 上記偏平流の上記長辺側を向いた面の静止画像を得る工
    程と、 上記静止画像から上記赤血球の領域を検出する工程と、 上記検出された赤血球像それぞれに対しその変形度を求
    める工程とを、 具備する赤血球変形能測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の赤血球変形能測定方法にお
    いて、上記変形度を求める工程が、上記検出された赤血
    球像の(長径−短径)/〔(長径+短径)/2〕比または
    長径と短径の比を求める工程を含む赤血球変形能測定方
    法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の赤血球変形能測定方法にお
    いて、上記検出された赤血球像の重心を通る慣性の主軸
    を求め、その主軸のうち上記赤血球の流れの方向と所定
    角度内のものを長軸とし、他方のものを短軸とし、上記
    検出された赤血球像の領域の長軸、短軸に沿った長さを
    それぞれ長径、短径として求める赤血球変形能測定方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の赤血球変形能測定方法にお
    いて、求められた各赤血球の変形度を集計し、変形度と
    度数とを2軸とするヒストグラムを作成する工程を有す
    る赤血球変形能測定方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の赤血球変形能測定方法にお
    いて、上記赤血球の領域を検出する工程が、上記静止画
    像の各画素の濃度勾配値及び勾配方向を求める工程と、
    上記各濃度勾配値に対してしきい値を設定し、上記赤血
    球の辺縁を検出する工程と、検出された辺縁を細める工
    程と、細められた辺縁の不連続部分を連結する工程と、
    連結された辺縁を滑らかにする工程とを、含む赤血球変
    形能測定方法。
  6. 【請求項6】矩形通路の一端に、これから徐々に径が拡
    大する拡大通路を有するフローセルと、 このフローセルの上記拡大通路内に先端が上記矩形通路
    側を臨む状態に配置されたサンプルノズルと、 このサンプルノズルの基端側に接続された赤血球供給手
    段と、 上記拡大通路に接続されたシース液供給手段と、 上記矩形通路の両長辺を間に挟んで対向配置された光源
    及び撮像手段と、 この撮像手段に接続された画像処理装置とを、 具備し、上記サンプルノズルは、上記矩形通路の中心か
    ら上記矩形通路の短辺に沿う方向にずれて上記赤血球を
    供給することを、特徴とする赤血球変形能測定装置。
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