JP2812870B2 - 乾留炉における高温乾留ガス供給方法 - Google Patents

乾留炉における高温乾留ガス供給方法

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達也 小沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続式成形コークス炉
の操業方法に関し、乾留炉における高温乾留ガス供給方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続式成形コークス炉のプロセスフロー
を図1に示した。図1に示すように、成型工程10では
石炭粉11を乾燥12、粉砕13、混練14、成型15
の工程を経て、バインダを添加して成型した成形炭(ブ
リケット)16を製造する。乾留工程20においてこの
成形炭16を乾留炉100に炉頂から装入する。この成
形炭は乾留炉100内において、上段の低温羽口36か
ら供給される低温乾留ガス及び下段の高温羽口37から
供給される高温乾留ガスにより直接加熱され、炉内を降
下する間に、連続的に乾留される。乾留された成形炭は
炉下部で冷却後、成形コークス21として炉外に排出さ
れる。
【0003】次に乾留ガス系統30について説明する。
乾留炉100の炉頂から排出された乾留ガスは冷却31
され回収32されるが、その一部は乾留炉内に循環され
る。その経路は次の3つである。加熱装置33を経て高
温羽口37から導入される高温ガス、熱交換器34、エ
ジェクタ35を経て低温羽口36から導入される低温ガ
ス、及び乾留炉下部に冷却羽口38から送入される冷却
ガスである。
【0004】上記プロセスにおいて乾留炉100の上部
の低温乾留ゾーン101を降下(通過)する成形炭は、
急激な加熱(昇温)によるふくれ割れが発生しないよう
に昇温(加熱)され、高温乾留ゾーン102でコークス
化されることが炉の操業上必要である。そのためには、
低温乾留ゾーン101の水平断面内の温度分布が均一、
即ち温度偏差が小さいことが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の高温乾留ガス供
給方法では、低温乾留ゾーンにおける水平断面内に温度
偏差が生じ、温度の高い部分を降下してきた成形炭は、
急激な昇温によるふくれ割れや収縮割れを起こすといっ
た問題があった。本発明は、上述の問題点を解決すべく
低温乾留ゾーンにおける水平断面方向の温度偏差を解消
させる高温乾留ガス供給方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記乾留炉100内のガ
ス流の縦断面図を図2に、横断面を図3に示した。本発
明者らの調査、研究の結果によると、図2、図3に示す
ように、乾留炉100に低温羽口36から供給された低
温乾留ガス104と、高温羽口37から供給された高温
乾留ガス105は、均一に混合せず、炉下方から上昇す
る高温乾留ガス105は、低温羽口36から供給された
低温乾留ガス104により炉の中央部に吹き寄せられ、
低温羽口36の上部(低温乾留ゾーン101)で低温乾
留ガス104温度領域と高温乾留ガス105温度領域を
生じる。これが水平面内での温度偏差となっており、成
形炭の割れを引き起こすことを確認した。本発明は、上
記の知見に基づいて完成されたものである。
【0007】本発明は、成形炭を上下二段の羽口による
直接加熱で連続乾留し、成形コークスを製造する乾留炉
の操業において、低温羽口部における炉心部の温度と、
低温乾留ガスの温度との差を検知し、この温度差が予め
定めた設定値に一致するように、高温乾留ガスの供給量
を制御することを特徴とする乾留炉における高温乾留ガ
ス供給方法である。
【0008】
【作用】本発明の構成とその作用を図4により以下に説
明する。低温羽口36上部の炉中央部の温度(Th )を
温度計111で検出し、一方、低温羽口36から供給す
る低温乾留ガスの温度(TC )を温度計110で検出
し、この両検出温度から、演算・制御装置112で温度
差(ΔT=Th −TC )を演算し、この温度差(ΔT)
を予め定めた目標温度差(設定値)内になるように、高
温羽口37から供給する高温乾留ガス調整用の制御弁1
13を制御し、高温乾留ガスの供給量を制御する。
【0009】上記の制御を行うことにより、低温乾留ゾ
ーンにおける水平断面内での温度偏差が減少し、乾留炉
内の低温乾留ゾーンを降下する成形炭は急激な加熱によ
る割れが防止される。
【0010】
【実施例】図4に示す構成で本発明を実施し、温度差
(ΔT)の設定値を20℃に設定し、ΔT≦20℃にな
るように高温乾留ガス105の供給量を制御した。低温
乾留ゾーンにおける水平断面の温度偏差は図5に示すよ
うに、20℃以下で平滑化した。
【0011】また、炉中央部の炉高方向の温度分布は、
図6に示すように、低温乾留ゾーンでの急激な温度上昇
が無くなり、適正な温度分布が得られ、成形炭の急激な
昇温による割れが防止された。
【0012】
【発明の効果】本発明は、高温乾留ガスの供給量を制御
し、低温乾留ゾーンにおける水平断面内の温度偏差を設
定値内に抑えるようにしたから、どの成形炭の炉内降下
フローにおいても適正ヒートパターンが維持できるよう
になり、ふくれ割れや収縮割れのない成形コークスの製
造ができるようになり、歩留りが2%向上した。また、
高温乾留ガスの過剰供給が解消されるため、熱経済上有
利であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続式成形コークス製造装置のプロセスフロー
図である。なお、図1には乾留炉100の正面図と側面
図の両方を描いてある。
【図2】乾留炉の羽口中心部におけるガス流れを示す縦
断面である。
【図3】乾留炉の低温羽口部における水平断面である。
【図4】本発明の高温乾留ガス供給量制御フロー図であ
る。
【図5】乾留炉の羽口中心部における横断面の温度を示
すチャートである。
【図6】成形炭炉内降下に伴う温度履歴を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
36 低温羽口 37 高温羽口 100 乾留炉 104 低温乾留ガス分布の低温領域 105 高温乾留ガス分布の高温領域 110、111 温度計
フロントページの続き (72)発明者 堀田 次男 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 相原 恒雄 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭52−23107(JP,A) 特開 昭54−156007(JP,A) 特開 平7−145385(JP,A) 特開 平6−322375(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 21/22 C10B 53/08 C10B 57/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形炭を上下二段の羽口による直接加熱
    で連続乾留し、成形コークスを製造する乾留炉の操業に
    おいて、低温羽口部における炉心部の温度と、低温乾留
    ガスの温度との差を検知し、この温度差が予め定めた設
    定値に一致するように、高温乾留ガスの供給量を制御す
    ることを特徴とする乾留炉における高温乾留ガス供給方
    法。
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CN102703097B (zh) * 2012-03-16 2014-09-24 中国科学院过程工程研究所 一种用于宽粒径分布煤的干馏装置及方法
CN102925176B (zh) * 2012-10-08 2014-04-09 高荣 用于低阶煤快速炭化分质的工艺
CN105802647B (zh) * 2016-04-29 2018-12-11 波露明(北京)科技有限公司 用于碎粉煤的薄层热解炉、热解装置及热解方法

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