JP2812862B2 - トマトインベルターゼ遺伝子の検出法 - Google Patents
トマトインベルターゼ遺伝子の検出法Info
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Description
遺伝子の検出法に関し、詳しくは、スクロースを含有す
る栽培種トマトの作出に有用な、インベルターゼ遺伝子
の遺伝子型を判定するための検出法に関する。
の中の緑色果実種であるリコペルシコン・クミエルスキ
ー(L. chmielewskii)、リコペルシコン・ペルビアヌ
ム(L.peruvianum)等のように、果実にスクロースを蓄
積する種と、栽培種(リコペルシコン・エスクレンタム
(L. esculentum))や野生種の中の赤色果実種であるリ
コペルシコン・ピンピネリフォリウム(L. pimpinellif
olium)等のようにスクロースを蓄積せずに、糖類とし
てフルクトースとグルコースのみを蓄積する種が存在す
る。
ンベルターゼが関与していることが知られており(Plan
t Physiol., 87, 737-740, 1988)、栽培種トマトにお
いては、インベルターゼcDNAの配列(Plant Cell P
hysiol. 34(2), 263-269, 1993)、及びゲノム遺伝子の
一部の配列やイントロンの位置も報告されている(Plan
t Molecular Biology, 21, 515-524, 1993)。
である現在の市販品種では、大果種、小果種にかかわら
ず、味や栽培適性においては野生種よりも優れている
が、スクロースを蓄積する品種は存在しない。スクロー
スを含有する栽培種の性質を栽培種に導入することがで
きれば、甘さの質の向上、単糖よりも浸透圧の低いスク
ロースの蓄積による糖含量の増大、甘味度の低いグルコ
ースの減少、スクロースの蓄積などによる甘味度の向上
が期待される。
子型を調べる方法として、制限酵素断片長多型(Restri
ction fragment length polymorphisms :RFLP)に
よる解析技術が知られている。これは、遺伝子の構造の
異なる部位に制限酵素部位が存在すると、制限酵素切断
断片の大きさが異なることを利用したものである。断片
の検出には、ランダムにDNA断片をプローブとして用
いる方法が用いられている(Theor. Appl. Genet, 80,
437-448, 1990)が、特定の遺伝子をターゲットとして
そのDNA断片をプローブとして用いる方法も知られて
いる。
法により、遺伝子を識別する方法が知られている(RA
PD:Random Amplified Polymorphic DNAs、Plant Cel
l Reports, 12, 293-297, 1993、Plant Physiol., 87,
737-740, 1988)。しかし、この方法は、特定の塩基配
列に基づくプライマーを使用しないので、検出感度や効
率の点で満足のいくものとはいえない。
ロースの蓄積にはインベルターゼが関与していることが
知られており、トマト野生種の持つインベルターゼ遺伝
子を栽培種に導入すれば、スクロースを蓄積する栽培種
が得られることが期待される。
として、スクロースを蓄積する野生種トマトとの交雑が
考えられる。しかしながら、栽培種の形質を維持しなが
らスクロースを蓄積する形質を獲得した株が得られる頻
度は極めて低いことが予想され、しかも性質の確認のた
めに成体まで栽培することが必要であることから、目的
とする株を選択することは、非常に困難である。また、
スクロースを含有する形質は劣性形質であるため、戻し
交雑による育種を行う際に、より長い期間を必要とし、
トマトにおいては通常10年程度必要である。したがっ
て、野生種のインベルターゼ遺伝子を効率的に検出する
方法が望まれる。
り、スクロースを蓄積するトマトのインベルターゼ遺伝
子を検出する方法を提供することを課題とする。
解決するために鋭意研究を行った結果、栽培種トマトの
インベルターゼ遺伝子の塩基配列のうち、特定の部位の
配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーに用い、
トマトの染色体DNAを鋳型とするPCR法によるDN
A増幅反応を行うと、果実にスクロースを含有する野生
種トマトのインベルターゼ遺伝子を検出することができ
ることを見出し、本発明に至った。
鋳型とし、2種類のオリゴヌクレオチドをプライマーと
するPCR法によるDNA増幅反応で得られる増幅産物
の大きさが、野生種トマトのインベルターゼ遺伝子に固
有のものであるか否かにより、野生種トマトのインベル
ターゼ遺伝子を検出する方法である。
する。
作出法 スクロースを含有する栽培種トマトは下記工程により作
出することができる。 (a)果実にスクロースを含有する野生種トマトと栽培
種トマトとを交雑し、 (b)(a)で得られる交雑種と栽培種トマトを交雑
し、 (c)(b)で得られる交雑種の中から、前記野生種ト
マトのインベルターゼ遺伝子を保持するものを選抜し、 (d)前記で選抜された交雑種と栽培種トマトとを交雑
し、 (e)工程(c)と工程(d)を繰返す。 スクロースを含有する野生種トマトとしては、リコペル
シコン・クミエルスキー、リコペルシコン・ペルビアヌ
ム等が挙げられ、これらと栽培種トマト(リコペルシコ
ン・エスクレンタム)を交雑し、栽培種トマトのもつ味
や栽培適性に関する形質を維持しつつ、スクロースを蓄
積する形質を有するものを選抜する。野生種トマトのイ
ンベルターゼ遺伝子を保持するトマトの選抜は、次項で
述べる野生種インベルターゼ遺伝子の検出法により行
う。
り、通常同じ花の中で花粉が柱頭について受精(自殖)
し、果実や種子の形成がなされる。したがって、交雑の
際には、あらかじめ花粉を除去して自殖を避け、他の個
体の花粉を授粉することが好ましい。具体的には、例え
ば、雌親に用いる個体の、開花3〜5日前の花の葯をピ
ンセットなどで除去(除雄)し、1〜3日後、開花前後
の除雄した花の柱頭に雄親の花粉を授粉し、形成した果
実内の種子を採り、これを播種して個体を育成する。
1)の後代では、野生型の遺伝子の多くが入ってくるの
で、食用には適さない。したがって、F1雑種を栽培種
の親と戻し交雑を繰返し、スクロースを含有する形質以
外は栽培種の形質を保持するものを作出することが好ま
しい。
し、特定の形質を有するか否かを表現形質により判定し
ているが、このような方法では新品種を得るのに非常に
長い期間を要する。本発明においては、目的とする交雑
種を得るために、後述するように、トマト野生種のイン
ベルターゼ遺伝子を検出することとした。その結果、幼
苗の段階で同遺伝子を保持するか否かを判定することが
でき、スクロースを含有する栽培種トマトを得ることが
できた。
有する栽培種トマトの選抜 本発明のインベルターゼ遺伝子の検出法は、トマト染色
体DNAを鋳型とし、2種類のオリゴヌクレオチドをプ
ライマーとするPCR法によるDNA増幅反応で得られ
る増幅産物の大きさが、野生種トマトのインベルターゼ
遺伝子に固有のものであるか否かにより、野生種トマト
のインベルターゼ遺伝子を検出する方法であって、前記
プライマーは、野生種トマトのインベルターゼ遺伝子と
栽培種トマトインベルターゼ遺伝子をPCR法により増
幅したときに各々の増幅産物の大きさが異なるプライマ
ーであって、前記プライマーの一方は、配列表配列番号
1中、塩基番号1〜1905の配列の一部を有し、他方
は1906〜2372の配列に相補的な配列の一部を有
することを特徴とする方法である。
ンベルターゼcDNAを単離し、その塩基配列を開示し
ている(Plant Cell Physiol. 34(2), 263-269, 199
3)。その配列を、配列表配列番号1に示す。また、ゲ
ノム遺伝子の一部の配列やイントロンの位置も報告され
ている(Plant Molecular Biology, 21, 515-524, 199
3)。一方、野生種トマトについては、インベルターゼ
遺伝子の構造は知られていない。
ゼ遺伝子あるいはそれに隣接するゲノムのPCR増幅断
片に差異が認められるようなプライマーを得るために、
種々のプライマーを作製し、多型検出が可能な配列の検
索を行った。その結果、後記実施例に示すように、配列
表配列番号1中、塩基番号1〜1905の配列の一部を
有するプライマー、及び1906〜2372の配列に相
補的な配列(向きは、配列番号1に示した配列の3’側
から5’側に向かう)の一部を有するプライマーを用い
てPCR反応を行うことによって、野生種のインベルタ
ーゼ遺伝子の検出を効率よく行うことができることがわ
かった。
ーブに用いたサザンハイブリダイゼーション等によって
も検出が可能であるが、効率や一度に処理可能な検体数
の点から、PCR法を用いることが好ましい。
ーゼ遺伝子間での多型検出
(リコペルシコン・クミエルスキーLA1028)が有
するインベルターゼ遺伝子の多型検出を行った。まず、
配列番号1に示した栽培種トマトインベルターゼcDN
Aの塩基配列を基に、5’末端寄りの断片、3’末端寄
りの断片を増幅できるよう2組のPCR用プライマーを
作製した。5’寄りの断片の増幅には、プライマー5’
−1(配列番号2:配列番号1中塩基番号199〜21
8に相当)とプライマー3’−2(配列番号3:配列番
号1中塩基番号674〜683に相当)を、3’寄りの
断片の増幅には、プライマー5’−2(配列番号4:配
列番号1中塩基番号1590〜1608に相当)とプラ
イマー3’−1(配列番号5:配列番号1中塩基番号2
085〜2104に相当)を作製した。インベルターゼ
遺伝子のそれぞれの部位について、2つのイントロンが
含まれることがわかっている(Plant Molecular Biolog
y, 21, 515-524, 1993)。
ロンプラス(Milligen社製)を用い、合成したオリゴヌ
クレオチドは、アンモニア原液(約28%)を用いてカ
ラムから切り出し、乾固した後、TE緩衝液に溶解し、
フェノール−クロロホルム抽出を行った。
うにして調製した。トマト栽培種(リコペルシコン・エ
スクレンタム)の大果種(固定種)、小果種(固定
種)、野生種(リコペルシコン・クミエルスキー)の2
系統LA1028、LA1314、および、栽培種の大
果種を雌親、LA1028を雄親として育成した雑種F
1およびF2集団、栽培種の小果種を雌親、LA1314
を雄親として育成した雑種F1およびF2集団を主な材料
とした。
その他の野生種としてリコペルシコン・ヒルスタム(L.
hirsutum)(WIR924)、リコペルシコン・ピン
ピネリフォリウム PI344102、リコペルシコン
・ペルビアナム PI128650を用いた。
トマト栽培要領に準じて、上記各種のトマトの栽培を行
った。本葉が2枚以上出葉したトマトの成葉100mg
あるいはそれ以上を材料に、以下に示すCTAB(Cety
ltrimethyl ammonium bromide)法を用いて核酸を抽出
した。
ジナイズし、約300μl/100mgの割合でCTA
B−Bバッファー(100mM Tris-HCl pH8.0、1.4M NaCl、
20mMEDTA、2%CTAB)を加え、1分間吸引して脱気
した。これを65℃で15〜20分間インキュベートし
た後、クロロホルム/イソアミルアルコール(24/
1)で2度抽出を行った。得られた水層に等量のCTA
B−Cバッファー(50mM Tris-HCl pH8.0、10mM EDTA、1
% CTAB)を加え、室温にて30分間インキュベートし
た。次に、これを12000rpm、10分間、室温に
て遠心し、沈殿を400μlの1M CsClに溶解し
た後、エタノールを加えて核酸を沈殿させた。
プライマーを用いてPCR反応を行った。PCR反応
は、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl2、80mM KCl、50
0μg/ml BSA、0.1% コール酸ナトリウム、0.1% TritonX
-100、240μM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、各30
ngプライマー、約200ngの鋳型DNA、1.0ユ
ニット Tth DNA ポリメラーゼ(東洋紡
(株))を含む25μlの反応組成で、PCR反応装置
(Perkin Elmer Cetus DNA thermal cycler)を用いて
行った。
ニーリング55℃5分間の後、伸長72℃3分間、変性
94℃1分間、アニーリング55℃2分間からなるサイ
クルを30サイクル繰り返して行い、最後に伸長72℃
10分間を加えた。
BioProducts)3〜4%のゲルを用いて、電気泳動によ
り分離し、その断片の長さを識別した。その結果、栽培
種(大果種)と、リコペルシコン・クミエルスキー L
A1028では、5’末端よりの断片の増幅では、少な
くとも電気泳動により両者の断片の長さに差は認められ
なかった。一方、3’末端よりの断片の増幅では、僅か
に両者の断片の長さが異なるのが観察された。しかし、
違いを判定するのが多少困難であったため、得られた増
幅断片長(700〜800bp)をより小さくし、バン
ドの分離を明確にすることが望まれた。
めに、新たに2つのプライマー3’−3(配列番号6:
配列番号1中塩基番号1824〜1843に相当)、
5’−3(配列番号7:配列番号1中塩基番号1844
〜1863に相当)を合成し、5’−2と3’−3、
5’−3と3’−1の組み合わせでPCR反応を行い、
増幅断片を2つに分離した。
の断片において長さの差が認められ、NuSieve
3:1 アガロース(FMC BioProducts)を3〜4%用い
たアガロースゲル電気泳動により、はっきりと区別する
ことができた(図1)。なお、この2つのプライマーを
用いた場合、栽培種のcDNAを鋳型にすると261b
pの断片が増幅されるが、栽培種ゲノムDNAではこの
領域にイントロンが1カ所含まれることがわかってお
り、400bp弱の断片が増幅されたことから、栽培
種、リコペルシコン・クミエルスキー共に、100〜1
50bpのイントロンが含まれることが予想される。お
そらく、このイントロンの長さが両者で異なるのではな
いかと考えられ、詳細に検討したところ、予想通りであ
ることが確認された。
リコペルシコン・クミエルスキーとでインベルターゼ遺
伝子の違いを識別することが可能となった。また、栽培
種に小果種、リコペルシコン・クミエルスキーにLA1
314を用いた場合もまったく同様の結果が得られた。
ペルシコン・クミエルスキー(LA1028)のF1お
よびF2集団のゲノムDNAを用い、前記で断片の差が
認められたプライマー(5’−3、3’−1)を使って
PCRを行った。その結果F1では、栽培種とリコペル
シコン・クミエルスキー由来の2本のバンドが検出され
(ヘテロ型)、F2集団では、栽培種型を示す個体、リ
コペルシコン・クミエルスキー型を示す個体、ヘテロ型
を示す個体が現れた(図1)。そして、それらF 2集団
の糖組成分析の結果を照らし合わせると、スクロース含
有個体はリコペルシコン・クミエルスキー型を、スクロ
ース非含有個体では栽培種型もしくはヘテロ型を示すこ
とが明らかとなった。
のインベルターゼ遺伝子をホモで持つのか、へテロで持
つのか、あるいは持たないのかを、すべて明らかにする
ことが可能となり、それによりスクロース含有の有無に
ついても識別可能となった。なお、ヘテロ型を示す場合
には、例外なく、より長い断片がもう1本認められた
が、この断片の増幅された原因については定かではない
が、遺伝子マーカーとしてはまったく支障はない。ま
た、栽培種に小果種、リコペルシコン・クミエルスキー
にLA1314を用いた場合についても、まったく同様
の結果が得られた。
生種を含むその他の種、および品種について、同様のプ
ライマーを用いてPCRによるインベルターゼ遺伝子の
増幅を行い、電気泳動による分離を行った(図2)。栽
培種では、他品種の大果種、小果種の2品種においてま
ったく同じサイズのDNA断片の増幅が認められた。ま
た、小果種の起源であるといわれるリコペルシコン・ピ
ンピネリフォリウムでも、栽培種と同じサイズの断片が
得られた。よって、スクロースを含有しない種では、野
生種のリコペルシコン・ピンピネリフォリウムを含め
て、栽培種では大果種、小果種にかかわらず、少なくと
も電気泳動上では同じサイズの断片が得られることがほ
ぼ明らかとなった。
いては、リコペルシコン・ヒルスタム(L. hirsutum)
では、リコペルシコン・クミエルスキーと同じくらいの
長さの断片が得られ、リコペルシコン・ペルビアナムで
は、栽培種よりやや長めの3本の断片が得られた(図
2)。すなわち、ここで用いたスクロースを含有する野
生種3種では、いずれの種においても栽培種の断片との
識別が可能であり、スクロース含有に関するマーカーと
なり得ること、また、スクロースを含有する種は、必ず
しも同じインベルターゼ遺伝子を持つわけではないこと
が示唆された。
野生種のインベルターゼ遺伝子を保持する雑種の選択を
行い、スクロースを含有する栽培種トマトを作出した。
成し、形成された花房の中の開花3〜5日目の花の葯
(花粉はまだ受精能力なし)をピンセットなどで除去
(除雄)した。1〜3日後、開花前後の除雄した栽培種
の花の柱頭に、同時に育成した野生種(リコペルシコン
・クミエルスキー)の花粉を授粉した。その後、形成さ
れた果実内の種子を採り、播種して個体(F1個体)を
育成した。得られたF1個体は、PCR法を用いたイン
ベルターゼ遺伝子の解析により、栽培種と野生種の雑種
であることを確認した。
k Cross) (1)栽培種とF1個体の交雑 上記と同様にトマト栽培種の除雄を行い、F1個体の花
粉を授粉した。その後、形成された果実内の種子を採
り、播種して個体(BC1F1個体)を育成した。
ゼ遺伝子を持たない個体とヘテロに持つ個体が含まれる
が、いずれもスクロースを含有しないため、形質では識
別することができない。よって通常の戻し交雑法では、
上記で作製したF1個体を自殖(自家受粉)し、次世代
の中からスクロース含有個体を選抜して、その個体の花
粉をトマト栽培種に戻し交雑するという方法をとった。
これにより得られたBC1F1個体は、野生種由来のイン
ベルターゼ遺伝子を必ずヘテロに持つことになる。
いたインベルターゼ遺伝子の解析を行うことにより、野
生種由来のインベルターゼ遺伝子をヘテロに持つ個体を
選抜することが可能になったため、期間短縮が可能とな
った。
した野生種由来のインベルターゼ遺伝子をヘテロに持つ
BC1F1個体の花粉を授粉した。その後、形成された果
実内の種子を採り、播種して個体(BC2F1個体)を育
成した。
ーゼ遺伝子をまったく持たない個体とヘテロに持つ個体
が含まれるため、PCR法を用いたインベルターゼ遺伝
子の解析により、ヘテロに持つ個体を選抜した。
色、外観、栽培適性における不良形質がなくなり、戻し
親の栽培種に近い形質になるまで繰り返した(最低3回
以上)。
家受粉)した。次世代では、野生種由来のインベルター
ゼ遺伝子を持たない個体とヘテロに持つ個体、ホモに持
つ個体の3種類が現れ、ホモに持つ個体のみがスクロー
スを含有し得る。そこで幼苗の段階でのPCR法を用い
たインベルターゼ遺伝子の解析により、ホモに持つ個体
のみを選抜し、育成した。尚、幼苗での選抜が可能とな
り、より多くの個体を扱えるようになったため、スクロ
ース含有個体の比率が非常に低い場合でも、効率的に選
抜ができる。
ス含量、糖含量の高い個体を選抜した。その後、形質の
ばらつきがほとんどなく、遺伝的にほぼ固定されたと判
断されるまで、自殖、糖分析による選抜を数回繰り返
し、目標とするスクロース含有トマト品種を得た。この
トマト品種は、果実はリコペルシコン・クミエルスキー
やリコペルシコン・ペルビアナムなどの野生種のような
青臭みは少なく、栽培種と同程度の食味を有し、大部分
の野生種のように果実は緑色ではなく着色し、花の柱頭
が大部分の野生種のように突出していないため、栽培種
と同様に容易に自家受粉し、葉は野生種のように小さく
なく、草勢も栽培種と同等で強く、側枝も野生種のよう
に多くないため、栽培適性もよい。
マトは、カゴメ株式会社総合研究所(栃木県那須郡西那
須野町西富山17番地)内にて保管栽培されており、本
出願人は、本発明の確認のために提供することを宣言す
る。
マトのインベルターゼ遺伝子を検出することが可能とな
り、スクロースを含有する栽培種トマトを提供すること
ができる。
子との関係を示す電気泳動図。
幅を示す電気泳動図。
Claims (1)
- 【請求項1】 トマト染色体DNAを鋳型とし、2種類
のオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCR法によ
るDNA増幅反応で得られる増幅産物の大きさが、野生
種トマトのインベルターゼ遺伝子に固有のものであるか
否かにより、野生種トマトのインベルターゼ遺伝子を検
出する方法であって、前記プライマーは、野生種トマトのインベルターゼ遺伝
子と栽培種トマトインベルターゼ遺伝子をPCR法によ
り増幅したときに各々の増幅産物の大きさが異なるプラ
イマーであって、前記プライマーの一方は、配列表配列
番号1中、塩基番号1〜1905の配列の一部を有し、
他方は1906〜2372の配列に相補的な配列の一部
を有することを特徴とする方法。
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- 1993-09-16 JP JP5230324A patent/JP2812862B2/ja not_active Expired - Fee Related
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