JP2812497B2 - カメラの焦点板 - Google Patents

カメラの焦点板

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶を用いた焦点板、特に拡散特性が制御
可能な一眼レフレックスカメラの可変焦点板に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、拡散性特性が制御できる一眼レフレックスカメ
ラ用の焦点板として、例えば特開昭48−37379号、59−1
95633号に開示されているように、液晶の動的散乱モー
ドが光を拡散する特性を利用して、印加電圧の有無によ
り焦点板を透過状態と拡散状態で切り換える方法や、特
開昭50−115525号に開示されるごとく、同様の液晶素子
に対して印加電圧を変化させて拡散特性を段階的に切り
換える方法が知られている。
また、特開昭60−250337号、60−221729号では、液晶
の複屈折率を利用した焦点板が開示されている。これ
は、一方の基板面を光の散乱面にしかつこの上に透明電
極を形成してその散乱特性を制御するようにしたもので
ある。第11図はこの従来例を示すものであり、103は液
晶層、102,104は透明電極、101,105は透明基板であり、
一方の透明基板105の液晶側の面には凹凸が形成されて
いる。また、106は、この焦点板を駆動させるための電
源である。Cは光の入射方向および拡散方向を示してい
る。このような構造において、液晶の常光線屈折率no
基板の屈折率がほぼ同じとなる部材を透明基板に用い、
また、初期配向を液晶の長軸と基板面が平行になるよう
に行なうとすると、電圧を印加した状態では、液晶分子
は電界に従って立ち上がり透過状態を形成する。これに
対し、電圧を印加しない状態では、液晶の異常光線屈折
率neと透明基板の凹凸部の屈折率差に基づく拡散が起こ
り焦点板として作用する。
なお以上の説明において、正の誘電異方性のネマチッ
ク液晶の常光線屈折率noとは、液晶分子の短軸方向の偏
光に対する屈折率をいい、異常光線屈折率neとは液晶分
子の長軸方向の偏光に対する屈折率をいう。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記液晶の動的散乱を利用した可変焦
点板には、以下のような欠点があった。
例えば動的散乱状態を利用した焦点板では、液晶分子
団が液晶層内で乱流状態となる事によって光の散乱効果
を得ているが、この液晶分子団の大きさは通常数十から
数百μmであり、カメラのファインダー装置のように数
倍の拡大率を持つ場合、この乱流が見えてしまい、品位
の悪い焦点板となってしまうという欠点がある。
また、液晶の複屈折率を利用した可変焦点板において
も、拡散状態は液晶の異常光線屈折率neと基板の屈折率
の差に基ずいて形成されており、液晶の常光線屈折率no
と基板の屈折率に差がないため、この方向に作用する振
動面を持つ光は透過する。つまり、半分の光は拡散する
ことなく透過してしまう。そしてこの拡散時に於ける透
過光は焦点板のボケ像を見にくくさせ、焦点の合わせ易
さを低下させてしまう。また、ガラス、水面等で反射さ
れる像など、一方の偏光が支配的である像に対しては、
焦点合わせが不能になるという問題がある。
本発明者はこれらの問題について鋭意検討を重ねた結
果、高分子物質膜中にネマチック液晶を分散して形成さ
せた液晶素子が、ある条件下でカメラの焦点板として有
効に機能することを見いだした。
なお焦点板として提案されたものではないが、高分子
物質膜中にネマチック液晶を分散させ、電圧により液晶
分子の向きを制御し液晶の複屈折率と高分子物質の屈折
率の差に基づいた光の拡散性を制御する液晶素子は、特
表昭58−501631号により開示されている。
この液晶素子は、液晶の常光線屈折率noと高分子物質
の屈折率がほぼ等しい部材で形成され、電圧を印加しな
い状態では高分子物質中に分散した液晶は各ドメインご
とにある方向に配向している。またこのとき、各ドメイ
ンが示す液晶の向きは高分子物質膜中にランダムが存在
している。この結果、非電圧印加時においてこの素子
は、液晶の異常光線屈折率neと高分子物質の屈折率の差
に基づく拡散状態を形成する。一方この液晶素子に電圧
を印加した場合には、高分子物質膜中の各ドメインにお
いて、液晶分子には電界の向きに向かせようとする力が
働く。このとき、液晶分子は電界の強さによるこの力と
高分子物質膜から受ける配向規制力および液晶の弾性エ
ネルギーにより、ある一定の平衡状態に達し、液晶分子
が、ほぼ電界の向きに従ったときには素子は良好な透過
状態を形成する。中間電圧においては拡散状態も中間的
なものになる。また、上述液晶素子においては、高分子
物質層の厚さを一定に保つ目的で高分子物質層中にはギ
ャップスペーサーが含有されている。
しかしながら、この液晶素子をそのままカメラの焦点
板に用いた場合には、カメラのファインダーで拡大して
見た時に、液晶を含む高分子物質の層の厚さを規定する
ために設けられたギャップスペーサーが見えてしまい、
品位の低下につながる。また、ギャップスペーサーを使
わずに液晶素子を作製した場合には、高分子物質層を一
定厚に形成することが困難となり、電圧印加量が一定と
ならずむらが生じる。
ここで視認性について若干の説明を加える。
物質が見えるかどうかという視認性については、物質
の色・屈折率・厚さ、周辺領域の色・屈折率・厚さ、照
明光の波長分布・明るさにより異なる。また観察者の年
令等による個人差もあるため一概には言えないが、通常
30μm程度である。
一眼レフカメラの焦点位置にある物質については、フ
ァインダー倍率(拡大率)等も考慮しなければならず、
さらには焦点板が拡散状態か透過状態かの違いによって
も、その視認性が異なる。
1.5倍のファインダー倍率で一眼レフカメラの焦点板
位置にあるギャップスペーサーを観察したところ、観察
者にもよるが20μm以下ではギャップスペーサーは視認
されなかった。しかしながら実際の液晶素子の作製にお
いてはギャップスペーサー同志の凝集が起こるため、20
μmのギャップスペーサーを用いても凝集した部分は視
認されてしまう。
また、ギャップススペーサー径を3μmとし、高分子
物質に対する比率が0.1%として液晶素子を作製したと
きはギャップスペーサーの数個の凝集はあるもののファ
インダーでは、その存在は視認できなかった。しかしな
がら、この場合においては、高分子物質層の厚さも3μ
m程度となるため、カメラの焦点板として十分な拡散光
量は得られないという問題があった。
本発明は以上のような種々の問題点を考慮してなされ
たものであり、その目的は、高品位な焦点形成が可能で
あり、各偏光に対して同様の拡散特性及び透過特性を示
すことができる焦点板を提供するところにある。
また本発明の別の目的は、液晶の乱流が見えるような
不具合のない液晶素子利用の光透過量可変型の焦点板を
提供することにある。
更にまた本発明の他の目的は、被写界深度の確認が容
易な焦点板を提供するところにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記目的を達成するための本発明の焦点板の特徴は、
正の誘電異方性のネマチック液晶をこの液晶の常光線に
対する屈折率と略同じ屈折率を示す誘電異方性をもたな
い透明な高分子物質中に分散含有させた層と、少なくと
も一部に透明電極を有しかつ上記層を挾持する一対の透
明基板とを備え、この一対の透明基板間にギャップスペ
ーサーを介挿してこれら透明基板間の間隙を設定した構
造をなしていて、透明電極への電圧印加により透過光量
の拡散性の制御が可能な液晶素子からなるカメラ用の焦
点板であって、上記ギャップスペーサーは、液晶素子の
ファインダー視野を画する領域の外に配置したという構
成をなすところにある。
本発明において、ネマチック液晶には既知のものを使
用することができるが、液晶ドメインの大きさを、20μ
m以下好ましくは10μm以下程度とすることが、ファイ
ンダー視野の内で液晶が拡大されて見えることを防止す
るために適当である。
この液晶を分散含有させる高分子物質は、液晶の常光
線に対する屈折率と略同じ屈折率を有するものが選択し
て使用され、このような高分子物質として具体的に例え
ばポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメタク
リル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ジエチレングリールビ
スアリルカーボネート、エポキシ系樹脂等を例示するこ
とができる。
上記高分子物質中に含有させる液晶の量は、一般的に
は5%〜70%、好ましくは20%〜40%程度がよいが、特
にこれに限定されるものではない。
高分子物質の屈折率が、液晶の常光線屈折率noと「略
同じ」とは、これらの差が0.02以下、望ましくは0.01以
下の場合をいう。
液晶素子の一対の透明基板の間の間隙は、50μm以
下、好ましくは5μm〜20μm程度よいが特にこれに限
定されるものではない。
この間隙を設定するために用いられるギャップスペー
サーは、透明基板に形成した突起、あるいはこれら透明
基板の間に介挿する物のいずれであってもよく、特に介
挿する場合には一定粒径の硬質粒状物(例えばガラスビ
ーズ、酸化アルミニウム単結晶等)あるいは一定太さの
硬質棒状物(ガラスファイバー、プラスチックファイバ
ー等)を接着剤中に混合して用いる方法が好ましく採用
される。
本発明はまた、液晶素子中に、測光や測距のための部
位を表示する手段を併せて設けることができる。これ
は、上記ファインダー視野を画する領域内の上記高分子
物質の層中に、入射光・出射光を屈折させることで存在
が視認できる測距枠及び/又は測光枠表示用の突起をい
ずれか一方の透明基板に設けることで構成できる。この
突起は例えばいずれか一方の透明基板から突起を突出さ
せて他方の透明基板に当合する寸法に設け、特に入射光
・出射光を屈折させるための斜面を設けたものが代表的
に例示できる。上記斜面は二重以上に複数並列させても
よい。
上記において、突出突起の先端を他方の透明基板に当
合させることで、周縁部のギャップセンサによる間隙設
定と共に、一対の透明基板の間の間隙設定をより正確に
与えることも可能となる。
本発明は、正の誘電異方性のネマチック液晶を液晶の
常光線屈折率noとほぼ等しい屈折率を持つ高分子物質中
に分散含有させた層を、一対の全面あるいは一部に透明
電極を備えた透明基板で挟持してなる構造を持つ液晶素
子を用いて焦点板を構成させ、ギャップスペーサーをフ
ァインダー視野枠の領域の外に設けているので、より高
品位な可変焦点板の形成が可能となる。
また、高分子物質膜中に形成される液晶ドメインの大
きさを、カメラのファインダー等で拡大して見てもそれ
を認識することはできない20μm程度以下の充分に小さ
い大きさにすることにより、動的散乱状態を利用する素
子に見られる乱流によるような見えの低下は観測されな
い。
さらに、高分子物質の層中で各液晶のドメインが示す
液晶の向きはランダムであるため、各ドメインの持つ偏
光特性は素子全体では平均化される。このため、液晶素
子全体としては、各偏光に対する特性は一様になる。こ
の結果、拡散状態あるいは透過状態ににおいて、その状
態を阻害する光の成分(拡散状態では透過光、透過状態
では拡散光)が透過してしまうこともなく、偏光成分に
分布を持った像に対して焦点合わせ能が異なるという問
題もない。
[実施例] 以下、実施例を用いて本発明の方法を具体的に記載す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(実施例1) 第1図から第4図は、本発明の実施例1を示す。
第1図は、本例の可変焦点板をその入射方向から見た
図であり、11はファインダー視野、12は焦点板の視野領
域外の縁部分、13,14は電極引出し部、15は液晶を分散
含有させた高分子原料溶液の注入口を示している。
第2図は、視野枠内の液晶素子の断面図を示し、21,2
5はガラス基板、22,24は透明導電膜、23は液晶を分散含
有した高分子物質の層を示す。
第3図は、同液晶素子の周縁部における構造を断面図
で示したものであり、ガラス基板21,25、透明電極22,2
4、液晶を分散含有した高分子物質の層23は上記第2図
と同じである。26はギャップスペーサー、27は接着剤、
28は視野マスクである。
第4図は、この液晶素子をカメラの焦点板としてカメ
ラに適用した状態のカメラの断面図を表わし、41は撮影
レンズ、42はペンタプリズム、43はアイピースレンズ、
44はフレネルレンズ、45は上記液晶素子の焦点板、46は
フィルム、47はカメラ本体、48はミラーを示している。
以下、この液晶素子からなる可変焦点板の作製と、こ
れを可変焦点板として駆動させる方法について述べる。
可変焦点板の作製 2液性エポキシ系接着剤である米国エポキシ・テクノ
ロジー社製エポテック310(登録商標)n=1.5071の2
液を混合し、室温で1時間放置し、この混合液にメルク
社のZLI2914液晶(登録商標)(no=1.5089,Δn=0.16
36)を体積比で40%加え撹拌した。その後、真空中で脱
泡処理を行い、さらに撹拌処理を行い注入液を作製し
た。
また、注入セルは次の工程により作製した。エポキシ
系接着剤5gに対し、ギャップスペーサーとして直径15μ
mの硬質粒状物1gを混合し、スクリーン印刷法により、
透明電極22,24とガラス基板21,25を備えた対向基板29,3
0上の視野領域外の周縁部のみにこの混合溶液を塗布
し、その後、注入口を設けた対向基板29,30を、プレス
機を用いて50℃、1kg/cm2の加圧下で5時間静置するこ
とにより基板の貼り合わせを行い、空セルを作製した。
なお、このとき周縁部に形成した接着層の幅は約4ミ
リ、二つの基板29,30間の距離は15μmから20μmの間
で形成された。
この空セルを真空容器内に保ち、セル内の空気を十分
に除去した後、前述した注入液を注入口に滴下した。そ
の後、真空容器の圧力を徐々に上昇させ注入液をセル内
に注入し、1昼夜放置した。このセルを取り出し注入口
をエポキシ系接着剤で封止し、素子を完成させた。なお
この素子において液晶粒は5μm以下の大きさで形成さ
れた。
カメラの可変焦点板としての駆動カメラの焦点板とし
ての適用は第4図により説明される。すなわち、電圧を
印加しない状態では、焦点面の均一性が高くかつボケ量
の大きく、良好な焦点合わせが可能な高品位な拡散状態
が形成された。また、周波数1kHz,50Vの短形波を印加し
たところ、品位の高い透過状態が形成され、電圧印加の
オンオフにより透過状態と拡散状態の瞬時の切り換えが
行えた。さらに、その中間の印加電圧により素子の拡散
状態を制御することにより、良好な被写界深度の確認も
可能となった。
そして、いずれの状態においても焦点面にむらは感じ
られず、品位の高いファインダーが得られた。
本実施例において、液晶の高分子物質に対する体積比
率を80%として素子を作製したところ100μmまでの大
きさの液晶領域ができてしまい、この素子をカメラの焦
点、板として用いたところむらのある見づらいファイン
ダーとなってしまった。
(実施例2) 第5図は本発明の実施例2を示した可変焦点板の断面
図である。51,55はガラス基板、52,54は透明導電膜であ
り、これらが透明基板59,60を構成する。53は液晶を分
散含有した高分子物質の層、56は透明基板60上に形成し
た凸部、57は接着剤、58は視野マスクである。
上記凸部56は、マスクを用いた電子ビーム蒸着法によ
り幅約5ミリ、厚さ約5μmの形状となるように酸化シ
リコンで形成したものである。透明基板59,60の貼り合
わせは、実施例1と同様にエポキシ系接着剤を用いてプ
レス機による圧着で行った。完成した空セルの基板間距
離は4〜8μmであった。
以下、実施例1と同様の方法を用いて作製した液晶素
子をカメラの可変焦点板として駆動させたところ、実施
例1と同様に、むらの無い高品位のファインダー像の提
供が可能となった。
(実施例3) 第6図〜8図は本発明の実施例3を示したものであ
り、第6図は可変焦点板を光の入射方向から見た図で、
図中の61はファインダー視野、62は焦点板の視野領域外
の部分、63,64は電極引出し部、65は素子側面に設けた
液晶を分散含有した溶液の注入口、66は注入口封止部、
67は測光枠、68は測距枠を夫々示している。
第7図は可変焦点板周縁部の断面図を示したものであ
り、71は上側のガラス基板、75は凸部75aを備えた下側
のガラス基板、72,74は透明電極であり、これらによっ
て透明基板79,80が構成される。73は液晶を分散含有し
た高分子物質の層、76はギャップスペーサーである硬質
粒状物、77は接着剤、78は視野マスクである。
第8図は本例の可変焦点板の測距枠68部分の断面構造
を示したものであり、この部分では、下側透明基板80の
アクリル基板75に、斜面75cをもつ凸部75bがその突起先
端を上側透明基板79の内面と接するように形成されてい
る。なお矢印A,Bは光の入射方向及び出射方向を示して
いる。測距枠67も同様に形成した。
次にこの液晶素子からなる可変焦点板の作製、及びそ
の駆動について述べる。
可変焦点基板の作製 まず周縁に沿って環状の凸部75aを形成した下側のア
クリル基板75をアクリル樹脂を用いた射出成形により、
幅約2ミリ、高さが約8μm形成し、その表面に、イオ
ンプレーティング法によってITOを透明電極74として約1
500Aの厚さにコーティング形成した。なおこの時、測光
枠67及び測距枠68の部分は、フォトリソグラフィー法を
もちいてITOが形成されないようにした。測光枠67およ
び測距枠68の凸部75bのたかさは、10μmとした。
基板の貼り合わせには、約2μmの硬質粒状物である
ギャップスペーサー76を、エポキシ系接着剤77に分散さ
せたものを用い、実施例1と同様の圧着法により行なっ
た。基板間の距離は、10μm〜12μmとなり、この方法
により分布がより小さく抑えられる様になった。また、
液晶を分散させた高分子物質の層は、紫外線硬化型エポ
キシ系接着剤に液晶を混合し、セルに注入後、紫外線照
射により形成させた。なお、本実施例において、液晶の
常光線屈折率とエポキシ樹脂との屈折率差は0.004、異
常光線屈折率との差は0.20であった。
以上の構成の可変焦点板を第4図に示したカメラに適
用し、実施例1と同様にこの素子を駆動させたところ、
実施例1と同様にむらの無い高品位のファインダー像が
得られた。
なお測光枠67及び測距枠68の部分においては、Aより
入射された光は、液晶を分散させた高分子層の平均屈折
率と透明基板75の屈折率差に基づく光の回析が起こり、
枠が認識された。
本実施例においては特に、膜厚分布をより小さく抑え
られるため、透明基板の周辺領域の凸部の幅をより小さ
くすることも可能である。また、中心部に凸部を設けた
ことにより、有効視野内でギャップスペーサーを使わな
いことにより起こる歩留まりの低下を抑制し生産性が向
上した。
(実施例4) 第9図は可変焦点板の測距枠の別の実施例を示した断
面図であり、この図において91はガラス基板、95は測距
枠形成のために斜面95cを有する凸部95bを図示のvbc二
重に形成したアクリル基板、92,94は透明導電膜、93は
液晶を分散含有した高分子物質の層、Aは光の入射方
向、Bは光の出射方向を示している。
このような構造の可変焦点基板を、実施例3と同様の
方法を用いて作製し、第4図のカメラの可変焦点板とし
て駆動させたところ、他の実施例と同様に、むらの無い
高品位のファインダー像の提供が可能となった。
本実施例においては特に、枠の突起部が多いため、圧
着時の圧力を高くできるためより正確に基板間距離を規
定することが可能、さらには、さらなる歩留まりの向上
が得られるという効果がある。
(実施例5) 第10図は本発明第5の実施例を説明するための図であ
り、分割された焦点板領域を表わす。
100は焦点板、101,102,103は分割された各領域であ
る。本実施例においては実施例1における素子構成にお
いて、一方の透明電極を各領域に対応させて分割形成
し、さらに各々の領域に個々に電圧印加可能な電源装置
(図示せず)を接続させている。なお、各領域間の電気
的絶緑を得るため透明電極の各領域間にはフォトリソグ
ラフィー法を用いて透明電極を約10μm幅でエッチング
除去してある(図示せず)。なお、領域103への引き出
し電極部は領域101と102の間に1mm幅で形成してある
(図示せず)。
これを第4図のカメラの可変焦点板として駆動させた
ところ、他の実施例と同様、むらの無い高品位のファイ
ンダー像の提供が可能となった。また、被写体にあわせ
て、拡散領域と透過領域を分けて駆動させることによ
り、撮影者に任意のファインダー像を得ることができ
た。駆動方法の一例を挙げるならば、101,102を透過状
態、103を拡散状態とすることにより、視野周辺領域で
クリアな像が得られるため溝図を決めやすくなる。ま
た、このとき焦点合わせは103の領域で行うことが可能
である。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明は、正の誘電異方性のネマ
チック液晶を液晶の常光線屈折率noとほぼ等しい屈折率
を持つ高分子物質中に分散含有させた層を、一対の全面
あるいは一部に透明電極を備えた透明基板で挟持した構
造を持ち、ファインダー視野の領域外にギャップスペー
サーを配置した液晶素子を焦点板とすることにより、高
品位な焦点形成が可能となる効果がある。
また本発明可変焦点板は、動的散乱モードを用いてい
ないため拡散状態においても液晶の乱流が見えることが
なく、また各偏光に対して同様の拡散特性及び透過特性
を示す効果がある。
また、中間電圧においては拡散状態も中間的なものに
なるため、この各状態での見えとカメラの被写界深度と
を対応させることにより、絞り込みのない深度確認がで
きる焦点板を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明よりなる実施例1の可変焦点板
の構成を示した図であり、第1図はその正面図、第2図
はファインダー視野領域における構造の断面を示した
図、第3図はファインダー視野領域外の一対の透明基板
の間隙を設定する構造の断面を示した図、第4図は同可
変焦点板をカメラに適用した状態を示した同カメラの構
成概要を示した図である。 第5図はファインダー視野領域外の一対の透明基板の間
隙を設定する実施例2の構造の断面を示した図である。 第6図〜第8図は本発明の実施例3の可変焦点板の構成
を示した図であり、第6図はその正面図、第7図はファ
インダー視野領域外の一対の透明基板の間隙を設定する
構造の断面を示した図、第8図は測光枠部分の断面構造
を示した図である。 第9図は実施例4の測距枠部分の構造の断面を示した図
である。 第10図は本発明の実施例5の可変焦点板の構成を示した
正面図である。 第11図は従来の可変焦点板の断面構造を示した図であ
る。 11……ファインダー視野 12……視野領域以外の縁部 13,14……電極引出し部 15……注入口、21,25……ガラス基板 22,24……透明電極 23……液晶分散含有の高分子物質の層 26……ギャップスペーサー 27……接着剤、28……視野マスク 29,30……透明基板、41……撮影レンズ 42……ペンタプリズム 43……アイピースレンズ 44……フレネルレンズ 45……可変焦点板、46……フィルム 47……カメラ本体、48……ミラー 51,55……ガラス基板、52,54……透明電極 53……液晶分散含有の高分子物質の層 56……凸部、57……接着剤 58……視野マスク、59,60……透明基板 61……ファインダー視野 62……視野領域外の縁部 63,64……電極引出し部、65……注入口 66……注入口封止部、67……測光枠 68……測距枠、71,75……透明基板 72,74……透明電極 73……液晶分散含有の高分子物質の層 75a……凸部、75b……斜面付き凸部 75c……斜面 76……ギャップスペーサー 78……視野マスク、77……接着剤 79,80……透明基板、91,95……透明基板 92,94……透明電極 93……液晶分散含有の高分子物質の層 95b……斜面付き凸部、95c……斜面 101,105……ガラス基板、102,104……透明電極 103……液晶の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/13 505 G03B 13/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正の誘電異方性のネマチック液晶をこの液
    晶の常光線に対する屈折率と略同じ屈折率を示す誘電異
    方性をもたない透明な高分子物質中に分散含有させた層
    と、少なくとも一部に透明電極を有しかつ上記層を挾持
    する一対の透明基板とを備え、この一対の透明基板間に
    ギャップスペーサーを介挿してこれら透明基板間の間隙
    を設定した構造をなしていて、透明電極への電圧印加に
    より透過光の拡散性の制御が可能な液晶素子からなるカ
    メラ用の焦点板であって、上記ギャップスペーサーは、
    液晶素子のファインダー視野を画する領域の外に配置さ
    れていることを特徴とするカメラの焦点板。
  2. 【請求項2】上記ギャップスペーサーが一対の透明基板
    を接着する接着剤中に含有された硬質粒状物あるいは硬
    質棒状物であることを特徴とする請求項1に記載のカメ
    ラの焦点板。
  3. 【請求項3】ギャップスペーサーが、透明基板に形成し
    た凸部であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ
    の焦点板。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のカメ
    ラの焦点板において、ファインダー視野を画する領域内
    の上記高分子物質の層中に、入射光・出射光を屈折させ
    ることで存在が視認できる測距枠及び/又は測光枠表示
    用の突起をいずれか一方の透明基板に設けたことを特徴
    とするカメラの焦点板。
  5. 【請求項5】請求項4のいずれか一方の透明基板から突
    出された突起が他方の透明基板に当合する寸法に設けら
    れていると共に、入射光・出射光を屈折させるための斜
    面を有することを特徴とするカメラの焦点板。
  6. 【請求項6】請求項5の突起の斜面が、複数設けられて
    いることを特徴とするカメラの焦点板。
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