JP2809981B2 - 透明導電膜および透明導電膜の形成方法 - Google Patents
透明導電膜および透明導電膜の形成方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化インジウムを主成
分とする透明導電膜およびその形成方法に関する。
分とする透明導電膜およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は、液晶表示装置の画素電
極、プラズマディスプレイの信号配線等に用いられてい
る。ところで、従来の透明導電膜は酸化インジウム(I
n2 O3 )に錫を添加した酸化インジウムと酸化錫(S
nO2 )との混合物(In2 O3 −SnO2 )が知られ
ている。このような透明導電膜は、前記In2 O3 −S
nO2 からなるターゲットをスパタリングすることによ
り基板等に成膜する方法により形成されている。
極、プラズマディスプレイの信号配線等に用いられてい
る。ところで、従来の透明導電膜は酸化インジウム(I
n2 O3 )に錫を添加した酸化インジウムと酸化錫(S
nO2 )との混合物(In2 O3 −SnO2 )が知られ
ている。このような透明導電膜は、前記In2 O3 −S
nO2 からなるターゲットをスパタリングすることによ
り基板等に成膜する方法により形成されている。
【0003】しかしながら、前記In2 O3 −SnO2
系の透明導電膜は低抵抗化(例えば3×10-4Ω・cm
前後)するために成膜時に基板を150℃程度に加熱す
る必要がある。このため、前記熱影響により成膜される
基板が制約される。例えば、前記透明導電膜を液晶表示
装置の画素電極に適用した場合、ガラス基板として前記
150℃の加熱に耐える材料を用いる必要があり、液晶
表示装置のコスト増を招く。
系の透明導電膜は低抵抗化(例えば3×10-4Ω・cm
前後)するために成膜時に基板を150℃程度に加熱す
る必要がある。このため、前記熱影響により成膜される
基板が制約される。例えば、前記透明導電膜を液晶表示
装置の画素電極に適用した場合、ガラス基板として前記
150℃の加熱に耐える材料を用いる必要があり、液晶
表示装置のコスト増を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
の成膜により従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の低
抵抗値を有する透明導電膜およびその形成方法を提供し
ようとするものである。
の成膜により従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の低
抵抗値を有する透明導電膜およびその形成方法を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる透明導電
膜は、酸化インジウムにレニウムまたはレニウム酸化物
がRe/Inの比で0.01〜1.0の割合にて添加さ
れていることを特徴とするものである。
膜は、酸化インジウムにレニウムまたはレニウム酸化物
がRe/Inの比で0.01〜1.0の割合にて添加さ
れていることを特徴とするものである。
【0006】前記レニウムまたはレニウム酸化物の前記
酸化インジウムに対する添加比率を規定した理由は、R
e/Inの比が0.01〜1.0の範囲を逸脱すると低
抵抗の透明導体膜が得られなくなる。より好ましいRe
/Inの比は、0.03〜0.05である。
酸化インジウムに対する添加比率を規定した理由は、R
e/Inの比が0.01〜1.0の範囲を逸脱すると低
抵抗の透明導体膜が得られなくなる。より好ましいRe
/Inの比は、0.03〜0.05である。
【0007】本発明に係わる透明導電膜の形成方法は、
エロージョンエリアにレニウム片またはレニウム酸化物
片を有する酸化インジウムのターゲットをスパッタリン
グして所望の基板上に室温で成膜することを特徴とする
ものである。
エロージョンエリアにレニウム片またはレニウム酸化物
片を有する酸化インジウムのターゲットをスパッタリン
グして所望の基板上に室温で成膜することを特徴とする
ものである。
【0008】
【作用】本発明に係わる透明導電膜によれば、酸化イン
ジウムにレニウムまたはレニウム酸化物がRe/Inの
比で0.01〜1.0の割合にて添加されているため、
従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の低抵抗値を有す
る。
ジウムにレニウムまたはレニウム酸化物がRe/Inの
比で0.01〜1.0の割合にて添加されているため、
従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の低抵抗値を有す
る。
【0009】また、本発明の方法によればエロージョン
エリアにレニウム片またはレニウム酸化物片を有する酸
化インジウムのターゲットをスパッタリングして所望の
基板上に室温で成膜することによって、前記基板への熱
影響を招くことなく従来の150℃前後で成膜されるI
n2 O3 −SnO2 系と同等の低抵抗値を有する透明導
電膜を形成することができる。
エリアにレニウム片またはレニウム酸化物片を有する酸
化インジウムのターゲットをスパッタリングして所望の
基板上に室温で成膜することによって、前記基板への熱
影響を招くことなく従来の150℃前後で成膜されるI
n2 O3 −SnO2 系と同等の低抵抗値を有する透明導
電膜を形成することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例 図1は、本実施例の透明導電膜を形成するための成膜装
置を示す概略図、図2は図1の成膜装置に設置されるタ
ーゲットを示す斜視図である。真空チャンバ1内には、
In2 O3 からなるターゲット2が配置されている。前
記ターゲット2は、図2に示すようにカソード3内に装
填され、かつ表面のエロージョンエリア4には酸化レニ
ウム(Re2 O3 )片5が配置されている。直流電源6
は、前記カソード3に接続されている。基板ホルダ7
は、前記チャンバ1内に前記ターゲット2と対向するよ
うに吊下されている。O2 ガス供給管7は、前記チャン
バ1に連結され、前記供給管7には流量制御バルブ8が
介装されている。アルゴンガス供給管9は、前記チャン
バ1に連結され、前記供給管9には流量制御バルブ10
が介装されている。クラリオポンプ11は、バルブ12
を有する主排気管13を介して前記チャンバ1に連結さ
れている。ロータリーポンプ14は、バルブ15を有す
る補助排気管16を介して前記チャンバ1に連結されて
いる。前記クラリオポンプ11は、バルブ17を有する
排気管18を介して前記バルブ15と前記ロータリポン
プ14間の前記補助排気管16に連結されている。
に説明する。 実施例 図1は、本実施例の透明導電膜を形成するための成膜装
置を示す概略図、図2は図1の成膜装置に設置されるタ
ーゲットを示す斜視図である。真空チャンバ1内には、
In2 O3 からなるターゲット2が配置されている。前
記ターゲット2は、図2に示すようにカソード3内に装
填され、かつ表面のエロージョンエリア4には酸化レニ
ウム(Re2 O3 )片5が配置されている。直流電源6
は、前記カソード3に接続されている。基板ホルダ7
は、前記チャンバ1内に前記ターゲット2と対向するよ
うに吊下されている。O2 ガス供給管7は、前記チャン
バ1に連結され、前記供給管7には流量制御バルブ8が
介装されている。アルゴンガス供給管9は、前記チャン
バ1に連結され、前記供給管9には流量制御バルブ10
が介装されている。クラリオポンプ11は、バルブ12
を有する主排気管13を介して前記チャンバ1に連結さ
れている。ロータリーポンプ14は、バルブ15を有す
る補助排気管16を介して前記チャンバ1に連結されて
いる。前記クラリオポンプ11は、バルブ17を有する
排気管18を介して前記バルブ15と前記ロータリポン
プ14間の前記補助排気管16に連結されている。
【0011】次に、前述した成膜装置を用いて透明導電
薄膜をガラス基板上に形成する方法を説明する。まず、
真空チャンバ1の基板ホルダ7にガラス基板19を保持
させた。つづいて、クラリオポンプ11およびロータリ
ポンプ14を作動して前記チャンバ1のガスを排気管1
3、16を通して排気した。前記チャンバ1内の真空度
が1×10-4Pa以下に達した時点で、流量制御バルブ
8、10を開いて所定量のO2 ガスおよびArガスを供
給管7、9を通して前記チャンバ1内に供給した。ひき
つづき、直流電源6から所定の電力をカソード3を通し
てターゲット2に印加した。これによって、前記In2
O3 からなるターゲット2表面でIn2 O3 がスパッタ
リングされると共に、その表面のエロージョンエリア4
に配置されたRe2O3 片5もスパッタリングされる。
その結果、Re2 O3 を含むIn2 O3 からなる透明導
電膜が前記ターゲット2に対向される室温状態の前記ガ
ラス基板19表面に形成された。
薄膜をガラス基板上に形成する方法を説明する。まず、
真空チャンバ1の基板ホルダ7にガラス基板19を保持
させた。つづいて、クラリオポンプ11およびロータリ
ポンプ14を作動して前記チャンバ1のガスを排気管1
3、16を通して排気した。前記チャンバ1内の真空度
が1×10-4Pa以下に達した時点で、流量制御バルブ
8、10を開いて所定量のO2 ガスおよびArガスを供
給管7、9を通して前記チャンバ1内に供給した。ひき
つづき、直流電源6から所定の電力をカソード3を通し
てターゲット2に印加した。これによって、前記In2
O3 からなるターゲット2表面でIn2 O3 がスパッタ
リングされると共に、その表面のエロージョンエリア4
に配置されたRe2O3 片5もスパッタリングされる。
その結果、Re2 O3 を含むIn2 O3 からなる透明導
電膜が前記ターゲット2に対向される室温状態の前記ガ
ラス基板19表面に形成された。
【0012】また、前記ターゲットのエロージョンエリ
アに配置されるRe2 O3 片の量を変えて、前述したの
と同様な操作によりガラス基板表面に前記透明導電膜を
形成した。
アに配置されるRe2 O3 片の量を変えて、前述したの
と同様な操作によりガラス基板表面に前記透明導電膜を
形成した。
【0013】形成された透明導電膜のRe/Inの比率
に対する同導電膜の抵抗値を測定した。その結果を図3
に示す。図3から明らかなようにRe/Inの比率が
0.01〜1.0、特に0.03〜0.05の範囲にお
いて抵抗値を低減できることがわかる。しかも、室温で
の成膜により約3.0×10-4Ω・cmの低抵抗値の透
明導電膜を形成できることがわかる。
に対する同導電膜の抵抗値を測定した。その結果を図3
に示す。図3から明らかなようにRe/Inの比率が
0.01〜1.0、特に0.03〜0.05の範囲にお
いて抵抗値を低減できることがわかる。しかも、室温で
の成膜により約3.0×10-4Ω・cmの低抵抗値の透
明導電膜を形成できることがわかる。
【0014】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば室
温の成膜により従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の
低抵抗値を有する透明導電膜およびその形成方法を提供
でき、ひいては液晶表示装置の画素電極、プラズマディ
スプレイの信号配線などに有効に利用できる等顕著な効
果を奏する。
温の成膜により従来のIn2 O3 −SnO2 系と同等の
低抵抗値を有する透明導電膜およびその形成方法を提供
でき、ひいては液晶表示装置の画素電極、プラズマディ
スプレイの信号配線などに有効に利用できる等顕著な効
果を奏する。
【図1】本実施例の透明導電膜を形成するための成膜装
置を示す概略図。
置を示す概略図。
【図2】図1の成膜装置に設置されるターゲットを示す
斜視図。
斜視図。
【図3】透明導電膜のRe/Inの比率と同導電膜の抵
抗値との関係を示す特性図。
抗値との関係を示す特性図。
1…真空チャンバ、2…ターゲット、4…エロージョン
エリア、5…酸化レニウム片、6…直流電源、7…基板
ホルダ、7、9…供給管、11…クラリオポンプ、14
…ロータリポンプ、19…ガラス基板。
エリア、5…酸化レニウム片、6…直流電源、7…基板
ホルダ、7、9…供給管、11…クラリオポンプ、14
…ロータリポンプ、19…ガラス基板。
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化インジウムにレニウムまたはレニウ
ム酸化物がRe/Inの比で0.01〜1.0の割合に
て添加されていることを特徴とする透明導電膜。 - 【請求項2】 エロージョンエリアにレニウム片または
レニウム酸化物片を有する酸化インジウムのターゲット
をスパッタリングして所望の基板上に室温で成膜するこ
とを特徴とする透明導電膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30360093A JP2809981B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 透明導電膜および透明導電膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30360093A JP2809981B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 透明導電膜および透明導電膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157863A JPH07157863A (ja) | 1995-06-20 |
JP2809981B2 true JP2809981B2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=17922957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30360093A Expired - Fee Related JP2809981B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 透明導電膜および透明導電膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2809981B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1281544C (zh) * | 1998-08-31 | 2006-10-25 | 出光兴产株式会社 | 透明导电膜用靶、透明导电材料、透明导电玻璃及透明导电薄膜 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP30360093A patent/JP2809981B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
服部,″真空蒸着法によるIn▲下2▼O▲下3▼透明導電膜″,応用物理,1980年,第49巻,第1号,第2−16頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07157863A (ja) | 1995-06-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |