JP2808638B2 - グレンタンクの穀物排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱穀機の殻粒を貯留するグレンタンクの殻
粒排出装置に関する。

〔従来技術及び問題点〕

従来、この種のグレンタンクにおける穀物排出装置に
あっては、タンク内の穀物をタンク底部に設けた横送り
スクリューコンベアにて一側に排出したのち、縦スクリ
ューコンベアにより揚上搬送して外部に排出するように
しているのが一般的である。ところが、タンク内に収容
される穀物が大豆である場合には、これをスクリューコ
ンベアにより搬送すると損傷粒や砕粒が多発し、品質低
下を招く問題があった。

本発明は、タンク内に収容される穀物が大豆である場
合には、できるだけスクリューコンベアによる搬送行程
を少くするため、タンク内の上部空間を利用して貯留す
るようにし、これを縦スクリューコンベアの途中部に流
入させることにより上記問題点を解決せんとするもので
ある。

〔問題を解決するための手段〕

そのため、本発明は次のような技術的手段を講じた。

すなわち、本発明にかかるグレンタンクの穀物排出装
置は、タンク内に収容される穀物を底部に設けた搬送ス
クリューコンベア３にて一側に搬出し縦スクリューコン
ベア４により揚上搬送して機外に排出するように構成し
てあるグレンタンクにおいて、このグレンタンクの内部
空間を上部空間と下部空間とに区画する仕切部材６が、
前記上部空間に穀物の貯留される作用状態と前記下部空
間に貯留される非作用状態とに切り替えできるように設
けられると共に、該仕切部材６の使用状態において穀物
が前記縦スクリューコンベア４の途中部に流入可能な状
態に連通構成されてあることを特徴とするものである。

〔作用〕

タンク内に収容される穀物が稲や麦の場合にはタンク
底部の横送りスクリューコンベアにて一側に搬出し、縦
スクリューコンベアにより揚上搬送して外部に排出す
る。

そして、タンク内に収容される穀物が大豆である場合
には、タンク底部の横送りスクリューコンベアを経由す
ることなく、タンク内上部空間に貯留される仕切部材に
より縦スクリューコンベアの途中部に流入させると共
に、これより揚上搬送して外部に排出する。

〔発明の効果〕

従って、本発明によれば、タンク内に収容される穀物
が大豆である場合には、上記空間に貯留される仕切部材
を経由して縦スクリューコンベアの途中部に流入される
ので、タンク底部の横スクリューコンベアにて搬送する
場合のように損傷粒や砕粒の発生がきわめて少なくな
り、良質な大豆が外部へ排出されることになる。

〔実施例〕

以下本発明の１実施例を図面に基づいて説明する。

１はグレンタンクで、コンバインの脱穀部Ａの側部に
配置され、脱穀部Ａからの穀物が揚穀装置２を介して供
給され貯留されるようになっている。３はタンク底部に
横方向に軸架された横送りスクリューコンベア、４は前
記グレンタンク１の一側において上下方向に立設された
縦スクリューコンベアで、前記横送りスクリューコンベ
ア３により一側に搬出された穀物を受入れて揚上搬送
し、昇降並びに旋回可能な排出スクリューコンベア５を
介して排出するように構成されている。

前記グレンタンク１内にはその内部空間を上部空間1a
と下部空間1bとに区画する仕切部材６が、前記上部空間
1aに穀物の貯留される作用状態と前記下部空間1bに穀物
の貯留される非作用状態とに切り替えできるように設け
られている。すなわち、仕切部材６は横送りスクリュー
コンベア３の上方に対応する状態位置に設けられた第１
仕切板6aと、回転軸芯P₁・P₂周りに揺動開閉し得る第２
・第３仕切板6b、6cとからなり、これら第１〜第３仕切
板6a、6b、6cを図の点線で示す状態にして穀物を貯留す
る作用状態とすることにより、上部空間1aと下部空間1b
とに区画されるようになっている。そして、第２・第３
仕切板6b、6cを図の仮想線で示す如く直立状態に起立揺
動させて非作用状態とすることにより、上部空間1aと下
部空間1bとを連通状態とし両空間内に穀物が貯留される
構成になっている。

各仕切板6a、6b、6cは作用状態においてグレンタンク
１−側の縦スクリューコンベア４側が低くなるように傾
斜状態とし、この傾斜下端が耐スクリューコンベア４の
途中部に開口された取入口に連通状態に接続され、シャ
ッター７を開くことにより、その上部空間1a内に貯留さ
れる大豆穀物が前記縦スクリューコンベア４の途中部に
流入される構成になっている。

従って、かかるグレンタンク１を大豆穀物の貯留形態
として使用する場合には、仕切部材６を作用状態となす
ことによって上部空間1aと下部空間1bとに区画し、その
上部空間1aを大豆用ホッパーとして機能させ、縦スクリ
ューコンベア４の途中部に流入させて外部に排出するこ
とができる。

また、かかるグレンタンク１を籾や麦などの穀物貯留
形態として使用する場合には仕切部材６を非作用状態と
なすことによって上部空間1aと下部空間1bとを利用して
貯留し、横送りスクリューコンベア３を経由して外部に
排出することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明の１実施例を示すもので、第１図はグレン
タンクの側面図、第２図は正面図、第３図はコンバイン
の側面図である。 １はグレンタンク、２は揚穀装置、３は横送りスクリュ
ーコンベア、４は縦スクリューコンベア、５は排出スク
リューコンベア、６は仕切部材を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】タンク内に収容される穀物を底部に設けた
   横送りスクリューコンベア３にて一側に搬出し縦スクリ
   ューコンベア４により揚上搬送して機外に排出するよう
   に構成してあるグレンタンクにおいて、このグレンタン
   クの内部空間を上部空間と下部空間とに区画する仕切部
   材６が、前記上部空間に穀物の貯留される作用状態と前
   記下部空間に貯留される非作用状態とに切り替えできる
   ように設けられると共に、該仕切部材６の作用状態にお
   いて穀物が前記縦スクリューコンベア４の途中部に流入
   可能な状態に連通構成されてあることを特徴とするグレ
   ンタンクの穀物排出装置。