JP2808436B2 - 学習用時計 - Google Patents

学習用時計

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低学年の児童に時
計の概念を教えるために使用する学習用時計に関する。
【0002】
【従来の技術】小学校の一年生や二年生の低学年の児童
にとって、時計の学習は非常に理解しにくい難しい概念
である。
【0003】例えば、図7に示すような時計1を用いて
時間の概念を教える場合には、まず時計には短針2と長
針3があり、短針2は「時」を表し、長針3は「分」を
夫々表すこと。そして、時計文字板4の外周に表示され
た一つの目盛り5は「1分」であり、数字6と数字6の
間は「5分」であること。長針3が1周すると「60
分」であり、60分は1時間と同じであること、といっ
たように教える。
【0004】また、「何時」,「何時何分」のように、
ある決まった時を表したものを「時刻」といい、時刻と
時刻の間を「時間」といい、図の一点鎖線で示すよう
に、長針3が「12」にあり、短針2が「3」の所にあ
るとき、この時計は「3時」です、と教えます。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、長針3
が「12」にあり、短針2が「3」の所にそれぞれある
から、この時計は「3時」である、といったことは児童
にとって比較的容易に理解することができる。しかし、
図面の実線で示すように、長針3が「55」にあるとき
は「55分」で、短針2が「3」の時間帯にあるとき
に、この時計は「3時55分」ですと機械的に教えた場
合、短針2が「4」に近いのに何故「3時55分」なの
かを理解することは非常に困難である。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決するために成されたもので、低学年の児童に時計の概
念を的確に理解させることが出来るものを提供すること
を目的としたものであり、その要旨は、時計本体の奥行
き方向の中間に仕切壁を設けて前面空間部と後面空間部
とに区画し、前記前面空間部には、汎用の時計文字板及
び分針の軸及びその回りに取り付けた時針の軸に夫々取
り付けた分針及び時針を夫々装着するとゝもに、該分針
と時針とを前記時計本体の周面から突出せしめた針回し
輪により回転可能に構成し、前記後面空間部には、着脱
可能に設けた時分板及び前記仕切壁の中央軸孔から突出
する前記分針の軸の後軸に分針と時針を夫々回転自在で
且つ着脱可能に装着するとゝもに、前記時分板を、その
一方の面に、均等に12に区画して1時から12時の時
間帯数字を明記した時間リングを表示するとゝもに、該
時間リングの内側には通常の時計文字板の1時から12
時の時刻を表示し、他方の面に、通常の時計文字板の1
時から12時の時刻及び一分毎の分目盛を表示するとゝ
もに、その外周には5分毎に区切って0から55の分数
字及び12時から2時の間の分目盛りに0から10の分
数字を夫々表示した構成としたことを特徴とする学習用
時計にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1乃至図6に示
す実施例により詳細に説明するに、図において、7は時
計本体で、その胴8は樹脂製の円筒部9とその下部に一
体に形成された台座部10とから構成されており、この
胴8の内部は、奥行き方向の中間に仕切壁11を設けて
前面空間部12と後面空間部13とに夫々区画されてい
る。
【0008】14は前記前面空間部12に装着される文
字板で、その外周には汎用の時計と同様に、分目盛りと
時刻数字が夫々表示されているとゝもに、その中央には
分針15と時針16とが夫々設けられ、前面空間部12
の前面は透明な樹脂製のカバー17により閉塞されてい
る。
【0009】18は前記胴8の周面からその一部が突出
した針回し輪で、前記分針15と時針16はこの針回し
輪18を手動で回転することにより、後述する歯車群を
介して回動することができる。すなわち、針回し輪18
及び歯車群は、図3に示すように、前記仕切壁11の前
面に形成した凹部19に配置されており、針回し輪18
は軸20を中心に回転し、その中心にはピニオン21が
固定されている。
【0010】22は分用ピニオンで、その中心には分針
の軸23が前後に突出しており、該分針の軸23の前軸
23Aには時用平歯車24の中心の円筒部(時針の軸)
25が回転自在に挿入されているとゝもに、この前軸2
3Aと時針の軸25は前面空間部12に突出している。
そして、前記時用平歯車24の時針の軸25には時針1
6の基部が挿入固定され、前記分用ピニオン22の前記
前軸23Aには分針15の基部が挿入固定されていると
ゝもに、前記分針の軸23の後軸23Bは前記仕切壁1
1の中央軸孔から後面空間部13に回転自在に突出して
いる。
【0011】26は中間に介在される平歯車で、前記針
回し輪18の中央に固定されたピニオン18Aと前記分
用ピニオン22とにそれぞれ噛み合っており、また前記
平歯車26の中心に固定されたピニオン27は、前記時
用平歯車24と噛み合っている。そこで、前記針回し輪
18を一周だけ回転すると、汎用の時計と同様に、分針
15が1回転し、時針16が5分だけ進むように設定さ
れている。
【0012】28は時分板で、厚紙あるいは樹脂板等に
よって前記胴8の内側形状と同一形状に形成され、その
一方の面は「なんじのおけいこ」用として、図2及び図
5に示すように、外周には所定幅の時間リング29が描
かれており、該時間リング29は均等に12に区画さ
れ、各区画は「12じ」から「11じ」の時間帯30を
示すとゝもに、時間帯数字31が明記されている。ま
た、前記時間リング29の内側には通常の時計文字板と
同様に、「1時」から「12時」の時刻32が表示され
ている。
【0013】また、前記時分板28の他方の面は「なん
ぷんのおけいこ」用となっており、図4及び図6に示す
ように、通常の時計文字板と同様「1時」から「12
時」の時刻33及び一分毎の分目盛りが表示されてい
る。そして、その外周には5分毎に区切って「0」から
「55」の分数字34及び「12時」から「2時」の間
の分目盛りに「0」から「10」の分数字35が夫々明
記されている。
【0014】36は前記時分板28を使用する時に用い
る短い時針で、37は長い分針であり、時針36及び分
針37の基部には夫々前記分用ピニオン22の後軸23
Bに着脱自在な軸孔36A,37Aが設けられている。
【0015】次に、学習方法について説明すると、ま
ず、時計本体7の前面空間部12の文字板14を児童に
見せながら、時計には時針と分針とがあること等通常の
時計の概念を教える。次いで、図5に示すように、時計
本体7を裏返して、後面空間部13に時分板28の「な
んじのおけいこ」用を表にして装着するとゝもに、中央
の後軸23Bに時針36を固定した後、針回し輪18を
回転して時針36を回転することにより時間帯30の概
念を教える。すなわち、時針36が「3じ」の時間帯3
0にある時は、時針36が「4時」に近くても時間帯3
0の時間数字「3時」と読むことを教える。
【0016】次いで、図6に示すように、時計本体7の
後面空間部13に時分板28を裏返して、「なんぷんの
おけいこ」用を表にして装着するとゝもに、中央の後軸
23Bに分針37を固定した後、針回し輪18を回転し
て分針37を回転することにより分の概念を教える。こ
の結果、児童は例えば、分針37が「55」にあると
き、時針36が「4」の近くあっても、この時計は「3
時55分」であることを納得することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る学習用時計は、上記のよう
に、時計本体の奥行き方向の中間に仕切壁を設けて前面
空間部と後面空間部とに区画し、前記前面空間部には、
汎用の時計文字板及び分針の軸及びその回りに取り付け
た時針の軸に夫々取り付けた分針及び時針を夫々装着す
るとゝもに、該分針と時針とを前記時計本体の周面から
突出せしめた針回し輪により回転可能に構成し、前記後
面空間部には、着脱可能に設けた時分板及び前記仕切壁
の中央軸孔から突出する前記分針の軸の後軸に分針と時
針を夫々回転自在で且つ着脱可能に装着するとゝもに、
前記時分板を、その一方の面に、均等に12に区画して
1時から12時の時間帯数字を明記した時間リングを表
示するとゝもに、該時間リングの内側には通常の時計文
字板の1時から12時の時刻を表示し、他方の面に、通
常の時計文字板の1時から12時の時刻及び一分毎の分
目盛を表示するとゝもに、その外周には5分毎に区切っ
て0から55の分数字及び12時から2時の間の分目盛
りに0から10の分数字を夫々表示した構成としたもの
であるから、時計本体の前面空間部側では時計には時針
と分針とがあること等通常の時計の概念を教えることが
できる。また時計本体の後面空間部側では、後軸に分針
を固定した針回し輪により分針を回転することにより分
の概念を、後軸に時針を固定し、前記針回し輪により時
針を回転することにより時間帯の概念を夫々教えること
ができ、時計の概念を的確に理解させることができる、
といった諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る学習用時計の正面側から見た斜視
図である。
【図2】学習用時計の裏側および時分板の斜視図であ
る。
【図3】学習用時計の透明カバーおよび文字板を除去し
た正面図である。
【図4】時分板の他方の面のなんぷんのおけいこ側から
見た斜視図である。
【図5】学習用時計に時分板のなんじのおけいこ側を表
にして装着した場合の正面図である。
【図6】学習用時計に時分板のなんぷんのおけいこ側を
表にして装着した場合の正面図である。
【図7】従来の学習用時計により時分を教える場合の正
面図である。
【符号の説明】
7 時計本体 8 胴 9 円筒部 10 台座部 11 仕切壁 12 前面空間部 13 後面空間部 14 時計文字板 15 分針 16 時針 17 透明カバー 18 針回し輪 19 凹部 20 軸 21 ピニオン 22 分用ピニオン 23 分針の軸 23A 前軸 23B 後軸 24 時用平歯車 25 時針の軸 26 平歯車 27 ピニオン 28 時分板 29 時間リング 30 時間帯 31 時間帯数字 32 時刻 33 時刻 34 分数字 35 分数字 36 時針 36A 軸孔 37 分針 36A 軸孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計本体の奥行き方向の中間に仕切壁を
    設けて前面空間部と後面空間部とに区画し、前記前面空
    間部には、汎用の時計文字板及び分針の軸及びその回り
    に取り付けた時針の軸に夫々取り付けた分針及び時針を
    夫々装着するとゝもに、該分針と時針とを前記時計本体
    の周面から突出せしめた針回し輪により回転可能に構成
    し、前記後面空間部には、着脱可能に設けた時分板及び
    前記仕切壁の中央軸孔から突出する前記分針の軸の後軸
    に分針と時針を夫々回転自在で且つ着脱可能に装着する
    とゝもに、前記時分板を、その一方の面に、均等に12
    に区画して1時から12時の時間帯数字を明記した時間
    リングを表示するとゝもに、該時間リングの内側には通
    常の時計文字板の1時から12時の時刻を表示し、他方
    の面に、通常の時計文字板の1時から12時の時刻及び
    一分毎の分目盛を表示するとゝもに、その外周には5分
    毎に区切って0から55の分数字及び12時から2時の
    間の分目盛りに0から10の分数字を夫々表示した構成
    としたことを特徴とする学習用時計。
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