JP2807641B2 - X線不透過性歯科用材料 - Google Patents

X線不透過性歯科用材料

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    • C08F220/30Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing aromatic rings in the alcohol moiety
    • C08F220/303Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing aromatic rings in the alcohol moiety and one or more carboxylic moieties in the chain

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線不透過性の、式I
で示されるヨード置換安息香酸のエステルおよびアミ
ド、ならびにそれらから生成されるポリマーおよびそれ
らから製造される歯科用材料材料に関する。
【0002】
【従来の技術】DE-OS 24 58 380には、ポリエステル樹
脂をベースとするX線不透過性歯用充填用組成物が記載
されている。このX線不透過性は、X線不透過のフィラ
ーを添加することによって達成される。フィラーとして
用いられるのは、ランタン、ストロンチウム、タンタ
ル、またはハフニウムの酸化物または炭酸塩を含有する
ガラスである。
【0003】DE-OS 24 20 351は、歯根治療用の流動性
で親水性の歯用充填材料に関する。これは、X線不透過
性フィラーとして、硫酸バリウム、タンタル、ヨードア
ルフィオン酸(iodoalphionic acid)、イオパノ酸、イポ
ド酸(ipodoic acid)、または亜炭酸ビスマスを含有す
る。好ましくは、ヒドロキシエチルメタクリレートが重
合可能なモノマーとして用いられる。
【0004】EP-PS 0 011 735では、X線不透過性フィ
ラーとして、固体で溶解性の低い重金属化合物が開示さ
れている(例えば、硫酸バリウム、フッ化バリウム、お
よびケイ酸バリウム、ビスマス化合物、ジルコニウム化
合物、ランタン化合物、トリウム化合物、ならびに希土
類金属)。無機ヨウ素化合物および有機ヨウ素化合物を
X線造影剤として用いることもまた記載されている。
【0005】EP-PS 0 189 540から、X線不透過性を得
るために希土類金属のフッ化物を含有する歯科用材料が
公知である。これらのフッ化物は、一般に、粉末として
歯科用材料中に入れられる。好ましい化合物は、フッ化
イッテルビウムである。
【0006】前記の例では、歯科用材料のX線不透過性
は、X線不透過性の充填材料を用いることにより得られ
る。これらの材料の不都合な点は、しばしば用いられる
重金属が毒性であり、そしてときには放射性であり、他
方、希土類の酸化物が充填物または補綴物の望ましくな
い変色を引き起こすことである。公知のX線不透過性ミ
クロ充填歯科用材料の透明性は十分でなく、そして高い
光沢研磨性は不十分である。X線不透過性は、いずれの
場合においても、フィラーにより実現されるため、フィ
ラーはほとんど入っていないかまたは全く入っていない
X線不透過性歯科用材料(例えば、固定用セメントまた
は結合材(bonding))の製造はこの方法では不可能であ
る。
【0007】X線不透過性がフィラーと関係しないX線
不透過性歯科用材料は、DE-OS 21 21 480に開示されて
いる。この刊行物は、X線不透過性を得るために脂肪族
ハライドを含有する、ビーズ形態のメタクリレート粒子
に関する。このビーズ状重合物は、アルキルメタクリレ
ートモノマーに可溶であり、そして脂肪族ハロゲン化合
物の存在下での懸濁重合により製造される。ハロゲン化
合物として、臭素またはヨウ素含有誘導体が開示されて
おり、ヨウ素含有化合物は、臭素含有物質との組み合わ
せにおいてのみ好適である。好ましい実施態様において
は、ビーズ状の重合物は、X線不透過性を高めるために
重金属化合物で表面を染色される。得られる材料におい
ては、ハロゲン含有末端基のポリマー内への化学的な取
り込みが連鎖移動または連鎖停止により起こるため、比
較すると、ハロゲン含有量が比較的低い(18重量%未
満)ポリマーだけが得られ得ることが特徴的である。臭
素化合物の場合には、このハロゲン含有量では弱いX線
不透過特性しか達成できない。さらに、重合物の重合度
は連鎖移動に対応して減少する。即ち、高濃度のハロゲ
ン化合物が用いられるときには、重合物の材料特性に必
要な重合度は達成され得ない。最後に、物理的な取り込
みの場合には、ハロゲン化合物は有機溶媒で洗い流され
てしまう。
【0008】さらに、例えば、トリフェニルビスマスの
ような有機重金属化合物を含有する材料が記載されてい
る(Y. Delaviz、Z.X. Zhang、I. Cabasso、J. Smith、P
olym. Prepr. (Amer. Chem. Soc.、Polym. Div) 30(198
9) 215)。これらの材料には、有機重金属化合物がポリ
マーマトリックスから容易に流出する欠点がある。
【0009】アクリル酸亜鉛またはアクリル酸バリウム
のような重金属イオンを含有するX線不透過性モノマー
を用いると、非修飾樹脂と比較して、機械的特性が著し
く劣る材料になる(K.W.M. Davey、B.E. Causton)、J. d
ent. 10 (1982) 254)。
【0010】WO-82/01006には、メタクリル酸エステル
をベースとするX線不透過性ホモポリマーおよびコポリ
マーが記載されている。アクリル酸基をX線吸収性原子
と共有結合的に結合させることにより、X線不透過性が
得られる。このことに特に適切なのは、塩素、臭素、お
よびヨウ素のようなハロゲン原子である。塩素は有効性
が低く、そしてヨード置換ポリマーは、不安定すぎるた
め、臭素が好ましい。このようなポリマーは、ビーズ、
小片、円盤、ロッド、ブロックの形態で、または他の形
態で得られる。例えば、費用のかかるアリルメタクリレ
ートのアニオン重合およびそれに続く臭素化により得ら
れるポリ(2,3−ジブロモプロピルメタクリレートのよ
うな、脂肪族に結合したハロゲンをベースとするポリマ
ーのみが記載されているが、モノマーは記載されていな
い。より安定な、芳香族に結合したハロゲンを有するX
線不透過性ポリマーは、この方法では得られ得ない。
【0011】外科用に用いるのに特に適するX線不透過
性で生分解性のポリウレタンが、DE-OS 41 11 914から
公知である。例えば、トリヨード安息香酸誘導体のグリ
セリンモノエステルのような、共有結合的に結合したX
線造影剤により、X線不透過性が得られる。
【0012】ラジカル重合可能なヨウ素含有メタクリレ
ート誘導体もまた、Brownら、(E. Brown, M. Couturie
r, J. Touet; Makromol. Chem., Rapid Commun. 6 (198
5) 503-7)により記載されている。しかし、記載されて
いる、水溶液中での3−アミノ−2,4,6−トリヨード安息
香酸アクリルアミドのナトリウム塩の単一重合では、平
均重合度が約5であるポリマーが得られるのみである。
N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
エチル]アクリルアミドとの共重合、または3−(3−
アクリルアミドプロピオンアミド)−2,4,6−トリヨー
ド安息香酸を用いることにより、最大23,500g/molま
でのモル質量が得られ得るが、これらの親水性ヨウ素含
有アクリルアミドは、260℃を超える温度でのみ融解
し、かつ通常の歯科用材料用モノマーに可溶でない。
【0013】置換イソフタルアミド酸、例えば、5−ア
セトアミド−2,4,6−トリヨード−N−メチルイソフタ
ル酸、の2−ヒドロキシエチルメタクリレートエステル
の単一重合または共重合、または、2,4,6−トリヨード
フェニルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタク
リレート(HEMA)またはメチルメタクリレート(M
MA)とはまた、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)またはジベンジルパーオキシド(DBPO)の存在
下で、40時間後でさえ、オリゴマー生成物しか生成し
ない(A. Jaykrishnan, B.C. Thanoo; J. Appl. Polym.
Sci. 44 (1992) 743-8)。4−(1,3,6−トリヨード−9−
カルバゾイル)−1−ブチルメタクリレートおよび4−
(1,3,6,8−テトラヨード−9−カルバゾイル)−1−ブ
チルメタクリレートは、同様に、重合する傾向がわずか
であることにより特徴付けられ(R.A.Minns, R.A. Gaudi
ana; J. Macromol. Sci. - Pure Appl. Chem A29 (199
2) 19-30)、従って、これらもまた、X線不透過性ポリ
マーマトリックスの構築には適切でない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、良好にラジカル重合またはアニオン重合され得るモ
ノマー性のX線不透過性アクリル酸およびメタクリル酸
誘導体を提供することである。
【0015】本発明の他の目的は、X線不透過性成分が
共有結合的にポリマーマトリックス材料中に結合し、従
ってX線不透過性成分が流出し得ず、そして上記の公知
のX線不透過性充填材料のような欠点を示さないX線不
透過性歯科用材料を提供することである。特に、フィラ
ーが少量しか存在しないかまたは全く存在しない場合で
さえ、これらの材料は十分なX線不透過性を示し、そし
てそれらの物理的特性については、非X線不透過性材料
に匹敵することが意図されている。さらに、これらは通
常の歯科用材料用モノマーに十分可溶であることが意図
されている。
【0016】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、式Iの
ヨード置換安息香酸エステルおよびアミドは非常に良好
に単一重合および共重合され得ることが見出された。こ
れらから生成されるポリマーは、通常の歯科用材料用モ
ノマーに十分可溶であり、さらに、モノマーおよびこれ
らから生成されるポリマーは両方とも高いUV安定性を
示す。しかし特に驚くべきことは、これらのヨウ素置換
体は、優れた安定性を有し、そして所望のX線不透過性
を得るために単独で、即ち、臭素誘導体なしで用いられ
得る。
【0017】
【化2】
【0018】R1 = 水素またはC1〜C3アルキル、
好ましくはHまたはCH3; R2 = 直鎖または分岐状C1〜C6アルキレン、オキ
シアルキレン、またはアリーレン、好ましくはC2〜C4
アルキレン、そして特に好ましくは−CH2−CH2−お
よび−CH2CH(−)CH2−; X=OまたはNH、好ましくはO; R3〜R7=少なくとも3個のヨウ素置換基(好ましくは
3、R4、およびR6位、または、R3、R5、およびR7
位)、他の基は、それぞれ独立して、水素、C1〜C6
ルキル、C1〜C6アルコキシ、−Cl、−Br、−O
H、−NH2、−N(C1〜C6アルキル)2または−NH
−CO−(C1〜C6アルキル)、好ましくは、R3
4、およびR6=I、かつ、R5およびR7=H、または
3、R5、およびR7=I、かつR4およびR6=−NH
(COCH3); n=1、2、または3、好ましくは1または2。
【0019】好ましい誘導体は、R1が、HまたはCH3
であり;R2が、直鎖状または分岐状のC2〜C4のアル
キレンであり;Xが、Oであり;R3、R4およびR6
I、かつR5およびR7がH、あるいはR3、R5およびR
7がI、かつR4およびR6がNH(COCH3)であり;
そしてnが、1または2である、式Iの安息香酸誘導体
である。
【0020】さらに好ましい誘導体は、R1が、CH3
あり;R2が、−CH2CH2−またはCH2CH(−)CH
2−であり;Xが、Oであり;R3、R4およびR6がI、
かつR5およびR7がH、あるいはR3、R5およびR7
I、かつR4およびR6がNH(COCH3)であり;そ
してnが、1または2である、式Iの安息香酸誘導体で
ある。
【0021】好ましい誘導体は、2,3,5−トリヨード−
安息香酸(R3、R4、およびR6=I;R5およびR7
H)または3,5−(ジアセチルアミノ)−2,4,6−トリヨ
ード安息香酸(R3、R5、およびR7=I、R4およびR
6=NH(COCH3)の2−ヒドロキシエチルエステル
(R2=−CH2−CH2−)のメタクリル酸エステル
(R1=CH3)である。特に好ましい化合物は、1−
(2,3,5−トリヨードベンゾイルオキシ)−および1−
(3,5−ジアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードベンゾイ
ルオキシ)−2,3−ジメタクリロイルオキシプロパン
(R1=−CH3;R2=−CH2CH(−)CH2−;
3、R4、およびR6=I、かつR5およびR7=H、あ
るいは、R3、R5、およびR7=I、かつR4およびR6
=−NH(COCH3)、およびn=2)である。
【0022】本発明のX線不透過性モノマーは、トリヨ
ード置換および必要に応じてさらに置換された安息香酸
とヒドロキシまたはハロゲンアルキルアクリレートおよ
びメタクリレートとから、有機化学で公知の反応(例え
ば、エステル化またはエーテル化)により生成され得
る。
【0023】1−(2,3,5-トリヨードベンゾイルオキシ)
−2−メタクリルオキシエタン(R1=CH3;R2=−C
2CH2−;R3、R4、およびR6=I;R5およびR7
=H;n=1)は、例えば、2,3,5−トリヨードベ
ンゾイルクロリドとヒドロキシエチルメタクリレートと
を反応させることにより得られ、そして、1−(3,5−ジ
アセチルアミノ−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキ
シ)−2,3−ジメタクリロイルオキシプロパン(R1=−
CH3;R2=−CH2CH(−)CH2−;R3、R5、R
7=I、R4、R6=−NH(COCH3)、n=2)は、
3,5−ジアセチルアミノ−2,4,6−トリヨード安息香酸の
ナトリウム塩と3−クロロプロパン−1,2−ジオールとの
反応およびそれに続く無水メタクリル酸を用いるアシル
化により、得られ得る。
【0024】アミドは、有機化学で公知の方法により、
トリヨード置換および必要に応じてさらに置換された安
息香酸の酸クロリドと、例えば、アクリル−またはメタ
クリルアミドのような重合可能なアミドとの反応によ
り、生成され得る。
【0025】本発明のさらなる主題は、本発明のモノマ
ーのみからまたはラジカル重合またはアニオン重合によ
り本発明のモノマーに他のX線不透過性および/または
非X線不透過性モノマーを付加することにより、得られ
得るポリマーである。他のモノマー成分として特に適切
なのは、単官能性または多官能性メタクリレートであ
る。1種またはそれ以上の単官能性または多官能性メタ
クリレートモノマーを共重合モノマーとして用いること
が好ましい。好ましい共重合モノマーは、メチルメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ヘキサンジオールジメタクリレート、ドデカンジオール
ジメタクリレート、ビスフェノール−A−ジメタクリレ
ート、ビスフェノール−A−グリシジルメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、およ
びヒドロキシエチルメタクリレートおよびウレタンジメ
タクリレート(即ち、イソシアネート、特にジ−および
/またはトリイソシアネートとヒドロキシル基含有メタ
クリレートとの反応生成物である)。特に好ましいの
は、ビスフェノール−A−グリシジルメタクリレート、
およびヒドロキシエチルメタクリレートおよび2,2,4−
トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートか
ら得られるウレタンジメタクリレートである。本発明の
ポリマーは、歯科用材料のためのフィラーとして用いら
れ得る重合物チップまたはビーズを得るために処理され
得る。本発明のモノマーの比率は、代表的には、本発明
のポリマーの全重量の10〜100重量%、好ましくは
20〜60重量%である。
【0026】本発明の他の主題は、本発明のモノマーお
よび/またはポリマーを用いて得られるX線不透過性歯
科用材料である。本発明のX線不透過性歯科用材料は本
発明の上記安息香酸誘導体であるX線不透過性モノマー
の少なくとも1種および/または本発明の上記X線不透
過性ポリマーを含む。好ましくは、本発明の歯科用材料
は本発明の安息香酸誘導体であるモノマーまたはそれら
の混合物を5〜10重量%含む。これらの本発明のX線
不透過性歯科用材料は、充填複合物、固定用セメント、
接着促進剤(結合材)に適し、そして人工歯製作用に
は、インレー、インプラント、歯冠、ブリッジ、および
既製パーツに適し、好ましくは歯用充填材料、固定用セ
メント、または結合材として適切である。
【0027】本発明の歯科用材料を用いることにより、
X線写真を撮るときに、歯科用材料医は、X線不透過性
に基づいて、セメントまたは結合層を、存在し得るエッ
ジの割れ目から区別し得る。
【0028】本発明の歯用充填材料、固定用セメント、
または結合材は、式Iの本発明の安息香酸誘導体を、好
ましくはモノマー形態で含有する。この歯科用材料の全
重量に対する本発明の安息香酸誘導体の比率は、所望の
X線不透過性に依存し、そして5〜100重量%の範
囲、好ましくは20〜90重量%の範囲、そして特に好
ましくは40〜70重量%の範囲にある。
【0029】人工歯、インレー、歯冠、ブリッジ、前装
(veneer)、およびインプラントなどのような既製パーツ
の作製用の本発明の歯科用材料は、式Iの本発明の安息
香酸誘導体を、好ましくは重合された形態で含有する。
この歯科用材料の全重量に対する本発明の安息香酸誘導
体のこれらの比率は、とりわけ、存在し得るX線不透過
性フィラーの存在に依存し、そして5〜90重量%の範
囲、好ましくは10〜70重量%の範囲、そして特に好
ましくは20〜50重量%の範囲にある。
【0030】さらなる成分として、本発明の歯科用材料
はまた、本発明のモノマーとの共重合のために適したモ
ノマーを含有し得る。好ましくは、単官能性または多官
能性メタクリレートおよび本発明のポリマーの調製のた
めに好ましいものとして上記した化合物である。
【0031】さらに、本発明の歯科用材料はまた、ジメ
タクリレートまたは他のモノマー中に溶解、懸濁、また
は浸漬された本発明のモノマーの重合物を含有し得る。
【0032】この歯科用材料は、用いられる開始剤のタ
イプに依存して、加熱重合、非加熱重合、または光重合
により硬化され得る。
【0033】加熱重合の開始剤として適切なのは、例え
ば、ジベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシ
ド、tert.−ブチルパーオクトエート、またはtert.−ブ
チルパーベンゾエートのような、公知のパーオキシド、
およびアゾビスイソブチロエチルエステル、ベンズピナ
コール、および2,2'−ジメチルベンズピナコールであ
る。ジベンゾイル−およびジラウリルパーオキシドが好
ましい。
【0034】非加熱重合の開始剤として用いられるの
は、ラジカル供給系(例えば、ベンゾイルパーオキシド
またはラウリルパーオキシドと、N,N−ジメチル−sy
m.−キシリジンまたはN,N−ジメチル−p−トルイジ
ンのようなアミン)である。さらに、求核触媒またはル
イス酸の存在下でのトリメチルシリルケテンアセタール
のように、メタクリレートの基移動重合を開始させる化
合物もまた適切である。好ましいトリメチルシリルケテ
ンアセタールは、(1−メトキシ−2−メチル−1−プロ
ペニルオキシ)トリメチルシランおよびビス(1−メト
キシ−2−メチル−1−プロペノキシ)メチルシランであ
る。好ましい求核触媒は、テトラブチルアンモニウムシ
アニドおよびトリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビ
フルオリドである。ルイス酸として好ましいのは、臭化
亜鉛およびジイソブチルアルミニウムクロリドである。
【0035】例えば、ベンゾフェノンおよびベンゾイン
およびそれらの誘導体は、光重合の開始剤として用いら
れ得る。さらに、α−ジケトンもまた、適切な光開始剤
である。9,10−フェナントレンキノン、ジアセチル−ま
たは4,4'−ジクロロベンジルが好ましい。カンファーキ
ノンが特に好ましい。α−ジケトンは、好ましくは還元
剤としてアミンと組み合わせて用いられる。好ましいア
ミンは、シアノエチルメチルアニリン、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、トリエタノールアミン、および
N,N−ジメチル−sym.−キシリデンである。開始剤の
アミンに対する比率は一般に1:1である。最も好まし
い光開始剤系は、0.3重量%のカンファーキノンおよ
び0.5重量%のシアノエチルメチルアニリンを含有す
る。
【0036】本発明の歯科用材料は、好ましくは、加熱
重合用開始剤として、ジベンゾイルパーオキシドおよび
/またはジラウリルパーオキシド;あるいは非加熱重合
用開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパ
ーオキシドおよびN,N-ジメチル-sym.-キシリジンまたは
N,N-ジメチル-p-トルイジン;あるいは(1-メトキシ-2-
メチル-1-プロペニルオキシ)トリメチルシランまたはビ
ス(1-メトキシ-2-メチル-1-プロペノキシ)メチルシラン
およびテトラブチルアンモニウムシアニドまたはスズブ
ロミドまたはテトラブチルアンモニウムシアニドまたは
トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビフルオリド;あ
るいは光重合開始剤として、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ンおよび/またはα-ジケトンを含む。
【0037】光開始剤を用いるときには、本発明の歯科
用材料は、本発明のモノマーに加えて、好ましくは、さ
らなる架橋成分として、ウレタンジメタクリレートおよ
び/またはビスフェノール−A−グリシジルメタクリレ
ートを、歯科用材料の全重量に対して0〜95重量%、
好ましくは30〜60重量%、および希釈架橋モノマー
としてトリエチレングリコールジメタクリレートを0〜
30重量%の量で含有する。
【0038】歯用充填材料、固定用セメント、および結
合材に用いるためには、非加熱重合開始剤および光開始
剤が好ましく、光開始剤が特に好ましい。ラジカル開始
剤は、通常、歯科用材料の全重量に対して0.1〜5.
0重量%、好ましくは0.3〜2.0重量%の量で用い
られる。
【0039】本発明の歯科用材料は、さらに、無機およ
び有機、X線不透過性または非X線不透過性の添加材料
(例えば、フィラー、着色剤、および安定化剤)のよう
な、歯科用材料化学で通常添加される他の材料を含有す
る(J.Viohl、K. Dermann、D. Quast、 S. Venz、Die C
hemie der zahnaerztlichen Fuellkunststoffe、Hanser
-Verlag、Munich-Vienna、1986、p.7以下参照)。
【0040】無機の非X線不透過性フィラーとして適切
なのは、例えば、非晶質ケイ酸である。30〜300m
2/gのBET表面積を有する焼結(pyrogenic)ケイ酸ま
たは沈降ケイ酸が好ましい。X線不透過性ガラス、硫酸
バリウム、またはフッ化イッテルビウムは、X線不透過
性無機フィラーとして適切である。無機構成物は、好ま
しくは、通常の方法で、例えば、3−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシランを用いて、シラン化さ
れる。
【0041】有機充填材料として、微粉末状重合物チッ
プまたはビーズが歯科用材料に添加される。これらの通
常の単官能性または多官能性メタクリレートのホモポリ
マーまたはコポリマーは、それ自体、上記のX線不透過
性または非X線不透過性無機フィラーで充填され得る。
これらは、好ましくは本発明のモノマーおよび/または
ポリマーを用いて生成される。
【0042】歯用充填材料および例えばインレーのよう
な既製パーツは、本発明のモノマーを用いて、公知のプ
ロセスにより作製される(特に、EP 0 189 540またはK.
Koerber、K. Ludwig、Zahnaerztliche Werkstoffkunde
und Technologie, Thieme-Verlag、 Stuttgart-New Yo
rk 1982、p. 53以下参照)。
【0043】本発明は、X線不透過性歯科用材料のみな
らず、それらから作製される既製パーツ、例えば、人工
歯、前装、インプラント、歯冠、ブリッジ、インレーな
どにも関する。本発明を以下の実施例に関して詳細に記
載する。
【0044】
【実施例】
(実施例1)2-メタクリロイルオキシエチル-2,3,5-ト
リヨードベンゾエート(1)の合成 2.96g(22mmol)の無水硫酸ナトリウムで乾燥した2-ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2.29ml(20mmol)の無水ト
リエチルアミンおよび0.5gの4-ジメチルアミノピリジン
(DMAP)を含む100mlの無水テトラヒドロフラン
(THF)溶液を、10.69g(20mmol)の2,3,5-トリヨード
ベンゾイルクロリドを含む100mlのTHF溶液に、0℃
〜5℃で滴下しながら混合する。この2,3,5-トリヨード
ベンゾイルクロリドは、2,3,5-トリヨード安息香酸をチ
オニルクロリドと反応させることによって得られ得る
(Organikum、第12版、Deutscher Verlag der Wissensc
haften、Berlin、1973、p.469を参照)。反応混合物
を、40時間、室温に保ち、次いで、減圧下で濃縮する。
混合物にメチレンクロリドを加えた後、これを希塩酸、
10%NaHCO3溶液および水で順次に洗浄し、次いで、
無水硫酸ナトリウムで乾燥する。この溶液の濃縮によっ
て得られる粗生成物を、活性炭の存在下で2回、エタノ
ールから再結晶する。収量7.5g(収率59%)。融点99℃の
無色結晶。融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて
決定した。この物質1gをタブレット(直径約12mm、厚
さ2mm)に圧縮成形し、そしてこれを、CPS Suntest
装置(Heraeus)の全波長を用いて照射強度約765 W/m2
照射する。これによって、タブレットは変色しなかっ
た。
【0045】
【数1】
【0046】(実施例2)2,3-ジメタクリロイルオキシ
プロピル-1-(2,3,5-トリヨードベンゾイルオキシ)プロ
パン(2)の合成 実施例1と同様にして、THF中で、5.04g(21.9mmol)
のグリセリンジメタクリレートを、トリエチルアミンお
よびジメチルアミノピリジンの存在下で、11.40g(21.9m
mol)の2,3,5-トリヨードベンゾイルクロリドと反応させ
る。反応混合物を実施例1と同様にして処理する。粘調
性の液体を11.9g得る(収率83.6%)。この物質1gを、
実施例1と同様にして(層の厚さは約2mm)照射した
が、変色は起こらなかった。
【0047】
【数2】
【0048】(実施例3)1-(3,5-ジアセチルアミノ-2,
4,6-トリヨードベンゾイルオキシ)-2,3-ジメタクリロイ
ルオキシプロパンの合成(3) 20g(29mmol)の3,5-ジアセチルアミノ-2,4,6-トリヨード
安息香酸2,3-ジヒドロキシプロピルエステルを80mlの無
水ピリジンに溶かし、そして-10℃に冷却する。この3,5
-ジアセチルアミノ-2,4,6-トリヨード安息香酸2,3-ジヒ
ドロキシプロピルエステルは、3,5-ジアセチルアミノ-
2,4,6-トリヨード安息香酸のナトリウム塩を3-クロロプ
ロパン-1,2-ジオールと105℃で反応させることによって
得られ得る(Organikum、第12版、Deutscher Verlag der
Wissenschaften、Berlin、1973、p.227を参照)。上記
冷却した溶液に、20g(130mmol)の市販のメタクリル酸無
水物(Fluka)を滴下し、次いで、混合物を室温で1晩
攪拌する。得られた透明な反応混合物を、1リットルの
希塩酸と混合すると白色の沈澱が生成する。これを濾過
し、水で洗浄して中性にし、次いで、メタノール/水か
ら再沈させる。再沈物を一定重量になるまで真空乾燥
(約1mbar、室温)すると、融点207℃(DSC法)の
非晶質の無色粉末が16.1g(収率67.1%)得られる。この
物質1gを、実施例1のようにしてタブレットに成形
し、そして照射したが、変色はない。
【0049】
【数3】
【0050】(実施例4)モノマー1、2および3の溶
液重合 モノマーを、震蕩容器中でシメチルホルムアミド(DM
F)に、以下の表に挙げる濃度で溶解する。この溶液に
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、40mmol/L)を
添加した後、容器を密閉し、そしてアルゴンまたは窒素
下で3回凍結・融解を繰り返すことによって酸素を除
き、次いで、サーモスタット中で60℃に加熱する。表に
示す時間経過後、重合溶液をドライアイス/アセトン混
合物中で冷却することによって重合を止め、重合溶液を
その約10倍量の過剰のメタノール中に注いで重合物を沈
澱させる。沈殿物を濾過し、そして一定重量になるまで
真空乾燥(約1mbar、室温)する。モノメタクリレート
1の場合、メタノールに溶解性のホモポリマーが生成す
る。これを、分子量測定に先立ってTHF/メタノール
から沈澱させる。表1は、転換率および得られた分子量
を示す。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例5)モノマー1、2および3と通
常の歯科用モノマーとの共重合によるX線不透過性歯科
用材料の製造 ISO規格4049(「歯科−樹脂ベースの充填材料」
第1頁)に従って、X線不透過性(XO)を求めるため
に、本発明のモノマー1および3を、従来のモノマーお
よび光重合開始剤と、以下に示す混合比で混合し、そし
て混合物を所定のロッド型(2mm×4mm×25mm)に注型
する。これを光重合装置(Spectramat、Ivoclar AG)中
で各3分、2回照射(波長:400-500nm;光強度:約200
mW/cm2)して重合させる。光重合開始剤は、カンファー
キノンとシアノエチルメチルアニリンとの混合物で、0.
3〜0.5重量%用いる。X線不透過性は、同じ厚さを有す
るアルミニウム板と比較することによって求めた。
【0053】 a)モノマー3: 25重量% 2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA): 74.2重量% 開始剤混合物: 0.8重量% X線不透過性: アルミニウムの25% b)モノマー1: 23.0重量% トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA) 65.7重量% ジメチルホルムアミド: 10.5重量% 開始剤混合物: 0.8重量% X線不透過性: アルミニウムの100% c)モノマー2: 49.8重量% TEGDMA: 49.7重量% 開始剤混合物: 0.5重量% X線不透過性: アルミニウムの200%。
【0054】上記実施例c)のTEGDMAを、同量のビ
スフェノール-A-グリシジルメタクリレート、ドデカン
ジオールジメタクリレートまたはヒドロキシエチルメタ
クリレートと2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネートとの付加物に置き換えた場合、同じX線不透過
性(アルミニウムの200%)が得られる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、良好にラジカル重合ま
たはアニオン重合され得るモノマー性のX線不透過性ア
クリル酸およびメタクリル酸誘導体が提供される。さら
に本発明によれば、X線不透過性成分が共有結合的にポ
リマーマトリックス材料中に結合し、従ってX線不透過
性成分が流出し得ず、そして上記の公知のX線不透過性
充填材料のような欠点を示さないX線不透過性歯科用材
料が提供される。特に、フィラーが少量しか存在しない
かまたは全く存在しない場合でさえ、これらの材料は十
分なX線不透過性を示し、そしてそれらの物理的特性に
ついては、非X線不透過性材料に匹敵する。さらに、こ
れらは、通常の歯科用材料用モノマーに十分可溶であ
る。
【0056】本発明の安息香酸エステルおよびアミド
は、容易にラジカル重合またはアニオン重合し得、得ら
れたポリマーは通常の歯科用モノマー中に良好に溶解す
る。このモノマーまたはポリマーから製造される歯科用
材料は、X線不透過性成分が共有結合的にポリマーマト
リックス材料に結合し、従ってX線不透過性成分が流出
し得ないことによって特徴づけられる。さらに、フィラ
ーを使用しなくとも、優れたX線不透過性を達成し得
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 20/30 C08F 20/30 20/36 20/36 290/06 290/06 (72)発明者 ノルベルト モスツナー リヒテンシュタイン国 エシェン エフ エル−9492,ドクトル アー. シェド ラー−シュトラーセ 563ベー (72)発明者 ウルリッヒ ザルツ ドイツ連邦共和国 バイセンスベルク デーエー−88138,ローゼンベーク 2 (56)参考文献 特開 平8−104664(JP,A) 米国特許3346620(US,A) 米国特許3361700(US,A) 米国特許4032567(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線不透過性の安息香酸誘導体であっ
    て、下記の一般式で表されるヨウ素置換安息香酸のエス
    テルまたはアミドである、安息香酸誘導体: 【化1】 ここで、R1は、水素またはC1〜C3のアルキルであ
    り; R2は、直鎖状または分岐状のC1〜C6のアルキレン、
    オキシアルキレンまたはアリーレンであり; Xは、OまたはNHであり; R3〜R7のうち少なくとも3つは、ヨウ素置換基であ
    り、そして残りは、それぞれ独立して、水素、C1〜C6
    のアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−Cl、−Br、
    −OH、−NH2、−N(C1〜C6のアルキル)2または−
    NH−CO−(C1〜C6のアルキル)であり;そしてn
    、2または3である。
  2. 【請求項2】 前記R1が、HまたはCH3であり;前記
    2が、直鎖状または分岐状のC2〜C4のアルキレンで
    あり;前記Xが、Oであり;前記R3、R4およびR6
    I、かつ前記R5およびR7がH、あるいは前記R3、R5
    およびR7がI、かつ前記R4およびR6がNH(COC
    3)であり;そして前記nが、2である、請求項1に
    記載の安息香酸誘導体。
  3. 【請求項3】 前記R1が、CH3であり;前記R2が、
    −CH2CH2−またはCH2CH(−)CH2−であり;前
    記Xが、Oであり;前記R3、R4およびR6がI、かつ
    前記R5およびR7がH、あるいは前記R3、R5およびR
    7がI、かつ前記R4およびR6がNH(COCH3)であ
    り;そして前記nが、2である、請求項1に記載の安息
    香酸誘導体。
  4. 【請求項4】 X線不透過性のアクリレートおよび/ま
    たはメタクリレートポリマーであって、請求項1から3
    のいずれかに記載の安息香酸誘導体の少なくとも1つを
    モノマー成分として用いて製造される、ポリマー。
  5. 【請求項5】 前記請求項1から3のいずれかに記載の
    安息香酸誘導体に由来するモノマー成分の割合が、前記
    ポリマーの全重量の20〜60重量%である、請求項4
    に記載のポリマー。
  6. 【請求項6】 1種またはそれ以上の単官能性および/
    または多官能性メタクリレートを共重合モノマーとして
    用いて製造される、請求項4または5に記載のポリマ
    ー。
  7. 【請求項7】 X線不透過性のアクリレートおよび/ま
    たはメタクリレートポリマーであって、少なくとも1つ
    の安息香酸誘導体をモノマー成分として用い、そして
    スフェノール−A−グリシジルメタクリレートおよび
    /またはヒドロキシエチルメタクリレートと2,2,4-トリ
    メチルヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネートとから得
    られるウレタンジメタクリレートを共重合モノマーとし
    て用いて製造され、ここで該安息香酸誘導体は次式で表
    される: 【化2】 ここで、R 1 は、水素またはC 1 〜C 3 のアルキルであ
    り; 2 は、直鎖状または分岐状のC 1 〜C 6 のアルキレン、
    オキシアルキレンまたはアリーレンであり; Xは、OまたはNHであり; 3 〜R 7 のうち少なくとも3つは、ヨウ素置換基であ
    り、そして残りは、それぞれ独立して、水素、C 1 〜C 6
    のアルキル、C 1 〜C 6 のアルコキシ、−Cl、−Br、
    −OH、−NH 2 、−N(C 1 〜C 6 のアルキル) 2 または−
    NH−CO−(C 1 〜C 6 のアルキル)であり;そしてnは
    1、2、または3である。
  8. 【請求項8】 X線不透過性歯科用材料であって、請求
    項1から3のいずれかに記載の安息香酸誘導体であるX
    線不透過性モノマーの少なくとも1種および/または請
    求項4から7いずれかに記載のX線不透過性ポリマーを
    含む、歯科用材料。
  9. 【請求項9】 請求項1から3のいずれかに記載の安息
    香酸誘導体であるモノマーまたはそれらの混合物を5〜
    100重量%含む、請求項8に記載の歯科用材料。
  10. 【請求項10】 加熱重合用開始剤として、ジベンゾイ
    ルパーオキシドおよび/またはジラウリルパーオキシ
    ド;あるいは非加熱重合用開始剤として、ベンゾイルパ
    ーオキシド、ラウリルパーオキシドおよびN,N-ジメチル
    -sym.-キシリジンまたはN,N-ジメチル-p-トルイジン;
    あるいは(1-メトキシ-2-メチル-1-プロペニルオキシ)ト
    リメチルシランまたはビス(1-メトキシ-2-メチル-1-プ
    ロペノキシ)メチルシランおよびテトラブチルアンモニ
    ウムシアニドまたはスズブロミドまたはテトラブチルア
    ンモニウムシアニドまたはトリス(ジメチルアミノ)スル
    ホニウムビフルオリド;あるいは光重合開始剤として、
    ベンゾフェノン、ベンゾインおよび/またはα-ジケト
    ンを含む、請求項8または9に記載の歯科用材料。
  11. 【請求項11】 光重合開始剤、トリエチレングリコー
    ルジメタクリレートおよび前記歯科用材料の総重量の9
    5重量%までのウレタンジメタクリレートおよび/また
    はビスフェノール−A−グリシジルメタクリレートを含
    む、請求項10に記載の歯科用材料。
  12. 【請求項12】 ウレタンジメタクリレートおよび/ま
    たはビスフェノール−A−グリシジルメタクリレートを
    30〜60重量%含む、請求項11に記載の歯科用材
    料。
  13. 【請求項13】 請求項8から12のいずれかに記載の
    歯科用材料を用いて製造される、歯用充填材料、固定用
    セメント、または結合材。
  14. 【請求項14】 請求項1から3のいずれかに記載の安
    息香酸誘導体および/または請求項4から7のいずれか
    に記載のポリマーを用いて製造される、X線不透過性
    の、充填用複合材、固定用セメント、接着促進剤(結合
    剤)、人工歯、インレー、インプラント、歯冠、ブリッ
    ジ、または既製パーツ。
  15. 【請求項15】 請求項1から3のいずれかに記載の安
    息香酸誘導体および/または請求項4から7のいずれか
    に記載のポリマーを用いて製造される、X線不透過性歯
    用充填材料。
  16. 【請求項16】 請求項1から3のいずれかに記載の安
    息香酸誘導体である少なくとも1種のモノマーおよび/
    または請求項4から7のいずれかに記載のポリマーおよ
    び/または請求項8から12のいずれかに記載の歯科用
    材料を用いて製造される、人工歯、前装、インプラン
    ト、歯冠、ブリッジまたはインレー。
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