JP2806131B2 - 超音波の非接触検出方法及びその装置 - Google Patents

超音波の非接触検出方法及びその装置

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JP2806131B2
JP2806131B2 JP4060387A JP6038792A JP2806131B2 JP 2806131 B2 JP2806131 B2 JP 2806131B2 JP 4060387 A JP4060387 A JP 4060387A JP 6038792 A JP6038792 A JP 6038792A JP 2806131 B2 JP2806131 B2 JP 2806131B2
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ultrasonic
laser light
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孝雄 宮崎
哲也 天野
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波にて加振されて振
動が生じている測定対象に対してレーザ光を照射してそ
の反射光を解析することによって前記超音波を非接触で
検出する超音波の非接触検出方法および検出方法を利用
した超音波検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探傷手法においては、水晶等の振
動子を鋼板等の検査対象の表面に接触させて、この振動
子にパルス状電圧を印加して超音波を発生させて、検査
対象の内部へ伝播させる。そして、この超音波が検査対
象内部を伝播する課程で、欠陥に遭遇すると、この欠陥
にて超音波が反射されて同一振動子又は異なる振動子で
検出される。
【0003】しかし、検査対象によっては直接振動子を
接触できない場合もある。このような場合のために、レ
ーザ光を用いた超音波測定方法が提唱されている(特開
昭56−53457号公報,特開昭56−164952
号公報,特開昭57−50656号公報,特開昭58−
131557号公報,特開昭64−69922号公報…
等)。図4は特開昭56−53457号公報に記載され
たホモダイン方式を採用した超音波発受信装置である。
【0004】パルスレーザ光源1から出力されたパルス
状のレーザ光線はビームスプリッタ2を透過して測定対
象3の一方面に照射される。その結果、測定対象3には
パルス照射による縦波震動、すなわち超音波が発生して
内部を他方面方向に伝播する。よって、超音波が到達す
ると測定対象3の他方面は振動する。
【0005】測定用レーザ光源4から出力された連続し
たレーザ光線の一部はビームスプリッタ5を透過して測
定対象3の他方面へ照射される。また、測定用レーザ光
源4から出力されたレーザ光線の一部はビームスプリッ
タ5で反射され、反射鏡6で全反射されて再度ビームス
プリッタ5へ入射する。したがって、測定対象3からの
反射光は、ビームスプリッタ5でもって、反射鏡から
の反射光と干渉する。そして、その干渉光が下方の光電
変換器7でもって電気信号に変換される。この電気信号
は増幅器8で増幅された後、例えばCRT表示装置9に
表示される。
【0006】一方、パルスレーザ光源1から出力された
パルス状のレーザ光線の一部はビームスプリッタ2で反
射されて、光電変換器10で電気信号に変換され、タイ
マ回路11でもって一定時間遅延された後、トリガ信号
として前記CRT表示装置9に印加される。よって、C
RT表示装置9には印加レーザパルスに同期して他方側
の超音波振動波形が表示される。また、必要に応じて、
超音波振動波形がメモリ12に記憶される。
【0007】図5は特開昭56−164952号公報に
記載されたヘテロダイン方式を採用した超音波発受信装
置である。このヘテロダイン方式の超音波発受信装置に
おいては、図4のホモダイン方式の超音波発受信装置に
加えて、光変調器13,局部発振器14およびミキサ1
5が組込まれている。
【0008】そして、測定用レーザ光源4から出力され
たレーザ光の一部は光変調器13およびビームスプリッ
タ5をそのまま透過して測定対象3へ照射される。ま
た、測定用レーザ光源4から出力されたレーザ光の一部
は光変調器13でもって局部発振器14からの局部発振
周波数でもって光変調される。この変調光は反射鏡6a
で全反射されてビームスプリッタ5へ入射される。測定
対象3の反射光もビームスプリッタ5へ入射するので、
ビームスプリッタ5において両方の光で干渉が生じる。
ビームスプリッタ5から出力された干渉光は光電変換器
7で電気信号に変換され、増幅器8で増幅された後、ミ
キサ15へ入力される。ミキサ15は入力した電気信号
(中間周波数信号)を局部発振器14からの局部発振周
波数信号でもって復調してCRT表示装置9およびメモ
リへ送出する。このように、ヘテロダイン方式を採用す
ることによって、ミキサ15にて復調された振動信号の
レベル変動を減少できるとともにS/Nを向上できる。
【0009】次に、上述した図4のホモダイン方式およ
び図5のヘテロダイン方式における各ビームスプリッタ
5から出力される干渉光を光電変換器7で電気信号に変
換した場合における各光信号Ihom ,Ihet を求める。
測定対象3の他方面における超音波到達に起因する振動
D(t) は、振幅をUとして(1) 式となる。 D(t) =U・ cos(2πνS t) …(1) 但し、νS は振動周波数、すなわち超音波の周波数であ
る。
【0010】そして、ホモダイン方式における反射鏡6
からビームスプリッタ5へ入射する参照光の振幅をAr
とし、ヘテロダイン方式における反射鏡6aからビーム
スプリッタ5へ入射する変調光の振幅をAr,周波数(搬
送周波数)をν0 とする。また、測定対象3からビーム
スプリッタ5へ入射する反射光の振幅をAsとする。ま
た、参照光または変調光と反射光との間の位相差をφ0
とする。K1 ,K2 を適当な比例定数と仮定し、さらに
振幅Uが波長λに比較して非常に小さいと仮定すると
(U《λ)、ホモダイン方式における光信号Ihom およ
びヘテロダイン方式におけ光信号Ihet はそれぞれ(2)
(3)式となる。
【0011】図4に示すホモダイン方式の超音波発受信
装置は図5に示すヘテロダイン方式の超音波発受信装置
に比較して、構成が簡単である。しかし、得られる光信
号Ihom は(2) 式に示すように、第3項に含まれる位相
差φ0 が直接光信号の感度に影響を与える。したがっ
て、このホモダイン方式の超音波発受信装置において
は、常に安定した感度を得ることが困難である。
【0012】したがって、得られる光信号に含まれるこ
の位相差φ0 の影響を除去または抑制するために、図5
に示すヘテロダイン方式の超音波発受信装置が用いられ
る。この装置においては、図5に示すように、複雑な構
成のヘテロダイン干渉計を用いているが、(3) 式に示す
ように、前述した位相差φ0 は高周波振動波形の位相項
に入っている。一般に、位相差φ0 (t)の時間変動周
波数領域は、変調光の周波数ν0 と反射光の周波数νS
との和(ν0 +νS )および差(ν0 −νS )に比較し
て無視できる程度の小さい値である。したがって、実用
上、位相差φ0(t)の時間変動が検出感度に影響を与
えることはない。よって、図5に示すヘテロダイン方式
の超音波発受信装置の方が、図4に示すホモダイン方式
の超音波発受信装置より測定精度が高い。
【0013】また、図6は別の文献[D.Royer & E.Di
eulesain,Appl.Phys.Lett.49(17),p1057 (1986)]に示
された、図5のミキサ15に代る信号処理回路16の詳
細回路図である。すなわち、微小信号を高精度に復調す
るためには一つの出力信号を2分割して、一方をフィル
タリングした後ミキシングして、再度ローパスフィルタ
を通す必要がある。
【0014】具体的に説明すると、ビームスプリッタ5
からの干渉光は光電変換器7で電気信号に変換され、増
幅器8で増幅された後、分割器16aで分割される。一
方はローパスフィルタ16bおよび増幅器16cでもっ
て差の周波数(ν0 −νS )を有する信号が抽出され、
他方は増幅器16dでもって周波数ν0 および周波数
(ν0 ±νS )を有する信号が取出される。そして、ミ
キサ本体16でもってこれらを信号合成し、ローパス
フィルタ16fで目標とする振動周波数νS の信号が作
成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5,
図6に示すヘテロダイン方式の超音波発受信装置におい
ても、まだ次のような課題があった。
【0016】すなわち、図5に示すように、干渉光を電
気信号に変換する光電変換器7,増幅器8およびミキサ
15等の複数の電子回路が必要である。しかし、このヘ
テロダイン干渉計に用いられる変調光の変調周波数すな
わち、搬送波周波数ν0 は、測定すべき超音波の周波数
νs との対比で決定されるが、一般に、10MHz〜10
0MHzと非常に高い値である。したがって、上述した各
電子回路は非常に高い周波数特性と非常に広い周波数帯
域を要求される。また、ミキサ15においては、周波数
変換および周波数解析等の複雑な機能が要求される。
【0017】さらに、干渉光の(3) 式で示した光信号I
het と、ミキシングを行う変調信号A0 cos(2 πν0
+Φm )との間の位相差は一般に雑音等の影響で相関が
ない。そのため、ミキサ15で信号合成した後にミキサ
に含まれるフィルタを通過した信号Ie は Ie =K3 ・(4πU/λ)Ar・As・sin( 2πνS t+
Φ0 −Φm ) となり、ランダムな位相ノイズの影響を受けやすい。
【0018】また、測定対象3に生じる超音波振動は、
μs程度の短い継続時間を有したバースト波であるため
に、各電子回路は上述した高い周波数特性の他に高速の
信号処理性能が要求される。
【0019】さらに、前述した(3) 式で示すように、検
出された光信号Ihet に含まれる反射光の振動成分は変
調光成分に比較して、U/λ=1/1000程度の非常に小
さい値である。その結果、各電子回路は高いS/Nを有
する必要がある。また、図6に示す回路構成において
は、回路が複雑となり、回路の安定動作に対して繁雑な
調整が必要となる欠点を有する。
【0020】以上説明したように、良好な測定結果を得
るためには、各電子回路は高い周波数特性と、広い帯域
特性と、高い信号処理性能と、高いS/Nが要求される
ので、非常に高い製造費用が必要となる。
【0021】さらに、上述した高い性能を有した電子回
路を組込んだ測定装置においては、その高帯域性,高速
性,高精度性への要求が厳しいため、電子回路で信号処
理する限り、リアルタイムで測定対象の振動を測定し、
測定値を例えばCRT表示装置へ出力することは非常に
困難であった。
【0022】よって、この測定装置を工場等の検査ライ
ンに組込んでオンラインでもって例えば超音波探傷を実
施することは困難であった。また、リアルタイム性能を
要求しない場合であっても、その技術的複雑さから、操
作性および点検保守に高度の専門的知識が必要であっ
た。
【0023】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、レーザヘテロダイン干渉計から出力される
干渉光を電気信号に変換してこの電気信号でもって光音
響光学素子を用いてレーザ光を回折させることによっ
て、ミキサ回路等の電子回路の使用数を極力減少でき、
簡単な構成でもって測定対象における超音波振動の有無
を簡単に検出でき、製造費を大幅に低減できるととも
に、充分オンライン業務に適用できる処理速度を有した
超音波の非接触測定方法および超音波測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の超音波の非接触検出方法においては、超音波
による振動が生じている測定対象に対してレーザ光を照
射し、同時にレーザ光を局部発振器からの局部発振周波
数で光変調して、この変調光と測定対象からの反射光と
の干渉光を電気信号に変換し、光音響光学素子を用いて
レーザ光を復調しない電気信号の周波数に応じた角度だ
け回折させ、この回折光の回折角度が測定対象の振動周
波数に対応した回折角度になることを検出する。
【0025】また、本発明の超音波検出装置において
は、超音波による振動が生じている測定対象に対してレ
ーザ光を照射するレーザ光源と、このレーザ光源から出
力されたレーザ光を局部発振器からの局部発振周波数で
光変調して、この変調光と測定対象からの反射光との干
渉光を出力するレーザヘテロダイン干渉計と、このレー
ザヘテロダイン干渉計から出力される干渉光を電気信号
に変換する光電変換器と、レーザ光源から出力されたレ
ーザ光を光電変換器から出力された復調されない電気信
号の周波数に応じた角度だけ回折させる光音響光学素子
と、この光音響光学素子から出力される回折光のうち測
定対象の振動周波数に応じて定まる回折角度の回折光を
検出する回折光検出部とを備えたものである。
【0026】さらに、別の発明においては、回折光検出
部を、局部発振周波数と測定対象の振動周波数とで定ま
る回折角度の光軸上に配設されたスリットと、このスリ
ットを通過した回折光を検出する受光器とで構成してい
る。
【0027】
【作用】このように構成された超音波の非接触測定方法
及びその装置であれば、レーザ光源から出力されたレー
ザ光線は超音波によって振動状態の測定対象に照射され
る。一方、レーザ光線の一部はレーザヘテロダイン干渉
計を構成する光変調器でもって局部発振器からの局部発
振周波数(搬送波周波数)でもって光変調される。そし
て、ビームスプリッタでもって反射光と変調光との干渉
光が形成され、この干渉光が光電変換器でもって電気信
号に変換されて、復調されることなく、光音響光学素子
の制御端子へ入力される。
【0028】一方、レーザ光源から出力されたレーザ光
線は直接光音響光学素子へ入射される。この光音響光学
素子は、周知のように、入射光を制御端子へ印加されて
いる電気信号の周波数に応じた角度だけ回折させる機能
を有する。したがって、この回折角度を監視することに
よって、測定対象に超音波による振動が発生している
否かが即座に検出できる。よって、複雑な演算処理や複
雑な電子回路を経る事なく、超音波を例えばオンライン
状態で測定可能である。
【0029】具体的には、光音響光学素子における出射
光の回折角度は前述したように干渉光の周波数、すなわ
ち変調光の局部発振周波数(搬送波周波数)と測定対象
の振動周波数、すなわち超音波の周波数で一義的に定ま
る。よって、その回折角度の光軸上にスリットを配設し
て、このスリットを通過した光を受光器で検出すること
によって、超音波の存在が検出される。
【0030】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図1は実施例の超音波の非接触測定方法を採用した
超音波測定装置の概略構成を示す模式図である。
【0031】例えばパルスレーザ光源等から構成された
超音波印加装置21から出力されたパルス状のレーザ光
線は測定対象22の一方面22aに照射される。その結
果、測定対象22に超音波が発生して、この測定対象2
2の他方面22b方向に伝播する。したがって、測定対
象22の他方面22bに超音波か到着すると所定周波数
νS を有するバースト状の微小振動が発生する。また、
超音波印加装置21はレーザ光出力に同期する超音波ト
リガ同期信号aをCRT装置23のトリガ端子へ送出す
る。
【0032】なお、この実施例装置においては、超音波
印加装置21のパルスレーザ光源としてYAGレーザを
用いている。また、測定対象22は厚み73mmを有した
鉄板である。
【0033】一方、測定用のレーザ光源24から出力さ
れたレーザ光bの一部はビームスプリッタ25を透過し
てレーザヘテロダイン干渉計26の2つのビームスプリ
ッタ26a,26bをそのまま透過して、集光レンズ2
7を経て前記測定対象22の他方面22bに照射され
る。そして、この測定対象22の他方面22bの反射光
cは再度ビームスプリッタ26bへ入射して、このビー
ムスプリッタ26bでもって下方に反射される。
【0034】また、レーザ光源24から出力されたレー
ザ光bの一部はレーザヘテロダイン干渉計26内のビー
ムスプリッタ26aで反射されて、反射鏡26cで直角
方向に反射されて光変調器26dへ入射される。光変調
器26dには局部発振器26eから出力された局部発振
周波数、すなわち搬送波周波数ν0 を有する局部発振周
波数信号が制御端子に入力される。そして、この光変調
器26dは入射したレーザ光bを前記搬送周波数ν0
光変調する。光変調器26dから出力された変調光dは
反射鏡26fで再度直角方向に反射されて、ビームスプ
リッタ26bをそのまま透過する。
【0035】したがって、ビームスプリッタ26bでも
って反射光cと変調光dとが干渉する。そして、干渉光
eが集光レンズ28およびスリット29を介して光電変
換器30へ入射する。電変換器30は干渉光eを電気
信号fに変換する。よってこの電気信号fは前記搬送周
波数ν0 と測定対象22の振動周波数νs との和(差)
の周波数νD (=ν0 ±νs )を有する。電気信号fは
増幅器31で増幅された後、フィルタ32で局波数成分
ν0 が減少された後、電力増幅器33で電力増幅され、
光音響光学素子34の制御端子へ入力される。
【0036】レーザ光源24から出力されたレーザ光b
の一部はビームスプリッタ25で反射されてスリットと
レンズとからなるコリメータ35を介して前記光音響光
学素子34へ入射される。
【0037】この光音響光学素子34は、図2に示すよ
うに、素子本体34aとこの素子本体34aに取付けら
れた超音波圧電素子34bとで構成されている。そし
て、超音波圧電素子34bに印加されている電気信号f
が直流の場合、前記レーザ光bからなる入射光はこの光
音響光学素子34をそのまま透過して、光路が曲がるこ
とはない。しかし、電気信号fが交流の場合、超音波圧
電素子34bが振動するので入射光は回折される。そし
て、電気信号fの周波数νD が増加するとその回折光g
の回折角度θが増加する。その回折角度θは、素子本体
34a内を伝播する超音波の伝播速度をVとし、入射光
(レーザ光b)の波長をλとすると、(4)式で示され
る。 θ=λ・νD /V …(4) 他方、入射光のビーム径をDとすると、入射光自身の回
折による広がり角度δθは(5) 式で表すことができる。 δθ=k・(λ/D) k=1〜2の定数 …(5)
【0038】したがって、回折角度θの変化量が前記ビ
ーム径Dの広がりに起因する誤差角度δθを越える条件
から、最終的に検出される測定対象22における超音波
の周波数νS における周波数分解能Δνとして(6) 式を
得る。 Δν≧k・(V/D) …(6)
【0039】ここで、代表的な数値として、k=2,V
=3600m/s ,D=3mmφとすると、周波数分解能Δνは
2.4MHzとなる。このことは、測定対象22における
超音波の振動周波数νS が2.4MHz以上であれぱ、こ
の超音波を充分検出できることを意味する。ちなみに、
通常の超音波探傷で用いられる超音波の周波数は、通常
この2.4MHz以上である。また、周波数ν0 成分が十
分小さく、受光器38および増幅器39が飽和しなけれ
ば、周波数ν0 との分離は不必要であり、さらに低い周
波数まで検出することも可能である。光音響光学素子3
4にて回折された回折光gはレンズ36でスリット37
に集光され、このスリット37の後方に配設された受光
器38へ入射される。
【0040】図3は前記回折角度θとスリット37の位
置関係を示す図である。図示するようにレンズ36の焦
点位置にスリット37が配設されており、入射光の0次
光の光軸と回折光gの光軸に配設されたスリット37ま
での距離Xは(7) 式で示される。 X=θ・F=λνD F/V =λ(ν0 ±νs )F/V …(7)
【0041】次に、スリット37の幅ΔWは、前記ビー
ム径Dの広がりに起因する誤差角度δθを求める(5) 式
の計算結果を目安として、この目安の値に検出される超
音波の周波数ν S 自身の持つ帯域幅Δνを考慮して決定
される。ここで、代表的な数値として、λ=632.8nm ,
D=3 mm,V=3600m/s ,F=300mm とすると、スリッ
ト幅ΔWは下記のようになる。 ΔW=F・δθ=0.126mm
【0042】なお、超音波探傷においては、例えば、周
波数νs =10MHz近傍の信号が検出できればよい。す
なわち測定された超音波の周波数νs における高い分解
能は必要でない。したがって、余裕を持たせて、前記ス
リット幅ΔWは0.26mm程度に設定されている(Δν=5
MHz に相当)。
【0043】そこで、干渉光gの周波数νD (=ν0
νs を選択)を7×107 Hz(ν0=8×107 Hz,ν
s =107 Hz)と仮定すると、X=3.7mm を得る。すな
わち、X=3.7mm 位置に例えば幅ΔW=0.26mmを有する
スリット37および受光器38を設置することによっ
て、周波数νs =10MHzを有した超音波が検出可能で
ある。
【0044】したがって、スリット37と受光器38と
でもって、光音響光学素子34から出力される回折光g
のうち測定対象22の振動周波数νs に応じて定まる回
折角度θの回折光gを検出する回折光検出部を構成す
る。
【0045】受光器38で受光された回折光gは電気信
号hに変換された後、増幅器39で増幅さCRT表示
装置23の信号入力端子へ入力される。CRT表示装置
23は入力された回折光gに対応する電気信号hを超音
波印加装置21から送出された超音波トリガ同期信号a
に同期して表示する。したがって、CRT表示装置の表
示画面には、図示するように、同期パルス40および、
この同期パルス位置から所定時間T+t0 ,3T+t
0 ,5T+t0 経過した位置に各次数のエコー41a,
41b,41cが表示される。なお、前記t0 は電子回
路における遅れ時間であり、使用する電子回路によって
定まる一定値である。よって、このエコー波形から欠陥
の有無を検出できる。この場合、超音波が存在するか否
かを判断すればよいので、超音波の検出レベルは特に問
題になる場合は少ない。
【0046】このように構成された超音波測定装置であ
れば、レーザ光源24から出力されたレーザ光線bは超
音波によって振動状態にある測定対象22に照射され
る。一方、レーザヘテロダイン干渉計26は変調光dと
反射光cとの干渉光eを生成する。干渉光eは電気信号
fに変換されて復調することなく光音響光学素子34の
制御端子へ入力される。
【0047】光音響光学素子34はレーザ光bからなる
入射光を制御端子へ印加されている電気信号fの周波数
νD に応じた角度だけ回折させる。したがって、この回
折光gをスリット37および受光器38で検出すること
によって測定対象22の一方の表面における超音波の
存在を検出できる。
【0048】また、図4.図5.図6に示す従来装置に
ように、高周波数特性や広帯域特性や高い応答特性や高
いS/Nを必要とするミキサ等の電子部品の使用数を大
幅に減少できる。よって、装置全体の製造費を大幅に低
減できる。また、装置全体の調整や点検保守作業が簡素
化される。
【0049】さらに、図2に示すような簡単な構造を有
した光音響光学素子34を用いることによって、簡単に
測定対象22の他方の表面に現れる超音波をリアルタイ
ムで測定できる。また、高周波信号のリアルタイム検出
が可能となったので、必要に応じて、高周波のパルス超
音波信号のリアルタイム周波数解析も可能である。よっ
て、製鉄工場における検査工程において、例えばまだ冷
却していない高熱の薄鋼帯に対する超音波探傷をオンラ
イン状態で実行できる。
【0050】なお、実施例装置においては、スリット3
7を一か所のみに設置した場合を示したが、例えば測定
対象22における超音波が2つの周波数ν1 ,ν2 を含
む場合は、各周波数ν1 ,ν2 に対応した各位置X1
2 にそれぞれ別のスリット37a.37bおよび受光
器38a,38bを配設すれば、各周波数の超音波をそ
れぞれ個別に検出することが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波の非
接触検出方法および超音波測定装置であれば、レーザヘ
テロダイン干渉計から出力される干渉光を電気信号に変
換したのち、復調することなく、この電気信号でもって
光音響光学素子を用いてレーザ光を回折させている。そ
して、この回折光の回折角度が所定の角度になるか否か
でもって超音波の有無を判断している。
【0052】したがって、ミキサ回路等の高い周波数特
性や広い帯域特性や高い感度や高いS/Nが必要である
電子回路の使用数を極力減少でき、簡単な構成でもって
測定対象における超音波振動の有無を簡単に検出でき
る。よって、製造費を大幅に低減できるとともに、充分
オンライン業務に適用できる処理速度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる超音波の非接触検
出方法を採用した超音波測定装置の概略構成を示す模式
図、
【図2】 同実施例装置の光音響光学素子の動作を示す
図、
【図3】 同実施例装置の屈折光検出部の構成を示す
図、
【図4】 従来のホモダイン方式の超音波発受信装置の
概略構成を示す図、
【図5】 従来のヘテロダイン方式の超音波発受信装置
の概略構成を示す図、
【図6】 同ヘテロダイン方式を用いた他の超音波発受
信装置の要部を取出して示すブロック図。
【符号の説明】
21…超音波印加装置、22…測定対象、23…CRT
表示装置、24…レーザ光源、25,26a,26b…
ビームスプリッタ、26…レーザヘテロダイン干渉計、
30…光電変換器、34…光音響光学素子、37…スリ
ット、38…受光器、39…増幅器。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波による振動が生じている測定対象
    に対してレーザ光を照射し、同時に前記レーザ光を局部
    発振器からの局部発振周波数で光変調して、この変調光
    と前記測定対象からの反射光との干渉光を電気信号に変
    換し、光音響光学素子を用いて前記レーザ光を復調しな
    い前記電気信号の周波数に応じた角度だけ回折させ、こ
    の回折光の回折角度が前記測定対象の振動周波数に対応
    した回折角度になることを検出する超音波の非接触検出
    方法。
  2. 【請求項2】 超音波による振動が生じている測定対象
    に対してレーザ光を照射するレーザ光源と、このレーザ
    光源から出力されたレーザ光を局部発振器からの局部発
    振周波数で光変調して、この変調光と前記測定対象から
    の反射光との干渉光を出力するレーザヘテロダイン干渉
    計と、このレーザヘテロダイン干渉計から出力される干
    渉光を電気信号に変換する光電変換器と、前記レーザ光
    源から出力されたレーザ光を前記光電変換器から出力さ
    れた復調されない電気信号の周波数に応じた角度だけ回
    折させる光音響光学素子と、この光音響光学素子から出
    力される回折光のうち前記測定対象の振動周波数に応じ
    て定まる回折角度の回折光を検出する回折光検出部とを
    備えた超音波検出装置。
  3. 【請求項3】 前記回折光検出部は、前記局部発振周波
    数と前記測定対象の振動周波数とで定まる回折角度の光
    軸上に配設されたスリットと、このスリットを通過した
    回折光を検出する受光器とで構成された請求項2記載の
    超音波検出装置。
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