JP2806003B2 - カラーグラフィック装置 - Google Patents

カラーグラフィック装置

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JP2806003B2
JP2806003B2 JP2204508A JP20450890A JP2806003B2 JP 2806003 B2 JP2806003 B2 JP 2806003B2 JP 2204508 A JP2204508 A JP 2204508A JP 20450890 A JP20450890 A JP 20450890A JP 2806003 B2 JP2806003 B2 JP 2806003B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は物体の像をカラー表示する装置に関するもの
であり、特に、物体表面の色を正確に表示する技術に関
するものである。
従来の技術 グラフィック装置により物体の像を正確な色で表示し
得ることは有益なことである。例えば、自動車を設計す
る際には、その自動車が完成した場合に人間の目にどの
ように見えるかを知ることが必要であり、その場合、色
は重要なファクタである。
しかし、自動車の色は、その自動車が置かれる環境に
よって異なって見える。例えば、同じ色の塗料で塗装さ
れた自動車でも、その自動車が地球上のどの地域に置か
れるかによって異なって色に見えるのである。地球上の
位置が変われば、大気中に含まれる酸素,オゾン,水蒸
気等の成分量が異なるため、自動車に入射する自然光の
分光組成が異なり、そのために自動車表面から反射され
る光の分光組成が異なって、人間の目に違った色に見え
るのである。
そのため、従来は所定の塗料で塗装された自動車を実
際に地球上の各地に運び、それらの場所で自動車がどん
な色に見えるかを調べ、あるいは自動車の撮影をして持
ち帰り、デザイナによる色の評価を行っていた。
しかし、種々の色に塗装した自動車を地球上の各地に
運び、それぞれの地球でどのような色に見えるかを調べ
るには多くの費用がかかる。しかも、自動車に入射する
光の分光組成は天候や時刻によっても変わるため、その
変化に伴う色の変化を調べようとすれば、地球上の各地
において所望の天候や時刻の条件が満たされるまで待た
なければならず、一層多大の費用がかかる。
上記のように、天候や時刻により自動車の色が変わっ
て見えるため、地球上の決まった地域のみにおいて使用
される自動車についても、天候や時刻の変化に伴う色の
変化は調べる必要がある。また、地球上の同じ地域で
も、空気の汚れている地方と空気の澄んでいる地方とで
は自動車に入射する光の分光組成が異なるため、自動車
の色が違って見える。したがって、地球上の一地域のみ
において使用される自動車の色を評価するにも相当の費
用がかかる。
この問題は自動車についてのみ生じるものではなく、
屋外装飾品,洋服等、色が重要なファクタである物体に
ついて同様に生じる。
屋外の自然光の分光分布の違いによる色の変化は特に
重要な問題であるが、屋内の照明光の種類の違いにより
室内装飾品や家具等の色がどのように変化するを調べる
ことが必要になることもある。
物体に入射する光の分光組成の変化に基づく物体の色
の変化を調べるためには、種々の分光組成の入射光の下
における物体の像を正確な色でカラー表示し得る装置が
有効なのであるが、そのような表示の可能なカラーグラ
フィック装置は未だ知られていない。物体の像を表示す
るための表示データを作成し、その表示データに基づい
て物体の像をカラー表示するカラーグラフィック装置は
知られており、表示データを変更することによって像の
色を変えて表示することはできるが、正確な色で表示す
ることはできないのである。
発明が解決しようとする課題 本発明は、以上の事情を背景として、特定の分光組成
の光が物体に入射した場合を想定して物体の像を正確な
色で表示することが可能なカラーグラフィック装置を得
ることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段,作用および効果 本発明によって、下記各態様のカラーグラフィック装
置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、
各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用す
る形式で記載する。各項に記載の特徴の組合わせの可能
性を明示するためである。
(1)第1図に示すように、 物体の形状に関連した形状関連データを記憶する形状
関連データ記憶手段1と、 物体の表面に入射する直接光と天空光等の間接光との
分光組成に関連する入射光関連データを記憶する入射光
関連データ記憶手段2と、 物体の表面の分光反射特性に関連した反射特性関連デ
ータを記憶する反射特性関連データ記憶手段3と、 それらデータ記憶手段に記憶された形状関連データ,
入射光関連データおよび反射特性関連データに基づいて
前記物体の像をカラー表示するための表示データを作成
する表示データ作成手段4と、 その表示データ作成手段により作成された表示データ
に基づいて前記物体の像をカラー表示する表示装置5と を含むカラーグラフィック装置(特許請求の範囲第1
項)。
このように構成されたカラーグラフィック装置におい
ては、表示データ作成装置4が形状関連データ,入射光
関連データおよび反射特性関連データに基づいて表示デ
ータを作成し、その表示データに基づいて表示装置5が
物体の像をカラー表示する。そして、上記入射光関連デ
ータとして、太陽の直射日光や光源からの光等の直接光
の分光組成に関連するデータのみならず、天空光等の間
接光の分光組成に関連するデータも使用されるため、物
体は正確な色で表示される。物体のカラー表示を正確に
行うためには、直接光の分光組成に関連するデータのみ
ならず、間接光の分光組成に関連するデータも取り入れ
て表示データを作成することが有効なのである。天空
光,地上光等の間接光が多い屋外においては特にそうで
あるが、屋内においても、やはり間接光を考慮しなけれ
ば物体のカラー表示を正確に行うことができない場合が
ある。
このように、本態様によれば、物体各部にそれぞれ入
射する光の分光組成と物体各部の表面の分光反射特性と
のデータに基づいて、物体の像を正確な色で表示装置に
表示させることができるため、入射光の分光組成の変化
によって物体の見え方がどのように変化するかを簡単に
調べることが可能となる効果が得られる。
例えば、自動車の設計に本態様のカラーグラフィック
装置を利用すれば、自動車が置かれることが想定される
各地の大気の組成、あるいは直射日光および天空光の分
光組成等を予め調べてそのデータを入射光関連データと
して記憶させておけば、自動車を実際に各地域に運んで
どのような色に見えるかを調べる必要がなくなり、大幅
なコスト低減効果が得られる。また、自動車の置かれる
位置が決まっている場合でも、天候や時刻の変化に伴っ
て自動車の見え方がどのように変わるかを調べるには長
時間を要するのであるが、本態様の装置を利用すれば短
時間で調べることができる。
また、物体が屋内に置かれ、人工の光で照明されるこ
とを想定した場合にも、照明光の光源の位置や分光組成
と、間接光の分光組成とが決まれば物体の像を正確な色
でカラー表示することでき、屋内の物体の色を厳密に評
価することが容易となる。
(2)前記入射光関連データ記憶手段が、地球上の位置
とその位置における大気の光学的性質とを表すデータを
前記入射光関連データとして記憶しており、かつ、当該
カラーグラフィック装置が、それら入射光関連データ記
憶手段に記憶されている位置とその位置における大気の
光学的性質とのデータに基づいて前記位置にある物体へ
の入射光の分光組成データを作成する分光組成データ作
成手段を含む(1)項に記載の記載のカラーグラフィッ
ク装置(特許請求の範囲第2項)。
地域の位置は、例えば経度および緯度で表せばよい。
本態様によれば、物体を地球上の特定の位置に置いたと
想定した場合に、その物体を正確な色で表示することが
できる。前述のように、地球上の位置が異なれば、直接
光の光源としての太陽と物体との相対位置が異なるのみ
ならず、大気の光学的性質を異なる。したがって、物体
に入射する直接光の分光組成成分を、その物体が置かれ
ると想定される地球上の位置とその位置における大気の
光学的性質とのデータに基づいて取得することは、直接
光の反射に基づく物体の色を正確に表示するために有効
なのである。また、間接光としての天空光や地上光も、
太陽の位置と大気の光学的性質とによって異なるため、
やはりそれらを考慮することが有効である。
(3)前記入射光関連データ記憶手段が、さらに、時刻
のデータを前記入射光関連データとして記憶しており、
前記分光組成データ作成手段が、その時刻のデータにも
基づいて前記物体への入射光の分光組成データを作成す
る(2)項に記載のカラーグラフィック装置。
本態様によれば、物体を特定の時刻に地球上の特定の
位置に置いたと想定して、その物体を正確な色で表示す
ることができる。太陽と物体との相対位置は、地球上の
位置のみならず時刻によっても異なるからである。時刻
のデータを複数記憶させておけば、同じ地域の異なる時
刻における物体の像を表示させることができる。
(4)前記分光組成データ作成手段が、前記地球上の位
置とその位置における大気の光学的性質と時刻とのデー
タに基づいて、少なくとも直射日光の分光放射照度と天
空各部の分光放射輝度とを演算する手段を含み、前記表
示データ作成手段が、それら直射日光の分光放射照度お
よび天空各部の分光放射輝度と、前記反射特性関連デー
タとに基づいて前記表示データのうちの着色データを作
成する手段を含む(3)項に記載のカラーグラフィック
装置(特許請求の範囲第3項)。
本態様は、物体を特定の時刻に地球上に特定の位置に
置いたと想定して、その物体を正確な色で表示し得るカ
ラーグラフィック装置の代表的な一例である。
(5)前記入射光関連データが、地球上の、物体が置か
れることが想定されている位置において実際に測定され
た太陽と天空各部とからの光の分光放射照度のデータを
含む(1)項に記載のカラーグラフィック装置(特許請
求の範囲第4項)。
前述のように、地球上の位置とその位置における大気
の光学的性質と時刻とのデータに基づいて、太陽と天空
各部とからの光の分光放射照度を演算で求めることがで
き、それによって、任意の天候の下で、任意の時刻にお
ける物体の像を正確な色で表示することができるのであ
るが、太陽と天空各部とからの光の分光放射照度を実測
し、その実測結果に基づいて物体を表示すれば、一層正
確な色で物体を表示することができる。
(6)前記入射光関連データが、地球上の、物体が置か
れることが想定されている位置において実際に測定され
た直射日光の分光放射照度と天空各部の輝度とのデータ
を含み、かつ、当該カラーグラフィック装置が、前記天
空各部の輝度のデータに基づいて天空各部の分光放射照
度を演算する手段を含む(1)項に記載のカラーグラフ
ィック装置(特許請求の範囲第5項)。
天空各部の輝度を実測すれば、その実測結果に基づい
て天空各部の分光放射照度を演算することができる。天
空各部の輝度の測定は、天空各部の分光放射照度の測定
より短時間で済むため、屋外の測定時間を短くすること
ができる。この利点は、物体が置かれることが想定され
る地球上の位置が遠く離れた外国である場合に特に大き
い。
(7)前記入射光関連データが、さらに、前記天空各部
の実際に測定された色度のデータを含み、かつ、前記分
光放射照度を演算する手段が、その色度のデータにも基
づいて前記天空各部の分光放射照度を演算する(6)項
に記載のカラーグラフィック装置。
上述のように、天空各部の輝度を実測すれば、その実
測結果に基づいて天空各部の分光放射照度を演算するこ
とができ、輝度の測定は比較的短時間で行い得る利点が
あるのであるが、輝度に加えて色度も測定すれば、測定
時間はやや長くなるものの、天空各部の分光放射照度の
演算の精度を高くすることができ、物体をより正確な色
で表示することができる。
(8)前記表示データ作成手段が、観察者の目に入射す
る光である視線光を、正反射光成分の分光放射輝度,直
射日光の拡散反射光成分の分光放射輝度,天空光の拡散
反射光成分の分光放射輝度および地上光の拡散反射光成
分の分光放射輝度の和のして求める視線光演算手段を含
む(1)ないし(7)項のいずれか1つに記載のカラー
グラフィック装置。
このようにして視線光を演算すれば、屋外に置かれた
物体の色を特に正確に表示することができる。
(9)前記反射特性関連データ記憶手段が、前記反射特
性関係データとして、測色可能な分光立体角反射率のデ
ータを記憶している(8)項に記載のカラーグラフィッ
ク装置。
本態様によれば、物体表面の分光立体角反射率を予め
測定して反射特性関連データ記憶手段に記憶させておく
ことにより、物体の色を正確に表示することができる。
(10)前記表示データ作成手段が、前記視線光I(λ)
および分光立体角反射率R(λ)に基づいて次式 X=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ Y=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ Z=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ ただし、 (λ),(λ),(λ):等色関数 k:比例定数〔=100∫I(λ)(λ)dλ〕 により三刺激値X,Y,Zを演算する手段を含む(9)項に
記載のカラーグラフィック装置。
本態様は、本発明に係るカラーグラフィック装置の特
に望ましい態様の一つである。
(11)前記入射光関連データ記憶手段が、前記入射光関
連データを地球上の複数の位置の各々について記憶して
いる(1)ないし(10)項のいずれか1つに記載のカラ
ーグラフィック装置。
本態様によれば、地球上の複数の位置における物体の
色を正確に表示することができ、同じ物体の、地球上の
各地における色の評価を居ながらにして行うことがで
き、作業能率,コストを著しく低減させることができ
る。
実施例 以下、本発明の一実施例であるカラーグラフィック装
置を図面に基づいて詳細に説明する。このカラーグラフ
ィック装置は、自動車を種々の天候の下で、種々の時間
に、地球上の種々の地域に置いたことを想定した場合の
像をカラー表示するためのものである。
第2図は本カラーグラフィック装置の構成を示すブロ
ック図であり、コンピュータ10を備えている。コンピュ
ータ10はCPU12,ROM14,RAM16,ビデオRAM18,入出力ポート
20,ディスクコントローラ22,第一ディスプレイコントロ
ーラ24および第二ディスプレイコントローラ25を備えて
いる。
入出力ポート20には、入力装置としてのキーボード2
6,マウス28およびスキャナ30と、出力装置としてのプリ
ンタ32とが接続されている。スキャナ30は自動車の背後
に表示されるべき背景写真を読み込むためのものであ
る。入出力ポート20にはさらに、自動車の形状を表す形
状データが格納されたデータベース33が接続されてい
る。形状データはデザイナが描いた線画に基づいて自動
車各部の形状がベジエ曲面で近似されたものである。デ
ィスクコントローラ22にはディスク装置34が接続され、
コンピュータ10の作動に必要なデータおよびコンピュー
タ10によって作成されたデータが格納されるようになっ
ている。ディスク装置34から読み出されたデータがRAM1
6に格納され、また、RAM16のデータがディスク装置34に
格納される。第一ディスプレイコントローラ24には、操
作支援用のCRTディスプレイ36が接続され、キーボード2
6等の入力装置からのデータ入力を支援するための支援
情報と、入力されたデータおよびコンピュータ10によっ
て作成されたデータとが表示されるようになっている。
一方、第二ディスプレイコントローラ25には、画像表示
用のCRTディスプレイ38が接続されている。
CPU12はROM14に格納された制御プログラムに基づいて
RAM16のデータを処理し、CRTディスプレイ36,38用の表
示データを作成して、ビデオRAM18に格納する。この機
能のうち画像表示用CRTディスプレイ38の表示データ作
成機能をブロック図に表せば第3図の通りである。第3
図において二点鎖線で囲まれた複数のブロックが本カラ
ーグラフィック装置の機能であり、その外側の各ブロッ
クはカラーグラフィック装置への入力データ作成機能で
ある。
ブロックB1の屋外計測は、自動車への入射光の分光組
成を決定するのに必要なデータを得るためのものであ
り、B2の背景画像撮影は自動車の背後に表示される背景
画像を撮影するために行われるものである。また、B3の
反射率測定は自動車各部の表面を形成する物質の分光立
体角反射率を測定するためのものである。B1で得られた
データはディスクに格納され、B4でディスク装置34から
コンピュータ10に入力される。B2で撮影された背景写真
はB6でスキャナ30によって読み取られ、コンピュータ10
に入力される。また、B3で得られた分光立体角反射率の
データはデータベース33に格納され、B7でコンピュータ
10に読み込まれる。さらに、データベース33に格納され
ている自動車の形状を表す形状データがB7′でコンピュ
ータ10に読み込まれる。コンピュータ10はB4で入力され
たデータに基づいてB5で着色に必要な種々のデータの計
算を行い、その結果得られたデータとB6,B7およびB7′
で入力されたデータとに基づいてB8で画像の着色に必要
なデータの計算を行う。自動車の各微小面から視点へ到
達するはずの各反射光の分光組成を計算するのである。
そして、その計算された分光組成が、B9で、CRTディス
プレイ38上の自動車の像の各部に着色するためのR,G,B
(赤,緑,青)3色のディジタル電圧指令値に変換さ
れ、B10でCRTディスプレイ38に像がカラー表示される。
以上が本カラーグラフィック装置の機能の概略であ
り、以下、各機能を詳細に説明するが、それに先立っ
て、まず屋外に置かれた物体(本実施例においては自動
車の各部)から視点に到達する視線光の分光組成の計算
について説明する。
従来、視線光の分光放射輝度I(λ)は次式で表され
ていた。
ただし、 λ:波長(μm) ε(λ):視線方向に物体自体が放つ放射光の分光放
射輝度(w・nm-1・m-2・sr-1) ρ(λ):物体表面の反射率 L(λ):物体への入射光の分光放射輝度 θ:入射光の入射角(rad) dω:入射光の微小立体角(sr) Ω:入射光全体の立体角(sr) しかし、本実施例装置においては、物体自体は光を放
射せず、視線光は反射光のみから成るものとし、かつ、
物体表面の反射率として測色可能な分光立体角反射率R
(λ)を用いるとともに、物体への入射光を、その正反
射光が視線光となる入射光と、拡散反射光が視線光とな
る入射光とに分け、さらに、拡散反射光が視線光となる
入射光を、直射日光と天空光と地上光(地上要素からの
光)とに分けて、視線光I(λ)が次式で表される。
ただし、 Ω1:正反射光が視線光となる入射光の立体角 Ω2:直射日光の立体角 Ω3:天空光の立体角 Ω4:地上光の立体角 第4図に示すように、物体40上の点Pに入射角θ、微
小立体角dωで光L(λ)が入射したとき視線方向に反
射する光の、第5図に示す立体角領域の積分として求め
られるのであり、次のようにも表される。
I(λ)=I1(λ)+I2(λ)+I3(λ)+I4(λ) ……(3) ただし、 I1(λ):正反射光成分の分光放射輝度(w・nm-1
m-2・sr-1) I2(λ):直射日光の拡散反射光成分の分光放射輝度 I3(λ):天空光の拡散反射光成分の分光放射輝度 I4(λ):地上光の拡散反射光成分の分光放射輝度 これら各成分のうち、正反射光成分I1(λ)は次式で
表される。
I1(λ)=f(λ)L1(λ)≒fL1(λ) ……(4) ただし、 f(λ)=I(λ)/I1(λ)=R1(λ)cosθ1 f:フレネル係数 L1(λ):正反射光が視線光となる光源の分光放射輝
度 f(λ)は通常のペイント塗装面では、波長に依存し
ないフレネル係数fで近似することができる。
直射日光の拡散反射光成分I2(λ)は次式で表され
る。
ただし、 Em(λ):直射日光の点Pにおける分光放射照度(w
・nm-1・m-2) θ2:直射日光の点Pへの入射角 R2(λ):点Pにおける直射日光の分光立体角反射率 天空光の拡散反射光成分I3(λ)は次式で表される。
ただし、 R3(φ,λ):点Pにおいて天空要素からの光が視点
へ反射する場合の分光立体角反射率 φ:天空要素からの光の正反射光の方向が視線光の方
向と成す角(第10図参照) θ3:天空要素から点Pへの入射角 L3(λ):天空要素の分光放射輝度 dω3:点Pから天空要素を見込む微小立体角 しかし、実際には、この式は次式に近似して用いられ
る。
地上光の拡散反射光成分I4(λ)は次式で表される。
ただし、 R4(φ,λ):点Pにおいて地上要素からの光が視線
方向へ反射する場合の分光立体角反射率 θ4:地上要素から点Pへの入射角 L4(λ):地上要素の分光放射輝度 dω4:点Pから天空要素を見込む微小立体角そして、
地表が、それの反射率がR5(λ)である一様な均等拡散
面とすれば、地上要素の分光放射輝度L4(λ)は近似的
に次式で表される。
ただし、 R5(λ):地表により直射日光が点Pへ反射する場合
の分光立体角反射率 θ5:直射日光の地表への入射角 Ωπ:水平面より上方の立体角 R6(φ,λ):地表により天空光が点Pへ反射する場
合の分光立体角反射率 θ6:天空光の地表への入射角 dω6:地表から天空要素を見込む微小立体角 この式の第1項は直射日光が地表で反射されて点Pに
入射する光の分光組成であり、第2項は天空光が地表で
反射されて点Pにに入射する光の分光組成である。実際
には、(8)式および(9)式はそれぞれ次のように近
似して計算される。
以上のようにして、物体の点Pからの視線光の分光組
成が計算されるのであるが、そのためには太陽の方位角
α′並びに高度γs,直射日光の物体への分光放射照度
Em(λ),天空要素の分光放射輝度L3(λ),地上要素
の分光放射輝度L4(λ),物体の分光立体角反射率R
2(λ),地表の分光立体角反射率R3(φ,λ),R
4(φ,λ)等を求めることが必要である。これらの測
定あるいは計算は第6図にブロック図で示す順序で行わ
れる。第6図は第3図のブロックB1およびB5の内容をさ
らに詳細に示したものである。以下、主要なブロックに
ついて詳細に説明する。
(1)屋外計測B1 第6図におけるB101〜104は大気の光学的性質を決定
するために行われるものである。B101で散乱の波長依存
性を表す係数αと混濁係数βとがサンフォトメータによ
り測定され、B102でオゾンによる吸収係数Coz(λ)が
オゾン測定機により測定される。また、B103で水蒸気に
よる減衰係数τ(λ)が水蒸気測定機により、B104で
酸素による減衰係数τ(λ)が酸素測定機によりそれ
ぞれ測定されるが、これら両減衰係数は可視波長領域で
は影響が少ないので無視しても差支えない。
B105で物体が置かれる位置の経度と緯度とが調べら
れ、B106で観測時刻(世界時)が調べられる。本屋外計
測と次の背景画像の撮影とは、自動車を置くことが予定
されている位置(地球上の各地域)および時刻のすべて
について行われる。
(2)背景画像の撮影B2 上記屋外計測と同時にB2の背景画像の撮影がカメラに
よって行われる。この撮影に先立って、もしくはその後
に、第7図に示す距離h,h′,d,d′,l(これらの単位は
m)および角度ψ(゜)が測定される。距離lは背景と
なる物体の特徴的な部分の長さである。これらの測定結
果は、後に背景を自動車と合成して表示する際、自動車
とパースおよび距離感を一致させるために使用される。
また、撮影と同時に、自動車と背景との明るさを一致さ
せるために、最大輝度にした白色板の輝度の計測も行わ
れる。
(3)着色に必要なデータの計算B5 前記屋外計測に続いてB5の着色に必要なデータの計算
が行われる。この計算は、B111およびB112でのエアマス
mの計算、B121ないしB123での直射日光の分光放射照度
Em(λ)の計算、およびB131ないしB137での天空光の分
光放射輝度L3(λ)の計算に大別される。以下、それぞ
れについて順に説明する。
(a) エアマスmの計算 まず、B105,B106で調べられた位置と時刻とに基づい
て、B111で第8図に示す太陽高度γと方位α′が計
算される。高度γは地表からの太陽の見上げ角度(ra
d)であり、方位は北を0radとした東まわりの角度であ
って、本実施例においては両者が海上保安庁水路部の方
法によって計算される。
続いて、B112でエアマスmが次式で計算される。
m=P/P0{sinγ+0.15(180γs/π+3.885) −1.253} ……(11) ただし、 P:地表の大気圧(atm) P0:標準大気圧(atm) (b) 直射日光の分光放射照度Em(λ)の計算 B121で空気分子による吸収係数CR(λ)が次式により
計算される。
CR(λ)=α″λ−(3.916+0.074λ+0.050/λ) ……(12) ただし、 α″:0.00838(Frlich,Shawによる値)または 0.00864(Youngによる値) そして、B122でエアロゾルによる吸収係数CM(λ)
が、B101で求められた散乱の波長依存性を示す係数α
と、混濁係数βとを用いて、次式により計算され、 CM(λ)=βλ−α ……(13) 得られた結果を使用して直射日光の地表における分光放
射照度Em(λ)が次式で計算される。
Em(λ)=E0(λ)τ(λ)τ(λ)e
−F(λ)m ……(14) ただし、 F(λ)=CR(λ)+CM(λ)+Coz(λ) E0(λ):大気外の分光放射照度 (c) 天空光の分光放射輝度L3(λ)の計算 まず、B112で計算されたエアマスmを用いて、B131で
光についての乾燥清澄空気の平均消散係数aVRが次式に
より計算される。
aVR=1/(10+0.045m) ……(15) また、B132でソーライラディアンス(Solarirradianc
e)EVSN(klx)が次式により計算される。
ただし、 (λ):等色関数 その計算結果とB112で計算されたエアマスmとを用い
て、B133で空気透過率PVが次式により計算される。
PV=(EVSN/EV01/m ……(17) ただし、EV0は、 で表される太陽定数であり、単位はklxである。
以上のようにして計算された大気透過率PVとB131で計
算された平均消散係数aVRとを用いて、B134でリンケの
混濁因子TVLが次式により計算される。
続いて、上記混濁因子TVLと前記B111で求められた太
陽高度γs,方位α′およびB112で求められたエアマス
mを用いて、B135で次式により天空内の任意の点Q(第
8図参照)における輝度Lhomo(kcd/m2)が計算され
る。
Lhomo(γs,γ,ζ,TVL) =C0/ms{G(γ,ρ)R(γ)/Z +δ(msmγ・f(ζ)−X1−3)−2(A+B)} ……(19) ただし、 γ,γs,ζ,α′,α′s:第8図の各角度(rad) C0=EV0/16π=7.705(kcd/m2) γ≠γのとき δ=(A−B)/(ms−mγ) γ=γのとき δ=aVRTVLB G(γ,ρ)=0.8+ρ+1.64(1−0.7ρ)sin
γ +(1−ρ)(1−1.5sinγ)A ρ:地表の反射率(=0.2) Z=1+TVL(0.075−0.025X1)(1−ρ) X1=0.115375N N=4.3TVL 1.9−(0.35TVL) M=0.71/TVL 0.5 f(ζ)=1+N(e−3ζ−0.009)+Mcos2ζ cosζ=sinγssinγ+cosγscosγ ・cos|α′−α′| ms=1/[sinγ+0.15 {γ(180/π)+3.885}−1.253] mγ=1/[sinγ+0.15 {γ(180/π)+3.885}−1.253] この式はキットラ(R.Kittler)により提案され、198
8年のCIE(国際照明委員会)のテクニカルレポートに詳
細に記載されているものであって、混濁因子TVLを主た
るパラメータとして晴天から曇天まで天空の輝度を連続
して変化させることができるものである。
以上のようにして、天空各点の輝度が計算された後、
B136で天空各点の相関色温度Tcpが次式により計算され
る。
TVL≦Txのとき TCP=1.1985×108/Lhomo 1.2+6500 ……(20) TVL>Txのとき TCP=6500 ……(20)′ ただし、Txの値は第1表を用いて補間法で求められ
る。
この式は、本願発明の発明者が実際に天空各点の輝度
と相関色温度とを測定して得た第9図の結果に基づいて
作成されたものであり、このように、天空の輝度が相関
色温度と相関性を有していることを利用して、天空各点
の輝度からそれら各点を光源とする光の分光組成が求め
られることが、本実施例の特徴の1つである。
続いて、B137で各天空要素の分光放射輝度L4(λ)が
CIEの合成昼光式を利用して計算される。CIEの昼光のXY
Z表色系(JIS Z8701)における色度座標xD,yDは相関色
温度Tcpが4000K以上7000K以下の場合には、(21)式と
(23)式とによって求められ、相関色温度Tcpが7000Kを
超え25000K以下の場合には(22)式と(23)式とによっ
て求められる。
xD=−4.6070×109/Tcp 3+2.9678 ×106/Tcp 2+0.09911×103 /Tcp+0.244063 ……(21) xD=−2.0064×109/Tcp 3+1.9018 ×106/Tcp 2+0.24748×103 /Tcp+0.237040 ……(22) yD=−3.000xD 2+2.870xD−0.275 ……(23) これら得られた色度座標xD,yDに基づいて、(24),
(25),(26)式により各天空要素の分光放射輝度L
3(λ)が計算される。
M1=(−1.3515−1.7703xD +5.9114yD)/(0.0241+ 0.2562xD−0.7341yD) ……(24) M2=(0.0300−31.442xD +30.0717yD)/(0.0241+ 0.2562xD−0.7341yD) ……(25) L3(λ)=SD(λ) =S0(λ)+M1S1(λ)+M2S2(λ) ……(26) ただし、S0(λ),S1(λ),S2(λ)はJIS Z8720の
符表3の値である。
(4)分光立体角反射率の測定B3 次に、物体表面、本実施例においては自動車各部の表
面の分光立体角反射率の測定について説明する。物体を
充分な現実感を持ってCRTディスプレイ38に表示するた
めには、上記のように、それに入射する光を厳密に取り
扱うとともに、物体表面の反射率を厳密に取り扱うこと
が必要である。なお、物体が透明なものである場合に
は、透過率を厳密に取り扱うことが必要であるが、ここ
では不透明な物体を主として取り扱うこととし、透明な
物体については説明を省略する。
物体表面における反射は、正反射と拡散反射とに分類
される。
(a) 正反射 正反射は光沢を持つ物体の映り込みの度合を決定する
反射であり、表示された像の現実感に大きく寄与する重
要なものであって、厳密に取り扱う必要がある。正反射
は正反射率によって決まるが、正反射率は材質毎に異な
るため、材質毎に決定する必要がある。拡散反射を生じ
ない純粋なガラス面の正反射はフレネル式に従うが、自
動車の表面を形成する塗装面,金属面,樹脂面,光沢を
持つゴム面等はフレネル式とは異なる特性を示して定式
化は困難であるため、本実施例においては、測定により
正反射率が決定される。また、晴天時における天空光は
偏光しているため、天空光による映り込みを考える際に
は、偏光を考慮した正反射率を使用することが必要であ
る。本実施例においては、正反射率fは次式により表さ
れる。
f=(pr2 s+sr2 p)/(s+p) ……(27) ただし、 rs:フレネルのs波の振幅反射率 rp:フレネルのp波の振幅反射率 s:入射光のs波成分のエネルギ比 p:入射光のp波成分のエネルギ比 本式は、本願発明の発明者が提案したものであり、s
=pのとき、従来から良く知られている正反射率の式f
=(rs 2+rp 2)/2となる。
(b) 拡散反射 拡散反射は、物体の色を正確に表示するためには特に
厳密に取り扱わなければならないものであり、本実施例
においては、自動車の表面を構成する各物質の分光立体
角反射率が変角分光光度計により測定され、使用され
る。変角分光光度計は、第10図に示すように、正反射方
向を基準とした角度φを変化させながら、分光立体角反
射率R(φ,λ)を測定し得るものである。
第11図および第12図に、それぞれソリッド塗装面とメ
タリック塗装面との測定結果を示す。ソリッド塗装面は
角度φが10〜20゜の範囲では、分光立体角反射率R
(φ,λ)がほぼ一定値をとる均等拡散面と見做し得る
ため、積分項から外して角度φだけの積分計算をするこ
とができるが、メタリック塗装面では角度φに対する分
光立体角反射率R(φ,λ)の変化の度合が大きいた
め、角度φに対して正確にサンプリング計算をすること
が必要である。特に、直射日光がない曇天時には、天空
光および地上光のウェイトが大きいため、視線光のこれ
らに基づく成分を安易に近似することは許されず、正確
にサンプリング計算することが必要である。また、分光
立体角反射率R(φ,λ)が急激に変化する0゜<φ<
30゜の領域は曇天時の物の見え方に大きく影響するた
め、この領域の分光立体角反射率R(φ,λ)を特に精
度良く測定し、厳密に取り扱うことが必要である。
(5)着色計算B8 以上のようにして得られたデータに基づいて、B8で自
動車の像に着色するための(4),(5),(7),
(10),(10)′式の計算が行われる。この計算につい
ては先に説明したため、ここでは省略する。
(6)CRTディスプレイのR,G,Bデータへの変換B9 この計算は、まず、入射光の分光組成と自動車表面の
分光立体角反射率R(φ,λ)とに基づいて3刺激値X,
Y,Zを求める計算と、得られた3刺激値X,Y,Zを成分色光
R,G,Bに変換する計算と、その成分色光R,G,Bで像をCRT
ディスプレイ38に表示するための3色成分電圧のディジ
タル指令値DR,DG,DBに変換する計算とによって行われ
る。以下、それぞれについて説明する。
(a) 3刺激値X,Y,Zの計算 前述のように、直射日光,天空光および地上光の自動
車表面による反射光の和である視線光I(λ)と、自動
車各部の分光立体角反射率R(λ)〔天空光および地上
光についてはR(φ,λ)〕とから3刺激値X,Y,Zが次
式により計算される。
X=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ ……(28) Y=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ ……(29) Z=1/k∫R(λ)I(λ)(λ)dλ ……(30) ただし、 (λ),(λ),(λ):等色関数 k:比例定数〔=100∫I(λ)(λ)dλ〕 (b) X,Y,ZのR,G,Bへの変換 上記計算によって得られた3刺激値X,Y,Zの3色成分
光R,G,Bへの変換は、次の仮定のもとに行われる。
R,G,Bの色度は輝度が変化しても変化せず一定であ
る(色度一定の仮定)。
R,G,Bの色度と輝度は互いに影響されない(R,G,B独
立性成立の仮定)。
CRT面の部位による輝度,色度のむらはない。
R,G,Bの輝度は時間によって変化しない。
R,G,Bの輝度,色度は電源を一旦OFFにしても再現す
る。
計算に先立って、予めCRTディスプレイ38の次の諸量
が測定される。
最大白色の色度・・・(xw,yw) R成分の色度・・・(xR,yR) G成分の色度・・・(xG,yG) B成分の色度・・・(xR,yR) 最大白色の3刺激値・・・(xw,yw,zw) 3刺激値X,Y,Zの三色成分色光R,G,Bへの変換は、自動
車の像の任意の点の3刺激値XC,YC,ZCを、CRTディスプ
レイ38に3色成分色光R,G,Bを表示させるための印加電
圧r,g,b(0≦r,g,b≦1)に変換するものである。な
お、r,g,bとCRTディスプレイ38のR,G,BのY値との間に
は、YR=rYR0,YG=gYG0,YB=bYB0の関係が成立する。Y
R0,YG0,YB0は最大白色を出すためのR,G,Bの輝度値であ
る。
実際の計算は次のようにして行われる。
まず、最初の1回だけ、最大白色を出すためのR,G,B
の輝度値YR0,YG0,YB0が次式により求められる。
続いて、CRTディスプレイ38のピクセル毎の電圧r,g,b
が次式により計算される。
(c) r,g,bのDR,DG,DBへの変換 コンピュータ10によるCRTディスプレイ38に対する3
色成分電圧r,g,bの指令は、各々8ビット(256段階)の
ディジタル値で行われるため、3色成分電圧r,g,bをデ
ィジタル指令値DR,DG,DBに変換する計算が、次式により
行われ、得られたピクセル毎のディジタル指令値DR,DG,
DBは表示データとしてビデオRAM18に格納される。
DR={(r−bR)/aR1/γR ……(35) DG={(g−bG)/aG1/γG ……(36) DB={(b−bB)/aB1/γB ……(37) により行われる。aR,aG,aB,bR,bG,bBは変数であり、特
に、bR,bG,bBは暗電流による値で0に近い正の値をとる
ものである。これらの変数は、計算に先立って実際に使
用されるCRTディスプレイ38について実測されるもので
ある。
(7)背景画像データの入力B6 以上で、自動車の像をCRTディスプレイ38にカラー表
示するためのデータが得られたこととなるが、本実施例
においては、自動車の像と共に背景がカラー表示される
ようになっており、そのために現地で撮影された背景の
写真がスキャナ30によって読み取られて、CRTディスプ
レイ38に背景画像を表示するためのデータが作成され
る。スキャナ30による背景写真の読取りによって背景各
部の3色成分色光のディジタル値DR,DG,DBが得られ、こ
れがCRTディスプレイ38への入力電圧r,g,bに変換され、
さらに3刺激値X,Y,Zに変換されて、ビデオラRAM18に格
納されるのである。なお、スキャナ30による背景写真の
読取点のピッチは、自動車の画像と背景の画像との距離
窓およびパースが合致するように決められる。そのため
に、前述のように背景撮影時に第7図の各距離および角
度が測定されるのである。また、自動車の像と背景画像
との相対位置は自動車の像の中心が第7図における視中
心と一致するように決められる。
(8)CRTディスプレイへの表示B10 以上のようにしてビデオRAM18に格納された自動車と
背景とのカラー表示用データに基づいて第二ディスプレ
イコントローラ25がCRTディスプレイ38を制御すること
により、CRTディスプレイ38に自動車と背景のカラー表
示が行われる。
このカラー表示の正確さを評価するために、画像上の
第13図に示すA,B,C,D,E,Fの各点について、色度と輝度
との測定値と計算値との差を調べた結果をそれぞれ第14
図および第15図に示す。これらの図において、色度も輝
度も計算値と実測値とがよく一致しており、本発明によ
れば自動車および背景の像を正確な色で表示し得ること
が判る。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ディスク装置34またはコンピュータ10のRAM16が入
射光関連データ記憶手段1を構成し、データベース33ま
たはRAM16が反射特性関連データ記憶手段2を構成して
いる。そして、コンピュータ10のブロックB5,B8およびB
9を実行する部分が表示データ作成手段3を構成し、CRT
ディスプレイ38が表示装置を構成している。
以上詳記した実施例装置においては、大気の組成から
直射日光の地表における分光放射照度が計算され、ま
た、太陽の高度および方位と大気の混濁因子とに基づい
て天空の各点から物体表面への入射光の分光放射輝度が
計算されるようになっているため、大気の組成および混
濁因子、並びに太陽の高度および方位を変えることによ
って、任意の時刻および天候の下における自動車の画像
を正確な色でCRTディスプレイ38に表示することができ
るのであるが、直射日光と天空の各点からの光の分光放
射照度を直接測定し、その測定結果に基づいて自動車の
画像をCRTディスプレイに表示することも可能である。
この場合には、太陽の高度,方位,天候等を変えて自動
車の画像を表示することはできないのであるが、実際の
分光放射照度の測定に基づいて画像を表示するのである
から、自動車の色をより正確に表示することができる。
直射日光の分光放射照度の測定は、WMO(World Meteo
rolorica Organization,世界気象機関)の技術勧告に従
って、第16図に示す測定装置を使用して行う。
また、天空の分光放射照度の測定点は、天空上に一様
にくまなく存在することが望ましいのであるが、例え
ば、第17図および第18図に示す151個の円形の領域の各
中心の値をサンプリングすることが推奨される。各サン
プリング領域は、第2表により定められる。
なお、上記サンプル点の各々について、分光放射照度
の測定を行うのであるが、全てのサンプル点について測
定を行うためには30分前後を必要とするため、各点の色
度および輝度のみを測定し、それらから分光放射照度を
推定することも可能である。
また、各サンプル点の輝度のみを測定し、それに基づ
いて前記実施例と同様に分光放射照度を推定することも
可能である。このようにすれば、混濁因子TVLを変化さ
せることにより、曇天から快晴までの任意の天空をシミ
ュレーションすることができる。
また、CRTディスプレイ38の画面全体に自動車の像を
1つ表示することも可能であるが、画面を複数枠に仕切
り、各枠内に例えば天候の条件の異なる像を表示して、
すべての天候下における色の比較評価を行い得るように
することも可能である。また、異なる塗料で塗装された
自動車が同じ条件下においてどのように見えるかを評価
することも可能である。さらに、1個のCRTディスプレ
イでは画面が不足の場合には、複数のCRTディスプレイ
を使用することも可能であり、また、CRTディスプレイ
に表示されている自動車の像の一部を拡大して表示させ
ることも可能である。
さらに付言すれば、自動車の像と共に背景の画像を表
示することは必ずしも不可欠ではなく、自動車の周辺を
予め定められた一定の色および輝度の面とすることも可
能である。
また、表示装置はCRTディスプレイ等、画面に光によ
って物体の像を表示するものに限定されるわけではな
く、紙などの記録媒体上に物体の像を表示するカラープ
リンタ等の使用も可能である。要するに人に物体の像を
色彩を伴って認識させ得る装置であればよいのである。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概念的に示す図である。第2図
は本発明の一実施例であるカラーグラフィック装置のブ
ロック図である。第3図は上記カラーグラフィック装置
の機能の概略を示すブロック図である。第4図および第
5図は上記カラーグラフィック装置における着色計算を
説明するための図である。第6図は上記カラーグラフィ
ック装置の機能を第3図におけるよりも詳細に示すブロ
ック図である。第7図は背景の撮影時に測定されるべき
各距離および角度を示す図である。第8図は上記カラー
グラフィック装置における天空の任意の点から物体に入
射する光の分光放射輝度の計算を説明するための図であ
る。第9図は天空の輝度と相関色温度との関係の測定結
果を示すグラフである。第10図は物体表面の分光立体角
反射率の測定を説明するための図である。第11図および
第12図はそれぞれソリッド塗装面およびメタリック塗装
面の分光立体角反射率の測定結果を示すグラフである。
第13図は本発明の有効性を確認するために、色度および
輝度の測定値と計算値との比較を行った各点の位置を示
す図であり、第14図および第15図はそれぞれ色度および
輝度の測定値と計算値とを比較して示すグラフである。
第16図は本発明の別の実施例において直射日光の分光放
射照度の測定に用いられる装置を示す正面断面図であ
る。第17図および第18図は上記別の実施例において天空
光の分光放射照度を測定される領域の一例を示す側面図
および平面図である。 10:コンピュータ 22:第一ディスプレイコントローラ 25:第二ディスプレイコントローラ 30:スキャナ 34:ディスク装置 36,38:CRTディスプレイ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】計算で作成された画像データに基づいて物
    体の像をカラー表示するカラーグラフィック装置であっ
    て、 前記物体の形状に関連した形状関連データを記憶する形
    状関連データ記憶手段と、 前記物体の表面に入射する直接光と天空光等の間接光と
    の分光組成に関連する入射光関連データを記憶する入射
    光関連データ記憶手段と、 前記物体の表面の分光反射特性に関連した反射特性関連
    データを記憶する反射特性関連データ記憶手段と、 それらデータ記憶手段に記憶された形状関連データ,入
    射光関連データおよび反射特性関連データに基づいて前
    記物体の像をカラー表示するための表示データを作成す
    る表示データ作成手段と、 その表示データ作成手段により作成された表示データに
    基づいて前記物体の像をカラー表示する表示装置と を含むことを特徴とするカラーグラフィック装置。
  2. 【請求項2】前記入射光関連データ記憶手段が、地球上
    の位置とその位置における大気の光学的性質とを表すデ
    ータを前記入射光関連データとして記憶しており、か
    つ、当該カラーグラフィック装置が、それら入射光関連
    データ記憶手段に記憶されている位置とその位置におけ
    る大気の光学的性質とのデータに基づいて前記位置にあ
    る物体への入射光の分光組成データを作成する分光組成
    データ作成手段を含むことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載のカラーグラフィック装置。
  3. 【請求項3】前記入射光関連データ記憶手段が、さら
    に、時刻のデータを前記入射光関連データとして記憶し
    ており、前記分光組成データ作成手段が、前記地球上の
    位置とその位置における大気の光学的性質と時刻とのデ
    ータに基づいて、少なくとも直射日光の分光放射照度と
    天空各部の分光放射輝度とを演算する手段を含み、か
    つ、前記表示データ作成手段が、それら直射日光の分光
    放射照度および天空各部の分光放射輝度と、前記反射特
    性関連データとに基づいて前記表示データのうちの着色
    データを作成する手段を含むことを特徴とする特許請求
    の範囲第2項に記載のカラーグラフィック装置。
  4. 【請求項4】前記入射光関連データが、地球上の、物体
    が置かれることが想定されている位置において実際に測
    定された太陽と天空各部とからの光の分光放射照度のデ
    ータを含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載のカラーグラフィック装置。
  5. 【請求項5】前記入射光関連データが、地球上の、物体
    が置かれることが想定されている位置において実際に測
    定された直射日光の分光放射照度と天空各部の輝度との
    データを含み、かつ、当該カラーグラフィック装置が、
    天空各部の輝度のデータに基づいて天空各部の分光放射
    照度を演算する手段を含むことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のカラーグラフィック装置。
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